JPH0142615Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 考案の目的 〔産業上の利用分野〕 本考案は屋内競技場・コンサート会場・展示会
場等に設備し、必要に応じ伸ばして階段状の観覧
席を構成し、不使用時は縮めて壁面に沿つて多段
棚状に収納することによつて、空いた床スペース
を有効に利用できる伸縮式階段状観覧席における
足下照明装置に関する。

〔従来の技術〕

上記伸縮式階段状観覧席の各段に、着席者の足
下を照らすための照明器具いわゆる足下灯を設置
するが、その取付け位置は、観覧席が伸縮式階段
構造を成す関係上各段床の前端面を一般としてい
る。

従来の足下灯は、そのソケツトを段床の前端面
に設けた凹所内に取付け、ソケツトにはめた電球
がのぞいている段床前端面の穴を透光性カバーで
覆い、そのカバーを段床の前端面に固定してい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが上記足下照明装置は、ソケツトと透光
性カバーを別々に段床の前端面に取付けなければ
ならない。またソケツト取付部ごとに取付ボルト
通し穴を加工しなければならない等の作業上の不
具合がある。

本考案は従来の伸縮式階段状観覧席の足下照明
装置が持つ上記の問題点を解決することを目的と
する。

ロ 考案の構成 〔問題点を解決するための手段〕 前後に伸縮可能で前が低い階段状床１の各段床
１Ａ，１Ｂ，１Ｃ……に前倒式折畳みいす２を具
え、設置時には前方に延長して階段状の床１を形
成すると共に、各段床１Ａ，１Ｂ，１Ｃ……のい
す２を使用状態に起立させ、収納時には後退させ
て多段棚状に短縮すると共に、各段床１Ａ，１
Ｂ，１Ｃ……のいす２を倒伏させてそれぞれ後段
の床の下に収めるようにした伸縮式階段状観覧席
において、足下灯３を段床１Ａ，１Ｂ，１Ｃ……
の前端面に、その足下灯３の裏面に突出するソケ
ツト４を段床１Ａ，１Ｂ，１Ｃ……の前端面に沿
つて設けた溝状空洞５内に納めると共に、足下灯
３の取付用座板６を表面側からの操作のみで溝状
空洞５の内面に係止可能な固着部品７，８で止め
ることにより取付けたものである。

〔作用〕

階段状床１を設置した状態において足下灯３を
点灯すると、各段のいす２の下の床面が後方から
照明される。

足下灯３は段床１Ａ，１Ｂ，１Ｃ……の前端面
に、固着部品７，８によつて表側から操作するだ
けで取付けられる。

階段状に設置されている観覧席を収納するに
は、各段のいす２を鎖線示２′のように折畳み、
各段床１Ａ，１Ｂ，１Ｃ……を前のもの、すなわ
ち低い側から順次後退させるもので、折畳まれた
いす２はそれぞれ後段の床の下に納まり、多段棚
状に短縮収納される。

いす２をばねで起立方向に付勢したものの場合
は、各段床の後退に伴なつていす２が後段の床の
前端に当り、いす２はその後段の床によつて押倒
されながらその床の下に納まる。

階段状観覧席を設置する場合は、多段棚状に収
納されている階段状床１の各段床１Ａ，１Ｂ，１
Ｃ……を前のものから順に送出し、いす２を起立
させるものである。起立ばねを持つたいすの場合
は、段床の前進に伴なつて後段の床によるいすの
押圧が解除され、いす２は自動的に使用状態に起
立する。

〔実施例〕

階段状床１の各段床１Ａ，１Ｂ，１Ｃ……は、
各段ごとにその後部に取付けた支脚９と、前部を
前の段床の支脚９の上端に滑動可能に載せること
によつて水平に支えられている。

各段床１Ａ，１Ｂ，１Ｃ……は、その前縁およ
び後縁に沿つて配置したサツシ材１０，１０間に
横材１１を渡した枠組の上に床板１２を張つてい
る。

前縁のサツシ材１０に、前方に向つてスリツト
１３で開口した溝状空洞５が形成されている。そ
のスリツト１３があるサツシ材１０の前面は斜め
下を向くように傾斜している。

足下灯３は、横長長方形の取付用座板６の中央
裏面にソケツト４を小ねじ１４で固着し、そのソ
ケツト４に装着して座板６の表面に穴２０から突
出している電球１５を光拡散性のカバー１６で覆
うことによつて構成されている。カバー１６は座
板６に小ねじ１７で止められている。電球１５の
光がステージ正面から見えないように。上記カバ
ー１６の上半面に黒色の遮光層１８が形成されて
いる。

足下灯３は固着部品７，８によつて取付けられ
るが、実施例は固着部品として、一方はボルト、
他方は平行四辺形ナツトを使用している。取付用
座板６の左右に挿通した一方の固着部品（ボル
ト）７に予めねじ込み支持させてある他方の固着
部品（平行四辺形ナツト）８を、第４図鎖線示の
ようにスリツト１３に合せた状態でソケツト４を
スリツト１３を通して溝状空洞５内に納め、取付
用座板６を段床の前端面、すなわちサツシ材１０
の前面にあてがい、固着部品（ボルト）７を締付
けることによつて取付けられている。

固着部品（ボルト）７を締付け方向に回すと、
他方の固着部品（平行四辺形ナツト）８は初め共
回りするが、第４図実線示のように、90度弱回つ
たところで短辺側が、溝状空洞５の内面のスリツ
ト１３に沿つた対向壁１９，１９に係合して止ま
る。

ハ 考案の効果 本考案は上記のように、伸縮式階段状観覧席に
おいて、足下灯３を段床１Ａ，１Ｂ，１Ｃ……
に、その足下灯３の裏面に突出するソケツト４を
段床１Ａ，１Ｂ，１Ｃ……の前端面に沿つて設け
た溝状空洞５内に納めると共に、足下灯３の取付
用座板６を表面側からの操作のみで溝状空洞５の
内面に係止可能な固着部品７，８で止めることに
より取付けたから、足下灯３は段床１Ａ，１Ｂ，
１Ｃ……の各前端面に、取付位置ごとにボルト通
し穴加工を行うことなく、前方からの作業だけで
簡単に取付けることができるもので、伸縮式階段
状観覧席の各段床に設ける足下照明装置として効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案足下照明装置を具えた伸縮式階
段状観覧席の一部の側面図、第２図は本考案足下
照明装置の拡大縦断側面図、第３図は横断平面
図、第４図はナツトの係合状態を示す正面図。 １は階段状床、１Ａ，１Ｂ，１Ｃ……は段床、
２は前倒式折畳みいす、３は足下灯、４はソケツ
ト、５は溝状空洞、６は取付用座板、７，８は固
着部品、１０はサツシ材、１３はスリツト、１５
は電球、１６は光拡散性カバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前後に伸縮可能で前が低い階段状床の各段床に
   前倒式折畳みいすを具え、設置時には前方に延長
   して階段状の床を形成すると共に、各段床のいす
   を使用状態に起立させ、収納時には後退させて多
   段棚状に短縮すると共に、各段床のいすを倒伏さ
   せてそれぞれ後段の床の下に納めるようにした伸
   縮式階段状観覧席において、足下灯を段床の前端
   面に、その足下灯の裏面に突出するソケツトを段
   床の前端面に沿つて設けた溝状空洞内に納めると
   共に、足下灯の取付用座板を表面側からの操作の
   みで溝状空洞の内面に係止可能な固着部品で止め
   ることにより取付けた伸縮式階段状観覧席におけ
   る足下照明装置。