JP2000170032A - 耐アルカリ加水分解性ポリエステル繊維 - Google Patents

耐アルカリ加水分解性ポリエステル繊維

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JP2000170032A
JP2000170032A JP10351192A JP35119298A JP2000170032A JP 2000170032 A JP2000170032 A JP 2000170032A JP 10351192 A JP10351192 A JP 10351192A JP 35119298 A JP35119298 A JP 35119298A JP 2000170032 A JP2000170032 A JP 2000170032A
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polyester
acid
ethylene oxide
alkali
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JP10351192A
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Toshihiro Sasaki
敏弘 佐々木
Yoshitaka Matsumura
由隆 松村
Michinori Higuchi
徹憲 樋口
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエステル繊維の染色性、耐アルカリ加水
分解性の向上を図り、レギュラーポリエステルとの混繊
・混用用途に適したポリエステル繊維を提供することに
ある。 【解決手段】 特定の共重合化合物を含有させた繊維。
特定の共重合組成物を含有させることで、染色性、耐ア
ルカリ加水分解性を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐アルカリ加水分
解性を有するポリエステル繊維に関する。更に詳しく
は、特定の共重合成分を含有した、耐アルカリ加水分解
性、染色性に優れたポリエステル繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルやポリアミドに代表される
熱可塑性合成繊維は機械的強度、耐薬品性、耐熱性など
に優れるため、衣料用途や産業用途などを主体に広く使
用されている。しかしながら、これらの合成繊維は染色
されにくく、高温、高圧条件で染めるとか、キャリヤー
染色しなければならないなど、経済的、操業的な課題を
持つうえに、鮮明な色彩を出しにくいという品質上の欠
点を有する。
【0003】ポリエステル繊維の耐アルカリ加水分解性
を改良するために、ポリエステル中にダイマージオール
を共重合する方法が提案されている(特開平10−37
019号公報)。しかし、この方法を用いた場合、耐ア
ルカリ加水分解性は向上するものの、染色性が十分でな
かった。
【0004】鮮明発色性を得るためには、特公昭34−
10497号公報に記載されているように、芳香族ポリ
エステルに5−ナトリウムスルホイソフタル酸のような
染着座席を持つ化合物を共重合することによってカチオ
ン染料で染色可能とする試みが提案されている。これら
の方法を用いることで確かに鮮明発色性は向上するもの
の、この方法で得られるカチオン染料可染性ポリエステ
ル繊維は、耐アルカリ加水分解性に劣っているため、織
編物の風合いを良好にするためにレギュラーポリエステ
ル繊維で通常行われているアルカリ減量処理を施すと、
アルカリによるカチオン染料可染性ポリエステル繊維の
溶解速度がレギュラーポリエステル繊維のそれに比べ極
めて大きいので、通常工業的に採用されている条件では
安定して減量処理加工することが困難であるのみなら
ず、アルカリ処理糸の強度低下が著しく大きいため、ア
ルカリ減量処理加工の適用が困難であった。
【0005】そこでカチオン染料可染性ポリエステル繊
維の耐加水分解性を改良するために、ポリエステル中に
1,2−(4−カルボキシ)エタン成分を共重合する方
法が提案されている(特開昭62−97914号公報、
特開昭62−97915号公報および特開昭62−97
916号公報)。しかしこれらの方法を持ってしても、
実質的な耐加水分解性の向上効果は少なかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題点を克服し、耐アルカリ加水分解性を向
上させかつ染色性を向上させて、他のポリエステル繊維
との混繊・混用等の用途に適した商品価値の高いポリエ
ステル繊維を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、テレフタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコ
ールを主たるジオール成分とするポリエステルであっ
て、下記I−Aおよび/またはI−B式で示されるダイ
マージオールエチレンオキサイド付加物を全ジオール成
分に対して0.2〜10重量%共重合した共重合ポリエ
ステルよりなる耐アルカリ加水分解性ポリエステル繊維
によって達成することができる。
【0008】
【化3】 (但し、式中、R1およびR2は同一もしくは異なるアル
キル基、R3およびR4は同一もしくは異なるアルキレン
基であり、R1、R2、R3およびR4の炭素数の合計は2
4〜36の範囲である。n,mは1〜14までの整数で
同一もしくは異なっていてもよい。)
【化4】 (但し、式中、R1’およびR2’は同一もしくは異なる
アルキル基、R3’およびR4’は同一もしくは異なるア
ルキレン基であり、R1’、R2’、R3’およびR4’の
炭素数の合計は27〜39の範囲である。n’,m’は
1〜14までの整数で同一もしくは異なっていてもよ
い。)
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に述べる。本発
明において、耐加水分解性、染色性を同時に向上させる
ためにはダイマージオールエチレンオキサイド付加物が
必須成分である。
【0010】本発明の共重合ポリエステルに共重合され
るダイマージオールエチレンオキサイド付加物はその製
法を特に限定されるものではないが、例えば不飽和脂肪
酸の粘土触媒による低重合体から、分離および水素添加
によってトリマー酸、モノマー酸等の副生成物を除去し
た後に得られるダイマー酸を水素化して得られる脂肪族
両末端ジオール(ダイマージオール)にエチレンオキサ
イドを付加する方法があげられる。具体的にはダイマー
ジオールエチレンオキサイド付加物は、下記一般式(I
−A)および/または(I−B)で表される化合物であ
る。
【0011】
【化5】 (但し、式中、R1およびR2は同一もしくは異なるアル
キル基、R3およびR4は同一もしくは異なるアルキレン
基であり、R1、R2、R3およびR4の炭素数の合計は2
4〜36の範囲である。n,mは1〜14までの整数で
同一もしくは異なっていてもよい。)
【化6】 (但し、式中、R1’およびR2’は同一もしくは異なる
アルキル基、R3’およびR4’は同一もしくは異なるア
ルキレン基であり、R1’、R2’、R3’およびR4’の
炭素数の合計は27〜39の範囲である。n’,m’は
1〜14までの整数で同一もしくは異なっていてもよ
い。) 前記(I−A)および(I−B)で表されるダイマージ
オールエチレンオキサイド付加物は、それぞれ単独でも
また両者の混合物のいずれかであってもよい。このダイ
マージオールエチレンオキサイド付加物は、製造され精
製されたものであって、95重量%以上の純度を有する
ものが有利に使用される。
【0012】具体的には、東亜合成(株)製ベスポール
HP−1000(炭素数36で脂環族タイプ/直鎖脂肪
族タイプ=75/25(mol%)の水素添加ダイマージオー
ル)にエチレンオキサイドを付加された化合物等があげ
られる。
【0013】ダイマージオールエチレンオキサイド付加
物のエチレンオキサイド付加量は、n+mおよび/また
はn’+m’として2〜28、好ましくは4〜20、さ
らに好ましくは4〜16である。付加量n+mおよび/
またはn’+m’を2〜28とすることでポリエステル
の耐アルカリ分解、染料に対する染色性の両者を向上さ
せることができる。
【0014】ダイマージオールエチレンオキサイド付加
物のポリエステル中の共重合量は、全ジオール成分に対
して0.2〜10重量%、好ましくは1.0〜7重量%
である。共重合量を0.2〜10重量%とすること耐熱
性を損なうことなく、耐アルカリ分解性、染料に対する
染色性を向上させることができる。
【0015】ここでポリエステルとは、テレフタル酸を
主たる酸性分とし、エチレングリコールを主たるジオー
ル成分とするポリエチレンテレフタレートを主たる対象
とする。
【0016】本発明の共重合ポリエステルには本発明の
効果が実質的に損なわれない範囲内で、テレフタル酸以
外の二官能性カルボン酸成分および/またはエチレング
リコール以外のジオール成分をそれぞれ20モル%以
下、好ましくは10モル%以下共重合してもよいことを
意味する。
【0017】本発明者らが鋭意検討した結果、前記のご
とくダイマージオールエチレンオキサイド付加物を共重
合したポリエステルに対して、さらにカチオン染着座席
成分を含有する成分を共重合したポリエステルからの繊
維は、カチオン可染性であるにも拘わらず、耐アルカリ
加水分解性が向上し、さらに染色性も大幅に向上するこ
とを見出した。
【0018】本発明のカチオン染着座席成分としては、
5−ナトリウムスルホイソフタル酸およびそのエステル
誘導体、5−リチウムスルホイソフタル酸およびそのエ
ステル誘導体、5−(テトラアルキル)ホスホニウムス
ルホイソフタル酸およびその誘導体等が挙げられる。
【0019】該カチオン染着座席成分の共重合率は全酸
成分に対して0.1〜10モル%が好ましく、さらに好
ましくは1.0〜4.0モル%であり、特に好ましくは
1.3〜2.0モル%である。共重合率は染色性や製糸
性の観点から決定される。
【0020】さらにその他の共重合成分の具体的な二官
能性カルボン酸成分としては、例えばイソフタル酸、ナ
フタレン−2、6−ジカルボン酸、ジフェニルジカルボ
ン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキ
シエトキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸等の二官能性
芳香族カルボン酸または、アジピン酸、セバシン酸等の
二官能性脂肪族カルボン酸または、1,4−シクロへキ
サンジカルボン酸等の二官能性脂環族カルボン酸を挙げ
ることができる。
【0021】また、エチレングリコール以外のジオール
成分としては、例えばジエチレングリコール、1,3−
プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、プロピレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−
ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ジメチロー
ルヘプタン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ト
リシクロデカンジメタノール、ネオペンチルグリコー
ル、ビスフェノールAのエチレンオキサイド誘導体、ビ
スフェノールSのエチレンオキサイド誘導体等の脂肪
族、脂環族、芳香族のジオール化合物およびポリオキシ
アルキレングリコールを挙げることができる。
【0022】さらに本発明の共重合ポリエステルにおい
ては少量の三官能以上のポリカルボン酸やポリオール成
分を含むことができる。例えば、無水トリメリット酸、
ベンゾフェノンテトラカルボン酸、トリメチロールプロ
パン、グリセリン、無水ピロメリット酸等がある。
【0023】本発明の共重合ポリエステルは、任意の方
法によって合成される。例えばポリエチレンテレフタレ
ートについて説明すれば、通常テレフタル酸とエチレン
グリコールとを直接エステル化反応させるか、テレフタ
ル酸ジメチルの如きテレフタル酸の低級アルキルエステ
ルとエチレングリコールとをエステル交換反応させるか
またはテレフタル酸とエチレンオキサイドとを反応させ
るかしてテレフタル酸のグリコールエステルおよび/ま
たはその低重合体を生成させる第一段階の反応と、第一
段階の反応生成物を重合触媒の存在下で減圧加熱して所
望の重合度になるまで重縮合反応させる第二段階の反応
によって製造される。ダイマージオールエチレンオキサ
イド付加物の添加時期としては特に限定されないが例え
ば、エステル交換反応が実質的に終了した時点から重縮
合反応が開始されるまでの任意の段階に添加される。
【0024】また共重合ポリエステルには、本発明の目
的を損なわない範囲で酸化チタン、カーボンブラック等
の顔料、アルキルベンゼンスルホン酸塩等の界面活性
剤、従来公知の抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防
止剤等が添加されても勿論良い。
【0025】本発明において上記共重合ポリエステルを
用いる繊維の製法としては従来公知の方法で製造するこ
とができるが、例えば、500〜2500m/分の速度
で溶0融紡糸し、延伸、熱処理する方法、1500〜5
000m/分の速度で溶融紡糸し、延伸と仮撚加工とを
同時にまたは続いて行う方法、5000m/分以上の高
速で溶融紡糸し、用途によっては延伸行程を省略する方
法、など任意の製糸条件を採用することができる。
【0026】本発明の繊維の断面形状は丸ばかりでな
く、三角、偏平、多葉型、多角、H型、Π型などなどの
異形断面でもよい。また、該繊維の糸状形態は、フィラ
メント、ステープルのどちらでもよく、用途によって適
宜選定される。布帛形態としては、織物、編物、不織布
など目的に応じて適宜選択できる。
【0027】また、本発明のポリエステル繊維を減量す
る方法としては、プラズマ処理、レーザー処理、アルカ
リ減量処理等をあげることができるが、好ましいのはア
ルカリ減量処理である。アルカリとしては、NaOH、
KOH、LiOH等の化合物を水溶液として用いること
ができる。その濃度は0.5〜10%の範囲が好まし
い。
【0028】さらに本発明のポリエステル繊維を染色す
るためのカチオン染料としては、'Aizen Cathilon'(保
土ヶ谷化学工業(株)製)、'Kayacryl'(日本化薬
(株)製)、'Estrol,Sumiacryl'(住友化学工業(株)
製)、'Diacryl'(三菱化成工業(株)製)、'Maxilon'
(チバガイギー(株)製)、'Astrazon'(バイエルジャ
パン(株)製)等の冠称名染料が挙げられるがこれらに
限定されるものではなく、分散型カチオン染料を用いる
こともできる。本発明の効果を阻害しない範囲内の少量
であれば他の染料を併用してもよい。
【0029】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳細に説
明する。なお、実施例中の各特性値は次の方法によって
求めた。 A.ポリエステルの極限粘度 [η] オルトクロロフェノール溶液とし、25℃で求めた。
【0030】B.強度、伸度 東洋ボールドウィン社製テンシロン引張り試験機を用い
て試長20cm、引張り速度10cm/分の条件で応力−歪み曲
線から値を求めた。
【0031】強度が3.5g/d未満であると仮撚時のケバ発
生等があるため強度は3.5g/d以上必要である。
【0032】C.融点(Tm) 共重合ポリエステルのTmはパーキンエルマー社製DS
C7装置を用い、昇温速度16℃/分で測定した。
【0033】Tmは240℃以上が必要である。240
℃以上でないと仮撚加工温度を上げられないため、良好
な仮撚捲縮が得られないため問題である。
【0034】D.ポリエステル繊維の耐アルカリ加水分
解性 ダイマージオールエチレンオキサイド付加物を含有しな
いポリエステル繊維、ダイマージオールエチレンオキサ
イド付加物を含有させたポリエステル繊維をそれぞれ3
g秤量し、98℃で40分間、NaOH3%水溶液中で
処理した後の重量を測定し、それぞれの残存率を求め
る。
【0035】残存率(%)=(減量前の重量−アルカリ
減量後の重量)/減量前の重量×100 残存率から下記式を用いて繊維の耐アルカリ指数を求め
た。
【0036】耐アルカリ加水分解指数={ダイマージオール
エチレンオキサイド付加物を含まないポリエステル繊維
の残存率/ダイマージオールエチレンオキサイド付加物
を含むポリエステルの残存率}×100 耐アルカリ加水分解指数は110を越えることが耐アル
カリ加水分解性が良好なことを表し、110を越えるこ
とが必要である。
【0037】E.染色性の評価 得られた75d−36Fのポリエステル繊維を2本引き
揃えて24ゲージ天竺筒を作製し、”サンデット”G−
29(三洋化成(株)製)2g/l、ソーダ灰5g/
l、”デトロール”WR−14(明成化学工業(株)
製)2g/lを含む処理浴中で精練を行った。乾燥後に
170℃で中間熱セットを行い染色試料布帛とした。
【0038】a.分散染料染色 染色布帛を、Samaron Blue GSL−40
0(タ゛イスター社製分散染料)の5%owf溶液中、130
℃で60分間、浴比1:50で染色を行い染色液をアセ
トン:水=1:1を用いて希釈し625nmの吸光度を
測定し、次式により染料吸尽率を求めた。
【0039】染料吸尽率a={(染色前の染液の吸光度
−染色後の染液の吸光度)/染色前の染液の吸光度}×
100 染色性は染料吸尽率が高いほど良好で、本発明では染料
吸尽率は40%以上が良好とした。
【0040】b.カチオン染料染色 染色試料布帛を、カチオン染料Malachite G
reenシュウ酸塩3%owf、助剤として酢酸(80
%)0.5cc/lの浴で130℃で60分間染色した
(浴比1:100)。染色液を希釈し617.2nmの吸光
度を測定し、次式により染料吸尽率を求めた。
【0041】染料吸尽率b={(染色前の染液の吸光度
−染色後の染液の吸光度)/染色前の染液の吸光度}×
100 染色性は染料吸尽率が高いほど良好で、十分な発色性を
得るためには染料吸尽率は70%以上が必要である。
【0042】実施例1 ジメチルテレフタレート150kg、エチレングリコール94k
g、エステル交換触媒として酢酸マンガン4水和物60g、
重合触媒として三酸化アンチモン60gの混合物を140〜23
5℃まで撹拌しながら4時間かけて昇温しエステル交換
反応を終了した。次いで着色防止剤としてリン酸トリメ
チル64.5g加え、さらにダイマージオールエチレンオキ
サイド付加物(東亜合成(株)製ベスポールHP−10
00(炭素数36で脂環族タイプ/直鎖脂肪族タイプ=
75/25(mol%)の水素添加ダイマージオールにエチレ
ンオキサイドをn+m=6およびn’+m’=6となる
よう付加)を5重量%となるよう添加し、重合反応を行
うことにより、耐アルカリ加水分解性ポリエステルを得
た。このポリマの[η]は0.65であった。
【0043】このポリマを乾燥後、紡糸機に供し、メル
ターにて溶融した後、計量し紡糸パック部から吐出し、
1350m/分の速度で引取った。得られた未延伸糸を
80℃で2.8倍に延伸した後、ローラー(125℃)
で熱セットし、75デニール36フィラメントの延伸糸
を得た。結果を表1に示した。耐アルカリ加水分解指数
は167、染料吸尽率aは55%と良好であった。
【0044】実施例2〜4、比較例1〜3 実施例1において、使用したダイマージオールエチレン
オキサイド付加物の共重合量を変更させた以外は実施例
1と同様な方法によりポリエステル繊維を得た。耐アル
カリ加水分解指数、染料吸尽率aは良好であった。比較
例1においては、ダイマージオールエチレンオキサイド
付加物を共重合しないため耐アルカリ加水分解性効果が
十分に発揮されない。比較例2においては、ダイマージ
オールエチレンオキサイド付加物の共重合量が本願発明
の範囲外であるためTmが低下し、耐熱性が劣り、商品
価値を損なう物となった。比較例3においては、ダイマ
ージオールを共重合した物を用いたが、耐アルカリ加水
分解指数は向上するものの染色性が不十分であった。
【0045】実施例5 ジメチルテレフタレート150kg、カチオン染着座席成分
として5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル(N
SIP)4.7kg(共重合量2.0モル%)、エチレングリコー
ル94kg、エステル交換触媒として酢酸リチウム2水和物
210g、重合触媒として三酸化アンチモン60gの混合物を1
40〜235℃まで撹拌しながら4時間かけて昇温しエステ
ル交換反応を終了した。次いで着色防止剤としてリン酸
トリメチル64.5g加え、さらに実施例1と同様のダイマ
ージオールエチレンオキサイド付加物を5重量%となる
よう添加し、重合反応を行うことにより、耐アルカリ加
水分解性カチオン可染ポリエステルを得た。このポリマ
の[η]は0.64であった。
【0046】このポリマを乾燥後、紡糸機に供し、メル
ターにて溶融した後、計量し紡糸パック部から吐出し、
1350m/分の速度で引取った。得られた未延伸糸を
80℃で2.8倍に延伸した後、ローラー(125℃)
で熱セットし、75デニール36フィラメントの延伸糸
を得た。結果を表2に示した。耐アルカリ加水分解指数
は165、染料吸尽率bは90%と良好であった。
【0047】実施例6〜8、比較例4〜6 実施例5において、使用したダイマージオールエチレン
オキサイド付加物の共重合量を変更させた以外は実施例
5と同様な方法によりポリエステル繊維を得た。耐アル
カリ加水分解指数、染料吸尽率bは良好であった。比較
例4においては、ダイマージオールエチレンオキサイド
付加物を共重合しないため耐アルカリ加水分解性効果が
十分に発揮されない。比較例5においては、ダイマージ
オールエチレンオキサイド付加物の共重合量が本願発明
の範囲外であるためTmが低下し、耐熱性が劣り、商品
価値を損なう物となった。比較例6においては、ダイマ
ージオールを共重合した物を用いたが、耐アルカリ加水
分解指数は向上するものの染色性が不十分であった。
【0048】実施例9〜14 カチオン染着座席成分の共重合量の変更、ダイマージオ
ールエチレンオキサイド付加物のエチレンオキサイド付
加量を変更させた以外は実施例5と同様な方法によりポ
リエステル繊維を得た。エチレンオキサイド付加量は実
施例12ではn+m=2およびn’+m’=2、実施例
13ではn+m=12およびn’+m’=12、実施例
14ではn+m=20およびn’+m’=20となるよ
う付加したものを用いた。結果を表3に示した。耐アル
カリ加水分解指数、染料吸尽率bは良好であった。
【0049】
【表1】
【表2】
【表3】
【0050】
【発明の効果】本発明によって得られた耐アルカリ加水
分解性ポリエステル繊維は染色性、耐アルカリ加水分解
性を向上できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テレフタル酸を主たる酸成分とし、エチレ
    ングリコールを主たるジオール成分とするポリエステル
    であって、下記I−Aおよび/またはI−B式で示され
    るダイマージオールエチレンオキサイド付加物を全ジオ
    ール成分に対して0.2〜10重量%共重合した共重合
    ポリエステルよりなる耐アルカリ加水分解性ポリエステ
    ル繊維。 【化1】 (但し、式中、R1およびR2は同一もしくは異なるアル
    キル基、R3およびR4は同一もしくは異なるアルキレン
    基であり、R1、R2、R3およびR4の炭素数の合計は2
    4〜36の範囲である。n,mは1〜14までの整数で
    同一もしくは異なっていてもよい。) 【化2】 (但し、式中、R1’およびR2’は同一もしくは異なる
    アルキル基、R3’およびR4’は同一もしくは異なるア
    ルキレン基であり、R1’、R2’、R3’およびR4’の
    炭素数の合計は27〜39の範囲である。n’,m’は
    1〜14までの整数で同一もしくは異なっていてもよ
    い。)
  2. 【請求項2】共重合ポリエステルの全酸成分に対し、カ
    チオン染着座席成分を0.1〜10モル%共重合した共
    重合ポリエステルよりなる請求項1記載の耐アルカリ加
    水分解性ポリエステル繊維。
  3. 【請求項3】共重合ポリエステル中のカチオン染着座席
    成分が5−スルホイソフタル酸成分であることを特徴と
    する請求項2記載の耐アルカリ加水分解性ポリエステル
    繊維。
  4. 【請求項4】共重合ポリエステル中のダイマージオール
    エチレンオキサイド付加物のエチレンオキサイド付加量
    n+mおよび/またはn’+m’が4〜16であること
    を特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の耐アルカ
    リ加水分解性ポリエステル繊維。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7112706B2 (en) * 2002-04-24 2006-09-26 Croda Japan Kk Dimerdiol derivatives and composition of matter including the dimerdiol derivatives

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