JPS6241418Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、所謂、ムービングヘツド方式の磁気
カードリーダに使用する走行磁気ヘツド装置に関
するものである。

近年、磁気カードリーダに使用される磁気記録
媒体として、磁気カードのみでなく磁気通帳等が
使用され、これら種々の磁気記録媒体を一台の磁
気カードリーダで使用する必要が生ずるに至つて
いる。すなわち、磁気カードリーダの大きな汎用
性が必要となつているのである。このように、
種々の磁気記録媒体を使用する磁気カードリーダ
においては、磁気記録媒体として、磁気通帳等を
使用する時、その端の部分は変形して厚くなつた
り、折れ曲がつたりしていることが多く、この部
分に磁気ストライブがあると、磁気ヘツドのギヤ
ツプ部に接触するときにスペーシングロスを生じ
てエラーを起こしやすくなる。

本考案の目的は、従来技術の欠点を除去するた
めになされたものであつて、磁気通帳などのふく
らみや、変形部分を磁気ヘツドの周囲面積を含む
案内板の傾斜面によつて案内され、媒体押圧面に
よつて押えることによつてスペーシングロスの発
生を防ぎエラーを生じさせない走行磁気ヘツド装
置を提供することにある。

本考案の基本的構成は、磁気カード、磁気通帳
等の磁気記録媒体に向かつて付勢された磁気ヘツ
ドを、前記磁気記録媒体に形成された磁気ストラ
イプに圧接しつつ走行し、情報の授受を行う走行
磁気ヘツド装置において、前記磁気ヘツドのギヤ
ツプ部とは反対方向に伸びる傾斜面と、該傾斜面
と連続して磁気ヘツドに至る平坦な媒体押圧面と
を両側に有する案内板を、前記磁気ヘツドに対し
て、前記磁気ヘツドの走行方向の前後に前記傾斜
面と前記媒体押圧面とがそれぞれ位置し、かつ前
記磁気ヘツドのギヤツプ部が前記媒体圧面から露
出するように取り付けると共に、該案内板の進行
方向の端部を前記ギヤツプ部とは反対方向に傾斜
させ、前記案内板を前記磁気ヘツドの弾発付勢力
よりも大きな剛性を有する材料で構成したことを
特徴とする、走行磁気ヘツド装置である。

以下、本考案の一実施例を図に基づいて説明す
る。

磁気カードリーダの磁気記録媒体用の挿入部１
内には磁気通帳２が挿入され、位置決めされてい
る。磁気通帳２には磁気ストライプ（図示せ
ず。）が形成され、磁気ヘツド３は図示しない電
気モータ等に連動してＡ−A′方向に往復動しつ
つ磁気ストライプに摺接して、情報の授受を行う
のである。磁気ヘツド３はそのギヤツプ部３ａを
挿入部１内に進入させて位置し、ヘツドホルダ４
に固定されている。ヘツドホルダ４は軸５を介し
て揺動アーム６に取り付けられ、磁気ヘツド３は
軸５を中心にしてＢ−B′方向に揺動自由であり、
また、揺動アーム６は図示しないヘツドブロツク
に支持されてＣ−C′方向に揺動自在である。ヘ
ツドブロツクが電気モータ等によつてＡ−A′方
向に往復駆動されることになる。ここで、揺動ア
ーム６は図示しないバネ部材によつて常時Ｃ方向
に弾発付勢され、この弾発力によつて磁気ヘツド
３のギヤツプ部３ａは磁気通帳２の磁気ストライ
ブに圧接する。

案内板７は、その中央部に磁気ヘツド挿入用の
孔７ａを有し、孔７ａに沿つて対向する位置に切
起し部７ｂ，７ｂを有している。そして、磁気ヘ
ツド３はこの孔７ａ内に挿入されて少くともギヤ
ツプ部３ａを露出させ、更に切起し部７ｂ，７ｂ
で両側から挟持され、この部分を接着剤等で固着
されている。こうして、案内板７はＡ−A′方向
に伸設されることとなり、平坦部分は磁気通帳２
を押圧する媒体押圧面７ｄを形成し、その両端部
には傾斜面７ｃ，７ｃが形成されている。傾斜面
７ｃ，７ｃは磁気ヘツド３のギヤツプ部３ａとは
反対方向に傾斜している。そして、案内板７の材
質は、磁気ヘツド３の磁気通帳２に対する圧接力
よりも大きな剛性を有する材質であることが必要
であり、その理由は、案内板７と磁気通帳２とが
衝突したとき、案内板７自体がたわんでしまつて
は、案内板７を設けた意義が失われるからであ
る。

さて、磁気ヘツド３をＡ方向へ移動させると、
先ず、案内板７の傾斜面７ｃが磁気通帳２の下方
に入り込み、磁気通帳２を傾斜面７ｃに沿つて案
内板７の媒体押圧面７ｄに押し上げることにな
る。すなわち、磁気通帳２は案内板７の媒体押圧
面7dに滑らかに押し上げられることにより一定
高さまで上昇させられ、次いで磁気通帳２は、媒
体押圧面7dによつて押し上げられつつ磁気ヘツ
ド３のギヤツプ部３ａに至る斜面に沿つて相対的
に移動し、そして、その後、初めてギヤツプ部３
ａに接触するのである。ここで、案内板７は全く
たわまないから、上記したごとく、磁気通帳２は
滑らかに磁気ヘツド３と接触することになる。

また、磁気ヘツド３がＡ方向に移動して、磁気
通帳２から離脱する場合も全く同じである。すな
わち、磁気ヘツド３の受ける衝撃力は極めて小さ
いのである。

一方、磁気ヘツド３はＢ−B′方向に揺動するこ
とができ、これによりギヤツプ部３ａは磁気通帳
２の磁気ストライプに圧着し得るのであるが、案
内板７は磁気ヘツド７よりも広い巾Ｗを有するか
ら、案内板７が磁気通帳２と圧接した時点で磁気
ヘツド３はおおむねそのＢ−B′方向の傾斜角度を
決定され、これによりギヤツプ部３ａはより滑ら
かに磁気ストライプと接触し得るのである。

以上説明したように本考案によれば磁気ヘツド
を囲むように、かつその周囲の面積を含む大きさ
の案内板の傾斜面で磁気通帳等のふくらみや、変
形を矯正し、媒体押圧面で磁気ヘツドのギヤツプ
部と磁気ストライブとを離れないように押圧する
ことができるのでスペーシングロスによるエラー
を防ぐことができ、また構成が極めて簡単である
という効果も生ずる。

更に、案内板の存在により、異物の挿入等の場
合に磁気ヘツドを確実に保護し得るという効果を
も生ずる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の正面図、第２図は第１図
の要部平面図、第３図は第１図の左側面図であ
る。 ２……磁気通帳、３……磁気ヘツド、３ａ……
ギヤツプ部、７……案内板、７ｃ……傾斜面、７
ｄ……媒体押圧面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁気カード、磁気通帳等の磁気記録媒体に向か
   つて付勢された磁気ヘツドを、前記磁気記録媒体
   に形成された磁気ストライプに圧接しつつ走行
   し、情報の授受を行う走行磁気ヘツド装置におい
   て、前記磁気ヘツドのギヤツプ部とは反対方向に
   伸びる傾斜面と、該傾斜面と連続して磁気ヘツド
   に至る平坦な媒体押圧面とを両側に有する案内板
   を、前記磁気ヘツドに対して、前記磁気ヘツドの
   走行方向の前後に前記傾斜面と前記媒体押圧面と
   がそれぞれ位置し、かつ前記磁気ヘツドのギヤツ
   プ部が前記媒体押圧面から露出するように取り付
   けると共に、前記案内板を前記磁気ヘツドの弾発
   付勢力よりも大きな剛性を有する材料で構成した
   ことを特徴とする走行磁気ヘツド装置。