JPH026217Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、サツシ取付ビス等のビス類を室内側
に露呈しないようにしてコンクリート系外壁の開
口部にサツシを取付ける構造に関するもので、特
に大口径のサツシの取付に好適するものである。

〔従来の技術〕

コンクリート系外壁の開口部にサツシを取付け
る場合、サツシを、その室内側及び室外側端部に
おいて開口部の端面上からコンクリートにネジ止
めするのが通常である。そして、このネジ止め
は、開口部の端面上に固定した下地金物に行う場
合もあるが、該下地金物は、外壁形成材の打設に
先立つて所定位置に位置させることによりコンク
リート系外壁の形成とともにその一部を埋設した
状態で固定されるのが通常である。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、室内側に上述の如くサツシ取付
用ネジ等のビス類が露呈することは、室内側から
の開口部の美観を損ねる問題がある。

また、サツシを開口部の端面に直接ネジ止めし
た場合、ネジの耐力によりサツシを保持すること
となるため、サツシが大口径であつたり、外壁が
比較的脆弱な軽量気泡コンクリートで形成されて
いると、風圧等の外力により経年的にサツシの取
付にガタを生じる惧れがある。一方、下地金物を
用いるとこのような惧れは回避できるが、下地金
物を上述の如くコンクリート外壁の形成とともに
固定することは労力を要する。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、固定部を垂設した下地金物をコンク
リート系外壁の開口部の端面上に該端面にその長
手方向に沿つて形成した溝に上記固定部を嵌着し
て固定し、上記下地金物上に取付金物をビスによ
り固定し、上記取付金物上の室外側にサツシを少
なくともその室内側端部においてビスにより固定
する一方、上記取付金物上の室内側に化粧材を上
記双方のビスを被覆させ且つ上記サツシの室内側
端部に室内側から当接させて固定することによつ
て、上記の問題点を解決したものである。

〔実施例〕

以下、本考案の取付構造をサツシ下部の取付に
適用した一実施例について図面により説明する。

第１図は、本考案の取付構造の一実施例の縦断
面図を示すもので、同図において、１はコンクリ
ート系外壁、２は外壁１に形成した開口部、３は
固定部３１を垂設した下地金物、４は取付金物、
５はサツシ、６は開口部２周囲の室内側に配され
る化粧材であり、本考案のサツシの取付構造は、
その施工順序に従つて説明すると、上記下地金物
３を上記開口部２の端面２１上に該端面２１に形
成した溝２２に上記固定部３１を嵌着して固定し
た後、適宜間隔で上記下地金物３上に上記取付金
物４をビス７をコンクリート系外壁１に螺入させ
て固定し、次いで、上記取付金物４上の室外側に
上記サツシ５をその室内側端部においてビス８に
より又室外側端部においてはビス９によりそれぞ
れ固定し、しかる後、上記取付金物４上の室内側
に上記化粧材６を上記双方のビス７，８を被覆さ
せ且つ上記サツシ５の室内側端部に室内側から当
接させて固定することによつて構成してある。

各部の詳細及びその取付態様の詳細について詳
述すると、上記下地金物３は、板状の取付部３２
の両側部に一対の板状の固定部３１を一体的に形
成した断面コの字形状となしてある。そして、下
地金物３の開口部端面２１への固定は、まず端面
２１の所定箇所に、下地金物３の固定部３１をそ
れぞれ挿入する溝２２を端面２１の長さ方向に形
成し、次いで、下地金物３の固定部３１それぞれ
の表裏面及び取付部３２の裏面に接着剤を塗布
し、しかる後、固定部３１をそれぞれ上記溝２２
に挿入し且つ取付部３２を端面２１に当接させる
ことにより行つてある。このように下地金物３の
固定部３１を端面２１の長さ方向に適宜間隔で埋
め込むことによつて、下地金物３の固定部３１の
面がサツシ５に働く風圧等の外力を効果的に負担
するため、下地金物３の大きさを比較的小さくし
且つ下地金物３を複数個用いる場合であつてもそ
の固定間隔（ピツチ）を比較的大きくすることが
可能であり、そのようにしても、サツシ５の取付
に経年的にガタを生じるのを防止することができ
る。

また、上記取付金物４は、その室外側端部にサ
ツシ室外側取付片４１を垂設し、またその中間部
両側上部に一対のサツシ室内側端部載置部４２を
突設してその主体を形成すると共に、上記サツシ
室外側取付片４１、上記サツシ室内側端部載置部
４２それぞれ、該サツシ室内側端部載置部４２間
及びそれよりも室内側の部位にそれぞれビス止め
孔４３を穿設して構成してある。そして、取付金
物４上には、その下地金物３等への取付に先立つ
てその室内側に裏面側からビス１０により化粧材
取付部材１１をビス止めしてあり、取付金物４の
取付は、取付金物４の端面２１の室内側から室外
側に亘り下地金物３上に配設した後、取付金物４
のサツシ室内側端部載置部４２間のビス止め孔４
３から、ビス７をコンクリート系外壁１に螺入す
ることにより行つてある。

また、上記サツシ５は、第１図に示す如く、そ
の室外側下端部に室外側取付片５を、又その室内
側下端部に室内側取付片５２をそれぞれ有してお
り、その取付金物４への取付は、第１図に示す如
く、サツシ５を取付金物４に被覆した後、サツシ
５の室外側取付片５１をビス９により取付金物４
のサツシ室外側取付片４１にビス止めし、且つサ
ツシ５の室内側取付片５２をビス８により取付金
物４のサツシ室内側端部載置部４２にビス止めす
ることにより行つてある。

また、上記化粧材６は、上記化粧材取付部材１
１に接着剤を介して前述の如く取付けてあり、こ
の取付けによつて取付金物４の取付用ビス７及び
サツシ５の取付用ビス８を隠蔽するようになして
ある。

以上、本考案のサツシの取付構造をサツシ下部
の取付に適用した実施例について説明したが、本
考案の取付構造は、サツシ上部、サツシ側部の取
付にも同様に適用できる。

また、各金物、サツシ、及び化粧材の形状や各
金物の使用個数、固定間隔（ピツチ）等は、実施
例に制限されるものではないことは云う迄もな
い。

〔考案の効果〕

叙上の如く、本考案のサツシの取付構造によれ
ば、取付金物の取付用ビス及びサツシの室内側端
部における取付用ビスを化粧材で被覆し、且つ化
粧材の取付にあたつてはビスが露呈しないように
なし得るため、室内側にビス類が露呈するのを防
止して開口部を美麗にすることができると共に、
下地金物を容易に開口部の端面に後付けにより固
定することができ、しかもサツシを、上記端面の
長手方向に沿つて形成した溝に嵌着固定した上記
下地金物の固定部により面でもたせて開口部の端
面に取付けることができるため、サツシが大口径
であつたり、外壁が比較的脆弱なコンクリートで
形成されていても、コンクリート系外壁の開口部
の端面にサツシを堅固且つ容易に取付けることが
できる等の種々の実用的効果を奏される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の縦断面図、第２図
は取付金物の斜視図である。 １……コンクリート系外壁、２……開口部、２
１……端面、２２……溝、３……下地金物、３１
……固定部、４……取付金物、５……サツシ、６
……化粧材、７，８……ビス。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 固定部を垂設した下地金物を、コンクリート
   系外壁の開口部の端面上に、該端面にその長手
   方向に沿つて形成した溝に上記固定部を嵌着し
   て固定し、上記下地金物上に取付金物をビスに
   より固定し、上記取付金物上の室外側にサツシ
   を少なくともその室内側端部においてビスによ
   り固定する一方、上記取付金物上の室内側に化
   粧材を上記双方のビスを被覆させ且つ上記サツ
   シの室内側端部に室内側から当接させて固定し
   てなることを特徴とするサツシの取付構造。 (2) 下地金物及び取付金物が適宜間隔で配してあ
   る、実用新案登録請求の範囲第(1)項記載のサツ
   シの取付構造。