JPH0248557Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば一次覆工コンクリートと二次
覆工コンクリートとの間に配設され、一次覆工コ
ンクリート側からの湧水が二次覆工コンクリート
側に漏水するのを防止するなど、土木工事用に好
適に用いられる防水シートに関する。

従来、トンネルの一次覆工コンクリートと二次
覆工コンクリートとの間に防水シートを配設し、
一次覆工コンクリート側からの湧水が二次覆工コ
ンクリート側に漏水するのを防止することが行な
われている。この場合、防水シート相互は順次漏
水漏れが生じないようにホツトメルト系接着剤を
用いて熱融着する方法が広く採用されているが、
防水シートをホツトメルト系接着剤を用いて接続
する場合、ホツトメルト系接着剤は溶融してノズ
ルから押出すか或いは紐状のホツトメルト系接着
剤を専用のアプリケーターで加熱しながら吐出し
ているが、いずれにしろ大規模な装置を要すると
いう問題があつた。また、互に接続すべき防水シ
ートを接続する場合にその所用の接続箇所に両防
水シートを正確に位置合せして熱融着しなければ
ならないが、位置合せを正確に行ないつつ熱融着
作業を行なうことは非常に面倒であり、位置合せ
が正確に行なわれないためにしばしば接続部に熱
融着不良箇所が生ずる問題もあつた。

更に、熱融着後、この熱融着部に熱融着されて
いない不良箇所があるか否かを試験するのが困難
であり、熱融着部にある不良箇所に気づかぬまま
施工し、施工後この不良箇所から漏水が生ずるこ
ともあつた。

本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、大
規模な装置を必要とせず、防水シートを容易に熱
融着して接続することができると共に、防水シー
トを互に熱融着により接続する場合、所用の接続
箇所に簡単にしかも正確に位置合せして熱融着を
行なうことができ、このため熱融着作業を簡便に
行なうことができ、かつ熱融着後、熱融着が良好
に行なわれたか否かの試験を容易かつ確実に行な
うことができる防水シートを提供することを目的
とする。

即ち、本考案は上記目的を達成するため、防水
シート主体の一面一側端部に熱融着性膜層を形成
すると共に、この熱融着性膜層上にこれより幅の
狭い粘着剤層を熱融着性膜層の長さ方向に沿つて
連続して形成し、この粘着剤層上に剥離テープを
剥離可能に積層したものであり、この防水シート
を他の防水シートと接続する場合、他の防水シー
トを粘着剤層により仮着し、次いで熱融着性膜層
を加熱溶融して両シートを熱融着することによ
り、両シートを接続するようにしたものである。

以下、本考案の一実施例につき図面を参照して
説明する。

図中１は防水シートを示し、この防水シート１
は、合成樹脂シートからなる防水シート主体２の
一面一側端部に第１粘着剤層３を介して熱融着性
膜層４が形成されていると共に、この熱融着性膜
層４上に第２粘着剤層５が形成され、かつ第２粘
着剤層５上に剥離テープ６が剥離可能に積層され
た構成とされている。前記第１及び第２粘着剤層
３，５はいずれも熱融着性膜層４よりも幅が狭く
形成され（例えば熱融着性膜層４の１／10〜２／
３の幅）、かつ熱融着性膜層４の長さ方向両端間
に連続して形成されている。なお、熱融着性膜層
４はエチレン−酢酸ビニル共重合体系、その他の
ホツトメルト系接着剤にて通常0.02〜１mm、特に
0.1〜0.3mmの厚さに形成されており、また粘着剤
層３，５は例えば天然又は合成ゴム（NR、
SBR、NBR等）系粘着剤、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体系粘着剤、アクリル系粘着剤などによ
つて形成され、剥離テープ６は紙やプラスチツク
フイルムをシリコーン樹脂で処理したものなどに
より形成される。

上述した防水シート１を用いて他の防水シート
を接続する場合は、第３図に示したように、剥離
テープ６を剥離除去して第２粘着剤層５を露呈さ
せ、この第２粘着剤層５に他の防水シート１′を
貼着仮止する。次に、第３図中矢印で示したよう
に両シート１，１′の接続箇所を加熱して熱融着
性膜層４を溶融し、第４図に示したように両シー
ト１，１′を熱融着するものである。

従つて、この防水シート１を用いることによ
り、まず他の防水シート１′を第２粘着剤層５の
粘着作用で仮着することができるので、両シート
１，１′の接続の位置合せが簡単かつ正確に行な
い得るものである。そして、このように他のシー
ト１′を仮着した状態で熱融着を行なえばよいの
で、熱融着作業が非常に容易になり、かつ両シー
ト１，１′が互にその所用の接続箇所において確
実に接続されると共に、正確に位置決めされた状
態において容易に熱融着作業が行なわれるので、
熱融着が良好に行なわれ、熱融着部７，７に融着
不良が生じ難いものである。

また、このようにして互に熱融着されたシート
１，１′は、両粘着剤層３，５とシート１，１′と
の間にそれぞれ圧搾空気を導入すると、シート
１，１′に付着されていた粘着剤層３，５がシー
ト１，１′からそれぞれ剥離され、粘着剤層３，
５とシート１，１′との間を圧搾空気が流れるが、
もし前記熱融着部７，７に熱融着不良があり、未
接着部が形成されている場合、そこから圧搾空気
が漏れるので、熱融着部７，７に熱融着不良があ
るか否かを簡単に試験することができるものであ
る。

更に、粘着剤層３，５をエチレン−酢酸ビニル
共重合体系粘着剤にて形成した場合、これはホツ
トメルト系接着剤との相溶性がよく、熱融着時に
この粘着剤層３，５が融解して熱融着性膜層４と
一体化される。

なお、上記実施例では防水シート主体２に第１
粘着剤層３を介して熱融着性膜層４を形成した
が、第５図に示したように熱融着性膜層４はシー
ト主体２に直接形成してもよく、また第１、第２
粘着剤層３，５の形成位置は任意であり、更に複
数列形成することができ、その他の構成について
も本考案の要旨の範囲内で種々変更して差支えな
い。

以上説明したように、本考案の防水シートは、
防水シート主体の一面一側端部に熱融着性膜層を
形成すると共に、この熱融着性膜層上にこれより
幅の狭い粘着剤層を熱融着性膜層の長さ方向に沿
つて連続して形成し、この粘着剤層上に剥離テー
プを剥離可能に積層したことにより、このシート
に他の防水シートを熱融着により接続する場合、
まず他の防水シートを粘着剤層に仮着し、次いで
熱融着性膜層を加熱溶融して熱融着し得るので、
他の防水シートを粘着剤層に仮着する際に他の防
水シートをその所用の接続箇所に簡単にしかも正
確に位置合せでき、かつ他の防水シートをこのよ
うに粘着剤層により仮着した状態で熱融着できる
ので、熱融着作業が簡便に行なわれ、しかも熱融
着後、粘着剤層と他の防水シートのシート主体と
の間に圧搾空気を導入して熱融着部の良否を簡単
に試験し得、それ故たとえ熱融着部に不良箇所が
あつても直ちに発見でき、修理できるので、防水
シートの接続を漏水が生じないように確実に行な
うことができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２
図は同例の断面図、第３図及び第４図はそれぞれ
同例を用いてシートを接続する場合の態様を説明
する概略断面図、第５図は本考案の他の実施例を
示す断面図である。 １，１′……防水シート、２，２′……防水シー
ト主体、３……第１粘着剤層、４……熱融着性膜
層、５……第２粘着剤層、６……剥離テープ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 防水シート主体の一面一側端部に熱融着性膜
   層を形成すると共に、この熱融着性膜層上にこ
   れより幅の狭い粘着剤層を熱融着性膜層の長さ
   方向に沿つて連続して形成し、この粘着剤層上
   に剥離テープを剥離可能に積層してなることを
   特徴とする防水シート。 ２ 防水シート主体に熱融着性膜層をこれより幅
   の狭い粘着剤層を介して形成した実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の防水シート。 ３ 防水シート主体に熱融着性膜層を直接形成し
   た実用新案登録請求の範囲第１項記載の防水シ
   ート。