JPH0240497Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は文字板より突出した指針の内部に、
文字板の内則より光を導入して指針を照明する計
器において、その指針に光を導入するための指針
照明構造に関する。

最近車両などの計器は、夜間の視認性向上のた
め、目盛板（文字板）の照明だけではなく、指針
自体を透明なアクリル樹脂で形成し、指針の内部
に光を導き、指針を光輝させる指針照明が行なわ
れるようになつてきている。

このための従来の指針照明構造は第１図及び第
２図に示すように、文字板１の裏面に光導板２が
対接され、この光導板２に光源（図示せず）から
光が直接照射される。文字板１及び光導板２を貫
通して孔３が形成され、その孔３の軸心位置に駆
動軸４が位置され、駆動軸４上に指針５が取付け
られる。駆動軸４の端部外周に筒状の中央受光部
６が同軸心的に取付けられ、中央受光部６の一端
部外周面は光導板２の孔３の内周面と近接対向
し、内面は円錐状斜面６ａとされている。中央受
光部６の他端部にその直径を通る線上に指針５の
先端部５ａ及び後端５ｂが一体に形成されてい
る。また中央受光部６の先端部５ａ、後端部５ｂ
が取付けられた部分の内周面は逆円錐状の斜面６
ｂとされている。光導板２からの光は矢印で示す
ように、中央受光部６にその全周において入射
し、この入射光は斜面６ａ，６ｂで順次反射され
て、指針５の先端部５ａ及び後端部５ｂに入射す
る。

この従来の指針照明構造においては、指針軸４
を外部に対し隠し、かつ光導板２からの光を受け
る中央受光部６における光の洩れを防止するため
指針キヤツプ７が中央受光部６の突出端上に冠着
されている。この指針キヤツプ７のたの指針５の
先端部５ａ及び後端部５ｂのみしか光輝させるこ
とができず、したがつて指針５の全体を光輝して
視認性を高めることができない欠点があつた。特
に計器が小形化され、指針５の長さが短かくなつ
てもこれに応じて指針キヤツプ７を小さくするこ
とが困難で相対的に指針キヤツプ７が大きくな
り、視認性が悪くなる。

従来の指針として第３図に示すように、指針５
の先端部５ａのみを光輝させたものもあるが、こ
れも前述したと同様な欠点があつた。

この考案の目的はこのような欠点を除去し、指
針全体を光輝させることができるようにした指針
照明構造を提供することにある。

以下第４図〜第８図を参照してこの考案の一実
施例について詳細に説明する。

指針１１はアクリル樹脂、ポリカボネード樹脂
等の透明な樹脂で形成された透明部１２と、その
透明部１２の文字板１側の面に形成され、任意に
彩色された着色部１３とから成つている。着色部
１３は例えば周知のホツトスタンプ法にて適宜な
色にて彩色される。あるいは別の手段として不透
明な着色樹脂が用いられ、透明部１２と一体にイ
ンサート成形することも可能である。特に着色部
１３を不透明樹脂で形成した場合、着色部１３の
後端部１３ｂは指針１１の全体のバランス、即ち
駆動軸に取付けるための指針袴１４を中心とした
指針１１及び指針袴１４を含む面内のモーメント
が生じないように、特殊な形状とすることもでき
る。

指針１１は計器の文字板１の目盛を指示する先
端部１１ａと、意匠的効果を持たせた後端部１１
ｂと、先端部１１ａ及び後端部１１ｂの中間に位
置し、指針１１内に光を導入し、かつ指針キヤツ
プ取付けのための光導入部１１ｃとよりなる。光
導入部１１ｃは指針１１の幅を僅か大とするよう
に両側面に係合突部１５，１６が一体に形成され
てある。

指針１１は保持部１７に保持される。保持部１
７は透明部１２と同様の透明樹脂で構成され、第
６図、第８図に示すように基本形状はほゞ円錐形
をしており、その頂面にその軸心と直角に延長し
て嵌合溝１８が形成され、必要に応じて嵌合溝１
８の両端部の各対向面にそれぞれストツパ片１９
ａ，１９ｂ，２１ａ，２１ｂが一体に形成されて
いる。嵌合溝１８は指針１１の光導入部１１ｃが
嵌合される。つまり係合突部１５，１６の各突出
面は嵌合溝１８の側面にほゞ対接される。また第
５図に示すように係合突部１５及び１６はそれぞ
れストツパ片１９ａ，２１ａ間及びストツパ片１
９ｂ，２１ｂ間に挟まれて、指針１１はその長手
方向の移動が保持部１７に対し規制される。スト
ツパ片１９ａ，１９ｂ，２１ａ，２１ｂの端面
と、保持部１７の錐体の頂面とは同一上に位置さ
れる。保持部１７の錐体底面側にその軸心と同一
軸心の筒状連結部２２が一体に延長形成され、そ
の連結部２２に指針袴１４の一端部が圧入結合さ
れる。

指針１１の両側部の保持部１７は指針キヤツプ
２３により隠蔽される。指針キヤツプ２３は指針
１１の光輝表示する部分以外を覆うものであり、
任意に彩色された樹脂、或いはアルミ板等の軽量
な金属にて形成し、着色されたものが用いられ
る。指針キヤツプ２３は全体としてほゞ一端が閉
塞された軸の短かい円筒をしており、その軸心位
置で二分されたキヤツプ半体２３ａ，２３ｂから
なる。キヤツプ半体２３ａ，２３ｂにはその閉塞
板の分割線に沿つて内側にそれぞれ位置決め案内
片２４ａ，２４ｂが一体に形成され、更に開放面
の端縁に任意個所に爪２５が一体に設けられてい
る。指針１１が保持部１７の嵌合溝１８に圧入固
定された後、キヤツプ半体２３ａ，２３ｂが指針
１１の光導入部１１ｃの両側部に配され、その案
内片２４ａ，２４ｂが係合突部１５，１６の指針
袴１４と反対側の段部２６ａ，２６ｂにそれぞれ
係合され、かつ各爪２５は保持部１７の底面２７
の内側に折曲げられて一対のキヤツプ半体２３
ａ，２３ｂは保持部１７に冠着される。そのキヤ
ツプ半体２３ａ，２３ｂの冠着を確実にするた
め、段部２６ａ，２６ｂは指針１１の側面に近ず
くに従つて着色部１３に近ずく斜面とすることが
好ましい。キヤツプ２３は指針１１に取付けた状
態で円筒状とされ、その直径は文字板１の駆動軸
挿通孔２８の直径より大とされる。次にこの考案
の作用について説明する。任意の光源（図示せ
ず）より導かれた光（矢印で示す）は第６図に示
すように計器の文字板１の裏面に設けられている
光導板２内を通り、光導板２の駆動軸挿通孔２９
に達する。挿通孔２９の内周面は円錐状斜面２９
ａとされてあり、この斜面２９ａにより、光導板
２に入射された光は直角に上方に反射され、保持
部１７にその底面２７より導入する。保持部１７
に入つた光はその円錐状周面１７ａにて更に直角
方向に内側に屈折される。保持部１７は略円錐形
に形成されているので光導板２の斜面２９ａから
受けた光を第９図に示すようにほぼ無限の直角方
向に光を屈折し、第９図に示すように指針１１の
透明部１２の側面１２ａ，１２ｂ間にて屈折（反
射）を繰返し、指針１１の先端部１１ａ或いは後
端部１１ｂの各端まで光が到達し、指針１１を全
長にわたり明るくする。しかも透明部１２はレン
ズの作用効果もあり、したがつて透明部１２側か
らの観察者（ドライバー）は、任意に彩色された
着色部１３をより確認し易くなり視認性を高める
ことができる。

このようにこの考案は昼間等の照明用電球を点
灯しない場合は指針の表側（観察者側）が透明と
なつており、着色部１３を直接見ることができる
ため、奥行きのある指針を、又夜間等において指
針１１を照明した場合は、保持部１７により屈折
した光を指針１１の透明部１２全体に光を導入さ
せることができ、指針１１の先端部１１ａから後
端部１１ｂまで着色部１３を一本の線として昼間
確認できる内容と全く同じように指針全体を光輝
させることができ、したがつて計器等指針の視認
性及び従来にない目新しい指針照明装置を提供す
ることができる。

この考案は上述の一実施例に限定されることな
く要旨を逸脱しない範囲内でこの考案が適用され
ることは言うまでもない。すなわち例えば第１０
図に示すように、保持部１７の形状は角錘状とし
てもよい。また第１１図に示すように光導板２の
軸挿通孔２９の周面を円筒形とし、保持部１７の
一部を軸挿通孔２９内に（従来の第２図と同様
に）挿入延長してその延長部３１に反射面３１ａ
を形成してもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の指針照明構造を示す要部斜視
図、第２図は第１図のAA線断面図、第３図は従
来の指針照明構造の他の例を示す斜視図、第４図
はこの考案による指針照明構造の一例を示す斜視
図、第５図は第４図のBB線断面図、第６図は第
４図のCC線断面図、第７図は第４図のDD線断面
図、第８図は第４図の分解斜視図、第９図はこの
考案の作用を説明するための指針及び保持部の平
面図、第１０図は保持部１７の他の例を示す斜視
図、第１１図はこの考案の他の実施例を示す第６
図と対応した断面図である。 １：文字板、２：光導板、１１：指針、１２：
透明部、１３：着色部、１４：指針袴、１７：保
持部、１８：嵌合溝、２３：指針キヤツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 文字板より突出した指針の内部に、上記文字板
   の内側より光を導入してその指針を照明する計器
   において、透明樹脂材の透明部に沿つて不透明な
   着色部が上記文字板側に形成された指針と、ほぼ
   錐体状をしており、その軸心位置でその軸心と直
   角方向の嵌合溝が錐体頂面側に形成され、その嵌
   合溝に上記指針が嵌合され、上記文字板の裏面側
   に配された光導板からの光を錐体状周面で反射さ
   せて上記指針に導き、かつ指針駆動軸上に錐体底
   面側にて保持された透明樹脂材の保持部と、その
   保持部に取付けられ、上記指針の両側部の保持部
   を隠蔽する指針キヤツプとよりなる計器の指針照
   明構造。