JPH0235325Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、パチンコ機の入賞装置に関するもの
で、例えば遊技板に複数設けられる入賞球受けの
うち、特定の入賞球受けに打球が飛入したとき、
その褒賞として一定時間入賞条件を緩和し、入賞
のチヤンスを多くするような場合に使用される入
賞装置に関するものである。

従来からこの様な場合における入賞装置として
多くの装置が提案され、且つ実用化されている
が、従来のこの種装置は入賞条件の緩和を時間的
に制限するのみで、ある設定時間内は飛入数に関
係なく自由にして遊技者に有利なように配慮され
ていた。

しかし、上記設定時間は通常タイマー等で設定
しているため、設定時間の調整によつて入賞条件
の緩和が自由に変えられ、緩和の意味が喪失され
たり、或は必要以上に長時間の設定がなされて入
賞のチヤンスが無制限に引き延されたりすること
が可能であつた。

この入賞チヤンスの引き延しは、同時に特定の
入賞球受けへの飛入を極端に困難にすることに繋
がり、結果的にゲーム本来の楽しみから脱れる虞
れがある。

また、一方タイマーによる時間の設定は全ての
装置について均一にはなり難く、パチンコ機毎に
設定時間にバラ付きが出来て公平さを欠く問題が
あつた。

本考案は斯様な点に鑑み、一定の時間入賞の条
件を緩和し、入賞のチヤンスを増大させるのに併
せてこの緩和による入賞球の最大球数を機械的に
特定し、無制限の入賞チヤンスを避けると共に、
一回の入賞条件の緩和に対する賞球の最大数を確
定して均衡のとれた賞球の放出がなされるように
した入賞装置を提供することにある。

以下、この考案を図示する実施例につき説明す
ると、１は遊技板に取付ける本考案装置の本体
で、２は本体１の前面に設けた収納部、３はこの
収納部に収めた捕球ケースで、４はこの捕球ケー
スを作動させるため本体１の背部に備えたソレノ
イドである。

収納部２は本体１の前面にやゝ片上りに勾配を
付けて起立した壁５と、この壁の下方に間隔をお
いて並行状に起ち上げた壁６によつて横長の樋状
に形成してあり、左右の収納部が相対向するよう
にしてある。この収納部は上記下方の壁６を上方
の壁５より短く形成して内方において底部が欠落
するように形成してあり、この欠落部分を介して
本体１に設ける球受け通路７と連通するようにし
てある。

捕球ケース３は上記形成された収納部に合せて
横長の箱形に形成してあり、その長さを略収納部
の長さに揃えて全体が収納部の内部に収まるよう
にしてある。このケースは両端を開口させ収納部
の外方の開口部に臨む一端を捕球口８とし、他端
を放出口９とすると共に、この捕球口８に臨む底
板１０の一端を上方に延設して受片１１を設けて
ある。そして、他方の放出口９に臨む部分を欠截
して実質的に底板１０の長さが略前記収納部２の
下方の壁６の長さと揃うようにしてあり、ケース
全体が収納部内に収まつたとき、この底板１０の
欠截部分が球受け通路７に臨んでケース内部とこ
の通路７が連通するようにしてある。

１２は上記開口する放出口９を閉じるようにケ
ース３の前後の板１３，１４間に渡したストツパ
ーで、このストツパーは上記底板１０の端部との
間にパチンコ球を通過させられる間隔をおいて設
けられている。

ところで、上記捕球ケース３は収納部２に対し
その長さ方向に沿つて自由に摺動できるよう収め
られ、その摺動は前記ソレノイド４によつて行わ
れる。

ソレノイド４は上方に突出させた励磁杆１５の
端部に連結部材１６を備え、この連結部材に揺動
連杆１７を接続し、揺動連杆の揺動端に捕球ケー
ス３を接続してある。

揺動連杆１７は略Ｌ字形に２本の腕を備え、略
直角に交わる腕の交点に軸受筒１８を有し、この
軸受筒を本体１の背面に植設する支軸１９に軸承
させることによつて揺動自由に支持され、短い腕
の自由端に備える軸２０を連結部材１６の大きめ
の連結穴２１に滑合させ接続する一方、長い腕の
自由端に備える軸受筒２２を捕球ケース３の背面
に植設するピン２３に嵌合し、接続するようにし
てある。

捕球ケースのピン２３は前記収納部２の長さ方
向に沿つて本体１を貫き形成する長孔２４を通し
て本体の背後に突き出し上記揺動連杆１７の軸受
筒２２に嵌合させてある。

この様に揺動連杆１７を介して捕球ケース３に
接続したソレノイド４は失磁時励磁杆１５を上方
に突き出し、揺動連杆１７の長い腕の自由端を内
方に引き寄せてこの軸受筒２２を介して接続した
捕球ケース３を収納部２の内部に引き込んだ状態
に保つ（第５図参照）。そして、図示しない特定
の入賞球受けに打球が飛入したとき通電して上記
励磁杆１５を引き入れ、これによつて揺動連杆１
７を支軸１９を支点に揺動させ上記収納部２に引
き込んだ捕球ケース３を外方に摺動させてその捕
球口８を収納部の開口部から外方に突出させ捕球
可能な姿勢に変換する（第６図参照）。

尚、ソレノイド４にはタイマーを接続して特定
入賞球受けに打球が飛入したとき一定の時間励磁
状態に保ち、この間捕球ケースへの打球の飛入を
可能にしておくことになる。そして、この捕球ケ
ースへの打球の飛入を可能にするためソレノイド
の励磁時には捕球ケース３の捕球口８を打球を捕
球するに充分なまで突き出すようにすることは言
うまでもない。

本考案装置は上記の如く構成されるもので、前
記した如くソレノイド４が失磁した常態時には捕
球ケース３は収納部２内に引き込まれて捕球が不
可能な状態におかれる。そして、図示しない特定
の入賞球受けに打球が飛入したときソレノイド４
が励磁して各収納部２内に収まつた捕球ケース３
を摺動し、その捕球口８を外方に突き出し捕球可
能な状態へと変換することになり、タイマーで設
定した時間この状態を保持することになる。

このため、捕球ケース３の捕球口８には自由に
打球が飛入するが、ケースの他方の開口部、即ち
放出口９にはストツパー１２がありまた底板１０
の欠截部分がケースの摺動によつて収納部２の壁
６に塞がれるため捕球ケースに飛入した球は球受
け通路７に転入することなくケース内部に滞溜す
ることになる。

従つて、図示するように上記捕球ケース３の内
部を例えば３個の球を収容できる大きさとした場
合、この数を限度にタイマーの設定時間に関係な
く賞球数、つまり飛入球数が制限され、引き続き
飛入した球は捕球されることなく捕球口より落下
することになる。そして、一旦ケース内部に捕球
された飛入球は設定時間の経過に伴うソレノイド
の失磁によりケースが収納部２内に引き込まれ、
この引き込みによつてその放出口９が球受け通路
７上に進み底板１０の欠截部分が壁６から外れる
ため球受け通路７へと転入し、入賞することにな
る。

以上の様に本考案装置は特定の入賞球受けに打
球が飛入したことを一つの原因にソレノイドが励
磁して捕球ケース３が開放された場合、この開放
はタイマーの設定時間内継続されるが、この間捕
球ケース３に捕球される球は捕球ケースの容量を
限度とし、従来のこの種入賞装置にみられた様に
飛入した全ての打球が入賞球となることがない。

従つて、予じめ捕球ケースの容量を確定するこ
とによつて最大入賞球数を限定することができ、
特定入賞球受けに飛入したことに基づく褒賞とし
ての賞球に一定の制約を付けることができるので
遊技者に不要な射倖心をかりたてることなく楽し
く遊技することができる一方、捕球ケースの容量
を機械的に特定できるので、少なくとも最大入賞
球数を確定することができ、これがため多少タイ
マーの設定にバラ付きが生じても入賞確率に大き
な差を生ずることがなく好都合である。

尚、実施例では捕球ケースを２個用意したが、
１個でもよく、また捕球容量は３個に限られるも
のではなく任意の容量を選択できることは言うま
でもない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案装置の一実施例を示したもので、
第１図は失磁状態における正面図、第２図は励磁
状態における要部を断面とした正面図、第３図は
上部断面とした要部の右側面図、第４図は要部の
平面図、第５，６図は作動関係を示す要部の背面
図である。 １は本体、２は収納部、３は捕球ケース、４は
ソレノイド、７は球受け通路、８は捕球ケースの
捕球口、９は捕球ケースの放出口、１２はストツ
パー、１７は揺動連杆である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 荘置本体の前面に両端を開口させた横長の収納
   部を設け、この収納部に捕球ケースを摺動可能に
   収めると共に、本体背部にはタイマーに接続した
   ソレノイドを装備し、該ソレノイドと捕球ケース
   とを揺動連杆を介して連結し、ソレノイドの失磁
   時には上記捕球ケースの一端捕球口を収納部内に
   引き入れ、その他端の放出口を本体内部に設ける
   球受け通路に臨ませ、励磁時には上記捕球口を収
   納部の一端開口より外方に突き出し捕球可能とす
   る一方、上記捕球ケースの放出口近傍にはストツ
   パーを備え捕球可能時に捕球した球を前記ソレノ
   イドの失磁時までケース内部に滞溜させるように
   したパチンコ機の入賞装置。