JPS6336132Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、劇場や屋内競技場等で仮設観覧席と
して好適に用いられる移動式座席装置に関する。

この種の座席装置は、順次高さの異なる多数の
座席支持体を入子式に階段状に配列して全体を縦
方向に重合収縮自在となし、各座席支持体の上に
取付けられた折り畳自在な多数の座席のうち一部
の座席を取除いて縦方向の階段状通路を形成した
もので、必要時にのみ各座席支持体を引出して階
段状の仮設観覧席を形成し、不要時には全ての座
席を折り畳んで各座席支持体を重合収縮させて壁
面の収納凹部等に収納保管できる便利なものであ
る。しかしながら、このような移動式座席装置
は、後部座席に着席する場合でも、一旦座席装置
の前方にまわつて階段状通路を登つていかねばな
らない不便さがあつた。

本考案は斯る不便さを解消することを目的とし
てなされたもので、上部に踏板をそれぞれ備えた
多数の座席支持体を入子式に階段状に配列し、か
つ前記各踏板上には横方向に多数の折り畳自在な
座席が配設されて、前記多数の座席支持体上に縦
列と横列の座席が形成され、この座席を備える多
数の座席支持体は全体が縦方向に重合収縮自在さ
れる移動式座席装置に於て、上記多数の座席支持
体の踏板上にそれぞれ上記座席を配設したとき
に、縦列に相当する座席部分について、少なくと
も一列、各踏板上に座席を配設しないで、そこの
部分を各踏板によつて構成される階段状通路とな
すと共に、上記多数の座席支持体のうち縦方向中
間に位置する少なくとも一つの座席支持体の踏板
上には上記座席を配設しないで該踏板を水平通路
となし、この水平通路にこれに通じる移動可能な
階段を付設したことを要旨とする移動式座席装置
に係るものである。

以下、実施例を挙げて本考案を詳細に説明す
る。

第１図は本考案移動式座席装置の一実施例の断
面図、第２図は同実施例の部分斜視図、第３図は
本考案移動式座席装置を設けた劇場の内部平面図
であつて、ここに１…は入子式に階段状に配列さ
れた順次高さの異なる座席支持体である。

この座席支持体１…は、第２図に示すように、
左右一対の脚体１１，１１の上部前面側に踏板１
２を取付け、この脚体１１，１１の上端に支持ロ
ーラ１３，１３を設けると共に、脚体下端の水平
基部１４，１４に接地ローラ１５を複数個設けた
もので、後方に配列される座席支持体ほど脚体１
１，１１の高さ及び左右間隔を大きく設定し、各
座席支持体１…の脚体上端の支持ローラ１３，１
３にてその背後の各座席単位体の踏板１２を支持
させることによつて、入子式に階段状に配列して
ある。

これら座席支持体１…の夫々の踏板１２の上の
横方向に支持杆１６を介して取付けられる多数の
座席２…は、第２図に示すように折り畳自在であ
り、支持杆１６の脚１７を前方に倒すと、各座席
２…が二つ折りの状態で踏板１２の上に重なり、
肘掛け２１の先端が踏板１２の前側上面に当接す
るようになつている。従つて、この状態で各座席
支持体１…を背後に移動させると、各座席支持体
１…は座席２…と共に背後の座席支持体１…に収
納され、最終的には第１図に二点鎖線で示すよう
に各座席支持体１…が重合収縮状態で所定の収納
凹部３に収納保管されるようになつている。尚、
第１図中８は必要に応じて各座席支持体１…の踏
板１２の横方向両端に設けられる手摺である。

この実施例の装置では、第３図に示すように多
数の座席支持体１…のうち、横方向両端と中間２
個所の縦列全てには踏板１２…上に上記座席２…
を配設しないことによつて、それら縦列の部分を
階段状通路４に形成すると共に、更に多数の座席
支持体１…のうち、中間に位置する一つの座席支
持体１′の横方向全てには踏板１２上に上記座席
２を配設しないことによつて、その部分を水平通
路５に形成してある。尚、この水平通路５を形成
する座席支持体１′は、第１図に示すように座席
２…が配設された座席支持体１…よりも縦方向
（前後方向）の幅を広くしており、補強用脚体１
１′を増設してある。

この水平通路５の横方向両端に通じさせる移動
可能な階段６は、第４図及び第５図に示すよう
に、順次高さの異なる複数の階段素体６１…を入
子式に配列して全体を重合収縮自在とした階段本
体６２を、移動自在な収納体６３の前後に設けた
もので、各階段素体６１は、上端に支持ローラ６
１１を有し下端の水平基部６１２に２個の移動ロ
ーラ６１３を有する左右一対の脚体６２４，６１
４と、これら脚体の上部前面側に取付けた踏板６
１５と、この踏板６１５の前縁に設けた垂下板６
１６とから成り、各階段素体６１…の脚体上端の
支持ローラ６１１によつてその背後の各階段素体
の踏板６１５を支持させるようにしてある。そし
て、最前列の階段素体６１には、階段素体を移動
させる駆動手段６４が連結されており、この駆動
手段６４によつて各階段素体６１を収納体６３の
方へ移動させると、各階段素体６１が自動的に重
合収縮して収納体６３の下部の受皿６３１に乗上
げた状態で収納されるようになつている。一方、
収納体６３にも四隅の移動ローラ６３２と駆動手
段６５を設けており、この駆動手段６５によつ
て、階段本体６２を収納したままの収納体６３を
所定の保管凹部７まで自動的に移動させて収納保
管できるようにしてある。

尚、この実施例では水平通路５を一本だけ形成
しているが、必要とあらば複数本形成して各水平
通路の両端に上記の如き移動式階段を付設するよ
うにしてもよいことは言うまでもない。

以上の如き本考案の移動式座席装置にあつて
は、中間に水平通路５を形成し、この水平通路５
に通じる移動可能な階段６，６を付設しているた
め、後部座席に着席する場合には移動可能な階段
６，６を登り、水平通路５を通り、階段状通路４
を登つて座席まで行けばよく、従つて、従来の座
席装置のように必ず装置前方にまわつて階段状通
路を下から登らねばならない不便さが消消され、
観客を移動可能な階段６，６を利用する者と座席
装置前方にまわる者とに二分される決果、混雑も
緩和されるという効果が得られる。しかも水平通
路５に通じる階段が移動可能であるため、設置及
び後かたずけが簡単に行なえ、不要時には所定の
保管凹部に収納保管できるから邪魔にもならず、
すこぶる便利である。また実施例のように、水平
通路５を形成する座席支持体１′を座席２…が配
設される座席支持体１…よりも縦方向（前後方
向）の幅を広くすると、往来しやすくなる利点が
ある。

このように本考案は著効を奏し、実用性のすこ
ぶる大きいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案移動式座席装置の一実施例の断
面図、第２図は同実施例の部分斜視図、第３図は
本考案移動式座席装置を設けた劇場の内部平面
図、第４図及び第５図は移動式階段の側面図及び
部分斜視図である。 １，１……座席支持体、２……座席、４……階
段状通路、５……水平通路、６……移動可式階
段、１２……踏板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部に踏板をそれぞれ備えた多数の座席支持体
   を入子式に階段状に配列し、かつ前記各踏板上に
   は横方向に多数の折り畳自在な座席が配設され
   て、前記多数の座席支持体上に縦列と横列の座席
   が形成され、この座席を備える多数の座席支持体
   は全体が縦方向に重合収縮自在される移動式座席
   装置に於て、上記多数の座席支持体の踏板上にそ
   れぞれ上記座席を配設したときに、縦列に相当す
   る座席部分について、少なくとも一列、各踏板上
   に座席を配設しないで、そこの部分を各踏板によ
   つて構成される階段状通路となすと共に、上記多
   数の座席支持体のうち縦方向中間に位置する少な
   くとも一つの座席支持体の踏板上には上記座席を
   配設しないで該踏板を水平通路となし、この水平
   通路にこれに通じる移動可能な階段を付設したこ
   とを特徴とする移動式座席装置。