JPH01201523A - メソフェースピッチ系炭素繊維の製造方法 - Google Patents

メソフェースピッチ系炭素繊維の製造方法

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JPH01201523A
JPH01201523A JP2389288A JP2389288A JPH01201523A JP H01201523 A JPH01201523 A JP H01201523A JP 2389288 A JP2389288 A JP 2389288A JP 2389288 A JP2389288 A JP 2389288A JP H01201523 A JPH01201523 A JP H01201523A
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fiber
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fibers
carbon
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Masatoshi Furuyama
古山 昌利
Yasunori Sanao
佐直 康則
Takeshi Hamada
健 濱田
Norio Tomioka
富岡 紀夫
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はメソフェースピッチ系炭素繊維の製造方法に係
わり、更に詳しくはメソフェースピッチ系炭素繊維の引
張強度改善を目的とする新規な不融化処理方法に関する
〔従来の技術〕
現在、複合材料に使用されている炭素繊維としては、ポ
リアクリロニトリル(PAN)繊維を原料として製造さ
れているPAN系炭素繊維が主流となっている。しかし
PAN系炭素繊維は原料のポリアクリロニトリル(PA
N)繊維が高価で、しかも炭化収率が低いために必然的
に高価格なものとなっており、その用途は、スポーツ・
レジャー関係、航空・宇宙関係などの特殊な分野に限ら
れている。
一方、炭素質ピッチを原料とするピッチ系炭素繊維は原
料が安価で、しかも炭化収率が高いために安価に製造で
きるという特徴を持っている。特に原料としてメソフェ
ースを40%以上、好ましくは60%以上含有するメソ
フェースピッチを用いたメソフェースピッチ系炭素繊維
は安価で、しかも高性能を炭素繊維を与える可能性を持
つものとして注目されている。一般にメソフェースピッ
チ系炭素繊維においては、原料であるメソフェースピッ
チの持つ易配向性、易黒鉛化性を利用することによって
容易に高配向で、しかも高黒鉛化性を持つ炭素繊維が製
造でき、従って弾性率の高い繊維が製造できることが知
られている。例えば、特開昭49−19127号公報に
は炭素層面が3次元的に発達し、黒鉛化性が高く、また
弾性率に優れたメソフェースピッチ系炭素繊維およびそ
の製造方法が開示されている。しかしながら、このよう
な黒鉛化性が高い炭素繊維は高い弾性率を有するが、引
張強度は高くなく、破断伸度も低いという欠点を持って
おり、このことから従来メソフェースピッチ系炭素繊維
は弾性率には優れるが引張強度の向上は困難であると考
えられていた。
最近になって、メソフェースピッチ系炭素繊維の構造を
制御することによって引張強度を改善する試みについて
報告がなされてきてむ)る。例えば、特開昭62−10
4927号公報には、紡糸工程において紡糸ノズルのキ
ャピラリ一部直上で撹拌を行うことによって、軸方向の
高配向性を保持しつつ断面方向の構造を微細化し黒鉛化
性が低下したメソフェースピッチ系炭素繊維を製造でき
ることおよびこの炭素繊維は高い弾性率を保持しつつ引
張強度が改善できることが示されている。ただメソフェ
ースピッチ系炭素繊維の構造制御による機械物性の向上
についての検討は、従来上として紡糸工程での報告が中
心であり、不融化工程および炭化・黒鉛化工程という固
相系の反応工程での報告はなかった。また、従来のメソ
フェースピッチ系炭素繊維における構造制御は、マクロ
組織の制御又はミクロな構造制御を考えたものであって
も繊維全体の平均的な構造制御を意図しており、例えば
繊維の表面層の構造を変化させたり、あるいは中心部の
構造を変化させたりするといった特定の部位の構造制御
を行うことにより機械物体の向上を図るという報告はな
かった。
PAN系炭素繊維において、炭化処理後の繊維を電解酸
化し、次いで不活性ガス中で熱処理を施すことによって
繊維の超薄最外層の構造を制御し、機械物性を改善する
試みがなされている(特開昭61−225330号公報
)。しかしながら、本発明者らの検討したところでは、
この方法をメソフェースピッチ系炭素繊維に適用しても
機械物性の向上は認められず、逆に引張強度が低下する
場合もあることが判明した。これはPAN系炭素繊維と
メソフェースピッチ系炭素繊維ではその構造に大きな違
いがあるためと考えられる。
ところで、ピッチ系炭素繊維の不融化については従来酸
化性雰囲気下において100〜400℃の温度範囲で処
理されるのが一般的である。特に酸化性雰囲気として空
気又は酸素と窒素の混合ガスを用いることが最も一般的
に行なわれている。また、酸化性雰囲気として窒素酸化
物などの他の酸化性ガスを用いる方法も試みられている
。このような試みが実施されている主な理由は、必ずし
も炭素繊維の物性改善をねらったものでなく、不融化処
理時間の短縮を図ることにある。これは、例えば空気雰
囲気下では一般に60〜400分間程度の長い処理時間
が必要であり、極めて効率の悪い工程となるからである
。特に等方性ピッチ系繊維の場合は、不融化処理の初期
に低温域から開始する必要があるため、長時間の処理を
要する。特公昭48−42696号公報には等方性ピッ
チ系炭素繊維の不融化処理にN Oxを用いた例が示さ
れている。ここでは不融化処理を30〜130”Cの低
温域で実施しており、前記した空気を用いて不融化する
場合に比べて不融化時間が短縮されるとされている。ま
たメソフェースピッチ系炭素繊維への応用として、特開
昭60−259629号公報にはNO□を0.1〜50
容量%含む空気又は酸素などの酸化性雰囲気下に1s0
〜380″Cの処理温度で不融化処理することが示され
ており、この処理によって不融化時間の短縮と、炭素繊
維物性の向上を同時に達成できる旨開示されている。し
かしながら、本発明者らの検討したところによると、N
O,を用いて不融化処理する場合の不融化時間の短縮の
効果は主に100〜260℃の低温の温度範囲で効果が
あるのに対して、この温度範囲での炭素繊維の物性向上
効果は少ないこと、またNO2を含む空気又は酸素など
の酸化性雰囲気を不融化処理の初期から最後まで継続し
て用いることは繊維の酸化消耗が大きく、収率の低下を
起こし、また場合によっては物性の低下も引きおこして
しまうという別の問題があることが判明した。
このように、メソフェースピッチ系炭素繊維の不融化処
理において、炭素繊維の構造を制御する方法については
従来全く報告されていなかった。
〔発明が解決しようとする課題〕
従って、本発明が解決しようとする課題は、メソフェー
スピッチ系炭素繊維の引張強度を改善するための不融化
処理方法を開発することである。
〔課題を解決するため手段及びその作用〕本発明者らは
、メソフェースピッチ系炭素繊維の引張強度を改善する
ためには、繊維の表面層の処理および中心部と表面層と
で異なる構造を持つ炭素繊維を製造することが重要であ
り、このような繊維を製造するには不融化処理において
中心部と表面層の酸化処理程度を別々に制御しうる反応
を実施することが効果的であることを見出し、これをも
とに本発明を完成したものである。
すなわち、本発明に従えば、メソフェースピッチを溶融
紡糸して得られるピッチ繊維を不融化処理した後、炭化
処理又は黒鉛化処理して炭素繊維を製造するにあたり、
不融化処理として、まず第1段処理として実質的に酸素
と不活性ガスから成る雰囲気下に100〜400℃の温
度範囲で処理し、ピッチ繊維の比重を1.40以上とし
た後、第2段処理として、0.1〜40容量%のN02
又は0.1〜20容量%のHNO,の一方もしくは両方
を含む雰囲気下に260〜360℃1好ましくは280
〜340℃の温度範囲で処理する方法が提供される。
本発明の不融化処理によって、ピッチ繊維の表面層の酸
化程度を中心部に比べて増加させた二層構造を有する不
融化繊維とすることができる。この不融化繊維をさらに
炭化処理又は黒鉛化処理することによって炭素繊維の表
面層と中心部とで構造の異なる強度のすぐれたメソフェ
ースピッチ系炭素繊維を製造することができる。不融化
処理の第2段処理は、−船釣には260〜360℃、好
ましくは280〜340℃の温度範囲で0.1〜40容
量%のNO□あるいは0.1〜20容量%のHNO3の
一方もしくは両方を含む雰囲気下で実施し、第2段処理
後のピッチ繊維の表面がX線光電子分光法(ESCA)
によって測定し、検出される官能基量(O1s/C1s
)より求めた0とCとの元素比0/C(ESCA)が0
.19〜0.30でかつO/C(ESCA)と元素分析
値よりもとめた0とCの元素比0/C(EA)との比R
が1.5以上となるまで処理することが引張強度を向上
させるために望ましい。
以下、本発明の内容を詳述する。
従来、メソフェースピッチ系炭素繊維は黒鉛化処理を進
めることによって三次元的に発達した炭素層面を形成し
易いため、黒鉛化性を向上させ高弾性率を得ることは容
易であるが、必ずしも高強度な繊維は得られていなかっ
た。本発明者らは不融化過程における化学反応を利用し
て繊維の表面層と中心部との構造をそれぞれ独立に制御
することにより炭素繊維の強度を改善することを試み、
本発明を完成させた。
すなわち本発明者らは不融化処理時の雰囲気ガス成分を
変化させることによってメソフェースピッチ系炭素繊維
の構造がどの様に変化するのかを予め研究した。まず雰
囲気として空気、NO2を含む空気およびHNO,を含
む窒素ガスを用い、不融化が未完了な条件でそれぞれ不
融化処理を行い、さらに2300℃で黒鉛化処理を行っ
て炭素繊維を得た。空気で不融化処理した炭素繊維(第
1図A)には繊維間の融着がみられるが、組織的には表
面層および中央部に差が認められない。一方)(No、
を含む窒素ガスで不融化処理した炭素繊維(第1図C)
は、繊維間の融着はほとんどみられないが中央部に粗大
化した組織がみられ、クラックを持つ繊維も数多く存在
する。これは繊維の表面層での不融化はほとんど完了し
ているが中央部の不融化反応がほとんど進んでおらず、
紡糸時に形成された組織が、不融化処理時又は黒鉛化処
理時に、溶融および再配列したことを示している。
Notを含む空気で不融化処理した炭素繊維(第1図B
)は、先に述べた両者の中間的な構造を持っている。こ
のような不融化工程におけるピッチ繊維の繊維の中心部
と表面層との酸化程度のちがいは用いる雰囲気および処
理温度などに依存する。
そして不融化時の雰囲気処理温度を適当に組み合わせる
ことによって、繊維の表面層と中心部の酸化程度を独立
に制御し得ることを見出した。
このようにして、表面層の酸化程度が中心部に比べ適度
に進んだ不融化繊維をつくり、さらに炭化又は黒鉛化処
理することによって、繊維の中心部と表層部とに構造の
差のある炭素繊維、特に表層部の黒鉛化性が低下した、
あるいは密度が低下した炭素繊維をつくることが可能と
なる。詳細な機構は不明であるが、このように中心部と
表層部とに構造の差のある炭素繊維は機械物性、とりわ
け引張強度のすぐれた炭素繊維となる。
さて、不融化繊維の表面層の酸化程度が、中心部に比べ
適度に進んだ状態とする方法として適当な方法は、以下
に述べる2段処理によって不融化を行う方法である。す
なわち、まず第1段処理で空気などの実質的に酸素と不
活性ガスから成る雰囲気下で、中心部と表面層とがほぼ
均一に酸化されるように不融化処理を行い、次に第2段
処理としてNO2又はHNO3の一方もしくは両方を含
む雰囲気下で処理し、表面層の酸化程度を適度に進ませ
る方法である。この場合中心部が未不融化状態とならな
いように第1段処理でピッチ繊維の比重を1.40以上
とすることが必要である。
さてこのように2段階で不融化処理することによって中
心部と表面層との酸化程度を独立に制御することが可能
となるばかりでなく、第2段処理で土に表面層の酸化程
度を制御することによって、不融化初期での過剰な表面
層の酸化を防止することができ、収率上好ましい結果が
得られることが判明した。
また表面層の酸化程度、および表面層と中心部との酸化
程度の差は、0/C(ESCA)の値とRの値とによっ
て評価することができる。
ここでO/C(ESCA)とは、不融化繊維表面をX線
光電子分光法によって測定することによって得られる酸
素と炭素の元素数比であり、またRとは0/C(ESC
A)と不融化繊維の元素分析値より求めた酸素と炭素の
元素数比0/C(EA)との比の値である。
これらの値の求め方については後に詳述する。
炭素繊維の機械物性、とりわけ引張強度を改善するため
には、0/C(ESCA)が0.19〜0.30の範囲
で、かつRが1.5以上の範囲にある不融化繊維を作る
ことが望ましい、0/C(ESCA)が0.19未満又
はRが1.5未満の場合には、表面層の酸化程度が十分
でなく、またO/C(ESCA)が0.30超の場合は
表面層の酸化程度が過剰となるため好ましくない。
炭素繊維の原料ピッチとしてはコールタールピッチ、石
炭液化油などの石炭系ピッチおよびエチレンタールデカ
ントオイルピッチなどの石油系ピッチなど各種のピッチ
のいずれを用いても良い。
また前記ピッチを改質したもの、例えば水素化処理した
もの、熱処理によって改質したもの、溶媒分別したもの
、蒸留により分別したもの又はこれらの方法を組み合わ
せて改質したものなど各種変性したピッチを使用するこ
ともできる。本発明で用いる炭素質メソフェースピッチ
とは、ピッチを熱処理することによって得られる光学的
異方性相(メソフェース)を含有するピッチであって、
光学的異方性相の割合が40%以上のもの、好ましくは
60%以上のものである。また本発明に用いる炭素質ピ
ッチは軟化点240〜340℃のものが紡糸性の観点か
ら好ましい。
ピッチ繊維は前記炭素質メソフェースピッチを公知の方
法で溶融紡糸することによって得られる。
例えば炭素質ピッチをその軟化点より高い温度で溶融し
、粘度100〜3000ポイズ(P)の範囲で直径0.
05〜0.5mmのノズルから押し出しながら50〜1
000m/分で延伸することによってピッチ繊維を得る
。用いるノズルとしては円形に限らず、種々の構造、例
えば異形ノズルおよび流路が拡大、縮少しているノズル
など、どの様なものを用いても良い。
ピッチ繊維は以下の2段階処理で不融化処理される。ま
ず第1段処理では繊維の中心部および表面層を均一に酸
化するため実質的に酸素と不活性ガスから成る雰囲気下
で処理される。またこの雰囲気としては、空気などの酸
素と窒素の混合物が入手しやすさから考えて好ましい具
体例として考えられる。この時酸素濃度は5〜60容量
%の範囲が好ましい。処理は100〜400″Cの温度
範囲で行われ、好ましくは1s0〜350”Cである。
この処理温度が低すぎる場合には処理時間が長くなり、
また処理温度が高すぎる場合にはピッチ繊維の融着ある
いは消耗という現象を生じるため好ましくない。また中
心部が未不融化状態とならないように、第1段処理で比
重1.40以上とする必要がある。
次に第2段処理では表面層の酸化程度を中心部に比べ適
度に増加させるためNO2あるいはHN Osの一方も
しくは両方を含む雰囲気下で処理する。
この時の雰囲気としてはNO,を用いる場合0.1〜4
0容量%、HNO,を用いる場合は0.1〜20容量%
の範囲が適当である。また雰囲気の残りの成分は実質的
に水蒸気、酸素および不活性ガスのいずれかまたは2成
分以上の混合物からなるものが適当である。また表面層
への酸化を効率よ〈実施するためには、第2段処理の温
度は260〜360℃1好ましくは280〜340″C
とする必要がある。温度が260℃未満では表面層への
酸化が効率よ〈実施できず、また温度が360℃を超え
ると繊維の消耗が起り、収率の低下、物性の低下が起き
るので好ましくない。
この第2段処理で行われる表面層の酸化程度は0/C(
ESCA)およびRの値によって特徴づけられる。
前述の如(、不融化繊維の0/C([ESCA)は0.
19〜0.30でかつRが1.5以上であることが炭素
繊維の物性が改善するために望ましいものである。
このようにして得られた不融化繊維をNz 、 Arな
どの不活性ガス雰囲気下で1000〜2000″Cまた
は引続いて2000℃以上の温度で熱処理し炭化もしく
は黒鉛化することによって炭素繊維とすることができる
本発明による不融化方法を用いることによって繊維表面
層の酸化程度を中心部に比べて増加させた二層構造を持
つ不融化繊維を製造することができ、この不融化繊維を
さらに炭化処理、黒鉛化処理することによって引張強度
の優れた高強度炭素繊維を製造することができる。
この明細書で使用する0/C(ESCA) 、0/C(
EA)、およびRについての詳細を以下に示す。
OCESCA 測定装置としてX線光電子分光装置(ESCA)を用い
る。繊維を表面を汚さないように注意し、短くし、SU
S製の試料支持台上に拡げて並べた後、X線源としてM
gKαを用い試料チャンバー中を5 Xl0−’tor
r以下に保つ。結合エネルギーが532eV付近のO1
sピークおよび28JeV付近のC1s ピークを測定
し、その面積の比(O1s/C1s)を求める。0/C
(ESCA)はこの(O1s/C1s)より以下の式で
求める。
0/C(ESCA)  =1/2.9 X(O1s/C
1s)   ・・・”  (1)ここでOls ピーク
とC1s ピークとの相対感度の比の値を2.9とした
ここでESCAによって求められる0/C(ESCA)
の値は繊維表面から約0.01μmまでの表面での状態
を示す指標となる。すなわち繊維最表面層での酸化程度
を示す。
旦Z旦ユ旦へり 繊維の元素分析値より求めた酸素と炭素との元素数の比
を示す。つまり繊維全体の平均的な酸化程度を示す。
且 Rは(2)式で定義される数で、表面酸化程度と平均的
酸化程度との比を示す。
R三〇/C(BSCA)十〇/C(HA)またこの明細
書で使用するピッチの軟化点はフローテスター法によっ
て測定される見掛は粘度が20000ポイズを示す温度
をいう。
また不融化繊維の比重は23℃における値であり、以下
の手順で測定した。
比重が1.30〜1.50まで0.01きざみとなるよ
うに2111の塩化亜鉛水溶液を調整する。その中へ約
1薗長さに切った繊維を入れ、十分に撹拌した後23℃
の恒温槽に入れて12時間放置し、その後の繊維の浮沈
状態より比重の値を求める。
〔実施例〕
以下に実施例および比較例をあげ具体的に説明する。
実新111 光学的異方相(メソフェース)を86%含みトルエン不
溶分(TI)81%及びキノリンネ溶分(旧)12%の
コールタールピッチ系メソフェースピッチを直径0.2
 rrImφのノズルを用いて溶融紡糸して平均11μ
mφのピッチ繊維を得た。
このピッチ繊維を第1段処理として空気を用い200’
Cから0.5℃/分の昇温速度テ300”Cまで昇温し
、300℃で60分間保持した。この第1段処理後の繊
維の比重は1.47であった。この第1段処理後の繊維
をさらに第2段処理として1.6容量%のHNO,,2
,5容量%のH,Oを含む窒素ガス下で300℃で10
〜60分間処理した。ここで処理に用いたガスは比重1
.42の共沸硝酸(硝酸分69.3重量%)を100℃
で加温した中に窒素ガスをバブリングさせて発生させた
。このようにして得た不融化繊維の一部分で元素分析測
定およびX線光電子分光法(f!5CA)の測定を行っ
た。
また一部分をAr気流下で常温より50℃/分の昇温速
度で昇温し2300℃で1s分間保持することによって
黒鉛化処理し炭素繊維とした。第1表に不融化繊維の分
析値および炭素繊維の機械物性を示す。第1表より明ら
かなように0/C(ESCA)が0.19〜0.30の
範囲のものが強度に優れることがわかる。
(以下余白) ス111先 実施例1と同一のピッチ繊維を第1段処理として空気を
用い200℃から0.50℃/分の昇温速度で300℃
まで昇温しで処理を行い、比重1.44の繊維を得た。
この第1段処理後の繊維をさらに第2段処理として5容
量%NO2を含む空気下で300℃で20分間保持して
処理を行い不融化繊維を得た。
この不融化繊維を実施例1と同様の測定を行いまた同様
の黒鉛化処理をし炭素繊維とした。不融化繊維の0/C
(ESCA) は0.22、O/C(BA) は0,1
1そしてRは2.0であった。
また炭素繊維の線径は約9μm1引張強度は310 k
g / tm ” 、弾性率は52t/mm”であった
〔比較例〕
実施例1での第1段処理後の繊維を、実施例1と同様の
黒鉛化処理を実施して炭素繊維を得た。
第1段処理後の繊維の0/C(ESCA)は0.10、
O/C(EA)は0.10、Rは1.0であった。また
炭素繊維の線径は約9μ11引張強度240kg/mm
” 、弾性率52t/鵬2であった。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の炭素繊維製造方法によれ
ば、ピッチ繊維の不融化処理を2段階に分割して行うこ
とにより不融化繊維の中心部と外周部の酸化程度を独立
して制御することが容易となる。また本発明の方法によ
って製造した炭素繊維は従来の方法によって製造された
炭素繊維に比較して引張強度が改善される。
【図面の簡単な説明】
第1図ASB及びCは走査型電子顕微鏡によって観察さ
れたメソフェースピッチ系炭素繊維の一例の形状を示す
写真である。 第1図Aは空気を用いて不融化が未完了な条件で不融化
処理した後、さらに2300℃で黒鉛化処理してできた
炭素繊維を、 第1図BはN Otを含む空気を用いて不融化が未完了
な条件で不融化した後、さらに2300℃で黒鉛化処理
してできた炭素繊維を、そして 第1図CはHNO3を含む窒素を用いて不融化が未完了
な条件で不融化処理した後、さらに2300℃で黒鉛化
処理してできた炭素繊維をそれぞれ示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、炭素質メソフェースピッチを溶融紡糸して得られる
    ピッチ繊維を不融化処理した後、炭化処理又は黒鉛化処
    理して炭素繊維を製造するにあたり、不融化処理として
    、 第1段処理を実質的に酸素と不活性ガスから成る雰囲気
    下に100〜400℃の温度範囲でピッチ繊維の比重が
    1.40以上となるまで実施し、第2段処理を0.1〜
    40容量%のNO_2又は0.1〜20容量%のHNO
    _3の一方もしくは両方を含む雰囲気下に260〜36
    0℃の温度範囲で実施することを特徴とするメソフェー
    スピッチ系炭素繊維の製造方法。 2、不融化処理の第2段処理後のピッチ繊維の表面が、
    X線光電子分光法(ESCA)によって測定し検出され
    る官能基量(O1s/C1s)より求めた酸素と炭素と
    の元素比O/C(ESCA)が0.19〜0.30で、
    かつO/C(ESCA)と元素分析値より求めた酸素と
    炭素との元素比O/C(EA)との比Rが1.5以上で
    ある請求の項1記載のメソフェースピッチ系炭素繊維の
    製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03161524A (ja) * 1989-11-17 1991-07-11 Nippon Steel Corp ピッチプリカーサー繊維および炭素繊維
JPH03294521A (ja) * 1990-04-06 1991-12-25 Kobe Steel Ltd ピッチ系炭素繊維の製造方法

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