JPH0255644B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、第一部材を囲繞するように主とし
て半径内方に延びる複数の舌部を有する第二部材
に、上記第一部材を結合する結合装置に関する。

（従来の技術及び問題点） この種の装置は、結合装置の部分をなすカツプ
スプリング（cup spring）をもつクラツチレリー
ズ軸受の結合のために主として用いられている。
例えば自動車におけるかかる装置は、モータとギ
ヤボツクスとの間に位置する部材として採用され
ている。駆動系を組立てる際に、もし継手が例え
ばモータに予め組付けられていれば便宜であり、
こうすることによつてギヤボツクスは、取付けの
ためにはモータに対して結合位置に押し込めるだ
けでよい。この場合、カツプスプリングのコント
ロールのためのクラツチレリーズ軸受は、カツプ
スプリングに結合可能となつている必要がある。
このカツプスプリングは、これがモータに離れた
側から及ぶことなく、結合装置の摩擦デイスクに
圧縮力をもたらす。このような構造のものは例え
ばドイツ連邦共和国公開特許公報第2639766号に
て開示されている。しかし、この公知の装置にあ
つては次のような問題点を有している。すなわ
ち、カツプスプリングは特殊な結合部材を必要と
し、該部材は結合装置がモータに取付けられる前
に組まれねばならない。さらに、クラツチレリー
ズ軸受は、組込み時に押し込まれた際と同様な方
法で引出そうとしても上記結合部材から外すこと
ができない。これは、及ばないロツキングリング
がこの方向での軸受の動きを阻止しているためで
ある。かくして、クラツチレリーズ軸受を取外す
ときには、ギヤボツクスと結合装置とをモータか
ら取外さねばならない。

（問題点を解決するための手段、作用及び効果） 本発明の目的は、この種の装置において、結合
される部材の一つの一方向から容易な近接のもと
に組込み／取外しができ、また近接困難な側から
の部材の予備組込を必要とするような部品を用い
ることのない結合装置を提供することにある。

本発明は、上記目的の達成のために 第一部材を囲繞するように主として半径内方に
延びる複数の舌部を有する第二部材に上記第一部
材を結合する装置において、 第一部材は略円筒状の円筒部を有し、該円筒部
は第二部材の舌部の自由端縁で形成される孔部に
挿入可能となつており、 上記円筒部は、半径外方に突出してリムをなす
複数の突部を有し、該突部の数及び周方向幅は上
記舌部同士の間の空間の間隔に一致して、突部が
該空間を通過できるように設定されており、 さらに、突部と内方に延びる舌部との間にあつ
て上記間隔と一致する一つもしくはそれ以上の捕
捉フインガを有し、該捕捉フインガは上記間隔を
通過しまたここで保持されさらには取外し時には
ここから外せる、 ことにより構成される。

かかる構成の本発明装置によるならば、例えば
結合装置をモータに組込むことが可能となり、ま
たクラツチレリーズ軸受をギアボツクスの入力軸
に組むこともできる。これによつて、駆動系のモ
ータ結合装置そしてギアボツクスは、モータに対
して押し込まれるギアボツクスによつて組込まれ
る。こうすることによつて、クラツチレリーズ軸
受は自動的にカツプスプリングに結合され、該カ
ツプスプリングは継手の摩擦デイスクを作動せし
める。該クラツチレリーズ軸受は、モータから結
合装置全体を外すことなく、取外しが可能とな
る。

（実施例） 以下、添付図面にもとづいて本発明の実施例を
説明する。第１図は各部材が結合された本実施例
装置の縦断面図、第２図は第１図の―矢視図
である。

本実施例装置は、例えばそれ自体は公知である
デイスク状の摩擦部材を有しており、トルク伝達
位置にあつて、カツプスプリングによつて互いに
圧している。係合解除時には、スプリングはスプ
リング力に抗した方向に引かれ、摩擦部材は荷重
から開放される。この操作は、第一部材としての
クラツチレリーズ軸受１との協働によつてなさ
れ、該軸受は一方の側で第二部材としてのスプリ
ング２に連結され、他方の側では図示しないコン
トロール装置に連結されている。このコントロー
ル装置によつて軸受は軸上を継手とギアボツクス
の間で変位（移動）できる。軸受はスリーブ３に
よつて軸上に案内され、このスリーブ上で軸受は
半径方向に遊びをもつている。カツプスプリング
２は、中央の孔部と、図示しない円周囲部分から
延びる多くの舌部とを有し、該舌部の自由端は上
記孔部を形成している。軸受のジヤーナル４をな
す円筒部は、上記孔部に挿入されまたスプリング
２によつて囲繞されている。ジヤーナル４は、リ
ムを形成する半径方向外方に突出した多くの突部
５を有し、該突部は、その数と周方向の幅におい
て、スプリング２上の上記舌部間の間隔に一致し
ている。上記ジヤーナル４は、上記突部５が上記
間隔に丁度一致するように配置され、かくしてジ
ヤーナルがスプリングの孔に押し込まれることに
よつて上記突部はスプリングを通過できる。この
通過の後に、上記ジヤーナル４は回転され、第１
図及び第２図に示されるごとく、舌部の背部でこ
れに一致した位置をとることとなる。こうするこ
とによつて、ジヤーナル４と軸受１はスプリング
２に結合され、このスプリングは結合装置の操作
のために軸受の変位によつて変形する。操作中、
ジヤーナル４と突部５とを、スプリングの舌部に
関してこの位置に保持するために、装置は一つも
しくはそれ以上の捕捉フインガ６を有している。
該捕捉フインガは、上記突部同士の間そして舌部
同士の間の間隔に一致していて、上記間隔に進
入、保持そして装置の分解時にはここを抜出する
ことができる。捕捉フインガ６は、ジヤーナル４
を囲繞するばね部材、例えばカツプスプリング８
等によるばね力で上記間隔の位置にて保持されて
いることが望ましい。スプリング２からの軸受１
の取外しにおいては、部材７は手あるいは適当な
工具にて把持されて、第１図のごとくスプリング
８の力に抗して、右方向に取外される。かくし
て、捕捉フインガは突部５の間を離れ、これによ
つて突部はスプリング２の舌部と軸受１との間の
間隔に位置すると共に、捕捉フインガは図示のご
とくスプリング２の孔部を右方に引き出される。
装置の組込み時にあつては、部材７は先ず捕捉フ
インガ６とスプリング８と共に軸受１の内輪の側
部のジヤーナル４に配され、これによつて捕捉フ
インガ６は突部５の間に位置づけられる。そして
軸受は第１図において左方に押込まれ、かくして
突部５はスプリング２を通過する。捕捉フインガ
６は、これによつて舌部２に対して圧せられ、ス
プリング８は圧縮される。ジヤーナル４と部材７
は最後に回転されて突部５は、第１図及び第２図
に示されるごとく、舌部の背部で該舌部に一致し
た位置にもたらされる。そして捕捉フインガ６
は、スプリング２内にあつて突部５と舌部との間
にスナツプ状に嵌められる。

本発明は、特許請求の範囲内において他の実施
例も可能である。例えば、組込まれる部品はクラ
ツチレリーズ軸受やカツプスプリングである必要
もなく、また捕捉フインガは特定のスプリングの
周方向部材に形成される以外にも他の方法で形成
できる。これらは、例えば部材１の上に独立して
設けたり、それ自身弾性部材の一部をなすように
することもできる。これらは、また部材２と結合
することもできる。ジヤーナル４は、軸受１に結
合される別要素とすることも可能だし、また突部
はジヤーナル４に結合されるリング上に配するこ
ともよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例装置の結合時におけ
る縦断面図、第２図は第１図の―矢視図であ
る。 １……第一部材（軸受）、２……第二部材（カ
ツプスプリング）、４……円筒部、５……突部、
６……捕捉フインガ、７……環状部材、８……ば
ね部材（スプリング）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 第一部材１を囲繞するように主として半径内
   方に延びる複数の舌部を有する第二部材２に上記
   第一部材１を結合する装置において、 第一部材は略円筒状の円筒部４を有し、該円筒
   部は第二部材の舌部の自由端縁で形成される孔部
   に挿入可能となつており、 上記円筒部４は、半径外方に突出してリムをな
   す複数の突部５を有し、該突部の数及び周方向幅
   は上記舌部同士の間の空間の間隔に一致して、突
   部が該空間を通過できるように設定されており、 さらに、突部と内方に延びる舌部との間にあつ
   て上記間隔と一致する一つもしくはそれ以上の捕
   捉フインガ６を有し、該捕捉フインガは上記間隔
   を通過しまたここで保持されさらには取外し時に
   はここから外せる、 ことを特徴とする結合装置。 ２ 第二部材は、継手機構におけるコントロール
   部材をなすカツプスプリングであり、第一部材は
   クラツチレリーズ軸受もしくはこれに連結される
   部材をなしていることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載の結合装置。 ３ 捕捉フインガ６は環状部材７に設けられ、該
   環状部材７は第一部材の円筒部を囲繞しており、
   さらに上記捕捉フインガ６を間隔をもつて保持す
   るばね部材８が備えられていることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項または第２項記載の結合装
   置。