JPS6345961Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はスタジアム等に用いられる椅子の背
板に関するものである。

従来、スタジアム等に用いられる椅子にあつて
は一般に第１図示の如く、後列に座る人が前方を
良く見えるように前列の椅子に対して後列の椅子
をわずかずつずらしていた。すなわち前列の椅子
はその背板をたとえば右方から左方に向けて順次
幅の狭いものを用い、また後列には左方から右方
に向けて順次幅の狭いものを用い、これによつて
各椅子に着座した際に、前列に着座した人の頭部
間に後列に着座した人の頭部が位置するように多
数の椅子を連設して設置していた。

しかしながらこのように背板の幅の異なるもの
を順次連設した場合にあつては、背板が着座した
人の背中を受け入れるように横幅方向に沿つて一
定の曲率半径で彎曲する必要があり、この場合背
板の彎曲頂点位置が背板の幅が大きいもの程後方
に張り出すことになるために、一列中の背板の彎
曲頂点位置が順次異り、従つて後列と前列との間
の通路幅が椅子の連設方向で変化して安全な通行
が至難となり、また背板の彎曲頂点が不揃いとな
つて全体を見渡した場合には体裁が悪いという欠
点を有していた。

この考案は前記のような従来のもののもつ欠点
を排除して幅が異る背板であつてもその後端部が
一定の位置、いいかえれば後列と前列との間の通
路幅を椅子の連設方向で一定にして安全な通行を
許容すると共に、外観上も体裁の良い椅子の背板
を提供することを目的とする。

以下図面に示す実施例に基づいてこの考案を説
明すると、第２図にはこの考案による背板１を用
いた椅子を２つ連設した場合が示されており、基
礎に取付けられる基板２が所要の間隔をもつて配
置されると共に、連結杆３で固定され、両側に位
置する基板２上には端部用肘掛付脚体４がその基
部５を固定して立設され、また中央の基板２上に
は中間用肘掛付脚体６が同様にその基部７を固定
して立設されている。そして各肘掛付脚体４，６
間には背板１が後方に稍々傾斜した状態で架設さ
れると共に、座板８が起倒自在に設けられてい
る。すなわちこの背板１はその横断面が第３図に
示すように両端部に位置する部分９，９′が一定
の曲率半径をもつて形成されており、その両端彎
曲部分９，９′の内端どうしを水平状部分１０で
連結して成るもので、背板１の横幅を変更する場
合には、前記水平状部分１０の幅を異ならしめ、
このようにして横幅寸法の異なる背板を得るもの
であり、横幅寸法の最小のものにあつては、彎曲
部分９，９′の内端どうしが直接接合することに
より得るものである。従つて背板１の横幅寸法が
異なる場合でも両端の彎曲部分９，９′は常に同
一の曲率半径で形成され、背板１の後面部の張り
出しが椅子相互間で不揃となることなく、椅子の
連設方向で一定となるものである。

なお、背板１は合成樹脂によつて形成されるも
のであつて、成形用型枠が用いられ、該型枠は両
端彎曲部分９，９′の成形用のものと、水平状部
分１０の成形用のものとから成り、両端成形用の
ものが共通に使用され、水平状部分１０の成形用
のものの幅のみを変更することにより一体成型さ
れる。

この考案は前記のように構成したので、スタジ
アム等に複数の椅子を連設して配置した場合にお
いても、前列と後列との間に常に一定の幅の通路
を確保できるので、着座時あるいは退場時の通行
が円滑にできると共に、設置状態における体裁も
良好であり、かつ両端彎曲部分の成形用型枠とし
て同一のものを使用できるという利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は実施例を示し、第１図は従来のものの取
付状態を示す図、第２図はこの考案による背板を
用いた椅子を２つ連設した状態を示す図、第３図
は背板の横断面図、第４図はこの考案による背板
を用いた椅子を取付けた状態を示す図である。 図中１は背板、４，６は肘掛付脚体、９，９′
は彎曲部分、１０は水平状部分である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂で一体に成形してなる椅子の背板にお
   いて、前記背板の両端部を同一曲率半径をもつて
   形成すると共に中央部分を異なつた幅の平板から
   選んだ１つの任意の幅の平板で形成したことを特
   徴とする椅子の背板。