JPS6320778Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は主に体育館内等に設置使用されるロ
ールバツクスタンドなどと称されている伸縮式階
段状観覧席に関する。

近年体育館等においては他目的使用を可能とす
べく、ロールバツクスタンドと称される伸縮式階
段状観覧席が多く設置されるようになつてきた。
この伸縮式階段状観覧席は各々高さが順に異なる
複数段の観覧席単体を順次相互に連繋した状態で
前進・後退移動可能に列設した構成で、使用に際
しては最も低い最前段の単体から順次引出す如く
前進移動させることで全体的に階段状即ち、ひな
だん状に伸長して各段デツキ上に観客が乗れる状
態となり、不使用時には逆に最前段の単体から順
次各々の後段の単体のデツキ下側に退入すべく後
退移動させることで全体的に垂直棚状に短縮して
建物等の壁部などに収納保管されるようになるも
のである。なお最近では建物が大きくなるにつれ
て上記伸縮式階段状観覧席も大型化して５〜６段
であつたものが現在では10段あるいは20段又はそ
れ以上のものが作られるようになつて来た。

ところで、こうした伸縮式階段状観覧席におい
ては、各段のデツキ下側の左右部が開放されたま
まで、該デツキ下側の移動台車やその内部機器お
よび配線等が横から見えてしまい。あまり体裁の
良いものではなく、外観意匠を損う問題があつ
た。又同時に両側開放部からデツキ下側の移動台
車内に人が浸入するおそれがあり、特に遊びざか
りの子供らは好寄心から直ぐに侵入して、各種の
部品や機器を悪戯することから、故障を起こして
各観覧席単体相互の伸縮移動や位置決め等の動作
が適確に行ない得なくなつたり、あるいは侵入者
が居るのを知らずに作業員が伸縮移動開始して該
侵入者に重傷をおわせてしまう非常な危険を招く
おそれがあつた。

この考案は上記事情に鑑みなされたもので、そ
の目的とするところは、横から各観覧席のデツキ
下側の移動台車等内部の機構部品が見えることな
く非常に体裁が良く外観意匠の向上が図れると共
に、子供らの侵入を防止して故障や危険を招くよ
うなことを無くせる非常に安全性に優れた伸縮式
階段状観覧席を提供することにある。

つまり、この考案のものは、各々左右間口幅及
び高さが段違い状に異なる移動台車とその各移動
台車上に支持したデツキとからなる複数段の観覧
席単体を、その高さが低く且つ間口巾が狭い順に
前方から配列すると共に、使用時には最も低い最
前段の単体から順次前進移動させることで全体的
に階段状に伸長し、不使用時には該最前段の単体
から順次後退移動させることで各々の後段のもの
のデツキ下側に退入して全体的に垂直棚状に短縮
するように連繋して設けた伸縮式階段状観覧席に
おいて、上記各段の観覧席単体のデツキの下側の
最後段の移動台車より外側に離間した左右両端寄
り部に、該デツキ後部の貫材より更に後方に延出
し且つ前段のものから後段のものに行くに従い順
次外側に段違い状にずらしてそれぞれ支持梁を固
設し、この各段の支持梁の前記貫材より後方延出
部の外側にそれぞれ取付け枠を介して固定するこ
とで垂直に且つ該取付け枠と共に各々の後段のも
のの内側面と干渉しない状態に離間して配して各
段の観覧席単体の階段状への伸長時に各々の後段
の観覧席単体のデツキ下側の左右部を閉成するサ
イドプレートを設けた構成で、その各段に設けた
サイドプレートが各段の観覧席単体の階段状への
伸長時に各々の後段の観覧席単体のデツキ下側の
左右部を閉成できて、横から内部が見えないよう
になせると共に、人の進入を防止できるようにな
る。もちろんそれらサイドパネルが各段の観覧席
単体相互の前進・後退による伸縮移動に支障をき
たすことはないものである。

以下この考案の一実施例を図面に従い説明す
る。先ず第１図乃至第４図において、図中１Ａ，
１Ｂ，１Ｃ，１Ｄは各々高さが段違い状に異なつ
て前後方向に順に配列するそれぞれ横長状観覧席
単体で、これら各観覧席単体１Ａ乃至１Ｄは各々
移動台車２Ａ，２Ｂ，２Ｃ，２Ｄとこれら台車上
に各々支持されたデツキ３とから構成されて、第
１図、第２図に示す如く階段状に伸長したり第３
図に示す如く垂直棚状に短縮したりできるように
されている。つまり上記各移動台車２Ａ乃至２Ｄ
は複数の前後走行輪４ａを有する前後方向に長い
断面形状の左右脚台４とこの左右脚台４の後端
寄り部から上方に立設した左右支脚５とからなる
側面逆Ｔ字状をなすもので、その左右支脚５の上
端寄り部より前方に水平に突出する左右支持梁６
を介してその上側に横長平板上のデツキ３が敷設
されるように取付けられている。なお図中７は各
移動台車２Ａ乃至２Ｄの左右支脚５前面に横架す
べく固定されたリツプ溝形状の横長な貫材であ
る。ここで上記各段の移動台車２Ａ乃至２Ｄはそ
の左右支脚５の背丈が各段毎に大小異にされてい
て各デツキ３を前段のものから後段のものに行く
に従い順次階段状に高くなる位置に支持している
と共に、その各段の移動台車２Ａ乃至２Ｄの各左
右間口幅la，lb，lc，ld（第１図参照）が前段のも
のから後段のものに行くに従い順次段違い状に大
きくされて、各々の後段のものの内側に干渉する
ことなく退入可能とされている。これにて各段の
観覧席単体１Ａ乃至１Ｄは最も低い最前段のもの
から順に前方へ進出したりそれぞれの後段のデツ
キ３下側に退入したりできるようになつている。
なおその各段の観覧席単体１Ａ乃至１Ｄは前進移
動時各々の後段の下側から前方に完全に抜け外れ
てしまわないように各段の移動台車２Ａ乃至２Ｄ
は順次図示しない掛止具等の手段で連繋されて、
最前段の観覧席単体１Ａを手動または電動等にて
第３図の状態から引出すごとく前進移動させるこ
とで第２段目以降のものも順次追従して引出され
て前進移動して第１図、第２図に示す如く階段状
に伸長でき、またその伸長状態から逆に最前段の
観覧席単体１Ａを後退移動させて行くと、それが
第２段目の単体１Ｂのデツキ３下側に退入して貫
材７が該第２段目単体１Ｂの移動台車２Ｂの左右
支脚５前面に当たつて、その第２段目の単体１Ｂ
を押しながら一緒に後退して第３段目の単体１Ｃ
下側に退入すると言つた具合に順次後退して第３
図に示す垂直棚状に短縮できるようになつてい
る。ここまでは従来からロールバツクスタンド等
と称されてすでに公知のものとほぼ同様である。
なおまた、上記最も背の高い最後段の観覧席単体
１Ｄは、その移動台車２Ｄの左右脚台４が他のも
のよりも長尺で、左右支脚５と共に最後端にも同
様の左右支脚５′を立設していて、その前後両左
右支脚５，５′上に固定してデツキ３′が前記デツ
キ３の後方で且つそれよりより一段高く取付けら
れている。つまり最後段の観覧席単体１Ｄは一つ
の移動台車２Ｄ上の前後部に２段のデツキ３，
３′を有した構成とされている。

上述した構成の伸縮式階段状観覧席の各段の観
覧席単体１Ａ乃至１Ｄの各々のデツキ３下側に
は、いずれも最後段の移動台車２Ｄより外側に離
間した左右両端近傍寄り部にサイドプレート取付
け用の左右支持梁８がそれぞれネジ止め等により
取付けられている。この各段の左右支持梁８はそ
れぞれ前後に長尺な断面ハツト型状部材よりな
り、各々当該段のデツキ３の下側の前端寄りから
貫材７の下側を通つて左右支脚５よりも更に後方
までに亘り延出されている。しかもその各段の左
右支持梁８は左右相互の間隔が第１図に示した
La，Lb，Lc，Ldのように前段のものから後段の
ものに行くに従い順次段違い状に広くされて取付
けられている。即ち、各段の左右支持梁８は前段
のものから後段のものに行くに従い順次外側に段
違い状にずらしてデツキ３下側に取付けられてい
る。こうした各段の支持梁８の前記貫材７より後
方延出部の外側に取付け枠９を介して固定するこ
とでサイドプレート１４が垂直に且つ該取付け枠
９と共に各々の後段のものの内側面と干渉しない
状態に離間して配して取付けられて、その各段の
サイドプレート１４が各段の観覧席単体の階段状
への伸長時に各々の後段の観覧席単体のデツキ３
下側の左右部を閉成するようになつている。つま
り上記支持梁８上面の貫材７よりやや後方寄り部
と最後端部とにそれぞれアングル材よりなるＬ形
状をなす前後ブラケツト１０，１１がネジ止めに
より立設固定され、この前後ブラケツト１０，１
１の外側に取付け枠９がその上辺部をネジ止めさ
れて垂設されている。この取付け枠９は角パイプ
を方形枠状に組んだもので、この内周前後部にそ
れぞれ上下に亘るアングル材１２，１２を介して
異形軽溝形状の前後受け材１３，１３が溶接など
により固着され、この前後受け材１３，１３にそ
れぞれ前後端部を挾み込む如く嵌合してサイドプ
レート１４が取付けられている。このサイドプレ
ート１４は前後に長尺な適当幅の複数枚の横矢板
（シートパイル）を上下多段に係合して構成され
て、それぞれ各々の後段の観覧席単体１Ｂ，１
Ｃ，１Ｄのデツキ３下側の左右空間外側部を閉成
するようになつている。尚最後段の単体１ｄの左
右サイドプレート１４は己れのデツキ３の後方に
一段高く配するデツキ３′下側左右空間外側を閉
成する。また、図中１５は上記取付け枠９の下辺
部上面に溶接固定された当て板で、この当て板１
５に上記サイドプレート１４の最下段の板材がネ
ジ止めされている。

又、上記各段のサイドプレート１４の取付け枠
９の下辺部下側にはその前後端に亘つて断面逆Ｕ
字状をしたガイド１６が固着されていると共に、
第２段目以降の各段のサイドプレート取付け枠９
下部のガイド１６内側前端部にＬ字板状のアーム
１７が固着され、このアーム１７下片部から上方
に突出して案内輪１８，１８が各々の内側に配す
る各前段のガイド１６内を転動するように設けら
れて、各段相互のサイドプレート１４同志を内外
でぶつからないように案内する働きをしている。

しかして、上記構成の本願の伸縮式階段状観覧
席では、各段の観覧席単体１Ａ乃至１Ｄと共にそ
れぞれの左右サイドプレート１４が一体に前進、
後退移動する。この移動の際該各段の左右サイド
プレート１４相互間隔がLa，Lb，Lc，Ldのよう
に異なつていると共に、その左右サイドプレート
１４が各々の段の貫材７よりも後方に位置するこ
とで、各段のサイドプレート１４同志が当り合う
ことも無く他の段の移動台車やデツキ及び貫材等
にも当たること無く、何等支障無く進退移動が可
能となる。

しかして各段の左右サイドプレート１４は第１
図、第２図並びに第５図に示す如く各段の観覧席
単体１Ａ乃至１Ｃが前進移動して階段状に伸長す
ると、各々の後段の単体１Ｂ，１Ｃ，１Ｄのデツ
キ３および３′の下側の左右空間外側部を前後相
互に間隔をあけることなく連続して閉成するよう
になる。又各段の観覧席単体１Ａ乃至１Ｃが順次
後退移動して第３図、第４図に示す如く垂直棚状
に短縮すると、最後段の単体１Ｄの後部デツキ
３′の下側に各段全ての左右サイドプレート１４
が後退して内外側に重複する状態で収まるように
なる。

この考案は上述した如くなしたから、各段の観
覧席単体のデツキ下側がサイドプレートで閉成さ
れて、階段状の伸長時でも横から各段のデツキ下
側内の移動台車等の各種内部機構部品が見えるこ
となく非常に体裁が良く外観意匠の向上が図れる
と共に、子供等の侵入を防止して故障や危険を招
くようなことを無くせる極めて安全性に優れた伸
縮式階段状観覧席となる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は左側部を省略した伸長状態の平面図、第２図
は同伸長状態の一部切欠した側面図、第３図は短
縮状態の側面図、第４図は同背面図、第５図は第
２図の一部拡大側面図、第６図は第４図の要部拡
大縦断面図、第７図は同要部の横断面図、第８図
は同要部分解斜視図である。 １Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄ……観覧席単体、２
Ａ，２Ｂ，２Ｃ，２Ｄ……移動台車、３……デツ
キ、４……脚台、４ａ……走行輪、５……支脚、
６……支持梁、７……貫材、８……サイドプレー
ト取付け用支持梁、９……取付け枠、１０，１１
……ブラケツト、１２……アングル材、１３……
受け材、１４……サイドプレート、１５……当て
板、１６……ガイド、１７……アーム、１８……
案内輪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 各々左右間口幅及び高さが段違い状に異なる移
   動台車とその各移動台車上に支持したデツキとか
   らなる複数段の観覧席単体を、その高さが低く且
   つ間口巾が狭い順に前方から配列すると共に、使
   用時には最も低い最前段の単体から順次前進移動
   させることで全体的に階段状に伸長し、不使用時
   には該最前段の単体から順次後退移動させること
   で各々の後段のもののデツキ下側に退入して全体
   的に垂直棚状に短縮するように連繋して設けた伸
   縮式階段状観覧席において、上記各段の観覧席単
   体のデツキの下側の最後段の移動台車より外側に
   離間した左右両端寄り部に、該デツキ後部の貫材
   より更に後方に延出し且つ前段のものから後段の
   ものに行くに従い順次外側に段違い状にずらして
   それぞれ支持梁を固設し、この各段の支持梁の前
   記貫材より後方延出部の外側にそれぞれ取付け枠
   を介して固定することで垂直に且つ該取付け枠と
   共に各々の後段のものの内側面と干渉しない状態
   に離間して配して各段の観覧席単体の階段状への
   伸長時に各々の後段の観覧席単体のデツキ下側の
   左右部を閉成するサイドプレートを設けたことを
   特徴とする伸縮式階段状観覧席。