JPH04228615A - 吸湿性ポリエステル繊維の製造法 - Google Patents

吸湿性ポリエステル繊維の製造法

Info

Publication number
JPH04228615A
JPH04228615A JP41524390A JP41524390A JPH04228615A JP H04228615 A JPH04228615 A JP H04228615A JP 41524390 A JP41524390 A JP 41524390A JP 41524390 A JP41524390 A JP 41524390A JP H04228615 A JPH04228615 A JP H04228615A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
salt
polyester
fiber
polyester fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP41524390A
Other languages
English (en)
Inventor
Motoyoshi Suzuki
鈴木 東義
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP41524390A priority Critical patent/JPH04228615A/ja
Publication of JPH04228615A publication Critical patent/JPH04228615A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸湿性ポリエステル繊
維の製造法に関し、更に詳しくは、カチオン染料や分散
染料で美麗に染色可能であると共に充分な強度等の繊維
物性を有し、かつ染色処理や繰り返される洗濯処理によ
っても吸湿性が実質的に低下することのない吸湿性ポリ
エステル繊維の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルは多くの優れた特性を有す
るがために合成繊維として広く用いらている。しかしな
がら、ポリエステル繊維は疎水性であるため、吸水性、
吸湿性が要求される分野での使用が制限されている。
【0003】従来、ポリエステル繊維に吸水性(液体状
態の水を吸収する機能)を付与する方法としては、実用
上はポリエステル繊維の表面に親水性皮膜を形成せしめ
る方法が主として採用されており、この他にポリエステ
ル繊維に放電処理や低温プラズマ処理を施す方法、ポリ
エステル繊維にアクリル酸やメタクリル酸等の親水性化
合物をグラフト重合する方法、ポリエステル繊維の表面
を薬品でエッチングする方法等が提案されている。また
、ポリエステル繊維を多孔質化することによって毛細管
現象を利用して吸水性を向上せしめる方法も提案されて
いる。
【0004】一方、ポリエステル繊維に吸湿性(気体状
態の水を吸収する機能)を付与する方法については、こ
れまで幾多の研究がなされ、数多くの提案が行われてい
るが、未だ実用化されたものはない。例えば、ポリアル
キレングリコールを共重合した吸湿性ポリエステル繊維
が提案されているが(例えば、英国特許682866)
、ポリアルキレングリコール共重合による吸湿性向上の
効果は小さく、しかも耐熱性、耐光性の低下が著しいた
め使用に耐えない。また、ポリエステル繊維にアクリル
酸、メタクリル酸をグラフト重合した後ナトリウム塩化
することによって木綿と同等の吸湿性を示す吸湿性ポリ
エステル繊維を得ることも提案されているが、かかる繊
維は吸湿性が洗濯によって容易に低下し、また染色堅牢
度の劣化も著しく、更に風合が硬くなる欠点があり、実
用に耐えない。
【0005】他方、特定のシュウ酸錯塩を配合せしめた
ポリエステル未延伸糸をスチーム延伸をすることにより
得られる毛管凝縮能を有する多孔組織をもった吸湿性ポ
リエステル繊維が提案されている(特開昭54−931
21号公報)。しかしながら、この繊維の吸湿性レベル
はナイロンのそれにも程遠いレベルである。
【0006】更に、共重合したスルホン酸基含有成分の
金属塩が、水和指数1.5以上の金属原子からなり、か
つ繊維重量1kg当り少なくとも0.1グラムイオンを
含有する吸湿性ポリエステル繊維が提案されており(特
開平2−26985号公報)、該吸湿性ポリエステル繊
維の製造法として、カチオン染料可染性ポリエステルと
して一般に広く工業的に採用されている5−アルカリ金
属スルホイソフタル酸化合物を、多量に共重合したポリ
エステルを紡糸延伸して繊維となし、しかる後に該繊維
を、水和指数が1.5以上である金属の塩の溶液で処理
することによって前記ポリエステルに共重合されている
5−アルカリ金属スルホイソフタル酸成分のアルカリ金
属イオンを該金属イオンと置換させる方法が具体的に開
示されている。このような方法で得られるポリエステル
繊維は確かに未染色の状態では向上した吸湿性を示すも
のの、本発明者の検討によれば、衣料用繊維に通常行わ
れるカチオン染料および/または分散染料による染色処
理を施すことによって容易に吸湿性が失われ、その上染
色品の色彩が白ちゃけてくすんだものになるという重大
欠点を有することが判明した。更に、染色処理を施すこ
とによって強度等の繊維物性が著しく低下し、実用に耐
えないことがわかった。
【0007】
【発明の目的】本発明の目的は、上述したことから明ら
かなように、カチオン染料や分散染料で美麗に染色可能
であると共に染色後も充分な強度等の繊維物性を有し、
且つ染色処理や繰り返される洗濯処理によっても吸湿性
が実質的に低下することのない吸湿性ポリエステル繊維
の製造法を提供することにある。
【0008】
【発明の構成】本発明者は上記した問題点に鑑み、鋭意
検討した結果、上記した問題点が、カチオン染料可染化
剤として5−アルカリ金属スルホイソフタル酸化合物に
代えて5−ホスホニウムスルホイソフタル酸化合物を使
用することによって解消され、本発明の目的が達成でき
ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて更に
重ねて検討した結果完成したものである。
【0009】即ち、本発明は、下記一般式(I)
【00
10】
【化2】 (式中、Aは芳香族基又は脂肪族基、X1 はエステル
形成性官能基、X2 はX1 と同一若しくは異なるエ
ステル形成性官能基又は水素原子、R1 ,R2 ,R
3 及びR4 はアルキル基及びアリール基より選ばれ
た同一又は異なる基、nは正の整数を示す。)で表わさ
れるスルホン酸ホスホニウム塩を0.5〜30モル%共
重合したポリエステルよりなる繊維を水和指数1.5以
上の金属(但し、鉄、銅およびアルミニウムを除く)の
塩の溶液で処理することを特徴とする吸湿性ポリエステ
ル繊維の製造法である。
【0011】ただし、水和指数は下記式で表わされるも
のである。
【0012】
【数2】 本発明でいうポリエステルは、テレフタル酸を主たる酸
成分とし、少なくとも1種のグリコール、好ましくはエ
チレングリコール,トリメチレングリコール,テトラメ
チレングリコールから選ばれる少なくとも1種のアルキ
レングリコールをグリコール成分とするポリエステルを
主たる対象とする。
【0013】また、テレフタル酸成分の一部を他の二官
能性カルボン酸成分で置換えたポリエステルであっても
よく、及び/又はグリコール成分の一部を主成分以外の
上記グリコールもしくは他のジオール成分で置換えたポ
リエステルであってもよい。
【0014】ここで使用されれるテレフタル酸以外の二
官能性カルボン酸としては、例えばイソフタル酸,ナフ
タリンジカルボン酸,ジフェニルジカルボン酸,ジフェ
ノキシエタンジカルボン酸,β−ヒドロキシエトキシ安
息香酸,p−オキシ安息香酸,アジピン酸,セバシン酸
,1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の如き芳香族,
脂肪族,脂環族の二官能性カルボン酸を挙げることがで
きる。
【0015】また、上記グリコール以外のジオール化合
物としては、例えばシクロヘキサン−1,4−ジメタノ
ール,ネオペンチルグリコール,ビスフェノールA,ビ
スフェノールSの如き脂肪族,脂環族,芳香族のジオー
ル化合物及びポリオキシアルキレングリコール等を挙げ
ることかできる。
【0016】更に、ポリエステルが実質的に線状である
範囲でトリメリット酸,ピロメリット酸の如きポリカル
ボン酸,グリセリン,トリメチロールプロパン,ペンタ
エリスリトールの如きポリオールを使用することができ
る。
【0017】かかるポリエステルは任意の方法によって
合成される。例えばポリエチレンテレフタレートについ
て説明すれば、通常テレフタル酸とエチレングリコール
とを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチ
ルの如きテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレ
ングリコールとをエステル交換反応させるか又はテレフ
タル酸とエチレンオキサイドとを反応させるかしてテレ
フタル酸のグリコールエステル及び/又はその低重合体
を生成させる第一段階の反応と、第一段階の反応生成物
を減圧下加熱して所望の重合度になるまで重縮合反応さ
せる第二段階の反応によって製造される。
【0018】本発明において共重合成分として使用され
れるスルホン酸ホスホニウム塩は、下記一般式(I)

0019】
【化3】 で表わされる。式中、Aは芳香族基又は脂肪族基を示し
、なかでも芳香族基が好ましい。X1 はエステル形成
性官能基を示し、具体例として
【0020】
【化4】 (但し、R′は低級アルキル基またはフェニル基、a及
びdは1以上の整数、bは2以上の整数である)等を挙
げることができる。X2 はX1 と同一ももしくは異
なるエステル形成性官能基又は水素原子を示し、なかで
もエステル形成性官能基であることが好ましい。R1 
,R2 ,R3 及びR4 はアルキル基及びアリール
基よりなる群から選ばれた同一又は異なる基を示す。n
は正の整数である。
【0021】かかるスルホン酸ホスホニウム塩は、一般
に対応するスルホン酸とホスフィン類との反応、又は対
応するスルホン酸金属塩とホスホニウムハライド類との
反応により容易に合成できる。
【0022】上記スルホン酸ホスホニウム塩の好ましい
具体例としては3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン
酸テトラブチルホスホニウム塩,3,5−ジカルボキシ
ベンゼンスルホン酸エチルトリブチルホスホニウム塩,
3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ベンジルトリ
ブチルホスホニウム塩,3,5−ジカルボキシベンゼン
スルホン酸フェニルトリブチルホスホニウム塩,3,5
−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラフェニルホス
ホニウム塩,3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸
ブチルトリフェニルホスホニウム塩,3,5−ジカルボ
キシベンゼンスルホン酸ベンジルトリフェニルホスホニ
ウム塩,3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸
テトラブチルホスホニウム塩,3,5−ジカルボメトキ
シベンゼンスルホン酸エチルトリブチルホスホニウム塩
,3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸ベンジ
ルトリブチルホスホニウム塩,3,5−ジカルボメトキ
シベンゼンスルホン酸フェニルトリブチルホスホニウム
塩,3,5−ジカルボキメトキシベンゼンスルホン酸テ
トラフェニルホスホニウム塩,3,5−ジカルボメトキ
シベンゼンスルホン酸エチルトリフェニルホスホニウム
塩,3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸ブチ
ルトリフェニルホスホニウム塩,3,5−ジカルボメト
キシベンゼンスルホン酸ベンジルトリフェニルホスホニ
ウム塩,3−カルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチ
ルホスホニウム塩,3−カルボキシベンゼンスルホン酸
テトラフェニルホスホニウム塩,3−カルボメトキシベ
ンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩,3−カ
ルボメトキシベンゼンスルホン酸テトラフェニルホスホ
ニウム塩,3,5−ジ(β−ヒドロキシエトキシカルボ
ニル)ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩
,3,5−ジ(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)ベ
ンゼンスルホン酸テトラフェニルホスホニウム塩,3−
(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホ
ン酸テトラブチルホスホニウム塩,3−(β−ヒドロキ
シエトキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸テトラフェ
ニルホスホニウム塩,4−ヒドロキシエトキシベンゼン
スルホン酸テトラブチルホスホニウム塩,2,6−ジカ
ルボキシナフタレン−4−スルホン酸テトラブチルホス
ホニウム塩,α−テトラブチルホスホニウムスルホコハ
ク酸等を挙げることができる。上記スルホン酸ホスホニ
ウム塩は1種のみを単独で用いても、2種以上併用して
もよい。
【0023】上記スルホン酸ホスホニウム塩をポリエス
テルに共重合するには、前述したポリエステルの合成が
完了する以前の任意の段階で、好ましくは第2段階の反
応の初期以前の任意の段階で添加すればよい。スルホン
酸ホスホニウム塩をポリエステルに共重合させる割合は
、ポリエステルを構成する二官能性カルボン酸成分(ス
ルホン酸塩を除く)に対して0.5〜30モル%の範囲
であり、1.0〜20モル%の範囲が好ましく、なかで
も5.0〜15モル%の範囲が特に好ましい。共重合割
合が0.5モル%より少ないと、いかに水和指数の高い
金属の塩を使用しても吸湿効果が不充分となり、30モ
ル%より多くなると吸湿性は最早著しい向上を示さず、
かえってポリエステル繊維の物性が低下し、本発明の目
的を達成し難くなる。
【0024】かくして得られた共重合ポリエステルは溶
融紡糸して繊維になされる。この際、溶融紡糸する方法
としては格別な方法を採用する必要はなく、通常のポリ
エステル繊維の溶融紡糸方法が任意に採用される。例え
ば500〜2500m/分の速度で溶融紡糸し、延伸、
熱処理する方法、1500〜5000m/分の速度で溶
融紡糸し、延伸と仮撚加工とを同時にまたは続いて行う
方法、5000m/分以上の高速で溶融紡糸し、用途に
よっては延伸工程を省略する方法などにおいて任意の製
糸条件を採用することができる。かくして得られる繊維
は、中空部を有しない中実繊維であってもよく、また中
空部を有する中空繊維であってもよい。また、その繊維
横断面における外形や中空部の形状は円形であってもよ
く異形であってもよい。更に、上記共重合ポリエステル
を芯成分とし、通常のポリエステルを鞘成分とする芯鞘
型複合繊維であっても、また上記共重合ポリエステルを
鞘成分とし、通常のポリエステルを芯成分とする芯鞘型
複合繊維であってもよく、あるいは上記共重合ポリエス
テルからなる層と、通常のポリエステルからなる層とを
サイド・バイ・サイド型に2層以上の多層複合繊維とし
たものであってもよい。
【0025】かくして得られた共重合ポリエステル繊維
は下記式で表わされる水和指数が1.5以上である金属
の塩の溶液で処理され、こうすることによって共重合し
たスルホン酸ホスホニウム塩のホスホニウムイオンが該
金属イオンと置換される。
【0026】
【数3】 本発明でいう水和指数とは、上記式で示されるように、
金属イオン電価数をその金属イオン半径(オングストロ
ーム)で割った値であり、それぞれの金属イオンの水和
能力の程度を表わすパラメーターである。ここでいう金
属イオン半径とは、その金属のイオン性化合物中の結合
半径であり、本発明での水和指数を計算するにあたりR
.D.Shannon(Acta  Crystall
ogr.),A32,751〜767頁(1976年)
の値を使用し、又配位数は6に統一し、繊維金属につい
ては低スピン状態での値を用いた。
【0027】以下、各金属イオン水和指数を例示すると
、Li+ (1.11),Na+ (0.86),K+
 (0.66),Rb+ (0.60),Cs+ (0
.55),Be2+(3.39),Ba2+(1.34
),Mn2+(2.47),Co2+(2.53),N
i2+(2.41),Cu2+(2.30),Al3+
(4.41),Sn4+(4.82),Zn2+(2.
27),Cr2+(2.30),Mo3+(3.61)
等であり、このうちLi+ ,Na+ ,K+ ,Rb
+ ,Cs+ 等の水和指数1.5未満の金属イオンで
は、その金属量を多くすることによっても、満足すべき
吸湿性を得ることは困難であり、又その結果、ポリエス
テルの繊維物性を低下させるので使用することができな
い。
【0028】上記金属の塩としては、その無機塩、有機
カルボン酸塩を好ましいものとしてあげることができ、
例えば塩化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、コハク酸塩等
を示すことができる。特に好ましい具体例としては、硫
酸亜鉛、硫酸マンガン、硫酸ニッケル、硫酸コバルト、
硫酸第一スズ、硝酸亜鉛、酢酸マグネシウム、酢酸カル
シウム、塩化カルシウム、硫酸ベリリウム、硝酸クロム
、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、塩化マンガン、酢酸マンガン、
塩化コバルト、酢酸コバルト等があげられる。
【0029】かかる金属の塩の溶液としては、水溶液又
は水を主体としてこれに水溶性の有機溶剤が含有された
水系溶液が好適に使用される。
【0030】上記金属の塩の溶液による処理は、繊維の
染色前に行ってもよく、染浴中に上記金属の塩を溶解さ
せることにより染色と同時に行ってもよく、また染色後
に行ってもよい。又、浴中処理の他にパッドスチーム処
理等も採用できる。その際の加熱温度と処理時間は前記
共重合ポリエステルのガラス転移温度以上135℃以下
で30分〜180分の範囲内であるのが好ましい。処理
温度がガラス転移温度より低いと置換が不充分になる傾
向があり、逆に135℃を超えると繊維の加水分解等に
より繊維物性が不良となる傾向がある。また、処理時間
が30分未満では置換が不充分となる傾向があり、逆に
180分を超えて長時間処理しても最早置換率は著しい
向上を示さず、かえって繊維物性が低下する傾向があら
われる。
【0031】なお、本発明の方法になるポリエステル繊
維には、必要に応じて任意の添加剤、例えば触媒、着色
防止剤、耐熱剤、難燃剤、酸化防止剤、艶消剤、着色剤
、無機微粒子等が含まれていてもよい。
【0032】
【発明の効果】本発明の方法で得られるポリエステル繊
維は優れた吸湿性を有し、カチオン染料や分散染料で美
麗に染色可能であると共に充分な強度等の繊維物性を有
し、その上染色処理や繰り返される洗濯処理によっても
吸湿性が実質的に低下することがない。従って、本発明
の方法になるポリエステル繊維は、発色性と吸湿性とを
要求されるスポーツウエア分野で特に有用であるばかり
でなく、着用快適性が要求されるシャツ・ブラウス分野
、更にはインナー分野、ナイティー分野に好適な繊維と
して利用できる。
【0033】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために、以
下に実施例をあげて説明するが、本発明はこれらの実施
例に限定されるものではない。なお、実施例および比較
例中の部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す
。また、得られるポリエステル繊維の吸湿率、染色布の
視感染色性および強度低下率は以下の方法で測定し、洗
濯処理は以下の方法によった。 (1)吸湿率 試料の絶乾重量と所定の温度および相対湿度における重
量とから下記式により求めた。
【0034】
【数4】 (2)染色布の視感染色性 染色布のL*値,a*値,b*値をミノルタ色彩色差計
CR−200(ミノルタカメラ販売(株)製)を用いて
測定した。 (3)強度低下率 置換処理および染色処理を行う前の布帛を解舒して得た
繊維の強度と、置換処理および染色処理を行った後の布
帛を解舒して得た繊維の強度とを比較した。 (4)金属イオンの置換率 ホスホニウムイオン及びNaイオンの処理金属イオンへ
の置換率は、繊維を硫酸アンモニウム、硫酸、硝酸およ
び過塩素酸を用いて湿式加熱分解した後、純水を加えて
水溶液となし、ICP法(Inductively  
CouplodPlasma  Emission  
Spectrophotometry)により金属を定
量分析して求めた。 (5)洗濯処理 家庭用洗濯機を用い、新酵素ザブ(花王製)2g/l溶
液を30l(浴比1:30)入れ、試料を入れて40℃
で10分間自動渦巻き水流にて洗濯する。その後脱水し
、40℃の温水30l(浴比1:30)で5分間湯洗、
脱水し、次いでオーバーフロー水洗を10分間行い、脱
水した。上記洗濯を1回処理とし、これを必要な回数繰
り返した。
【0035】
【実施例1】テレフタル酸ジメチル100部、エチレン
グリコール60部、酢酸マンガン4水塩0.03部(テ
レフタル酸ジメチルに対して0.024モル%)および
整色剤として酢酸コバルト4水塩0.026部(テレフ
タル酸ジメチルに対して0.020モル%)をエステル
交換缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下3時間かけて140
℃から220℃まで昇温して生成するメタノールを系外
に留去しながらエステル交換反応させた。続いて得られ
た生成物に、テレフタル酸ジメチルに対して10モル%
となる量の3,5−ジ(β−ヒドロキシエトキシカルボ
ニル)ベンゼンスルホン酸テトラ−n−ブチルホスホニ
ウム塩およびテレフタル酸ジメチルに対して0.330
モル%となる量のテトラエチルアンモニウムハイドロオ
キサイドを添加した。内温が再び220℃に到達した時
点で安定剤として正リン酸の56%水溶液0.03部(
テレフタル酸ジメチルに対して0.033モル%)を添
加し、同時に過剰のエチレングリコールの昇温追出しを
開始した。10分後重縮合触媒として三酸化アンチモン
0.04部(テレフタル酸ジメチルに対して0.027
モル%)を添加した。内温が240℃に達した時点でエ
チレングリコールの追出しを終了し、反応生成物を重合
缶に移した。
【0036】次いで昇温しながら内温が260℃に到達
するまで常圧反応させた後、1時間かけて760mmH
gから1mmHgまで減圧し、同時に1時間30分かけ
て内温を280℃まで昇温した。1mmHg以下の減圧
下、重合温度280℃で更に2時間重合した時点で窒素
ガスで真空を破って重合反応を終了し、窒素ガス加圧下
に280℃でポリマーの吐出を行った。
【0037】得られたポリマーの極限粘度は0.650
、軟化点は240℃であった。このポリマーを285℃
で溶融し、直径0.3mm、長さ0.6mmの紡糸孔を
24個設けた紡糸口金を用いて紡出した。紡出糸の延伸
後の単糸繊度が約3デニール、破断伸度が30%になる
ように吐出量を調整し、1000m/分で引取った。次
いで破断伸度が30%になる延伸倍率で予熱温度80℃
で延伸し、130℃の熱板で熱セットした。
【0038】得られた延伸糸をメリヤス編地となし、常
法により精練、プリセット(180℃×45秒)した後
、ZnSO4 ・7H2 O  濃度1.5g/l  
浴比1/100の水浴中沸騰温度にて1時間置換処理し
、吸湿率測定用サンプルとした。
【0039】次いで得られた置換布帛をCathilo
n  Blue  CD−FRLH/Cathilon
  Blue  CD−FBLH(保土谷化学(株)製
)=1/1,2%owfで芳硝3g/l,酢酸0.3g
/lを含む染浴中にて130℃で60分間染色後、常法
にしたがってソーピングおよびファイナルセット(16
0℃×60秒)して鮮明な青色布を得た。
【0040】この布帛を用いて染色布の視感染色性、強
度低下率並びに洗濯0回(L0 と称する)および洗濯
30回繰り返し(L30と称する)後の吸湿率を測定し
、(表1)の結果を得た。
【0041】
【実施例2〜11】実施例1において置換処理の際に金
属塩として使用したZnSO4 ・7H2 Oに代えて
、(表1)記載の金属塩を使用する以外は実施例1と同
様に行った。結果を(表1)に示した。
【0042】
【比較例】実施例1において共重合成分および耐熱性改
良剤として使用した3,5−ジ(β−ヒドロキシエトキ
シカルボニル)ベンゼンスルホン酸テトラ−n−ブチル
ホスホニウム塩およびテトラエチルアンモニウムハイド
ロオキサイドに代えてテレフタル酸ジメチルに対して1
0モル%となる量の3,5−ジ(β−ヒドロキシエトキ
シカルボニル)ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩および
テレフタル酸ジメチルに対して0.330モル%となる
量の酢酸ナトリウム3水塩を使用する以外は実施例1と
同様に重合反応を行って極限粘度0.289、軟化点2
43℃の共重合ポリエステルを得た。得られた共重合ポ
リエステルを用いる以外は実施例1と同様に、溶融紡糸
、延伸、熱セット、製編、精練、プリセット、置換処理
、染色処理、ソーピングおよびファイナルセットを行っ
た。結果は(表1)に示した通りであった。
【0043】染色布は白っぽくくすんだブルーであり、
実施例1〜11の鮮明なブルーとは対照的であった。 又、強度低下率が著しく大きく、繊維物性として実用に
耐えないレベルであった。
【0044】
【実施例12】実施例1において、3,5−ジ(β−ヒ
ドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸テト
ラ−n−ブチルホスホニウム塩の共重合量およびテトラ
エチルアンモニウムハイドロオキサイドの添加量をそれ
ぞれテレフタル酸ジメチルに対して5.0モル%および
0.160モル%とする以外は実施例1と同様に行った
。結果を(表1)に示した。
【0045】
【実施例13】実施例1において、3,5−ジ(β−ヒ
ドロキシエトキシカルボニル)ベンゼンスルホン酸テト
ラ−n−ブチルホスホニウム塩の共重合量およびテトラ
エチルアンモニウムハイドロオキサイドの添加量をそれ
ぞれテレフタル酸ジメチルに対して15モル%および0
.500モル%とする以外は実施例1と同様に行った。 結果は(表1)に示した通りであった。
【0046】
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I) 【化1】 (式中、Aは芳香族基又は脂肪族基、X1 はエステル
    形成性官能基、X2 はX1 と同一若しくは異なるエ
    ステル形成性官能基又は水素原子、R1 ,R2 ,R
    3 及びR4 はアルキル基及びアリール基より選ばれ
    た同一又は異なる基、nは正の整数を示す。)で表わさ
    れるスルホン酸ホスホニウム塩を0.5〜30モル%共
    重合したポリエステルよりなる繊維を水和指数1.5以
    上の金属(但し、鉄、銅およびアルミニウムを除く)の
    塩の溶液で処理することを特徴とする吸湿性ポリエステ
    ル繊維の製造法。ただし、水和指数は下記式で表わされ
    るものである。 【数1】
JP41524390A 1990-12-27 1990-12-27 吸湿性ポリエステル繊維の製造法 Pending JPH04228615A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP41524390A JPH04228615A (ja) 1990-12-27 1990-12-27 吸湿性ポリエステル繊維の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP41524390A JPH04228615A (ja) 1990-12-27 1990-12-27 吸湿性ポリエステル繊維の製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04228615A true JPH04228615A (ja) 1992-08-18

Family

ID=18523623

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP41524390A Pending JPH04228615A (ja) 1990-12-27 1990-12-27 吸湿性ポリエステル繊維の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04228615A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011048888A1 (ja) * 2009-10-20 2011-04-28 帝人ファイバー株式会社 ポリエステル繊維およびその製造方法および布帛および繊維製品およびポリエステル成形品

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01192821A (ja) * 1988-01-22 1989-08-02 Teijin Ltd 共重合ポリエステルの成形性改善方法
JPH0226985A (ja) * 1988-07-11 1990-01-29 Asahi Chem Ind Co Ltd 吸湿性ポリエステル繊維
JPH0233318A (ja) * 1988-07-25 1990-02-02 Asahi Chem Ind Co Ltd 吸湿ポリエステル繊維
JPH0280614A (ja) * 1988-09-16 1990-03-20 Teijin Ltd 改質ポリエステル繊維

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01192821A (ja) * 1988-01-22 1989-08-02 Teijin Ltd 共重合ポリエステルの成形性改善方法
JPH0226985A (ja) * 1988-07-11 1990-01-29 Asahi Chem Ind Co Ltd 吸湿性ポリエステル繊維
JPH0233318A (ja) * 1988-07-25 1990-02-02 Asahi Chem Ind Co Ltd 吸湿ポリエステル繊維
JPH0280614A (ja) * 1988-09-16 1990-03-20 Teijin Ltd 改質ポリエステル繊維

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011048888A1 (ja) * 2009-10-20 2011-04-28 帝人ファイバー株式会社 ポリエステル繊維およびその製造方法および布帛および繊維製品およびポリエステル成形品
CN102575414A (zh) * 2009-10-20 2012-07-11 帝人纤维株式会社 聚酯纤维及其制造方法、布帛、纤维制品、聚酯成形品
US9334608B2 (en) 2009-10-20 2016-05-10 Teijin Frontier Co., Ltd. Polyester fiber, method for producing the same, cloth, textile product, and polyester formed article

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010216019A (ja) 共重合ポリエステル繊維布帛の製造方法および共重合ポリエステル繊維布帛およびスポーツ衣料
JP2010007191A (ja) 制電性及び常圧カチオン可染性を有する極細延伸糸とその製造方法
KR960006933B1 (ko) 방향족 폴리에스테르 수지 조성물 및 섬유
JPH04228615A (ja) 吸湿性ポリエステル繊維の製造法
JP2000239922A (ja) 染色性に優れた共重合ポリエステル繊維
JPH05302211A (ja) 易染性ポリエステル繊維
JP2011017091A (ja) 消臭性繊維構造体および繊維製品
JP2525443B2 (ja) 改質ポリエステル繊維の染色法
JPS6257920A (ja) ポリエステル複合繊維
JP2828567B2 (ja) 改善された常温ソイルリリース性を有するポリエステル繊維
JP3224309B2 (ja) 改善された常温ソイルリリース性を有するポリエステル繊維
JP3022703B2 (ja) 改質ポリエステルおよび改質ポリエステル繊維
JP2011021287A (ja) 深色性芯鞘型複合繊維
JP2010255128A (ja) 丸編地および繊維製品
JPS6132434B2 (ja)
JPH0735639B2 (ja) 改質ポリエステル繊維の染色方法
JPS6347805B2 (ja)
JPH0598566A (ja) ポリエステル布帛
JP3132581B2 (ja) 改質ポリエステル繊維
JPS61239080A (ja) 改質ポリエステル繊維の製造法
JPH0768657B2 (ja) ポリエステル系伸縮性染色繊維構造物およびその製造方法
JPH0361767B2 (ja)
JPH0219228B2 (ja)
JPH06173160A (ja) 改質ポリエステル繊維の製造法
JPH06263855A (ja) 改質ポリエステルおよび繊維