JPH0241038B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は液晶によつて表示を行う表示装置に係
るものであり、特には単一の表示装置中において
電極の切替えによつてポジ表示とネガ表示を自在
に選択表示出来る液晶表示器の構成に関するもの
である。

（従来の技術） 従来の液晶表示装置の代表的なものは第６図に
基本的な構成を示すものである。図において符号
１及び２で示す二枚のガラス基板が適当な間隔を
持つて平行に配置されると共にその内側の面には
透明電極によつてガラス基板１には表示に対応す
る形状のコモン電極２０とコモン電極の引出線部
２１が配設され、ガラス基板２にはセグメント電
極２２が表示に必要な数と形状で配設され、該セ
グメント電極２２には夫々に引出線部２３が設け
られている。この時にガラス基板１に配設された
引出線部２１とガラス基板２配設された引出線部
２３は平面図形状で重なり合うことの無い様に配
設されていて、それにより電圧の印加によつても
前記引出部は表示に無関係となるようにしてあ
る。前記二枚のガラス基板の間の空間には、液晶
９が注入されていて、この液晶９は前記ガラス基
板１，２の周辺部の設けたシール剤１０によつて
封止されている。このような構成とすることによ
つて液晶表示装置は、例えば直流で駆動する場合
にはコモン電極２０に一方の極の電位を印加し、
必要なセグメント電極２２に他の一方の電位を印
加することで表示が行なわれる。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら。従来の液晶表示装置は、その製
造の工程中でネガ表示用が例えばTN型液晶表示
装置においては表示装置に取付ける偏光板の偏光
方向を定めることで決定されてしまうので、使用
に際しては予めいずれの表示がより目的に合致す
るかを選択する必要があつた。しかし表示の内容
によつては同じ表示内容であつてもポジ表示とネ
ガ表示が切替られればより高度の表示が可能であ
る場合も多くあり、具体的にはワードプロセツセ
ではかな文字から漢字に変換した後はオペレータ
が正確に変換が行われた事を確認するまではネガ
表示で当該漢字は表示され、確認キーなどで確認
するとポジ表示になり変換が完了したことを表示
している。このような場合従来の技術の装置では
ネガからポジの切替が不可能であるので液晶表示
装置では対応できないと云う問題点を生じてい
た。

又、液晶表示装置の製造者においては、表示内
容が複雑化して来るほどにコモン電極用の引出線
部とセグメント電極用の引出線部が平面図形状で
重なり合わない様に配設することは設計において
大変な労力を必要とする作業となり、かつ、その
ようにして配設を行つたものでも組立作業上で前
記した二枚のガラス基板の僅かの相互の位置のず
れで前記重なりを生じて不良品を発生し問題点と
なつていた。

（問題点を解決するための手段） 本発明は上記問題点を解決するための具体的な
手段として図形を表示するためのコモン電極とセ
グメント電極から成る液晶表示装置において、前
記コモン電極と前記セグメント電極を夫々に二層
とし、前記コモン電極は表示面を少なくとも表示
の一単位を含むように分割し、前記分割した夫々
の一単位の全てを覆い且つ隣接する一単位とのラ
ツプする部分が設けられたものを前記二層のとし
た第一層と第二層に交互に独立して配設され、前
記セグメント電極は、表示図形を形成する第一層
と、前記表示図形以外を全て覆う第二層で形成す
ることを特徴とする液晶表示装置を提供すること
によつて単一の表示装置上の任意の位置の表示を
ジ表示とネガ表示が自在に切替られるものとして
液晶表示装置に対応出来ない表示分野があつたと
いう問題点を解決すると共に製造者に対しては、
前記重なりを配慮しないでも良い容易な前記引出
線部の設計、作業と比較的に低い精度の組立作業
でも充分に性能を発揮出来るようにして、上記の
問題点を解決したものである。

（実施例） つぎに本発明を図に示す一実施例に基いて詳細
に説明する。尚、理解を容易にするために従来例
と同一の部分には同一の符号を付けて説明する。

第１図に示すものは本発明に係る液晶表示装置
を断面図で示したものであり、説明を明確なもの
とするためにその表示する内容は通称セブンセグ
メント数字表示器と呼ばれているものを２単位す
なわち２桁並べて配設したものを例として説明を
行うが、本発明の実施においては、表示の方法、
桁数が、この説明によつて限定されているもので
無いことは云うまでも無い。図中１で示すものは
ガラス基板であり、該ガラス基板１の内側の面に
は透明電極によつて第一層のコモン電極３が配設
されているが、該コモン電極３が配設される範囲
は前記数字表示器一方の１単位であり、その表示
面の全面を覆う様に設けられている。その後に前
記第一層のコモン電極を覆うように前記ガラス基
板の内側の面には、例えば透明な樹脂によつて端
子など必要部分を除いた全面が絶縁膜４で覆れ、
さらにその内側の面に、透明電極によつて第二層
のコモン電極５が配設され、該第二層のコモン電
極５が配設される範囲は、他方の一方の一単位で
ある数字表示器の表面の全面を覆うものである。
尚、一方の一単位と他の一方の一単位が隣接する
ときにはその両単位の接する境界において前記コ
モン電極３とコモン電極５とが適宜に延長され両
者が重なり合うラツプする部分が設けられるもの
となつている。第２図は第一層のコモン電極３の
配設の状態を示し、第３図は第二層のコモン電極
５の配設の状態を示したものである。

ガラス基板２には、同じく透明電極によつて、
表示図形を形成するための第一層のセグメント電
極６，６０と引出線部７，７０が配設されてい
る。この配設の状態をさらに詳細に示したものが
第４図であり、本実施例においては、第一層の１
の位を表す数字表示のためのセグメント電極６は
さらに詳細にはセグメント電極６ａ，６ｂ，６
ｃ，６ｄ，６ｅ，６ｆ，６ｇ，の集合であり、引
出線部７は７ａ，７ｂ，７ｃ，７ｄ，７ｅ，７
ｆ，７ｇ，の集合である。同様に10の位を表す数
字表示のためのセグメント電極６０はセグメント
電極６０ａ，６０ｂ，６０ｃ，６０ｄ，６０ｅ，
６０ｆ，６０ｄ，６０ｇの集合であり、引出線部
７０は７０ａ，７０ｂ，７０ｃ，７０ｄ，７０
ｅ，７０ｆ，７０ｇの集合である。以上のように
第一層のゼグメント電極６，６０と引出線部７，
７０が配設された後に例えば端子など必要部分を
除いてその全面が覆れるように透明樹脂などによ
つて絶縁膜４が形成され、さらに前記第一層のセ
グメント電極以外、すなわち表示図形以外を全て
覆うようにして第二層のセグメント電極８が配設
される。この前記第二層のセグメント電極８の配
設の状態をさらに詳細に示したものが第５図であ
る。

尚液晶９及びシール剤１０については従来例と
同様であるのでその説明は省略する。

（作用） 液晶表示装置を以上に説明した構成とすること
で、該液晶表示装置はTN（ツイストマネチツク）
液晶、GH（ゲストホスト）液晶、DS（動的錯乱）
液晶などに対応できるものとなるが、ここで代表
的な液晶であるTN液晶についての動作を説明す
る。前提条件として本発明の液晶表示装置の両表
面配置される偏光板（図示せず）の偏光軸は直交
し、封止されている液晶９は90゜ひねられた配向
処理が行なわれている最も標準的なものとする。

以上に記した各条件において、前記第一層のコ
モン電極３、第二層のコモン電極５、第一層のセ
グメント電極６，６０第二層のセグメント電極８
の全てに同相の電位を印加した時には液晶９は反
応せず透明のままである。次に他の電極はそのま
まにしておいて第一層のセグメント電極中の任意
の電極、例えば第４図に示す６ａ，６ｃ，６ｄ，
６ｅ，６ｇと６０ａ，６０ｃ，６０ｄ，６０ｅ，
６０ｇに前記と逆相の電位を印加することより、
その部分の液晶９の分子が立上ることにより、光
が通過せず暗黒になり表示装置上には黒文字すな
わちポジ表示で“33”が表示される。この場合、
本発明では前記したようにコモン電極３，５は
夫々の表示単位の表示面全面を覆うものである、
逆相の電位を印加された前記第一層のセグメント
電極６ａ，６ｃ，６ｄ，６ｅ，６ｇ，と６０ａ，
６０ｃ，６０ｄ，６０ｅ，６０ｇに接続されてい
る引出線部７ａ，７ｃ，７ｄ，７ｅ，７ｇと７０
ａ，７０ｃ，７０ｄ，７０ｅ，７０ｇも従来例で
は当然に表示されてしまうが、本発明によつて第
二層のセグメント電極８が設けられ、かつ前記第
一層のコモン電極３、第二層のコモン電極５と同
相の電位が印加されているのでマスク効果を生じ
前記引出線部は表示されない。

次に上記の表示が行われている状態で第一層の
コモン電極３、第二層のコモン電極５いずれか一
方の電位を反転させる場合を説明する。ここで第
一層のコモン電極３の電位を反転させて逆相の電
位とした場合には前記第一層のセグメント電極６
が逆相の電位であるため表示図形が透明となり、
表示の周辺部は黒色すなわちネガ表示となるよつ
て、表示の内容“33”は変化しないが10位の
“３”はポジ表示であり１位の“３”はネガ表示
となる。また、コモン電極３、コモン電極５の双
方とも反転させたときには、当然に10位の“３”、
１位の“３”ともにネガ表示となるが、このとき
にコモン電極３およびコモン電極５が二層とさ
れ、且つラツプする部分が設けられていることで
両者の間に境界線が生ずることなく観者に違和感
を与えること無いネガ表示が得られるのとなる。
以上の説明で明確な様に本発明の液晶表示装置
は、任意の文字、数字等を電極の電位の切替とい
う簡単な手段で反転出来る作用を持つものであ
る。

（発明の効果） 以上説明したように、表示面を少なくとも表示
の一単位を含むように分割し、前記コモン電極を
その分割した表示面を全て覆うものとして、かつ
夫々を独立して配設したこと、及び前記セグメン
ト電極を表示図形を形成する第一層と、前記表示
図形以外を全て覆う第二層としたことで、任意の
場所のコモン電極の電位を反転すると云う簡単な
手段によつて、同一の表示装置中の任意の場所の
表示反転させることが出来るという従来にない優
れた効果を奏するものであり、又そのコモン電極
は単に表示面全面を覆うものであるので、従来の
液晶表示装置の製造工程で行つていた二枚のガラ
ス基板のパターン位置を正確に合致させると云う
高度な精度が必要な工程を不要とし、さらには第
二層のセグメント電極を設けたことによるマスク
効果によつて、第一層に設ける引出線部の配設位
置を全く自由なものとして、従来以上に複雑な表
示を可能とすると共に、前記引出線部に対する設
計作業も容易にするなどの優れた効果も合わせて
奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の係る液晶表示装置の要部を示
す断面図、第２図は同装置の第一層のコモン電極
を示す平面図、第３図は第二層のコモン電極を示
す平面図、第４図は第一層のセグメント電極を示
す平面図、第５図は第二層のセグメント電極を示
す平面図、第６図は従来例を示す断面図である。 １，２……ガラス基板、３……第一層のコモン
電極、４……絶縁膜、５……第二層のコモン電
極、６，６０……第一層のセグメント電極、７，
７０……引出線部、８……第二層のセグメント電
極、９……液晶、１０……シール剤。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 図形を表示するためのコモン電極とセグメン
   ト電極から成る液晶表示装置において、前記コモ
   ン電極と前記セグメント電極を夫々に二層とし、
   前記コモン電極は表示面を少なくとも表示の一単
   位を含むように分割し、前記分割した夫々の一単
   位の全てを覆い且つ隣接する一単位とのラツプす
   る部分が設けられたものを前記二層とした第一層
   と第二層とに交互に独立して配設され、前記セグ
   メント電極は、表示図形を形成する第一層と、前
   記表示図形以外を全て覆う第二層で形成すること
   を特徴とする液晶表示装置。