JP2009024490A - 突出体周りの防水構造 - Google Patents

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Yoshitaka Higashida
義孝 東田
Atsushi Nakabayashi
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Abstract

【課題】長期にわたって防水性能を維持することができ、さらに、作業が簡単なために作業者の熟練によってその防水性能が左右されることが少ない、突出体周りの防水構造を提供すること。
【解決手段】パイプ周りの防水構造は、融着層15で被覆された金属製の固定板10と、筒部11aと筒部11aから外側に張り出した接合部11bとを有するゴム製の筒状成型体11とを備えている。そして、固定板10が下地2に固定されるとともに、筒状成型体11の筒部11aがパイプPに被せられた状態で、その接合部11bが固定板10に融着層15を介して熱融着される。さらに、筒状成型体11の接合部11bに、下地2を覆うゴム製の防水シート12が接合される。
【選択図】図2

Description

本発明は、建築構造物の外面から突出する突出体の周囲を防水する、突出体周りの防水構造に関する。
ビルなどの建築構造物の屋上において、コンクリート等からなる下地を、加硫ゴムや合成樹脂(塩化ビニル樹脂等)からなる防水シートで覆うことにより防水処理を施すことが一般的に行われている。ところで、このような屋上の平場表面(屋上底面)において、平場を貫通する排気管などのパイプが底面から突出するように設置されている場合がある。
従来、このような、平場表面から突出したパイプ等の突出体の周囲に、加硫ゴム製の防水シートを用いて防水処理を施す場合には、以下のような防水構造が採用されていた。即ち、図6に示すように、平場105の下地100の表面と突出体であるパイプPの表面に沿うように非加硫ゴムシート101が配置され、この非加硫ゴムシート101に、平場105を覆う加硫ゴム製の防水シート102が重ね合わされて、接着剤等により接合される。また、非加硫ゴムシート101と防水シート102とに跨るようにシールテープ103が巻き付けられる。さらに、シールテープ103と防水シート102に跨るように、加硫ゴムからなるシート材104が貼り付けられる。最後に、シート102,103,104の端部に流動性を有するシール材106を注入して固化させることで、防水処理を完了する。
また、上記構造以外にも様々な防水構造が提案されている。例えば、特許文献1には、平場に設けられた支柱等の突出部に、塩化ビニル樹脂製の筒状体が被せられ、この筒状体の内側に合成樹脂製防水剤が充填された防水構造が開示されている。
また、特許文献2には、パイプの周囲において防水シートの端縁部が平場の下地面に固定された後に、この防水シートの端縁部が、不定形のシール材を介して、複数の短冊状細片からなる押え具により下地面に押圧された、防水構造が開示されている。
さらに、特許文献3の防水構造においては、パイプの周囲まで敷設された防水シート上に、このパイプの外周に配置された環状受け盤と環状押え盤とが設置されている。環状受け盤は、防水シートを貫通するアンカー部材により下地面に固定されている。また、環状受け盤と環状押え盤は、それらの間に接合用シート片を挟んだ状態でボルトにより連結され、さらに、接合用シート片の外周縁部は防水シートに接合されている。
特開平6−42121号公報 特開平11−36536号公報 特開2001−227679号公報
図6に示すような従来の防水構造は、主に、平場からパイプに沿うように設けられた非加硫ゴムシート101とシール材106で、防水シート102とパイプP、及び、下地100との間をシールするものであるため、シートやシール材の剥離等が生じやすいことから、長期にわたって防水性能を確実に維持できるものではなく、信頼性が低い。また、非加硫ゴムシート101を、下地100とパイプPの間で略直角的に沿わせることは困難であるために浮きが生じやすく、また、時間経過によってその浮きは大きくなる。この浮きが生じることにより、防水シート102とパイプP、及び、下地100との間のシール性が損なわれたり、あるいは、強風による負圧発生で防水シート102が、他のシートとともにはぎ取られたりする虞があった。さらに、シール材106に頼った防水処理は、施工現場の状況に依存する部分が大きいために作業手順が定まっておらず、不慣れな作業者では仕上げに長時間を要したり、あるいは、シールが不完全になって水漏れが発生したりするという問題があった。
また、特許文献1の防水構造においては、筒状体の内側に合成樹脂製防水剤を流し込んで突出部外周にシール層を形成する必要があるが、良好なシール層を形成するには、ある程度の熟練を有する作業者でないと難しく、不慣れな作業者では水漏れが生じてしまう虞がある。また、合成樹脂製防水剤を使用することによって施工コストが高くなるという問題もある。
また、特許文献2の防水構造は、基本的には不定形のシール材により、防水シートと、パイプ及び下地との間のシール性を確保するものであるが、不慣れな作業者ではシール材の注入により良好なシール層を形成することが難しく、シール性を確保することができない。
特許文献3の防水構造は、流動性を有する不定形のシール材は使用されていないが、環状受け盤を下地面に固定するアンカー部材が、環状受け盤の下に位置する防水シートを貫通しているために、この貫通部分から水漏れが生じる虞がある。
本発明の目的は、長期にわたって防水性能を維持することができ、さらに、作業が簡単なために作業者の熟練によってその防水性能が左右されることが少ない、突出体周りの防水構造を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
第1の発明の突出体周りの防水構造は、建築構造物の外面に突出する突出体の周囲を防水する、突出体周りの防水構造であって、
一方の面が融着層で被覆され、前記突出体を取り囲むように配置された状態で他方の面において前記建築構造物外面に固定される金属製の固定板と、前記突出体に密着状に被せられた筒部と、前記筒部から外側に張り出すとともに前記固定板の前記一方の面と前記融着層を介して熱融着される接合部とを有する、ゴム製の筒状成型体とを備え、前記筒状成型体の接合部に、前記建築構造物の外面を覆うゴム製の防水シートが接合されることを特徴とするものである。
この突出体周りの防水構造においては、筒状成型体の筒部が突出体に密着状に被せられた状態で、筒状成型体の接合部が、固定板の一方の面に、融着層を介して熱融着される。また、固定板の他方の面が、突出体が設けられた建築構造物の外面に固定される。さらに、筒状成型体の接合部に防水シートが接合される。
突出体に被せられる筒状成型体が、筒部とこの筒部から外側に張り出した接合部とが一体成型された部材であるから、シート状の部材とは異なり、建築構造物外面と突出体との間の隅部に対して浮きが生じにくい。そのため、水漏れが抑えられて防水性能が向上し、また、強風時の負圧発生等によって防水シートが筒状成型体とともに剥ぎ取られてしまうことが防止される。さらに、筒状成型体は、ビスやボルト等のアンカー部材によって建築構造物に強固に固定される固定板に熱融着によって接合され、筒状成型体と固定板とが一体化される。つまり、筒状成型体が固定板を介して建築構造物に強固に固定されるため、筒状成型体に接合された防水シートが、建築構造物外面から剥がれてしまうのがより確実に防止される。また、建築構造物の下地に固定板と筒状成型体が固定された後に、防水シートが筒状成型体に接合された構造であることから、固定板を下地に固定するためのビスやボルト等が防水シートを貫通することはなく、それによる防水性能の低下は生じない。
さらに、筒状成型体の筒部が突出体に密着状に被せられるとともに、筒部から張り出した接合部が固定板に熱融着で接合されることによって、突出体の側面を伝って下地へ水が漏れるのが確実に防止されることから、主に不定形のシール材によって防水性能が確保される従来構造と比べて、防水の信頼性が高い。また、固定板と筒状成型体との熱融着や、固定板の下地への固定など、不慣れな作業者でも比較的に簡単に行うことができる作業工程が主であることから、作業者の熟練によって防水性能が大きく左右されない。
第2の発明の突出体周りの防水構造は、前記第1の発明において、前記固定板は、前記突出体の外面に沿った形状を有する切欠部がそれぞれ形成された、複数の分割板からなることを特徴とするものである。
このように、固定板が複数の分割板に分割されている場合には、複数の分割板を、それらの切欠部が突出体の外面に沿うようにそれぞれ配置することにより、突出体を複数の分割板で取り囲むことができる。従って、突出体が連続的に延びる配管等である場合でも、この突出体を取り囲むように固定板を配置することが可能になる。
第3の発明の突出体周りの防水構造は、前記第1又は第2の発明において、前記筒状成型体は、その周方向の一カ所において分断されていることを特徴とするものである。
このように、筒状成型体が周方向一カ所において分断されていると、ゴム製の筒状成型体をその分断部において一旦広げてから、突出体をその側方から挟み込み、その後、分断部を閉じることにより、筒状成型体の筒部を突出体に密着状に被せることができる。従って、突出体が連続的に延びる配管等である場合でも、この突出体の途中部に筒状成型体を装着することが可能となる。
第4の発明の突出体周りの防水構造は、前記第3の発明において、前記筒部が前記突出体に被せられた状態で、前記筒状成型体の周方向分断部がテープ材によって閉じられていることを特徴とするものである。
このように、筒状成型体の分断部がテープ材で閉じられることにより、筒部の突出体に対する密着状態が維持され、突出体と筒状成型体との間への水の浸入が防止される。
第5の発明の突出体周りの防水構造は、前記第1〜第4の何れかの発明において、前記防水シートは、前記固定板の一方の面と前記融着層を介して熱融着され、さらに、この固定板に熱融着で接合された前記防水シートと前記筒状成型体の接合部とに跨って接合シートが貼り付けられ、前記防水シートと前記接合部とが前記接合シートを介して接合されることを特徴とするものである。
このように、防水シートが固定板の一方の面に融着層を介して熱融着され、さらに、接合シートによって筒状成型体の接合部と接合されるため、防水シートが固定板及び接合部と強固に接合され、突出体周りで剥がれてしまうのが防止される。
第6の発明の突出体周りの防水構造は、前記第1〜第4の何れかの発明において、前記防水シートは、前記固定板の一方の面と前記融着層を介して熱融着され、さらに、前記防水シートの、前記固定板に熱融着で接合された部分よりも前記突出体側の部分が、前記接合部の上に重ねられた状態で前記接合部と直接接合されていることを特徴とするものである。
このように、防水シートが固定板の一方の面に融着層を介して熱融着され、さらに、その熱融着部分よりも先の部分が接合部と直接接合されていることから、防水シートが固定板及び接合部と強固に接合され、突出体周りで剥がれてしまうのが防止される。
第7の発明の突出体周りの防水構造は、前記第1〜第6の何れかの発明において、前記突出体に被せられた前記筒部に、締付用のバンドが装着されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、筒部がバンドによって締め付けられることにより、筒部と突出体との密着状態が強化されるため、突出体と筒状成型体との間への水の浸入が確実に防止される。
第8の発明の突出体周りの防水構造は、前記第1〜第7の何れかの発明において、前記筒部の先端部と前記突出体との間にシール材が注入されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、筒部と突出体との間への水の浸入が、シール材によって確実に防止される。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施形態は、建築物(建築構造物)の屋上の平場(底面)に突出状に設置された、パイプ(突出体)の周囲を防水する防水構造に本発明を適用した一例である。
図1は、屋上の平場のパイプ周辺部分の斜視図、図2は、図1の鉛直断面図である。図1、図2に示すように、建築物1の屋上に設けられた平場5の上面には、ゴム製の防水シート12が敷設されている。また、平場5の、コンクリートからなる下地2には、この下地2を貫通して上方へ連続的に延びる金属製の円筒状のパイプP(突出体)が、平場5の上面から突出するように設けられている。
このパイプPの周囲を防水するパイプ周りの防水構造について、以下詳細に説明する。図1、図2に示すように、本実施形態のパイプ周りの防水構造は、パイプPを取り囲むように配置されるとともに、このパイプPが突出する平場5の上面に固定される金属製の固定板10と、筒部11a及び接合部11bとを有するゴム製の筒状成型体11とを備えている。そして、下地2に固定された固定板10の上面に筒状成型体11が接合された状態で、さらに、平場5の上面を覆うゴム製の防水シート12がこの筒状成型体11に接合されることにより、パイプPの周囲が筒状成型体11及び防水シート12とで覆われて防水される。
図3(a)は固定板10の平面図、図3(b)は(a)のB−B線断面図である。図3に示すように、固定板10は、ほぼ正方形状の平面形状を有する板状部材であるが、互いに対称な形状を有する2枚の分割板20に分割されている。
2枚の分割板20には、円筒状のパイプPの外径とほぼ同径で、パイプPの外面に沿うことができるような、半円状の切欠部20aがそれぞれ形成されている。従って、2枚の分割板20を、パイプPを2方向から挟み込むように移動させ、それぞれの半円状の切欠部20aがパイプPの外面に沿うように配置することにより、連続的に上方へ延びるパイプPを2枚の分割板20で取り囲むことができる。
また、固定板10の2枚の分割板20の外縁部には、複数のビス13(図2参照)がそれぞれ挿通される、複数のビス穴20bが形成されている。そして、これら複数のビス穴20bに挿通された複数のビス13により、2枚の分割板20は、図1の下面において平場5の下地2に強固に固定される。尚、ビス13の代わりに、ボルト等の他のアンカー部材が使用されてもよい。
この固定板10(分割板20)としては、鉄、炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウム等、様々な金属材料からなるものを使用できる。但し、固定板10は、水が存在する環境下に設置されることから、耐食性を有する材料、例えば、表面にメッキや塗装などの耐食処理が施された鋼板や、耐食性の高いステンレス鋼板、あるいは、アルミニウム板などで形成されることが好ましい。
さらに、2枚の分割板20の一方の面(図2における上面)は、次述の筒状成型体11を熱融着で接合するための融着層15で被覆されている。この融着層15は、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルム等の熱可塑性素材からなる層である。融着層15として使用できる熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレンエチルアクリレート(EEA)樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、エチレン酢酸ビニル(EVA)樹脂や、熱可塑性ゴム(TPR)を好適に使用できる。さらに、融点が80〜160℃の範囲にある熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。融着層15を構成する熱可塑性樹脂の融点が上記範囲内にあると、夏場など高温になっても融着層15が軟化することがなく、一方で、熱風などの一般的な加熱手段で融着層15を十分に融解させることができるため、融着不良の発生を防止できる。
また、後ほど説明するが、この融着層15は固定板10と防水シート12とを熱融着で接合する役割も果たす。そこで、融着層15の厚みは、30〜300μmの範囲にあることが好ましい。融着層15の厚みが上記範囲内にあると、防水シート12の表面に帆布模様などのパターンがあっても溶融した樹脂が入り込むことができ、十分な融着強度を得ることができる。また、融着層15の厚みが大きすぎると、防水シート12との熱膨張係数の差による反りが発生しやすくなるが、厚みを上記範囲にすることで反りの発生を抑制することができる。
図4は、筒状成型体11の斜視図である。筒状成型体11は、パイプPに密着状に被せられる筒部11aと、この筒部11aの一端から外側(筒部11aの軸方向と直交する径方向)に張り出した接合部11bとを有する。筒部11aと接合部11bはゴム材料(加硫ゴム)で一体成型されている。
筒部11aはパイプPの外径とほぼ等しい内径を有し、パイプPに被せられたときに、その内面がパイプPの外面に密着するようになっている。そして、筒部11aはパイプPに密着状に被せられた状態で、パイプPの外面と接着剤で接着される。使用される接着剤は、クロロプレンゴムを主成分とするもので、例えば、ネオ・ボンドR(三ツ星ベルト株式会社製)や、ブチルゴムを主成分とするもので、例えば、ネオボンド110JS(三ツ星ベルト株式会社製)を挙げることができる。また、接合部11bは、筒部11aの下端から環状に張り出した形状を有する。この接合部11bの図2における下面は、下地2に固定される固定板10の上面と、融着層15を介して熱融着によって接合される。
また、図4に示すように、筒状成型体11は、その筒部11aと接合部11bにわたって1本の切れ目が形成されており、これによって、筒状成型体11は、その周方向1カ所において分断されている。このように、筒状成型体が周方向一カ所において分断されていると、ゴム製の筒状成型体をその分断部11cにおいて一旦広げてから、パイプPをその側方から挟み込み、その後、分断部11cを閉じることにより、筒状成型体11の筒部11aをパイプPに密着状に被せることができる。従って、連続的に延びるパイプPの途中部に筒状成型体11を装着することができる。さらに、筒状成型体11が周方向1カ所で分断されていると、パイプPの外径とほぼ等しい内径を有する筒部11aを、パイプPに被せた後にパイプPの軸方向に移動させて、その軸方向位置を調整することも容易である。
尚、図1に示すように、筒状成型体11がパイプPに装着された後には、その分断部11cはテープ材17で閉じられる。これにより、筒部のパイプPに対する密着状態が維持され、パイプPと筒状成型体11との間への水の浸入が防止される。
さらに、図1、図2に示すように、パイプPに被せられた筒部11aの上端部外周には、耐食性を有するステンレス鋼等からなる締付バンド18が装着される。このように、筒部11aが締付バンド18によって締め付けられることにより、筒部11aとパイプPとの密着状態が強化され、パイプPと筒状成型体11との間への水の浸入が一層防止される。さらに、筒部11aの先端に流動性を有する不定形のシール材19が盛られて、筒部11aの先端部内面とパイプP外面との間にシール材19が注入される。使用できるシール材としては、ブチルゴム系、ポリウレタン系、変性シリコン系、ポリサルファイド系等のシール材が挙げられる。これにより、筒部11aとパイプPとの間への水の浸入が、シール材19によって確実に防止される。
平場5の下地を覆う防水シート12は加硫ゴムを基材とする耐水性シートであり、この防水シート12にはパイプPが挿通される穴12aが形成される。そして、この穴12aの周囲部分が固定板10の上面に融着層15を介して熱融着されることにより、防水シート12は固定板10と接合される。尚、防水シート12としては、エチレンプロピレンゴムやブチルゴム等からなるものを使用できる。
尚、防水シート12の穴12aは、その穴径がパイプPの外径とほぼ同じ大きさになるように精度よく形成する必要は特にない。即ち、防水シート12の穴12aの周囲部分を、パイプPを取り囲むように全周にわたって、固定板10の上面に接合できる範囲内であれば、穴12aの径をパイプPの外径よりも十分大きくしても、この防水シート12と下地2との間に水が漏れることがない。そのため、防水シート12への穴加工が容易となる。
さらに、図1、図2に示すように、固定板10の上面に熱融着で接合された、筒状成型体11の接合部11bと防水シート12とに跨って、ゴム製の接合シート21が貼り付けられる。より具体的に説明すると、図1に示すように、接合シート21は、筒状成型体11の筒部11aの外面に沿う半円状の内縁と、同じく半円状の外縁とを有する、弧状のシートであり、筒部11aのほぼ全周を囲うように貼り付けられる。各々の接合シート21の下面(接合面)は、熱可塑性樹脂の樹脂フィルムからなる融着層22によって被覆されている。尚、この融着層22として使用できる熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレンエチルアクリレート(EEA)樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、エチレン酢酸ビニル(EVA)樹脂や、熱可塑性ゴム(TPR)を好適に使用できる。
また、この融着層22も、上述した分割板20の表面の融着層15と同様の理由から、融点が80〜160℃の範囲にある熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。さらに、融着層22の厚みは、30〜300μmの範囲にあることが好ましい。
そして、この接合シート21の下面と、接合部11bの上面、及び、防水シート12の上面とが、それぞれ、融着層22を介して熱融着される。これにより、接合部11bと防水シート12とが、接合シート21を介して強固に接合されることになる。
次に、上述した固定板10及び筒状成型体11を用いた、パイプ周りの防水処理について説明する。
まず、一方の面が予め融着層15で被覆された、固定板10の2枚の分割板20を、それらの半円状の切欠部20aをそれぞれパイプPの外面に沿わせながらパイプPを挟み込み、パイプPを取り囲むように平場5の下地2上面に配置する。そして、固定板10のビス穴20bにビス13を挿通し、複数のビス13によって固定板10を下地2に固定する。
次に、筒状成型体11の内面(又は、パイプPの外面)に接着剤を塗布した後、筒状成型体11をその分断部11cにおいて広げて、パイプPをその側方から挟み込む。そして、筒部11aをパイプPの外面に密着させながらパイプPに被せ、さらに、接着剤で筒部11aをパイプPに接着する。このように、筒部11aをパイプPに被せた後、筒状成型体11の分断部11cをテープ材17で閉じておく。
また、筒部11aをパイプPに被せると同時に、接合部11bを固定板10の上面に当接させる。そして、接合部11bを、固定板10の上面に融着層15を介して熱融着し、筒状成型体11と固定板10(2枚の分割板20)とを一体化する。これにより、固定板10を介して、筒状成型体11を下地2に強固に固定することができる。また、筒状成型体11が、筒部11aとこの筒部11aから張り出した接合部11bとが一体成型された部材であり、接合部11bが固定板10に接合されることにより、筒状成型体11が、パイプPと平場5との間の隅部から浮きにくくなっている。
尚、ゴム製の筒状成型体11を下地2に直接固定しようとすると、屋上の改修時など下地表面の凹凸が大きい場合には、接合を確実にするために下地2の凹凸を注入材で埋めて、下地2を平坦化する作業が必要となる。しかし、本実施形態においては、下地2には、金属製の固定板10がビス13によって固定され、筒状成型体11は下地2に直接接合されないことから、下地2の平坦化作業を省略できる。
さらに、パイプPに被せられた筒部11aの上端部外周に締付バンド18を装着し、筒部11aを締付バンド18で締め付ける。さらに、筒部11aの先端にシール材19を盛り、筒部11aの先端部内面とパイプP外面との間にシール材19を注入する。
次に、防水シート12に穴12aを形成した後、固定板10の上面に防水シート12を重ね、防水シート12の穴12aの周囲部分を、固定板10の上面に融着層15を介して熱融着する。そして、固定板10の上面に熱融着された、筒状成型体11の接合部11bと防水シート12とに跨って接合シート21を重ねる。さらに、接合シート21の下面を被覆する融着層22を介して、接合シート21と、接合部11b及び防水シート12とをそれぞれ熱融着することにより、接合シート21を介して、接合部11bと防水シート12とを接合する。これにより、防水シート12が、固定板10及び接合部11bと強固に接合されることになり、パイプ周りで剥がれてしまうのが防止される。
以上説明した本実施形態のパイプ周りの防水構造によれば、次のような効果が得られる。
パイプPに被せられる筒状成型体11が、筒部11aとこの筒部11aから外側に張り出した接合部11bとが一体成型された部材であるから、従来構造のようにシート状の部材がパイプPと平場5との間に沿って設置される場合とは異なり、筒状成型体11がパイプPと平場5との間の隅部に対して浮きが生じにくい。そのため、水漏れが抑えられて防水性能が向上する。また、強風時の負圧発生等によって防水シート12が筒状成型体11とともに剥ぎ取られてしまうことも防止される。
また、筒状成型体11は、ビス13等のアンカー部材によって下地2に強固に固定される固定板10に熱融着によって接合され、筒状成型体11と固定板10とが一体化される。つまり、筒状成型体11が固定板10を介して下地2に強固に固定されるため、筒状成型体11に接合された防水シート12が、平場5の下地2の表面から剥がれてしまうのがより確実に防止される。さらに、下地2に固定板10と筒状成型体11が固定された後に、防水シート12が筒状成型体11に接合された構造であることから、固定板10を下地2に固定するためのビス13等が防水シート12を貫通することはなく、これによる防水性能の低下は生じない。
さらに、この防水構造においては、筒状成型体11の筒部11aがパイプPに密着状に被せられるとともに、筒部11aから張り出した接合部11bが固定板10に熱融着で接合されることによって、パイプPの側面を伝って下地2へ水が漏れるのが防止される。そのため、シートや不定形のシール材のみで防水性能を確保する従来構造(図6参照)と比べて、防水の信頼性が高い。また、ビス13による下地2への固定板10の固定や、固定板10と筒状成型体11との熱融着など、不慣れな作業者でも比較的に簡単に行うことができる作業工程が多いことから、シール材注入の熟練度によって防水性能が左右される従来構造と異なり、作業者の熟練によって防水性能が大きく左右されない。
尚、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、前記実施形態に種々の変更を加えることが可能である。以下の変更形態の説明においては、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
接合シート21と、筒状成型体11の接合部11b、及び、防水シート12との熱融着するための融着層22は、接合シート21側に設けられている必要は必ずしもなく、接合部11bや防水シート12側に設けられてもよい。また、接合シート21と、筒状成型体11の接合部11b、及び、防水シート12とが、熱融着により接合されるのではなく、接着剤によって接着されてもよい。
また、図5に示すように、防水シート12が、固定板10の上面と融着層15を介して熱融着された上で、さらに、防水シート12の、固定板10に熱融着で接合された部分よりもパイプP側の部分(穴12aの縁部)が、接合部11bの上に重ねられた状態で接合部11bと直接接合されてもよい。この防水シート12と接合部11bとの接合は、熱可塑性樹脂からなる融着層を介した熱融着や、接着剤による接着によって行うことができる。
このように、防水シート12が固定板10の一方の面に融着層15を介して熱融着され、さらに、その熱融着部分よりも先の部分が接合部11bと直接接合されていることから、防水シート12が固定板10及び接合部11bと強固に接合され、パイプPの周りで剥がれてしまうのが防止される。
以上、本発明の実施の形態として、平場から連続して上方へ延びるパイプ周りを防水する場合を例に挙げて説明したが、平場に設置されるアンテナ等の台座など、平場の上面から所定高さ(例えば、数cmから数十cm程度)突出した、種々の突出形状を有する突出体に対しても、本発明を適用できる。尚、この場合には、固定板や筒状成型体を、突出体の上端から通すことにより、突出体の周囲に配置することが可能であるため、前記実施形態のように固定板が複数の分割板に分割されている必要はないし、また、筒状成型体も周方向1カ所で分断されている必要もない。
建築物屋上の平場におけるパイプ周辺の防水構造の斜視図である。 図1の防水構造の鉛直断面図である。 固定板を示す図であり、(a)は固定板の平面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。 筒状成型体の斜視図である。 変更形態に係るパイプ周辺の防水構造の鉛直断面図である。 従来のパイプ周辺の防水構造の鉛直断面図である。
符号の説明
1 建築物
10 固定板
11 筒状成型体
11a 筒部
11b 接合部
11c 分断部
12 防水シート
15 融着層
17 テープ材
18 締付バンド
19 シール材
20 分割板
20a 切欠部
20b ビス穴
21 接合シート

Claims (8)

  1. 建築構造物の外面に突出する突出体の周囲を防水する、突出体周りの防水構造であって、
    一方の面が融着層で被覆され、前記突出体を取り囲むように配置された状態で他方の面において前記建築構造物外面に固定される金属製の固定板と、
    前記突出体に密着状に被せられた筒部と、前記筒部から外側に張り出すとともに前記固定板の前記一方の面と前記融着層を介して熱融着される接合部とを有する、ゴム製の筒状成型体とを備え、
    前記筒状成型体の接合部に、前記建築構造物の外面を覆うゴム製の防水シートが接合されることを特徴とする突出体周りの防水構造。
  2. 前記固定板は、前記突出体の外面に沿った形状を有する切欠部がそれぞれ形成された、複数の分割板からなることを特徴とする請求項1に記載の突出体周りの防水構造。
  3. 前記筒状成型体は、その周方向の一カ所において分断されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の突出体周りの防水構造。
  4. 前記筒部が前記突出体に被せられた状態で、前記筒状成型体の周方向分断部がテープ材によって閉じられていることを特徴とする請求項3に記載の突出体周りの防水構造。
  5. 前記防水シートは、前記固定板の一方の面と前記融着層を介して熱融着され、
    さらに、この固定板に熱融着で接合された前記防水シートと前記筒状成型体の接合部とに跨って接合シートが貼り付けられ、前記防水シートと前記接合部とが前記接合シートを介して接合されることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の突出体周りの防水構造。
  6. 前記防水シートは、前記固定板の一方の面と前記融着層を介して熱融着され、
    さらに、前記防水シートの、前記固定板に熱融着で接合された部分よりも前記突出体側の部分が、前記接合部の上に重ねられた状態で前記接合部と直接接合されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の突出体周りの防水構造。
  7. 前記突出体に被せられた前記筒部に、締付用のバンドが装着されていることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の突出体周りの防水構造。
  8. 前記筒部の先端部と前記突出体との間にシール材が注入されていることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の突出体周りの防水構造。
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