JPH0280614A - 改質ポリエステル繊維 - Google Patents

改質ポリエステル繊維

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JPH0280614A
JPH0280614A JP22975288A JP22975288A JPH0280614A JP H0280614 A JPH0280614 A JP H0280614A JP 22975288 A JP22975288 A JP 22975288A JP 22975288 A JP22975288 A JP 22975288A JP H0280614 A JPH0280614 A JP H0280614A
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JP
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sulfonic acid
acid
yarn
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JP22975288A
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Kazuyuki Yamamoto
和幸 山本
Shiro Kumakawa
熊川 四郎
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野] 本発明は、ロープ、紐等のスポーツ、産業資材用として
有用な、高強度で、耐摩耗性に優れ、且つカチオン染料
に染色可能な改質ポリエステル繊維に関するものである
〔従来の技術〕
ポリエステルは、多くの優れた特性を有するが故に、衣
料用のみならず産業資材用として広く用いられているが
、染色性が低く、特に分散染料以外の染料には染色困難
である。この染色性を改良するために、種々の提案がな
されている。
その一つとして、従来から、スルホン酸金属塩基を含有
するイソフタル酸成分、例えば5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸成分をポリ善ステルに共重合することにより
カチオン染料で染色可能にする方法が知られている(特
公昭34−10497号公報参照)。
しかし、この方法では、スルホン酸金属塩基を含有する
イソフタル酸成分を、染色性を満足なレベルに上げるに
必要な量弁重合すると、該スルホン酸金属塩基を含有す
るイソフタル酸成分の増粘作用のため、重合反応物の溶
融粘度が著しく増大し、重合度を充分に上げることが困
難になると同時に、紡糸をも困難ならしめていた。従っ
て、かかる量のスルホン酸金属塩基を含有するイソフタ
ル酸成分を共重合した改質ポリエステルの溶融粘度を、
重合が容易で、且つ溶融紡糸できる範囲にまで低下させ
るために、改質ポリエステルの重合度を低くしておく必
要がある。その結果、得られる糸強度が低下し、これが
得られたカチオン染料可染型ポリエステル繊維の用途を
著しく制限している。
一方、カチオン染料可染化剤としてスルホン酸ホスホニ
ウム塩基を有するイソフタル酸成分を用いる方法が知ら
れている(特公昭47−22334号公報、米国特許第
3,732,183号明細書参照)。この方法によれば
、重合反応中での増粘作用が小さいので、改質ポリエス
テルの重合度を高くしても、溶融粘度が通常溶融紡糸で
きる範囲におさえられる。このため、高強度のカチオン
染料可染型ポリエステル繊維が容易に得られるようにな
る。
しかしながら、この方法においては、使用するスルホン
酸ホスホニウム塩基を有するイソフタル酸成分の耐熱性
が、スルホン酸金属塩基を有するイソフタル酸成分に比
べて劣るために、改質ポリエステルの重合反応過程や溶
融紡糸過程等の高熱条件下で自ら分解したり、又はポリ
マーの分解を促進したりして、生成ポリエステルや成形
品を黄褐色に着色せしめ、且つ改質ポリエステルの重合
度を著しく低下せしめるという重大な欠点があり、充分
な強度が得られず、また耐摩耗性も低く、ロープ、紐等
のスポーツ、産業資材用途には不適切なものであった。
[発明が解決しようとする課題] ところが、近年、ロープ、紐等のスポーツ、産業資材用
途でも、ファッション化が進み、分散染料以外の染料で
も染色可能で、高強度であり、且つ耐摩耗性に優れたポ
リエステル繊維が望まれるようになってきた。本発明者
らは、従来技術では対応が困難であった上記欠点を解決
するため、鋭意検討の結果、前記したスルホン酸ホスホ
ニウム塩を共重合したポリマー中に特定の第4級オニウ
ム塩を添加することにより、耐熱性が向上し、更に驚く
べきことには、耐摩耗性にも向上効果があり、特定の繊
維物性と組み合わせることにより、ロープ、紐用途でも
充分に使用可能な耐摩耗性を備えた繊維が得られること
を見出し、本発明に到達したものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単
位とし、 (式中、Aは芳香族基又は脂肪族基、X、はエステル形
成性官能基、X!はXlと同−若しくは異なるエステル
形成性官能基又は水素原子、R1、Rz、Rs及びR4
はアルキル基及びアリール基より選ばれた同−又は異な
る基、nは正の整数を示す。)で表されるスルホン酸ホ
スホニウム塩を0.05〜20モル%共重合するととも
に、第4級オニウム塩をスルホン酸ホスホニウム塩に対
し0.1〜20モル%含有し、極限粘度が0.7〜1.
0であるポリエステルよりなり、単糸繊度が4デニ一ル
以上、強度が6 g / d e以上、伸度が20%以
下であることを特徴とする改質ポリエステル繊維に関す
るものである。
本発明でいうポリエステルは、テレフタル酸を主たる酸
成分とし、少なくとも1種のグリコール、好ましくはエ
チレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメ
チレングリコールから選ばれた少な(とも1種のアルキ
レングリコールをグリコール成分とするポリエステルを
主たる対象とする。
また1、テレフタル酸成分の一部を他の二官能性カルボ
ン酸成分で置き換えたポリエステルであってもよく、及
び/又はグリコール成分の一部を主成分以外の上記グリ
コール若しくは他のジオール成分で置き換えたポリエス
テルであってもよい。
ここで使用されるテレフタル酸以外の二官能性カルボン
酸としては、例えばイソフタル酸、ナフタリンジカルボ
ン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフヱノキシエタンジ
カルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、p−オ
キシ安息香酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸の如き芳香族、脂肪族、脂環族
の二官能性カルボン酸をあげることができる。更に、本
発明の効果が実質的に奏せられる範囲で、5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸等のスルホン酸金属塩基を有する
イソフタル酸を共重合成分として用いてもよい。
また、上記グリコール以外のジオール化合物としては、
例えばシクロヘキサン−1,4−ジメタツール、ネオペ
ンチルグリコール、ビスフェノールA、ビスフェノール
Sの如き芳香族、脂肪族、脂環族のジオール化合物及び
ポリオキシアルキレングリコール等をあげることができ
る。
更に、ポリエステルが実質的に線状である範囲で、トリ
メリット酸、ピロメリット酸の如きポリカルボン酸、グ
リセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ールの如きポリオールを使用することができる。
かかるポリエステルは、任意の方法によって合成される
。例えばポリエチレンテレフタレートについて説明すれ
ば、通常、テレフタル酸とエチレングリコールとを直接
エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチルの如き
テレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレングリコ
ールとをエステル交換反応させるか、又はテレフタル酸
とエチレンオキサイドとを反応させるかして、テレフタ
ル酸のグリコールエステル及び/又はその低重合体を生
成させる第1段階の反応と、第1段階の反応生成物を減
圧上加熱して所望の重合度になるまで重縮合反応させる
第2段階の反応によって製造される。
本発明の方法において共重合成分として使用するスルホ
ン酸ホスホニウム塩は、−71式で表される0式中、A
は芳香族基又は脂肪族基を示し、なかでも芳香族基が好
ましい、X、はエステル形成性官能基を示し、具体例と
して−(CH,)a  −0H1 0(CHz  )b   (OCCHt  )・b)4
01(。
C(0(CH!  ) b  ) a  OH(但し、
R′は低級アルキル基又はフェニル基、a及びdは1以
上の整数、bは2以上の整数である)等を挙げることが
できる。X2は、XIと同−若しくは異なるエステル形
成性官能基又は水素原子を示し、なかでもエステル形成
性官能基であることが好ましい、R1、R1、R1及び
R4は、アルキル基及びアリール基よりなる群から選ば
れた同−又は異なる基を示す、nは正の整数である。
かかるスルホン酸ホスホニウム塩は、一般に対応するス
ルホン酸とホスフィン類との反応又は対応スるスルホン
酸金属塩とホスホニウムハライド類との反応により容易
に合成できる。
上記スルホン酸ホスホニウム塩の好ましい具体例として
は、3.5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブ
チルホスホニウム塩、3.5−ジカルボキシベンゼンス
ルホン酸エチルトリブチルホスホニウム塩、3.5−ジ
カルボキシベンゼンスルホン酸ベンジルトリブチルホス
ホニウム塩、3.5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸
フェニルトリブチルホスホニウム塩、3.5−ジカルボ
キシベンゼンスルホン酸テトラフェニルホスホニウム塩
、3.5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ブチルトリ
フェニルホスホニウム塩、3.5−ジカルボキシベンゼ
ンスルホン酸ベンジルトリフェニルホスホニウム塩、3
.5−ジカルポメトキシベンゼンスルホン酸テトラブチ
ルホスホニウム塩、3.5−ジカルボメトキシベンゼン
スルホン酸エチルトリブチルホスホニウム塩、3,5−
ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸ペンジルトリブチ
ルホスホニウム塩、3.5−ジヵルボメトキシベンゼン
スルホン酸フェニルトリブチルホスホニウム塩、3.5
−ジカルポメトキシベンゼンスルホン酸テトラフェニル
ホスホニウム塩、3.5−ジカルボメトキシベンゼンス
ルホン酸エチルトリフェニルホスホニウム塩、3.5−
ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸ブチルトリフェニ
ルホスホニウム塩、3.5−ジカルボメトキシベンゼン
スルホン酸ベンジルトリフェニルホスホニウム塩、3−
カルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウ
ム塩、3−カルボキシベンゼンスルホン酸テトラフェニ
ルホスホニウム塩、3−カルボメトキシベンゼンスルホ
ン酸テトラブチルホスホニウム塩、3−カルボメトキシ
ベンゼンスルホン酸テトラフェニルホスホニウム塩、3
.5−ジ(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼ
ンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、3゜5−ジ
(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホ
ン酸テトラフェニルホスホニウム塩、3−(β−ヒドロ
キシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸テトラブ
チルホスホニウム塩、3−(β−ヒドロキシエトキシカ
ルボニル)ベンゼンスルホン酸テトラフェニルホスホニ
ウム塩、4−ヒドロキシエトキシベンゼンスルホン酸テ
トラブチルホスホニウム塩、2.6−ジカルポキシナフ
タレンー4−スルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、
α−テトラブチルホスホニウムスルホコハク酸等をあげ
ることができる。上記スルホン酸ホスホニウム塩は、1
種のみを単独で用いても2種以上併用してもよい。
上記スルホン酸ホスホニウム塩をポリエステルに共重合
するには、前述したポリエステルの合成が完了する以前
の任意の段階で、好ましくは第1段階の反応が終了する
以前の任意の段階で添加すればよい。スルホン酸ホスホ
ニウム塩をポリエステルに共重合させる割合は、ポリエ
ステルを構成する二官能性カルボン酸成分(スルホン酸
塩を除く)に対して0.05〜20モル%の範囲であり
、0.5〜10モル%の範囲が好ましい。共重合割合が
0.05モル%より少ないと、得られる改質ポリエステ
ルのカチオン染料に対する染色性が不充分になり、20
モル%より多くなるとカチオン染料に対する染色性は最
早著しい向上を示さず、後で述べる固相重金時のチップ
の融着や溶融吐出時のエクストルーダへのチップの噛み
込み不良が発生するようになる。
かかる改質ポリエステルを製造するに当たって、第4級
オニウム塩を添加する。第4級オニウム塩としては、第
4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩等があり、
具体的には、第4級アンモニウム塩としては水酸化テト
ラメチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム
、水酸化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラエチル
アンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化
テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアン
モニウム、塩化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テ
トライソプロピルアンモニウム、塩化テトライソプロピ
ルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、塩
化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラフェニルア
ンモニウム、塩化テトラフェニルアンモニウム等が例示
される。第4級ホスホニウム塩としてはクロルベンジル
ホスホニウムクロライド、ステアリルエチルジヒドロキ
シエチルホスホニウムエトサルフェート、テトラブチル
ホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムド
デシルベンゼンスルホネート、テトラブチルホスホニウ
ムトシレート、テトラブチルホスホニウムステアレート
、テトラブチルホスホニウムオレエート、テトラブチル
ホスホニウムホスフェート、テトラブチルホスホニウム
ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマ
イド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、エチル
トリフェニルホスホニウムアイオダイド、エチルトリフ
ェニルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェニル
ホスホニウムクロライド、トリブチルアリルホスホニウ
ムブロマイド、エチレンビストリス(2−シアノエチル
)ホスホニウムブロマイド、トリス−2−シアノエチル
アリルホスホニウムクロライド、テトラキス(ヒドロキ
シメチル)ホスホニウムサルフェート、テトラキス(ヒ
ドロキシメチル)ホスホニウムクロライド等が例示され
る。
上記第4級オニウム塩の使用量は、あまりに少ないと耐
熱性を改善する効果が不充分となり、逆にあまりに多く
なると、かえって耐熱性が悪化する。このため、第4級
オニウム塩の使用量は、前記スルホン酸ホスホニウム塩
に対して0.1〜20.0モル%の範囲が好ましく、な
かでも1.0−10.0モル%の範囲が特に好ましい。
かかる第4級オニウム塩の添加時期は、前記したポリエ
ステルの合成が完了するまでの任意の段階で良く、例え
ばポリエステルの原料中に添加しても、第1段階の反応
中に添加しても、第1段階の反応終了後から第2段階の
反応開始までの間に添加しても、第2段階の反応中に添
加してもよい。
上記第4級オニウム塩と前記スルホン酸ホスホニウム塩
との添加順序は任意でよく、両者を予め混合した後に添
加することもできる。また、スルホン酸ホスホニウム塩
の製造に際して、第4級ホスホニウムハライド等の第4
級ホスホニウム塩とスルホン酸金属塩との反応による合
成方法を採用することがあり、その場合原料の第4級ホ
スホニウム塩が反応生成物であるスルホン酸ホスホニウ
ム塩の中に一部残存することがある。かかる場合には、
別に第4級ホスホニウム塩を使用することを要さず、こ
の残存第4級ホスホニウム塩を利用することもできる。
このようにして耐熱性を向上させることは、紡糸時のポ
リマーの劣化を抑制できるだけでなく、得られた繊維を
ローブ、紐等のスポーツ、産業資材用に用いた時、金具
類との摩擦時に発生する熱に対する劣化も抑制すること
ができ、耐摩耗性の向上に著しい効果を発揮する。
かくして得られる改質ポリエステルの重合度は、極限粘
度〔η〕で、通常、0.6〜0.7程度であり、更に高
〔η〕とするためには、公知の方法である固相重合法を
用いることができる。
例えば、2X2X3mm程度にカットした溶融重合チッ
プを、回転式乾燥機で攪拌しつつ、減圧上固相重合温度
210〜230°Cで数時間重合反応を行うことにより
、所望の極限粘度を得ることができる。
かくして得られた改質ポリエステルを260〜330°
Cで常法により溶融し、紡糸口金から延伸後の単糸繊度
が少なくとも4デニ一ル以上になるように吐出して、融
点以上の温度の加熱雰囲気中に、ある一定時間さらして
遅延冷却した後、冷却風にて冷却固化せしめ、油剤を0
.05〜10重量%付与する。油剤は、常法に従って一
般繊維用油剤を適用することが可能であり、油剤付与も
常法に従ってオイリングローラ方式、スプレ一方式等任
意の方式を採用することが可能である。
このようにして得られた未延伸糸は、引取ローラを通し
て未延伸パッケージとして巻き取り、別工程で延伸熱処
理するか、引取ローラを通した後そのまま巻き取らず連
続的に延伸熱処理してもよい、延伸熱処理条件としては
、加熱ローラで改質ポリエステルのガラス転移温度以上
で、例えば80〜95℃で予熱後、引取ローラの速度に
応じる延伸倍率、例えば3.5〜5.0倍に2段延伸し
、改質ポリエステルの結晶化温度以上、例えば180〜
250°Cで熱処理すればよい。
以上のようにしてカチオン染料に染色可能な改質ポリエ
ステル繊維を得ることができるが、改質ポリエステル繊
維の極限粘度は、0.70以上、1.0以下とすること
が肝要である。極限粘度が0.70未満では、充分な耐
摩耗性が得られないばかりか、後述する所定の強度を得
ることができない、また、極限粘度が1.0を超えると
、溶融吐出時に口金下の糸切れが頻発し安定した紡糸が
困難となる。また、改質ポリエステル繊維の単糸繊度は
、4デニ一ル以上が必要である。単糸繊度が4デニ一ル
未満では、耐摩耗性が劣る。一方、耐摩耗性の点からみ
ると、単糸繊度は太い程良いが、あまり大すぎると、目
的とするロープ、紐等のスポーツ、産業資材用途に充分
な強度を付与することが困難となるため、通常、20デ
ニ一ル前後がその上限となる。
更に、改質ポリエステル繊維の強度は、6g/de以上
、伸度は、20%以下であることが必要である0強度が
低すぎたり、あるいは伸度が高ずぎたりする場合は、ロ
ープ、紐用途には不適当であり、耐摩耗性も劣ったもの
となる。
[実施例] 以下に実施例をあげて本発明を詳述するが、本発明はこ
れに限定されるものではない。
なお、実施例中の部及び%は、それぞれ重量部及び重量
%を示す。
また、ポリマーの極限粘度〔η〕は、35°Cのオルソ
クロルフェノール溶液で測定した。
更に、改質ポリエステル繊維の耐摩耗性は、延伸糸を合
糸して1000デニールとし、100T/mの下撚りを
施した後、これを、更に2本合わせて100T/mで逆
方向の上撚りを施したコードを、線径1.Ommのピア
ノ線に、550gの荷重下、90度の角度で接触させ、
ストローク12cm、ピッチ1往復/秒で往復運動させ
て、屈曲摩耗による毛羽が発生するまでの時間を測定し
た。
実施例1〜4、比較例1〜3 テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコール6
0部、酢酸マンガン4水塩0.03部(テレフタル酸ジ
メチルに対して0.024モル%)及び整色剤として酢
酸コバルト4水塩0.009部(テレフタル酸ジメチル
に対して0.007モル%)をエステル交換缶に仕込み
、窒素ガス雰囲気下3時間かけて140°Cから220
°Cまで昇温しで生成するメタノールを系外に留去しな
がらエステル交換させた。続いて得られた生成物にテレ
フタル酸ジメチルに対して1. 7モル%の量の3.5
−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラ−n−ブチル
ホスホニウム塩を20%加熱エチレングリコール溶液と
して添加し、引続きテレフタル酸ジメチルに対して0.
020モル%の量のテトラ−n−ブチルホスホニウムク
ロライドを85%水溶液として添加した。その後、22
0°Cで20分間攪拌し、次いで安定剤として正リン酸
の56%水溶液0.03部(テレフタル酸ジメチルに対
して0.033モル%)を添加し、過剰エチレングリコ
ールの昇温追い出しを開始した。
10分後、重縮合触媒として三酸化アンチモン0.04
部(テレフタル酸ジメチルに対して0.027モル%)
を添加し、内温が240°Cに到達した時点でエチレン
グリコールの追い出しを終了し、反応生成物を重合缶に
移した。
次いで、昇温しなから内温が260 ’Cに到達するま
で常圧で反応させた後、1時間かけて760mmHgか
らlmmHgまで減圧し、同時に、1時間30分かけて
内温を280°Cまで昇温した。
lmmHg以下の減圧下、重合温度280°Cで更に2
時間重合した時点で、窒素ガスで真空を破って重合反応
を終了し、窒素ガス加圧下に280°Cでポリマーの吐
出を行った。得られたポリマーの重合度は、極限粘度で
0.644であった。
この生成した溶融ポリマーを水中に押出し、2x 2 
X 3 mmの大きさにカットした後、回転式乾燥機(
容積5M、ポリマー仕込量120kg)に移し、攪拌上
減圧すると同時に昇温し、真空度0. 8mHg、温度
215°Cで15.3時間固相重合を行った。この結果
、極限粘度が1.10の固相重合チップを得た。
また、これとは別に同じ要領で、温度215°Cで7時
間固相重合を行うことにより、極限粘度0.85の固相
重合チップを得た。
以上の2種の固相重合チップをエクストルーダーで溶融
し、第1表に示すポリマー温度で、孔数96、孔径0.
60mmの口金より、延伸糸の総デニールが500de
になるようにギアポンプで計量吐出した。
吐出された糸条は、口金下に設けられた長さ300mm
、温度345℃の加熱雰囲気を通過させたのち、長さ3
00mmにわたって、相対湿度65%、温度25゛Cの
冷却風を5Nrff/分送風して冷却固化させた。冷却
固化させた糸条は、オイリングローラで油剤を付与させ
た後、1.000m/分の速度で一旦巻き取った。
得られた未延伸糸条(ガラス転移温度=67°C1結晶
化最大温度=178°C)を、85°Cの余熱温度にて
ローラ間で3.55倍に延伸し、さらに310℃の気体
浴中(気体浴出口糸温度=150’c >で全延伸倍率
が第1表に示す倍率となるよう第2段の延伸を行い、次
に330°Cの加熱空気浴中(気体浴出口糸温度=18
0℃)で3%の弛緩熱処理を行ったのち、290m/分
の速度で巻き取り、総デニールが約500de、単糸繊
度が約5deの延伸糸を得た。
得られた延伸糸の物性を第1表に示す。
第1表から明らかなように、極限粘度〔η〕。
0.7以上、強度6.0g/de以上の場合(実施例1
〜4)は、毛羽発生までの時間が30分以上と優れた耐
摩耗性を示したが、極限粘度〔η〕rが1.0を超える
と(比較例1)、安定した紡糸が不可能となり、強度が
6g/de未満、伸度が20%を超える場合(比較例2
〜3)は、耐摩耗性が劣っていた。また、カチオン染料
(アストラゾルプルー)により染色すると、鮮やかな青
色に染色することができた。
実施例5〜6、比較例4 実施例3と同じ方法で得た極限粘度0.85のチップを
用い、口金紡糸孔数を第2表に示すように変更した以外
は、実施例3と同じ条件で紡糸し、未延伸糸を巻き取っ
た。
さらに、全延伸倍率を、4.19とした以外は、実施例
1と同じ条件で延伸し、総デニールが約500deの延
伸糸を得た。
得られた延伸糸の物性を第2表に示す。
第2表から明らかなように、単糸繊度が4デニ一ル以上
の場合(実施例5〜6)は、30分以上の良好な耐摩耗
性を示したが、単糸繊度が4デニ一ル未満(比較例4)
では、耐摩耗性が劣っていた。
また、カチオン染料(アストラゾルブルー)により染色
すると、鮮やかな青色に染色することができた。
実施例7〜8、比較例5〜7 改質ポリエステルの共重合成分(3,5−ジカルボキシ
ベンゼンスルホン酸テトラ−n−ブチルホスホニウム塩
)を、第3表に示すように変更した以外は、実施例3と
同じ条件で紡糸、延伸を行った。得られた延伸糸の物性
を第3表に示す。
スルホン酸ホスホニウム塩の共重合の割合が、0.05
モル%未満の場合(比較例5〜6)は、カチオン染料(
アストラゾルブルー)により染色しても、鮮やかな青色
には染色できなかった。
また、スルホン酸ホスホニウム塩を20モル%以上共重
合したもの(比較例7)では、固相重合時のチップの融
着、溶融押出時のチップのエクストルーダーへの噛み込
み不良が生じ、製糸困難であった。
一方、スルホン酸ホスホニウム塩を0.05〜20モル
%共重合したもの(実施例7〜8)では、カチオン染料
(アストラゾルプルー)で鮮やかな青色に染色すること
ができた。
実施例9〜10、比較例8〜10 第4級オニウム塩として使用したテトラn−ブチルホス
ホニウムクロライドのスルホン酸ホスホニウム塩に対す
る添加量を、第4表に示すように変更し、さらに得られ
る延伸糸の〔η〕、が同じレベルとなるように、溶融ポ
リマー温度を変更した以外は、実施例3と同じ条件で紡
糸、延伸を行った。得られた延伸糸の物性を第4表に示
す。
第4表か、ら明らかなように、第4級オニウム塩の添加
量が、スルホン酸ホスホニウム塩に対して061モル%
未満の場合(比較例8〜9)は、ポリマーの耐熱性が低
下し、溶融吐出時の〔η〕劣化が大きくなり、高〔η〕
、とするには、低ポリマー温度とする必要があり、その
ため曳糸性が低下する。また、得られた繊維の耐摩耗性
も低下し、好ましくない、さらに、第4級オニウム塩の
添加量が、スルホン酸ホスホニウム塩に対して、20モ
ル%を超えた場合(比較例10)も、やはり耐熱性が低
下するので不適当である。
第4級オニウム塩の添加量が、スルホン酸ホスホニウム
塩に対して、011〜20モル%の場合(実施例9〜1
0)に良好な結果が得られる。
(以下余白) 〔発明の効果〕 本発明の改質ポリエステル繊維は、高強度で耐摩耗性に
優れており、しかもカチオン染料に可染で、鮮やかな色
に染色することができる。従ってローブ、紐等のスポー
ツ、産業資材用途に有用に使用することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位と
    し、 ▲数式、化学式、表等があります▼ (式中、Aは芳香族基又は脂肪族基、X_1はエステル
    形成性官能基、X_2はX_1と同一若しくは異なるエ
    ステル形成性官能基又は水素原子、R_1、R_2、R
    _3及びR_4はアルキル基及びアリール基より選ばれ
    た同一又は異なる基、nは正の整数を示す。)で表され
    るスルホン酸ホスホニウム塩を0.05〜20モル%共
    重合するとともに、第4級オニウム塩をスルホン酸ホス
    ホニウム塩に対し0.1〜20モル%含有し、極限粘度
    が0.7〜1.0であるポリエステルよりなり、単糸繊
    度が4デニール以上、強度が6g/de以上、伸度が2
    0%以下であることを特徴とする改質ポリエステル繊維
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04228615A (ja) * 1990-12-27 1992-08-18 Teijin Ltd 吸湿性ポリエステル繊維の製造法
KR19990065965A (ko) * 1998-01-20 1999-08-16 조민호 염기성 염료 가염성 폴리에스테르 수지 및 그의 제조방법
JP2007031863A (ja) * 2005-07-25 2007-02-08 Teijin Fibers Ltd 分繊用異型ポリエステルマルチフィラメント

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JPS62149913A (ja) * 1985-12-19 1987-07-03 Teijin Ltd 改質ポリエステル繊維

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