JPH028036B2 - - Google Patents

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JPH028036B2
JPH028036B2 JP11629487A JP11629487A JPH028036B2 JP H028036 B2 JPH028036 B2 JP H028036B2 JP 11629487 A JP11629487 A JP 11629487A JP 11629487 A JP11629487 A JP 11629487A JP H028036 B2 JPH028036 B2 JP H028036B2
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plating
layer
plating layer
based alloy
adhesion
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JP11629487A
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JPS63105994A (ja
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Yoshio Shindo
Fumio Yamazaki
Koichi Wada
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Publication of JPH028036B2 publication Critical patent/JPH028036B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、優れためつき密着性および耐食性を
有し種々の用途、例えば自動車用鋼板として適用
できる複層めつき鋼板に関するものである。 〔従来の技術および問題点〕 寒冷地帯における冬期の道路凍結防止用の散布
岩塩によつて自動車車体が腐食する問題に対し
て、各種めつき鋼板の適用が検討・推進されてい
る。車体外面の腐食は、道路走行時の自動車に路
面から跳ねあげられた小石や散布岩塩が当たり
(この現象をチツピングと称する。小石や散布岩
塩の衝突するスピードは、自動車の走行スピード
と同じ50〜150Km/hで極めて大きい衝撃力であ
る。)、車体表面の塗装が剥離したり、素地鋼板に
達する疵が入り、その箇所に融雪からの水や散布
塩分が作用して促進される。このような車体外面
の腐食対策として、例えばZnめつき鋼板が使用
されている。Znめつきはその強い犠性防食作用
により、疵が素地鋼板に達していても鋼板を十分
防食する能力を持つているが、車体外面のように
塗装して用いた場合、ブリスターと称する塗膜の
膨れ錆が生じ易い欠点がある。 そのため、最近に至つてZn−Ni、Zn−Fe、Zn
−Co、Zn−Fe−Cr、Zn−Ni−Co、Zn−Cr、Zn
−Mn、Zn−Ti、Zn−Sn、Zn−Cu、Zn−Cd、
Zn−Pb等のZn系合金めつき及びこれらを複層化
しためつき(つまり成分や組成が異なるZn系合
金めつき層を重ねためつき)や濃度傾斜しためつ
き(つまり組成を、めつき層の厚さ方向に変化さ
せているめつき)を施した鋼板が開発され、良好
な耐ブリスター性が認められ実用化され始めてい
る。しかし、これらZn系合金めつきは、めつき
皮膜の持つ内部応力がZn単独のめつきよりも高
く、そのため鋼板素地に対するめつき層の対素地
密着性はZnめつきよりも弱いという欠点を持つ。
(以後、鋼板素地に直接接するめつきが鋼板に対
して持つ密着性を対素地密着性と記す。)又、自
動車々体外面にはカチオン電着塗装、中塗り、上
塗りからなる3コート塗装を合計で約100μ以上
の厚さに行うのが一般的であり、これらの焼付け
時の収縮応力がめつき層に作用して、対素地密着
性は未塗装時よりも低くなつている。更に、冬期
の寒冷地は−50℃ぐらいまで気温が低下し、塗膜
の収縮が進むため、めつき層に作用する応力も大
きくなつており、対素地密着性も一段と低い状態
にある。このように対素地密着性が一段と低まつ
た状態下で前述のチツピングをうけると、Zn系
合金めつき鋼板のめつき層は剥離する欠点があ
る。 Zn系合金めつき鋼板のめつき密着性(以後、
鋼板素地に直接接する接しないを考慮しないで、
めつきが鋼板に対して持つ密着性をめつき密着性
と記す。)を高める対策として、例えば特開昭59
−200789号公報の如くCr、Mn、Fe、Co、Ni、
Cu、In、Zn、Cd、Sn、Pbの1種又は2種以上
からなる被覆層をZn系合金めつきと素地鋼板と
の間に設ける方法が開示されている。しかし、当
該方法は常温下で未塗装状態の押し出し成型(5
エクセリン張り出し)というマイルドな状態下で
密着性を確認しており、前述の寒冷地、3コート
塗装、チツピングでのシビアーな条件では役にた
たない。又、鉄と鋼71(1985)、1273ではFe、Ni、
Cu、Snの1種からなる薄い被覆層をZn系合金め
つきと素地鋼板との間に設ける方法が開示されて
おり、2コート塗装、氷点化、デユポン衝撃試験
の条件下で十分なめつき密着性が得られると報告
されているが、前述の3コート塗装、チツピング
でのシビアーな条件では不十分な効果しか得られ
ない。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者等は前記実情に鑑み、自動車用3コー
ト塗装を施したZn系合金めつき鋼板が、低温下
でチツピングを受けても良好なめつき密着性を得
られることを目的として種々の実験を行つた。そ
の結果鋼板表面に第1層としてFe、Ni、Coのう
ち1種もしくは2種以上からなるめつき層を形成
し、しかる後当該めつき層上に第2層としてZn
系合金めつきを施し、さらに該めつき層の上に極
薄の化成皮膜を第3層としてFe系合金めつきを
施すことで、目的とするシビアーな条件でのめつ
き密着性が得られることを確認した。つまり鋼板
表面は通常加熱、圧延、酸洗、焼鈍工程を経てい
るため、表面にC、Si等の非金属の拡散濃縮層や
酸との化合物が存在しており、これがZn系合金
めつきのめつき密着性を阻害する要因となつてい
る。Zn系合金めつきは、その構造がZnめつきや
他の単一金属めつきに比し複雑なので特に助長さ
れやすい。 本発明者等は、Zn系合金めつきのめつき密着
性を高めるためには、先づ単純な構造の金属層を
Zn系合金めつきと素地鋼板との間に設けること
が必要であることを確認し、その中でも、鋼主成
分のFeと同一のFe、およびFe属金属であるNi、
Coが鋼と同様な結晶構造であるためか、鋼板に
対する対素地密着性が良く−かつZn系合金めつ
きのめつき密着性が良好であることを見いだし
た。しかし当該下地処理のみでは、まだ不十分で
あつたため次に低温下チツピツングでは、チツプ
の衝突による衝撃力がZn系合金めつきに伝わる
ことで、そのめつき密着力が劣化するという事実
に着目した。つまり、チツピングの衝撃力が、
Zn系合金めつきに伝わる前に緩和させうる処理
を施こせば、Zn系合金めつきの密着性は保たれ
ることになる。本発明者等はチツピングの衝撃力
がZn系合金めつき層に伝わる前に緩和させる処
理としてZn系合金めつきの上に更にFe系合金め
つきを施すことが工業的に最良であることを種々
探索の結果見い出した。この衝撃力緩和効果は
Fe系合金めつきそのものより、更にその上層に
施こされる、塗装、下地処理としての隣酸塩皮膜
の質によるものである。 Zn系合金めつき皮膜上の隣酸塩皮膜は5〜10μ
長さの針状のHepeite(Zn3(PO42・4H2O)であ
り、これは衝撃力に対し若干の緩和能力がある。
これに対しFeを70重量%以上含有するFe系合金
めつき上の隣酸塩皮膜は0.5〜1μ径の角粒状の
phosphophyllite(Zn2Fe(PO42・4H2O)で、そ
の結晶が微細であるため、チツピングの衝撃力を
吸収・分散する能力が大きく、Zn系合金めつき
にチツピングの衝撃が伝わるのを緩和することを
見いだした。しかしZn系合金めつき層上に直接
鉄系合金めつきを施すと両者の結晶構造が違いす
ぎるためか、又は両者の電位差のためか明確では
ないが、自動車用3コート塗装した後、曝露経時
したものに前記の低温下でのチツピングの衝撃を
与えると、第2めつき層と第3めつき層での間の
剥離がみられた。つまり上記の第1、第3めつき
層は、防食性の良い第2めつき層のZn系合金め
つきの低温下でのチツピングによるめつき密着性
を良好ならしめるために施すもので、製造直後は
十分その目的を達する。しかし自動車のように屋
外で長期間使用されるのを考慮すると曝露経時し
たものが上記チツピングを受け、第3めつき層被
覆およびそれに伴なう3コート塗膜が剥離するの
は実用上好ましくない。その為本発明者等は鋭意
研究の結果、第2めつき層のZn系合金めつき層
の最表面に極薄のクロメート又はリン酸塩の化成
皮膜を施すことで曝露状態下の経時変化に耐えう
ることを確認できた。 この場合、極薄の化成皮膜の作用機構は明確で
ないが、第2めつき層のZn系合金めつき層と第
3めつき層のFe系合金めつき層の界面を不活性
化することで両者間の電位差を補償する機能が大
きいと思われる。 これにより曝露状態で使用され経時した状態下
で前述の低温下でチツピングを受けても、第2め
つき層と第3めつき層間の剥離を防止でき総合的
なめつき密着性が得られることが確認できた。 以上述べたZn系合金めつきのめつき密着性に
対する知見および第1めつき層、第3めつき層の
被覆および化成皮膜の効果を見出し、本発明をな
したのである。 本発明は以上の如き知見に基づいてなされたも
のであつて、その要旨とするところは、鋼板の少
なくとも片面に、鋼板表面より、第1めつき層と
してFe、Ni、Coのうち1種もしくは2種以上か
らなるめつき層を形成し、第2めつき層として
Zn系合金めつき層を形成し、さらに第2めつき
層の上に化成皮膜を介して、第3めつき層として
Fe系合金めつき層を形成したことを特徴とする
めつき密着性、塗装後の性能に優れた複層めつき
鋼板にある。 〔作用〕 以下、本発明を図を用いて詳細に説明する。 第1図は本発明における第1めつき層、第3め
つき層の被覆層量を変化させると、第2めつき層
に施した20g/m2被覆のZn系合金めつきの製造
直後のめつき密着性がどのように変化するかを示
した相関図である。めつき密着性は、第1表中の
低温下チツピング試験により評価した。第1図に
於いてAは第1めつき層としてCo単独のめつき
を施し第3めつき層の被覆層が0である被覆めつ
き:Bは第1めつき層としてCo単独のめつきを
施し第3めつき層としてZn25重量%残FeのFe−
Zn合金めつき0.5g/m2を施した複層めつき:C
は第1めつき層としてCo単独のめつきを施し第
3めつき層としてZn25重量%残FeのFe−Zn合金
めつき1g/m2を施した複層めつきで、A、B、
Cとも、第1めつき層の付着量の変化に伴いZn
系合金めつきのめつき密着性がどのように変化す
るかを示した相関曲線である。 Zn系合金めつきのめつき密着性向上を目的に
Co単独の下層被覆を施すと、第1図の曲線Aに
示すようにCo付着量0.01g/m2以上から2g/m2
まで、Co付着量の増加に伴ないZn系合金めつき
のめつき密着性も向上する。しかし第1めつき層
被覆の効果は鋼板表面が完全に覆われる2g/m2
の付着量で飽和するため、Zn系合金めつきのめ
つき密着性はまだ不十分な状態にある。 第3めつき層としてFe−Zn合金めつきを0.5
g/m2施した曲線Bは曲線Aに比し良好である
が、まだ不充分な状態にある。これは第3めつき
層が第2めつき層の表面を完全に覆いきれないた
め、前述した隣酸塩の結晶構造が、Hepeiteと
phosphophylliteの共晶状態になつているために、
チツピングの衝撃力を十分緩衝できないことが原
因であると推定される。 第3めつき層としてFe−Zn合金めつきを1
g/m2施した曲線Cは第1めつき層のCo付着量
0.01g/m2以上で曲線Aのピーク値よりも良好な
状態にある。これは前述した隣酸塩の結晶構造が
全量phosphophylliteになつているため、チツピ
ングの衝撃力を十分緩衝できるためである。 本発明に関わる第1のめつき層は、Fe、Ni、
Coのうち、1種もしくは2種以上からなる。付
着量範囲としては、0.01〜2g/m2が好ましい
が、これは、第1図の説明の如く、この範囲で第
2めつき層のめつき密着性が向上するからであ
る。又、Fe、Ni、Coと、P、W、B、Moの内
1種もしくは2種以上と組合せてもよい。 本発明に関わる、第2めつき層のZn系合金め
つき層とは、Zn−Ni、Zn−Fe、Zn−Co、Zn−
Fe−Cr、Zn−Ni−Co、Zn−Cr、Zn−Mn、Zn
−Ti、Zn−Sn、Zn−Cu、Zn−Cd、Zn−Pb等の
Zn系合金めつき及びこれらを複層化しためつき
(つまり成分や組成が異なるZn系合金めつき層を
重ねためつき)や濃度傾斜しためつき(つまり組
成を、めつき層の厚さ方向に変化させているめつ
き)、更にはこれらに少量のAl、Mg、In、等が
含有されたものを指す。 本発明で上述のZn系合金めつき層の付着量は、
5g/m2以上とするのが好ましいが、それ未満で
は鋼板に対する防食効果が不十分なためである。
又、本発明で上述のZn系合金めつき層中のFe、
Ni、Co、Cr、Mn、Ti、Sn、Cu、Cd、Pb含有
率は、総量で3重量%〜20重量%とするのが好ま
しいが、この範囲でこれらがZnと金属間化合物
を形成し、この金属間化合物めつき層が優れた耐
プリスター性を発揮するからである。 化成皮膜としては、モリブデン酸皮膜、クロメ
ート皮膜、蓚酸塩皮膜、リン酸皮膜、チタネート
皮膜、タンニン酸皮膜が有効であるが、特に電解
クロメート皮膜、電解リン酸塩皮膜は、電解によ
り均一に析出するためCr又はP100mg/m2以下と
いう極薄膜でも、曝露経時による層間剥離を防ぐ
ことができる。しかしこれらの皮膜量もCr又は
Pとも100mg/m2を超えると、皮膜の電気抵抗が
高くなり通電性が悪くなるため、第3めつき層の
Fe系合金めつきの析出を妨害する。なお、化成
皮膜量の下限値は、化成皮膜の効果を発揮させる
上で1mg/m2とするのが望ましい。クロメート皮
膜、りん酸塩皮膜は、それぞれ単独で利用する以
外に、これらを重ね合わせたり、混合して利用し
ても差し支えない。 本発明の第3めつき層のFe系合金めつき中の
Fe含有量は、70重量%以上とするのが望ましい
が、これはこの範囲で前述のphosphophylliteに
よる隣酸塩皮膜が形成されるためである。 又Fe系合金めつきとしては、Znが3〜30重
量%、Cr0.1〜1.0重量%のFe−Zn−Cr合金めつ
きZnが3〜30重量%のFe−Zn合金めつきP
が0.01〜30重量%のFe−P合金めつきが有効であ
り、これは、少量のZn、Cr、Pが隣酸塩処理の
形成核となりFe単独めつきよりも微細な隣酸塩
結晶が得られ、チツピングの衝撃力を柔らげる効
果が見出されたためである。 本発明の複層めつき鋼板は、通常の脱脂(強ア
ルカリ、弱アルカリ、溶剤等の脱脂剤および浸
漬、スプレー、カウンターフロー、電解等の脱脂
方法)通常の酸洗(硫酸、塩酸等の酸洗剤及び浸
漬、スプレー、カウンターフロー、電解等の酸洗
方法)の前処理を施した鋼板にFe、Ni、Coの単
独電気めつき、またはこれらの2種以上からなる
電気めつきを施した後、水洗工程を経て、Zn系
合金電気めつきを施し、水洗工程を経て電解クロ
メート処理又は電解リン酸塩処理を施し水洗工程
を経てFe系合金電気めつきを施すことで得られ
る。 Fe、Ni、Coの単独電気めつきまたはこれらの
2種以上からなる電気めつきは、Co単独めつき
を例にとると、Coの塩化物又は硫酸塩を主成分
としK、Na、NH4、Mg、Al等の塩化物又は硫
酸塩又はホウ酸塩を副成分とし、硫酸、塩酸等の
酸又はNa、Mg、Sr等の炭酸塩をPH調整剤とし
たPH0.5〜3.0で浴温30〜70℃のめつき浴中で電流
密度10〜300A/dm2、流速10〜300m/minで電
気めつきすることで得られる。 浴中主成分のCo2+の濃度は30〜100g/であ
る。 他のFe、Ni等の単独めつきも上記の主成分を
Fe2+、又はNi2+とすることで得られる。Fe、
Ni、Coの2種以上からなるめつきは、上記の各
主成分を同一浴中で適宜混合することで得られ
る。 めつき層の構造は縦型・横型どちらでも適用可
能である。又めつきの電源は直流のみならず陰極
電解比率の多いパルス電源や直流交流重畳電源で
も特に支障はない。 Zn系合金電気めつきはZn系合金電気めつき浴
(Zn2+、Fe2+、Ni2+、Co2+、Cr6+、Cr3+、Mn2+
Ti2+、Sn2+、Cu2+、Cd2+、Pb2+の塩化物又は硫
酸塩又はホウフツ化物又はスルフアミン酸塩又は
クエン酸等のキレート塩を主成分としたPH0.5〜
13.5で浴温20〜70℃のめつき浴中で電流密度10〜
300A/dm2、流速10〜300m/minで電気めつき
することで得られる。浴中主成分のZn2+、Fe2+
Ni2+、Co2+、Cr6+、Cr3+、Mn2+、Ti2+、Sn2+
Cu2+、Cd2+、Pb2+の濃度は合計で30〜100g/
で、各々の比率を変えることでめつき層中の
Zn+、Fe2+、Ni2+、Co2+、Cr6+、Cr3+、Mn2+
Ti2+、Sn2+、Cu2+、Cd2+、Pb2+の合金電気めつ
き比率を変えることができる。めつき層の構造は
縦型・横型どちらでも適用可能である。又めつき
電源は直流のみならず陰極電解比率の多いパルス
電源や直流交流重畳電源でも特に支障はない。
又、これらを複層化する際には主成分濃度比を変
えた浴をその層分別々にセツトリングし、その層
別のめつき層で順次めつきする。又、これらの濃
度傾斜しためつきにする際には上記の複層化する
方法と、電流密度ををめつき槽別に変える方法と
の組み合わせで可能である。 電解クロメート処理はCrO3を主成分としCr3+
Zn2+、Fe2+、Mn2+、Ni++等のクロム酸塩および
硫酸、塩酸、硝酸等の酸を副成分として、浴温30
〜50℃の浴中で電流密度2〜30A/dm2、流速1
〜10m/minで電解することで得られる。浴中主
成分のCrO3の濃度は10〜50g/である。電解
クロメート後の水洗は常温でも可能であるが90〜
100℃の熱水が好ましい。又水洗後は50〜300℃に
加熱してもよい。 電解リン酸塩処理はZn2+、Fe2+、Mn2+
Ni++、Na+、K+等のHPO4 2-、H2PO4−、
HPO3 2-、H2PO3 -塩を主成分とし、塩酸、硫酸、
苛性ソーダ、苛性カリ、隣酸をPH調整剤として、
浴温20〜60℃、PH2〜10の浴中で電流密度2〜
200A/dm2、流速1〜100m/minで電解するこ
とで得られる。浴中主成分濃度は10〜200g/
である。 Fe系合金電気めつきは、Fe−Zn合金電気めつ
きを例にとるとFe2+、Zn2+の塩化物又は硫酸塩
を主成分としK、Na、NH4、Mg、Al等の塩化
物又は硫酸塩又はホウ酸塩を副成分とし、硫酸、
塩酸等の酸又はNa、Mg、Sr等の炭酸塩をPH調
整剤としたPH0.5〜3.0で浴温30〜70℃のめつき浴
中で電流密度50〜300A/dm2、流速10〜300m/
minで電気めつきすることで得られる。浴中主成
分のFe2+、Zn2+の濃度は合計で70〜100g/
で、Fe2+とZn2+の比率は100〜10:1である。 Fe−Zn−Cr合金電気めつきは上記浴にCr3+
塩化物又は硫酸塩をFe2+に対し1/10〜1/100
濃度(asCr3+)添加しためつき浴で得ることがで
きる。 Fe−P合金電気めつきは上記Fe−Zn浴のZnを
除きP源としてK、Na、NH4等の非金属の亜リ
ン酸塩又は次亜リン酸塩をFe2+に対し1/10〜
1/1000濃度(asp)添加しためつき浴で得ること
ができる。 本発明の複層めつきは鋼板の両面に対して用い
る必要はなく、用途に応じて片面のみにめつき
し、他の面は鋼板面のまま、もしくはZnめつき
やZn系合金めつき層、あるいは、有機皮膜を上
部に有するZn系合金めつき層としてもよい。 本発明を適用する素地鋼板は通常ダル仕上げ圧
延をした軟鋼板であるが、ブライト仕上げ圧延を
した軟鋼板や、鋼成分としてMn、S、P等を多
く含んだ高張力鋼板や、Cr、Cu、Ni等を多く含
んだ腐食速度の小さい高耐食性鋼板でも適用可能
である。 以下、実施例をもつて本発明の効果を更に具体
的に説明する。 〔実施例〕 本発明における種々の複層めつき鋼板と本発明
外のめつき鋼板について、自動車用3コート塗装
後の低温下チツピングでのめつき密着性評価試験
および耐ブリスター性評価を主とした塗装後耐食
性評価試験を行つた。 第1表には塗装条件、試験条件、評価基準を示
した。第2表には第2めつき層にZn−Ni−Fe−
Co合金めつき第3めつき層にFe−Zn−Cr合金め
つきを施したときの、第3表には第2めつき層に
Zn−Ni−Co合金めつき第3層にFe−Zn合金めつ
きを施したときの、第4表には第2めつき層に
Zn−Ni−Co−Cr合金めつき第3めつき層にFe−
P合金めつきを施したときの、第5表には第2め
つき層に各種のZn系合金めつきを施し第3めつ
き層にFe−Zn、Fe−Zn−Cr、Fe−Pを施した
ときの例をそれぞれ示す。 第2、3、4表中の試料子No.1〜4が比較例で
あり、他のNo.は、本発明例である。 比較例の内、2−1、3−1、4−1は、第1
めつき層、第3めつき層が施してない為、2−
2、3−2、4−2は第1めつき層が施してない
為、2−3、3−3、4−3は第3めつき層が施
してない為、それぞれ、Zn系合金めつきのめつ
き密着性が不良又は不十分であり、必然的にチツ
ピング後の塗装後耐食性も不良又は不十分な結果
である。 比較例の2−4、3−4、4−4は、第1めつ
き層、第3めつき層が施されているものの、化成
皮膜がないため、曝露経時後の密着性が不良であ
る。
【表】
【表】
【表】
【表】 * 上段の数値は第3層めつきとの界面側、下段の
数値は第1層めつきとの界面側に対応。
【表】
【表】 * 上段の数値は第3層めつきとの界面側、下段の
数値は第1層めつきとの界面側に対応。
【表】
【表】 * 上段の数値は第3層めつきとの界面側、下段の
数値は第1層めつきとの界面側に対応。
【表】
〔発明の効果〕
以上、述べた如く、本発明の複層めつき鋼板は
めつき密着性および塗装後耐食性および耐水密着
性に優れた高性能の鋼板であり、その実用的価値
に真に大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明における第1めつき層、第3め
つき層の被覆層量を変化させると第2めつき層に
施した20g/m2被覆のZn系合金めつきのめつき
密着性がどのように変化するかを示した相関図で
ある。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 鋼板の少なくとも片面に、鋼板表面より、第
    1めつき層としてFe、Ni、Coのうち1種もしく
    は2種以上からなるめつき層を形成し、第2めつ
    き層としてZn系合金めつき層を形成し、さらに
    第2めつき層の上に化成皮膜を介して、第3めつ
    き層としてFe系合金めつき層を形成したことを
    特徴とするめつき密着性、塗装後の性能に優れた
    複層めつき鋼板。 2 化成皮膜がCr付着量100mg/m2以下のクロメ
    ート皮膜である特許請求の範囲第1項記載のめつ
    き密着性、塗装後の性能に優れた複層めつき鋼
    板。 3 化成皮膜がP付着量100mg/m2以下のりん酸
    塩皮膜である特許請求の範囲第1項記載のめつき
    密着性、塗装後の性能に優れた複層めつき鋼板。 4 第1めつき層の付着量が0.01〜2g/m2であ
    る特許請求の範囲第1項記載のめつき密着性、塗
    装後の性能に優れた複層めつき鋼板。 5 第2めつき層がFe、Ni、Co、Cr、Mn、Ti、
    Sn、Cu、Cd、Pbのうち1種もしくは2種以上を
    総量で3〜20重量%含有し残部がZnである付着
    量5g/m2以上のZn系合金めつき層である特許
    請求の範囲第1項記載のめつき密着性、塗装後の
    性能に優れた複層めつき鋼板。 6 第3めつき層がFeを70重量%以上含有する
    付着量1g/m2以上のFe系合金めつき層である
    特許請求の範囲第1項記載のめつき密着性、塗装
    後の性能に優れた複層めつき鋼板。
JP11629487A 1986-05-14 1987-05-13 めっき密着性、塗装後の性能に優れた複層めっき鋼板 Granted JPS63105994A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11012186 1986-05-14
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