JP2004141547A - 弾球遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】発射装置が遊技球を安定して発射することが可能な弾球遊技機の提供を目的とする。
【解決手段】本発明に係るパチンコ遊技機では、発射台55に受容球90が受容されているときに、発射球供給口60から過剰球66が供給された場合には、過剰球66と受容球90とが、過剰球退避誘導路59より上側でかつ受容球90の中心90Cよりも過剰球退避誘導路59側の接触点Kで接触するように発射球供給口60が配設されているので、過剰球66を確実に過剰球退避誘導路59上に転入させることができ、発射台55から排除することができる。これにより、発射台55に複数の遊技球が待機されることを抑制でき、遊技球を安定して発射することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】本発明に係るパチンコ遊技機では、発射台55に受容球90が受容されているときに、発射球供給口60から過剰球66が供給された場合には、過剰球66と受容球90とが、過剰球退避誘導路59より上側でかつ受容球90の中心90Cよりも過剰球退避誘導路59側の接触点Kで接触するように発射球供給口60が配設されているので、過剰球66を確実に過剰球退避誘導路59上に転入させることができ、発射台55から排除することができる。これにより、発射台55に複数の遊技球が待機されることを抑制でき、遊技球を安定して発射することができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機に代表される弾球遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6には、従来の弾球遊技機における遊技球の発射部分が示されている。この弾球遊技機では、発射レール8に隣接した壁部4に、遊技球供給口5が貫通形成されており、発射球受容部2が空の状態で遊技球供給口5から遊技球が1球ずつ供給されて、発射レール8の下端部に備えた発射球受容部2に受容される。そして、操作ノブを操作して発射装置1を駆動すると、発射球受容部2の遊技球が発射レール8に沿って斜め上方に弾き出される。また、発射球受容部2を挟んで発射レール8と反対側には、過剰に供給された遊技球を排除するための過剰球退避誘導路3が設けられている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−9779号公報(段落[0015]〜[0020]、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の弾球遊技機では、遊技球供給口5が発射球受容部2に受容された遊技球7より発射レール8側に配置されていたため、遊技球供給口5から過剰に供給された遊技球6が、既に発射球受容部2に受容されている遊技球7の上に乗ってしまい、その重みで遊技球が適正に打ち出されない場合が発生していた。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、発射装置が遊技球を安定して発射することが可能な弾球遊技機の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る弾球遊技機は、前後方向で対向した前後対向壁の間に遊技球通過空間を形成すると共に、その遊技球通過空間に発射球受容部を設け、発射球受容部に1球ずつ供給した遊技球を1球ずつ発射装置にて上方又は斜め上方に向けて発射して遊技を行う弾球遊技機において、遊技球通過空間には、発射球受容部に過剰に供給された遊技球を発射球受容部から排除する過剰球退避誘導路が発射球受容部に隣接して設けられ、前後対向壁のうちの前側の壁又は後側の壁の何れか一方には、発射球受容部に遊技球を供給するための発射球供給口が貫通形成され、その発射球供給口は、上下方向においては、発射球受容部に受容された遊技球の最上部より上方に位置しかつ、横方向においては、発射球供給口を通過する遊技球の中心が発射球受容部に受容された遊技球の中心より過剰球退避誘導路側に位置するように配置され、過剰に供給された遊技球が、発射球受容部に受容された遊技球のうち過剰球退避誘導路側の曲面に案内されて過剰球退避誘導路に転入するように構成したところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の弾球遊技機において、発射球供給口は、その発射球供給口を通過する遊技球の中心が、発射球受容部と過剰球退避誘導路との境界部より発射球受容部側に位置するように配置されたところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の弾球遊技機において、過剰球退避誘導路を発射球受容部に受容された遊技球の最上部より低く構成すると共に、過剰球退避誘導路より、発射球受容部に受容された遊技球と過剰な遊技球との接触点の方が高くなるように構成したところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の弾球遊技機において、発射球受容部の底部と過剰球退避誘導路との間はスロープ状をなし、そのスロープ部分と発射球受容部に受容した遊技球とのクリアランスを、遊技球の停止を防ぐ大きさに設定したところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4記載の弾球遊技機において、スロープ部分は、下方に向かうに従って過剰球退避誘導路から離れるように傾斜したところに特徴を有する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の弾球遊技機において、発射球受容部のうち過剰球退避誘導路から離れた側には、遊技球を停止させる遊技球停止部が設けられ、発射球受容部のうち過剰球退避誘導路に近い側には、発射球供給口から供給された遊技球を、遊技球停止部に案内する停止位置誘導部が設けられたところに特徴を有する。
【0012】
請求項7の発明は、請求項6に記載の弾球遊技機において、発射球受容部のうち過剰球退避誘導路と反対側には、上方又は斜め上方に向かって延びかつ発射された遊技球を遊技領域に向けて案内する発射レールが設けられ、遊技球停止部は、発射レールの下端部と発射球受容部の底部とに遊技球を接触させて停止させるように構成されたところに特徴を有する。
【0013】
請求項8の発明は、請求項7に記載の弾球遊技機において、過剰球退避誘導路を発射レールより弾球遊技機の中央側に設けると共に、発射レールは上方に向かうに従って過剰球退避誘導路から離れるように傾斜したところに特徴を有する。
【0014】
請求項9の発明は、請求項8に記載の弾球遊技機において、発射レールは溝形構造をなし、発射レールの下端部が、発射球供給口の真下に位置するように構成したところに特徴を有する。
【0015】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
請求項1の弾球遊技機では、通常は、遊技球が1球ずつ発射球供給口から発射球受容部内に落下して受容され、その遊技球を発射装置にて上方又は斜め上方に発射して遊技が行われる。ここで、本発明の構成では、発射球供給口は、その発射球供給口を通過する遊技球の中心が発射球受容部に受容された遊技球の中心より過剰球退避誘導路側に位置するように配置されている。従って、既に遊技球が発射球受容部に受容された状態で、何らかの不具合により次の遊技球が発射球供給口から供給されても、その遊技球は、発射球受容部に既に受容された遊技球の曲面に案内されて過剰球退避誘導路に転入する。これにより、発射装置に遊技球が複数待機されることを抑制でき、遊技球を安定して発射することができる。
【0016】
<請求項2の発明>
請求項2の弾球遊技機では、発射球供給口を通過する遊技球の中心が、発射球受容部と過剰球退避誘導路との境界部より発射球受容部側に位置するように発射球供給口を配置したので、発射球受容部に遊技球が空の状態で、発射球供給口から遊技球通過空間に転入した遊技球が安定して発射球受容部に受容される。
【0017】
<請求項3の発明>
請求項3の弾球遊技機では、過剰球退避誘導路を発射球受容部に受容された遊技球の最上部より低く構成すると共に、過剰球退避誘導路より発射球受容部に受容された遊技球と過剰な遊技球との接触点の方が高くなるように構成したので、過剰な遊技球が発射球受容部に受容された遊技球の上方側の曲面に接触して、その接触点より下方の過剰球退避誘導路へとスムーズに案内することができる。
【0018】
<請求項4,5の発明>
請求項4の発明は、発射球受容部の底部と過剰球退避誘導路との間はスロープ状をなしているので、発射球受容部に受容された遊技球は、発射球受容部内部を移動する。しかも、そのスロープ部分と発射球受容部に受容した遊技球とのクリアランスは、遊技球の停止を防ぐ大きさに設定されているので、過剰な遊技球が前記クリアランス内に保持されることもない。また、スロープ部分を、下方に向かうに従って過剰球退避誘導路から離れるように傾斜させることで、発射球受容部の内部の過剰球退避誘導路から離れる方向に遊技球をスムーズに案内することができる(請求項5の発明)。
【0019】
<請求項6,7の発明>
請求項6の弾球遊技機では、発射球受容部に受容された遊技球は、停止位置誘導部に案内されて過剰球退避誘導路から離れた側の遊技球停止部で停止して位置決めされる。そして、その位置決めされた遊技球が発射装置により発射される。これにより、発射される遊技球の発射位置が一定になる。また、遊技球停止部は、発射球受容部のうち過剰球退避誘導路と反対側から上方又は斜め上方に向かって延びた発射レールの下端部と発射球受容部の底部とに遊技球を接触させて停止させるようにして構成することができる(請求項7の発明)。
【0020】
<請求項8の発明>
請求項8の弾球遊技機のように過剰球退避誘導路を発射レールより弾球遊技機の中央側に設け、発射レールを上方に向かうに従って過剰球退避誘導路から離れるように傾斜させたことで、遊技球を発射レールに安定して接触させながら発射することができ、発射方向が安定する。
【0021】
<請求項9の発明>
請求項9の弾球遊技機のように発射レールを溝形構造にすることで、遊技球の発射方向が更に安定する。また、発射球供給口の真下に発射レールの下端部が配置されたので、遊技球が発射球供給口から真下に転落しただけで溝形の発射レールの内部に収まり、遊技球の供給がスムーズに行われる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の弾球遊技機としてのパチンコ遊技機に係る一実施形態を、図1〜図5に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10の遊技盤11には、1対のガイドレール12,12で囲まれたほぼ円形の遊技領域R1が形成され、遊技領域R1の中央部に、表示装置13が備えられている。遊技領域R1のうち表示装置13の下方には、始動入賞口14、大入賞口15及び外れ球受け入れ口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。表示装置13の左側には風車19が備えられ、表示装置13の右側には演出用ランプ32が備えられている。遊技領域R1のうち、ガイドレール12の両側部にはサイドランプ22,22が設けられ、その下方には、袖入賞口20,20及び落とし入賞口21,21が上下に設けられている。始動入賞口14と左側の袖入賞口20との間には、始動ゲート18が設けられ、始動入賞口14と右側の袖入賞口20との間には、通過ゲート17が設けられている。さらに、遊技領域R1全体に亘って、図示しない複数の障害釘が起立している。なお、内側のガイドレール12には、遊技領域R1に打ち出された遊技球が逆戻りするのを防止する戻り防止バネ45が備えられている。
【0023】
図1に示すように、パチンコ遊技機10のうち、遊技盤11より上方には、遊技盤11の前面側に張り出した装飾ランプ30が設けられている。また、遊技盤11より下方には、上皿27A及び下皿27Bが上下2段にして設けられている。上皿27Aの左右両側には、1対のスピーカ59Sが備えられ、下皿27Bの右側には操作ノブ28が設けられている。なお、上皿27Aやスピーカ59S等により、膨出部44が形成されている。
【0024】
次に所要の各部位についてさらに詳説する。
始動ゲート18及び通過ゲート17は、遊技球が通過可能な門形構造をなす。始動ゲート18を通過した遊技球は、その始動ゲート18に内蔵した普通図柄始動スイッチによって検出され、その検出信号に基づいて、後述する普通図柄表示領域24の図柄が変動表示される。一方、遊技球が通過ゲート17を通過した場合には、普通図柄表示領域24の図柄は変動表示されない。なお、普通図柄表示領域24の図柄が変動表示している間に始動ゲート18を通過した遊技球は、4個まで保留記憶され、表示装置13に設けられた通過球数保留ランプ25の点灯数でもって遊技者に報知される。
【0025】
始動入賞口14は、所謂、ポケット構造をなして上方に向かって開口しており、その開口の両側部には可動翼片14C,14Cが備えられている。これら両可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっており、両可動翼片14C,14Cに挟まれた始動入賞口14の開口幅は、ちょうど遊技球が1つ入る大きさになっている。そして、遊技盤11の裏に設けたソレノイドが駆動されると、可動翼片14C,14Cが横に倒され(図1の状態)、遊技球が可動翼片14Cに案内されて始動入賞口14に入り易い状態になる。
【0026】
始動入賞口14に遊技球が入賞すると、始動入賞口14内に設けた特別図柄始動スイッチが遊技球を検出し、その検出信号に基づいて表示装置13が後述するように図柄を変動表示する。なお、表示装置13が図柄を変動表示している間に、始動入賞口14に入賞した入賞球は、4個まで保留記憶され、表示装置13に設けられた入賞球数保留ランプ26の点灯数でもって遊技者に報知される。
【0027】
大入賞口15は、横長に形成されて、常には、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、所定条件の成立によって、パチンコ遊技機10が「大当たり状態」になると、遊技盤11の裏に設けたソレノイドが駆動され、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒れる。これにより、大入賞口15が開放され、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能になる。ここで、可動扉15Tが、開放してから閉じるまでの間を「ラウンド」と称すると、1つのラウンドは、可動扉15Tの開放時間が29秒に達したか、又は、大入賞口15に遊技球が10個入賞したか、の何れかの条件が先に満たされた場合に終了する。そして最大で15ラウンドまで連続して実行することができる。
【0028】
大入賞口15の内部には、継続入賞口と計数入賞口とが設けられており、これら継続入賞口及び計数入賞口が開放される。より詳細には、可動扉15Tが開いたときには、継続入賞口は開放しており、継続入賞口に入賞後、ソレノイドが駆動されて、継続入賞口が閉鎖される一方、計数入賞口は開放されたままとなる。そして、継続入賞口内に設けた大当たり状態継続スイッチが遊技球の入賞を検出すると、前述した終了条件を満たしてラウンドが終了した後で、連続して次のラウンドが実行される。また、可動扉15Tが開放すると、前記継続入賞口への入賞球と合わせて、大入賞口15への入賞球がカウントされ、これらが前記したように計10個に達したか否かがチェックされる。
【0029】
表示装置13は、装飾枠23の内側部分を遊技盤11より陥没させて、その奥部に表示部34を備えてなり、遊技者は、装飾枠23を通して表示部34に表示された画像を見ることができる。装飾枠23は、上辺部分が遊技盤11から前方に張り出しており、下辺には、表示部34から前側に張り出して遊技球が遊転可能なステージ31,31が上下2段にして設けられている。装飾枠23の上辺の中央部には、上方に開口したワープ入口23Aが設けられ、装飾枠23の上辺及び左側辺の内部には、ワープ入口23Aとステージ31の左側端部とを連絡したワープ通路(図示せず)が形成されている。そして、ワープ入口23Aからワープ通路を通過して、ステージ31上へ案内された遊技球は、ステージ31上を左右に遊転し、そのうちのいくつかがステージ31の中央部分から下方に落下して、始動入賞口14に入賞する。
【0030】
表示部34には、図1に示すように、通常は、3つの左、中、右の特別図柄13A,13B,13Cが、横並びに表示されている。これら各特別図柄13A,13B,13Cは、例えば、「1」〜「9」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄13A,13B,13Cごと、所定の種類のものが、表示部34に確定表示されている。そして、始動入賞口14に遊技球が入賞したときに、各特別図柄13A,13B,13Cが、上下方向にスクロールして変動表示され、所定時間後に、例えば、左、中、右の順で各特別図柄13A,13B,13Cが停止表示される。このとき、例えば、全ての特別図柄13A,13B,13Cが同じ図柄、即ち、ぞろ目になった場合に、遊技が「大当たり状態」になり、可動扉15Tが開かれる。
【0031】
表示部34のうち、特別図柄13A,13B,13Cの表示領域の左下隅には、普通図柄表示領域24が設けられている。この普通図柄表示領域24は、始動ゲート18内に設けた普通図柄始動スイッチが遊技球の通過を検出したときに、例えば、「0」〜「9」までの数字を所定期間に亘って変動表示した後、所定の数字を確定表示する。そして、確定表示された数字が、例えば、奇数の場合に、前記始動入賞口14に設けた前記可動翼片14C,14Cが所定期間(例えば、0.4秒)に亘って横に倒される。なお、普通図柄表示領域24で表示する図柄は、数字に限るものではなく、アルファベットや記号等でもよい。
【0032】
上皿27Aは、遊技盤11の下方に設けられた開閉板43のうち、前方に張り出した膨出部44の上面右寄り位置に陥没形成されている(図2参照)。上皿27Aの右端部には、賞球払出口35が開閉板43の前後方向(図2における上下方向)に貫通形成され、パチンコ遊技機10の内部に備えられた賞球払出装置(図示せず)から払い出された遊技球は、ここから上皿27Aに排出される。上皿27Aの底面は、上皿27Aの右端部から左側奥部に向かって下方に傾斜しており、賞球払出口35から排出された遊技球は、上皿27Aの左側奥部に集められるようになっている。
【0033】
膨出部44の内部には、上皿27Aの左側奥部に集められた遊技球を、後述する球送りカセット36へ誘導する案内路(図示せず)が形成されている。また、開閉板43より後側、即ち遊技盤保持枠80(本発明の「前後対向壁のうちの後側の壁」に相当する)側で、この案内路の末端に対応した位置には、球送りカセット36(本発明の「前後対向壁のうちの前側の壁」に相当する)が設けられている。なお、上皿27Aの左側に設けたボタン29を押せば、案内路の途中から遊技球を下皿27Bに移動させることができる。
【0034】
球送りカセット36は、図5に示すように薄板状をなし、内部に遊技球が通過可能な通路37が形成されている。球送りカセット36は、開閉板43の裏面に組み付けられており、球送りカセット36の前面壁36F、即ち開閉板43への取付面には、前記した案内路の末端と連絡して、遊技球を上皿27Aから球送りカセット36の内部に取り込む入球口38が貫通形成されている。一方、球送りカセット36の前面壁36Fに対向した後面壁36Rには、球送りカセット36内を通過した遊技球を後述する遊技球発射ユニット52へ向けて排出する発射球供給口60が貫通形成されている。
【0035】
球送りカセット36は、図3に示すように、上下方向において発射球供給口60の下辺60Dが、遊技球発射ユニット52に受容された遊技球90の最上部より高い位置となるようにして配設されている。そして操作ノブ28を操作すると、図示しないソレノイド等により、球送りカセット36の発射球供給口60から遊技球発射ユニット52に遊技球が1球ずつ供給される。
【0036】
さて、本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技球を遊技領域R1に向けて発射する遊技球発射ユニット52が、図2に示すように球送りカセット36と開閉板43とに対向配置された遊技盤保持枠80とで形成された空間(本発明の「遊技球通過空間」に相当する)に設けられている。また、遊技球発射ユニット52は、遊技盤保持枠80のうち遊技盤11の下方に取り付けられ、下皿27Bよりも左側の位置に配置されている。そして、図1に示すように、遊技球発射ユニット52から発射された遊技球を遊技領域R1の側方に設けられた遊技球誘導路40に向けて案内する発射球通路41が略垂直に(より詳細には、上方に向かって若干左側に傾斜して)設けられている。
【0037】
発射球通路41の左側には、ファール球通路42が設けられている。ファール球通路42は、遊技球誘導路40の下端部で発射球通路41と分岐して設けられている。ファール球通路42は、下方にほぼ垂直に延び、途中でパチンコ遊技機10の中央側に向かって曲がって、下皿27Bの球出口63に連絡されている。これにより、遊技球発射ユニット52から発射されたものの、遊技球誘導路40の途中で失速して、遊技領域R1に打ち出されなかった遊技球は、遊技球誘導路40内を真下に落下し、途中でファール球通路42に進入する。そして、ファール球通路42に案内されて下皿27Bに排出される。このようにして、1度発射された遊技球が再び遊技球発射ユニット52に逆戻りするのが防止されている。
【0038】
次に、遊技球発射ユニット52の構成について説明する。
遊技球発射ユニット52は、遊技盤保持枠80に組み付けられており、図3に示すように、遊技球を打ち出す発射装置50と、発射装置50によって発射する遊技球を受容する発射台55とを備える。さらに、発射台55の側方には、過剰な遊技球を発射台55から排除するための過剰球退避誘導路59が設けられている。
【0039】
発射装置50は、円管状をなしたソレノイド53の中心に槌部54を挿通してなり、発射球通路41の傾斜に対応して、槌部54が先端部54Aに向かって若干左側に傾斜するようにして組み付けられている(図1を参照)。そして槌部54は、操作ノブ28の操作に基づくソレノイド53の励消磁によって上下動される。
【0040】
発射台55は、全体としてL字形状をなし、両端部に備えたフランジ46,46を貫通した螺子によって遊技盤保持枠80に組み付けられている。発射台55は、発射装置50の上方に配置され、底辺部55Aと、底辺部55Aの左側端部から斜め上方に立ち上がった発射レール55Bとから構成される。
【0041】
底辺部55Aは平板状をなし、底辺部55Aの左端部で槌部54の先端部54Aに対応した位置には、遊技球よりも小さい打撃穴56が貫通形成されている。また、底辺部55Aは、図3に示すように、右端部から左端部に向かうに従って下方に傾斜している。
【0042】
発射レール55Bは、幅方向(図3の紙面に対して前後方向)の中央部に溝部67を備えた断面V字形状の溝形構造をなしており、底辺部55Aの左側端部から上方に向かうに従って左側に傾斜している。これにより、発射台55上に進入した遊技球は、底辺部55Aの傾斜によって底辺部55Aの左端部に向かって転がり、打撃穴56上で、発射レール55Bの下端部に接触して停止される。なお、この遊技球が停止された位置が本発明の「遊技球停止部」に相当し、発射台55上に進入した遊技球は常にこの位置で停止される。また、発射レール55Bの下端部は、発射球供給口60の真下に位置している。
【0043】
発射装置50が駆動されると、槌部54が底辺部55Aの打撃穴56を通して発射台55上の遊技球を上方に突き上げる。このとき遊技球は、左側に傾斜した発射レール55Bに接触しながら上方へ打ち出されるので、遊技球の発射方向を安定させることができる。
【0044】
発射台55の右側部分には、底辺部55Aの上面から立ち上がったスロープ部58(本発明の「スロープ部分」に相当する)が設けられており、このスロープ部58の上端部から過剰球退避誘導路59が延びている。段差部58は、下方に向かうに従って過剰球退避誘導路59から離れるように傾斜している。ここで、スロープ部58と、底辺部55Aのうちスロープ部58に近い部分が本発明の「停止位置誘導部」に相当する。
【0045】
過剰球退避誘導路59は、スロープ部58の上端部から発射台55の右側方に、発射レール55Bから離れるように延びており、発射台55から離れるに従って下方に傾斜している。また、図2に示すように、過剰球退避誘導路59は、パチンコ遊技機10の左右方向の中央側でパチンコ遊技機10の前面側(図2における下側)に向かって直角に折れ曲がって、下皿27Bの球出口63に連絡されている。さらに、過剰球退避誘導路59は、発射台55に受容された遊技球90(以下、「受容球90」という)の最上部より低い位置に設けられている。なお、このスロープ部58と発射台55の底辺部55A及び発射レール55Bの下端部分とによって本発明の「発射球受容部」が構成されている。
【0046】
さて、図3に示すように、球送りカセット36に貫通形成された発射球供給口60は、四辺が遊技球の直径よりも若干長い正方形をなし、遊技球がちょうど1つ通過可能な大きさに開口している。発射球供給口60は、前述したように、上下方向においては、発射球供給口60の下辺60Dが、受容球90の最上部より上側となっている。また、左右方向においては、発射球供給口60を通過する遊技球70の中心70Cが、発射台55に保持された受容球90の中心90Cよりも距離Sだけ過剰球退避誘導路59側の位置となるように形成されている。
【0047】
より詳細には、図3に示すように、発射球供給口60の左側辺60Lは、発射台55に受容球90が受容されているときに、過剰な遊技球66(以下、「過剰球66」という)が発射球供給口60を通過し、受容球90と接触した場合に、過剰球66の中心66Cが、発射台55に保持された受容球90の中心90Cよりも過剰球退避誘導路59側となるように形成されている。また、発射球供給口60の右側辺60Rは、遊技球70が発射球供給口60の最も右寄り位置を通過した場合に、その遊技球70の中心70Cがスロープ部58と過剰球退避誘導路59との境界部62より発射レール55B側となるように形成されている。
【0048】
本実施形態のパチンコ遊技機に関する構成は以上であり、以下動作について説明する。遊技を開始する場合には、操作ノブ28を時計回りに回転させる。すると、球送りカセット36から遊技球発射ユニット52(発射台55)に遊技球が供給されると共に、発射装置50の槌部54が上下動し遊技球が遊技領域R1に向かって弾き出されて、遊技が行われる。
【0049】
発射台55が空の場合、発射球供給口60から排出された遊技球は、発射球供給口60から重力によって真下に落下し、スロープ部58に接触すると共に、落下の途中で発射レール55Bの下端部に形成された溝部67に収まって、発射台55上に落下する。発射台55上に落下した遊技球は、底辺部55Aの打撃穴56の上方で発射レール55Bの下端部に接触して停止される。ここで、スロープ部58は、下方に向かうに従って過剰球退避誘導路59から離れるように傾斜しているので、発射球供給口60から排出された遊技球をスムーズに発射台55の底辺部55Aに案内することができる。また、発射球供給口60は、発射球供給口60の最も右寄り位置を通過した遊技球の中心が、段差部58と過剰球退避誘導路59との境界部62より発射レール55B側となるように形成されているので、発射球供給口60から排出された遊技球を安定して発射台55に案内することができる。
【0050】
ところで、発射装置50によって発射された遊技球の勢いが弱く、遊技球誘導路40まで達しなかった場合には、その遊技球がファール球通路42を通らずに、発射球通路41を通って再び発射台55に受容されることがある。この状態で、発射球供給口60から過剰球66が排出されたときには、過剰球66は、以下のようにして発射台55から排除される。
【0051】
即ち、発射台55に受容球90が受容されているときに球送りカセット36の発射球供給口60を通過した過剰球66は、図3に示すように、発射球供給口60から真下に落下する。ここで、発射球供給口60は、発射球供給口60を通過する遊技球70の中心70Cが発射台55に保持された受容球90の中心90Cよりも過剰球退避誘導路59側となるように配設されているので(図3参照)、過剰球66は、受容球90の過剰球退避誘導路59側の曲面に接触する。また、過剰球退避誘導路59が受容球90の最上部より低い位置に配置され、なおかつ受容球90と過剰球66との接触点Kの方が、過剰球退避誘導路59よりも高い位置となるように配置されている。これにより、受容球90と接触点Kで接触した過剰球66を、受容球90の曲面を案内にして右下方に向かわせることができ、スムーズに過剰球退避誘導路59に転入させることができる(図4参照)。そして、過剰球退避誘導路59に転入した過剰球66は、過剰球退避誘導路59の傾斜によって発射台55の右側方に向かって転がり、下皿27Bに排出される。
【0052】
さらに、発射台55に受容球90が受容された状態において、受容球90とスロープ部58との間に形成されるクリアランスTは、以下のような構成となっている。即ち、受容球90の過剰球退避誘導路59側の曲面に接触した過剰球66がクリアランスTの上方を塞いだときに(図4の状態)、過剰球66の中心66Cから垂下した直線Pが、過剰球退避誘導路59と交差するように構成されている。これにより、受容球90と段差部58との間のクリアランスTにおいて過剰球66が停止されることがなくなり、過剰球66を確実に過剰球退避誘導路59に転入させることができる。
【0053】
このように本実施形態によれば、発射台55に受容球90が受容されているときに、発射球供給口60から過剰球66が供給された場合には、過剰球66と受容球90とが、過剰球退避誘導路59より上側でかつ受容球90の中心90Cよりも過剰球退避誘導路59側の接触点Kで接触するので、過剰球66を確実に過剰球退避誘導路59上に転入させることができ、発射台55から排除することができる。これにより、発射台55に複数の遊技球が待機されることを抑制でき、遊技球を安定して発射することができる。また、発射球供給口60を通過する遊技球70の中心70Cが、スロープ部58と過剰球退避誘導路59との境界部62より発射レール55B側の位置となるように形成されているので、発射台55が空の場合には、発射球供給口60から排出された遊技球を安定して発射台55に受容させることができる。さらに、発射台55の底辺部55Aと過剰球退避誘導路59との間にスロープ部58を設けたので、発射台55に受容された遊技球を収まりがよい位置まで移動することができる。しかも、発射球供給口60の真下に発射レール55Bの下端部が配置されているので、発射台55が空の場合には、遊技球は発射球供給口60から真下に落下するだけで発射レール55Bの溝部67内に収まることができ、遊技球の供給がスムーズに行える。
【0054】
<他の実施形態>
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)本実施形態では、遊技球発射ユニット52がパチンコ遊技機10の左側下部に配置されたものに本発明を適用していたが、パチンコ遊技機10の右側下部に配置されたものに本発明を適用してもよい。
【0055】
(2)本実施形態では、発射レール55Bは、幅方向の断面形状をV字形としたものであったが、長さ方向に溝が陥没形成されたものであればこれに限るものではない。
【0056】
(3)本実施形態では、発射球供給口60の開口を正方形としたが、この限りではなく、発射球供給口60を通過する遊技球70の中心70Cが、発射台55に受容されている遊技球90の中心90Cよりも過剰球退避誘導路59側でかつ境界部62より発射レール55B側となるような構成であれば、他の形状でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図
【図2】開閉板の平面図
【図3】過剰球が受容球に接触したときの遊技球発射ユニットの正面図
【図4】過剰球が過剰球退避誘導路へ転入したときの遊技球発射ユニットの正面図
【図5】球送りカセットの斜視図
【図6】従来の弾球遊技機における遊技球の発射部分の正面図
【符号の説明】
36…球送りカセット(「前後対向壁のうちの前側の壁」)
50…発射装置
55A…底辺部(発射球受容部)
55B…発射レール
58…スロープ部
59…過剰球退避誘導路
60…発射球供給口
62…境界部
80…遊技盤保持枠(「前後対向壁のうちの後側の壁」)
K…接触点
T…クリアランス
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機に代表される弾球遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6には、従来の弾球遊技機における遊技球の発射部分が示されている。この弾球遊技機では、発射レール8に隣接した壁部4に、遊技球供給口5が貫通形成されており、発射球受容部2が空の状態で遊技球供給口5から遊技球が1球ずつ供給されて、発射レール8の下端部に備えた発射球受容部2に受容される。そして、操作ノブを操作して発射装置1を駆動すると、発射球受容部2の遊技球が発射レール8に沿って斜め上方に弾き出される。また、発射球受容部2を挟んで発射レール8と反対側には、過剰に供給された遊技球を排除するための過剰球退避誘導路3が設けられている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−9779号公報(段落[0015]〜[0020]、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の弾球遊技機では、遊技球供給口5が発射球受容部2に受容された遊技球7より発射レール8側に配置されていたため、遊技球供給口5から過剰に供給された遊技球6が、既に発射球受容部2に受容されている遊技球7の上に乗ってしまい、その重みで遊技球が適正に打ち出されない場合が発生していた。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、発射装置が遊技球を安定して発射することが可能な弾球遊技機の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る弾球遊技機は、前後方向で対向した前後対向壁の間に遊技球通過空間を形成すると共に、その遊技球通過空間に発射球受容部を設け、発射球受容部に1球ずつ供給した遊技球を1球ずつ発射装置にて上方又は斜め上方に向けて発射して遊技を行う弾球遊技機において、遊技球通過空間には、発射球受容部に過剰に供給された遊技球を発射球受容部から排除する過剰球退避誘導路が発射球受容部に隣接して設けられ、前後対向壁のうちの前側の壁又は後側の壁の何れか一方には、発射球受容部に遊技球を供給するための発射球供給口が貫通形成され、その発射球供給口は、上下方向においては、発射球受容部に受容された遊技球の最上部より上方に位置しかつ、横方向においては、発射球供給口を通過する遊技球の中心が発射球受容部に受容された遊技球の中心より過剰球退避誘導路側に位置するように配置され、過剰に供給された遊技球が、発射球受容部に受容された遊技球のうち過剰球退避誘導路側の曲面に案内されて過剰球退避誘導路に転入するように構成したところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の弾球遊技機において、発射球供給口は、その発射球供給口を通過する遊技球の中心が、発射球受容部と過剰球退避誘導路との境界部より発射球受容部側に位置するように配置されたところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の弾球遊技機において、過剰球退避誘導路を発射球受容部に受容された遊技球の最上部より低く構成すると共に、過剰球退避誘導路より、発射球受容部に受容された遊技球と過剰な遊技球との接触点の方が高くなるように構成したところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の弾球遊技機において、発射球受容部の底部と過剰球退避誘導路との間はスロープ状をなし、そのスロープ部分と発射球受容部に受容した遊技球とのクリアランスを、遊技球の停止を防ぐ大きさに設定したところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4記載の弾球遊技機において、スロープ部分は、下方に向かうに従って過剰球退避誘導路から離れるように傾斜したところに特徴を有する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の弾球遊技機において、発射球受容部のうち過剰球退避誘導路から離れた側には、遊技球を停止させる遊技球停止部が設けられ、発射球受容部のうち過剰球退避誘導路に近い側には、発射球供給口から供給された遊技球を、遊技球停止部に案内する停止位置誘導部が設けられたところに特徴を有する。
【0012】
請求項7の発明は、請求項6に記載の弾球遊技機において、発射球受容部のうち過剰球退避誘導路と反対側には、上方又は斜め上方に向かって延びかつ発射された遊技球を遊技領域に向けて案内する発射レールが設けられ、遊技球停止部は、発射レールの下端部と発射球受容部の底部とに遊技球を接触させて停止させるように構成されたところに特徴を有する。
【0013】
請求項8の発明は、請求項7に記載の弾球遊技機において、過剰球退避誘導路を発射レールより弾球遊技機の中央側に設けると共に、発射レールは上方に向かうに従って過剰球退避誘導路から離れるように傾斜したところに特徴を有する。
【0014】
請求項9の発明は、請求項8に記載の弾球遊技機において、発射レールは溝形構造をなし、発射レールの下端部が、発射球供給口の真下に位置するように構成したところに特徴を有する。
【0015】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
請求項1の弾球遊技機では、通常は、遊技球が1球ずつ発射球供給口から発射球受容部内に落下して受容され、その遊技球を発射装置にて上方又は斜め上方に発射して遊技が行われる。ここで、本発明の構成では、発射球供給口は、その発射球供給口を通過する遊技球の中心が発射球受容部に受容された遊技球の中心より過剰球退避誘導路側に位置するように配置されている。従って、既に遊技球が発射球受容部に受容された状態で、何らかの不具合により次の遊技球が発射球供給口から供給されても、その遊技球は、発射球受容部に既に受容された遊技球の曲面に案内されて過剰球退避誘導路に転入する。これにより、発射装置に遊技球が複数待機されることを抑制でき、遊技球を安定して発射することができる。
【0016】
<請求項2の発明>
請求項2の弾球遊技機では、発射球供給口を通過する遊技球の中心が、発射球受容部と過剰球退避誘導路との境界部より発射球受容部側に位置するように発射球供給口を配置したので、発射球受容部に遊技球が空の状態で、発射球供給口から遊技球通過空間に転入した遊技球が安定して発射球受容部に受容される。
【0017】
<請求項3の発明>
請求項3の弾球遊技機では、過剰球退避誘導路を発射球受容部に受容された遊技球の最上部より低く構成すると共に、過剰球退避誘導路より発射球受容部に受容された遊技球と過剰な遊技球との接触点の方が高くなるように構成したので、過剰な遊技球が発射球受容部に受容された遊技球の上方側の曲面に接触して、その接触点より下方の過剰球退避誘導路へとスムーズに案内することができる。
【0018】
<請求項4,5の発明>
請求項4の発明は、発射球受容部の底部と過剰球退避誘導路との間はスロープ状をなしているので、発射球受容部に受容された遊技球は、発射球受容部内部を移動する。しかも、そのスロープ部分と発射球受容部に受容した遊技球とのクリアランスは、遊技球の停止を防ぐ大きさに設定されているので、過剰な遊技球が前記クリアランス内に保持されることもない。また、スロープ部分を、下方に向かうに従って過剰球退避誘導路から離れるように傾斜させることで、発射球受容部の内部の過剰球退避誘導路から離れる方向に遊技球をスムーズに案内することができる(請求項5の発明)。
【0019】
<請求項6,7の発明>
請求項6の弾球遊技機では、発射球受容部に受容された遊技球は、停止位置誘導部に案内されて過剰球退避誘導路から離れた側の遊技球停止部で停止して位置決めされる。そして、その位置決めされた遊技球が発射装置により発射される。これにより、発射される遊技球の発射位置が一定になる。また、遊技球停止部は、発射球受容部のうち過剰球退避誘導路と反対側から上方又は斜め上方に向かって延びた発射レールの下端部と発射球受容部の底部とに遊技球を接触させて停止させるようにして構成することができる(請求項7の発明)。
【0020】
<請求項8の発明>
請求項8の弾球遊技機のように過剰球退避誘導路を発射レールより弾球遊技機の中央側に設け、発射レールを上方に向かうに従って過剰球退避誘導路から離れるように傾斜させたことで、遊技球を発射レールに安定して接触させながら発射することができ、発射方向が安定する。
【0021】
<請求項9の発明>
請求項9の弾球遊技機のように発射レールを溝形構造にすることで、遊技球の発射方向が更に安定する。また、発射球供給口の真下に発射レールの下端部が配置されたので、遊技球が発射球供給口から真下に転落しただけで溝形の発射レールの内部に収まり、遊技球の供給がスムーズに行われる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の弾球遊技機としてのパチンコ遊技機に係る一実施形態を、図1〜図5に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10の遊技盤11には、1対のガイドレール12,12で囲まれたほぼ円形の遊技領域R1が形成され、遊技領域R1の中央部に、表示装置13が備えられている。遊技領域R1のうち表示装置13の下方には、始動入賞口14、大入賞口15及び外れ球受け入れ口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。表示装置13の左側には風車19が備えられ、表示装置13の右側には演出用ランプ32が備えられている。遊技領域R1のうち、ガイドレール12の両側部にはサイドランプ22,22が設けられ、その下方には、袖入賞口20,20及び落とし入賞口21,21が上下に設けられている。始動入賞口14と左側の袖入賞口20との間には、始動ゲート18が設けられ、始動入賞口14と右側の袖入賞口20との間には、通過ゲート17が設けられている。さらに、遊技領域R1全体に亘って、図示しない複数の障害釘が起立している。なお、内側のガイドレール12には、遊技領域R1に打ち出された遊技球が逆戻りするのを防止する戻り防止バネ45が備えられている。
【0023】
図1に示すように、パチンコ遊技機10のうち、遊技盤11より上方には、遊技盤11の前面側に張り出した装飾ランプ30が設けられている。また、遊技盤11より下方には、上皿27A及び下皿27Bが上下2段にして設けられている。上皿27Aの左右両側には、1対のスピーカ59Sが備えられ、下皿27Bの右側には操作ノブ28が設けられている。なお、上皿27Aやスピーカ59S等により、膨出部44が形成されている。
【0024】
次に所要の各部位についてさらに詳説する。
始動ゲート18及び通過ゲート17は、遊技球が通過可能な門形構造をなす。始動ゲート18を通過した遊技球は、その始動ゲート18に内蔵した普通図柄始動スイッチによって検出され、その検出信号に基づいて、後述する普通図柄表示領域24の図柄が変動表示される。一方、遊技球が通過ゲート17を通過した場合には、普通図柄表示領域24の図柄は変動表示されない。なお、普通図柄表示領域24の図柄が変動表示している間に始動ゲート18を通過した遊技球は、4個まで保留記憶され、表示装置13に設けられた通過球数保留ランプ25の点灯数でもって遊技者に報知される。
【0025】
始動入賞口14は、所謂、ポケット構造をなして上方に向かって開口しており、その開口の両側部には可動翼片14C,14Cが備えられている。これら両可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっており、両可動翼片14C,14Cに挟まれた始動入賞口14の開口幅は、ちょうど遊技球が1つ入る大きさになっている。そして、遊技盤11の裏に設けたソレノイドが駆動されると、可動翼片14C,14Cが横に倒され(図1の状態)、遊技球が可動翼片14Cに案内されて始動入賞口14に入り易い状態になる。
【0026】
始動入賞口14に遊技球が入賞すると、始動入賞口14内に設けた特別図柄始動スイッチが遊技球を検出し、その検出信号に基づいて表示装置13が後述するように図柄を変動表示する。なお、表示装置13が図柄を変動表示している間に、始動入賞口14に入賞した入賞球は、4個まで保留記憶され、表示装置13に設けられた入賞球数保留ランプ26の点灯数でもって遊技者に報知される。
【0027】
大入賞口15は、横長に形成されて、常には、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、所定条件の成立によって、パチンコ遊技機10が「大当たり状態」になると、遊技盤11の裏に設けたソレノイドが駆動され、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒れる。これにより、大入賞口15が開放され、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能になる。ここで、可動扉15Tが、開放してから閉じるまでの間を「ラウンド」と称すると、1つのラウンドは、可動扉15Tの開放時間が29秒に達したか、又は、大入賞口15に遊技球が10個入賞したか、の何れかの条件が先に満たされた場合に終了する。そして最大で15ラウンドまで連続して実行することができる。
【0028】
大入賞口15の内部には、継続入賞口と計数入賞口とが設けられており、これら継続入賞口及び計数入賞口が開放される。より詳細には、可動扉15Tが開いたときには、継続入賞口は開放しており、継続入賞口に入賞後、ソレノイドが駆動されて、継続入賞口が閉鎖される一方、計数入賞口は開放されたままとなる。そして、継続入賞口内に設けた大当たり状態継続スイッチが遊技球の入賞を検出すると、前述した終了条件を満たしてラウンドが終了した後で、連続して次のラウンドが実行される。また、可動扉15Tが開放すると、前記継続入賞口への入賞球と合わせて、大入賞口15への入賞球がカウントされ、これらが前記したように計10個に達したか否かがチェックされる。
【0029】
表示装置13は、装飾枠23の内側部分を遊技盤11より陥没させて、その奥部に表示部34を備えてなり、遊技者は、装飾枠23を通して表示部34に表示された画像を見ることができる。装飾枠23は、上辺部分が遊技盤11から前方に張り出しており、下辺には、表示部34から前側に張り出して遊技球が遊転可能なステージ31,31が上下2段にして設けられている。装飾枠23の上辺の中央部には、上方に開口したワープ入口23Aが設けられ、装飾枠23の上辺及び左側辺の内部には、ワープ入口23Aとステージ31の左側端部とを連絡したワープ通路(図示せず)が形成されている。そして、ワープ入口23Aからワープ通路を通過して、ステージ31上へ案内された遊技球は、ステージ31上を左右に遊転し、そのうちのいくつかがステージ31の中央部分から下方に落下して、始動入賞口14に入賞する。
【0030】
表示部34には、図1に示すように、通常は、3つの左、中、右の特別図柄13A,13B,13Cが、横並びに表示されている。これら各特別図柄13A,13B,13Cは、例えば、「1」〜「9」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄13A,13B,13Cごと、所定の種類のものが、表示部34に確定表示されている。そして、始動入賞口14に遊技球が入賞したときに、各特別図柄13A,13B,13Cが、上下方向にスクロールして変動表示され、所定時間後に、例えば、左、中、右の順で各特別図柄13A,13B,13Cが停止表示される。このとき、例えば、全ての特別図柄13A,13B,13Cが同じ図柄、即ち、ぞろ目になった場合に、遊技が「大当たり状態」になり、可動扉15Tが開かれる。
【0031】
表示部34のうち、特別図柄13A,13B,13Cの表示領域の左下隅には、普通図柄表示領域24が設けられている。この普通図柄表示領域24は、始動ゲート18内に設けた普通図柄始動スイッチが遊技球の通過を検出したときに、例えば、「0」〜「9」までの数字を所定期間に亘って変動表示した後、所定の数字を確定表示する。そして、確定表示された数字が、例えば、奇数の場合に、前記始動入賞口14に設けた前記可動翼片14C,14Cが所定期間(例えば、0.4秒)に亘って横に倒される。なお、普通図柄表示領域24で表示する図柄は、数字に限るものではなく、アルファベットや記号等でもよい。
【0032】
上皿27Aは、遊技盤11の下方に設けられた開閉板43のうち、前方に張り出した膨出部44の上面右寄り位置に陥没形成されている(図2参照)。上皿27Aの右端部には、賞球払出口35が開閉板43の前後方向(図2における上下方向)に貫通形成され、パチンコ遊技機10の内部に備えられた賞球払出装置(図示せず)から払い出された遊技球は、ここから上皿27Aに排出される。上皿27Aの底面は、上皿27Aの右端部から左側奥部に向かって下方に傾斜しており、賞球払出口35から排出された遊技球は、上皿27Aの左側奥部に集められるようになっている。
【0033】
膨出部44の内部には、上皿27Aの左側奥部に集められた遊技球を、後述する球送りカセット36へ誘導する案内路(図示せず)が形成されている。また、開閉板43より後側、即ち遊技盤保持枠80(本発明の「前後対向壁のうちの後側の壁」に相当する)側で、この案内路の末端に対応した位置には、球送りカセット36(本発明の「前後対向壁のうちの前側の壁」に相当する)が設けられている。なお、上皿27Aの左側に設けたボタン29を押せば、案内路の途中から遊技球を下皿27Bに移動させることができる。
【0034】
球送りカセット36は、図5に示すように薄板状をなし、内部に遊技球が通過可能な通路37が形成されている。球送りカセット36は、開閉板43の裏面に組み付けられており、球送りカセット36の前面壁36F、即ち開閉板43への取付面には、前記した案内路の末端と連絡して、遊技球を上皿27Aから球送りカセット36の内部に取り込む入球口38が貫通形成されている。一方、球送りカセット36の前面壁36Fに対向した後面壁36Rには、球送りカセット36内を通過した遊技球を後述する遊技球発射ユニット52へ向けて排出する発射球供給口60が貫通形成されている。
【0035】
球送りカセット36は、図3に示すように、上下方向において発射球供給口60の下辺60Dが、遊技球発射ユニット52に受容された遊技球90の最上部より高い位置となるようにして配設されている。そして操作ノブ28を操作すると、図示しないソレノイド等により、球送りカセット36の発射球供給口60から遊技球発射ユニット52に遊技球が1球ずつ供給される。
【0036】
さて、本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技球を遊技領域R1に向けて発射する遊技球発射ユニット52が、図2に示すように球送りカセット36と開閉板43とに対向配置された遊技盤保持枠80とで形成された空間(本発明の「遊技球通過空間」に相当する)に設けられている。また、遊技球発射ユニット52は、遊技盤保持枠80のうち遊技盤11の下方に取り付けられ、下皿27Bよりも左側の位置に配置されている。そして、図1に示すように、遊技球発射ユニット52から発射された遊技球を遊技領域R1の側方に設けられた遊技球誘導路40に向けて案内する発射球通路41が略垂直に(より詳細には、上方に向かって若干左側に傾斜して)設けられている。
【0037】
発射球通路41の左側には、ファール球通路42が設けられている。ファール球通路42は、遊技球誘導路40の下端部で発射球通路41と分岐して設けられている。ファール球通路42は、下方にほぼ垂直に延び、途中でパチンコ遊技機10の中央側に向かって曲がって、下皿27Bの球出口63に連絡されている。これにより、遊技球発射ユニット52から発射されたものの、遊技球誘導路40の途中で失速して、遊技領域R1に打ち出されなかった遊技球は、遊技球誘導路40内を真下に落下し、途中でファール球通路42に進入する。そして、ファール球通路42に案内されて下皿27Bに排出される。このようにして、1度発射された遊技球が再び遊技球発射ユニット52に逆戻りするのが防止されている。
【0038】
次に、遊技球発射ユニット52の構成について説明する。
遊技球発射ユニット52は、遊技盤保持枠80に組み付けられており、図3に示すように、遊技球を打ち出す発射装置50と、発射装置50によって発射する遊技球を受容する発射台55とを備える。さらに、発射台55の側方には、過剰な遊技球を発射台55から排除するための過剰球退避誘導路59が設けられている。
【0039】
発射装置50は、円管状をなしたソレノイド53の中心に槌部54を挿通してなり、発射球通路41の傾斜に対応して、槌部54が先端部54Aに向かって若干左側に傾斜するようにして組み付けられている(図1を参照)。そして槌部54は、操作ノブ28の操作に基づくソレノイド53の励消磁によって上下動される。
【0040】
発射台55は、全体としてL字形状をなし、両端部に備えたフランジ46,46を貫通した螺子によって遊技盤保持枠80に組み付けられている。発射台55は、発射装置50の上方に配置され、底辺部55Aと、底辺部55Aの左側端部から斜め上方に立ち上がった発射レール55Bとから構成される。
【0041】
底辺部55Aは平板状をなし、底辺部55Aの左端部で槌部54の先端部54Aに対応した位置には、遊技球よりも小さい打撃穴56が貫通形成されている。また、底辺部55Aは、図3に示すように、右端部から左端部に向かうに従って下方に傾斜している。
【0042】
発射レール55Bは、幅方向(図3の紙面に対して前後方向)の中央部に溝部67を備えた断面V字形状の溝形構造をなしており、底辺部55Aの左側端部から上方に向かうに従って左側に傾斜している。これにより、発射台55上に進入した遊技球は、底辺部55Aの傾斜によって底辺部55Aの左端部に向かって転がり、打撃穴56上で、発射レール55Bの下端部に接触して停止される。なお、この遊技球が停止された位置が本発明の「遊技球停止部」に相当し、発射台55上に進入した遊技球は常にこの位置で停止される。また、発射レール55Bの下端部は、発射球供給口60の真下に位置している。
【0043】
発射装置50が駆動されると、槌部54が底辺部55Aの打撃穴56を通して発射台55上の遊技球を上方に突き上げる。このとき遊技球は、左側に傾斜した発射レール55Bに接触しながら上方へ打ち出されるので、遊技球の発射方向を安定させることができる。
【0044】
発射台55の右側部分には、底辺部55Aの上面から立ち上がったスロープ部58(本発明の「スロープ部分」に相当する)が設けられており、このスロープ部58の上端部から過剰球退避誘導路59が延びている。段差部58は、下方に向かうに従って過剰球退避誘導路59から離れるように傾斜している。ここで、スロープ部58と、底辺部55Aのうちスロープ部58に近い部分が本発明の「停止位置誘導部」に相当する。
【0045】
過剰球退避誘導路59は、スロープ部58の上端部から発射台55の右側方に、発射レール55Bから離れるように延びており、発射台55から離れるに従って下方に傾斜している。また、図2に示すように、過剰球退避誘導路59は、パチンコ遊技機10の左右方向の中央側でパチンコ遊技機10の前面側(図2における下側)に向かって直角に折れ曲がって、下皿27Bの球出口63に連絡されている。さらに、過剰球退避誘導路59は、発射台55に受容された遊技球90(以下、「受容球90」という)の最上部より低い位置に設けられている。なお、このスロープ部58と発射台55の底辺部55A及び発射レール55Bの下端部分とによって本発明の「発射球受容部」が構成されている。
【0046】
さて、図3に示すように、球送りカセット36に貫通形成された発射球供給口60は、四辺が遊技球の直径よりも若干長い正方形をなし、遊技球がちょうど1つ通過可能な大きさに開口している。発射球供給口60は、前述したように、上下方向においては、発射球供給口60の下辺60Dが、受容球90の最上部より上側となっている。また、左右方向においては、発射球供給口60を通過する遊技球70の中心70Cが、発射台55に保持された受容球90の中心90Cよりも距離Sだけ過剰球退避誘導路59側の位置となるように形成されている。
【0047】
より詳細には、図3に示すように、発射球供給口60の左側辺60Lは、発射台55に受容球90が受容されているときに、過剰な遊技球66(以下、「過剰球66」という)が発射球供給口60を通過し、受容球90と接触した場合に、過剰球66の中心66Cが、発射台55に保持された受容球90の中心90Cよりも過剰球退避誘導路59側となるように形成されている。また、発射球供給口60の右側辺60Rは、遊技球70が発射球供給口60の最も右寄り位置を通過した場合に、その遊技球70の中心70Cがスロープ部58と過剰球退避誘導路59との境界部62より発射レール55B側となるように形成されている。
【0048】
本実施形態のパチンコ遊技機に関する構成は以上であり、以下動作について説明する。遊技を開始する場合には、操作ノブ28を時計回りに回転させる。すると、球送りカセット36から遊技球発射ユニット52(発射台55)に遊技球が供給されると共に、発射装置50の槌部54が上下動し遊技球が遊技領域R1に向かって弾き出されて、遊技が行われる。
【0049】
発射台55が空の場合、発射球供給口60から排出された遊技球は、発射球供給口60から重力によって真下に落下し、スロープ部58に接触すると共に、落下の途中で発射レール55Bの下端部に形成された溝部67に収まって、発射台55上に落下する。発射台55上に落下した遊技球は、底辺部55Aの打撃穴56の上方で発射レール55Bの下端部に接触して停止される。ここで、スロープ部58は、下方に向かうに従って過剰球退避誘導路59から離れるように傾斜しているので、発射球供給口60から排出された遊技球をスムーズに発射台55の底辺部55Aに案内することができる。また、発射球供給口60は、発射球供給口60の最も右寄り位置を通過した遊技球の中心が、段差部58と過剰球退避誘導路59との境界部62より発射レール55B側となるように形成されているので、発射球供給口60から排出された遊技球を安定して発射台55に案内することができる。
【0050】
ところで、発射装置50によって発射された遊技球の勢いが弱く、遊技球誘導路40まで達しなかった場合には、その遊技球がファール球通路42を通らずに、発射球通路41を通って再び発射台55に受容されることがある。この状態で、発射球供給口60から過剰球66が排出されたときには、過剰球66は、以下のようにして発射台55から排除される。
【0051】
即ち、発射台55に受容球90が受容されているときに球送りカセット36の発射球供給口60を通過した過剰球66は、図3に示すように、発射球供給口60から真下に落下する。ここで、発射球供給口60は、発射球供給口60を通過する遊技球70の中心70Cが発射台55に保持された受容球90の中心90Cよりも過剰球退避誘導路59側となるように配設されているので(図3参照)、過剰球66は、受容球90の過剰球退避誘導路59側の曲面に接触する。また、過剰球退避誘導路59が受容球90の最上部より低い位置に配置され、なおかつ受容球90と過剰球66との接触点Kの方が、過剰球退避誘導路59よりも高い位置となるように配置されている。これにより、受容球90と接触点Kで接触した過剰球66を、受容球90の曲面を案内にして右下方に向かわせることができ、スムーズに過剰球退避誘導路59に転入させることができる(図4参照)。そして、過剰球退避誘導路59に転入した過剰球66は、過剰球退避誘導路59の傾斜によって発射台55の右側方に向かって転がり、下皿27Bに排出される。
【0052】
さらに、発射台55に受容球90が受容された状態において、受容球90とスロープ部58との間に形成されるクリアランスTは、以下のような構成となっている。即ち、受容球90の過剰球退避誘導路59側の曲面に接触した過剰球66がクリアランスTの上方を塞いだときに(図4の状態)、過剰球66の中心66Cから垂下した直線Pが、過剰球退避誘導路59と交差するように構成されている。これにより、受容球90と段差部58との間のクリアランスTにおいて過剰球66が停止されることがなくなり、過剰球66を確実に過剰球退避誘導路59に転入させることができる。
【0053】
このように本実施形態によれば、発射台55に受容球90が受容されているときに、発射球供給口60から過剰球66が供給された場合には、過剰球66と受容球90とが、過剰球退避誘導路59より上側でかつ受容球90の中心90Cよりも過剰球退避誘導路59側の接触点Kで接触するので、過剰球66を確実に過剰球退避誘導路59上に転入させることができ、発射台55から排除することができる。これにより、発射台55に複数の遊技球が待機されることを抑制でき、遊技球を安定して発射することができる。また、発射球供給口60を通過する遊技球70の中心70Cが、スロープ部58と過剰球退避誘導路59との境界部62より発射レール55B側の位置となるように形成されているので、発射台55が空の場合には、発射球供給口60から排出された遊技球を安定して発射台55に受容させることができる。さらに、発射台55の底辺部55Aと過剰球退避誘導路59との間にスロープ部58を設けたので、発射台55に受容された遊技球を収まりがよい位置まで移動することができる。しかも、発射球供給口60の真下に発射レール55Bの下端部が配置されているので、発射台55が空の場合には、遊技球は発射球供給口60から真下に落下するだけで発射レール55Bの溝部67内に収まることができ、遊技球の供給がスムーズに行える。
【0054】
<他の実施形態>
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)本実施形態では、遊技球発射ユニット52がパチンコ遊技機10の左側下部に配置されたものに本発明を適用していたが、パチンコ遊技機10の右側下部に配置されたものに本発明を適用してもよい。
【0055】
(2)本実施形態では、発射レール55Bは、幅方向の断面形状をV字形としたものであったが、長さ方向に溝が陥没形成されたものであればこれに限るものではない。
【0056】
(3)本実施形態では、発射球供給口60の開口を正方形としたが、この限りではなく、発射球供給口60を通過する遊技球70の中心70Cが、発射台55に受容されている遊技球90の中心90Cよりも過剰球退避誘導路59側でかつ境界部62より発射レール55B側となるような構成であれば、他の形状でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図
【図2】開閉板の平面図
【図3】過剰球が受容球に接触したときの遊技球発射ユニットの正面図
【図4】過剰球が過剰球退避誘導路へ転入したときの遊技球発射ユニットの正面図
【図5】球送りカセットの斜視図
【図6】従来の弾球遊技機における遊技球の発射部分の正面図
【符号の説明】
36…球送りカセット(「前後対向壁のうちの前側の壁」)
50…発射装置
55A…底辺部(発射球受容部)
55B…発射レール
58…スロープ部
59…過剰球退避誘導路
60…発射球供給口
62…境界部
80…遊技盤保持枠(「前後対向壁のうちの後側の壁」)
K…接触点
T…クリアランス
Claims (9)
- 前後方向で対向した前後対向壁の間に遊技球通過空間を形成すると共に、その遊技球通過空間に発射球受容部を設け、
前記発射球受容部に1球ずつ供給した遊技球を1球ずつ発射装置にて上方又は斜め上方に向けて発射して遊技を行う弾球遊技機において、
前記遊技球通過空間には、前記発射球受容部に過剰に供給された遊技球を前記発射球受容部から排除する過剰球退避誘導路が前記発射球受容部に隣接して設けられ、
前記前後対向壁のうちの前側の壁又は後側の壁の何れか一方には、前記発射球受容部に遊技球を供給するための発射球供給口が貫通形成され、その発射球供給口は、上下方向においては、前記発射球受容部に受容された遊技球の最上部より上方に位置しかつ、横方向においては、前記発射球供給口を通過する遊技球の中心が前記発射球受容部に受容された遊技球の中心より前記過剰球退避誘導路側に位置するように配置され、
過剰に供給された遊技球が、前記発射球受容部に受容された遊技球のうち前記過剰球退避誘導路側の曲面に案内されて前記過剰球退避誘導路に転入するように構成したことを特徴とする弾球遊技機。 - 前記発射球供給口は、その発射球供給口を通過する遊技球の中心が、前記発射球受容部と前記過剰球退避誘導路との境界部より前記発射球受容部側に位置するように配置されたことを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
- 前記過剰球退避誘導路を前記発射球受容部に受容された遊技球の最上部より低く構成すると共に、前記過剰球退避誘導路より、前記発射球受容部に受容された遊技球と過剰な遊技球との接触点の方が高くなるように構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の弾球遊技機。
- 前記発射球受容部の底部と前記過剰球退避誘導路との間はスロープ状をなし、そのスロープ部分と前記発射球受容部に受容した遊技球とのクリアランスを、遊技球の停止を防ぐ大きさに設定したことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の弾球遊技機。
- 前記スロープ部分は、下方に向かうに従って前記過剰球退避誘導路から離れるように傾斜したことを特徴とする請求項4記載の弾球遊技機。
- 前記発射球受容部のうち前記過剰球退避誘導路から離れた側には、遊技球を停止させる遊技球停止部が設けられ、
前記発射球受容部のうち前記過剰球退避誘導路に近い側には、前記発射球供給口から供給された遊技球を、前記遊技球停止部に案内する停止位置誘導部が設けられたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の弾球遊技機。 - 前記発射球受容部のうち前記過剰球退避誘導路と反対側には、上方又は斜め上方に向かって延びかつ発射された遊技球を遊技領域に向けて案内する発射レールが設けられ、
前記遊技球停止部は、前記発射レールの下端部と前記発射球受容部の底部とに遊技球を接触させて停止させるように構成されたことを特徴とする請求項6に記載の弾球遊技機。 - 前記過剰球退避誘導路を前記発射レールより前記弾球遊技機の中央側に設けると共に、前記発射レールは上方に向かうに従って前記過剰球退避誘導路から離れるように傾斜したことを特徴とする請求項7に記載の弾球遊技機。
- 前記発射レールは溝形構造をなし、前記発射レールの下端部が、前記発射球供給口の真下に位置するように構成したことを特徴とする請求項8に記載の弾球遊技機。
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