JPH0240523B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、サンルーフを組付けた車両のルーフ
開口部を覆うサンシエード構造に関する。

（従来技術） 一般にサンルーフ付車両には、例えば実開昭56
−53621号公報に示されているごとく、前記サン
ルーフで閉鎖されるルーフ開口部の下方に、巻取
装置に巻回されたシート状のシエード本体と、該
シエード本体を案内する一組のガイドレールとを
設け、該ガイドレールを介して前記シエード本体
を前記巻取装置から引き出して、前記サンルーフ
の下方を覆うことで、該サンルーフを通して差し
込む日差し等を前記シエード本体によりさえぎる
一方、前記シエード本体を前記巻取装置に巻き取
つて、前記サンルーフの下方を開放することで、
前記サンルーフから日光を車室内に取入れるよう
に成している。

（発明が解決しようとする問題点） ところで、以上のごとく前記シエード本体を柔
軟なシート状部材から形成すると、前記巻取装置
からの前記シエード本体の引き出し時において、
該シエード本体におけるその引き出し方向中間部
位が垂れ下がつたり、あるいは走行時に前記シエ
ード本体が風ではばたくなどの問題がある。

本発明は以上の問題点に鑑みて開発したもので
あつて、目的とするところは、前記シエード本体
の引き出しによつて前記ルーフ開口部を該シエー
ド本体で覆つた時に、該シエード本体が垂れ下が
つたり、あるいは風ではばたくようなことがな
く、確実にガイドレールに支持され、しかも、前
記シエード本体を巻取るときには、巻取径が偏つ
て大きくなり過ぎないようにするサンルーフ付車
両のサンシエード構造を提供せんとするにある。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、前記目的を達成するために、柔軟な
シート状部材から形成したシエード本体を、前記
ルーフに固定した巻取装置の円形外周面をもつた
巻取体に巻回し、前記ルーフ開口部を覆うごとく
前記巻取体から引き出し可能と成すと共に、該シ
エード本体に、シエード本体の引き出し方向と直
交する方向に沿つて複数本の線材を配設し、か
つ、これら線材の配設間隔を前記巻取体に巻取つ
たとき、周方向に均等に配置されるように不等間
隔とする一方、前記線材の両端部を、前記シエー
ド本体の両側方に配置したガイドレール上に支持
させるごとく成したのである。

（作 用） 本発明によれば、前記シエード本体を前記巻取
装置から引き出すときには、該シエード本体がこ
のシエード本体に配設した前記線材と共に前記ガ
イドレールに沿つて案内され、このとき前記線材
によつて前記シエード本体が保持されて該シエー
ド本体が垂れ下がることがないし、また、前記シ
エード本体を巻取るときには、前記線材の前記シ
エード本体への配設間隔を前記巻取体に巻取つた
とき、周方向に均等に配置されるように不等間隔
とすることにより、前記シエード本体を巻取つた
とき、前記線材が前記巻取体５１の半径方向にお
いて重なることがないのである。

（実施例） 以下、本発明にかかるサンルーフ付車両のサン
シエード構造を図面に基づいて説明する。

図において１１はフロントウインドガラス、１
２はフロントサイドドア、１３はリヤサイドドア
である。

また１４は車両のルーフを構成するルーフパネ
ル、１５は前記ルーフパネル１４と連続して車両
の両側壁を構成するサイドパネルであつて、前記
ルーフパネル１４における車幅方向ほぼ中央位置
から前記両サイドパネル１５の上部にわたつて左
右一対の開口部２，２を穿設すると共に、前記ル
ーフパネル１４に、前記各開口部２，２を覆うガ
ラス製のサンルーフ３，３を着脱自由に組付けて
いる。

尚、前記各サンルーフ３，３は、前記各開口部
２，２における車室上面側を閉鎖するメインルー
フ部３１と、該メインルーフ部３１に対してカー
ブして前記各開口部２，２における車室両サイド
面側を閉鎖するサイドルーフ部３２とから成る。

しかして本発明は、前記開口部２，２の下方に
配置して、前記サンルーフ３，３を覆うサンシエ
ード構造に関するものであつて、柔軟なシート状
部材から形成したシエード本体４，４を、前記ル
ーフパネル１４の下面に固定した巻取装置５の円
形外周面をもつた巻取体５１，５１に巻回して、
前記ルーフ開口部２，２を覆うごとく前記巻取体
５１，５１から引き出し可能と成すと共に、該シ
エード本体４，４に、シエード本体４，４の引き
出し方向と直交する方向に沿つて複数本の線材６
…を配設し、かつ、これら線材６…の配設間隔を
前記巻取体５１，５１に巻取つたとき、周方向に
均等に配置されるように不等間隔とする一方、前
記線材６…の両端部を、前記シエード本体４，４
の両側方に配置した一組のガイドレール７，７上
に支持させたのである。

図に示す巻取装置５は、基本的には、前記シエ
ード本体４，４を巻き取る筒状の巻取体５１，５
１と、該巻取体５１，５１を前記ルーフパネル１
４の下面側に枢支するホルダー５５，５５とから
成るのであつて、具体的には、第１図に示すごと
く、前記巻取体５１，５１の両端にブラケツト５
２…を介して一対のシヤフト５３，５３を組付
け、該巻取体５１，５１を、前記ルーフパネル１
４の下面に固定した一対のホルダー５５，５５間
に回転自由に支持すると共に、前記各巻取体５
１，５１の一方のシヤフト５３，５３にスパイラ
ルスプリング５６，５６を設けて、該スプリング
５６，５６の一端を前記シヤフト５３，５３に、
他端を前記ホルダー５５，５５にそれぞれ係止し
て、前記巻取体５１，５１の回転に伴い、前記ス
プリング５６，５６に反発力を発生させるように
成している。

又前記シエード本体４，４の引き出し方向一端
側を折返して、断面リング状に形成し、該リング
状部位４１に係止線材４２を内装して、該係止線
材４２を、前記巻取体５１，５１の外周面に形成
した嵌合溝５１ａ，５１ａに嵌着することで、前
記シエード本体４，４の一端を前記巻取体５１，
５１に係止するように成している。

又以上のごとく前記巻取体５１，５１にその一
端を係止した前記シエード本体４，４の上面の遊
端とその中間部４箇所において、該シエード本体
４，４の引き出し方向と直交する方向に、テープ
状の布材６０…を張り付けると共に、該布材６０
…と前記シエード本体４，４との間に前記線材
６，６…を介装している。

図に示す実施例では、前記シエード本体４，４
の前記巻取体５１，５１への巻取時において、第
５図に概略的に示すごとく、前記線材６，６が該
巻取体５１，５１の周方向に均等に配置されるよ
うに、前記線材６，６…間の間隔をそれぞれ不等
間隔にして配設している。

またシエード本体４，４の遊端部両側コーナー
部分を切り欠いて、該切り欠き部位に、前記シエ
ード本体４，４の遊端部に配置した前記線材６の
両端を露呈させ、該露呈部位に、前記ガイドレー
ル７，７に沿つて摺動するガイドシユー８，８…
を取付けている。

前記ガイドシユー８，８は、第６図に示すごと
く後記するガイドレール７，７におけるガイド壁
７３の上下各面にそれぞれ対向する第１、第２対
向壁８１，８２と、前記ガイド壁７３の先端に対
向する第３対向壁８３と、前記線材６に嵌合する
一対の嵌合部８４，８４とを備えている。

一方、前記シエード本体４，４の両端部を前記
線材６，６…ないしガイドシユー８，８…を介し
て案内するガイドレール７，７は、第４図に示す
ごとく前記ルーフパネル１４にボルト７０を介し
て固定する固定壁７１と、該固定壁７１に対し所
定間隔あけて対向する対向壁７２と、該対向壁７
２の上端から前記固定壁７１に向かつて屈曲する
ガイド壁７３とを備え、前記ガイド壁７３ないし
前記対向壁７２に前記シエード本体４，４の遊端
を係止する複数の係止溝７４を形成しているので
あつて、前記シエード本体４，４の引き出し時、
前記ガイド壁７３上を前記シエード本体４，４の
両端部が前記線材６，６…を介して摺動するよう
に成している。

尚、図中５７は、前記巻取装置５の下部を覆う
カバー、また２１は、前記開口部２の周縁に嵌着
したウエザーストリツプを示す。

以上の構成からなるサンシエード構造におい
て、前記サンルーフ３を通して車室内に日差しが
差し込むのを全面的に阻止したい時は、前記シエ
ード本体４を前記巻取装置５から引き出して、該
シエード本体４の遊端部に取付けた前記ガイドシ
ユー８，８を、前記ガイドレール７，７の終端部
に形成した前記係止溝７４，７４に係止すれば、
前記シエード本体４は、前記サンルーフ３を組付
けた前記開口部２，２を閉鎖した状態で保持され
るのである。

一方、前記サンルーフ３，３から車室内に日光
を取込みたい時には、前記ガイドシユー８，８を
前記係止溝７４，７４から外して、前記スパイラ
ルスプリング５６の反発力により、前記巻取体５
１，５１に前記シエード本体４，４を巻き取るこ
とで、前記開口部２，２を任意開放すればよいの
である。

しかして前記シエード本体４，４の前記巻取装
置５からの引き出し時において、その両端部が、
前記線材６，６…を介して前記ガイドレール７，
７におけるガイド壁７３上を摺動し、且つ前記線
材６，６…が、前記シエード本体４，４の引き出
し方向と直交する方向に横切るように配設されい
るので、前記シエード本体４，４が途中から垂れ
下がつたり、あるいは風ではばたくようなことは
なく、確実に前記ガイドレール７，７に沿つて緊
張状態で引き出されることとなるのである。

また前記シエード本体４の前記巻取体５１，５
１への巻きとりに時には、前記線材６，６…が第
５図に示すごとく巻取体５１，５１の周方向に均
等に配置されるので、該巻取体５１，５１に巻き
取つた前記シエード本体４，４は、前記線材６…
が前記巻取体５１，５１の半径方向において重な
ることがないので、巻取径が大きくなりすぎて嵩
張るようなことはないのである。

（発明の効果） 以上のごとく本発明は、柔軟なシート状部材か
ら形成したシエード本体４，４を、前記ルーフ
３，３に固定した巻取装置５の円形外周面をもつ
た巻取体５１，５１に巻回し、前記ルーフ開口部
２，２を覆うごとく前記巻取体５１，５１から引
き出し可能と成すと共に、該シエード本体４，４
に、シエード本体４，４の引き出し方向と直交す
る方向に沿つて複数本の線材６…を配設し、か
つ、これら線材６…の配設間隔を前記巻取体５
１，５１に巻取つたとき、周方向に均等に配置さ
れるように不等間隔とする一方、前記線材６…の
両端部を、前記シエード本体４，４の両側方に配
置したガイドレール７，７上に支持させるごとく
成したから、前記シエード本体４，４の前記巻取
装置５から引き出し時において、該シエード本体
４，４を前記ガイドレール７，７に沿つて確実に
移動させることができ、該シエード本体４，４が
垂れ下がるのを防止でき、さらに前記シエード本
体４，４が風ではばたくのを防止できると共に、
前記シエード本体４，４の巻取時には、前記線材
６…を前記巻取体５１，５１に巻取つたときに周
方向に均等に配置させるので、該巻取体５１，５
１へ巻取つたときに前記シエード本体４，４の前
記線材６…が重なり合つて、その巻径が一部分に
おいて嵩張ることを防止することができ、その結
果、常に同心径に巻取ることができるから前記線
材６…を配設することによつて巻取径が非常に大
きくなるのを防止することができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にかかるサンシエード構造の一
実施例を示す分解斜視図、第２図は本発明にかか
るサンシエード構造の一実施例を適用した車両の
斜視図、第３図は本発明にかかるサンシエード構
造の一実施例を車室内から眺めた一部省略斜視
図、第４図は第２図―線拡大断面図、第５図
はシエード本体を巻取装置の巻取体に巻回した状
態を示す説明図、第６図は線材に嵌着するガイド
シユーの斜視図である。 ２…ルーフ開口部、３…サンルーフ、４…シエ
ード本体、５…巻取装置、５１…巻取体、６…線
材、７…ガイドレール。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ サンルーフを組付けた車両のルーフ開口部を
   覆うサンシエード構造であつて、柔軟なシート状
   部材から形成したシエード本体を、前記ルーフに
   固定した巻取装置の円形外周面をもつた巻取体に
   巻回し、前記ルーフ開口部を覆うごとく前記巻取
   体から引き出し可能と成すと共に、該シエード本
   体に、シエード本体の引き出し方向と直交する方
   向に沿つて複数本の線材を配設し、かつ、これら
   線材の配設間隔を、前記巻取体に巻取つたとき周
   方向に均等に配置されるように不等間隔とする一
   方、前記線材の両端部を、前記シエード本体の両
   側方に配置したガイドレール上に支持させるごと
   く成したことを特徴とするサンルーフ付車両のサ
   ンシエード構造。