JPH0629621B2 - クラツチ軸受装置 - Google Patents

クラツチ軸受装置

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JPH0629621B2
JPH0629621B2 JP61015567A JP1556786A JPH0629621B2 JP H0629621 B2 JPH0629621 B2 JP H0629621B2 JP 61015567 A JP61015567 A JP 61015567A JP 1556786 A JP1556786 A JP 1556786A JP H0629621 B2 JPH0629621 B2 JP H0629621B2
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JP
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wedge
ball
thrust bearing
ball cage
axial
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JP61015567A
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カロン フアブリス
ロワゾ エリク
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ESU KAA EFU FURANSU
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ESU KAA EFU FURANSU
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Publication date
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    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D23/00Details of mechanically-actuated clutches not specific for one distinct type
    • F16D23/12Mechanical clutch-actuating mechanisms arranged outside the clutch as such
    • F16D23/14Clutch-actuating sleeves or bearings; Actuating members directly connected to clutch-actuating sleeves or bearings
    • F16D23/143Arrangements or details for the connection between the release bearing and the diaphragm
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F16D23/144With a disengaging thrust-ring distinct from the release bearing, and secured to the diaphragm
    • F16D23/145Arrangements for the connection between the thrust-ring and the diaphragm
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16D23/12Mechanical clutch-actuating mechanisms arranged outside the clutch as such
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    • F16D23/143Arrangements or details for the connection between the release bearing and the diaphragm
    • F16D23/144With a disengaging thrust-ring distinct from the release bearing, and secured to the diaphragm
    • F16D23/146Arrangements for the connection between the thrust-ring and the release bearing

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Mechanical Operated Clutches (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、自動車用の引張型クラッチ軸受装置に関す
る。この種の軸受は引張力によって作動し、係合片と呼
ばれる環状片により解放装置のダイアフラムの後面と永
久的に接触している。クラッチの動作期間以外における
永久接触は、わずかな軸方向の予荷重(prestress)によ
って確保される。
(従来の技術) 仏特許出願第2,545,172号は、この種のクラッチ軸受装
置であって、係合片またはスラスト(玉)軸受の回転す
る内軌道輪に形成された溝と係合する保持リングを備え
た軸受装置を開示している。このスラスト軸受は、保持
リングをスナップ嵌めするだけで簡単に解放機構に取り
つけられる。またスラスト軸受は、それに押圧力を加
え、係合片と一体状のスタッドを通り越したところで、
保持リングを引き抜くことによって取り外せる。これと
類似の装置が、独特許出願公開第3,113,463号にも開示
されている。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、これら従来の装置はいくつかの欠点を有する。
つまり、保持リングをその目的のために設けられた傾斜
面上に沿って拡張するのに必要な軸方向力が比較的強
く、制御するのが困難である。これは、軸方向に不適切
な作用が加わった場合に、外れてもとに戻らなくなると
いう虞れをもたらす。さらに、保持リングがその動作の
ある段階で鋭いエッジにぶつかると、これらのエッジと
他方の接触面との間に保持リングが引っ掛って動かなく
なるため、装置の動作上の安全性にとって極めて危険で
ある。
上記のような従来の装置に、付設の楔(仏特許出願第2,
545,172号)あるいはスリーブシステムまたはスライド
システム(独特許出願第3,113,463号)によって、不用
意な外れを防止する手段も設けられている。しかしこの
ようにすると、取り外し前にそのような防止手段を非動
作状態としなければならないため、事前にクラッチの軸
受装置自体にアクセスせず取り外すことはできない。従
って中間の作業を経ずに、取り外しを直接“ブラインド
タッチ”で容易に行なうことができない。
(問題点を解決する手段) 本発明の目的はスラスト軸受をその操作部材によって軸
方向に動作するだけで、クラッチの軸受とダイアフラム
に結合され係合片とを簡単に接続または分離可能とする
とともに、取り付け及び取り外しの作業を、スラスト軸
受がハウジング内に収容されたままの状態で、何らの工
具も用いず、間違った作用が生じる虞れもなく、しかも
ダイアフラムまたはその他どんな要素も事前に取り外す
必要なく、“ブラインドタッチ”で容易に行えるような
引張型のクラッチ軸受装置を提供することにある。
本発明による引張型クラッチ軸受装置は、 弾性手段によってクラッチのダイアフラムと永久接触す
る状態に保たれる係合片と、制御部材の作用に基づき案
内管上を軸方向に摺動可能なスラスト軸受と、係合片ま
たはスラスト軸受の一部材のいずれかに形成された保持
溝を有する上記スラスト軸受と係合片をスナップ嵌めに
よって相互に結合可能とすると同時に、そらせ移動によ
って取り外しを可能とする軸方向の結合手段とから成
る。本発明によれば、上記結合手段が複数のボールを有
するボールケージから成り、これらのボールが係合片と
スラスト軸受の間に装着され、結合位置において楔状領
域と上記の保持溝と相互作用可能で、軸方向及び回転方
向の係止を保証する。取り外し時には、ボールケージの
ボールが解放領域と相互作用可能である。楔状領域と解
放領域は、スラスト軸受の上記部材かまたは係合片に形
成される。
プラスチックから成るのが好ましいボールケージは、あ
る程度の弾性を有する。またボールケージはそれぞれの
ボール用の複数の収容部を有し、各収容部はボールの直
径より大きい軸方向寸法を有するのが好ましい。これに
よって、着脱作業の際ボールはボールケージに対して軸
方向に移動可能である。
ボールケージの各収容部は対応するボール用の2つの弾
性保持突片を有し、ボールの原直径が全体として結合位
置、すなわちクラッチ軸受装置の動作位置に対応するよ
うに、弾性保持突片が各ボールを位置決めする。
取り外し時にボールケージの軸方向移動を阻止する手段
も設けられ、その時ボールは上記の解放領域と相互作用
する。
ボールケージは、取付時にボールケージの前心合せを可
能とするように、面取り部を有するのが好ましい。
ボール用の各楔状領域は、チップ除去しない機械加工に
よって得られ、半径方向平面内においてボールケージの
ボールより大きい曲率半径を有するのが好ましい第一の
楔状小室から成り、所望の楔止めと結合を保証する。一
方各解放領域は、同じくチップを除去しない機械加工に
よって得られ、第一の解放小室と開口するのが好ましい
第二の解放小室から成る。第二の解放小室は第一の解放
小室より大きい空所を有し、ボール用の解放領域を与え
る。
組立時、スラスト軸受と係合片の相対的な軸方向移動を
一時的に制限する弾性軸方向ストツパ手段も設けられ、
ボールケージのボールがスナップ嵌め後有効な結合を行
なうことを保証する硬い手応え点を与える。
本発明のクラッチ軸受装置の第1の好ましい実施例によ
れば、楔状領域及び解放領域がスラスト軸受の内軌道輪
の一部の内周に形成される。一方、保持溝が係合片の外
周に形成される。係合片も外周は、取り外し作業時にボ
ールをそらせ移動させるための解放溝も有する。
この形態では、ボールケージが、取り外し作業時係合片
の保持溝と相互作用しボールケージの軸方向移動を阻止
する機能を果たす1つ以上の係止ビードを有する。また
ボールケージは、スラスト軸受の内軌道輪の端部と相互
作用する軸方向の支持リムを有するのが好ましい。
第2の形態では上記と反対に、楔状領域及び解放領域が
係合片の内周に形成され、この場合には保持溝がスラス
ト軸受の内軌道輪の一部の外周に形成される。
この実施例では、ボールケージは単に、係合片の端部と
相互作用する軸方向の支持リムを有する。
またこの形態においては、係合片の端部に係止され、ボ
ールケージの軸方向移動を阻止するための係止片が設け
られている。この係止片は2つの軸方向位置を取り得
る。第1の位置では、ボールケージがその結合位置まで
移動可能である。第2の位置では、ボールケージのボー
ルがそれぞれの解放領域と相互作用可能である。ボール
ケージの軸方向移動を阻止する係止片は、弾性的なスナ
ップ嵌めによって係合片に係止されるのが望ましくスラ
スト軸受に軸方向の押圧力を加えるだけで上記第1位置
から第2位置へ移行可能である。
好ましい形態においては、ボールケージの軸方向移動を
係止する係止片が係合片を保持する弾性手段の一体状化
した一部で、軸方向係止片を構成する複数の突片を備え
た弯曲ワッシャーから成る。
本発明の目的は、対応する合致片に取り付けられた後、
クラッチ軸受装置を作製可能とするスラスト軸受/ボー
ルケージ組体または係合片/ボールケージ組体を提供す
ることにもある。
本発明の別の目的は、クラッチ軸受装置を“ブラインド
タッチ”で取り付け及び取り外しする方法を提供するこ
とにある。
以下、本発明の添付の図面に示した制限を意図しない例
としての2つの特定の実施例に基づいて詳しく説明す
る。
(実施例) 第1図に示すごとく、本発明によるクラッチ装置は係合
片1、スラスト軸受2、及び係合片1とスラスト軸受2
の間に位置したボールケージ3から成る。
スラスト軸受2は従来通り、ケージ5によって保持さ
れ、回転する内軌道輪6と固定の外軌道輪7のそれぞれ
の転動軌道上を転動可能な複数のボール4を有し、両軌
道連はここではプレス加工によって製造されている。
外軌道輪7は結合片8と摩擦接触する半径方向のラジア
ルカラー7aを有し、結合片8はその端部8aで、案内管10
を取り囲む案内スリーブ9と一体的に形成されている。
また結合片8は、2つの直径方向に対向したブラケット
8bを有する。11で概略的に示したクラッチ軸受の制御部
材が、外軌道輪7のラジアルカラー7aとブラケット8bの
屈曲部8cとの間に挿入されている。
ラジアルカラー7aと結合片8の間の摩擦係数は、弾性リ
ング12と結合片8に一体の屈曲突片8dによって保証され
る。スラスト軸受2の半径方向における移動がある程度
許容されることで、スラスト軸受の自己心合せを通常通
り可能としている。
クラッチ軸受のこの実施例においては、スラスト軸受2
と係合片1の間に、第1図中矢印F1の方向に沿った永
久的な軸方向予荷重が加わっている。この予荷重は、制
御部材11によって発声される。
係合片1は初め、例えば自動車の変速機の一部を形成す
る解放機構のダイアフラム13に固着される。つまり係合
片1は、環状の膨出部15及びダイアフラム13の片側と接
触する複数の当接突片16を備えた弾性部材14によって固
着される。係合片1自体は、凸状面でダイアフラム13の
反対面と接触するほぼ半径方向の担持カラー17を有す
る。また係合片1は、弾性部材14と一体のスナップ嵌め
突片20を受け入れる外側スロット19を持った環状スリー
ブ18も有する。したがって、係合片1は弾性部材14によ
る弾性締め付けによって固着され、ダイアフラム13のフ
ィンガーが係合片1の担持カラー17と弾性部材14の間に
把持される。係合片1の軸はダイアフラム13の回転軸に
対し一方におけるダイアフラム13のフィンガーの孔と係
合片1の環状スリーブ18の直径間、及び他方におけるダ
イアフラム13のフィンガーの孔と弾性部材14の円筒状部
21間における適切な遊びを含む相互の嵌合により、前心
合せされている。
係合片1とスラスト軸受2の回転せる内軌道輪6との間
の軸方向結合手段を形成するボールケージ3は、ある程
度の弾性を有するプラスチックから成るのが好ましい。
ボールケージ3は、ボール23用の複数の収容部22を有す
る。動作位置において各ボール23は、一方で係合片1の
環状スリーブ18の外周に形成された保持溝24と相互作用
し、他方で回転せる内軌道輪6の軸方向延出部の内周に
形成された楔状小室25と相互作用する。係合片1の環状
スリーブ18は、図示のごとくその外周面上に取り外し時
にボール23が外れて動けるようにする解放溝18aも有す
る。
第2〜4図を参照すれば、ボールケージ3の収容部22が
ボール23の直径より大きい軸方向寸法を有することで、
ボール23をボールケージ3内で軸方向に移動可能として
いることが理解されよう。ボールケージ3の各収容部22
は2つの弾性保持突片26を有し、これら弾性保持突片26
がボール23をその各側から収容部22の軸方向全長にわた
って把持することで、ボール23が楔止めによって確実に
保持される。ただし、弾性保持突片26が弾性を有するた
め、ボールはそれぞれの収容部22内で半径方向に移動可
能である。第2,3図に示したボール23の平常位置にお
いて、ボールケージ3のボール23が成すリングの原直径
は、第1図に示した係合後の軸方向の予荷重下にあるボ
ールリングの原動作直径と一致するように計算されてい
る。
組立をより容易とし、組立作業中におけるボールケージ
3の前心合せを保証するため、弾性保持突片26は面取り
された領域27を有する。
またボールケージ3は、取り外し時に係合片1の保持溝
24と相互作用し、ケージの軸方向移動を阻止する機能を
果たす幾つかの係止ビード28も有する。係止ビード28と
反対側に位置した支持リム29が、スラスト軸受2の内軌
道輪6の端部と相互作用する。
なお組立前に、支持片を形成する内軌道輪6内にボール
ケージ3が装着されることに注意されたい。このように
して支持片内に装着されたボールケージは支持片と一体
状をなすと同時に、一方では軸方向の支持リム29によ
り、また他方ではボール23と楔状小室25間における接触
の結果として、軸方向の限定された移動が可能な状態に
ある。
ボール23の1つを概略的に示し、説明を解り易くするた
めボールケージ3を省いた第5〜7図を参照すれば、チ
ップを除去しない機械加工によって内軌道輪6に形成さ
れた楔状小室25により、ボール23が楔止めされているこ
とが理解されよう。第6図から明らかなように、楔状小
室25はその半径方向の面内において、ボール23の曲率半
径より大きい曲率半径をもった円筒状の輪郭を有する。
こうした条件に基づき、楔状小室25と相互作用するボー
ル23が同じく、係合片1と回転せる内軌道輪6の間にお
ける回転方向に沿った、例えば第6図中の矢印F2の方
向に沿った結合を保証している。第5図に示すように軸
方向の面内においては、楔状小室25がボール23の直径と
ほぼ同じ直径を有し、その球状端部25aによって、該球
状端部25aと環状の保持溝24との間にボール23が確実に
楔止めされる。
この結果、全体として、ボールケージ3のボール23は楔
状小室25によって、係合片1とスラスト軸受2間におけ
る軸方向と回転方向における結合を保証し得る。
例えばプレス加工等チップを除去しない機械加工によっ
て得られる第二の解放小室30が内軌道輪6の内周にさら
に形成されている。この第二の解放小室30は半径方向に
おいて楔状小室25の直径より大きい直径を有するので、
第二の解放小室30内に入り込んだボール23は保持溝24か
ら解放可能となる。第7図から明らかなように、第二の
解放小室30は楔状小室25に解放している。
次に、第1図に示されたようなクラッチ軸受装置を“ブ
ラインドタッチ”で取りつける動作を、第8a〜8d図
にしたがって説明する。これらの概略図において、同一
の部品には先の図面中とおなじ参照番号が付してある。
第8a図から明らかなように、ボールケージ3は当初に
おいてスラスト軸受2の内軌道輪6の孔内に装着されて
おり、スラスト軸受2は図面を簡単にするため全体的に
示してない。この初期状態において、係合片1は弾性部
材14によって把持されたダイアフラム13と一体状であ
る。スラスト軸受2とボールケージ3から成る組体の軸
方向移動は、第1図に示した制御部材11の動作の結果と
して、スラスト軸受2をダイアフラム13の方へ操作する
ことによって得られる。弾性保持突片26の面取りされた
領域27が係合片1の環状スリーブ18の同じく面取りされ
た面取り部31と接触するとき、面取りされた両部によっ
て前心合せが確実になされる。
第8b図に示した次の状態では、面取り部31と接触した
ボール23が自らを第二の解放小室30内に位置決めするこ
とによって半径方向に移動し、ボール23のこの移動はボ
ール23を保持し続けている弾性保持突片26の弾性によっ
て可能となる。この状態においては、ボール23が係止ビ
ード28と接触し、係止ビード28がボールケージ3の収容
部22内におけるボールの移動を制限していることが明ら
かであろう。ボールケージ3は軸方向の支持リム29の存
在により、内軌道輪6によって軸方向に駆動されてい
る。
スラスト軸受2の軸方向に沿ったシフト移動は、第8c
図に示した状態に達するまで継続され、その状態におい
て作業員は硬い手応えの点を感じ取る。つまりこの状態
で、スラスト軸受2の外軌道輪7の半径方向に延びる屈
曲部7bが、弾性部材14の環状の膨出部15と接触する。上
記の硬い手応え点に達したら、作業員が制御部材11をダ
イアフラム13から離れる方向に移動して、軸方向の引張
力をスラスト軸受に加える。第8c図に示した最極端の
状態では、ボール23が楔状小室25内にまだ入り込んでい
ず、解放溝18a内にも入り込めないで、環状スリーブ18
の外周面と接触したままであることが明らかであろう。
軸方向の引張力をさらに加え続けると、装置は最終的に
全体として第8d図に示した状態に至り、これは第1図
に示した最終状態でもあり、ボール23が楔状小室25と保
持溝24の間に楔止めされている。したがって、クラッチ
の解放方向、すなわち第1図中の矢印F1の方向に軸方
向の予荷重を加えることによって、ボール23はその最終
的な動作状態に保持される。
第9a〜9d図は、クラッチ軸受装置を取り外し可能と
する作業を示しており、この取り外しは上記した取りつ
けの場合と同じく“ブラインドタッチ”で行われる。
作業員はまず、制御部材11を操作することによって軸方
向の押圧力をスラスト軸受2に加え、外軌道輪7の屈曲
部7bと弾性部材14の環状の膨出部15間で接触に対応する
硬い手応え点が感じ取れるまで、スラスト軸受2をダイ
アフラム13に接近させる。第9a図に示したこの状態は
第8c図の状態と対応している。
上記の硬い手応え点を通り越して作業員が操作を続ける
と、第9b図に示すように弾性部材14が弾性変形する。
この移動中に、ボールケージ3がもつ弾性特性の結果と
して、ボールケージ3の係止ビード28が保持溝24の最端
縁を乗り越える。そして、係止ビード28が保持溝24と相
互作用する。ボール23は保持溝24を離れ、解放溝18a内
へと移動可能である。さらに、ボール23は解放小室30と
対向して位置している。
次に作業員は、第9c図に示すように軸方向の引張力を
スラスト軸受2に加える。ボールケージ3は、保持溝24
と相互作用する係止ビード28の作用の結果、係合片1上
に保持され続ける。ボール23が解放溝18a内に移動する
ことによって、内軌道輪6の端部は楔状小室25を通り越
すことができる。
引張力がさらに加えられ続けると、第9b図に示すごと
く、スラスト軸受2は最終的に、ダイアフラム13に固着
された係合片1の環状スリーブ18の周囲に着座されたま
まであるボールケージ3から完全に分離される。
第10図に示した実施例は、第1図に示した実施例と比
べ、ボールケージが当初係合片の孔内に、ボールケージ
の軸方向係止によって収容されている点で異なる。第10
図中、第1図と同一の部品には同じ参照番号が付してあ
る。スラスト軸受32は上記のスラスト軸受2と比べ、そ
の回転する内軌道輪33が軸方向に延びたスリーブの形の
延長部34を有し、その外周部が第1図に示した実施例の
保持溝24と同じ機構を果たす保持溝35を有する点で異な
る。
係合片36は上記の係合片1と比べ、その内周に楔状小室
37と、チップを取除かない機械加工によって係合片36の
支持カラー40から延びた軸方向スリーブ39に形成された
解放小室38を有する点で異なる。楔状小室37及び解放小
室38は、上記実施例の楔状小室25及び第二の解放小室30
と同じ構造及び機能を有する。
ボールケージ41は、ボールケージ3と同様の構造を有す
る。つまりボールケージ41は前例と同じく、ボール43の
直径よりやや大きい軸寸法をもつと共に第11図、第1
2図に示してある弾性保持突片42aを備えたボール43用
の収容部42を有し、これらの弾性保持突片42aがボール4
3を把持して、前例と同じように、ボール43のそれぞれ
の収容部42に対する弾性的な半径方向の移動を可能とし
ている。またボールケージ41は、軸方向スリーブ39の端
部で係合片36の孔内に形成された環状溝45と相互作用可
能な軸方向の支持リム44も有する。尚この実施例におい
ては、支持リム44と反対側に位置したボールケージ41の
端面46は係止ビードを有していない。
第10図において、カップ状を成し、半径方向のラジアル
部48と複数の突片から成るアキシアル部49を備えた軸方
向係止片47が、鉤50によって係合片36の端部に固着さ
れ、各鉤50はアキシアル部49の各突片が延びて形成され
ている。軸方向係止片47は割れワッシャーとして形成す
ることもでき、この場合には半径方向のラジアル部48が
複数の半径方向突片によって代えられる。
軸方向係止片47の鈎50は第1のスナップ嵌め溝51または
第2の溝52と相互作用可能で、どちらの溝も係合片36の
軸方向スリーブ39の外周に形成されている。クラッチ軸
受装置の平常動作状態に対応する第10図に図示の状態に
おいて、鉤50が軸方向スリーブ39の端部近くで第1のス
ナップ嵌め溝51内に収容されている。この状態では軸方
向係止片47のアキシアル部49の軸方向寸法により、ラジ
アル部48が軸方向スリーブ39の最前面から離れているの
で、ボールケージ41の軸方向に沿った移動が可能であ
る。第2の溝52の位置は、軸方向係止片47の鉤50が第2
の溝52内にスナップ嵌めされているとき、ラジアル部48
が上記と反対に軸方向スリーブ39の最前面と接触するよ
うに決められている。この状態では、軸方向係止片47の
ラジアル部48がボールケージ41の外周面と接触してこれ
を押圧し、支持リム44が係合片36の環状溝45に収容され
るまでシフトさせる。
断面L字状のストツパ片53が、スラスト軸受32の内軌道
輪33の延長部34の外周に取りつけられている。ストツパ
片53は、延長部34の外周への取り付け可能とするアキシ
アル部54と、軸方向係止片47のラジアル部48と接触して
組立て時に硬い点を形成可能なラジアル部55とから成
る。
第10図に示したクラッチ軸受装置は、一方においてダイ
アフラム13の片側と当接し、他方において係合片36の支
持カラー40の端縁と当接する弾性部材56によって完成さ
れる。つまり弾性部材56は、係合片36が上記の把持によ
って弾性的にダイアフラム13と接触して固定されること
を保証する。
次に、第10図に示したクラッチ軸受装置を“ブラインド
タッチ”で取りつける作業を示す第11a〜11b図を参照し
て説明する。
第11a図から明らかなように、ボールケージ41は初め、
弾性部材56によってダイアフラム13と一体状の係合片36
の孔内に装着される。第10図に示した制御部材11の作用
に基づくスラスト軸受2のダイアフラム13の方へ向かう
軸方向移動が、第11a図に示してある。前例と同じく、
ボール43を保持している弾性保持突片42aの面取り部42b
が、内軌道輪33の延長部34と同様に面取りされた端部と
接触するときに、前心合せを保証する。ボール43も延長
部34の面取り端部と接触するが、解放小室38方向へと半
径方向外方に移動可能である。
スラスト軸受32に対する上記の押圧動を継続した状態が
第11b図に示してあり、ボール43が解放小室38内にとど
まりながら、延長部34の端部上を転動することが同図か
ら明らかであろう。また、これらの作業中、ボールケー
ジ41は、環状溝45内に位置した支持リム44によって係合
片36に対し軸方向に係止されたままであることに注意さ
れたい。軸方向係止片47は、その鉤50がスナップ嵌め溝
51と相互作用する第1の位置にあることによってボール
ケージ41の軸方向の移動を許容している。
第11c図は次の状態を示しており、この状態では弾性保
持突片42aの作用で、ボール43が保持溝35内に入り込ん
でいる。そして、軸方向係止片47とストツパ片53が衝突
する結果として、作業員は硬い手応えの点を感じ取る。
つまり作業員は、クラッチ軸受装置の組立が完成された
ことを認識する。次いで作業員がスラスト軸受32に引張
力を加え、それを予荷重の状態に置くことによって、組
立全体が第11d図に示した構成となり、これは第10図の
ものと等しい。スラスト軸受32に加わる上記の引張り移
動は、ボール43を保持溝35内に保持したまま、ボールケ
ージをシフトさせる。スラスト軸受32と一緒に移動する
途中で、ボール43は楔状小室37と相互作用する。ボール
ケージ41は軸方向に移動して、支持リム44が環状溝45か
ら離れる。
第12a〜12d図は、クラッチ軸受装置を“ブラインドタッ
チ”で取り外し可能とする作業を示している。
まずオペレータが、制御部材11を操作することによって
スラスト軸受32に軸方向の押圧力を加え、ストツパ片53
と軸方向係止片47間の接触に対応する硬い手応え点に達
するまで、スラスト軸受32をダイアフラム13に接近させ
る。作業員が上記の硬い手応え点を越えて作用を続ける
と、軸方向係止片47のアキシアル部49の突片が弾性変形
し、その鉤50がスナップ嵌め溝51から離れて第2の溝52
にスナップ嵌めされる。スナップ嵌め溝51から第2の溝
52への移行過程が、第12a図に示してある。また同図か
ら、スラスト軸受32に加わる押圧力が保持溝35を介して
ボール43とボールケージ41を駆動し、支持リム44が環状
溝45内へ徐々に進入しつつあることが明らかであろう。
押圧作用の最終状態が第12b図に示してあり、この状態
では鉤50が第2の溝52内に進入する一方、支持リム44が
環状溝45内へ完全に挿入されている。ただし、ボール43
はまだ保持溝35内に保持されており、したがって解放小
室38と対向して位置する。
それ以上押圧移動を続けるのが不可能なことを感じ取っ
た作業員は、第12c図に示すように、押圧力を越える引
張力をスラスト軸受32に加える。これによって、ボール
43は延長部34の外周上を転動しながら解放小室38内へと
半径方向外側に移動する一方、弾性保持突片42a内に弾
性的に保持されたままである。ボールケージ41は軸方向
係止片47によって、係合片36に対し軸方向に係止され続
ける。
第12d図は最終状況を示しており、ここではスラスト軸
受32が完全に取り外されている。ボールケージ41はダイ
アフラム13に固着された係合片36の孔内に着座したまま
である。
第13図に示した実施例は第10図に示した実施例と比べ、
係合片36の弾性係止部材の構造においてのみ異なる。第
13図において、同一の部品はこれまでの図面中と同じ参
照番号で示す。この実施例では、弾性保持部材57が弾性
波状部を備えた弯曲ワッシャから成り、係合片36を把持
するためにダイアフラム13のフィンガー間を通過する取
りつけ突片58を有する。弾性保持部材57はスナップ嵌め
突片59も有し、これが第10図の実施例における軸方向係
止片47の場合と同じく、スナップ嵌め溝51または第2の
溝52と相互作用可能である。弾性保持部材57は複数の突
片から成る部材60として延出しており、各部材はラジア
ル部61とアキシアル部62を備え、そのラジアル部61によ
って、第10図に示した軸方向係止片47と同じボールケー
ジを軸方向に係止する機能を果たす。
(発明の効果) 以上明らかなように、本発明によるクラッチ軸受装置
は、スラスト軸受の取りつけと取り外しを簡単に“ブラ
インドタッチ”で行なうことを可能とする。また、本発
明の装置はボールによるスナップ嵌め機構であるため、
非常に高い動作上の安全性を有する。かかる装置は、極
めてわずかな軸方向のスナップ嵌め力を必要とするだけ
である。取りつけ中硬い手応え点が現れることで、係合
作業の停止が正確に指示される。さらに、ボールによる
スナップ嵌め装置の構造であるため、着脱作業中に引っ
掛かって動かなくなる虞れが除去される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるクラッチ装置の第1の実施例の断
面図、第2図は第1図に示した装置のボールケージの部
分側面図、第3図及び第4図は第2図のIII−III,IV−
IV線に沿った部分断面図、第5図はボールケージ中の1
つのボールと各小室の形状を概略的に示す拡大部分断面
図、第6図は第5図のVI−VI線に沿った断面図、第7図
は第5図の矢印F方向から見た平面図で各小室の形状も
示す、第8a〜8d図は第1図に示したクラッチ軸受装
置の設置時における取付作業を概略的に示す部分断面
図、第9a〜9d図は第1図に示したクラッチ軸受装置
の取り外し時におけるそれぞれ異なった状態を示す概略
断面図、第10図は本発明によるクラッチ軸受装置の第2
実施例の断面図、第11a〜11d図は第10図に示したような
クラッチ軸受装置の取付時における異なった状態を概略
的に示す、第12a〜12d図は同クラッチ軸受装置の取り外
し時における異なった状態を同じように示す、及び第13
図は本発明によるクラッチ軸受装置の第3図実施例の断
面図である。 1,36……係合片 2,32……スラスト軸受 3,41……ボールケージ 6,33……内軌道輪 10……案内管 13……ダイアフラム 14,56,57……弾性手段 22,42……収容部 23,43……ボール 24,35……保持溝 25,37……楔状領域(小室) 26,30,38……解放領域 (26……解放溝、30,38……小室) 26,42a……弾性保持突片 29,44……支持リム 34……内軌道輪の一部材(延長部) 47……軸方向係止片 60……部材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弾性手段によってクラッチのダイアフラム
    (13)と永久接触する状態に保たれる係合片(1,36)と、制
    御部材(11)の作用に基づき案内管(10)上を軸方向に摺動
    可能なスラスト軸受(2,32)と、係合片またはスラスト軸
    受の一部材のいずれかに形成された保持溝(24,35)を有
    する上記スラスト軸受と係合片を軸方向に結合可能とす
    る結合手段とから成る引張型クラッチ軸受装置におい
    て、 上記結合手段は、ボールケージ(3,41)と、係合片とスラ
    スト軸受の間に装着され、作動位置にて楔状領域(25,3
    7)と上記保持溝と相互作用可能な複数のボール(23,43)
    とから成り、軸方向の係止を保証すると共に、取り外し
    時には上記楔状領域の外側に形成された解放領域(30,3
    8)と相互作用可能で、上記楔状領域と解放領域がスラス
    ト軸受の上記部材かまたは係合片に形成されており、結
    合手段を側方に移動させることにより分解を可能として
    いる一方で、スラスト軸受と係合片を互いにスナップ嵌
    合することにより結合を許容していることを特徴とする
    クラッチ軸受装置。
  2. 【請求項2】各楔状領域(25,37)は、チップを除去しな
    い機械加工によって得られかつ半径方向平面内において
    ボールケージのボールより大きい曲率半径を有する第一
    の楔状小室から成り、各解放領域(30,38)は、チップを
    除去しない機械加工によって得られ、上記第一の楔状小
    室に解放しており、さらに第一の楔状小室より大きい空
    所を有する第二の解放小室から成ることを特徴とする特
    許請求の範囲第(1)項に記載のクラッチ軸受装置。
  3. 【請求項3】楔状領域(25)及び解放領域(30)がスラスト
    軸受(2)の内軌道輪(6)の一部の内周に形成され、保持溝
    (24)が係合片(1)の外周に形成されていることを特徴と
    する特許請求の範囲第(1)項に記載のクラッチ軸受装
    置。
  4. 【請求項4】係合片(1)の外周が取り外し時にボール(2
    3)を受け入れるための解放溝(18a)を有することを特徴
    とする特許請求の範囲第(3)項に記載のクラッチ軸受装
    置。
  5. 【請求項5】ボールケージ(3)が、取り外し時に、ボー
    ルケージ(3)の軸方向移動を阻止する機能を果たし、係
    合片(1)の保持溝(24)と相互作用可能な1つ以上の係止
    ビード(28)を有することを特徴とする特許請求の範囲第
    (3)項に記載のクラッチ軸受装置。
  6. 【請求項6】ボールケージ(3)が、スラスト軸受(2)の内
    軌道輪(6)の端部と相互作用する軸方向支持リム(29)を
    有することを特徴とする特許請求の範囲第(3)項に記載
    のクラッチ軸受装置。
  7. 【請求項7】楔状領域(37)及び解放領域(38)が係合片(3
    6)の内周に形成され、保持溝(35)がスラスト軸受(32)の
    内軌道輪(33)の一部(34)の外周に形成されていることを
    特徴とする特許請求の範囲第(1)項に記載のクラッチ軸
    受装置。
  8. 【請求項8】ボールケージ(41)が係合片の端部と相互作
    用する軸方向支持リム(44)を有することを特徴とする特
    許請求の範囲第(7)項に記載のクラッチ軸受装置。
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