本発明は、パチンコ機の如き遊技機の入賞口の開閉機構に関する。
パチンコ機の如き遊技機において、始動入賞口(チャッカー)に遊技球が入球すると、主制御基板のCPUにおいて内部抽選を行って、その結果に応じて大入賞口を一定時間だけ開放するような遊技機がある。ここで、大入賞口は遊技盤面に設けられた水平方向に細長い略矩形の貫通孔であって、これを遊技球が通過すると所定数の賞球が遊技者に払い戻される。ところで、内部抽選によって「当たり」を得る前の通常遊技の状態では、大入賞口は水平方向に細長い略矩形の板状の蓋体によって完全に閉塞されており、遊技球が大入賞口を通過することはできない。一方で、内部抽選によって「当たり」を得た場合の特別遊技の状態では、蓋体の上端部が遊技盤の手前方向に向けて回動して、蓋体が遊技盤面にほぼ垂直な状態で固定されて大入賞口が開放される。回動した蓋体は水平方向に細長いから、遊技盤面内に打ち出された遊技球は水平方向位置にかかわらず、蓋体に衝突して大入賞口へと導かれるのである。つまり、通常遊技状態から特別遊技状態へと移行すると、遊技者は遊技球を遊技盤面内に向けてただひたすら打ち続けていれば、所定数の賞球を得られてしまうのである。
以上の如く、特別遊技状態では通常遊技状態と比較して、著しく容易に賞球を得ることできるようになる。遊技者にとって容易に賞球が得られることは非常に喜ばしいことでもある。しかしながら、一方で特別遊技状態の遊技は単調であって、緊張感に欠け、退屈になってしまうという欠点もあった。そこで、特別遊技状態においても遊技者の技能に応じて得られる賞球に差をつけて、常に遊技者の緊張感を維持させて、退屈感を遊技者に抱かせないようにした大入賞口装置を含む遊技機が提案されている。
例えば、特許文献1は、複数の大入賞口装置を遊技盤面上に設けた遊技機を開示している。複数の大入賞口のうちの何れか、若しくは、いくつかを抽選結果若しくは所定の遊技条件に応じて開放せしめて、遊技者の遊技球の打ち出し技能によって、大入賞口を通過する遊技球の数、すなわち得られる賞球の数に差をつけるようになされている。
特開2003−325801
特許文献1に開示の遊技機の如く、複数の大入賞口装置を含む遊技機では、大入賞口の数を増やすことで遊技のバリエーションを高めて、一定数の賞球を得るために必要とされる遊技者の遊技球の打ち出し技能に幅を持たせることが可能となる。しかしながら、近年、液晶パネルなどの表示器が大型化して遊技盤面に占める中央役物装置の面積が大となってきており、大入賞口を複数個設けることは困難になってきている。また、大入賞口を複数個設けることで、例えば、大入賞口を通過した遊技球をカウントするためのセンサーなどを複数個設けなければならず、遊技機のコストを上昇させる原因ともなる。
そこで、本発明は、コンパクトでありながら遊技のバリエーションを高めて、遊技者の遊技球の打ち出し技能に応じて得られる賞球の数に幅を持たせることが可能な入賞口の開閉機構を提供することを目的としている。
本発明による入賞口の開閉機構は、抽選結果に応じて開閉動作する遊技機の入賞口の開閉機構であって、前記入賞口を囲繞して設けられてその上面に開口部を有するハウジングと、前記ハウジングに対してスライド自在に係合して、閉塞位置にあるときに前記開口部を閉塞し、開放位置にあるときに前記開口部の少なくとも一部分を開放するスライド板と、前記スライド板を前記閉塞位置及び前記開放位置に選択的に位置決めする駆動機構と、を含むことを特徴とする。
従来の大入賞口装置において、特別遊技状態で開放される実質的な開口の大きさ、すなわち遊技盤面内を落下する遊技球を受け止める開口の大きさは、通常遊技状態で大入賞口を閉塞している蓋体の大きさであって、これは一定であった。本発明による入賞口の開閉機構によれば、ハウジングに対してスライド自在に係合したスライド板によって遊技盤面内を落下する遊技球を受け止めるハウジングに設けられた開口の大きさが可変となるのである。故に、コンパクトでありながら遊技のバリエーションを高めることができるのである。また、開口の大きさを変化せしめることで、遊技者は当該開口の大きさにあわせて遊技球の発射方向、発射速度などを調整して、より多くの遊技球を得ようとするのである。つまり、遊技者の遊技球の打ち出し技能によって得られる賞球の数に幅を持たせることができるのである。
発明を実施するための形態
本発明による入賞口の開閉機構を含む遊技機の実施例について図1乃至図9を用いて詳細に説明する。
特に図1及び図2に示すように、遊技機1はパチンコ機の如き、遊技球を遊技盤2内へ向けて打ち出して遊技を行う遊技機である。遊技盤2の中央部には各種の遊技情報が表示される液晶パネルなどからなる表示部3aを具備した中央役物装置3が設けられている。中央役物装置3の側部近傍には落下してくる遊技球を受けとめるように上部へ向けた開口を有する始動入賞口(チャッカー)4がある。後述するように始動入賞口4に遊技球が入球すると、これを図示しないセンサーが検知して、主制御部41のCPU51(図9参照)の内部で抽選が行われるのである。
中央役物装置3の下方には、電動チューリップの如き、可動部5aを有する可動入賞口5が設けられている。可動入賞口5の一対の可動部5aがその上方先端部を離間する方向に向けて回動すると、その間には遊技球が通過可能な開口部が形成される。一対の可動部5aの間の開口部は、中央役物装置3の波形ステージ31の遊技球排出孔(高確率ルート)31aの直下に位置している。遊技球排出孔31aは、波形ステージ31の後方に設けられた入口31bとこれに連通する通路によって結ばれている。すなわち、波形ステージ31の後方の入口31bから入った遊技球は、波形ステージ31の後方の通路内を落下して、更に、波形ステージ31の下方において、進路を遊技盤手前方向へと屈曲せしめられて進むのである。そして、遊技盤2の面と垂直方向手前へ向けて遊技球排出口31aから遊技盤2内へと放出される。遊技球排出孔31aから放出された遊技球は、遊技盤2の面と垂直方向へ向けて進むから、高い確率で遊技球排出口31aの直下にある可動入賞口5に入球するのである。また、遊技盤2に向かって中央役物装置3の左手上部には中央役物装置3の内部に遊技球を導くための中央役物装置入口3bが設けられている。そして、中央役物装置3の下方には、中央役物装置入口3bから中央役物装置3の内部に導かれた遊技球を後述する大入賞口装置10上に落下せしめる落下ステージ32が設けられている。
可動入賞口5の下方には、遊技盤2を貫通する大入賞口6が設けられている(図1参照)。大入賞口6の上には大入賞口装置10が設置されており、遊技中の遊技者は、大入賞口6を視認することはできない。大入賞口装置10は、遊技盤2を正面から見て右から左へ傾斜して、最も低い位置に大入賞口6が位置するように遊技盤2に固定されている。
図3乃至5を参照すると、大入賞口装置10のハウジング11は樹脂からなる成形体である。ここで大入賞口装置10が遊技盤2に設置されたとき、これを遊技中の遊技者が見る方向(図3参照)において、左下の角部を原点とした座標軸を説明のために定義する。原点から右方向をX軸正の向き、上方向をY軸正の向き、後方をZ軸正の向きとする。
特に図5に示すように、ハウジング11のベース板12は略矩形の板状体である。大入賞口装置10は、ベース板12の背面12’を遊技盤2に密着させて遊技盤2に取り付けられている(図2参照)。つまり、大入賞口装置10が遊技盤2に取り付けられると、ベース板12の前面12”(図3参照)は、遊技盤2の一部をなすのである。ベース板12は、その長辺に沿って、すなわちX軸と平行に伸長する長貫通孔12aを有する。後述するように、長貫通孔12aの内部にはスライド板15が摺動自在に貫挿される故、長貫通孔12aの高さはスライド板15の厚さよりもわずかに大である。ベース板12の−X方向の端部近傍、且つ、長貫通孔12aの下部には、遊技球が通過出来る大きさの遊技球回収口12bがベース板12を貫通するようにして形成されている。なお、大入賞口装置10が遊技盤2に取り付けられたとき、遊技盤2に設けられた大入賞口6(図1参照)と遊技球回収口12bとが連結されて、後述するように大入賞口装置10の遊技球貯留部14及び遊技球回収口12bを通過した遊技球が遊技機1の内部へと導かれるのである。
ベース板12の前面12”には、前方(−Z方向)へ向けて突出するようにして設けられたガイド部材13がある。ガイド部材13は、ベース板12の長貫通孔12aの下縁部に沿って且つXZ面内で延在する底板13aと、底板13aの前方(−Z方向)端部に沿ってベース板12と平行に上方へ向けて伸長するガイド部13bとを含む。ガイド部13bには、+Z方向に開口を向けて、X軸と平行に伸長する摺動溝13cが形成されている。後述するように、摺動溝13cの内部にはスライド板15の端部が摺動自在に係合する故に、摺動溝13cの高さはスライド板15の端部の高さよりも大である。底板13aの遊技球回収口12bの近傍、すなわち−X方向の端部近傍には、略矩形の遊技球落下口13dが底板13aを貫通して形成されている。後述するように、遊技盤2を落下して大入賞口装置10上に落下した遊技球のうち遊技球落下口13dを通過した遊技球は、遊技球回収口12b、及び、大入賞口6を通過して「当たり」とカウントされて、一定数の賞球が遊技者に払い戻されるのである。すなわち、遊技球落下口13dは、遊技盤面内を落下する遊技球を受け止める入賞口であって、特別遊技状態で開放される実質的な大入賞口である。また、遊技球落下口13dは、これを通過した遊技球を後述する遊技球貯留部14に導く通路を形成している。
底板13の下部には、遊技球落下口13cの周縁部に沿ってベース板12とともに袋状に遊技球貯留部14が設けられている。遊技球貯留部14の内部には、遊技球回収口12bが開口している。つまり、遊技球落下口13dを介して遊技球貯留部14に落下した遊技球は、遊技球回収口12bから大入賞口装置10の外部に排出されようになされている。これにより、大入賞口装置10が遊技盤2に取り付けられたとき、遊技球落下口13dを通過した遊技球は、遊技球貯留部14に落下して、遊技球回収口12b、遊技盤2の大入賞口6を介して遊技機1の内部に回収されるのである。なお、遊技盤2の裏面には、大入賞口6を通過する遊技球をカウントするセンサー(図示せず)を設けて、遊技球落下口13dを通過した「当たり」としての遊技球の数をカウントするのである。
特に図3及び図4に示すように、スライド板15は長方形の板状体であって、外側へ歯を向けたラックギア15aが1つの長辺に沿って形成されている。スライド板15はラックギア15aを手前にして、ベース板12に設けられた長貫通孔12aに背面12’側から貫挿されて、スライド板12のラックギア15aと反対側の端部をガイド部13bの摺動溝13cの内部に配置させるのである。これによりスライド板15は、ベース板12の底板13aの上をX軸と平行に往復動自在であって、ハウジング11にスライド自在に係合しているのである。
スライド板15のラックギア15aにはピニオンギア17が噛合しており、ピニオンギア17はモータ18によって回動する。ピニオンギア17及びモータ18などからなる大入賞口駆動部54は、主制御部41のCPU51及び大入賞口駆動制御回路53によって駆動される(図9参照)。なお、大入賞口駆動部54は適宜、ギアボックスからなる減速・倍力機構などを含み得る。
ハウジング11のベース板12の背面12’の長貫通孔12aの2カ所には、スライド板15の位置を検知するための位置センサー19a、19bが設置されている。位置センサー19(2つの位置センサー19a、19b)は光学センサー、磁気センサーなどの非接触型センサーや、リーフスイッチの如き接触型のセンサーであっても良く、物体がこれに接近すると反応するセンサーである。2つの位置センサー19a及び19bの位置は、スライド板15が貫通孔13c内の−X方向の端部に位置して遊技球落下口13dを完全に閉塞しているときに、ともに非検知の状態にある(図6参照)。また、スライド板15が貫通孔13c内の+X方向端部に位置して遊技球落下口13dを完全に開放しているときは、2つの位置センサー19a、19bが検知の状態にある(図7参照)。位置センサー19からの信号は、主制御部41のスライド板位置検知回路55を介して大入賞口駆動制御回路53へ送られて、大入賞口駆動部54の動作が制御されるのである(図9参照)。
再び、特に図1及び図2に示すように、大入賞口装置10の両側であって、遊技盤2上には装飾役物20及び21が設けられている。装飾役物20は、一般入賞口20a、20b及び20cを具備しており、これに遊技球が入球すると所定数の賞球が払い戻される。
大入賞口装置10の下方には、遊技盤2内に打ち出された遊技球が最終的に「はずれ球」として遊技機1の内部に回収される回収口22が設けられている。なお、大入賞口装置10の左右には少なくとも遊技球が通過できるだけの隙間があって、大入賞口装置10の両側から遊技球は回収口22へ向けて落下するようになっている。
次に、本発明による入賞口の開閉機構を含む遊技機の実施例の動作について図1乃至図9を用いて詳細に説明する。
遊技盤2内に打ち出された遊技球が始動入賞口4に入球すると、主制御部41のCPU51において内部抽選が行われる。内部抽選は、「当たり」若しくは「はずれ」を決定する。
まず、内部抽選によって「当たり」が得られるまでの通常遊技状態においては、スライド板15はハウジング11の遊技球落下口13dの上にあって、これを完全に閉塞している(図6参照)。故に、遊技盤2内に打ち出された遊技球が遊技球落下口13d及び大入賞口6を通過することは出来ない。この状態では、センサー19aはスライド板15の+X方向の端部近傍にあって非検知の状態、且つ、センサー19bはスライド板15を非検知の状態である。詳細には、スライド板15の位置は、センサー19aがスライド板15を検知している状態からスライド板15を−X方向へ移動させて、非検知の状態へ変化したところでこれを停止せしめた位置である。
内部抽選によって「当たり」が得られると、通常遊技状態から特別遊技状態へと移行して、大入賞口6が開放、すなわち遊技球落下口13dの閉塞が解除されるのである。ここで特別遊技状態のバリエーションを高めて遊技者の特別遊技への興味を高めるため、内部抽選における「当たり」のランクを複数段階設定することが好ましい。ここでは2段階の「当たり」を設定する場合について説明する。以下において、賞球の得やすさの順に、「大当たり」及び「小当たり」と称することとする。
CPU51の内部の抽選が「大当たり」の場合、CPU51は、遊技球落下口13dを全開する開放位置にスライド板15を移動させる命令を大入賞口駆動制御回路53へ送出する。信号を受けた大入賞口駆動制御回路53は、スライド板位置検知回路55からスライド板15の位置情報信号を受けつつ、大入賞口駆動部54のモータ18を回転させてスライド板15を移動せしめるのである。詳細には、通常遊技状態においてセンサー19bはスライド板15を非検知の状態である。この状態からスライド板15を+X方向へ移動させるようにモータ18を回転させる。すぐにセンサー19aは非検知状態から検知状態に反転する。やがてセンサー19bの下にスライド板15の+X方向の端部が達すると、センサー19bが非検知状態から検知状態に反転する。センサー19bの検知状態が反転したことをスライド板検知回路55から信号を受けた大入賞口駆動制御回路53はこれに応じて大入賞口駆動部54のモータ18を停止させるのである(図7参照)。これにより遊技球落下口13dが完全に開放されて特別遊技状態となるのである。
特別遊技状態の開始から一定時間が経過すると、CPU51は特別遊技状態を終了させて通常遊技状態に戻すべく、再び遊技球落下口13dを閉塞する位置までスライド板15を移動させるための命令を大入賞口駆動制御回路53へ送出する。この信号を受けた大入賞口駆動制御回路53は、大入賞口駆動部54のモータ18を特別遊技状態への移行時と反対方向へ回転させる。故に、スライド板15は−X方向へ移動するのである。特別遊技状態では上記したように、センサー19aがスライド板15を検知している状態にある。スライド板15の−X方向への移動により、まず、センサー19bが検知状態から非検知状態へ反転する。その後、センサー19aが検知状態から非検知状態へと反転する。センサー19aの検知状態の反転を示す信号をスライド板位置検知回路55から受けた大入賞口駆動制御回路53は大入賞口駆動部54のモータ18を停止させるのである(図6参照)。これにより遊技球落下口13dが再び閉塞されて通常遊技状態に戻るのである。
次に、CPU51内部の抽選が「小当たり」の場合、CPU51は遊技球落下口13dをわずかに開く開放位置、すなわちスライド板15の−X方向の端部が遊技球落下口13dの上に存在する開放位置までスライド板15を移動させる命令を大入賞口駆動制御回路53へ送出する。信号を受けた大入賞口駆動制御回路53は、スライド板15を+X方向へ移動させるようにモータ18を回転させる。これにより、まずセンサー19aが非検知状態から検知状態に反転する。一方、大入賞口駆動制御回路53は、センサー19bが非検知状態から検知状態に反転する一定時間前にモータ18を停止させるのである(図8参照)。かかる制御は、モータ18の回転時間などによって制御される。この回転時間は大入賞口駆動制御回路53内部の図示しないROMなどに記憶しておくのである。また、この回転時間をランダムに設定できるようにしておくことで「当たり」に対する遊技球落下口13dの閉塞の度合いのバラエティーさを更に高めることができる。
この特別遊技状態の開始から一定時間が経過すると、「大当たり」の場合と同様に、CPU51は特別遊技状態から通常遊技状態に遊技状態を戻すべく、再び遊技球落下口13dを閉塞する位置までスライド板15を移動するように命令を大入賞口駆動制御回路53へ送出する。なお、動作は上記した「大当たり」の場合と同様であるので詳述しない。
以上の入賞口の開閉動作において、図2を再び参照すると、大入賞口装置10は、遊技盤2を正面から見て右から左へ傾斜するようにして遊技盤2に固定されている。つまり、スライド板15は、少なくとも開放位置にあるときに遊技球落下口13dに向けて低くなるように傾斜している。故に、遊技球がスライド板15の上に落下すると、遊技球はスライド板15の上を遊技球落下口13dへ向かって転っていくのである。
内部抽選により「大当たり」を得たときは、遊技球落下口13dは全開するので、スライド板15上に落下して、この傾斜面を転がり落ちるほとんどすべての遊技球は遊技球落下口13dに落下することができる。故に、大入賞口6を通過することが可能なのである。「大当たり」状態では、遊技者は遊技球を大入賞口装置10のいずれかの位置に落下するように打ち出せば、高い確率で賞球を得ることが期待できるのである。つまり、遊技盤2の中央役物装置3の左側又は右側の空間を落下するように遊技球を打ち出しても、また装飾役物20、21の表面を転がるように遊技球を打ち出しても高い確率で賞球を得ることが期待できるのである。また、遊技球を中央役物装置3の内部を通過して落下ステージ32から大入賞口装置10上に落下せしめるように、中央役物装置3の入口3bを狙って打ち出しても高い確率で賞球を得ることが期待できるのである。
一方、内部抽選により「小当たり」を得たときは、遊技球落下口13dは「大当たり」のときほど開口幅を有していない。故に、スライド板15の上で一定の転がり速度以上に達してしまった遊技球は、遊技球落下口13dの上を通過して、大入賞口装置10から遊技盤2へと排出されて「はずれ球」となってしまうのである。そこで、遊技者は、遊技球落下口13dの近傍においてスライド板15上を転がる遊技球の速度が一定以上にならないように、なるべく遊技球落下口13dの近傍に遊技球を落下させる打ち出し技能を要求されるのである。例えば、中央役物装置左側の空間を落下するように遊技球を打ち出したり、若しくは、装飾役物20の上を転がり落ちるように遊技球を打ち出すのである。若しくは、中央役物装置3の右手上部の中央役物装置入口3bを狙って遊技球を打ち出して、中央役物装置入口3bに連通する落下ステージ32から遊技球をスライド板15上に落下せしめるのである。遊技者が遊技球をスライド板15上のどこへ落下せしめれば遊技球落下口13dへ入球できるかは、遊技球落下口13dの開口幅(閉塞の度合い)及び大入賞口装置10の傾き(スライド板15の傾き)に依存する。遊技者は打ち出し技能としてこれを経験的に体得するのである。
なお、大入賞口装置10の傾きを調整できるようにしておくこともできる。遊技者は、遊技機毎に大入賞口装置10の傾きに合わせた遊技球の打ち出し方を行って、より多くの賞球を得ようとするのである。つまり、遊技者の遊技球の打ち出し技能に応じて賞球の数に更に幅を持たせることが可能である。
上記した実施例では、2つの位置センサー19a及び19b、スライド板位置検知回路55によるスライド板15の位置を検知する手段によって、スライド板15の位置を検知してスライド板15の位置制御を行っていた。一方、図10に示すように、大入賞口駆動部54はステッピングモータ18’によってスライド15を移動せしめて位置制御を行ってもよい。このとき、スライド板15の位置を検知する手段を省くことが出来るのである。つまり、CPU51は「当たり」信号の種類に従って、あらかじめ主制御部41のROM56に記憶しておいたスライド板15の移動情報、すなわちステッピングモータ18’の回転量を読み出して、大入賞口駆動制御回路53に信号を送出するのである。大入賞口駆動制御回路53はこの情報信号に従ってステッピングモータ18’を所定量だけ回転せしめるのである。かかる実施例によれば、大入賞口装置10のコストを低減できるとともに、遊技球落下口13dの閉塞の度合いを多段階的に制御できて、遊技のバラエティーさを一層、高めることができるのである。
本発明による入賞口の開閉機構を含む遊技機の正面図である。
本発明による入賞口の開閉機構を含む遊技機の遊技部の要部の斜視図である。
本発明による入賞口の開閉機構を含む大入賞口装置の斜視図である。
本発明による入賞口の開閉機構を含む大入賞口装置の斜視図である。
本発明による入賞口の開閉機構を含む大入賞口装置の要部の斜視図である。
本発明による入賞口の開閉機構を含む大入賞口装置の上面図である。
本発明による入賞口の開閉機構を含む大入賞口装置の上面図である。
本発明による入賞口の開閉機構を含む大入賞口装置の上面図である。
本発明による入賞口の開閉機構を含む大入賞口装置の制御図である。
本発明による入賞口の開閉機構を含む大入賞口装置の制御図である。
符号の説明
1 遊技機
2 遊技盤
3 中央役物装置
3a 表示部
3b 中央役物装置入口
4 始動入賞口
5 可動入賞口
5a 可動部
6 大入賞口
10 大入賞口装置
11 ハウジング
12 ベース板
12a 貫通孔
12b 遊技球回収口
13 ガイド部材
13a 底板
13b ガイド部
13c 摺動溝
13d 遊技球落下口
14 遊技球貯留部
15 スライド板
15a ラックギア
17 ピニオンギア
18 モータ
19 センサー
20、21 装飾役物
22 回収口
31 波形ステージ
31a 遊技球排出孔
31b 入口
32 落下ステージ
41 主制御部
51 CPU
53 大入賞口駆動制御回路
54 大入賞口駆動部
55 スライド板位置検知回路
56 ROM