JPH0243157Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、伸縮式階段状観覧席のサイドパネ
ルに関するものである。

〔従来の技術〕

従来のこの種観覧席は、図示しないが、底部に
はローラを備え上部には支柱を立設した各段の基
台を、その段毎の移動床台が高さを増すのにした
がつて順次外側方向にずらして配置することによ
り、全部の移動床台を椅子付の状態のもとに相互
に連結して、前後方向に伸縮しながら移動が可能
となるように形成されている。そしてこの観覧席
の使用時には最も低い最前段の移動床台から順次
に引き出して全体を雛壇状に伸長し、これによつ
て各移動床台の椅子に多数の観客が着座できる状
態となる。また不使用時には、前記とは逆に最前
段の移動床台から順次に最高段の移動床台下へ垂
直棚状に縮小することで観覧席を後方の格納凹所
内へ収納保管することができるように構成されて
いる。上記観覧席は、その使用時に各段の移動床
台と床面間を何も取付けない空間の状態にしてお
くと、外観美が著しく損なううえ、小児等が出入
りして危険性が伴うため、上記空間帯にサイドパ
ネルを通常のボルトとナツト等により着脱自在に
取付けていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記の構成による従来のこの種観覧席には次の
ような問題点があつた。

(1)サイドパネルを通常のボルトとナツト等によ
り取付けていたので、締付け工具を要するうえ、
部品点数が多くて上記パネルの着脱に相当に時間
が掛り、これによつて観覧席における多目的な活
用頻度が著しく減少した。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、上記従来技術の問題点を解決する
ものであり、移動床台の側方に対する着脱時には
締付け工具等を要しないうえ、部品点数が少なく
て迅速に着脱することができる伸縮式階段状観覧
席のサイドパネルを提供することにある。この考
案の特徴とするところは、順に高さを増す複数段
からなる移動床台を相互に連結して前後方向の伸
縮により移動が可能となる観覧席において、前記
移動床台の各踏板側方の断面Ｌ字形のサイドパネ
ル支持板を装着し、前記踏板とサイドパネル支持
板にツマミ付ボルト及びホブナツトを貫通し、締
緩自在に螺挿するとともに、前記ツマミ付ボルト
を嵌入する切込みを形成した断面Ｌ字形のサイド
パネル取付板をサイドパネルの内側上部に装着
し、ツマミ付ボルトの締着によりサイドパネルを
踏板に固定できるようにしたことにある。

〔作用〕

上記の構成により、各移動床台を雛壇状に引き
出して観覧席を使用するときは、各段における上
記移動床台の側方にあらかじめサイドパネル支持
板が装着されており、かつ、この支持板位置の踏
板には大径のツマミ部付ボルトが締緩自在の浮き
上がり状態に螺挿されているため、その段毎に専
属するサイドパネルに装着した取付板を上記態様
の踏板に載置すると、この取付板にあらかじめ形
成されている切込みが上記ボルトの直下位置に容
易に嵌入することになる。従つて上記切込みが嵌
入した時点でツマミ部の旋回をもつてボルトを締
付けることにより、各段の移動床台側方に工具等
を要することなく容易迅速にサイドパネルを取付
けることができる。また上記観覧席の使用後に
は、前記とは逆の動作を行うことにより、このと
きも工具等を要しないで、各サイドパネルをその
段毎の移動床台側方から容易迅速に取外しできる
ため、観覧席の使用時におけるサイドパネルの着
脱作業性を大幅に向上することができる。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

まず構成を説明すると、第１図から第５図まで
に示すように、順に高さを増す複数段からなる移
動床台５を、相互に連結して前後方向の伸縮によ
り移動するために、底部にはローラ２を備え、上
部には支柱３を立設した各基台１が、その段毎に
おける各移動床台５の高さを増すのにしたがつて
順次外側方向にずらして配置され、かつ各支柱３
も順に高さを増すように形成されて、使用時には
最前段の移動床台５から順次にその前方の床面Ｃ
上へ引き出すことにより、全段が雛壇状に伸長し
て各移動床台５の椅子Ｂに多数の観客が着座で
き、また不使用時には上記とは逆に最前段の移動
床台５から最高段の移動床台５下へ戻すようにし
て、全体を垂直棚状に縮小し、一括体にまとめ、
この状態の観覧席Ａをその後方の図示しない格納
凹所内へ収納保管が可能となる伸縮式階段状観覧
席において、上記した移動床台５の基板となる各
踏板４の側方位置には平面部を上端に配置した断
面がＬ字形でその要部には垂直面と水平面との間
に三角定規形の斜片６ａを支持体として付設した
サイドパネル支持板６が、垂直面を上記踏板４の
側方端部に合致させる態様をもつてこの位置の底
部面に装着されている。

このサイドパネル支持板６が装着された前記踏
板４の複数箇所には、第３図に明示するように、
所定径の孔部４ａが垂直方向に貫設されて、この
孔部４ａの下方には支持板６側からフランジ付の
ホブナツト７（内径にメスネジが設けられ、外径
には歯形のネジ山が切刃状に形成されていて、こ
のネジ山による螺進切削をもつて硬質の孔部内に
強制的に螺挿固着するナツト）がそれぞれ挿着さ
れている。そしてこの各ホブナツト７位置には、
首部に後記するサイドパネル取付板１０の切込み
１０ｂよりも幾分大径な段部８ｂを設け、また頭
部には上記の段部８ｂよりもさらに大径で片手操
作により楽に旋回が可能となるツマミ部８ａを付
設したツマミ付ボルト８が、踏板４の上部外方か
ら、その位置毎のホブナツト７に対して、浮き上
がり状態に螺挿し、締緩自在になつている。

上記したサイドパネル支持板６に対してその外
側Ｄから当接するサイドパネル９は次のように形
成されている。すなわち第１図、第２図および第
４図に示すように、このサイドパネル９は、踏板
４の前後方向の長さに合わせた幅と、その段毎に
おける移動床台５の高さに後記するサイドパネル
取付板１０の高さを加算した寸法とによる長方面
板に形成されている。そしてこのサイドパネル９
の内側Ｅの方向にあたる上部面には、平面部を下
端に配置したＬ字形で、その両端には水平面と垂
直面との間に三角定規形の斜片１０ａを支持体と
して付設し、かつ前記したサイドパネル支持板６
と合致する位置の平面部には内側Ｅ方向の外部と
連通するＬ字状の切込み１０ｂを形成したサイド
パネル取付板１０が、外側Ｄからのボルト１１の
挿通と、このボルト１１に対する内側Ｅからの袋
ナツト１２による螺合締付けをもつて装着されて
いる。

この態様によるサイドパネル９は、上記取付板
１０の平面部を前記の支持板６上に載置する状態
をもつてその内側Ｅ面を踏板４に当接することに
より、上記取付板１０の各切込み１０ｂが支持板
６から浮き上がつているツマミ付ボルト８の段部
８ｂの下へ嵌入するように構成されている。従つ
て上記によりボルト８の下へ切込み１０ｂが嵌入
した時点で、この取付板１０を含むサイドパネル
９全体を後方側へ摺動することにより、上記切込
み１０ｂの最奥部位置に上記のボルト８を配置し
得ることになつて、この直後に上記ボルト８を、
ツマミ部８ａに対する片手操作の螺旋回により締
付けると、上記のサイドパネル９をその段毎にお
ける移動床台５の側方へ着脱自在に装着すること
ができるように構成されている。なお１３は、前
後に隣接するサイドパネル９同士をこの方向の同
一線上に配列するための連結金具である。

上記の構成により、観覧席Ａの使用時には図示
しない駆動源を操作して、各移動床台５を最前段
側からその前方の床面Ｃ上に第５図のように雛壇
状に引き出したのち、各サイドパネル９をその段
毎における移動床台５の側方にあたる踏板４に着
脱自在に取付ける場合は、あらかじめその位置毎
の踏板４にはサイドパネル支持板６が装着されて
いて、この支持板６の位置にあたる上記踏板４の
複数箇所には大径のツマミ部８ａ付ボルト８が締
緩自在の浮き上がり状態に螺挿されているため、
その段毎に専用する高さ寸法に形成されたサイド
パネル９を、この位置の踏板４上に取付板１０を
介して載置すると、この取付板１０にあらかじめ
形成されている切込み１０ｂの開口部が上記ボル
ト８の直下位置に容易に嵌入することになる。従
つてこの切込み１０ｂが嵌入した時点でツマミ部
８ａを旋回して上記ボルト８を締付けることによ
り、各段の移動床台５の側方に工具等を要するこ
となく、その段毎に専用するサイドパネル９を容
易迅速に取付けることができる。

次に使用後の観覧席Ａを格納する場合は、前記
とは逆の動作を行うことになる。すなわち使用時
に各段における踏板４の側方に取付けたサイドパ
ネル９を、ツマミ付ボルト８の逆螺旋により緩め
て僅かに浮き上がらせたのち、それまでの締付け
から開放されたサイドパネル９を、いつたん前方
側へ移動し、切込み１０ｂの開口部位置に上記ボ
ルト８が位置するようにして、サイドパネル９を
外側Ｄの方向へ引くと、上記ボルト８の位置から
取付板１０が開放されることになり、これによつ
て工具等を要することなく、その位置毎の踏板４
からサイドパネル９を容易迅速に離脱させること
ができる。

なお上記の実施例ではサイドパネル取付板１０
の平面部にＬ字状の切込み１０ｂを設けるように
構成したが、この考案は上記の実施例に限定する
ことなく、例えば上記の切込み１０ｂを、取付板
１０の長手方向に直交するＩ字状に設けても、上
記の実施例と同様の作用効果が得られるものであ
る。

〔考案の効果〕

この考案は、順に高さを増す複数段からなる移
動床台を相互に連結して前後方向の伸縮により移
動が可能となる観覧席において、上記移動床台の
各踏板側方にサイドパネル支持板を装着し、この
支持板位置にあたる上記踏板にツマミ付ボルトを
締緩自在に螺挿するとともに、上記支持板に当接
するサイドパネルの内側上部にはＬ字形板の平面
部に切込みを形成したサイドパネル取付板を装着
したことを特徴とするものである。従つて移動床
台の側方に対するサイドパネルの着脱時には締付
け工具等を要しないうえ、部品点数が少なくて迅
速に着脱することができ、これによつて観覧席の
使用時におけるサイドパネルの着脱の作業性を大
幅に向上することができる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のサイドパネルと周辺部材を
内側方向から見た状態をもつて示す背面図、第２
図は第１図の矢視による側面図、第３図は第１
図の部詳細図、第４図は第１図の矢視による
平面図、第５図はこの考案のサイドパネルを取付
ける以前の観覧席を示す部分側面図である。 ４……踏板、５……移動床台、６……サイドパ
ネル支持板、８……ツマミ付ボルト、９……サイ
ドパネル、１０……サイドパネル取付板、１０ｂ
……切込み、Ａ……観覧席。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 順に高さを増す複数段からなる移動床台を相互
   に連結して前後方向の伸縮により移動が可能とな
   る観覧席において、前記移動床台の各踏板側方に
   断面Ｌ字形のサイドパネル支持板を装着し、前記
   踏板とサイドパネル支持板にツマミ付ボルト及び
   ホブナツトを貫通し、締緩自在に螺挿するととも
   に、前記ツマミ付きボルトを嵌入する切込みを形
   成した断面Ｌ字形のサイドパネル取付板をサイド
   パネルの内側上部に装着し、ツマミ付きボルトの
   締着によりサイドパネルを踏板に固定できるよう
   にしたことを特徴とする伸縮式階段状観覧席のサ
   イドパネル。