JPH026618A - メソフェースピッチ系炭素繊維の製造方法 - Google Patents

メソフェースピッチ系炭素繊維の製造方法

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JPH026618A
JPH026618A JP63127107A JP12710788A JPH026618A JP H026618 A JPH026618 A JP H026618A JP 63127107 A JP63127107 A JP 63127107A JP 12710788 A JP12710788 A JP 12710788A JP H026618 A JPH026618 A JP H026618A
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佐直 康則
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健 濱田
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    • D01F9/00Artificial filaments or the like of other substances; Manufacture thereof; Apparatus specially adapted for the manufacture of carbon filaments
    • D01F9/08Artificial filaments or the like of other substances; Manufacture thereof; Apparatus specially adapted for the manufacture of carbon filaments of inorganic material
    • D01F9/12Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof
    • D01F9/14Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof by decomposition of organic filaments
    • D01F9/145Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof by decomposition of organic filaments from pitch or distillation residues

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はメソフェースピッチ系炭素繊維の製造方法に係
わり、更に詳しくはメソフェースピッチ系炭素繊維の強
度改善および不融化効率改善を目的とする新規な不敵化
処理方法に関する。
〔従来の技術〕
現在、複合材料に使用されている炭素繊維としては、ポ
リアクリロニトリル(PAN)繊維を原料として製造さ
れているPAN系炭素繊維が主流となっている。しかし
PAN系炭素繊維は原料のポリアクリロニトリル(PA
N)繊維が高価で、しかも炭化収率が低いために必然的
に高価格なものとなっており、その用途は、スポーツ・
レジャー関係、航空・宇宙関係などの特殊を分野に限ら
れたものになっている。
一方、炭素質ピッチを原料とするピッチ系炭素繊維は原
料が安価で、しかも炭化収率が高いために安価に製造で
きるという特徴を持っている。特に原料としてメンフェ
ースを40%以上、好ましくは60%以上含有するメン
フェースピツヂを用いたメソフェースピッチ系炭素繊維
は、安価で、しかも高性能な炭素繊維を与える可能性を
持つものとして注目されている。一般にメソフェースピ
ッチ系炭素繊維においては、原料であるメンフェースピ
ツヂの持つ易配向性、易黒鉛化性を利用することによっ
て容易に高配向でしかも高黒鉛化性を持つ炭素繊維が製
造でき、従って弾性率の高い繊維が製造できることが知
られている。例えば、特開昭49−19127号公報に
は炭素層面が3次元的に発達し、黒鉛化性が高く、また
弾性率に優れるメソフェースピッチ系炭素繊維およびそ
の製造方法が開示されている。しかしながら、このよう
な黒鉛化性が高い炭素繊維は高い弾性率を有するが、引
張強度は高くなく、破断伸度も低いという欠点を持って
おり、このためメソフェースピッチ系炭素繊維は弾性率
には優れるが、引張強度の向上は困難であると考えられ
ていた。
最近になって、メソフェースピッチ系炭素繊維の構造を
制御することによって引張強度を改善する試みについて
報告がなされてきている。例えば、特開昭611049
27号公報には、紡糸工程において紡糸ノズルのキャピ
ラリ一部直上において撹拌することによって、軸方向の
高配向性を保持しつつ断面方向の構造を微細化し黒鉛化
性が低下したメソフェースピッチ系炭素繊維を製造でき
ること、およびこの炭素繊維は高い弾性率を保持しつつ
引張強度が改善できることが示されている。ただメソフ
ェースピッチ系炭素繊維の構成制御による機械物性の向
上についての検討は、従来主に紡糸工程での報告か中心
であり、不融化工程および炭化黒鉛化工程という固相系
の反応工程での報告はなかった。また、従来のメソフェ
ースピッチ系炭素繊維における構造制御は、マクロ組織
の制御又はミクロな構造制御を考えたものであっても繊
維全体の平均的な構造制御を意図しており、例えば繊維
の表面層の構造を変化させたり、中心部の構造を変化さ
せたりして特定の部位の構造制御を行うことにより機械
物性の向上を図るという報告もなかった。
PAN系炭素繊維において、炭化処理後の繊維を電解酸
化し、次いで不活性ガス中で熱処理を施すことによって
繊維の超薄最外層の構造を制御し、機械物性を改善する
試みがなされている(特開昭61−225330号公報
)。しかしながら、本発明者らの検討したところでは、
メソフェースピッチ系炭素繊維に、この方法を適用して
も、機械物性の向上は期待されず、逆に引張強度が低下
する場合もあることが判明した。これはPAN系炭素繊
維とメソフェースピッチ系炭素繊維ではその構造に大き
な違いかあるためと考えられる。
ところで、ピッチ系炭素繊維の不融化は従来100〜4
00℃の温度範囲で酸化性雰囲気下に実施するのが一般
的である。特に酸化性雰囲気として空気又は酸素と窒素
との混合ガスを用いることが最も一般的に行なわれてい
る。また、酸化性雰囲気として窒素酸化物などの他の酸
化性ガスを用いる方法も試みられている。このような試
みが実施されている主な理由は、必ずしも炭素繊維の物
性改善をねらったものではなく、不融化処理時間の短縮
を図ることにある。これは、例えば空気雰囲気下では一
般に60〜400分間程度の比較的長い処理時間が必要
で、極めて効率の悪い工程であるからである。特に等方
性ピッチ系炭素繊維の場合には、不融化処理の初期に低
温域から開始する必要があるため長時間の処理を要する
。特公昭48−42696号公報には等方性ピッチ系炭
素繊維の不融化処理にNO2を用いた例が示されている
。ここでは30〜130℃の低温域で処理されており、
空気を用いて不敵化する場合に比べて不融化時間が短縮
されるとされている。Jたメソフェースピッチ系炭素繊
維への適用例として、特開昭60−259629号公報
にはNO2を0.1〜50容量%を含む空気又は酸素な
どの酸化性雰囲気下に150〜380℃の処理温度で不
融化処理することが示されている。この処理によって不
融化時間の短縮と、炭素繊維物性の向上とが同時に達成
されることが示されている。しかしながら、本発明者ら
の検討したところによると、NO2を用いて不敵化する
場合の不融化時間の短縮の効果は主に100〜260℃
の低温の温度範囲で効果があるのに対して、この温度範
囲ての炭素繊維の物性向上効果は少ないこと、またNO
2を含む空気又は酸素などの酸化性雰囲気を不融化処理
の初期から最後まで継続して用いることは繊維の酸化消
耗が大きく、収率の低下を起こし、また場合によっては
物性の低下を引きおこしてしまうという別の問題がある
ことが判明し、また、不融化効率の改善効果についても
必ずしも十分に達成できたとは言えない このように、メソフェースピッチ系炭素繊維の不融化処
理において、炭素繊維の構造を制御する方法については
従来全く報告がなく、また不融化効率の改善に関しても
その不融化メカニズムにふみこんだ改善方法についての
報告はなかった。
〔本発明が解決しようとする課題〕
従って、本発明はメソフェースピッチ系炭素繊維の強度
および不融化処理時間を改善することのできる不融化処
理方法を開発せんとするものである。
〔課題を解決するための手段及び作用〕本発明者らは、
メソフェースピッチ系炭素繊維の強度を改善するために
は、・繊維の表面層の処理および中心部と表面層とで異
なる構造を持つ炭素繊維を製造することが重要であり、
このような繊維を製造するには不融化処理において中心
部と表面層の酸化処理程度を最適に制御しうる反応を実
施することが効果的であり、このためにはNO2とLO
を含有する酸化性雰囲気を用いることが適当であること
、またこの雰囲気において不融化速度が改善されること
を見出し、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至
ったものである。
すなわち、本発明に従えは、炭素質メソフェースピッチ
を溶融紡糸して得られるピッチ繊維を不融化するにあた
り、0.1〜40容量%のNO2および4〜40容量%
の1)20を含有する酸化性雰囲気下に100〜400
℃の温度範囲で処理する方法が提供される。
本発明の不融化処理によって、ピッチ繊維の表面層と中
心部の酸化を最適に実施することかでき、不融化の効率
化が図れるとともに、表面層と中心部の酸化程度がバラ
ンスよく制御された不融化繊維を製造することができる
。この不融化繊維をさらに炭化処理又は黒鉛化処理する
ことによって炭素繊維の表面層と中心部とで構造が異な
り、強度のずぐれたメソフェースピッチ系炭素繊維を製
造することができる。
また不融化処理後の繊維の表面がX線光電子分光法(E
SCA)によって測定し、検出されるO1sピークとC
1sピークとの面積比(O1s/C15)より求めた酸
素と炭素との原子比0/C(ESCA)が0.19〜0
.30でかつ0/C(ESCA)と元素分析より求めた
酸素と炭素との原子比0/C(EA)との比Rが、1.
5以上となるまで本発明による不融化処理を行うことが
引張強度を向上させるために望ましい。
ピッチ系炭素繊維の不融化処理については従来より種々
の方法が提案されているが、最も一般的に実施されてい
るのが空気などの含酸素雰囲気下で酸化処理を行う方法
である。一方散化性ガスとしてNO2を含む空気などの
酸化性雰囲気下で不融化処理を実施する方式も提案され
ているが、この方式によると、■不融化処理速度が向上
する、■炭素繊維の強度が改善されるという長所がある
本発明者らはNO2を含む空気などの酸化性雰囲気下で
の不融化処理について検討した結果、繊維の中心部に比
べ表面層の酸化が促進され、表面層と中心部の酸化程度
の異なる不融化繊維ができることを見出し、またNO□
を含む空気などの酸化性雰囲気にさらにH2Oを添加す
ることによって表面層と中心部の酸化程度を最適の状態
に制御でき、不融化処理効率を更に向上させることがで
きることを見出し、本発明を完成するに至った。
ピッチ繊維の不融化処理は固相の酸化反応であり、繊維
表面層と中心部とで反応速度に差があることが考えられ
る。この表面層と中心部の酸化程度は、不融化繊維の元
素分析値より求めた酸素と炭素の原子比0/C(EA)
の値と、不融化繊維表面をX線光電子分光法で測定する
ことによって得られる繊維表面の酸素と炭素の原子比0
/C(ESCΔ)の値とから評価することができる。
ここで0/C(EA)は繊維の平均的酸化程度を、また
07C(ESCA)は繊維表面から001μm程度才で
の表面層の酸化程度を示す数値となる。不融化雰囲気と
して5%NO2を含んだ空気、および5%NO2と10
%1120を含んだ空気を用いた場合の300℃におけ
る不融化処理時間と07C(EA)、0/C(ESCΔ
)との関係を第1図に示す。5%NO3を含んだ空気で
不融化処理を行った場合には、0/C(EA)に比べ0
/C(ESCΔ)の値が大きくなる (つまり、表面層
の酸化程度か大きくなる傾向となる)。このように、N
O2を用いた場合に炭素繊維の強度が改善される原因と
しては、この表面層の酸化程度か中心部に比較して高い
ことが考えられるのであるが、本発明者らが検討したと
ころによると、NO2を含んだ空気で不融化処理を行っ
た場合には表面層の酸化が中心部に比べ早すぎるなめに
、適度な中心部の酸化を行うためには表面層を過剰に酸
化する必要があり、収率の低下なとの問題かあった。N
O2を含んた空気に更に1(20を添加した雰囲気て不
融化した場合には、第1図より明らかなようにNO2を
含んだ空気雰囲気下で不融化処理を行なった場合に律速
となっていた中心部の酸化速度を向上させることができ
、不融化処理速度の向上および収率の向上を図ることが
でき、さらに炭素繊維の引張強度の向上を図ることがで
きることが判明した。1(20を添加した場合の中心部
の酸化速度向」−のメカニズムの詳細については明らか
ではなく、また炭素繊維の引張強度向上の原因について
も不明なところが多いが、後者については、繊維の表面
層および中心部の酸化程度をそれぞれ最適化できたなめ
であると考えられる。
炭素繊維の原料ピッチとしてはコールタールピッチ、石
炭液化油などの石炭系ピッチおよびエヂレンタールデカ
ントオイルピッチなどの石油系ピッチなと各種のピッチ
のいずれを用いても良い。
また前記ピッチを改質したもの、例えは水素化処理した
もの、熱処理によって改質したもの、溶媒分別したもの
、蒸留により分別したもの、又はこれらの方法を組み合
わせて改質したものなど各種変性したピッチも使用可能
である。本発明で用いる炭素質メソフェースピッチとは
、ピッチを熱処理することによって得られる光学的異方
性相(メソフェース)を含有するピッチであって、得ら
れる炭素繊維を高強度・高弾性率とするために、光学的
異方性相の割合が40%以上、好ましくは60%以上の
ものが適当である。また本発明に用いる炭素質メソフェ
ースピッチは軟化点240〜340℃のものが紡糸性の
観点から好ましい。
ピッチ繊維は前記炭素質メソフェースピッチを公知の方
法で溶融紡糸を行うことによって得られる。例えば炭素
質メソフェースピッチをその軟化点より高い温度で溶融
し、粘度100〜3000ボイズ(P)の範囲で直径0
.05〜0.5mmのノズルから押し出しながら50〜
1000m 7分で延伸することによってピッチ繊維を
得る。用いるノズルとしては円形に限らず種々の構造−
例えば異形ノズルおよび流路が拡大又は縮少しているノ
ズルなど、どの様なものを用いても良い。
次にピッチ繊維は、NO2を0.1〜40容量%および
H2Oを4〜40容量%含有する酸化性雰囲気下で不融
化処理される。ここで好ましい雰囲気としては、NO□
を1〜10容量%、H2Oを4〜20容量%および02
を2〜40容量%含有し、残部が実質的に窒素などの不
活性ガスである雰囲気であるか、この中にオゾン、No
など窒素酸化物、lNO3など含窒素酸素酸、ハロゲン
、硫黄酸化物など共存していてもかまわない。
不融化処理に用いる雰囲気ガス中のNO□含有量が0.
1容量%未溝の場合には繊維表面層の酸化程度を促進さ
せる効果が少く適当でなく、一方、40容量%超の場合
には酸化速度が速いために繊維が過剰の酸化をうけやす
くなるため好ましくない。また、H2O含有量が4容量
%未溝の場合には繊維の中心部の酸化速度を改善させる
効果が少く不適当であり一方40容量%超の場合には炭
素繊維の物性改善に効果がなく好ましくない。02含有
量については、特に制限はないが、2容量%未満では不
融化速度が遅くなるために不融化処理時間か長くなり好
ましくなく、40容量%超では酸化速度が速いために繊
維が過剰の酸化をうけやすくなるため好ましくない。こ
こで、一般に02源としては空気を用いることが経済的
であるか、02カスを添加するなとの方法によって02
含有量を例えば21〜40容量%と高くすることも可能
であるし、またN2カスなとを添加するなどの方法によ
って02含有量を例えば2〜21容量%と低くすること
も可能である。
またNO2,1120を含有する雰囲気ガスは工業的に
は例えばアンモニアを空気などの酸素を含有するガスと
混合し酸化させるという方法で製造することができる。
例えば、アンモニアを空気などの酸素を含有するガスと
混合し、白金触媒上でアンモニアを酸化しNoを生成さ
せ、さらにそのNoを所定の温度で空気などの酸素を含
有するガスで酸化させ、NO2を生成させるという方法
である。この方法では、NO□とH2Oの両方を含有す
るカスを製造できるという利点があり、NO2か1容量
に対して)1201.5容量が生成することになる。ま
た、アンモニアと空気などの酸素を含有するガスの混合
比を変化させるあるいは生成ガスを空気などのガスで希
釈するなとの方法でNO2濃度は自由に制御することが
できる。この方法で製造したカスは、NO2,I(20
を含有するガスとしてそのまま使用することができる。
また必要に応じて脱湿、加湿を行い、H2O濃適宜選択
することもできる。
不融化処理温度は通常100〜400℃の範囲で、好ま
しくは150〜350℃の範囲である。この時処理温度
か低いと処理時間が長くなり、また処理温度が高いと融
着又は消耗といった現象が生じるため好ましくない。一
般に気相で不融化を実施する場合、当初、ピッチ繊維の
融着が起きない温度、例えば100〜250℃程度の温
度より開始し、反応が進むにつれて、例えば250〜4
00℃程度の温度まで昇温しでゆき、必要に応じてその
温度で保定させるという方法で行なわれる。本発明にお
いても同様の方法を用いる。好ましい方法は当初250
℃以下の低温て不融化を開始し、反応が進むにつれて2
60〜350℃まで昇温し、その温度で保定するという
方法である。
さらに不融化処理後の繊維表面のO/C(ESCA)が
0、19〜0.30でかつRが1.5以上となるまで不
融化することが好ましい条件である。0/C(ESCA
)が0、19未満の場合は表面酸化が十分でなく、また
0、30超の場合は表面よりの消耗かあるため好ましく
ない。
このようにして得られた不融化繊維をN 2 、 A 
rなどの不活性ガス雰囲気下で1000〜2000℃、
または引続いて2000℃以上の温度で熱処理し炭化も
しくは黒鉛化することによ“って炭素繊維とすることが
できる。
本発明に従った不融化方法を用いることによって繊維表
面層の酸化程度を中心部に比べて増加させた二層構造を
持つ不融化繊維を製造することができ、この不融化繊維
をさらに炭化処理、黒鉛化処理することによって引張強
度の優れた高強度炭素繊維を製造することができる。
この明細書て示される0/C(ESCA)、O/C(E
A)、およびRについて説明すれば以下の通りである。
9乙q仕μs仄]J 測定装置としてX線光電子分光装置(ESCA)を用い
る。測定対象の繊維の表面を汚さないように注意し乍ら
短くし、ステンレス製の試料支持台上に拡げて並べた後
、X線源としてMgKαを用い試料チャンバー中を5 
X 1 0−’torr以下に保持する。
結合エネルギーが532eV付近のO1sピークおよび
284eV付近のC1sピークを測定し、その面積の比
(O1s/C15)を求める。0/C(ESCA)は、
この(O1s/C15)より以下の(1)式で求める。
0/C(ESCA)−1/2.9X(O1s/C15)
  −  (1)ここでO1sピークとC1sピークと
の相対感度の比の値を2.9とした。
ここでESC八によって求められる0/C(ESCA)
の値は繊維表面から約0.01μmまでの表面での状態
を示す指標となる(すなわち繊維最表面層での酸化程度
を示す)。
子比を示しく2)式によって算出する。
つまり0/C(EA)は繊維全体の平均的な酸化程度を
示す。
Rは(3)式で定義される数で、表面酸化程度と平均的
酸化程度との比を示す。
R=07C(ESCA)全0/C(EA)・・・・・・
(3)またこの明細書で示されるピッチの軟化点はフロ
ーテスター法によって測定される見掛は粘度が2000
0ボイズを示す温度をいう。
〔実施例〕
以下に実施例および比較例をあげ本発明を具体的に説明
するが、本発明の技術的範囲をこれらの実施例に限定す
るものでないことはいうまでもない。
色J1び Jl 光学的異方相(メソフェース)を85%含み、トルエン
不溶分(TI)78%及びキノリンネ溶分(QI)10
%のコールタールピッチ系メソフェースピッチを直径0
 、2mmφのノズルを用いて溶融紡糸を行い、平均1
1μmφのピッチ繊維を得た。このピッチ繊維を、5%
No2.10%H2Oを含む空気を用い、200℃で1
0分間保持した後、10℃/分の昇温速度で300℃ま
で昇温し、次に300’Cて0〜120分間保持し不磁
化処理を行った。処理条件を第1表N11l〜4に示す
。ここで不融化時に用いたガスは純NO□ガス(製鉄化
学工業(株)製)と沸騰水中をバブリングさせて加湿し
た空気とを混合して発生させた。不融化処理した繊維の
一部を元素分析およびX線光電子分光法による測定に用
いた。
また一部をAr気流下で常温より50’C/分の昇温速
度で昇温し、2300℃で15分間保持することによっ
て黒鉛化処理し炭素繊維とした。得られた炭素繊維の物
性値等を第1表に示す。
第1表の隘2,3は実施例1であり、Nal、4は比較
例1である。不融化繊維の0/C(ESCA)の値か0
.19〜0.30の範囲内にある階2および阻3の炭素
繊維は引張強度が優れていることがわかる。
一方、比較のためのl1hlの場合は、不融化繊維のO
/C(ESCA)の値が0.17と低く、得られた炭素
繊維の引張強度も低くなっている。また阻4は不融化繊
維の0/C(ESCΔ)の値が0.31と高く、過剰に
酸化されているため、炭素繊維とした場合に繊維の直径
が細くなり、収率が低下するので好ましくないケースで
ある。
ル1匠λ 実施例1で用いたピッチ繊維を5%NO2を含む空気を
用い200℃で10分間保持した後、10°C/分の昇
温速度で300℃まで昇温しな後、300℃で0〜30
分間保持し不融化処理した。
処理条件は第1表階11〜13に示した通りであり、不
融化時に用いたガスは純NO□ガス(製鉄化学工業(株
)製)と乾燥空気を混合して発生させた。不融化処理し
た繊維について実施例1と同様の測定を実施した。また
不融化処理した繊維の一部を実施例1と同様に黒鉛化処
理して炭素繊維を得た。
得られた炭素繊維の物性値を第1表に示す。
第1表の阻1,2.3日に11 、12 、13とを比
較してみるとH2Oを添加した場合には0/C(EA)
の増加が早くなり、不融化速度が改善されることがわか
る。また、炭素繊維の強度もlI20添加時の方が優れ
ることがわかる。
L1鮮l 実施例1で用いたピッチ繊維を乾燥空気を用い200℃
より0.5℃/分の昇温速度で300℃まで昇温した後
、300℃で60分間保持し、不融化処理した。不融化
処理した繊維は実施例1と同様に測定した。また不融化
処理した繊維の一部を実施例1と同様に黒鉛化処理して
炭素繊維を得た。得られた炭素繊維の物性値を第1表階
21に示す。
実JIJL々 光学的異方相(メンフェース)を91%含み、トルエン
不溶分(TI)80%及びキノリンネ溶分(QI)11
%のコールタールピッチ系メソフェースピッチを直径0
.2Iφのノズルを用いて、溶融紡糸を行い、平均11
μMφのピッチ繊維を得た。このピッチ繊維を、5%N
O2及び6%1120を含む空気を用い、200℃で1
0分間保持した後、10℃/分の昇温速度で300℃ま
で昇温し、次に300℃で10分間保持し不融化処理し
た。ここで不融化処理に用いたガスは実施例1と同様に
して発生させた。
この不融化処理後の繊維のO/C(EA)は0.09で
あり、O/C(ESCA)は0,22であった。さらに
この繊維の一部を実施例1と同様に黒鉛化処理して炭素
繊維を得た。この炭素繊維は直径9μ■、引張強度33
0kg/+11+++2、弾性率51t/l1ll11
2であった。
夾倉匠l 実施例2で用いたピッチ繊維を10%NO2.10%1
120を含む空気を用い200℃で10分間保持した後
、10℃/分の昇温速度で300℃まで昇温し、次に3
00℃で10分間保持して不融化処理した。ここで不融
化処理に用いたカスは実施例1と同様にして発生させた
この不融化処理後の繊維の07C(EA)は0,10で
ありO/C(ESCA)は0.26であった。さらにこ
の繊維の一部と実施例1と同様に黒鉛化処理して炭素繊
維を得た。
この炭素繊維は直径9μ拍、引張強度340kg/mm
2、弾性率51t/mm2であった。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の炭素繊維製造方法は不融
化処理時の雰囲気として0.1〜40容量%のNO2お
よび4〜40容量%の1120を含有する酸化性雰囲気
を用いることによって、従来の方法に比べて不融化処理
速度を改善しかつ収率を向上させることができる。また
本発明の方法によって製造した炭素繊維は従来の方法に
よって製造された炭素繊維に比べ引張強度が改善される
【図面の簡単な説明】
第1図は5%NO2を含む空気および5%NO2と10
%H20を含む空気雰囲気下で不融化処理を行った場合
の不融化処理の300℃における保持時間と0/C(E
Δ)及び07C(ESCΔ)との関係の一例を示す図面
である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、炭素質メソフェースピッチを溶融紡糸して得られる
    ピッチ繊維を不融化処理した後、炭化処理又は黒鉛化処
    理して炭素繊維を製造するにあたり、 不融化処理を、0.1〜40容量%のNO_2および4
    〜40容量%のH_2Oを含有する酸化性雰囲気下に1
    00〜400℃の温度範囲で実施することを特徴とする
    メソフェースピッチ系炭素繊維の製造方法。 2、不融化処理後の繊維表面のX線光電子分光法(ES
    CA)によって測定し、検出されるO1sピークと C
    1sピークとの面積比(O1s/C1s)より求めた酸
    素と炭素との原子比O/C(ESCA)が0.19〜0
    .30でかつO/C(ESCA)と元素分析値より求め
    た酸素と炭素との原子比O/C(EA)との比Rが1.
    5以上である請求項1記載のメソフェースピッチ系炭素
    繊維の製造方法。
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