JPS6316784Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、伸縮式階段状観覧席の補助ステツ
プ取付装置に関するものである。

近年体育館等においては内部を多目的に使用す
るために、壁側に近い床面の一部に伸縮移動式の
階段状観覧席を設置することが多くなつた。この
観覧席は、順に高さを増す観覧椅子付の複数段の
移動床台を相互に連結して、前後方向に伸縮によ
る移動が可能となるように形成されている。そし
てこの観覧席の使用時には最も低い最前段の移動
床台から順次に引き出して全体を雛壇状に伸長
し、これによつて各移動床台の椅子に多数の観客
が着座できる状態となる。また不使用時には、前
記とは逆に最前段の移動床台から順次に後段側の
移動床台下に戻すように後退移動させることによ
り、全体が最上段の移動床台下に垂直棚状に縮減
し、これによつて建物の壁側に収納保管できるよ
うに構成されている。

前記による観覧席は、移動床台の一部に通路と
して形出される階段部の一段毎の段差が極めて大
きいので、これを解消するために上記の階段部間
に、この階段部の高さの半分程の高さの補助ステ
ツプを設けていた。そしてこの補助ステツプ内に
は観客が階段の通行時における昇降が容易である
ように照明源となる足下灯が収納されている。上
記による足下灯は光源に通常の電球を用いている
ため、照明灯として使用中の一定経時毎にヒラメ
ントの損耗等により新しい電球と交換しければな
らない。しかし従来の補助ステツプ４は、四方部
をボルトの螺挿によりその段毎の階段部に固定的
に取付けていたので、上記による電球の交換時に
はその四方部におけるボルトの着脱装作を要して
作業性が悪く、これによつて電球の交換が極めて
困難であるという問題点があつた。

この考案は上記の問題点を解決するためになさ
れたものであり、その目的とするところは、補助
ステツプの後端部に支軸を配置し、この支軸に上
記の補助ステツプを起倒自在に軸嵌することによ
り、足下灯の電球の交換時には補助ステツプに起
倒操作を与えるだけで、四方部でのボルトの着脱
操作等を要しないことから、作業性が良くなつ
て、内部電球の交換が極めて容易迅速にでき得る
伸縮式階段状観覧席の補助ステツプ取付装置を提
供することにある。

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

まず構成を説明すると、第１図に示すように、
各段毎の支柱１ａに支持されて順に高さを増す複
数段の観覧椅子（図示せず）付の移動床台２が、
その段毎の車輪付基台１を相互に連結することに
より、前後方向に伸縮状の移動が可能となるよう
に形成されて、使用時には最も低い最前段の移動
床台２から順次に引き出して全体を雛壇状に伸長
し、これによつて各移動床台２の図示しない椅子
に多数の観客が着座できる状態となり、また不使
用時には、前記とは逆に最前段の移動床台２から
順次に後段側の移動床台２下に戻すように後退移
動させて、全体が図示しない最上段の移動床台下
に垂直棚状に縮減して建物の壁側に収納保管が可
能となる伸縮式階段状観覧席において、各段毎の
移動床台２にはこの移動床台２の一部を用いて人
間の通行が可能な所定幅および長さを有する階段
部３が、その各段の支柱１ａの前部に水平に装着
されている。そして上記階段部３の後部側上面位
置には次に示す補助ステツプ４が配置されてい
る。

上記の補助ステツプ４は次のように形成されて
いる。すなわち第２図から第４図までに示すよう
に、この補助ステツプ４は、前記による階段部３
と横幅が同じ幅で奥行がほぼ半分程の長さに形成
されている。そしてこの補助ステツプ４の両側下
部には後端部から前端に近い位置までの長さのア
ーム７が取付けられていて、その両後端部には帯
状面板の中心帯に軸孔を貫設した軸挿板７ａが下
向けに突設されている。上記の軸挿板７ａは、そ
の段毎における階段部３の後部上面両側に立設さ
れた軸孔付の支軸板５に、その支軸板５の軸孔に
支軸６（例えばナツト掛けのボルト等）を挿通
し、この支軸６を中心にして起倒自在に連結され
ている。従つてアーム７上に取付られている補助
ステツプ４は、上記の支軸６を中心にして起倒操
作が可能となるように構成されている。また前記
アーム７の前端に垂設された支持部材７ｂの下端
部にはこの直上部に一体的に取付けられている補
助ステツプ４の水平度を容易に確保するために、
平丸形の平面体によるネジ頭をもつてボルト状に
形成されたアジヤスタ８が、その旋回操作により
上下調整が可能のように螺挿されている。

また上記による補助ステツプ４の直下位置にあ
たる階段部３の上面には帯状板をコ字形に屈曲し
てその前面下部の切欠き部分に、乳白色の樹脂板
製灯出プレート９ａを付着した目かくし板９が、
前記補助ステツプ４の起倒時に当接しない配置関
係により取付けられている。そしてこの態様によ
る目かくし板９の内側位置にはケースの内部に図
示しない電球を交換自在に収装した足下灯１０
が、別位置におけるスイツチ等の操作により、点
灯、消灯ができるように配置されている。

なお前記による補助ステツプ４は、階段を昇り
降りする観客が過つて爪先等の当接によりこのス
テツプ４を持ち上げることがないように、上記補
助ステツプ４の前端内側と目かくし板９間に、例
えばバネ付のボルト或いは凸状部を形出したバネ
体等による弾性的な凸状体（図示せず）が配置さ
れている。

次に作用を説明する。

上記の構成により、通常は第１図および第２図
に示すように、補助ステツプ４を水平状態に定置
して置くと、各段毎の階段部３間には上記の補助
ステツプ４が突出して補助階段を形出するため、
歩幅の小さい婦女子でも階段の昇り降りが極めて
楽にできる。そのうえこの各補助ステツプ４内に
は足下灯１０が収装配置されているので、夜間で
も安全に昇り降りができる。

次に前記による足下灯１０内の電球が損耗して
交換を必要とする際には、補助ステツプ４の前端
内側に設けられているバネ付ボルトを外すか、或
いは補助ステツプ４の前端部に強い持ち上げ力を
与えると、図示しない弾性的な凸状体による係止
態様から解除された補助ステツプ４は、後端部の
支軸６を中心にして第３図のように傾斜した起立
状態になるため、上記補助ステツプ４の直下位置
に配置されている足下灯１０が露出することにな
る、従つてそのケースの着脱により、内部の電球
を容易迅速に交換することができる。なお上記に
よる電球の交換後は、再び補助ステツプ４を支軸
６を中心にして傾斜した起立状態から階段部３と
平行な水平状態に降下することで、前述した補助
階段としての状態に回復できる。また上記による
補助ステツプ４の起倒操作時に補助ステツプ４を
支承するアーム７の前端に位置した支持部材７ｂ
が階段部３との離着動作を行うが、この支持部材
７ｂの下端には平丸形の平面体を持つアジヤスタ
８が螺挿されているため、この平面体の接面によ
り、上記階段部３上に敷設されているカーペツト
（図示せず）等の損傷を確実に防止することがで
きる。

なお上記の実施例では補助ステツプ４の軸挿板
７ａと階段部３上の支軸板５に設けられている軸
孔に挿着する支軸６は、ナツト掛けによるボルト
を用いるように説明したが、この考案は上記の実
施例に限定することなく、例えば上記のボルトと
同径によるピン等を挿着しても、前記の実施例と
同様の作用効果が得られる。

以上に説明したようにこの考案は、移動床台２
の階段部３の後部上面両側に支軸板５を立設し、
上記階段部３上に配置する補助ステツプ４の後端
両側には下向きの軸挿板７ａを突設するととも
に、この軸挿板７ａと前記支軸板５の各軸孔に支
軸６を挿着することにより、足下灯１０における
電球の交換時には補助ステツプ４に起倒操作を与
えるだけで、四方部でのボルトの着脱操作等を要
しないことから、作業性が良くなつて、内部電球
の交換が極めて容易迅速にできる等の効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による補助ステツプ取付装置
を備えた伸縮式階段状観覧席の一部側面図、第２
図は同装置により階段部上に配置した補助ステツ
プの側面図、第３図は同装置により起倒自在とな
る補助ステツプの動作図、第４図は同装置により
階段部上に配置した補助ステツプの一部縦断正面
図である。 ２……移動床台、３……階段部、４……補助ス
テツプ、５……支軸板、６……支軸、７……アー
ム、７ａ……軸挿板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 各段毎の移動床台が連結して伸縮が可能となる
   観覧席において、前記移動床台の階段部の後部上
   面両側に支軸板を立設し、上記階段部上に配置す
   る補助ステツプの後端両側には下向きの軸挿板を
   突設し、前記軸挿板と支軸板の各軸孔に支軸を挿
   着し補助ステツプを起倒自在にしたことを特徴と
   する伸縮式階段状観覧席の補助ステツプ取付装
   置。