JPH0243158Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、伸縮式階段状観覧席の階段端末パ
ネルに関するものである。

〔従来の技術〕

従来のこの種観覧席は、図示しないが、底部に
はローラを備え上部には支柱を立設した各段の基
台を、その段毎の移動床台が高さを増すのにした
がつて順次外側方向にずらして配置することによ
り、全部の移動床台を椅子付の状態のもとに相互
に連結して、前後方向に伸縮しながら移動が可能
となるように形成されている。そしてこの観覧席
の使用時には最も低い最前段の移動床台から順次
に引き出して全体を雛壇状に伸長し、これによつ
て各移動床台の椅子に多数の観客が着座できる状
態となる。また不使用時には、前記とは逆に最前
段の移動床台から順次に最高段の移動床台下へ垂
直棚状に縮小することで観覧席を後方の格納凹所
内へ収納保管することができるように構成されて
いる。上記による観覧席は、その使用時に各段の
踏板端部に側板付の手すりが連動的に起立するよ
うに組着されているが、上記側板とその段毎の踏
板間は何も存在しない空域帯になつていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記の構成により、従来のこの種観覧席には次
のような問題点があつた。

(1)各段における手すりの中途高さに配置されて
いる側板とその段毎の移動床台となる踏板間には
何も存在しない空域帯になつていたので、この空
域帯から過つて足が滑り出る危険性があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、上記従来技術の問題点を解決する
ものであり、各段の踏板端部に足の滑り出る空域
帯を無くして観覧席の安全性をさらに高めること
ができる伸縮式階段状観覧席の階段端末パネルを
提供することにある。この考案の特徴とするとこ
ろは、順に高さを増す複数からなる移動床台を相
互に連結して前後方向の伸縮により移動が可能と
なる観覧席において、前記移動床台の各踏板端部
に取付板と支持金具とを、踏板端部を挟んで上下
に取付け、取付板と支持金具に階段端末パネルを
固定したことにある。

〔作用〕

上記の構成により、各移動床台を雛壇状に引き
出して観覧席を使用するとき、各手すりの下端側
にあたる踏板の端部には階段端末パネルが取付け
られていて、この位置の上記踏板と外部とが連通
するような空域帯が存在しないため、過つて足が
滑つてもこの位置における階段端末パネルによ
り、踏板の外方へ足が滑り出るのを容易確実に防
止することができる。また観覧席の使用後に、こ
の観覧席を後方へ格納する際には、各移動床台の
高さが異なり、各段の両側端末に取付けられた階
段端末パネルは前後段の上記端末パネル同士が当
接することはない。従つてこの端末パネルを常時
取付けた状態のもとで観覧席の格納や引き出し操
作が行われるため、このパネルの取付け忘れ等に
よる危険性を皆無にすることができる。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

まず構成を説明すると、第１図から第３図まで
に示すように、順に高さを増す複数からなる移動
床台５を、相互に連結して前後方向の伸縮により
移動するために、底部にはローラ２を備え、上部
には支柱３を立設した各基台１が、その段毎にお
ける各移動床台５の高さを増すのにしたがつて順
次外側方向にずらして配置され、かつ各支柱３も
順に高さを増すように形成されて、使用時には最
前段の移動床台５から順次にその前方の床面Ｃ上
へ引き出すことにより、全段が雛壇状に伸長して
各移動床台５の椅子Ｂに多数の観客が着座でき、
また不使用時には上記とは逆に最前段の移動床台
５から最高段の移動床台５下へ戻すようにして、
全体を垂直棚状に縮小し、一括体にまとめ、この
状態の観覧席Ａをその後方の図示しない格納凹所
内へ収納保管が可能となる伸縮式階段状観覧席に
おいて、上記による観覧席Ａの使用時に、各移動
床台５の基板にあたるその段毎の踏板４の端部側
が階段の通路になり、またその位置毎の側方端部
には中途の高さに側板７を設けた手すり６が、隣
接する上下同士を一連状に起立ささせるように組
着されている。そしてこの踏板４の外方端部には
次の手段により階段端末パネル１１が一体的に取
付けられている。

上記した各移動床台５の基板にあたるその段毎
の踏板４の端部には、その上部側に、断面がＬ字
形で、上記踏板４の奥行寸法と同じ長さの取付板
８が載置され、またこの取付板８の直下位置にあ
たる上記踏板４の開口端部内には、上記した取付
板８と同じ長さで、この取付板８の上端部から踏
板４の底面までを幅として形成された中板９の内
側面に間隔的に溶着したコ字形の各支持金具１０
が挿入されたのち、この取付板８と各支持金具１
０とは双方間に踏板４の上面を介在させた上下の
配置をもつて、上方からのタツピングネジ１２の
螺挿とその締付けにより一体状に取付けられてい
る。この態様による取付板８と各支持金具１０に
は、上記の中板９を介してその段毎における移動
床台５の奥行寸法と同じ長さに形成された帯状板
による階段端末パネル１１が当接されている。そ
してこの階段端末パネル１１の上部外方から取付
板８側には、先端にメネジを形成したボルト型の
フランジ付ナツト１３が挿通され、取付板８側か
らはロゼツトワツシヤ１４を介在させた状態によ
り、上記したフランジ付ナツト１３のメネシに対
して丸皿ビス１５を螺挿し、その締付けをもつて
階段端末パネル１１の上部側が複数箇所で固着さ
れている。また上記階段端末パネル１１の下部外
方からその位置毎の各支持金具１０側には、先端
の外径面にオネジを形成したボルト１６が挿通さ
れ、各支持金具１０側からは上記ボルト１６のオ
ネジに対してナツト１７を螺合し、その締付けを
もつて階段端末パネル１１の下部側が複数箇所で
固着されている。

上記の構成により、各移動床台５を図示しない
駆動源の正転操作をもつて最前段側から順次にそ
の前方の床面Ｃ上へ第３図のように雛壇状に引き
出して観覧席Ａを使用するとき、各手すり６の下
端側にあたる踏板４の端部には、取付板８と中板
９の支持金具１０とが双方間に踏板４を挟んでタ
ツピングネジ１２により固着され、かつ、この取
付板８と支持金具１０には上の中板９を介して階
段端末パネル１１が取付けられているため、その
段毎の上記踏板４とこの位置の側方外部とが連通
するような空域帯は存在しない。従つて過つて足
が滑つても、この位置における階段端末パネル１
１により、踏板４の外方へ足が滑り出るのを容易
確実に防止することができる。

次に使用後の上記観覧席Ａを後方へ格納する際
には、前記記の引き出し時とは逆に、図示しない
駆動源の逆転操作により最前段の移動床台５から
順次に後段側の移動床台５下へ戻すように後退動
させて、観覧席Ａ全体を最高段の移動床台５下に
垂直棚状に縮小して行うが、その際各移動床台５
の高さが異なるうえ、各段の両側端末に取付けら
れた階段端末パネル１１は前後段における上記端
末パネル１１同士が当接することがないような高
さになつている。従つてこの端末パネル１１を常
時取付けた状態のもとで観覧席Ａの格納や引き出
しの各操作が行われるため、このパネル１１の取
付け忘れ等による危険性を皆無にすることができ
る。

なお上記の実施例では階段端末パネル１１を、
手すり６の側板７に近づく程度の若干の高さに形
成したが、この考案は上記の実施例に限定するこ
となく、例えば上記端末パネル１１の高さを大幅
に高くすることにより、手すり６の代替えをして
従来の手すり６を不要にすることができる利点が
ある。

〔考案の効果〕

この考案は、順に高さを増す複数段による移動
床台を相互に連結して前後方向に伸縮により移動
が可能となる観覧席において、移動床台の各踏板
端部に上下配置により取付板と支持金具とを一体
状に取付け、この取付板と支持金具に階段端末パ
ネルを取付けたことを特徴とするものである。従
つて各段の踏板端部からその外方へ足が滑り出る
ような空域帯を無くしたので、観覧席の安全性を
さらに高めることができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による観覧席の階段端末パネ
ルとその各支持体要部を示す分解斜視図、第２図
は同部分の組着態様を示す縦断面図、第３図は同
階段端末パネルを要所の一部に取付けた状態を示
す観覧席の部分側面図である。 ４……踏板、５……移動床台、８……取付板、
９……中板、１０……支持金具、１１……階段端
末パネル、Ａ……観覧席。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 順に高さを増す複数段からなる移動床台を相互
   に連結して前後の伸縮により移動が可能となる観
   覧席において、前記移動床台の各踏板端部に取付
   板と支持金具とを該踏板端部を挟んで上下に取付
   け、取付板と支持金具に階段端末パネルを固定し
   たことを特徴とする伸縮式階段状観覧席の階段端
   末パネル。