JPH0361766B2 - - Google Patents

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JPH0361766B2
JPH0361766B2 JP6369288A JP6369288A JPH0361766B2 JP H0361766 B2 JPH0361766 B2 JP H0361766B2 JP 6369288 A JP6369288 A JP 6369288A JP 6369288 A JP6369288 A JP 6369288A JP H0361766 B2 JPH0361766 B2 JP H0361766B2
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JP
Japan
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polyester
acid
salt
fiber
ester
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JP6369288A
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Inventor
Motoyoshi Suzuki
Shinji Oowaki
Setsuo Yamada
Hironori Yamada
Kimihiro Ogawa
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
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Publication of JPH0361766B2 publication Critical patent/JPH0361766B2/ja
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  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
<産業上の利用分野> 本発明はカチオン染料に染色可能な改質ポリエ
ステルの製造法および改質ポリエステル繊維に関
するものであり、更に詳しくは、カチオン染料に
染色可能であると共に充分な強力等の物理的性質
を有し且つ耐熱性に優れた改質ポリエステルの製
造法および改質ポリエステル繊維に関するもので
ある。 <従来技術> ポリエステルは多くの優れた特性を有するがゆ
えに繊維やフイルムとして広く用いられている
が、染色性が低く、特に分散染料以外の染料には
染色困難である。この染色性を改良するために
種々の提案がなされている。その一つとして従来
からスルホン酸金属塩基を含有するイソフタル酸
成分、例えば5−ナトリウムスルホイソフタル酸
成分をポリエステルに共重合することによりカチ
オン染料で染色可能にする方法が知られている
(特公昭34−10497号公報)。 しかしながら、この方法では、スルホン酸金属
塩基を含有するイソフタル酸成分の増粘作用のた
め、重合反応物の溶融粘度が著しく増大し、重合
度を充分にあげることが困難になると同時に、紡
糸をも困難にならしめていた。従つて、かかる量
のスルホン酸金属塩基を含有するイソフタル酸成
分を共重合した改質ポリエステルの溶融粘度を、
重合が容易で且つ溶融紡糸ができる範囲にまで低
下させるために、改質ポリエステルの重合度を低
くしておく必要がある。その結果得られる糸の強
度が低下し、これが得られるカチオン染料可染型
ポリエステル繊維の用途を著しく制限している。 一方、カチオン染料可染化剤としてスルホン酸
ホスホニウム塩基を有するイソフタル酸成分を用
いる方法が知られている(特公昭47−22334号公
報、米国特許第3732183号明細書)。この方法によ
れば重合反応中での増粘作用が小さいので、改質
ポリエステルの重合度を高くしても、溶融粘度が
通常の溶融紡糸ができる範囲におさえられる。こ
のため高強度のカチオン染料可染型ポリエステル
繊維が容易に得られる。 しかしながら、この方法においては使用するス
ルホン酸ホスホニウム塩基を有するイソフタル酸
成分の耐熱性が、スルホン酸金属塩基を含有する
イソフタル酸成分に比べて劣るために、改質ポリ
エステルの重合反応過程や溶融紡糸過程等の高熱
条件下で自ら分解したり、ポリマーの分解を促進
して生成ポリエステルや成形品を黄褐色に着色さ
せ、且つ改質ポリエステルの重合度を著しく低下
させるという重大な欠点があり、更にこの着色が
染色した際に色調を悪化させることになる。この
ため、この方法が工業的に採用されることは従来
皆無であつた。 <発明が解決しようとする問題点> 本発明者は、前記したスルホン酸ホスホニウム
塩基を有するイソフタル酸成分を共重合した改質
ポリエステルの長所に鑑み、上記欠点を克服すべ
く鋭意検討し、その方策としてポリマー中に特定
量の第4級オニウム塩を添加することにより耐熱
性が大幅に向上し、高白度で高強力なカチオン可
染ポリエステル繊維が最終的に得られることを見
出した。本発明はかかる知見に基いて更に検討し
た結果完成したものである。 <発明の構成> 本発明は、 (1) テレフタル酸を主とする二官能性カルボン酸
又はそのエステル形成性誘導体、少なくとも一
種のアルキレングリコール又はそのエステル形
成性誘導体及び該二官能性カルボン酸成分に対
して0.1〜10.0モル%の下記一般式() (式中、Aは芳香族基又は脂肪族基、X1はエ
ステル形成性官能基、X2はX1と同一若しくは
異なるエステル形成性官能基又は水素原子、
R1、R2、R3及びR4はアルキル基及びアリール
基より選ばれた同一又は異なる基、nは正の整
数を示す。)で表わされるスルホン酸ホスホニ
ウム塩を反応させて改質ポリエステルを製造す
るに当り、該改質ポリエステルの溶融成形以前
の任意の段階で、該スルホン酸ホスホニウム塩
に対して0.1〜20.0モル%となる量の少なくと
も一種の第4級オニウム塩を添加することを特
徴とする改質ポリエステルの製造法。 (2) 請求項1に記載の製造法によつて得られる改
質ポリエステルを溶融紡糸してなる改質ポリエ
ステル繊維。 (3) 下記一般式() (式中、Aは芳香族基又は脂肪族基、X1はエ
ステル形成性官能基、X2はX1と同一若しくは
異なるエステル形成性官能基又は水素原子、
R1、R2、R3及びR4はアルキル基及びアリール
基より選ばれた同一又は異なる基、nは正の整
数を示す。)で表わされるスルホン酸ホスホニ
ウム塩を0.1〜10モル%共重合した極限粘度0.5
以上の改質ポリエステルからなり、且つ酢酸
0.4g/を含有する蒸留水中130℃で60分間湿
熱処理した際のポリエステル主鎖切断数が140
×1023/106g繊維以下である改質ポリエステ
ル繊維である。 (4) 下記一般式() (式中、Aは芳香族基又は脂肪族基、X1はエ
ステル形成性官能基、X2はX1と同一若しくは
異なるエステル形成性官能基又は水素原子、
R1、R2、R3及びR4はアルキル基及びアリール
基より選ばれた同一又は異なる基、nは正の整
数を示す。)で表わされるスルホン酸ホスホニ
ウム塩を0.1〜10モル%共重合した極限粘度0.5
以上の改質ポリエステルからなり、シルクフア
クターが25以上で且つ酢酸0.4g/を含有す
る蒸留水中130℃で60分間湿熱処理した際のポ
リエステル主鎖切断数が140×1023/106g繊維
以下である請求項3に記載の改質ポリエステル
繊維。 (5) 下記一般式() (式中、Aは芳香族基又は脂肪族基、X1はエ
ステル形成性官能基、X2はX1と同一若しくは
異なるエステル形成性官能基又は水素原子、
R1、R2、R3及びR4はアルキル基及びアリール
基より選ばれた同一又は異なる基、nは正の整
数を示す。)で表わされるスルホン酸ホスホニ
ウム塩を0.1〜10モル%共重合し、該スルホン
酸ホスホニウム塩に対して0.1〜20.0モル%と
なる量の少なくとも一種のポリエステルと実質
的に非反応性の第4級オニウム塩を添加した極
限粘度0.5以上の改質ポリエステルからなり、
且つ酢酸0.4g/を含有する蒸留水中130℃で
60分間湿熱処理した際のポリエステル主鎖切断
数が140×1023/106g繊維以下である請求項3
に記載の改質ポリエステル繊維。 本発明でいうポリエステルは、テレフタル酸を
主たる酸成分とし、少なくとも1種のグリコー
ル、好ましくはエチレングリコール、トリメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコールから選
ばれる少なくとも1種のアルキレングリコールを
グリコール成分とするポリエステルを主たる対象
とする。 また、テレフタル酸成分の一部を他の二官能性
カルボン酸成分で置換えたポリエステルであつて
もよく、及び/又はグリコール成分の一部を主成
分以外の上記グリコール若しくは他のジオール成
分で置換えたポリエステルであつてもよい。 ここで使用されるテレフタル酸以外の二官能性
カルボン酸としては、例えばイソフタル酸、ナフ
タリンジカルボン酸、ジフエニルジカルボン酸、
ジフエノキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキ
シエトキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、アジ
ピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸の如き芳香族、脂肪族、脂環族の二官
能性カルボン酸をあげることができる。更に本発
明の効果を実質的に奏する範囲で5−ナトリウム
スルホイソフタル酸等のスルホン酸金属塩基を有
するイソフタル酸を共重合成分として用いてもよ
い。 また、上記グリコール以外のジオール化合物と
しては、例えばシクロヘキサン−1,4−ジメタ
ノール、ネオペンチルグリコール、ビスフエノー
ルA、ビスフエノールSの如き脂肪族、脂環族、
芳香族のジオール化合物及びポリオキシアルキレ
ングリコール等をあげることができる。 更に、ポリエステルが実質的に線状である範囲
でトリメリツト酸、ピロメリツト酸の如きポリカ
ルボン酸、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトールの如きポリオールを使
用することができる。 かかるポリエステルは任意の方法によつて合成
される。例えばポリエチレンテレフタレートにつ
いて説明すれば、通常テレフタル酸とエチレング
リコールとを直接エステル化反応させるか、テレ
フタル酸ジメチルの如きテレフタル酸の低級アル
キルエステルとエチレングリコールとをエステル
交換反応させるか又はテレフタル酸とエチレンオ
キサイドとを反応させるかしてテレフタル酸のグ
リコールエステル及び/又はその低重合体を生成
させる第一段階の反応と、第一段階の反応生成物
を減圧下加熱して所望の重合度になるまで重縮合
反応させる第二段階の反応によつて製造される。 本発明の方法において共重合成分として使用す
るスルホン酸ホスホニウム塩は下記一般式() で表わされる。式中、Aは芳香族基又は脂肪族基
を示し、なかでも芳香族基が好ましい。X1はエ
ステル形成性官能基を示し、具体例として
【式】
【式】
【式】 (−CH2)−aOH、 −O(−CH2)−b[−O(CH2)−b]−dOH、
【式】 (但し、R′は低級アルキル基又はフエニル基、
a及びdは1以上の整数、bは2以上の整数であ
る)等をあげることができる。X2はX1と同一若
しくは異なるエステル形成性官能基又は水素原子
を示し、なかでもエステル形成性官能基であるこ
とが好ましい。R1、R2、R3及びR4はアルキル基
及びアリール基よりなる群から選ばれた同一又は
異なる基を示す。nは正の整数である。 かかるスルホン酸ホスホニウム塩は、一般に対
応するスルホン酸とホスフイン類との反応、又は
対応するスルホン酸金属塩とホスホニウムハライ
ド類との反応により容易に合成できる。 上記スルホン酸ホスホニウム塩の好ましい具体
例としては、3,5−ジカルボキシベンゼンスル
ホン酸テトラブチルホスホニウム塩、3,5−ジ
カルボキシベンゼンスルホン酸エチルトリブチル
ホスホニウム塩、3,5−ジカルボキシベンゼン
スルホン酸ベンジルトリブチルホスホニウム塩、
3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸フエニ
ルトリブチルホスホニウム塩、3,5−ジカルボ
キシベンゼンスルホン酸テトラフエニルホスホニ
ウム塩、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン
酸ブチルトリフエニルホスホニウム、3,5−ジ
カルボキシベンゼンスルホン酸ベンジルトリフエ
ニルホスホニウム塩、3,5−ジカルボメトキシ
ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム
塩、3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホン
酸エチルトリブチルホスホニウム塩、3,5−ジ
カルボメトキシベンゼンスルホン酸ベンジルトリ
ブチルホスホニウム塩、3,5−ジカルボメトキ
シベンゼンスルホン酸フエニルトリブチルホスホ
ニウム塩、3,5−ジカルボメトキシベンゼンス
ルホン酸テトラフエニルホスホニウム塩、3,5
−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸エチルト
リフエニルホスホニウム塩、3,5−ジカルボメ
トキシベンゼンスルホン酸ブチルトリフエニルホ
スホニウム塩、3,5−ジカルボメトキシベンゼ
ンスルホン酸ベンジルトリフエニルホスホニウム
塩、3−カルボキシベンゼンスルホン酸テトラブ
チルホスホニウム塩、3−カルボキシベンゼンス
ルホン酸テトラフエニルホスホニウム塩、3−カ
ルボメトキシベンゼンスルホン酸テトラブチルホ
スホニウム塩、3−カルボメトキシベンゼンスル
ホン酸テトラフエニルホスホニウム塩、3,5−
ジ(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼ
ンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、3,
5−ジ(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)ベ
ンゼンスルホン酸テトラフエニルホスホニウム
塩、3−(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)
ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム
塩、3−(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)
ベンゼンスルホン酸テトラフエニルホスホニウム
塩、4−ヒドロキシエトキシベンゼンスルホン酸
テトラブチルホスホニウム塩、2,6−ジカルボ
キシナフタレン−4−スルホン酸テトラブチルホ
スホニウム塩、α−テトラブチルホスホニウムス
ルホコハク酸等をあげることができる。上記スル
ホン酸ホスホニウム塩は1種のみを単独で用いて
も、2種以上併用してもよい。 上記スルホン酸ホスホニウム塩をポリエステル
に共重合するには、前述したポリエステルの合成
が完了する以前の任意の段階で、好ましくは第2
段階の反応の初期以前の任意の段階で添加すれば
よい。スルホン酸ホスホニウム塩をポリエステル
に共重合させる割合は、ポリエステルを構成する
二官能性カルボン酸成分(スルホン酸塩を除く)
に対して0.1〜10モル%の範囲であり、0.5〜5モ
ル%の範囲が好ましい。共重合割合が0.1モル%
より少ないと、得られる改質ポリエステル繊維の
カチオン染料に対する染色性が不十分になり、10
モル%より多くなるとカチオン染色性は最早著し
い向上を示さず、かえつてポリエステルの物性が
低下し、本発明の目的を達成し難くなる。 また、上記改質ポリエステルを製造する際に、
前記一般式()で表わされるスルホン酸4級ホ
スホニウム塩と共に少量の下記一般式()で表
わされるスルホン酸3級ホスホニウム塩を併用す
ると、その重合過程における黄褐色化反応が抑制
され、得られる改質ポリエステル及びそれよりな
る成形物の色調が極めて良好になるので、好まし
い。 ここで使用するスルホン酸3級ホスホニウム塩
は下記一般式() で表わされ、式中、Bは前記一般式()におけ
るAと同様に定義され、X3は前記一般式()
におけるX1と同様に定義され、X4は前記一般式
()におけるX2と同様に定義され、R5、R6及び
R7は前記一般式()におけるR1、R2及びR3
同様に定義され、nは正の整数である。 かかるスルホン酸3級ホスホニウム塩は、例え
ば対応するスルホン酸金属塩と3級ホスホニウム
ハライド類との反応により容易に合成できる。 上記スルホン酸3級ホスホニウム塩の好ましい
具体例としては、3,5−ジカルボキシベンゼン
スルホン酸トリブチルホスホニウム塩、3,5−
ジカルボキシベンゼンスルホン酸トリエチルホス
ホニウム塩、3,5−ジカルボキシベンゼンスル
ホン酸トリプロピルホスホニウム塩、3,5−ジ
カルボキシベンゼンスルホン酸トリフエニルホス
ホニウム塩、3,5−ジカルボキシベンゼンスル
ホン酸トリベンジルホスホニウム塩、3,5−ジ
カルボキシベンゼンスルホン酸トリヘキシルホス
ホニウム塩、3,5−ジカルボキシベンゼンスル
ホン酸トリオクチルホスホニウム塩、3,5−ジ
カルボキシベンゼンスルホン酸トリシクロヘキシ
ルホスホニウム塩、3,5−ジカルボキシベンゼ
ンスルホン酸ブチルジフエニルホスホニウム塩、
3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸フエニ
ルジブチルホスホニウム塩、3,5−ジカルボメ
トキシベンゼンスルホン酸トリブチルホスホニウ
ム塩、3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホ
ン酸トリエチルホスホニウム塩、3,5−ジカル
ボメトキシベンゼンスルホン酸トリプロピルホス
ホニウム塩、3,5−ジカルボメトキシベンゼン
スルホン酸トリフエニルホスホニウム塩、3,5
−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸トリベン
ジルホスホニウム塩、3,5−ジカルボメトキシ
ベンゼンスルホン酸トリオクチルホスホニウム
塩、3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホン
酸トリシクロヘキシルホスホニウム塩、3,5−
ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸ブチルジフ
エニルホスホニウム塩、3,5−ジカルボメトキ
シベンゼンスルホン酸フエニルジブチルホスホニ
ウム塩、m−カルボメトキシベンゼンスルホン酸
トリブチルホスホニウム塩、m−カルボメトキシ
ベンゼンスルホン酸トリフエニルホスホニウム
塩、3,5−ジ(β−ヒドロキシエトキシカルボ
ニル)ベンゼンスルホン酸トリブチルホスホニウ
ム塩、3,5−ジ(β−ヒドロキシエトキシカル
ボニル)ベンゼンスルホン酸トリフエニルホスホ
ニウム塩、m−(β−ヒドロキシエトキシカルボ
ニル)ベンゼンスルホン酸トリブチルホスホニウ
ム塩、m−(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)
ベンゼンスルホン酸トリフエニルホスホニウム
塩、p−ヒドロキシエトキシベンゼンスルホン酸
トリブチルホスホニウム塩、p−ヒドロキシエト
キシベンゼンスルホン酸トリフエニルホスホニウ
ム塩、2,6−ジカルボキシナフタレン−4−ス
ルホン酸トリブチルホスホニウム塩、α−トリブ
チルホスホニウムスルホコハク酸等をあげること
ができる。 かかるスルホン酸3級ホスホニウム塩の使用量
は、あまりに少ないと改質ポリエステルが黄褐色
に着色することを防止する効果が不十分になり、
あまりに多くても、着色防止効果は飽和し、かえ
つて物性等に耐熱性を悪化させることがあるの
で、前記スルホン酸4級ホスホニウム塩に対して
0.5〜10モル%の範囲が適当であり、特に1〜4
モル%の範囲が好ましい。このスルホン酸3級ホ
スホニウム塩の添加時期はスルホン酸4級ホスホ
ニウム塩と同様に、ポリエステルの合成が完了す
る以前の任意の段階で添加すればよく、スルホン
酸4級ホスホニウム塩と同時に添加しても、別々
に添加してもよい。 改質ポリエステルを製造するに当つて、第4級
オニウム塩を添加する。当該第4級オニウム塩と
しては、前記ポリエステルと実質的に非反応性の
第4級オニウム塩がすべて使用される。かかる第
4級オニウム塩としては第4級アンモニウム塩、
第4級ホスホニウム塩等があり、具体的には第4
級アンモニウム塩としては水酸化テトラメチルア
ンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、水
酸化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラエチ
ルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウ
ム、沃化テトラエチルアンモニウム、水酸化テト
ラプロピルアンモニウム、塩化テトラプロピルア
ンモニウム、水酸化テトライソプロピルアンモニ
ウム、塩化テトライソプロピルアンモニウム、水
酸化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチ
ルアンモニウム、水酸化テトラフエニルアンモニ
ウム、塩化テトラフエニルアンモニウム等が例示
される。第4級ホスホニウム塩としてはテトラメ
チルホスホニウムクロライド、テトラメチルホス
ホニウムブロマイド、テトラメチルホスホニウム
アイオダイド、テトラメチルホスホニウムハイド
ロオキサイド、テトラエチルホスホニウムクロラ
イド、テトラプロピルホスホニウムクロライド、
テトライソプロピルホスホニウムクロライド、テ
トラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチ
ルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホ
ニウムアイオダイド、テトラブチルホスホニウム
ハイドロオキサイド、ブチルトリフエニルホスホ
ニウムクロライド、エチルトリオクチルホスホニ
ウムクロライド、ヘキサデシルトリブチルホスホ
ニウムクロライド、エチルトリヘキシルホスホニ
ウムクロライド、シクロヘキシルトリブチルホス
ホニウムクロライド、ベンジルトリブチルホスホ
ニウムクロライド、テトラフエニルホスホニウム
クロライド、テトラフエニルホスホニウムハイド
ロオキサイド、オクチルトリメチルホスホニウム
クロライド、オクチルジメチルベンジルホスホニ
ウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルホス
ホニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジル
ホスホニウムハイドロオキサイド、ステアリルト
リメチルホスホニウムクロライド、ラウリルトリ
メチルホスホニウムエトサルフエート、ラウリル
ベンゼントリメチルホスホニウムメトサルフエー
ト、ラウリルジメチル−o−クロルベンジルホス
ホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウム
アセテート、テトラブチルホスホニウムドデシル
ベンゼンスルホネート、テトラブチルホスホニウ
ムトシレート、テトラブチルホスホニウムステア
レート、テトラブチルホスホニウムオレエート、
テトラブチルホスホニウムホスフエート、テトラ
ブチルホスホニウムホスフアイト、エチルトリフ
エニルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホ
スホニウムブロマイド、テトラフエニルホスホニ
ウムブロマイド、エチルトリフエニルホスホニウ
ムアイオダオド、エチルトリフエニルホスホニウ
ムブロマイド、ベンジルトリフエニルホスホニウ
ムクロライド、トリブチルアリルホスホニウムブ
ロマイド、エチレンビストリス(2−シアノエチ
ル)ホスホニウムブロマイド、トリス−2−シア
ノエチルアリルホスホニウムクロライド等が例示
される。 なかでも第4級アンモニウム塩は、他の第4級
オニウム塩に比較して安価に入手できるので、コ
スト的な観点から工業的には第4級アンモニウム
塩を使用するのが好ましいことである。 上記第4級アンモニウム塩の使用量はあまりに
少ないと耐熱性を改善する効果が不十分になり、
逆にあまりに多くなると、かえつて耐熱性が悪化
するようになり、その上生成ポリエステルや成形
物が黄褐色に着色する傾向が顕著になる。このた
め第4級オニウム塩の使用量は、前記スルホン酸
ホスホニウム塩に対して0.1〜20モル%の範囲が
好ましく、なかでも1〜10モル%の範囲が特に好
ましい。 かかる第4級オニウム塩の添加時期は前記ポリ
エステルの溶融成形以前の任意の段階でよく、例
えばポリエステルの原料中に添加しても、第1段
階の反応中に添加しても、第1段階の反応終了後
から第2段階の反応開始までの間に添加しても、
第2段階の反応中に添加しても、第2段階の反応
終了後から溶融成形開始までの間に添加してもよ
い。 第4級オニウム塩と前記スルホン酸ホスホニウ
ム塩との添加順序は任意でよく、両者を予め混合
した後に添加することもできる。 こうすることにより高強力に必要である極限粘
度が0.53以上、好ましくは0.6以上、更に好まし
くは0.64以上で、黄色の少ない白度に優れた改質
ポリエステルが得られる。 こうして得られた改質ポリエステルは溶融成
形、例えば溶融紡糸される。この溶融紡糸には通
常の紡糸方法が採用される。一般に溶融紡糸は、
ポリマーをその融点より30〜50℃高い温度で溶融
し、紡糸口金より吐出する。上記改質ポリエステ
ルにこの紡糸方法を適用すると、紡糸時に分解し
て着色したり、重合度が低下したりすることがあ
る。このような時には、280℃を下回る温度で紡
糸するのが好ましい。しかしながら、かかる紡糸
温度は改質ポリエステルの融点に接近するため、
得られる繊維の物性が低下するようになる。その
ため、かかる低温で紡糸するには下記の方法を採
用するのが好ましい。 即ち、改質ポリエステルを(融点+30)℃以上
の温度で完全に溶融した後、紡糸液導入孔とそれ
に連なる紡糸液吐出孔からなる紡糸孔を1個以上
有する紡糸口金板において、下部を針状になした
紡糸液案内棒が各紡糸孔に嵌入されており、この
案内棒はその軸が少なくとも紡糸液導入孔下部か
ら吐出孔を経て、先端に至る範囲に亘つて導入孔
及び吐出孔の軸と一致しており、しかもこの案内
棒が吐出孔を経て吐出面より下方に突出せしめら
れている紡糸口金を用いて、紡糸口金温度T(℃)
を(融点+5)℃以上にする方法である(特開昭
60−259619号公報)。 この溶融紡糸方法において第一に重要なこと
は、紡糸口金が通常の紡糸口金と異なり、針状を
なす紡糸液案内棒を吐出孔を通過して吐出面下流
まで突出するように配置した紡糸口金であること
が必要である。以下図を用いて紡糸口金の特徴を
説明する。 第1図は紡糸口金の要部縦断面図、第2図は紡
糸口金に嵌入する紡糸液の案内棒の一例を示す斜
視図、第3図は第2図に示す紡糸液案内棒を嵌入
した紡糸口金の要部縦断面図イ及び要部横断面図
ロである。 紡糸口金は、第1図に示す如く上部を大径にな
し下部を漸次小径となした紡糸液導入孔1とそれ
に面なる紡糸液吐出孔2とからなる紡糸孔3を1
個以上有する紡糸口金板4において、第2図に示
す如く上部の円周方向に複数(本例では4個)の
羽根5を等間隔に設け、下部6を一様な針状に
(本例では円柱状になした)紡糸液案内棒7が第
3図に示す如く各紡糸孔3に嵌入され、案内棒7
の羽根5を含む上部が紡糸液導入孔1の大径の上
部に固着されている。更に第3図に示す如く案内
棒7の軸は少なくとも紡糸液導入孔1の下部8か
ら吐出孔2を経て、先端6に至る範囲に亘つて導
入孔1及び吐出孔2を経て吐出面9より下方に突
出せしめられている。 かかる構造の紡糸口金によれば紡糸液は各紡糸
孔3に嵌入固着された紡糸液案内棒7の上部羽根
5と導入孔1の大径部の内壁10とで囲まれ、且
つ等間隔に形成される複数の通路11を通つて、
次に案内棒7の先端6の上部12と導入孔1の下
部8及び吐出孔2とによつて形成される環状通路
13に入り、この環状通路13の先端より紡糸液
案内棒7の柱状部12の外周に沿つて流れ、先端
6より引出されて繊維状に紡糸される。 紡糸口金において、第1図に示す紡糸孔3の形
状は、通常の口金のそれと相似しているが、寸法
的には通常口金の寸法より一般に大きい値(0.8
〜5mm程度)が採用される。 第1図に示す紡糸液導入孔1の大径部の径は、
第2図に示す紡糸液案内棒7が嵌入可能な寸法が
必要であり、案内棒7の工作上の難易度から約3
mm以上が好ましく、紡糸液吐出孔2の径は、案内
棒7の柱状部12の径より約0.1mm以上大きい値
が好ましいが、紡糸液の粘度、吐出糸の繊度等に
よつて吐出孔2の径と柱状部の径の組合せは任意
に調整可能である。 次に第2図に示す紡糸液案内棒7の上部形状
は、4枚羽根型で示してあるが、この部分の働き
は案内棒7を紡糸孔3にしつかりと固着させるこ
と、及び紡糸液を吐出孔2へ導く通路を形成する
か、あるいは保持していることにあり、上部形状
は何等限定されるものではなく、案内棒7の上部
の周方向に複数の小円形の紡糸流入孔を等間隔に
設けた形状でも差支えない。 また、第2図に示す紡糸液案内棒7の下部柱状
部12から先端6に至る形状は、本例では円柱状
に示してあるが、特に特定されるものではなく、
先端が尖鋭な錐状をなした円錐状でもよく、楕円
柱(錐)、三角柱(錐)、五角柱(錐)、等の多角
柱(錐)、その他各種の異形断面柱(錐)であつ
ても差支えない。 更に円管、多角管、その他各種の異形断面の中
空管の形状をなした案内棒を用いることによつて
中空糸条の紡出も可能であり、さらには紡糸孔3
の紡糸液入口から吐出孔2の先端に至る範囲をほ
ぼに分割する如く配置される形状の案内棒7を用
いれば、サイド・バイ・サイド型複合糸が得られ
るし、通常のシース・コア型複合紡糸口金に紡糸
液案内棒を適用することも可能である。 第3図に示す紡糸口金で紡糸孔3と紡糸液案内
棒7との組合せ構造において大切なことは、まず
案内棒7の軸が少なくとも紡糸液導入孔1の下部
8から吐出孔2を経て、先端6に至る範囲に亘つ
て、導入孔1及び吐出孔2の軸と実質的に一致し
ていることである。案内棒の軸が極端に偏心して
いると紡糸液が第3図に示す通路13を通過する
過程で流速に斑が生じ、吐出面9を出た直後にベ
ンデイング等を起こし好ましくない。次に大切な
ことは、第3図に示す如く案内棒7の柱状部12
の下部から先端6が吐出面9より突出しているこ
とである。この突出の程度は、吐出孔2の径、紡
糸液の粘度、吐出量、紡糸口金温度等に依存する
が、通常1〜30mm、好ましくは2〜20mm程度であ
る。突出の程度が小さい場合、通常口金と同様に
吐出面9直後の紡糸液の応力変形が急激になり、
紡糸口金温度を通常より下げていくと、さほど下
げていない条件下でも弱糸や断糸発生が起こり安
定紡糸が難しく、低温紡糸の効果が充分に得られ
なくなる。一方、突出の程度が極端に大である
と、紡糸液が案内棒7の柱状部12から先端6に
沿つて流下する過程で紡糸液の冷却が進み、極端
な場合紡糸液が固化してしまい曵糸できなくなる
ことがあるので好ましくない。 この低温紡糸法においても、紡糸口金温度はお
のずと限界(下限)があり、案内棒を流下する過
程でポリマー流れが固化してしまう口金温度で
は、伸張応力による弾性変形から脆性破壊に至
り、紡糸不能になるので口金温度を改質ポリエス
テルの融点より5℃以上高い温度にすべきであ
る。 上述したように、第4級オニウム塩を添加する
ことによつて、更に好ましくは第4級オニウム塩
を添加したうえ上記の低温紡糸法を採用すること
によつて改質ポリエステルの重合度の低下や黄変
を大幅に減少させることができたため、その極限
粘度が0.5以上、好ましくは0.6以上、特に好まし
くは0.63以上のカチオン可染改質ポリエステル繊
維の提供をはじめて可能にし、またこの繊維はシ
ルクフアクター(繊維の強度×√伸度)が25以
上、好ましくは28以上の高強度を示すことがで
き、且つ酢酸0.4/を含有する蒸留水中で130℃
で60分間湿熱処理した時に生じるポリエステル主
鎖の切断数が 140×1023/106g繊維 以下という優れた耐熱性を示す値が得られ、高
白度を呈し、染色した際に優れた鮮明性を示す。 最近、スポーツ衣料においては、鮮明に染色さ
れ、耐光堅牢性に優れたポリエステル繊維が要求
され、更に布帛における高引裂強力が要求されて
いる。布帛の引裂強力は、その布帛の織編組織に
依存する部分があるものの、大きくは極限粘度さ
らにはシルクフアクターに依存する。スポーツ衣
料においては、その用途からもわかるように高シ
ルクフアクターが要求され、シルクフアクターと
して25以上、好ましくは28以上が必要であり、本
発明によつてはじめて高シルクフアクターで且つ
耐熱性に優れたカチオン染料可染のポリエステル
繊維が得られるようになつた。 本発明でいうポリエステル主鎖切断数とは、本
発明の改質ポリエステル繊維の耐熱性に係るパラ
メーターであり、特定の熱処理条件下での繊維の
分解による極限粘度低下に対応するものである。 即ち、酢酸0.4g/を含有する蒸留水中130℃
で60分間湿熱処理する前後で測定した改質ポリエ
ステル繊維の極限粘度の値より、処理前後の改質
ポリエステル繊維の数平均分子量を求め、これら
の値より繊維106g中のポリマー分子鎖数を算出
し、該ポリマー分子鎖数の湿熱処理による増加が
繊維106g当りのポリエステル主鎖切断数に該当
するとして定義されるものである。 ここで、極限粘度低下そのものではなく、ポリ
エステル主鎖切断点数を耐熱性のパラメーターと
して導入した理由は、主鎖切断数が繊維の初期極
限粘度の大小によらないユニバーサルなパラメー
ターであるからである。極限粘度の場合には、同
一の主鎖切断数であつても、初期極限粘度が大き
い程極限粘度低下が大きくなるという不都合が生
じる。 本発明者らは、本発明における改質ポリエステ
ル繊維の耐熱性の重要性に鑑み、その評価方法に
ついて種々検討した結果、本評価方法を確立した
ものであり、本方法によれば評価値が再現性良
く、高精度で求めることができるのみならず、該
繊維の各種処理、例えば仮撚加工や強撚加工等の
如き加工処理、染色処理、アルカリ減量処理、樹
脂コーテイング等の後加工処理に伴う熱処理での
繊維物性低下の度合と極めてよく相関するため、
耐熱性のパラメーターとして工業的に非常に有用
である。 以下に主鎖切断数の具体的な求め方を示す。 (1) 繊維試料の前処理 常法に従つて精錬、風乾する。 (2) 繊維試料の湿熱処理 試料を酢酸0.4g/含有の蒸留水中130℃で
60分間振盪下湿熱処理する(浴比1:50)。 (3) 極限粘度の測定 上記湿熱処理前後の繊維試料の極限粘度
[η]i及び[η]fを下記の方法で測定する。 試料0.600gを精秤し、溶解管に入れる。含
有水分率を0.03重量%以下とした精留o−クロ
ロフエノールを25℃の恒温にして50mlホールピ
ペツトで採取して加える。100℃で60分間350〜
450rpmで撹拌しながら試料を溶解し、溶解終
了後密栓して冷却する。該溶液の粘度をオスト
ワルド粘度計を用いて35±0.1℃で測定し、下
式により極限粘度[η]を求める。 [η]=(−1+√1+4)/2kC ηsp=ηrel−1 ηsp=L/L0=C1t−C2/t/C1t0−C2/t0 但し L:溶液の動粘度 L0:溶媒の動粘度 C1:粘度計定数(算出法はJIS Z−8803に基
づく) C2:粘度計係数(算出法はJIS Z−8803に基
づく) t:試料溶液の測定秒数 t0:空試験の測定秒数 k:0.247(ハギンス定数) C:1.200(g/100ml) (4) 主鎖切断数の計算 下記式及びにより[η]i及び[η]fに対
応する数平均分子量oi及びofを夫々計算す
る。 [η]i=3.07×10-4 oi 0.77 …… [η]f=3.07×10-4 of 0.77 …… これらの値より、繊維試料106g当りの湿熱
処理によるポリエステル主鎖切断数[NS]
(Number of Scission)は下記のように求め
る。 NS=106(1/Mof−1/Moi)×6×1023 (但し、6×1023はアボガドロ数を意味する)
ちなみに、ポリエステル主鎖切断数が 140×1023/106g繊維 の湿熱処理による極限粘度の低下は [η]i=0.620→[η]f=0.464 [η]i=0.500→[η]f=0.394 である。 <発明の効果> 本発明の改質ポリエステルの製造法によれば、
スルホン酸ホスホニウム塩基を有するカチオン染
料可染化剤が改質ポリエステルの重合反応過程や
溶融紡糸過程等の高熱条件下で自ら分解したり、
ポリマーの分解を促進して生成ポリエステルを黄
褐色に着色させたり、また、改質ポリエステルの
重合度を著しく低下させたりすることが顕著に抑
制される。そのため高重合度でかつ低溶融粘度を
呈する、高白度・高耐熱性のカチオン染料可染型
改質ポリエステルが容易に得られ、カチオン染料
で鮮明色に染色でき、充分な強力等の物理的特性
を有し、且つ白度と耐熱性に優れた改質ポリエス
テル繊維等の成形物を工業的生産規模で市場に提
供することが初めて可能になつたもので、その意
義は極めて大きい。 また、本発明の方法によつて得られる改質ポリ
エステルを溶融紡糸してなるカチオン染料可染型
のポリエステル繊維は、0.5以上の極限粘度を容
易に有することができると共に、酢酸0.4g/
を含有する蒸留水中130℃で60分間湿熱処理した
際のポリエステル主鎖切断数が140×1023/106
繊維以下という優れた耐熱性と耐加水分解性とを
合わせ具備することができるのである。かかる特
性を有するカチオン染料可染型ポリエステル繊維
は従来皆無であつた。(ちなみに、通常一般に広
く用いられている5−Naスルホイソフタル酸成
分を2.5モル%程度共重合したカチオン可染型ポ
リエステル繊維では、前記ポリエステル主鎖切断
数は1000×1023/106g繊維以上の値となる。) 本発明者らの数多くの実験結果より、本発明の
特許請求の範囲請求項2に記載の限界要件を満足
するカチオン可染型ポリエステル繊維によつて初
めて、繊維の各種処理、例えば仮撚加工や強撚加
工等の如き加工処理、染色処理、アルカリ減量処
理、樹脂コーテイング処理等の耐熱性や耐加水分
解性を要する苛酷な後加工処理を施しても、処理
前の優れた強力等の物性の低下が充分に小さく、
最終的に高引裂強力等の優れた物性を有し、且つ
カチオン染料で鮮明色に染色された繊維製品が得
られるという実用上極めて有用な効果が奏され
る。 更に、本発明の改質ポリエステル繊維は従来の
スルホン酸金属塩共重合型の改質ポリエステル繊
維に比して次のような利点を有する。 (1) スルホン酸金属塩の金属イオンに比べて、ス
ルホン酸ホスホニウム塩のホスホニウム塩の方
がバルキーであるためか、カチオン染料の拡散
速度が大きく、そのためスルホン酸ホスホニウ
ム塩の場合にはより少量の使用でスルホン酸金
属塩と同程度のカチオン染色性が得られる。 (2) スルホン酸金属塩に固有の増粘作用が起こら
ないため、高重合度のポリマーが容易に得ら
れ、また低温溶融紡糸も容易に行うことがで
き、高強度のカチオン染料可染型ポリエステル
繊維が容易に得られる。 (3) 更に、本発明によれば金属塩の代りにホスホ
ニウム塩を使用するので、重合反応中に副生す
る異物量が少なく、成形時、特に紡糸時のパツ
ク圧上昇や得られる糸品位の低下が小さいとい
う効果が得られる。 (4) 上記(2),(3)に関連して、本発明における改質
ポリエステルは曵糸性に極めて優れており、引
取速度が3000m/分以上、特に5000m/分以上
の超高速においても紡糸が可能である。また、
1デニール以下、更には0.5デニール以下の極
細繊維の紡糸が可能である。 (5) 更に、本発明の改質ポリエステル繊維は、耐
熱性に優れているので、高温における仮撚加工
においても、強度低下や融着の問題を生ずるこ
となく、優れた加工糸を与えることができる。 (6) スルホン酸金属塩を共重合した改質ポリエス
テル繊維が極めて静電気を発生し易いのとは逆
に、本発明の改質ポリエステル繊維は優れた制
電性を呈する。 (7) 更に、本発明の改質ポリエステル繊維はホス
ホニウム塩を含有するために難燃性と抗菌性に
優れる。 最近、スポーツ衣料においては、鮮明に染色さ
れ、耐光堅牢性に優れたポリエステル繊維が要求
されているが、特に(1),(2),(3),(4),(5)の特徴ゆ
えに、高白度であり、染色したとき発色性の優れ
た鮮かな色彩を持ち、高強度のカチオン可染ポリ
エステル布帛を提供することができ、その有用性
を一段と高めた商品を開発することができるよう
になつた。 なお、本発明の改質ポリエステルおよび改質ポ
リエステル繊維には必要に応じて任意の添加剤、
例えば触媒、着色防止剤、耐熱剤、難燃剤、酸化
防止剤、艶消剤、着色剤、無機微粒子等が含まれ
ていてもよい。 <実施例> 以下に実施例をあげて更に説明する。実施例中
の部及び%は夫々重量部及び重量%を示す。ポリ
マーの極限粘度[η]は35℃のオルソクロルフエ
ノール溶液で測定した値から求めた。軟化点
(sp)はペネレーシヨン法で測定した。ポリマー
中のジエチレングリコール含有量(DEG含有量)
は、ポリエステル試料を抱水ヒドラジンで熱分解
し、上澄液をガスクロマトグラフイーにかけて定
量した(内部基準として1,4−ブタンジオール
を使用)。ポリマーの耐熱性は、共重合ポリマー
の重合反応終了後、重合缶からのポリマー押出し
窒素ガス圧を調整し、ポリマー取出しに要する時
間を60分以上とし、ポリマー取出し開始10分後と
60分後のポリマーの極限粘度[η]の差をもつて
評価した。ポリマーの色調はハンター型色差計に
よるL値とb値で示した。L値は値が大きくなる
程白度が良好なことを示し、b値は+側に大きく
なる程黄味が強いことを示す。なお、ポリマーの
軟化点(sp)、色相及びDEG含有量はポリマー取
出し開始30分後のポリマーについて測定した。 実施例1及び比較例1 テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコ
ール60部、酢酸マンガン4水塩0.03部(テレフタ
ル酸ジメチルに対して0.024モル%)、整色剤とし
て酢酸コバルト4水塩0.009部(テレフタル酸ジ
メチルに対して0.007モル%)、テレフタル酸ジメ
チルに対して1.7モル%の量の3,5−ジカルボ
メトキシベンゼンスルホン酸テトラ−n−ブチル
ホスホニウム塩及びテレフタル酸ジメチルに対し
て0.050モル%の量のテトラ−n−ブチルホスホ
ニウムブロマイドをエステル交換缶に仕込み、窒
素ガス雰囲気下3時間かけて140℃から220℃まで
昇温して生成するメタノールを系外に留去しなが
らエステル交換反応させた。続いて得られた生成
物に、安定剤として正リン酸の56%水溶液0.03部
(テレフタル酸ジメチルに対して0.033モル%)を
添加し、同時に過剰のエチレングリコール昇温追
出しを開始した。10分後重縮合触媒として三酸化
アンチモン0.04部(テレフタル酸ジメチルに対し
て0.027モル%)を添加した。内温が240℃に達し
た時点でエチレングリコールの追出しを終了し、
反応生成物を重合缶に移した。 次いで昇温しながら内温が260℃に到達するま
で常圧反応させた後、1時間かけて760mmHgから
1mmHgまで減圧し、同時に1時間30分かけて内
温を280℃まで昇温した。1mmHg以下の減圧下、
重合温度280℃で更に2時間重合した時点で窒素
ガスで真空を破つて重合反応を終了し、窒素ガス
加圧下に280℃でポリマーの吐出を行つた。 得られたポリマーの軟化点(sp)は253.5℃、
ジエチレングリコール含有量(DEG含量)は1.68
%、吐出10分後の極限粘度([η]10)は0.672、
吐出60分後の極限粘度([η]60)は0.648であつ
た。 このポリマーを290℃で溶融し、直径0.3mm、長
さ0.6mmの紡糸孔を24個設けた紡糸口金を用いて
紡出した。紡出糸の延伸後の単糸繊度が約3デニ
ール、破断伸度が30%になるように吐出量を調整
し、1000m/分で引取つた。得られた紡出糸の極
限粘度([η]f)は0.625であつた。次いで、破断
伸度が30%になる延伸倍率で予熱温度80℃で延伸
し、130℃の熱板で熱セツトした。 得られた延伸糸の単糸繊度は0.3デニール、強
度は5.0g/de、シルクフアクターは27.6、L値
は84.7、b値は6.8、主鎖切断数は67×106g繊維
であつた。 比較のため、テトラ−n−ブチルホスホニウム
ブロマイドを使用しない以外は実施例1と同様に
行つた。 得られたポリマーの軟化点(sp)は253.5℃、
ジエチレングリコール含有量(DEG含量)は1.67
%、吐出10分後の極限粘度([η]10)は0.576、
吐出60分後の極限粘度([η]60)は0.521であり、
紡出糸の極限粘度([η]f)は0.480、延伸糸の単
糸繊度は3.0デニール、強度は3.8g/de、シルク
フアクターは21.3、L値は79.8、b値は14.9、主
鎖切断数は152×1023/106g繊維であつた。 実施例2及び比較例2 実施例1で使用した3,5−ジカルボメトキシ
ベンゼンスルホン酸テトラ−n−ブチルホスホニ
ウム塩及びテトラ−n−ブチルホスホニウムブロ
マイドに代えて、テレフタル酸ジメチルに対して
1.7モル%の量の3,5−ジカルボキシベンゼン
スルホン酸テトラフエニルホスホニウム塩及びテ
レフタル酸ジメチルに対して0.050モル%の量の
テトラフエニルホスホニウムハイドロオキサイド
を使用し、これらの添加時期をエステル交換反応
終了後正リン酸添加前にする以外は実施例1と同
様に行つた。 得られたポリマーの軟化点(sp)は253.4℃、
ジエチレングリコール含有量(DEG含量)は1.65
%、吐出10分後の極限粘度([η]10)は0.674、
吐出60分後に極限粘度([η]60)は0.653であり、
紡出糸の極限粘度([η]f)は0.630、延伸糸の単
糸繊度は3.0デニール、強度は5.2g/de、シルク
フアクターは28.4、L値は84.9、b値は7.6、主鎖
切断数は65×1023/106g繊維であつた。 比較のため、テトラフエニルホスホニウムハイ
ドロオキサイドを使用しない以外は実施例2と同
様に行つた。 得られたポリマーの軟化点(sp)は253.1℃、
ジエチレングリコール含有量DEG含量)は1.67
%、吐出10分後の極限粘度([η]10)は0.583、
吐出60分後の極限粘度([η]60)は0.532であり、
紡出糸の極限粘度([η]f)は0.495、延伸糸の単
糸繊度は3.0デニール、強度は3.7g/de、シルク
フアクターは20.9、L値は78.8、b値は15.5、主
鎖切断数は145×1023/106g繊維であつた。 実施例 3 実施例2で使用した3,5−ジカルボキシベン
ゼンスルホン酸テトラフエニルホスホニウム塩及
びテトラフエニルホスホニウムハイドロオキサイ
ドに代えて、テレフタル酸ジメチルに対して1.7
モル%の量の3,5−ジカルボキシベンゼンスル
ホン酸テトラ−n−ブチルホスホニウム塩及びテ
レフタル酸ジメチルに対して0.003モル%の量の
水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウムを使用す
る以外は実施例2と同様に行つた。 得られたポリマーの軟化点(sp)は253.3℃、
ジエチレングリコール含有量(DEG含量)は1.63
%、吐出10分後の極限粘度([η]10)は0.673、
吐出60分後の極限粘度([η]60)は0.651であり、
紡出糸の極限粘度([η]f)は0.623、延伸糸の単
糸繊度は3.0デニール、強度は5.3g/de、シルク
フアクターは29.0、L値は85.3、b値は7.5、主鎖
切断数は96×1023/106g繊維であつた。 実施例 4 実施例3で使用した水酸化テトラ−n−ブチル
アンモニウムに代えて、テレフタル酸ジメチルに
対して0.050モル%の量の塩化テトラ−n−ブチ
ルアンモニウムを使用する以外は実施例3と同様
に行つた。 得られたポリマーの軟化点(sp)は254.0℃、
ジエチレングリコール含有量(DEG含量)は1.70
%、吐出10分後の極限粘度([η]10)は0.675、
吐出60分後の極限粘度([η]60)は0.646であり、
紡出糸の極限粘度([η]f]は0.615、延伸糸の単
糸繊度は3.0デニール、強度は4.8g/de、シルク
フアクターは26.8、L値は85.4、b値は7.3、主鎖
切断数は72×1023/106g繊維であつた。 実施例 5 実施例3で使用した3,5−ジカルボキシベン
ゼンスルホン酸テトラ−n−ブチルホスホニウム
塩及び水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウムの
使用量をテレフタル酸ジメチルに対して夫々2.5
モル%及び0.100モル%にする以外は実施例3と
同様に行つた。 得られたポリマーの軟化点(sp)は252.5℃、
ジエチレングリコール含有量(DEG含量)は1.85
%、吐出10分後の極限粘度([η]10)は0.648、
吐出60分後の極限粘度([η]60)は0.617であり、
紡出糸の極限粘度([η]f)は0.600、延伸糸の単
糸繊度は3.0デニール、強度は5.0g/de、シルク
フアクターは27.6、L値は86.3、b値は7.5、主鎖
切断数は64×1023/106g繊維であつた。 実施例 6 実施例2で使用したテトラフエニルホスホニウ
ムハイドロオキサイドに代えて、テレフタル酸ジ
メチルに対して0.050モル%の量の水酸化テトラ
フエニルアンモニウムを使用する以外は実施例2
と同様に行つた。 得られたポリマーの軟化点(sp)は253.2℃、
ジエチレングリコール含有量(DEG含量)は1.85
%、吐出10分後の極限粘度([η]10)は0.673、
吐出60分後の極限粘度([η]60)は0.652であり、
紡出糸の極限粘度([η]f)は0.600、延伸糸の単
糸繊度は3.0デニール、強度は5.2g/de、シルク
フアクターは28.9、L値は84.8、b値は7.3、主鎖
切断数は82×1023/106g繊維であつた。 実施例 7 実施例1で使用したテトラ−n−ブチルホスホ
ニウムブロマイドに代えて、テレフタル酸ジメチ
ルに対して0.050モル%の量の塩化テトラブチル
アンモニウムを使用する以外は実施例1と同様に
行つた。 得られたポリマーの軟化点(sp)は252.7℃、
ジエチレングリコール含有量(DEG含量)は1.84
%、吐出10分後の極限粘度([η]10)は0.683、
吐出60分後の極限粘度([η]60)は0.656であり、
紡出糸の極限粘度([η]f)は0.620、延伸糸の単
糸繊度は3.0デニール、強度は5.3g/de、シルク
フアクターは29.3、L値は84.9、b値は7.2、主鎖
切断数は68×1023/106g繊維であつた。 実施例 8 実施例2で使用した3,5−ジカルボキシベン
ゼンスルホン酸テトラフエニルホスホニウム塩に
代えて、テレフタル酸ジメチルに対して1.7モル
%の量の3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン
酸テトラ−n−ブチルホスホニウム塩及びテレフ
タル酸ジメチルに対して0.017モル%の量の3,
5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸トリ−n−
ブチルホスホニウム塩の混合物を使用し、更にテ
トラフエニルホスホニウムハイドロオキサイドに
代えて、テレフタル酸ジメチルに対して0.2モル
%の量のテトラ−n−ブチルホスホニウムクロラ
イドを使用する以外は実施例2と同様に行つた。 得られたポリマーの軟化点(sp)は253.9℃、
ジエチレングリコール含有量(DEG含量)は1.54
%、吐出10分後の極限粘度([η]10)は0.678、
吐出60分後の極限粘度([η]60)は0.656であり、
紡出糸の極限粘度([η]f)は0.626、延伸糸の単
糸繊度は3.0デニール、強度は5.1g/de、シルク
フアクターは27.9、L値は89.6、b値は6.0、主鎖
切断数は63×1023/106g繊維であつた。 実施例 9 実施例2で使用した3,5−ジカルボキシベン
ゼンスルホン酸テトラフエニルホスホニウム塩及
びテトラフエニルホスホニウムハイドロオキサイ
ドに代えて、テレフタル酸ジメチルに対して1.7
モル%の量の3,5−ジカルボキシベンゼンスル
ホン酸テトラ−n−ブチルホスホニウム塩及びテ
レフタル酸ジメチルに対して0.02モル%の量のテ
トラ−n−ブチルホスホニウムクロライドを使用
する以外は実施例2と同様に重合し、ポリマー吐
出を行つた。 得られたポリマーの軟化点(sp)は253.6℃、
ジエチレングリコール含有量(DEG含量)は1.65
%、吐出10分後の極限粘度([η]10)は0.660、
吐出60分後の極限粘度([η]60)は0.628であつ
た。 第1図に示す紡糸口金板4(導入孔1の大径5
mm、吐出孔2の径1.3mm、長さ3.0mm、吐出孔2の
数24)と第2図に示す紡糸液案内棒7(柱状部1
2の径1.0mm、長さ5mm)を組合せた第3図に示
す紡糸口金(吐出面9より下方に突出している案
内棒の長さ3mm)を用いて、上記ポリマーを290
℃で完全に溶融した後、260℃に保持した口金温
度にまで降温せしめて紡出した。紡出糸の延伸後
の単糸繊度が約3デニール、破断伸度が30%にな
るように吐出量を調整し、1000m/分で引取つ
た。得られた紡出糸の極限粘度([η]f)は0.630
であつた。次いで、破断伸度が30%になる延伸倍
率で予熱温度80℃で延伸し、130℃の熱板で熱セ
ツトした。 得られた延伸糸の単糸繊度は3.0デニール、強
度は5.3g/de、シルクフアクターは29.3、L値
は91.0、b値は5.8、主鎖切断数は45×1023/106
g繊維であつた。 実施例 10 実施例9における紡出糸の口金の保持温度を
270℃に変える以外は、全て実施例9と同様に行
つた。 紡出糸の極限粘度([η]f)は0.610、延伸糸の
単糸繊度は2.8デニール、強度は5.5g/de、シル
クフアクターは29.5、L値は90.1、b値は6.0、主
鎖切断数は53×1023/106g繊維であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の改質ポリエステル繊維の製造
に適した紡糸口金の要部縦断面図、第2図はこの
紡糸口金における紡糸液案内棒の一例を示す斜視
図、第3図は第2図に示す紡糸液案内棒を嵌入し
た紡糸口金の要部縦断面図イ及びイのA−A′面
での要部横断面図ロである。 1:紡糸液導入孔、2:紡糸液吐出孔、3:紡
糸孔、4:紡糸口金板、5:羽根、6:案内棒先
端、7:案内棒、8:導入孔下部、9:吐出面、
10:導入孔大径部内壁、11:通路、12:案
内棒柱状部、13:環状通路。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 テレフタル酸を主とする二官能性カルボン酸
    又はそのエステル形成性誘導体、少なくとも一種
    のアルキレングリコール又はそのエステル形成性
    誘導体及び該二官能性カルボン酸成分に対して
    0.1〜10.0モル%の下記一般式() (式中、Aは芳香族基又は脂肪族基、X1はエス
    テル形成性官能基、X2はX1と同一若しくは異な
    るエステル形成性官能基又は水素原子、R1、R2
    R3及びR4はアルキル基及びアリール基より選ば
    れた同一又は異なる基、nは正の整数を示す。)
    で表わされるスルホン酸ホスホニウム塩を反応さ
    せて改質ポリエステルを製造するに当り、該改質
    ポリエステルの溶融成形以前の任意の段階で、該
    スルホン酸ホスホニウム塩に対して0.1〜20.0モ
    ル%となる量の少なくとも一種のポリエステルと
    実質的に非反応性の第4級オニウム塩を添加する
    ことを特徴とする改質ポリエステルの製造法。 2 請求項1に記載の製造法によつて得られる改
    質ポリエステルを溶融紡糸してなる改質ポリエス
    テル繊維。 3 下記一般式() (式中、Aは芳香族基又は脂肪族基、X1はエス
    テル形成性官能基、X2はX1と同一若しくは異な
    るエステル形成性官能基又は水素原子、R1、R2
    R3及びR4はアルキル基及びアリール基より選ば
    れた同一又は異なる基、nは正の整数を示す。)
    で表わされるスルホン酸ホスホニウム塩を0.1〜
    10モル%共重合した極限粘度0.5以上の改質ポリ
    エステルからなり、且つ酢酸0.4g/を含有す
    る蒸留水中130℃で60分間湿熱処理した際のポリ
    エステル主鎖切断数が140×1023/106g繊維以下
    である改質ポリエステル繊維。 4 下記一般式() (式中、Aは芳香族基又は脂肪族基、X1はエス
    テル形成性官能基、X2はX1と同一若しくは異な
    るエステル形成性官能基又は水素原子、R1、R2
    R3及びR4はアルキル基及びアリール基より選ば
    れた同一又は異なる基、nは正の整数を示す。)
    で表わされるスルホン酸ホスホニウム塩を0.1〜
    10モル%共重合した極限粘度0.5以上の改質ポリ
    エステルからなり、シルクフアクターが25以上で
    且つ酢酸0.4g/を含有する蒸留水中130℃で60
    分間湿熱処理した際のポリエステル主鎖切断数が
    140×1023/106g繊維以下である請求項3に記載
    の改質ポリエステル繊維。 5 下記一般式() (式中、Aは芳香族基又は脂肪族基、X1はエス
    テル形成性官能基、X2はX1と同一若しくは異な
    るエステル形成性官能基又は水素原子、R1、R2
    R3及びR4はアルキル基及びアリール基より選ば
    れた同一又は異なる基、nは正の整数を示す。)
    で表わされるスルホン酸ホスホニウム塩を0.1〜
    10モル%共重合し、該スルホン酸ホスホニウム塩
    に対して0.1〜20.0モル%となる量の少なくとも
    一種のポリエステルと実質的に非反応性の第4級
    オニウム塩を添加した極限粘度0.5以上の改質ポ
    リエステルからなり、且つ酢酸0.4g/を含有
    する蒸留水中130℃で60分間湿熱処理した際のポ
    リエステル主鎖切断数が140×1023/106g繊維以
    下である請求項3に記載の改質ポリエステル繊
    維。
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