JPH0121225B2 - - Google Patents

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JPH0121225B2
JPH0121225B2 JP56210910A JP21091081A JPH0121225B2 JP H0121225 B2 JPH0121225 B2 JP H0121225B2 JP 56210910 A JP56210910 A JP 56210910A JP 21091081 A JP21091081 A JP 21091081A JP H0121225 B2 JPH0121225 B2 JP H0121225B2
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JP
Japan
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layer
treatment
hot
steel
plating
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JP56210910A
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JPS58117866A (ja
Inventor
Yukinobu Higuchi
Kazuhiro Tano
Tomoya Ooga
Akira Hata
Hiroshi Takahashi
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Publication of JPH0121225B2 publication Critical patent/JPH0121225B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C2/00Hot-dipping or immersion processes for applying the coating material in the molten state without affecting the shape; Apparatus therefor
    • C23C2/26After-treatment
    • C23C2/28Thermal after-treatment, e.g. treatment in oil bath

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)
  • Coating With Molten Metal (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は片面が溶融亜鉛メツキ層、他の片面が
加熱合金化亜鉛系合金被覆層からなる両面異種被
覆溶融亜鉛メツキ製品の製造法に関する。 近年寒冷地において冬期の道路凍結防止用散布
剤(塩化ナトリウム、塩化カルシウム等)の使用
状態における自動車々体の防食対策として高性能
の防食鋼板が要求されることになつた。特に、自
動車々体の防食に対する要求が一段と厳しくな
り、使用開始後赤錆及び孔明き発生に至るまでの
期間延長に対する要求も強化され、例えばカナダ
におけるガイドラインは赤錆発生なし5年間、孔
明きなし10年間が要求されている。これらの要望
に対処するため、表面処理鋼板が使用されること
が多くなり、その要求される性能として自動車々
体の内面には電着塗装の充分に行なわれない個所
(塗料ツキ廻り不良部)の防食のために、鉄に対
して電位的に卑な亜鉛のメツキ層で孔明きを防止
している。又自動車々体の外面は塗装が充分に施
されるため、亜鉛メツキ層よりも塗料の密着性、
特に腐食環境に長期間曝された後の塗料の密着性
(所謂、二次塗料密着性)が優れたFeを約9〜13
%程度含有するZn―Fe系合金層からなる加熱合
金化被覆層を有する両面異種被覆鋼板が使用され
るに至つている。 このように片面が亜鉛メツキ層、他の片面が
Zn―Fe系の亜鉛系合金被覆層からなる両面異種
被覆鋼板を製造する方法としては、一般に以下の
様な方法で製造されている。 すなわち、鋼板の両面に溶融亜鉛メツキを施す
にあたり、Zn―Fe系の合金被覆層を生成せしめ
る面の亜鉛メツキ付着量を少なくし、他の亜鉛メ
ツキ層として生成せしめる面の亜鉛メツキ付着量
が多くなるように両面亜鉛メツキを施してから、
約450〜700℃の温度に該メツキ鋼板を加熱処理し
て、薄メツキ面に加熱合金化被覆層、厚メツキ面
に溶融亜鉛メツキ層を生成せしめる方法で製造さ
れている。 しかしながら、このような方法で製造された片
面Zn―Fe系合金化被覆層、他面が溶融メツキ層
の溶融亜鉛メツキ鋼板は、溶融亜鉛メツキ層面で
良好なメツキの密着性を確保することがなかなか
困難である。 通常、溶融亜鉛メツキ鋼板が加熱処理を受けた
場合、亜鉛メツキ層の表面はFeを約10%程度含
有するZn―Fe系合金層のδ1(デルタ1)層で構成
され、その付着量が60g/m2以下、好ましくは45
g/m2以下であればその被覆層の密着性が良好で
あるとされている。 しかしながら、上記の如く亜鉛メツキ層がδ1
の平衡状態に達しない中途半端な加熱処理を受け
た場合、鋼表面側でFe濃度の高いZn―Fe系合金
相のГ(ガンマー)相が厚く成長する。このГ相
は、硬くてもろいために亜鉛メツキ層のメツキ密
着性を著しく劣化せしめ、加工等によつてメツキ
層をはげ易くする。従つて、上記異種被覆鋼板の
製造においては、合金層を生成させるための加熱
を片面のみに行ない、他の片面は冷却を行ない、
出来るだけ短時間の加熱処理で合金化処理を完了
せしめるためメツキ量を薄くする対策を採り、亜
鉛メツキ層の加熱によるГ相の成長を防止してい
る。 しかしながら、近年これらの対策では亜鉛メツ
キ面のメツキ密着性を良好に確保する事が困難に
なつてきた。例えば、亜鉛メツキ面側で良好なメ
ツキ密着性が得られているとして加熱を受けてい
たものが亜鉛メツキ層のメツキ密着性を劣化して
いる。また従来の加熱合金化処理条件では加熱合
金化被覆層側が充分に合金化処理されないので、
加熱温度の上昇や加熱時間を延長させ、亜鉛メツ
キ層側が従来よりも加熱の悪影響を受け、亜鉛メ
ツキ層側が良好なメツキの密着性が確保出来にく
くなつてきた。 これは、自動車用の鋼板として、前記の如き耐
食性能のみならず、従来よりも一段とシビアーな
成形加工が可能な溶融亜鉛メツキ鋼板及び車体の
軽量化要求に併ない、従来の鋼板よりも板厚を薄
くて同等以上の強度が得られる低合金鋼の高張力
鋼板からなる溶融亜鉛メツキ鋼板が望まれてい
る。 ところで、溶融亜鉛メツキ鋼板は、Al或いは
Siで脱酸調整した極低炭素鋼(例えばCが0.04%
以下)に例えばTi、B等を添加して鋼中のC、
Nの害を極力減少せしめた軟質の鋼板が使用され
る様になつた。 また、高張力鋼板は一般にその強度を確保する
ため、シリコン、マンガン、リン、アルミ、クロ
ム、チタン、ボロン等の各種合金元素が各々1種
又は2種以上混合して合金化されている。そし
て、これらの鋼板は主としてキルド方式による連
続鋳造法で製造されている。 更に、近年の製鋼法における連続鋳造法の進歩
に併ない、一般材の溶融亜鉛メツキ鋼板に対して
も、従来のキヤツプド鋼或いはリムスタビライズ
ド鋼の如くその表面層がほぼ純鉄組成からなる鋼
板に比して、その表面層迄Al、Si或いは種々の
介在物が偏析している鋼板の使用が増加してき
た。 しかして、上記の如く脱酸剤として使用される
様な酸素との親和力が大なる元素を含む鋼板は、
強固で緻密な安定した酸化膜を形成しやすく、又
その酸化膜及び酸化膜の直下に上記の如き元素が
濃縮されることはよく知られている。 そのために、特に水素ガスを含有する還元法に
より、その表面清浄化及び活性化処理を行なう溶
融亜鉛メツキ鋼板の製造方式において、その被メ
ツキ鋼帯表面の清浄化及び活性化処理を充分に行
なうことはなかなか困難である。 即ち、表面層またはその近くにAl或いはSiの
如き脱酸調整成分を多く含有する鋼板、Ti、B
等の如き炭素・窒素固定成分を含有する鋼板、或
いはSi、Mn、P、Al、Cr、Ti、B等の如き強度
化成分を含有する鋼板は、これら成分の影響によ
り緻密で安定な酸化膜を形成して還元され難い上
に、又充分に還元されても酸化膜の直下に上記の
如き元素の富化或いはこれら元素の酸化物、硫化
物等が偏析される傾向があり、水素含有ガスによ
るメツキ前処理により充分に表面が清浄化及び活
性化されているとは云い難い。 そのために、従来の表面にリム層を有するキヤ
ツプド鋼、リムスタビライズド鋼に比較して、鋼
板表面に成分元素、介在物等、或いは場合によつ
ては充分に酸化膜が還元されずに部分的に残存し
た部分等については合金層が生成されにくく、そ
の他の部分は合金層の成長が著しくなる等、合金
層の不均一生成によるメツキ密着性不良或いは不
メツキ等のメツキ欠陥が生じ易くなる等の欠点が
生じ易い傾向にある。 而して、この欠点は溶融亜鉛メツキ後に片面の
みに加熱合金化被覆層を生成させる加熱処理を行
う場合に特に助長される。即ち、片面に合金化被
覆層を得るために通常の加熱処理を行なつたので
はFeの拡散が速く生じる部分或いは阻害される
部分を生じる。したがつて均一なδ1層の合金化被
覆層を生成させるには加熱時間の延長、加熱温度
の上昇が必要である。そのため、亜鉛メツキ層側
はFe濃度の不均一な合金層が厚く成長されるた
め、良好なメツキの密着性を確保するのが著しく
困難である。 従つて、本発明はこれらの問題点を解決して、
メツキ層の密着性が優れた、鋼板の片面が加熱合
金化被覆層、他の片面が溶融亜鉛メツキ層からな
る溶融両面異種被覆鋼板の製造法を提供するもの
である。 本発明の要旨とするところは、被メツキ鋼帯の
表面を脱脂処理あるいはさらに酸洗処理を併用し
て表面清浄化処理後、厚さ0.15〜1μ厚さのFe、
Ni、Co、Cu、Sn或いはこれらの合金を電気メツ
キ法により鋼帯の片面のみに下地被覆処理後、該
鋼帯の両面に下地処理面の溶融メツキ量が他の片
面のメツキ量よりも多くとも同等以下の付着量で
溶融亜鉛メツキを行なつて、さらに溶融亜鉛メツ
キ後温度400〜700℃の範囲で加熱合金化処理し
て、下地被覆処理層を設けた面が加熱合金化被覆
層、他の片面が溶融亜鉛メツキ層からなる溶融両
面異種被覆メツキ製品の製造法である。 以下に本発明の詳細について説明する。 本発明の方法では、 (1) 被メツキ鋼帯の片面のみにFe、Ni、Co、
Cu、Sn或いはこれらの二種以上の合金からな
る下地被覆処理を施す。 (2) 下地被覆処理を施した面の溶融亜鉛メツキ層
の付着量が、他の下地被覆処理を施さない面の
亜鉛メツキ層の付着量より少なくなる様に、両
面に溶融亜鉛メツキを施す。 (3) 両面に溶融亜鉛メツキを施した後、直ちに温
度400〜700℃の範囲に加熱して、合金化処理を
施すことを主要な構成要件とする。これは、被
メツキ鋼帯に上記の如き下地被覆処理層を施す
ことによつて、第1図に示すように、加熱合金
化処理において、その合金化速度を著しく促進
せしめ、かつ第2図に示すように均一な合金化
被覆層を生成せしめることを目的とする。 すなわち、 (1) 表面層にほぼ純鉄組成に近いリム層を有せざ
るAl或いはSiで脱酸処理されて製造される、
主として連続鋳造法によるAl、又はSiキルド
鋼。 (2) Al又はSiで脱酸調整後、酸素との親和力が
大なるTi、BでC、Nの固定を行なつて製造
される、主として連続鋳造法により製造される
Ti又はBキルド軟質鋼。 (3) 酸素との親和力が大なるSi、Mn、P、Al、
Cr、Ti、B等を比較的多く含有される高強度
鋼板。 の表面にFe、Ni、Co、Cu、Sn或いはこれらの
二種以上の合金からなる下地被覆処理を施すこと
によつて、前記の如き純鉄組成からなるリム層を
表面に有せざる被メツキ鋼帯に比して、溶融亜鉛
メツキ浴との反応が良好な金属又は合金表面相を
付与せしめる。 これによつて、溶融亜鉛メツキ時に均一な合金
層を生成すると共に、更に加熱合金化処理におい
てFeメツキの下地処理は下地Fe被覆層が亜鉛メ
ツキ層に中に均一拡散するために、被メツキ鋼帯
表面の偏析不純物や介在物の悪影響をうけること
なく均一な組成の合金被覆層が速い速度で得られ
る。またNi、Co、Cu、Sn下地被覆層或いはFe、
Ni、Co、Cu、Snの二元以上で構成される合金被
覆層からなる下地被覆層は、さらに鉄よりも融点
が低いため、亜鉛メツキ層中にこれら下地被覆金
属と被メツキ鋼帯の鉄が著しく速い速度で拡散
し、均一な組成の合金被覆層を生成する。 その結果、被メツキ鋼帯の片面に加熱合金化被
覆層又他の片面に溶融亜鉛メツキ層を生成せしめ
る本発明の方法において、被メツキ鋼帯の下地被
覆処理層を設けた片面は極めて短時間で合金化処
理が施される。従つて、他の溶融亜鉛メツキ層の
ままで残存せしめる面のメツキ層が加熱処理時の
熱影響が少なくてすむために、極めてメツキの密
着性が優れた両面異種被覆鋼板を製造することが
可能である。 次に、下地被覆処理を施す方法は、被メツキ鋼
帯を脱脂剤を含む溶液中で脱脂処理を行い下地被
覆処理を施すか或いは脱脂、酸洗処理を行なつて
下地被覆処理がなされる。本発明の方法が主に適
用されるゼンヂマー方式或いは無酸化炉方式によ
る溶融亜鉛メツキ鋼板の製造に於いて、その被メ
ツキ鋼帯としては、主として圧延油が付着したま
まの冷間圧延材(As Cold材)が使用される。従
つて、本発明は下地被覆処理を施すための前処理
が必要不可欠である。その場合、脱脂処理のみで
下地被覆処理を施す場合と脱脂処理、酸洗処理後
下地被覆処理を施す場合の両方式が本発明の方法
においては行なわれる。 メツキ原板として使用される冷間圧延材は、冷
間圧延油及び冷間圧延時に付着した鉄粉が付着し
ているが、酸化膜の生成量は極めて少ない。従つ
て、圧延油と鉄粉を除去すれば、充分な密着性の
下地被覆処理が可能であり、さらに溶融亜鉛メツ
キ前の還元性雰囲気中の加熱処理で密着性の向上
が期待できる。 しかしながら、冷間圧延後メツキ迄の期間が長
く、その表面に発錆が生じた場合、或いは冷間圧
延油の汚れが著しくて鉄粉の付着が多い様な場合
には、この脱脂、鉄粉除去処理の後に、更に酸洗
の前処理を設けることが、より一層の密着性の良
好な下地被覆処理層を得るのに好都合である。 而して、この圧延油と鉄粉を除去する方式は、
本発明に於いては、脱脂剤を含有する溶液を用い
た湿式法による脱脂方式で行なわれる。この脱脂
溶液としては、特に規定しないが、NaOH、リ
ン酸ソーダー、オルソケイ酸ソーダー等の1〜20
%、好ましくは1.5〜10%濃度の水溶液或いはこ
れらに界面活性剤を加えたものを用いるのが、取
扱い上或いは経済的に有利である。 その方法としては、これらの溶液中への浸漬、
溶液のスプレイ、溶液中での陰極電解処理による
方法で行なわる。本発明の方法では、脱脂と同時
に鉄粉の除去も併せ行なわれるので、浸漬脱脂及
び電解脱脂の場合には超音波の併用が特に好まし
く、又スプレイ脱脂の場合には高圧状態でのスプ
レイ脱脂が好ましい。これらの脱脂方式は単独又
は併用しても勿論よく、脱脂後スクラバー等の機
械的方法による脱脂後の表面残査物を除去する常
套の手段も併用される。又、これらの脱脂前に高
温水のスプレイ或いは高温水中への浸漬等の補助
手段を併用してもよい。 而して、脱脂浴の温度は常温〜95℃の温度で行
なわれるが高温の方が高速脱脂の点では好まし
い。脱脂時間は、その方法により異なるが1〜10
秒、好ましくは1.5〜5秒であり、電解脱脂の場
合には5〜30A/dm2、好ましくは7.5〜15A/d
m2の電流密度で行なわれる。又、脱脂溶液に印加
される超音波はその能力が大なる程好ましいが、
現状の技術水準では通常0.3〜0.6W/cm2の容量の
超音波が印加される。さらに、スプレイ脱脂の場
合のスプレイ圧は、1Kg/cm2、好ましくは3Kg/
cm2以上、更に好ましくは10Kg/cm2以上の高圧スプ
レイが好ましい。 上記の脱脂、鉄粉除去処理を行なわれ、水洗さ
れた鋼帯は直接、或いは酸洗して下地被覆処理が
施される。この酸洗処理を行なう場合の酸洗方法
は、特に規定しないが簡単な酸洗処理を施せばよ
く、通常行なわれている酸洗法が用いられる。即
ち、1〜10%程度のHCl、H2SO4水溶液による浸
漬、スプレイ或いは電解酸洗が行なわれ、常温〜
95℃の温度で1〜10秒間、好ましくは5秒以下の
酸洗時間により行なわれる。 上記の脱脂、或いは酸洗後、鋼帯の片面にFe、
Ni、Co、Cu、Sn或いはこれらの二種以上を含む
合金の下地被覆処理が行なわれる。そして、本発
明においてはその厚さが重要であり、0.015μ厚さ
以上、好ましくは0.05μ以上の厚さの下地被覆処
理層を施すことが重要である。即ち、この下地被
覆層の厚さが0.015μ未満では、非メツキ鋼帯表面
の均一被覆性が充分でなく、ピンホール部におけ
る鋼成分を構成する添加元素或いは酸化物等の露
出及び溶融メツキ前の還元・焼鈍等の加熱処理時
の拡散による添加元素等の表面への析出により、
本発明の目的とする前記の効果が得られない。 又、この下地被覆厚さの上限は、その厚さが
1μを越えると効果が飽和すると共に、下地被覆
処理を施すための処理設備が大きくなりすぎて工
業的でないこと、又経済的にも好ましくない。 次に、この下地被覆処理層を被メツキ鋼帯表面
に生成せしめるための処理方法、電気メツキ方法
を採用する。この電気メツキは化学メツキ方法や
置換メツキ方法等に較べ被メツキ鋼帯の片面のみ
に下地被覆処理を設けるのが容易であり、被膜厚
さの調整、鋼帯全面に安定して均一な被膜を施す
事ができる点或いは高速作業に適している。 而して、電気メツキ法においては、Fe、Ni
、Co、Cu、Sn或いはこれらの金属イオ
ンを二種以上共存せしめた硫酸浴、フエノールス
ルフオン酸浴、スルフアミン酸浴等を用い、電流
密度1〜150A/dm2、好ましくは10〜100A/d
m2で可溶性陽極或いは不溶性陽極を用いて行なわ
れる。 上記の如く、被メツキ鋼帯の片面のみに下地被
覆処理された鋼帯は、ガス還元方式或いはフラツ
クス処理等の表面清浄化処理され、溶融亜鉛メツ
キ後直ちに加熱合金化処理が施される。 この場合、前記した如く、鋼帯の片面は下地被
覆処理により、鋼成分を構成する亜鉛メツキ浴と
の反応性を阻害する添加元素或いは酸化物等の表
面偏析部が被覆されているために、亜鉛メツキ浴
との均一反応性が増加し均一な合金層が生成さ
れ、温度400〜700℃の加熱合金化処理によつて迅
速に下地被覆層及び鋼帯の鉄の一部が亜鉛メツキ
層中に拡散され、極めて速い速度で合金被覆層が
形成される。その温度範囲は拡散速度とメツキ特
性を考慮して決めたものである。 その結果、亜鉛メツキ両側の熱影響を受ける時
間が極めて短時間に短縮されるので、メツキ密着
性が劣化することなく極めて良好なメツキ密着性
を有する両面異種被覆鋼板の製造が可能である。 特に、本発明の下地被覆処理のうち、Ni、Co、
Cu、Sn及びFe、Ni、Co、Cu、Snの二元以上の
合金下地被覆の場合には、被メツキ鋼帯より融点
の低いこれらの下地金属と亜鉛との迅速な相互拡
散反応を利用することによつて、これら下地金属
と被メツキ原板からの鉄が亜鉛中に含有された
Zn―Fe―M系(M=Ni、Co、Cu、Sn及びこれ
らの二元以上の合金)合金化被覆層の生成が可能
である。 そして、これらの合金化被覆層の耐食性は、
種々検討の結果、Ni、Co、Cu、Sn又はこれらの
二元以上の合金がZn―Fe被覆層中に5%〜20%
含有される組成が、Zn―Fe系合金化被覆層のみ
で構成される組成より耐食性が良好で好ましい。 従つて、本発明の方法では下地被覆層の厚さ
(量)と加熱合金化処理がなされる亜鉛メツキ層
の厚さ(量)を予じめ定めて、加熱処理を行なう
ことによつて耐食性の優れたZn―Fe―Ni、Zn―
Fe―Co、Zn―Fe―Ni―Co等の合金被覆層が得
られる。 特に、本発明においては、加熱合金化処理を迅
速に行なうことを主目的とするために、鋼帯の片
面のみにこれらの下地被覆処理層を設けることが
重要である、即ち、鋼帯の両面に設けた場合に
は、加熱処理によつて亜鉛メツキ層側の合金層の
生成も促進されるので、かえつて亜鉛メツキ層側
のメツキの密着性が劣化する可能性があること及
びコスト面からも好ましくない。また、下地処理
層を設けた合金化被覆層側の亜鉛付着量は、他面
の亜鉛付着量に比して、加熱合金化処理を迅速に
行なうために少ない方が好ましく、又耐食性の点
からメツキ量が厚い方が好ましいが亜鉛メツキ層
側の付着量と同等以下、好ましくは1/1.5以下、
更に好ましくは1/3以下が合金化速度、耐食性の
点から望ましい。更に本発明の方法は、表面にリ
ム層を有せざる被メツキ鋼板への適用に対して特
に効果を発揮するが、表面に純鉄組成からなるリ
ム層を有する鋼板に適用しても構わない。 以下に本発明の実施例を示す。 実施例 第1表に示す製造法及び成分の冷間圧延材
(As Cold材)を用い、(10%NaOH+界面活性
剤)系水溶液中で10A/dm2の電流密度で陰極脱
脂後水洗して、10%H2SO4水溶中で50℃で前処
理酸洗を施した。前処理酸洗後水洗して、第2表
に示すように、本発明の下地被覆処理層を鋼帯の
片面のみに目標とする所定厚さ施した、該下地被
覆処理が施された鋼帯を水洗してから乾燥後、酸
化炉で予備加熱(270℃、約1秒)、還元焼鈍炉で
15%H2―85%N2系混合ガス雰囲気中で780℃で
約18秒間の還元・焼鈍処理を行なつて約460℃に
雰囲気ガス中で冷却後、下記に示す溶融亜鉛メツ
キ浴中に浸漬して、N2ガスによるワイピング法
によつて、メツキ量が下地被覆処理を施した面が
38g/m2、その反対側の面が90g/m2の溶融亜鉛
メツキ層を設けた。 Γメツキ浴中のAl及びPb含有量 0.15%Al 0.13%Pb Γメツキ浴温 451℃ Γメツキ浴浸漬時間 4.5秒 この後、直ちに溶融亜鉛メツキポツト上に設置
されている高周波加熱炉によつて、板温が480〜
500℃で約5秒間加熱される条件で加熱合金化処
理を施して、片面が加熱合金化被覆層、他の片面
が亜鉛メツキ層からなる両面異種被覆鋼板を製造
した。 この鋼板の性能評価として、合金被覆層の面の
合金化濃度角筒絞り加工及び衝撃曲げ加工試験後
のメツキ層の密着性及び塩水噴霧試験による耐食
性の評価を行なつた。 次に、比較例として、冷延鋼帯の片面に下地被
覆処理層を施さないで、実施例と同様のメツキ条
件で同一付着量の溶融亜鉛メツキ鋼板を製造し、
480〜500℃の板温で5秒(比較例1)及び530〜
550℃の板温で15秒間(比較例2)の加熱合金化
処理を施し上記と同様の性能試験を行なつた。 これらの性能評価試験の結果を第2表及び第3
表に示す。 以上の結果より、本発明の方法によれば短時間
の加熱処理で鋼板の片面に均一な合金化被覆層が
得られ、他の亜鉛メツキ層側がその熱影響を受け
る時間が短時間で済むため、被覆層の密着性及び
耐食性の優れた両面異種被覆鋼板の製造が可能で
ある。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は各種鋼板に対する下地被覆層の合金化
速度に及ぼす効果を示す。第2図は加熱処理後の
合金化被覆層の表面Fe濃度の分布状態を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 鋼帯の表面を清浄化処理後、その片面に厚さ
    0.015〜1.0μのFe、Ni、Co、Cu、Snの単一金属
    或いはこれらの二種以上を含有する合金を電気メ
    ツキ法により下地被覆処理して後、該表面の亜鉛
    付着量が他の片面の亜鉛付着量と同等以下の付着
    量で両面に溶融亜鉛メツキを施し、さらに加熱温
    度400〜700℃の範囲で加熱合金化処理を行ない、
    前記下地被覆処理層を施した面が加熱合金化被覆
    層、他の片面が溶融亜鉛メツキ層からなる両面異
    種被覆鋼板を製造することを特徴とする両面異種
    被覆鋼板の製造法。
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