JPS6051889B2 - 積み重ね可能なひじ掛け椅子 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は椅子、特に積み重ねることができかつ又ひじ掛
け若しくはひじもたせを有する椅子に関するものである
。

積み重ねることのてきるひじ掛けのない椅子は公知であ
り、オーストラリア特許第７４２４１１号（米国特許第
３８７４７２６号）には多くの実際的な利点を有するこ
のような椅子が記載されている。

しかしながら、このような積み重ね可能な椅子には、そ
の積み重ね整理のじやまになり、特に椅子の積み重ね高
さを増大させるところから、ひじ掛けがないものがほと
んどである。ひじ掛けを有する椅子は、ひじ掛けが椅子
に腰かけている人の疲労を少なくしそれにより腰かけて
いる人の集中力を増大させるということから、多くの使
用目的において好ましいものである。

従つて、ひじ掛けを有する椅子は多くの講演会場や！コ
ンサートホールにとつて好都合である。それゆえ、本発
明の一つの目的は積み重ねることのできるひじ掛け付椅
子を提供することである。

本発明の一面によれば、座部、前脚部および後≦脚部か
ら成る積み重ね可能なひじ掛け椅子が提起されており、
それにおいて左右両ひじ掛けが前記座部の両側にそれぞ
れ配置されていてまた各ひじ掛けは下方向に開口してい
るくぼみを有しており、その結果前記ひじ掛け椅子は、
下側にくるひじ掛け椅子の各ひじ掛けが上側にくるひじ
掛け椅子のひじ掛けのくぼみの下に位置するように、積
み重ねることができる。

時には、多目的公会堂においては、たとえば講演が行な
われるような時には、椅子を列をなして配置する必要が
あり、またある時には、たとえば多数のテーブルのまわ
りに座席が要求されるような場合には、椅子は列に並べ
る必要がない。

それノゆえ、椅子は理想的には互いに分離している個々
の椅子でなければならない。しかしながら、椅子が列に
並べられる場合には、椅子に腰かけた個々人の勝手な動
作にもかかわらず椅子を一列に保持するよう椅子を互い
に連接するための手段を提供・することが望ましい。更
にまたある管轄区域内においては、椅子を列に並べた時
には、たとえば４つ以上をグループとして連接しなけれ
ばならないということが法定条件となつている。このよ
うな法定条件は主として起りうるパニツク状態を想定し
て意図されたものであり、仮にパニツク状態が起きた時
に個々の椅子がひつくりかえつたり押し出されて列や座
席間の通路の妨げになるのを防止するためのものである
。過去において、椅子を列に連接するために数多くの手
段が用いられてきたが、これらの手段はいずれも手既し
てぶかつこうなものであり、あるいはまた高価であり、
それほど効果的なものではないというのが現状である。

ある場合には、いくつかの穴を有する垂直板が管状の金
属フレームに取付けられ、水平棒が一群の椅子を連接す
るために各垂直板の穴を貫通してねじ込まれている。ま
た、独立した水平台架を用いてその上にまたがるように
一群の椅子を配設したり、外部連接部材あるいはボルト
連結部材を用いることが提案されている。図面に関連し
て以下に記載される本発明の実施態様においては、ひじ
掛けを有し積み重ねることができるだけでなく、列を形
成するために同様の椅子と相互に連接することのできる
椅子が開示されている。

このような椅子のひじ掛けは必要な連接手段を提供する
よう特別に工夫されている。実施態様において、椅子は
ポリプロピレンのようなプラスチック材料から単一部品
として成形される。しかしながら、本発明はそのように
限定されるものではなく、本発明による複数の椅子が一
つあるいはいくつかの部品として形成されてもよく、ま
たプラスチックを成形したり、シート状金属をブレスし
たり、あるいはガラス繊維と合成樹脂から形成されても
よい。以下、本発明の実施態様を図面を参照して説明す
る。

図に示された椅子１は射出成形によりポリプロピレンを
成形したものである。

第３図に示されているように椅子の背部２はその頂部３
からそれが座部４および５に合する地点へと外に向かつ
て先細りになつている。背部２は、強化を目的として、
かつまた握りを提供するためその頂部３において、また
大きさをより小さくするためにその外側縁部６および７
においてまるめられている。背部２の外側縁部６および
７は座部４の下へと下方向に連続しており、そしてひじ
掛け８および９の後部および下部延長部と結合してそれ
ぞれ後脚１０と１１を形成している。後脚１０と１１は
頂部から底部へと先細りになつており、また深い内曲部
あるいはみぞ１２が設けられていて後脚１０と１１に更
に強度を加えている。その前面縁部１５において座部４
は全体的にほぼ直角に下方向に曲げられている。両側部
においてこの曲げられた縁部１５はなだらかな曲線を描
いて下方向にのびており、ひじ掛け８および９の下方向
延長部と結合して、それぞれ前脚１６と１７を形成して
いる。前脚１６および１７は頂部から底部へと先細りに
なつており、かつまた前面縁部とひじ掛け部の間にみぞ
１８を有している。このみぞ１８は更に前脚１６および
１７の強度を増大させるものである。座部４の両側部は
、それぞれひじ掛け８および９の内面１９と２０に合体
している。

ひじ掛け８および９は座部かられずかな角度で外側に向
いており、底部から頂部へといくぶん先細りになつてい
る。ひじ掛け８および９の頂部はいずれも外側に曲げら
れており、ぞれぞれ下方向に開口しているくぼみ２３と
２４を形成している。着席者の左腕を支持する左側ひじ
掛けである一方のひじ掛け９は、右側ひじ掛けよりも適
当な高さだけ、たとえば１ノ４インチ、わずかに高く作
られており、また左側ひじ掛け９の頂部におけるくぼみ
２４は右側くぼみ２３よりもわずかに、たとえば１１４
インチ、広く作られている。

それゆえ、２つの椅子が並んで置かれた場合、後から見
て右側の椅子は左側の椅子の上に配置され、右側の椅子
の左側ひじ掛け９は左側の椅子の右側ひじ掛け８の頂部
上にはめ込まれる。このようにして２つの椅子は横に並
んで互いに連接され、別の椅子が同様に加えられて一列
の椅子を形成することができる。この構造の利点は、２
つの連接された椅子を離すには実質的な垂直運動が必要
であり、その結果パニツク事態になつた時に列になつた
一群の椅子の不本意な解離を防止するよう配置すること
ができるということである。

それはまた外部の連接部材若しくは結節部材の必要性を
、かつまたいかなる取付け工具の必要性をも回避するも
のである。また、前述したようにひじ掛けを重ね合わせ
て連結することによつて同一の椅子が普通に横に並べら
れた時に要するよりも実質的に狭い面積ですむことから
フロアスペースが節減される。これらの利点は椅子の積
み重ねスペースに影響することなくかつまた他のどんな
付属装置や工具を必要とすることなく得ることができる
。２つの椅子が、一方を他方の上にというように、積み
重ねられた場合、上側の椅子の後脚１０および１１は下
側の椅子のみぞ１２にはめ込まれる。

また上側の椅子の前脚１６および１７は下側の椅子の前
脚１６および１７のみぞ１８に相互係合される。この相
互係合が積み重ね高さを決定する。下側の椅子のひじ掛
け８および９は上側の椅・子の対応するくぼみ２３およ
び２４に一線に並べられる。普通、下側の椅子のひじ掛
け８および９の少なくとも前端部および後端部に何らか
の突起部があり、上側の椅子の対応するくぼみ２３と２
４の前端部および後端部にはめ込まれている。し：かし
ながら、実際の積み重ね高さ次第によつては、下側のひ
じ掛けの頂部とすぐ上に置かれたくぼみの開口の間に隙
間があつてもよい。あるいはまた、下側のひじ掛けが上
にきたくぼみの中に部分的にはいり込んでいてもよい。
冫 好ましくは、椅子は一体成形された滑走台を備えて
いる。

しかしながら、そのかわりに、椅子の脚部はその底部内
にはさみ込まれるかあるいはねじ込まれて滑走台を形成
する成型プラスチック製の逆ドームにそれぞれはめ込ま
れていてもよい。椅子の高さは、それゆえ、すでに配設
されたドーム内にあるいはドーム上に別のドームをはさ
み込むかあるいはねじ込むことにより、増大される。そ
れゆえ、椅子は、その後脚あるいは前脚にそれぞれドー
ムを追加することによつてよりまつすぐなあるいは逆に
より傾斜した姿勢に調節可能であり、あるいはまた、ド
ームを椅子の４本の脚全部に追加することにより、座部
上の詰め物あるいはクッションの厚さがない場合に、中
間姿勢を維持することができる。普通、前述したような
成型滑走台はいろいろな所望の姿勢のために要求される
ような寸法をとり得るものである。以上の如く記された
椅子においては、強度を増大させるが積み重ねをじやま
したりあるいは制限するような突張り部品は使用されて
いない。

しかしながら、もし積み重ね高さが、たとえばそれが２
インチであるならば、要求されるどんな突張り部品も椅
子の後脚の底部の上２インチまでの位置で脚部内のみそ
を横切つて配置され、積み重ねられた時に上にくる椅子
の位置を決定づけることも−できる。更に、補強用リブ
あるいはカセットは、積み重ね中心の位置がずれない限
り、垂直あるいは垂直に近い表面とは別の所で構造上の
強度を提供することが可能である。実施態様に示された
椅子は前脚および後脚の間５に、そしてまた両側部間に
おいてオープンになつているので、それによりクリーニ
ングに対する拘束を減少することができる。

前方のオープンスペースにより着席者は足を椅子の下に
置くことができ、一方後方のオープンスペースによりす
ぐ前の！列の座席の下へと足をのばすこともできる。こ
れまでに詳細に記載された椅子において、くぼみ２３お
よび２４は双方ともとざされた両端部を有している。こ
のくぼみ２３と２４の形は列方向における相対的運動を
阻止し、またとざされた両端部は列に対して直角方向へ
の相対的運動を阻止する。しかしながら、一方の端部あ
るいは両端部を開放しながらかつまた列に対して直角な
相対的運動を阻止するための別の締付け手段を用いて、
列方向における相対的運動を阻止するようなくぼみの形
を採用することもまた可能である。たとえば、ひじ掛け
の前方はとざされており後方は開かれていてもよく、そ
の結果、一方の椅子は、とざされている前方端部が接触
してそれ以上動かなくなるまで、他方の椅子の上を水平
に押し進めることができる。ひじ掛けの後方端部はピン
、ばね戻り止め手段、ボルトあるいは他の適当な手段に
より連結されてもよい。以上は本発明のある実施例につ
いてのみ記述したものであり、当業者において明らかで
あるような修正が、本発明の範囲を逸脱することなしに
、なされ得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施態様の椅子を右側のわずかに後方
上部から見た斜視図、第２図は右側から見た前方斜視図
、第３図は正面図、第４図は側面図である。 ４・・・・・・座部、８，９・・・・・ひじ掛け、１０
，１１・・・・後脚部、１６，１７・・・・・前脚部、
２３，２４・・・・くぼみ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ プラスチック材料から単一製品として成形される積
   み重ね可能なひじかけ椅子であつて、座部、背部、前脚
   部、後脚部および前記座部の相当する側にそれぞれ位置
   した左右両ひじ掛けからなり、前記脚部が実質上その全
   長にわたつて延びかつ各脚部の前後端部を限定している
   外方に向いたみぞを有しており、各後脚部の前端部およ
   び各前脚部の後端部は座部の対向する両側部において座
   部を越えて上方に延び相当するひじ掛けの前後部を形成
   しており、各ひじ掛けは前記上方の延長脚部間に延びひ
   じ掛けの頂部を形成している実質的にＵ形である下方に
   開口したくぼみを有し、一方のひじ掛けおよび対応する
   くぼみは他方のひじ掛けおよび対応するくぼみよりわず
   かに幅が狭く、幅の狭いひじ掛けは隣接する同様の椅子
   の幅の広いひじ掛け内に納まることができ、前記後脚部
   の後端部は上方に延びて前記背部の両側を形成し、前記
   ひじ掛けは座部のみを介して背部と連続していることを
   特徴とする積み重ね可能なひじ掛け椅子。 ２ 前記背部は丸められ下方および前記背部の後方に開
   口したみぞを形成していることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項に記載の積み重ね可能なひじ掛け椅子。 ３ 各ひじ掛けのくぼみがその両端部において閉じてい
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項または第２項
   に記載の積み重ね可能なひじ掛け椅子。 ４ 前記幅の狭いひじ掛けのくぼみが幅の広いひじ掛け
   のくぼみよりその長さがわずかに短いことを特徴とする
   特許請求の範囲第３項に記載の積み重ね可能なひじ掛け
   椅子。 ５ 前記幅の狭いひじ掛けが幅の広いひじ掛けよりその
   高さがわずかに低いことを特徴とする特許請求の範囲第
   １項から第４項のいずれか１項に記載の積み重ね可能な
   ひじ掛け椅子。 ６ 各ひじ掛けのくぼみがその両端部において閉じてお
   り、幅の狭いひじ掛けのくぼみが幅の広いひじ掛けのく
   ぼみよりその長さがわずかに短く、幅の狭いひじ掛けが
   幅の広いひじ掛けよりその高さがわずかに低いことを特
   徴とする特許請求の範囲第１項から第５項までのいずれ
   か１項に記載の積み重ね可能なひじ掛け椅子。 ７ ガラス繊維および合成樹脂から製造されることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項から第６項のいずれか１
   項に記載の積み重ね可能なひじ掛け椅子。 ８ ポリプロピレンを射出成形することにより製造され
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項から第７項の
   いずれか１項に記載の積み重ね可能なひじ掛け椅子。 ９ 座部の対向する側部が、前記ひじ掛けの前後部を形
   成する前記脚部の上方延長部間で、前記ひじ掛けのＵ形
   のくぼみに向かつてそれぞれ上方に延びていることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項から第８項のいずれか１
   項に記載の積み重ね可能なひじ掛け椅子。 １０ 同様のひじ掛け椅子の上に積み重ねたときに、下
   側の椅子の各ひじ掛けが上側の椅子の相対するくぼみの
   中に入り込んでいることを特徴とする特徴とする特許請
   求の範囲第１項から第９項のいずれか一項に記載の積み
   重ね可能なひじ掛け椅子。 １１ 同様のひじ掛け椅子の上に積み重ねたときに、上
   側の椅子の各脚部が下側の椅子の相当する脚部の外方に
   向いたみぞに受け入れられることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項から第１０項のいずれか１項に記載の積み
   重ね可能なひじ掛け椅子。