JPS6316781Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は主に体育館内等に設置使用されるロ
ールバツクスタンドなどと称されている伸縮式階
段状観覧席に関する。

近年体育館等においては他目的使用を可能とす
べく、ロールバツクスタンドと称される伸縮式階
段状観覧席が多く設置されるようになつてきた。
この伸縮式階段状観覧席は各々高さが順に異なる
複数段の観覧席単体を順次相互に連繋した状態で
前進．後退移動可能に列設した構成で、使用に際
しては最も低い最前段の単体から順次引出す如く
前進移動させることで全体的に階段状即ち、ひな
だん状に伸長して各段デツキ上に観客が乗れる状
態となり、不使用時には逆に最前段の単体から順
次各々の後段の単体のデツキ下側に退入すべく後
退移動させることで全体的に垂直棚状に短縮して
建物等の壁部などに収納保管されるようになるも
のである。なの最近では建物が大きくなるにつれ
て上記伸縮式階段状観覧席も大型化して５〜６段
であつたものが現在では10段あるいは20段又はそ
れ以上のものが作られるようになつて来た。

ところで、こうした伸縮式階段状観覧席におい
ては、各段のデツキ下側の左右部が開放されたま
まで、該デツキ下側の移動台車やその内部機器及
び配線等が横から見えてしまい、あまり体裁の良
いものではなく、外観意匠を損う問題があつた。
又同時に両側開放部からデツキ下側の移動台車内
に人が侵入するおそれがあり、特に遊びざかりの
子供らは好奇心から直ぐに侵入して、各種の部品
や機器を悪戯することから、故障を起こして各観
覧席単体相互の伸縮移動や位置決め等の動作が適
確に行ない得なくなつたり、あるいは侵入者が居
るのを知らずに作業員が伸縮移動開始して該侵入
者に重傷をおわせてしまう非常な危険を招くおそ
れがあつた。

この考案は上記事情に鑑みなされたもので、そ
の目的とするところは、横から各観覧席のデツキ
下側の移動台車等内部の機構部品が見えることな
く非常に体裁が良く外観意匠の向上が図れると共
に、子供らの侵入を防止して故障や危険を招くよ
うなことを無くせる非常に安全性に優れた伸縮式
階段状観覧席を提供することにある。

つまり、この考案のものは、各々左右間口幅及
び高さが段違い状に異なる移動台車とその各移動
台車上に支持したデツキとからなる複数段の観覧
席単体を、その高さが低く且つ間口巾が狭い順に
前方から配列すると共に、使用時には最も低い最
前段の単体から順次前進移動させることで全体的
に階段状に伸長し、不使用時には該最前段の単体
から順次後退移動させることで各々の後段のもの
のデツキ下側に退入して全体的に垂直棚状に短縮
するように連繋して設けた伸縮式階段状観覧席に
おいて、上記各段の観覧席単体のそれぞれのデツ
キの左右長さを大小異ならすことでそれら各段の
デツキの外端部が各々の前段のもよりそれぞれ外
側に段違い状に出つ張る構成とすると共に、その
各段のデツキの外端部から下側に支持フレームを
介して垂直に固定することで該支持フレームと共
に観覧席単体の前後動時各々の後段のものの内側
面と干渉しない状態に離間して配してそれぞれ当
該段のデツキ外端部の下側部を閉成するサイドプ
レートを各々設けた構成で、その各段に設けたサ
イドプレートがそれぞれ観覧席単体のデツキ外端
部下側を閉成できて、横から内部が見えないよう
になせると共に、人の進入を防止できるようにな
る。もちろんそれらサイドパネルが各段の観覧席
単体相互の前進・後退による伸縮移動に支障をき
たすことはないものである。

以下この考案の一実施例を図面に従い説明す
る。先ず第１図乃至第４図において、図中１Ａ，
１Ｂ，１Ｃ，１Ｄ，１Ｅは各々高さが段違い状に
異なつてその高さの低い順に前方から配列するそ
れぞれ横長状観覧席単体で、これら各観覧席単体
１Ａ乃至１Ｅは各々移動台車２Ａ，２Ｂ，２Ｃ，
２Ｄ，２Ｅとこれら台車上に各々支持されたデツ
キ３とから構成されて、第１図，第２図に示す如
く階段上に伸長したり第３図に示す如く垂直棚状
に短縮したりできるようにされている。つまり上
記各移動台車２Ａ乃至２Ｅは複数の前後走行車輪
４ａを有する前後方向に長い断面形状の左右脚
台４とこの左右脚台４の後端寄り部から上方に立
設した左右支脚５とからなる側面逆Ｔ字状をなす
もので、その左右支脚５の上端寄り部より前方に
水平に突出する左右支持梁６を介してその上側に
横長平板状のデツキ３が敷設されるように取付け
られている。なお図中７は各移動台車２Ａ乃至２
Ｅの左右支脚５前面に横架すべく固定されたリツ
プ構形状の横長な貫材である。ここで上記各段の
移動台車２Ａ乃至２Ｅはその左右支脚５の背丈が
各段毎に大小異にされていて各デツキ３を前段の
ものから後段のものに行くに従い順次階段状に高
くなる位置に支持していると共に、その各段の移
動台車２Ａ乃至２Ｅの左右間口幅la，lb，lc，ld，
le（第１図参照）が前段のものから後段のものに
行くに従い順次段違い状に大きくされて、各々の
後段のものの内側に干渉することなく退入可能と
されている。これにて各段の観覧席単体１Ａ乃至
１Ｅは最も低い最前段のものから順に前方へ進出
したりそれぞれの後段のデツキ３下側に退入した
りできるようになつている。なおその各段の観覧
席単体１Ａ乃至１Ｅは前進移動時各々の後段の下
側から前方に完全に抜け外れてしまわないように
各段の移動台車２Ａ乃至２Ｅは順次図しない掛止
具等の手段で連繋されて、最前段の観覧席単体１
Ａを手動または電動等にて第３図の状態から引出
すごとく前進移動させることで第２段目以降のも
のも順次追従して引出されて前進移動して第１
図，第２図に示す如く階段状に伸長でき、またそ
の伸長状態から逆に最前段の観覧席単体１Ａを後
退移動させて行くと、それが第２段目の単体１Ｂ
のデツキ３下側に退入して貫材７が該第２段目単
体１Ｂの移動台車２Ｂの左右支脚５前面に当たつ
て、その第２段目の単体１Ｂを押しながら一緒に
後退して第３段目の単体１Ｃ下側に退入すると言
つた具合に順次後退して第３図に示す垂直棚状に
短縮できるようになつている。ここまでは従来か
らロールバツクスタンド等と称されてすでに公知
のものとほぼ同様である。なお各部は全て左右対
称であることから右側のみ図示して左側は図示省
略する。また、上記最も背の高い最後段の観覧席
単体１Ｅには、その移動台車２Ｅの左右支脚５上
端に固定してデツキ３′が前記デツキ３の後方で
且つそれよりより一段高く取付けられている。つ
まり最後段の観覧席単体１Ｅは一つの移動台車２
Ｅ上の最後部に２段のデツキ３，３′を有した構
成とされている。

上述した構成の伸縮式階段状観覧席の各段の観
覧席単体１Ａ乃至１Ｅの各々のデツキ３及び貫材
７は、第１図に示したLa，Lb，Lc，Ldのように
それぞれの左右長さを大小異ならせることで、そ
れら各段のデツキ３及び貫材７の外端部が前段の
ものから後段のものに行くに従い順次外側に段違
い状にずれて配するように、即ち各段のデツキ３
及び貫材７の外端部が各々の前段のものよりそれ
ぞれ外側に出つ張る構成とされている。こうした
各段のデツキ３の下側左右両外端部寄りにそれぞ
れ上記支持梁６と同様のハツト形状の補助支持梁
８（第５図参照）がその後端部を上記貫材７に取
付け金物９を介して固定することで前後方向に亘
り設けられている。そしてその各段の補助支持梁
８のそれぞれの外側に前後中間の３個のブラケツ
ト１０を介して支持フレーム１１がそれぞれ垂下
する状態に取付けられている。この支持フレーム
１１を介して前記各段のデツキ３の左右両外端部
から下側に垂直に配するように固定することでサ
イドプレート１２が該支持フレーム１１と共に観
覧席単体の前後動時各々の後段のものの内側面と
干渉しない状態に離間して配して取付けられて、
それぞれ当該段のデツキ３外端部の下側部を閉成
するようになつている。つまり第５図に示す如く
上記貫材７の左右端部後面にトツプアングルの如
き取付け金物９がボルト．ナツト（図示せず）に
より固定され、その取付け金物９の下面に上記補
助支持梁８の後端部を接合し、かつ補強当て板１
３，１３を下側からあてがつて同じくボルト．ナ
ツトで固定することで、該補助支持梁８が貫材７
の下側を通つてその前方のデツキ３下面に接合す
る状態で水平に延出され、その補助支持梁８の外
側に上記貫材７の直前と前端寄り部とその中間と
にそれぞれクランク形をした３個のブラケツト１
０が溶接等により固着され、その各ブラケツト１
０の外側に角パイプを方形枠状に組みかつ中間縦
桟を有した支持フレーム１１がネジ止めされて垂
下する状態で固定され、この支持フレーム１１の
上辺部及び前後辺部に溶接したアングル材１４，
１５にビス止め等によりサイドプレート１２が取
付けられている。なおそのサイドプレート１２は
前後に長尺な適当幅の複数枚の横矢板（シールパ
イル）を用いて上下多段に相互に係合する状態で
上記支持フレーム１１外側に取付けることで構成
されて、各々当該段のデツキ３下側の左右空間外
側部を閉成するようになつている。また前記最後
段の観覧席単体１Ｅのサイドプレート１２は当該
段のデツキ３の下側部を閉成すると共に、該デツ
キ３の後端に一段高く固定されているデツキ３′
の下側部をも閉成する構成とされている。尚各サ
イドプレート１２の最前端には異形軽溝形状の化
粧ビーム１６が取付けられている。

又上記各段の取付け金物９上にはその外側に偏
位して逆Ｌ字状をなす受金物１７がボルト止めさ
れ、この上側に軸１８により案内コロ１９が回転
自在に取付けられ、この案内コロ１９が各々の後
段の観覧席単体の補助支持梁８下面に転接して前
後動を円滑にする働きをなしている。

しかして、上記構成の本願の伸縮式階段状観覧
席では、各段の観覧席単体１Ａ乃至１Ｅと共にそ
れぞれの左右サイドプレート１２が一体に前進．
後退移動する。この移動の際該各段のデツキ３及
び貫材７の左右長さ並びに左右サイドプレート１
２相互間隔がLa，Lb，Lc，Ld，Leのように異
なつていることで、各段のサイドプレート１２同
志が当り合うことも無く他の段の移動台車やデツ
キ及び貫材等にも当たることが無く、何等支障無
く進退移動が可能となる。

しかして各段の左右サイドプレート１２は第１
図，第２図に示す如く各段の観覧席単体１Ａ乃至
１Ｅが前進移動して階段状に伸長すると、各々の
段の単体１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄ，１Ｅのデツキ
３並びに３′の下側の左右空間外側部を前後相互
に間隔をあけることなく連続して閉成するように
なる。又各段の観覧席単体１Ａ乃至１Ｄが順次後
退移動して第３図，第４図に示す如く垂直棚状に
短縮すると、最終段の単体１Ｅのデツキ３の下側
に各段全ての左右サイドプレート１２が後退して
内外側に重複する状態で収まるようになる。

この考案は上述した如くなしたから、各段の観
覧席単体のデツキ下側がサイドプレートで閉成さ
れて、階段状の伸長時でも横から各段のデツキ下
側内の移動台車等の各種内部機構部品が見えるこ
となく非常に体裁が良く外観意匠の向上が図れる
と共に、子供等の侵入を防止して故障や危険を招
くようなことを無くせる極めて安全性に優れた伸
縮式階段状観覧席となる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は左側部を省略した伸長状態の平面図、第２図
は同伸長状態の一部切欠した側面図、第３図は短
縮状態の側面図、第４図は同背面図、第５図は要
部拡大した分解斜視図である。 １Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄ１，１Ｅ……観覧席単
体、２Ａ，２Ｂ，２Ｃ，２Ｄ，２Ｅ……移動台
車、３，３′……デツキ、４……脚台、４ａ……
走行車輪、５……支脚、６……支持梁、７……貫
材、８……補助支持梁、９……取付け金物、１０
……ブラケツト、１１……支持フレーム、１２…
…サイドプレート、１３……補助当て板、１４，
１５……アングル材、１６……化粧ビーム、１７
……受金物、１８……軸、１９……案内コロ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 各々左右間口幅及び高さが段違い状に異なる移
   動台車とその各移動台車上に支持したデツキとか
   らなる複数段の観覧席単体を、その高さが低く且
   つ間口巾が狭い順に前方から配列すると共に、使
   用時には最も低い最前段の単体から順次前進移動
   させることで全体的に階段状に伸長し、不使用時
   には該最前段の単体から順次後退移動させること
   で各々の後段のもののデツキ下側に退入して全体
   的に垂直棚状に短縮するように連繋して設けた伸
   縮式階段状観覧席において、上記各段の観覧席単
   体のそれぞれのデツキの左右長さを大小異ならす
   ことでそれら各段のデツキの外端部が各々の前段
   のもよりそれぞれ外側に段違い状に出つ張る構成
   とすると共に、その各段のデツキの外端部から下
   側に支持フレームを介して垂直に固定することで
   該支持フレームと共に観覧席単体の前後動時各々
   の後段のものの内側面と干渉しない状態に離間し
   て配してそれぞれ当該段のデツキ外端部の下側部
   を閉成するサイドプレートを各々設けたことを特
   徴とする伸縮式階段状観覧席。