JP2000239922A - 染色性に優れた共重合ポリエステル繊維 - Google Patents

染色性に優れた共重合ポリエステル繊維

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JP2000239922A
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Yuzo Shimizu
有三 清水
Toshihiro Sasaki
敏弘 佐々木
Yoshitaka Matsumura
由隆 松村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリエステル繊維の耐アルカリ加水分解性、染
色性、耐光性の向上を図り、レギュラーポリエステルと
の混繊・混用用途に適したポリエステル繊維を得ること
を課題とする。 【解決手段】側鎖を有する炭素数6〜25の脂肪族グリ
コール成分が共重合されたポリエステルからなる染色性
に優れた共重合ポリエステル繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共重合ポリエステ
ル繊維に関するものである。詳しくは、染色性に優れた
共重合ポリエステル繊維に関するものであり、さらに詳
しくは、耐アルカリ加水分解性、耐光性が良好で、かつ
カチオン染料、分散染料の染色性に優れた共重合ポリエ
ステル繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルやポリアミドに代表される
熱可塑性合成繊維は機械的強度、耐薬品性、耐熱性など
に優れるため、衣料用途や産業用途などを主体に広く使
用されている。
【0003】しかしながら、これらの合成繊維は分散染
料やカチオン染料に対する染色性に劣るため、高温、高
圧条件で染色したり、キャリヤー染色しなければならな
いなど、経済的、操業的な課題があるばかりでなく、鮮
明な色彩を出しにくいという品質上の欠点を有する。
【0004】このため、鮮明発色性を得ることを目的に
特公昭34−10497号公報では、芳香族ポリエステ
ルに5−ナトリウムスルホイソフタル酸のような染着座
席を有する化合物を共重合することが提案されている。
しかし、この方法では鮮明発色性は向上するものの、得
られるポリエステル繊維は、耐アルカリ加水分解性に劣
るため次のような問題がある。
【0005】すなわち、該染着座席を有する化合物を共
重合したポリエステル繊維は、織編物の風合いを良好に
するためにレギュラーポリエステル繊維で通常行われて
いるアルカリ減量処理を施すと、アルカリに対する溶解
速度がレギュラーポリエステル繊維に比較し、極めて大
きく、安定したアルカリ減量処理ができなかったり、ア
ルカリ減量処理後の強度低下が著しく大きいため、アル
カリ減量処理加工の適用が困難であった。
【0006】このような問題に対して、特開昭62−9
7914号公報、特開昭62−97915号公報および
特開昭62−97916号公報では、ポリエステル繊維
の耐アルカリ加水分解性を改良するために、ポリエステ
ルに1,2−(4−カルボキシ)エタン成分を共重合す
る方法、特開平10−37019号公報では、ポリエス
テルにダイマージオールを共重合する方法等が提案され
ている。
【0007】しかし、これらの方法では、耐アルカリ加
水分解性はやや向上するものの、染色性が低下するなど
して、耐アルカリ加水分解性と染色性を同時に満足する
レベルのポリエステル繊維は到底得られなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題点を克服し、耐アルカリ加水分解性、耐
光性を向上させ、かつカチオン染料、分散染料の染色性
に優れ、他のポリエステル繊維との混繊・混用等の用途
に適した商品価値の高いポリエステル繊維を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記した課題を解決する
ために、本発明は、側鎖を有する炭素数6〜25の脂肪
族グリコール成分が共重合されたポリエステルからなる
染色性に優れた共重合ポリエステル繊維を特徴とするも
のである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における共重合ポリエステ
ルは、側鎖を有する炭素数6〜25の脂肪族グリコール
成分が共重合されたポリエステルである。
【0011】ポリエステルに側鎖を有する炭素数6〜2
5の脂肪族グリコール成分を共重合することで、得られ
る繊維は、耐アルカリ加水分解性、耐光性が向上し、か
つカチオン染料および分散染料に対して染色性に優れ
る。
【0012】本発明における側鎖を有する炭素数6〜2
5の脂肪族グリコール成分とは、例えば3,3−ジメチ
ル−1,2−ブタンジオール、2−エチルー2−メチル
ー1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペ
ンタンジオール、2,2−ジエチルー1,3−プロパン
ジオール、2,4−ジメチルー2,4−ペンタンジオー
ル、2−メチルー2−プロピルー1,3−プロパンジオ
ール、2,5−ジメチルー2,5−ヘキサンジオール、
2−エチルー1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−
トリメチルー1,3−ペンタンジオール、2,4−ジエ
チル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチルー2−エ
チルー1,3−プロパンジオール等を挙げることができ
る。
【0013】本発明の脂肪族グリコール成分は、炭素数
6〜25の脂肪族グリコールであるが、耐光性、耐アル
カリ加水分解性等の点から、炭素数7〜20が好まし
く、さらに好ましくは炭素数7〜12の脂肪族グリコー
ルが好ましい。炭素数が6未満であると耐光性、耐アル
カリ分解性に劣る。また炭素数が25を越えると染色性
に劣る。
【0014】また、本発明の炭素数6〜25の脂肪族グ
リコールは、グリコールを形成する主鎖の炭素数が3以
上であることが、耐アルカリ加水分解性の点から好まし
く、より好ましくは炭素数が4以上である。
【0015】本発明の炭素数6〜25の脂肪族グリコー
ル成分は、側鎖を有する化合物である。耐光性、耐アル
カリ加水分解性等の点から、側鎖は2つ以上が好まし
い。さらに側鎖は特に限定されるものではないが、耐光
性、耐アルカリ加水分解性、染色性等の点から、炭素数
1以上のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数
1〜20のアルキル基、さらに好ましくは炭素数1〜1
0のアルキル基、特に好ましくは炭素数が1〜5のアル
キル基である。
【0016】本発明における側鎖を有する脂肪族グリコ
ール成分の共重合量は、得られる繊維の耐光性、耐アル
カリ加水分解性、染色性等の点から0.1〜50モル%
が好ましく、より好ましくは0.5〜30モル%、さら
に好ましくは1〜20モル%、特に好ましくは2〜15
モル%である。共重合量が0.1モル%未満であると染
色性の向上効果が少なく、耐アルカリ加水分解性に劣る
場合がある。また、50モル%を越えると得られる繊維
の染色性、強度等の機械特性に劣る場合がある。
【0017】また、本発明の側鎖を有する炭素数6〜2
5の脂肪族グリコール成分は、耐アルカリ加水分解性、
染色性の両特性を兼備せしめるために、アルキレンオキ
サイド付加物であることが好ましい。その際のアルキレ
ンオキサイド付加量は、本発明の側鎖を有する脂肪族グ
リコール成分1モルに対して2モル以上が好ましく、よ
り好ましくは2〜200モル、さらに好ましくは2〜1
00モルである。特に好ましくは2〜50モルである。
さらに付加するアルキレンオキサイドは、エチレンオキ
サイド、プロピレンオキサイドあるいはエチレンオキサ
イド・プロピレンオキサイドが好ましい。
【0018】本発明におけるポリエステルは、ジカルボ
ン酸成分とグリコール成分から構成されたものであり、
例えばジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体
とグリコールとのエステル化もしくはエステル交換反応
ならびに引き続く重縮合反応によって製造される。ポリ
エステルの種類については繊維に成形しうるものであれ
ば特に限定されない。繊維に成形しうるポリエステルと
してはジカルボン酸成分として芳香族ジカルボン酸、グ
リコール成分として脂肪族グリコールまたは脂環族グリ
コールから構成されたものがよく、例えば、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンー1,3−プロピレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレンー2,6−ナフタレンジカルキシレート、ポリシ
クロヘキサンジメチレンテレフタレート等を挙げること
ができ、中でも染色性の点からポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンー1,3−プロピレンテレフタレー
トが好ましい。
【0019】本発明の共重合ポリエステルは、上述した
側鎖を有する炭素数6〜25の脂肪族グリコール成分と
は別に、好ましくはポリエステルを構成するジカルボン
酸成分およびグリコール成分以外のジカルボン酸成分お
よびグリコール成分等を共重合せしめた共重合ポリエス
テルとすることができる。共重合ポリエステルとするこ
とで、染色時の染色温度を低下せしめることが可能とな
り、分散染料およびカチオン染料の染色性にも優れた繊
維を得ることができる。共重合せしめるジカルボン酸成
分およびグリコール成分としては、例えば芳香族ジカル
ボン酸、脂肪族ジカルボン酸および脂環族ジカルボン酸
等の酸成分、芳香族グリコール、脂肪族グリコールおよ
び脂環族グリコール等のグリコール成分を挙げることが
できる。具体的には、テレフタル酸、イソフタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフ
ェニルエーテルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカ
ルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク
酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジ
カルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、デ
カリンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸およびこれ
から誘導されるエステル形成性誘導体を挙げることがで
きる。これらのジカルボン酸成分の中では、テレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族
ジカルボン酸およびこれから誘導されるエステル形成性
誘導体、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸等の脂肪
族ジカルボン酸およびこれから誘導されるエステル形成
性誘導体が分散染料およびカチオン染料の染色性等の点
から好ましい。
【0020】また、グリコール成分としては、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパン
ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナン
ジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコー
ル、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノ
ール、水素化ビスフェノールA等の脂環族グリコール等
を挙げることができる。
【0021】さらにポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリ(エチレン・プロピレン)グリ
コール等のポリオキシアルキレングリコール、ビスフェ
ノールA、ビスフェノールSのアルキレンオキサイド誘
導体等を挙げることができる。これらのグリコール成分
の中では、ポリオキシアルキレングリコール、各種のア
ルキレンオキサイド誘導体が染色性、機械特性の点から
好ましい。上記したジカルボン酸成分、グリコール成分
等は、一種のみを用いてもよく、二種以上を併用しても
よい。共重合成分量は得られる繊維の強度等の機械特
性、耐アルカリ加水分解性、染色性等の点から20モル
%以下が好ましく、より好ましくは0.1〜20モル
%、さらに好ましくは0.2〜15モル%、特に好まし
くは0.5〜10モル%である。共重合成分量がかかる
範囲を超えると、得られる繊維は、染色性は良好となる
ものの耐アルカリ加水分解性、耐光性、機械特性等に劣
る場合がある。
【0022】本発明における共重合ポリエステルは、分
散染料、カチオン染料の染色性を向上せしめるために、
カチオン染着座席成分が共重合されていることが好まし
い。カチオン染着座席成分としては、スルホイソフタル
酸のアルカリ金属塩、スルホイソフタル酸のホスホニウ
ム塩およびこれから誘導されるエステル形成性誘導体を
挙げることができる。具体的には、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸、5−リチウムスルホイソフタル酸等の
スルホイソフタル酸のアルカリ金属塩、5−(テトラア
ルキル)ホスホニウムスルホイソフタル酸およびこれか
ら誘導されるエステル形成性誘導体等が挙げられる。中
でも染色性の点から5−ナトリウムスルホイソフタル酸
が好ましい。
【0023】該カチオン染着座席成分の共重合量は、染
色性、耐アルカリ加水分解性の点から、全酸成分に対し
て0.1〜10モル%が好ましく、より好ましくは0.
2〜7.0モル%であり、さらに好ましくは0.5〜
5.0モル%であり、特に好ましくは1.0〜4.0モ
ル%である。共重合量がかかる範囲を超えると、染色性
や耐アルカリ加水分解性に劣る場合がある。
【0024】本発明の共重合ポリエステルは、上述した
共重合成分以外に、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、
p−オキシ安息香酸等のヒドロキシジカルボン酸成分、
さらに、無水トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸、トリメチロールプロパン、グリセリン、無水
ピロメリット酸等のポリカルボン酸成分および/または
ポリオール成分が共重合されたものであってもよい。
【0025】本発明の共重合ポリエステルは、任意の方
法によって製造することができる。例えば、(1)ポリ
エステルをカルボン酸のジメチルエステルとグリコール
とのエステル交換ならびに引き続く重縮合反応によって
製造する方法、(2)ポリエステルをジカルボン酸とグ
リコールとのエステル化反応ならびに引き続く重縮合反
応によって製造する方法等を挙げることができる。この
際、本発明の共重合成分である側鎖を有する炭素数6〜
25の脂肪族グリコール成分および/または該脂肪族グ
リコール成分以外の共重合成分を、上記したポリエステ
ル反応工程の任意の段階で添加し、共重合せしめること
ができる。
【0026】また、ポリエステルの反応に使用する触媒
等は、ポリエステルを製造する際の一般的な反応触媒を
使用することができる。例えば、エステル化、エステル
交換反応触媒としては、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、亜鉛、マンガン、コバルト、チタン等の金属化合
物、重縮合反応触媒としては、アンチモン、チタン、ゲ
ルマニウム化合物等を用いることができる。
【0027】また本発明の共重合ポリエステルおよびそ
れからなる繊維は、本発明の目的を損なわない範囲で酸
化チタン、カーボンブラック等の顔料、アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩等の界面活性剤、従来公知の抗酸化剤、
着色防止剤、耐光剤、帯電防止剤等を含有していてもよ
い。
【0028】本発明における共重合ポリエステル繊維は
従来公知の方法で製造することができる。例えば、50
0〜2500m/分の速度で溶融紡糸し、次いで延伸、
熱処理する方法、1500〜5000m/分の速度で溶
融紡糸し、延伸と仮撚加工とを同時、または延伸後、仮
撚加工を行う方法、5000m/分以上の高速で溶融紡
糸し、用途によっては延伸工程を省略する方法、など任
意の製糸条件を採用することができる。
【0029】本発明の共重合ポリエステル繊維の断面形
状は丸ばかりでなく、三角、偏平、多葉型、多角、H
型、Π型などなどの異形断面でもよい。また、該繊維の
糸状形態は、フィラメント、ステープルのどちらでもよ
く、用途によって適宜選定される。
【0030】本発明のポリエステル繊維は、その用途に
応じて織物、編物、不織布などの布帛形態で使用するこ
とができる。
【0031】また、本発明のポリエステル繊維を減量す
る方法としては、プラズマ処理、レーザー処理、アルカ
リ減量処理等をあげることができ、得られる繊維の風合
い、染色性等の点から、減量処理方法としてはアルカリ
減量処理が好ましい。この際使用するアルカリは、Na
OH、KOH、LiOH等の化合物を挙げることがで
き、ポリエステル繊維等の減量処理は該アリカリの水溶
液で行い、アルカリ濃度は0.5〜10重量%が好まし
いこの際の、アルカリ減量率は特に限定されないが、得
られる繊維の強度、風合い等の点から、減量率は50%
以下が好ましく、より好ましくは30%以下であり、さ
らに好ましくは20%以下である。
【0032】さらに本発明のポリエステル繊維を染色す
るためのカチオン染料としては、'Aizen Cathilon'(保
土ヶ谷化学工業(株)製)、'Kayacryl'(日本化薬
(株)製)、'Estrol,Sumiacryl'(住友化学工業(株)
製)、'Diacryl'(三菱化成工業(株)製)、'Maxilon'
(チバガイギー(株)製)、'Astrazon'(バイエルジャ
パン(株)製)等の冠称名染料が挙げられるがこれらに
限定されるものではなく、分散型カチオン染料、分散染
料を用いることもできる。本発明の効果を阻害しない範
囲内の少量であれば他の染料を併用してもよい。
【0033】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳細に説
明する。なお、実施例中の各特性値は次の方法によって
求めた。 A.ポリエステルの極限粘度 [η] オルトクロロフェノール溶液とし、25℃で求めた。 B.ポリエステルの熱特性 ポリエステルのガラス転移温度(Tg)、融点(Tm)
はパーキンエルマー社製DSC7装置を用い、昇温速度
16℃/分で測定した。 C.強度、伸度 東洋ボールドウィン社製テンシロン引張り試験機を用い
て試長20cm、引張り速度10cm/分の条件で応力
−歪み曲線から値を求めた。 D.耐アルカリ加水分解性 ポリエステル繊維をそれぞれ3g秤量し、98℃で40
分間、NaOH3%水溶液中で処理した後の重量を測定
し、アルカリ処理時の減量率を求め、耐アリカリ加水分
解性の指標とした。アルカリ処理時の減量率が大きいほ
ど、耐アルカリ加水分解性に劣る。
【0034】アルカリ処理減量率(%)=(減量前の重
量−アルカリ減量後の重量)/減量前の重量×100 E.染色性の評価 得られた75d−36Fのポリエステル繊維を2本引き
揃えて24ゲージ天竺筒を作製し、”サンデット”G−
29(三洋化成(株)製)2g/l、ソーダ灰5g/
l、”デトロール”WR−14(明成化学工業(株)
製)2g/lを含む処理浴中で精練を行った。乾燥後に
170℃で中間熱セットを行い染色試料布帛とした。
【0035】さらに上記染色試料布帛を、カチオン染料
Malachite Greenシュウ酸塩3%ow
f、助剤として酢酸(80%)0.5cc/lの浴で13
0℃で60分間染色した(浴比1:100)。その後冷
却し、編地を取り出しソーピングした後、水洗風乾し、
次式により染料吸尽率を求めた。
【0036】染料吸尽率=(染色前の染液の617.2
nmの吸光度−染色後の染液の617.2nmの吸光
度)/染色前の染液の617.2nmの吸光度×100 染色性は染料吸尽率が高いほど良好で、十分な発色性を
得るためには染料吸尽率は70%以上が必要である。 実施例1 ジメチルテレフタレート96重量部、カチオン染着座席
成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル
3重量部、エチレングリコール53重量部、2,4−ジ
エチルー1,5−ペンタンジオール5.3重量部とをエ
ステル交換反応触媒として酢酸リチウム2水和物0.1
5重量部を用い、140〜235℃まで撹拌しながら4
時間かけて昇温し、エステル交換反応を終了した。次い
で、着色防止剤としてリン酸トリメチル0.04重量
部、さらに重縮合反応触媒として三酸化アンチモン0.
04重量部を添加し、常法に従い、減圧下、温度290
℃で重縮合反応を行い、共重合ポリエステルを得た。こ
の時の諸条件および得られたポリエステル特性を表1に
示した。
【0037】次いで得られた共重合ポリエステルを乾燥
後、紡糸機に供し、メルターにて溶融した後、計量し、
紡糸パック部から吐出し、1350m/分の速度で引取
った。得られた未延伸糸を80℃で2.8倍に延伸した
後、ローラー(125℃)で熱セットし、75デニール
36フィラメントの延伸糸を得た。得られた繊維特性お
よび結果を表2に示した。アルカリ処理時の減量率は1
8%、染料吸尽率は80%と良好であった。 比較例1 側鎖を有する脂肪族グリコール成分(2,4−ジエチル
ー1,5−ペンタンジオール)を共重合せず、実施例1
と同様の方法で共重合ポリエステルおよび繊維を得た。
得られた共重合ポリエステルおよび繊維特性を表1,2
に示した。得られた共重合ポリエステル繊維は、耐アル
カリ加水分解性、染色性に劣るものであった。 実施例2〜14、比較例2 共重合成分の種類および量を変更した以外は、実施例と
同様の方法で共重合ポリエステルおよび繊維を得た。得
られた共重合ポリエステルおよび繊維特性を表1,2に
示した。実施例2〜14は、いずれも本発明の範囲内
で、得られた共重合ポリエステル繊維の耐アルカリ加水
分解性、染色性ともに良好であった。一方、比較例2
は、共重合成分が本発明の範囲外であり、共重合繊維の
耐アルカリ分解性、染色性に劣るものであった。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明によって得られた共重合ポリエス
テル繊維は、耐アルカリ加水分解性、カチオン染料、分
散染料に対する染色性に優れる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】側鎖を有する炭素数6〜25の脂肪族グリ
    コール成分が共重合されたポリエステルからなる染色性
    に優れた共重合ポリエステル繊維。
  2. 【請求項2】側鎖を有する炭素数6〜25の脂肪族グリ
    コール成分がアルキレンオキサイド付加物である請求項
    1に記載の染色性に優れた共重合ポリエステル繊維。
  3. 【請求項3】側鎖を有する炭素数6〜25の脂肪族グリ
    コール成分の共重合量が0.1〜50モル%である請求
    項1または2に記載の染色性に優れた共重合ポリエステ
    ル繊維。
  4. 【請求項4】ポリエステルが、側鎖を有する炭素数6〜
    25の脂肪族グリコール成分以外に、ジカルボン酸成
    分、グリコール成分、ポリオキシアルキレングリコール
    成分よりなる群から選ばれた少なくとも一種の成分が共
    重合されたポリエステルである請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の染色性に優れた共重合ポリエステル繊維。
  5. 【請求項5】ポリエステルが、カチオン染着座席成分を
    全酸性分に対して0.1〜10モル%共重合されたポリ
    エステルである請求項1〜4のいずれか1項に記載の染
    色性に優れたポリエステル繊維。
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