JPH0221596B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は液晶表示装置の駆動方法に関するも
のである。

最近、液晶表示装置として、上下二層に液晶表
示層を備え、この２つの表示層の切換駆動により
２種類の表示を切換表示する二層型のものが製品
化されているが、この二層型の液晶表示装置は、
１つの表示装置で表示装置２個分の表示を行なう
ことができる反面、その構造が実質的に２つの液
晶表示セルを積層した構造であるために、その厚
さがかなり厚いという欠点をもつている。

そこで本発明者は、１つの表示層で２種類の表
示を切換表示することができる液晶表示装置とし
て次のような構造のものを開発した。

すなわち、第１図〜第３図は発明者が開発した
液晶表示装置の一例を示したもので、第１図にお
いて、図中１，２は上下一対の透明基板（例えば
ガラス板）であり、この両基板１，２は枠状のシ
ール材３を介して接着重合されており、この両基
板１，２間の間隙には液晶（図示せず）が充填さ
れている。４，４は前記両基板１，２のうちの一
方例えば上部基板１の内面（下面）に形成された
複数のスタテイツク駆動用セグメント電極であ
り、このスタテイツク駆動用セグメント電極４，
４は例えば第２図に示すようなパターンとされて
いる。５は前記上部基板１の内面すなわち前記ス
タテイツク駆動用セグメント電極４，４とそのリ
ード４ａ，４ａの形成面を被覆する透明絶縁層、
６，７は前記絶縁層５の表面に形成された複数の
ダイナミツク駆動用コモン電極であり、このダイ
ナミツク駆動用コモン電極６，７は例えば第２図
に示すようなパターンとされている。なお、この
例は1/2デユーテイで駆動されるものを示してい
る。また、前記絶縁層５及び前記ダイナミツク駆
動用コモン電極６，７は、前記各スタテイツク駆
動用セグメント電極４，４の有効領域と重なる部
分を除いて形成されており、この例では前記スタ
テイツク駆動用セグメント電極４，４は実際の表
示パターンよりも若干大きく形成され、前記ダイ
ナミツク駆動用コモン電極６，７は前記スタテイ
ツク駆動用セグメント電極４，４と重なる部分に
実際の表示パターンの輪郭に合致する形状の欠落
部６ａ，７ａを形成した形状とされている。つま
り、前記ダイナミツク駆動用コモン電極６，７
は、前記スタテイツク駆動用セグメント電極４，
４の有効領域を規定する遮へい電極ともなるもの
で、前記スタテイツク駆動用セグメント電極４，
４へのスタテイツクセグメント信号の印加時に前
記ダイナミツク駆動用コモン電極６，７にスタテ
イツクコモン信号の電位に対して液晶の閾値電圧
よりも低い電位差をもつ遮へい信号を印加すれ
ば、前記スタテイツク駆動用セグメント電極４，
４が実際の表示パターンより大きくても、液晶に
対しては実際の表示パターンに相当する部分（ダ
イナミツク駆動用コモン電極６，７の欠落部６
ａ，７ａと対応する部分）においてのみ閾値電圧
以上の電圧が作用することになる。すなわち、前
記スタテイツク駆動用セグメント電極４，４の有
効領域は実際の表示パターンに相当する部分であ
る。なお、この例において前記スタテイツク駆動
用セグメント電極４，４を実際の表示パターンよ
り大きく形成しているのは、ダイナミツク駆動用
コモン電極６，７に形成される前記欠落部６ａ，
７ａを前記スタテイツク駆動用セグメント電極
４，４に対して容易に位置合わせするためであ
る。

一方、８，８は他方の基板すなわち下部基板２
の内面（上面）に形成された複数グループのダイ
ナミツク駆動用セグメント電極であり、このダイ
ナミツク駆動用セグメント電極８，８は例えば第
３図に示すようなパターンとされている。なお、
このダイナミツク駆動用セグメント電極８，８は
２個を１つのグループとして各グループ毎に共通
接続されており、前記上部基板１に形成されたダ
イナミツク駆動用コモン電極６，７は、その一方
のコモン電極６が各グループの一方のセグメント
電極８と対向し、他方のコモン電極７が各グルー
プの他方のセグメント電極８と対向するように形
成されている。９は前記下部電極基板２の内面す
なわち前記ダイナミツク駆動用セグメント電極
８，８とそのリード８ａ，８ａの形成面を被覆す
る透明絶縁層、１０は前記絶縁層９の表面に形成
されたスタテイツク駆動用コモン電極であり、こ
のスタテイツク駆動用コモン電極１０も第３図に
示すように前記ダイナミツク駆動用セグメント電
極８，８の有効領域（実際の表示パターンに相当
する部分）と重なる部分を除いて形成されてい
る。１０ａ，１０ａは前記スタテイツク駆動用コ
モン電極１０に形成された実際の表示パターン
（ダイナミツク駆動による表示パターン）の輪郭
に合致する形状の欠落部である。なお、この例で
は前記ダイナミツク駆動用セグメント電極８，８
も実際の表示パターンよりも若干大きく形成し
て、前記スタテイツク駆動用コモン電極１０に形
成される欠落部１０ａ，１０ａを前記ダイナミツ
ク駆動用セグメント電極８，８に対して容易に位
置合わせできるようにしており、従つて前記スタ
テイツク駆動用コモン電極１０も前記ダイナミツ
ク駆動用セグメント電極８，８の有効領域を規定
する遮へい電極を兼ねている。なお、前記各電極
４，６，７，８，１０は全て例えば酸化インジウ
ム等の透明電極材で形成されている。また、この
例では前記スタテイツク駆動用セグメント電極
４，４及びダイナミツク駆動用セグメント電極
８，８を基板１，２面に直接形成しているが、こ
れらセグメント電極４，８は基板１，２面に透明
導電層を形成してその上に形成してもよく、さら
に液晶の配向膜を形成する必要がある場合はこの
配向膜を前記ダイナミツク駆動用コモン電極６，
７及びスタテイツク駆動用コモン電極１０上に形
成すればよい。

また、前記スタテイツク駆動用セグメント電極
４，４のうち前記ダイナミツク駆動用セグメント
電極８，８と対向する位置にあるものは、前記ダ
イナミツク駆動用コモン電極６，７の欠落部６
ａ，７ａを補なうコモン電極ともなるもので、前
記ダイナミツク駆動用コモン電極６，７とこのス
タテイツク駆動用セグメント電極４，４とによつ
て前記ダイナミツク駆動用セグメント電極８，８
に対する完全な形のコモン電極が形成されるよう
になつている。これはスタテイツク駆動用セグメ
ント電極４，４に対するコモン電極においても同
様であり、前記ダイナミツク駆動用セグメント電
極８，８を前記スタテイツク駆動用コモン電極１
０の欠落部１０ａを補なうコモン電極とすること
によつてスタテイツク駆動用セグメント電極４，
４に対する完全な形のコモン電極が形成されるよ
うになつている。

また、第１図及び第２図において、１ａ，１ａ
は前記上部基板１の両側部に形成された端子配列
部であり、この端子配列部１ａ，１ａには第２図
に示すように上部基板１に形成された各スタテイ
ツク駆動用セグメント電極４，４の端子４ｂ，４
ｂ及び各ダイナミツク駆動用コモン電極６，７の
端子６ｂ，７ｂが導出形成されると共に、これら
端子４ｂ，６ｂ，７ｂと並べて下部基板２側の各
グループのダイナミツク駆動用セグメント電極
８，８及びスタテイツク駆動用コモン電極１０と
の対応する端子８ｂ，８ｂ及び１０ｂが形成され
ている。また第３図において８ｃ，８ｃ及び１０
ｃは下部基板２に形成された前記各グループのダ
イナミツク駆動用セグメント電極８，８及びスタ
テイツク駆動用コモン電極１０の端子であり、こ
れら各端子８ｃ，８ｃ及び１０ｃはシール材３を
貫通するトランスフア部材（図示せず）を介して
上部基板１側の前記各端子８ｂ，８ｂ及び１０ｂ
と接続されている。

この液晶表示装置は、スタテイツク駆動による
表示と、ダイナミツク駆動による表示との２種類
の表示を行なうもので、まずスタテイツク駆動に
よる表示動作について説明すると、この場合は下
部基板２に形成されているスタテイツク駆動用コ
モン電極１０と、スタテイツク駆動用セグメント
電極４，４と対向する位置にある全てのダイナミ
ツク駆動用セグメント電極８，８にそれぞれ同一
のスタテイツクコモン信号を共通印加すると共
に、上部基板１に形成されているスタテイツク駆
動用セグメント電極４，４にスタテイツクセグメ
ント信号を印加し、さらにダイナミツク駆動用の
全てのコモン電極６，７に対しては前記スタテイ
ツクコモン信号に対して液晶の閾値電圧より小さ
な電位差をもつ遮へい信号（例えばスタテイツク
コモン信号と同一の信号）を印加する。しかし
て、前記スタテイツク駆動用コモン電極１０とそ
の欠落部１０ａ，１０ａを補なう前記ダイナミツ
ク駆動用セグメント電極８，８とにスタテイツク
コモン信号を印加すると、これらが全てスタテイ
ツク駆動用セグメント電極４，４に対するコモン
電極として働くことになり、これによつてスタテ
イツクセグメント信号が印加されたスタテイツク
駆動用セグメント電極４，４の形状に応じた表示
パターンが表示される。また、この場合、前記ダ
イナミツク駆動用コモン電極６，７には前記のよ
うな遮へい信号が印加されているから、前記スタ
テイツク駆動用セグメント電極４，４の不要部分
（ダイナミツク駆動用コモン電極６，７と重なつ
ている部分）及びそのリード４ａ，４ａと下部基
板２との間の電界は前記ダイナミツク駆動用コモ
ン電極６，７によつて打ち消されることになり、
従つて実際に表示されるパターンはスタテイツク
駆動用セグメント電極４，４の有効表示領域の形
状に相当するパターンとなる。

また、ダイナミツク駆動による表示を行なわせ
る場合は、上部基板１に形成されているダイナミ
ツク駆動用コモン電極６，７にそれぞれ位相を互
いに180度ずらしたダイナミツクコモン信号を印
加すると共に、一方のダイナミツク駆動用コモン
電極６の欠落部６ａ，６ａを補なうスタテイツク
駆動用セグメント電極４，４に前記一方のダイナ
ミツク駆動用コモン電極６に印加するコモン信号
と同じコモン信号を印加し、他方のダイナミツク
駆動用コモン電極７の欠落部７ａ，７ａを補なう
スタテイツク駆動用セグメント電極４，４には前
記他方のダイナミツク駆動用コモン電極７に印加
する信号と同じコモン信号を印加する。なお前記
スタテイツク駆動用セグメント電極４，４へのダ
イナミツクコモン信号の印加もダイナミツク駆動
用セグメント電極８，８と対向する位置にある電
極４，４に対してのみ行なえばよい。一方、下部
基板２に形成されているダイナミツク駆動用セグ
メント電極８，８にはダイナミツクセグメント信
号を印加し、さらに前記スタテイツク駆動用コモ
ン電極１０には前記ダイナミツクコモン信号に対
して液晶の閾値電圧より小さな電位差をもつ遮へ
い信号を印加する。従つてダイナミツク駆動の場
合は、前記ダイナミツク駆動用コモン電極６，７
とその欠落部６ａ，７ａを補なうスタテイツク駆
動用セグメント電極４，４がダイナミツク駆動用
セグメント電極８，８に対するコモン電極として
働くことになり、これによつてダイナミツクセグ
メント信号が印加されたダイナミツク駆動用セグ
メント電極８，８の形状に応じた表示パターンが
表示される。そしてこの場合も、前記スタテイツ
ク駆動用コモン電極１０に前記のような電位の遮
へい信号が印加されているから、前記ダイナミツ
ク駆動用セグメント電極８，８の不要部分（スタ
テイツク駆動用コモン電極１０と重なつている部
分）及びそのリード８ａ，８ａと上部基板１との
間の電界は前記スタテイツク駆動用コモン電極１
０によつて打ち消されることになり、従つて実際
に表示されるパターンはダイナミツク駆動用セグ
メント電極８，８の有効領域の形状に応じたパタ
ーンとなる。

すなわち、この液晶表示装置は、原理的には液
晶を介して対向配置される一対の基板１，２のう
ち一方の基板１の内面に複数のスタテイツク駆動
用セグメント電極４，４と複数のダイナミツク駆
動用コモン電極６，７を形成し、他方の基板２の
内面には複数グループのダイナミツク駆動用セグ
メント電極８，８とスタテイツク駆動用コモン電
極１０を形成して１つの表示層でスタテイツク駆
動による表示とダイナミツク駆動による表示との
２種類の表示を行なうようにしたものである。そ
して、この液晶表示装置においては、前記ダイナ
ミツク駆動用コモン電極６，７及びスタテイツク
駆動用コモン電極１０をそれぞれスタテイツク駆
動用セグメント電極４，４及びダイナミツク駆動
用セグメント電極８，８の不要部分を覆う遮へい
電極とすると共に、これらコモン電極６，７及び
１０を前記各セグメント電極４，４及び８，８の
有効領域と重なる部分を除いて形成し、さらにこ
れらコモン電極６，７及び１０の欠落部６ａ，７
ａ及び１０ａを、前記各セグメント電極４，４及
び８，８をコモン電極としても使用することによ
つて補なうようにしているから、スタテイツク駆
動による表示もダイナミツク駆動による表示も、
リード形状等の不要表示がなく、しかもパターン
に欠けができることのない完全な形で表示され
る。

なお、上記液晶表示装置ではスタテイツク駆動
用セグメント電極４，４及びダイナミツク駆動用
セグメント電極８，８を実際の表示パターンより
も若干大きく形成しているが、これら各セグメン
ト電極４，４及び８，８は実際の表示パターンと
同一形としてその全域を有効領域としてもよく、
その場合は各セグメント電極４，４及び８，８の
周縁に各コモン電極６，７及び１０の欠落部６
ａ，７ａ及び１０ａの縁部を合わせればよい。ま
た、この液晶表示装置は、ツイスト・ネマテイツ
ク型でもゲスト・ホスト型でもさらにはその他の
型式の液晶表示装置であつてもよい。

ところで、上記液晶表示装置を駆動する場合、
今までは、前述したようにスタテイツク駆動用セ
グメント電極４，４に対してスタテイツクセグメ
ント信号とダイナミツクコモン信号とを切換印加
し、ダイナミツク駆動用セグメント電極８，８に
対してダイナミツクセグメント信号とスタテイツ
クコモン信号とを切換印加すると共に、スタテイ
ツク駆動用コモン電極１０に対してはスタテイツ
クコモン信号と遮へい信号とを切換印加し、ダイ
ナミツク駆動用コモン電極６，７に対してはダイ
ナミツクコモンと遮へい信号とを切換印加してい
たが、このようにスタテイツク駆動時とダイナミ
ツク駆動時とで前記スタテイツク駆動用コモン電
極１０及びダイナミツク駆動用コモン電極への印
加信号を切換える駆動方法では駆動回路が複雑と
なるという問題があつた。

この発明はこのような実情にかんがみてなされ
たものであつて、その目的とするところは、１つ
の表示層でスタテイツク駆動による表示とダイナ
ミツク駆動による表示との２種類の表示を行なう
液晶表示装置を、スタテイツク駆動用コモン電極
及びダイナミツク駆動用コモン電極への印加信号
を切換えることなく表示駆動するようにした、駆
動回路を簡易化することができる液晶表示装置の
駆動方法を提供することにある。

以下、この発明の一実施例を第１図〜第３図に
示した1/2デユーテイで駆動される液晶表示装置
の駆動を例にとつて説明する。

第４図は各電極に印加する信号の波形を示した
もので、図においてC₁は第１コモン信号、C₂は
第２コモン信号、S₁〜S₄はセグメント信号を示し
ている。なお、この実施例は1/2バイアスで駆動
する場合の例である。

この実施例の駆動方法は、第１図〜第３図に示
した液晶表示装置の表示駆動に際して、各ダイナ
ミツク駆動用コモン電極６，７にはそれぞれ互い
に位相を180度ずらしたコモン信号C₁，C₂を常時
印加し、スタテイツク駆動用コモン電極１０には
前記各ダイナミツク駆動用コモン電極６，７のう
ちのいずれか一方のコモン電極に印加するコモン
信号例えば第２コモン信号C₂を常時印加してお
いて、スタテイツク駆動用セグメント電極４，４
及びダイナミツク駆動用セグメント電極８，８へ
の印加信号の切換えのみで表示駆動するもので、
ダイナミツク駆動時は各ダイナミツク駆動用コモ
ン電極６，７の欠落部６ａ，７ａを補なうスタテ
イツク駆動用セグメント電極４，４にそれぞれ前
記各コモン信号C₁，C₂を印加し、ダイナミツク
駆動用セグメント電極８，８には前記セグメント
信号S₁〜S₄を選択印加する。この場合、第１コモ
ン信号C₁を印加しているダイナミツク駆動用コ
モン電極（以下第１コモン電極という）６のみを
選択して表示させる場合は第１のセグメント信号
S₁を印加し、第２コモン信号C₂を印加している
ダイナミツク駆動用コモン電極（以下第２コモン
電極という）７のみを選択して表示させる場合は
第２のセグメント信号S₂を印加し、両方のダイナ
ミツク駆動用コモン電極６，７を選択して表示さ
せる場合は第３のセグメント信号S₃を印加し、い
ずれのダイナミツク駆動用コモン電極６，７も選
択しない場合（非表示時）は第４のセグメント信
号S₄を印加する。

第５図は前記各電極間に印加される電圧の波形
を示したもので、図においてC₁−S₁，C₁−S₂，
C₁−S₃，C₁−S₄はダイナミツク駆動用セグメン
ト電極８，８に前記各セグメント信号S₁，S₂，
S₃，S₄を印加した時の前記セグメント電極８，８
と第１コモン電極６（その欠落部６ａ，６ａを補
なうスタテイツク駆動用セグメント電極４，４を
含む）との間の電圧を示し、C₁−C₂は第２コモ
ン信号C₂が印加されているスタテイツク駆動用
コモン電極１０と前記第１コモン電極６との間の
電圧を示している。なお、第５図では前記ダイナ
ミツク駆動用セグメント電極８，８及びスタテイ
ツク駆動用コモン電極１０の電位に対する第１コ
モン電極６の電位を印加電圧として示している。

また、ダイナミツク駆動用セグメント電極８，
８に前記第１のセグメント信号S₁または第３のセ
グメント信号S₃を印加した時における前記セグメ
ント電極８，８と第１コモン電極６との間に印加
される電圧C₁−S₁，C₁−S₃の実効電圧値（液晶
に作用する電圧値）Ｖは、 Ｖ＝V_p／４√10 であり、ダイナミツク駆動用セグメント電極８，
８に前記第２のセグメント信号S₂または第４のセ
グメント信号S₄を印加した時における前記セグメ
ント電極８，８と第１コモン電極６との間に印加
される電圧C₁−S₂，C₁−S₄の実効電圧値Ｖは、 Ｖ＝V_p／４√２ であり、第２コモン信号C₂が印加されているス
タテイツク駆動用コモン電極１０と第１コモン電
極６との間に印加される電圧C₁−C₂の実効電圧
値Ｖは、 Ｖ＝１／２V_p であるから、前記各印加信号の電圧値V_pは液晶
の閾値電圧V_thに対して １／２V_p＜V_th＜V_p／４√10 となる値とする。

しかして、ダイナミツク駆動時においては、前
記スタテイツク駆動用コモン電極１０とダイナミ
ツク駆動用第１コモン電極６との間の実効電圧値
が液晶の閾値電圧未満であり、また前記スタテイ
ツク駆動用コモン電極１０とダイナミツク駆動用
第２コモン電極７との間の電圧値は0Vであるか
ら、前記スタテイツク駆動用コモン電極１０はダ
イナミツク駆動用セグメント電極８，８の不要部
分やそのリード８ａ，８ａの形状等の不要表示を
なくす遮へい電極として作用することになる。

一方、スタテイツク駆動による表示を行なわせ
る場合は、前記コモン信号６，７及び１０には前
記各コモン信号C₁，C₂をそのまま印加しておい
て、スタテイツク駆動用コモン電極１０の欠落部
１０ａ，１０ａを補なうダイナミツク駆動用セグ
メント電極８，８に前記スタテイツク駆動用コモ
ン電極１０に印加している第２コモン信号C₂を
印加すると共に、表示時にはスタテイツク駆動用
セグメント電極４，４に第４図に示している第１
セグメント信号S₁または第３セグメント信号S₃を
印加し、非表示時には前記スタテイツク駆動用セ
グメント電極４，４に第４図に示している第２セ
グメント信号S₂または第４セグメント信号S₄を印
加する。そして、この場合も前記各ダイナミツク
駆動用コモン電極６，７とスタテイツク駆動用コ
モン電極１０との間の電圧はダイナミツク駆動と
同じであるから、前記各ダイナミツク駆動用コモ
ン電極６，７はスタテイツク駆動用セグメント電
極４，４の不要部分やそのリード４ａ，４ａの形
状等の不要表示をなくす遮へい電極として作用す
る。

従つて、この実施例の駆動方法によれば、ダイ
ナミツク駆動用コモン電極６，７及びスタテイツ
ク駆動用コモン電極１０にコモン信号と遮へい信
号とを切換え印加しなくても不要表示のない良好
な表示を行なわせることができる。

なお、上記実施例ではコモン信号C₁，C₂及び
セグメント信号S₁〜S₄として第４図に示す波形の
信号を使用しているが、これら信号は第６図に示
すような波形としてもよい。第７図はこの場合の
各電極間に印加される電圧の波形を示している。

また、上記実施例では1/2バイアスで駆動する
場合について説明したが、この駆動方法は1/3バ
イアス、1/4バイアス等で駆動する場合にも応用
できるし、また1/3デユーテイ、1/4デユーテイ等
で駆動される液晶表示装置の駆動にも利用するこ
とができる。

この発明は上記のように、１つの表示層でスタ
テイツク駆動による表示とダイナミツク駆動によ
る表示との２種類の表示を行なう液晶表示装置
を、スタテイツク駆動用コモン電極及びダイナミ
ツク駆動用コモン電極への印加信号を切換えるこ
となく表示駆動するものであるから、駆動回路を
簡易化することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図はこの発明によつて駆動される
液晶表示装置の一例を示すもので、第１図は縦断
側面図、第２図は上部基板の底面図、第３図は下
部基板の平面図である。第４図及び第５図はこの
発明の一実施例を示すもので第４図はコモン信号
及びセグメント信号の波形図、第５図は電極間に
印加される電圧の波形図である。第６図及び第７
図はこの発明の他の実施例を示すもので第６図は
コモン信号及びセグメント信号の波形図、第７図
は電極間に印加される電圧の波形図である。 １…上部基板、２…下部基板、３…シール材、
４…スタテイツク駆動用セグメント電極、５…絶
縁層、６，７…ダイナミツク駆動用コモン電極、
８…ダイナミツク駆動用セグメント電極、９…絶
縁層、１０…スタテイツク駆動用コモン電極、
C₁，C₂…コモン信号、S₁〜S₄…セグメント信号。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 液晶を介して対向する一対の基板のうち、一
   方の基板の内面に、複数のスタテイツク駆動用セ
   グメント電極と、このスタテイツク駆動用セグメ
   ント電極の有効領域と重なる部分が欠落する複数
   のダイナミツク駆動用コモン電極とを順次形成
   し、他方の基板の内面には、複数グループのダイ
   ナミツク駆動用セグメント電極と、このダイナミ
   ツク駆動用セグメント電極の有効領域と重なる部
   分が欠落するスタテイツク駆動用コモン電極とを
   順次形成してなる液晶表示装置の駆動方法におい
   て、前記各ダイナミツク駆動用コモン電極にはそ
   れぞれ互いに位相をずらしたコモン信号を常時印
   加し、前記スタテイツク駆動用コモン電極には前
   記各ダイナミツク駆動用コモン電極のうちのいず
   れか１つのコモン電極に印加するコモン信号と同
   一のコモン信号を常時印加し、前記スタテイツク
   駆動用セグメント電極及びダイナミツク駆動用セ
   グメント電極には、それぞれセグメント信号を選
   択的に印加することにより表示駆動することを特
   徴とする液晶表示装置の駆動方法。