JPH0247496Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用計器、例えば速度計とそれを
駆動するたわみ軸との連結装置に関するものであ
る。

従来のこの種の連結装置は、速度計のボスにね
じを設け、またたわみ軸の外管に上記ボスのねじ
と螺合するユニオンナツト及び該ユニオンナツト
を保持する端金具をたわみ軸の端部に設けて前記
ねじに前記ユニオンナツトを螺着して速度計とた
み軸とを連結するものである。しかしながらこの
ようなものにあつては速度計とたわみ軸とを連結
するに際して前記ユニオンナツトを前記ねじに螺
合しなければならないので連結作業に手間ががか
かり、特に速度計を始めとする計器の取付スペー
スが非常に狭い車体では上記連結作業を行なうこ
とがきわめて困難になり、このため速度計とたわ
み軸との着脱作業、交換作業に要する時間及び労
力も多くなるほか、ユニオンナツトを始めとして
部品点数が多く、またこれに伴つてそれらの組付
に多くの時間がかかり、ひいては製品が高価にな
るというような欠点があつた。

本考案は前記のような従来のものの欠点を排除
し、速度計とたわみ軸との連結が簡単容易にしか
も確実に行えるとともに、該連結の解除も簡単か
つ容易に行え、また部品点数が少なくて経済的な
速度計とたわみ軸との連結装置を提供することを
目的とするものである。

この考案を図面に示す実施例を参照して説明す
る。

第１図乃至第３図において渦電流式の速度計２
のステム６にたわみ軸１１の一端を連結する連結
装置１は、全体が合成樹脂製の連結管３を備え、
この連結管３は、ステム嵌合部１０とたわみ軸連
結部９とからなり、このステム嵌合部１０とたわ
み軸連結部９は、このステム嵌合部１０とたわみ
軸連結部９との間に介在するテーパ管部１９によ
つて軸線が一致するように一体形成されている。
そしてステム嵌合部１０は、速度計２のステム６
に嵌合し、またたわみ軸連結部９は、たわみ軸１
１の外管１２の端に嵌合溶着されるようになつて
いる。

前記ステム嵌合部１０の開口縁部には、第１図
及び第３図に示すように直径方向に相対向する一
対の透孔１４が穿設され、また該透孔１４よりた
わみ軸連結部方向に位置させて合成樹脂製のレバ
ー１６が起立し、このレバー１６は、前記起立部
付近に形成された薄肉部１５によつて第１図の矢
印方向に起伏可能に一体に連結され、これによつ
てレバー１６はステム嵌合部１０の軸方向と平行
に倒伏させることができるようになつている。そ
して前記レバー１６の先端には、弾性を有し、か
つＵ字形をした腕部材１７の中間部がレバー１６
と直角に、かつ一体に設けられている。この腕部
材１７の両端には、互いに対向方向に突出する一
対の爪１８が設けられ、この両爪１８間の間隔は
前記両透孔１４間の間隔よりも第１図示の状態で
はわずかに狭くなており、前記レバー１６を倒伏
して腕部材１７を第２図に示すように前記ステム
嵌合部１０外面に嵌合挟持させると、前記両爪１
８が両透孔１４内に係入して両爪１８の先端はス
テム嵌合部１０の内面より突出るようになつてい
る。また上記各爪１８のＵ字状腕部材１７開口端
側突出面には、その開口端より逆端方向に沿つて
相手突出部方向へ傾斜する傾斜面２０が形成され
ている。

第２図において７は前記ステム６の外周に設け
られた環状溝を示し、ステム６に連結管３のステ
ム嵌合部１０を嵌合させると、環状溝７に両爪１
８の先端が係入し速度計２にたわみ軸１１が連結
するようになつている。また５はステム６にブツ
シユ８を介して枢支された回転軸を示し、ステム
６にステム嵌合部１０を嵌合すると、回転軸５に
設けられた角孔４にインナ軸１３端部が嵌入し、
これによつてインナ軸１３が回転すると、インナ
軸１３とともに回転軸５が回転し、この回転軸５
に固着された図示しない磁石が回転して渦電流を
発生し、速度計２の指示トルクが発生するように
なつている。

以上が本実施例の構造であるが、次にその作用
について述べると、上記連結管３を樹脂成形する
に当つては第１図に示す如くレバー１６が連結管
３の中心軸に対して直交するように起立される状
態でその連結管３を成形する。次いでかかる連結
管３の軸連結部９にたわみ軸１１を連結せしめ溶
着固定する。ついでその連結管３のステム嵌合部
１０内にステム６を嵌入せしめ、しかる後レバー
１６を薄肉ヒンジ部１５を境に倒し、双方の爪１
８を透孔１４内に差し込むと共にこの爪１８の先
端をアーム１７の可撓弾性力でステム６の環状溝
７に係合せしめる。このようにして双方爪１８と
環状溝７とを係合せしめることにより、連結管３
と速度計２のステム６とは一体的に嵌着される。
そしてステム６に嵌着した連結管３をステム６か
ら引き抜く時には、レバー１６を第３図の矢印で
示すように押圧するとと、透孔１４の孔縁に爪１
８の傾斜面２０が案内されて、同図の点線で示す
ように両爪１８が互いに離間する方向に移動して
爪１８が環状溝７内から離間されるので、その連
結管３をステム６より引き抜くことができる。従
つて本考案によれば連結管３とステム６との嵌着
がワンタツチでなされ、またその両者の離脱も容
易にできる効果がある。

第４図、第５図は、この考案の第２実施例を示
し、この実施例にあつては、大部分が第１図乃至
第３図示の実施例と同様に構成されているので、
その部分については同り符号を付して説明を省略
することとし、主として違う構成となつている部
分について説明する。すなわち、第２実施例にお
いては、腕部材１７の中間部に連結杆２２が一体
に設けられ、この連結杆２２の先端にリング２３
が設けられている。そしてこのリング２３を連結
管３のたわみ軸連結部９外周面に嵌合して、リン
グ２３を連結管３に組付けるものである。

この第２実施例においても、第１実施例と同様
にして速度計２にたわみ軸１１を連結し、またこ
の連結を容易に解除することができる。

この考案は前記のように構成したので、速度計
とそれを駆動するたわみ軸とを連結するにあたつ
て、速度計のステムに連結管のステム嵌合部を嵌
合し爪１８を環状溝７内に係入するだけで確実に
連結でき、しかもこの嵌合の際、ステムに対する
連結管の位置を特定の位置に合わせる必要がな
く、したがつて連結作業がきわめて簡単かつ容易
に行えるとともに、速度計とたわみ軸との連結を
解除するにあたつても、腕部材を前記連結管に押
圧するだけで行えるので解除作業がきわめて簡単
かつ容易に行える。また部品点数が少なくて経済
的な製品を提供できるという優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の第１実施例の要部の斜視
図、第２図は第１実施例において、連結管を引き
抜いた状態の斜視図、第３図は同上の連結状態を
示す断面図、第４図及び第５図はこの考案の第２
実施例の要部のそれぞれ斜視図である。 １……速度計とたわみ軸との連結装置、２……
速度計、３……連結管、５……回転軸、６……ス
テム、７……環状溝、９……たわみ軸連結部、１
０……ステム嵌合部、１１……たわみ軸、１２…
…外管、１３……インナ軸、１４……透孔、１７
……腕部材、１８……爪、２０……傾斜面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 速度計２に形成されたたわみ軸連結用のステム
   ６の外周囲に設けられた環状溝７と、上記ステム
   ６の外側に嵌合されるステム嵌合部１０及び該ス
   テム嵌合部１０より軸方向に延長形成されるたわ
   み軸連結部９を一体形成した連結管３とを有し、
   該連結管３には、その連結管の外側に薄肉部１５
   を介して起伏可能に連結されると共に該連結管の
   外側略半周面に嵌合されるＵ字形かつ可撓弾性材
   料よりなる腕部材１７を取付けると共に、このＵ
   字状腕部材１７の両側開口部には、互に対向方向
   に突出し、この突出部のＵ字状腕部材開口端側突
   出面を、その開口端より逆端方向に沿つて相手突
   出部方向に傾斜する傾斜面２０に形成した夫々の
   爪１８を突設し、さらに上記ステム嵌合部１０の
   直径方向対称位置には、このステム嵌合部１０を
   ステム６に嵌合したとき前記環状溝７と合致し、
   しかも前記一対の爪１８の傾斜面２０と当接し得
   る孔縁を有する夫々の透孔１４を穿設し、上記ス
   テム６と連結管３との嵌合時に上記一対の爪１８
   は、腕部材１７の可撓弾性力で透孔１４を貫通し
   て環状溝７内に係入され、また環状溝７内に係入
   された一対の爪１８は、腕部材１７の長手方向中
   央部が該腕部材１７の肉厚方向へ押圧することに
   より、それら爪１８の傾斜面２０が前記透孔１４
   の孔縁に当接ガイドされて爪１８が環状溝７より
   離脱されるものであることを特徴とする速度計と
   たわみ軸との連結装置。