以下添付の図面に基づき本発明の好適な実施形態を説明する。図1は本発明の一実施例に係る弾球遊技機について遊技盤の釘を省略して示す正面図、図2は同弾球遊技機の背面図、図3は同弾球遊技機の分解斜視図、図4は同弾球遊技機のガラス枠及び下側前面カバーを開放した状態を示す前面枠体の正面図、図5は同弾球遊技機の前面枠体から球送り装置、発射ハンドルおよび操作部カバーを外した状態を示す斜視図、図6は同弾球遊技機における球送り装置、発射ハンドルおよび操作部カバーを外した前面枠体の正面図、図7は図6のA−A断面図、図8は同弾球遊技機における発射装置の一部と流路部材の裏側斜視図、図9は同弾球遊技機における流路部材と発射レールの上面図およびB部拡大図、図10は発射レールと防球壁の位置関係を示す発射レール先端側の図とC−C断面図、図11は発射装置の背面図、図12は発射装置の球送り装置を示す正面図、図13は発射装置の斜視図である。
図1から図3に示す弾球遊技機1は、遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ遊技機であり、外枠F1内に機構板F2とその前面側に遊技盤3が収納配置されると共に外枠F1の前面側には前面枠体F3とガラス枠Gおよび下側カバー体F4が取り付けられ、前記ガラス枠Gのガラス面を通して遊技機前方の遊技者から前記遊技盤3の前面が透視可能となっている。前面枠体F3には開口窓部21が形成され、前記開口窓部21の裏側に前記遊技盤3が位置する。
前記遊技盤3の前面には、縁に遊技球誘導用の外側ガイドレール4及び内側ガイドレール5からなる遊技球誘導レール4Aが略円形に立設され、前記遊技球誘導レール4Aによって囲まれた遊技領域6の中心線上にその上部から下部に向かって順に特別図柄表示装置8、上側始動入賞口9、下側始動入賞口10、特別電動役物である大入賞口15、アウト口17が配設されている。なお、内側ガイドレール5は遊技領域6における左側のみに設けられ、前記遊技球誘導レール4Aにおける外側誘導レール4と内側ガイドレール5間の球誘導路を通ってきた遊技球が内側ガイドレール5の先端から遊技領域6内へ到達可能に構成されている。前記特別図柄表示装置8の左方下部には普通図柄表示装置45が設けられ、その下方における遊技領域6の左右には、左袖入賞口23と右袖入賞口25、その下方には左落とし入賞口27と右落とし入賞口29がそれぞれ設けられている。また、前記下側始動入賞口10の左側に普通図柄変動開始用ゲート19が設けられている。前記種々の入賞口に遊技球が入賞すると所定数の遊技球が賞品球として払い出される。なお、後に詳述する大当たりになると大入賞口15が開放され、遊技球が入賞し易い大当たり遊技(特別遊技)が実行される。
前記弾球遊技機1の前面側には、左サイドランプ35a、右サイドランプ35bからなるランプ装置が設けられ、払い出された遊技球を受けるための上側球受け皿36、該上側球受け皿36の飽和時に遊技球を受けるための下側球受け皿37、効果音等を発するスピーカ38(音声発生装置)、遊技者の発射操作に応じて遊技球を遊技領域6に向けて弾発発射する発射装置53等がそれぞれ組み付けられている。符号54発射装置53の操作レバーである。前記操作レバー54にはタッチスイッチが設けられ、遊技者が操作レバー54を握ることにより発射装置の発射モータが駆動し、遊技球を弾発発射するようになっている。前記発射装置53により発射された遊技球は、前記遊技盤3に立設された遊技球誘導レール4Aを介して遊技領域6に誘導され、遊技領域6に誘導された遊技球は転動しつつ下方へ落下し、前記各装置及び各入賞口に入賞するか、或いは何処にも入賞しなければ前記アウト口17から遊技盤3の裏側へ排出される。なお、前記下側球受け皿37は前記下側カバー体F4に設けられている。以下、所要の各部についてさらに詳述する。
前記特別図柄表示装置8は文字又は図柄の少なくとも何れかを表示可能なものであって、液晶,ドットマトリックス若しくはLED画像表示装置等の画像表示装置からなり、前面が遊技の演出用画像(図柄や文字など)を表示するための表示領域(表示画面)を構成している。前記特別図柄表示装置8は、前記遊技盤3の中央に形成されている開口部分に取り付けられている。
前記特別図柄表示装置8は、遊技の当たり外れを判定する当否判定手段による判定結果を表示可能とされている。本実施例の特別図柄表示装置8には左側に左特別図柄T1、中央に中特別図柄T2、右側に右特別図柄T3が、それぞれ変動表示及び停止表示可能とされている。また、前記特別図柄表示装置8には、前記特別図柄に加えて背景画像(キャラクタ,背景,文字等を含む。)が表示されることもあり、該背景画像が特別図柄の変動開始等の所定条件に起因して変動表示可能となっていてもよい。なお、この実施例における前記左特別図柄T1、中特別図柄T2、右特別図柄T3は、それぞれ『1,2,3,4,5,6,7,8』の8通りの図柄とされている。
前記普通図柄表示装置45は液晶,ドットマトリックス若しくはLED画像表示装置等の画像表示装置からなり、記号或いは絵(キャラクタ)等の小当たり判定用普通図柄を変動表示及び停止表示する。本実施例における普通図柄表示装置45に変動及び停止表示される普通図柄は、『0,1,2,3,4,5,6,7,8,9』の10通りの図柄とされている。
前記上側始動入賞口9は、上方が遊技球入球口として開口している。また、前記下側始動入賞口10は上側始動入賞口9の真下に設けられ、2つの可動片10a,10bが背面の始動入賞口用ソレノイドによって略垂直で入賞し難い狭小開放状態と略V字形(逆ハの字形)の入賞し易い拡開開放状態間を変化可能に制御されている。前記下側始動入賞口10の拡開開放は、前記普通図柄表示装置45で普通図柄が変動した後特定の普通図柄で確定停止表示されて小当たり(普通図柄当たり)が成立した時に行われる。
また、前記上側始動入賞口9および下側始動入賞口10の裏側(背面)には、前記上側始動入賞口9および下側始動入賞口10に入賞(入球)した遊技球を検出する始動入賞口検出スイッチ(始動入賞口センサ)が入賞球用通路に設けられており、本実施例では、前記始動入賞口検出スイッチによる入賞球の検出が、大当たりの当否(遊技の当否)判定に対する起因及び前記特別図柄の変動表示開始に対する起因に設定されている。また、前記特別図柄表示装置8で特別図柄の変動表示中に、前記上側始動入賞口9および下側始動入賞口10に遊技球が入賞しても、直ちに新たな特別図柄の変動表示を開始することができないため、始動入賞口検出スイッチによる遊技球検出数を予め設定された設定数まで特別図柄用保留球数として記憶して大当たりの当否(遊技の当否)判定及び特別図柄の変動表示を一旦保留し、順次大当たりの当否判定及び特別図柄の変動表示を行うことによって記憶されている特別図柄用保留球数の数を減らしている。なお、前記始動入賞口検出スイッチによる遊技球検出数が設定数まで記憶されている(すなわち特別図柄用最大保留球数となっている)時には、前記始動入賞口検出スイッチがそれ以上入賞遊技球を検出しても、保留球数としては記憶されない無効球とされ、その無効球については図柄の変動及び当否判定を行うことなく、入賞に対する賞球遊技球が所定数払い出される。また、本実施例では、前記特別図柄用保留球数に関して設定されている前記設定数(すなわち最大保留球数)は4個とされている。
前記普通図柄変動開始用ゲート19は、前記普通図柄変動開始用ゲート19の背面に設けられた普通図柄変動開始スイッチで普通図柄変動開始用ゲート19を通過する遊技球を検出することによって前記普通図柄表示装置45で普通図柄の変動を開始させるようになっている。また、前記普通図柄の変動表示中に、前記普通図柄変動開始用ゲート19を遊技球が通過することによって発生する普通図柄の変動を、最高4回普通図柄用保留球数として記憶し、普通図柄の変動開始により普通図柄用保留球数を減らすようになっている。さらにまた、前記左袖入賞口23と右袖入賞口25の入賞球を検出する左袖入賞口用検出スイッチと右袖入賞口用検出スイッチ、前記左落とし入賞口27と右落とし入賞口29の入賞球を検出する左落とし入賞口用検出スイッチと右落とし入賞口用検出スイッチが、それぞれ対応する遊技盤背面に設けられている。
前記大入賞口15は、前記遊技盤3の背面に設けられた大入賞口開放用ソレノイドによって開閉する開閉板16を備えている。この大入賞口15は、通常は開閉板16が閉じた状態とされ、当該大入賞口15内の一部には、該大入賞口15が開いた際に開口して入賞可能にする特定領域入賞口52を有する。さらに、該特定領域入賞口52には、所定条件時に特定領域開放用ソレノイドにより開閉される開閉扉が設けられている。また、前記特定領域入賞口52には特定入賞球を検出する特定入賞球検出スイッチ(特定領域センサ)が設けられ、該入賞球の検出により大入賞口15を再度開ける継続権利が成立し、本実施例では最高10ラウンド繰り返し可能にされている。また、前記大入賞口15内の略中央には、大入賞口15に入賞し、かつ前記特定領域入賞口52に入賞しなかった入賞球を検出する入賞球数カウントスイッチ(カウントセンサ)が設けられている。
遊技を制御するための複数の制御装置や球の誘導装置等は、図2に示すように、前記機構板F2の背面に設けられている。制御基板の主なものとして、主制御基板200、サブ制御基板205、表示制御基板210、音声制御基板220、ランプ制御基板230、払出制御基板240、電源基板250、発射制御基板260等が示されている。符号265は外部端子、281は払出装置(賞球払出装置と貸球払出装置)、289は遊技店からの遊技球を貯める球貯留タンク、291は球貯留タンク289から払出装置281へ供給する球誘導樋を示す。なお各制御基板および基板には制御回路が設けられている。各制御基板等はそれぞれ、あるいは複数まとめてケース体に収容され、さらに一部の制御基板およびケース体は、図3に示すようにカバー体200Aで背面側が覆われている。
主制御基板200は、CPU,RAM,ROM,複数のカウンタを備えたワンチップマイクロコンピュータを備え、遊技に関わる主制御を行う。前記CPUは、制御部,演算部,各種カウンタ,各種レジスタ,各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、大当たりや小当たり(下側始動入賞口10の拡開開放を行う普通図柄当たり)に関する乱数等も生成し、また前記各基板にコマンド(制御信号)を出力(送信)可能に構成されている。前記RAMは、始動入賞口検出スイッチで検出された前記特別図柄用保留球数及び普通図柄変動開始スイッチで検出された普通図柄用保留球数の記憶領域、CPUで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPUの作業領域を備える。また、前記ROMには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、大当たり及び小当たりの判定値、前記特別図柄表示装置8における画像の変動表示態様として複数の変動パターン等が書き込まれている。なお、前記主制御基板200は、遊技の当否を判定する当否判定手段としても機能する。
サブ制御基板205は、前記主制御基板200から送信されたコマンドを受信し、表示制御基板210へコマンドを送信する。前記サブ制御基板205が備える副チップマイクロコンピュータは、サブ処理用のプログラムをROMから読み出して実行する。
表示制御基板210は、画像の制御を行う。前記表示制御基板210は、前記サブ制御基板205からのコマンドに基づきCPUが制御データROMから所定の表示制御データを読み出し、制御データRAMの記憶領域で制御用データを生成してVDPに出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいて画像データROMから必要なデータを読み出し、表示画像における特別図柄、演出図柄、背景画像、キャラクタ画像、文字画像等のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて特別図柄表示装置8および普通図柄表示装置45に出力される。
音声制御基板220は、前記サブ制御基板205からのコマンドに基づいて、コマンドを受信して前記スピーカ38から発する音声を制御する。
ランプ制御基板230は、前記サブ制御基板205からのコマンドに基づいて前記ランプ装置の発光制御を行う。
払出制御基板240は、前記主制御基板200から出力されるコマンドを受信して前記払出装置(賞球及び貸球払出装置)281を制御する。なお、前記払出装置281への遊技球の供給は、前記球貯留タンク289に貯留された遊技球が前記球誘導樋291を通り、球供給樋(図示せず)を経て行われる。前記払出装置281は、払出モータが回転することにより、回転球受け体(例えばスクリュー形式のもの)を回動し、回転球受け体の球受部に受け入れた遊技球を回転球受体の回転により球送りして1球ずつ排出する公知のものである。
また、発射制御基板260は、発射装置53における発射モータの制御を行う。
前記発射装置53は、図4〜図6に示すように弾球遊技機1の右下に設けられている。図7は図6のA−A断面図である。前記発射装置53は発射装置本体部55と操作レバー54よりなる。前記発射装置本体部55は前記前面枠体F3に取り付けられ、また、前記操作レバー54の取付部周辺は装飾部材F5で前面枠体F3が覆われ、装飾性が高められている。前記装飾部材F5には操作レバー装着孔41が形成され、前記操作レバー装着孔41に前記操作レバー54が回転可能に装着される。前記操作レバー54は、遊技者による握り部541と握り部541の背面側から発射装置本体部55側へ突出した軸部542を備え、前記握り部541と共に軸部542が一緒に回転する。
前記発射装置本体部55は、図8〜図13に示すように、前面枠体F3の前面に重ねてネジ等で取り付けられる板状のベース部材552に発射レール621、槌部材571、球供給装置601等の複数の部品が取り付けられて構成されている。前記ベース部材552の前面右下には操作レバー54の軸部542を挿通保持する軸部保持筒部553が取り付けられている。前記軸部保持筒部553に挿通された前記軸部542の先端は、図11に示すように、前記ベース部材552の裏面側(背面側)から突出し、巻き取りプーリー554が取り付けられている。前記巻き取りプーリー554は、前記操作レバー54と共に回転する。
前記軸部保持筒部553の側方にはベース部材552の前面側に槌部材571が揺動可能に軸着されている。前記槌部材571は、遊技球を打つ上部先端が鈎型に屈曲した略L字状からなり、前記ベース部材552の前面と平行に上方斜めに取り付けられている。前記槌部材571における先端には遊技球を弾発するための打撃スプリング571Sが取り付けられている。前記槌部材571の基部の軸部572は、前記ベース部材552の裏側へ貫通している。前記槌部材571の基部の軸部572には、前記ベース部材552の裏側において円盤状の第1回動体573と第2回動体575が前後に重なるように取り付けられている。
前記第1回動体573は、中心に前記槌部材571の基部の軸部572が回動可能に貫通した円盤状からなって、前記槌部材571の軸部572の周囲を回動可能とされている。前記第1回動体573の外周の一部と前記巻き取りプーリー554の外周の一部間にワイヤWが張設され、前記操作レバー54が遊技者によって一方向へ回転されて前記巻き取りプーリー554が同方向へ回転すると前記ワイヤWが巻き取りプーリー554によって巻き取られ、それによって前記第1回動体573が回動するように構成されている。
一方、前記第2回動体575は前記槌部材571の軸部572の先端側に固定されて前記槌部材571と共に可動とされている。前記第2可動体575は、前記第1回動体573の裏側に所定間隔おいて重なる位置にあり、前記第1可動体573との間に捻りコイルバネ574が設けられている(図9に示す)。前記捻りコイルバネ574は、一端が前記第1回動体573に係止され、他端が前記第2回動体575に係止されて、前記槌部材571を発射レール621側へ常時付勢している。また、前記操作レバー54が遊技者により一方向へ回転された場合には、前記巻き取りプーリー554が同方向へ回転して前記ワイヤWが巻き取りプーリー554によって巻き取られ、それによって前記第1回動体573が回動し、前記第1回動体573に一端が係止されている前記捻りコイルバネ574の巻きが強くなって、前記第2回動体575と連結している前記槌部材571を発射レール621側へ付勢する力が大きくなる。なお、図6および図12に示すように、前記ベース部材552の前面には、前記槌部材571のためのゴム製ストッパーS1が取り付けられている。前記ストッパーS1は、遊技球発射時に前記槌部材571がストッパーS1に当たってそれ以上発射レール621へ接近しないようにし、発射レール621と槌部材571の衝突を防ぐものである。
図11に示すように、前記第2回動体575の外周にはトルクアーム576が突出して形成されている。前記トルクアーム576からベース部材552へ向けて摺接ボス577が突設されている。前記第1回動体573および第2回動体575の隣には打撃用歯車579がベース部材552の裏側に回転可能に軸着されている。前記打撃用歯車579の裏側(遊技機背面側)には打撃用カム560が設けられている。前記打撃用カム560は、前記打撃用歯車579の回転方向に膨らんだ円弧状からなり、前記打撃用歯車579の回転時に前記トルクアーム576の摺接ボス577と打撃用カム560の円弧面が接触して前記トルクアーム576および第2回動体575を前記捻りコイルバネ574に抗して回動させ、前記第2回動体575に固定されている前記槌部材571の先端側を前記発射レール621の端部からコイルバネ574に抗して遠ざける方向へ揺動させる。前記摺接ボス577が前記打撃用カム560の先端に到達するまで、前記槌部材571は先端側が前記発射レール621の端部から遠ざかる方向へ揺動し、その間、前記槌部材571には前記捻りコイルバネ574による前記発射レール621側へ戻る力が働く。さらに前記打撃用歯車579が回転すると、前記打撃用カム560の先端が前記トルクアーム576の摺接ボス577から外れ、前記トルクアーム576と第2回動体575および前記槌部材571が前記コイルバネ574の戻る力により逆方向へ急回動し、前記槌部材571の先端が発射レール621の端部上の遊技球を弾発発射させる。
前記打撃用歯車579と噛み合う連動歯車561が前記ベース部材552の裏側に回転可能に取り付けられている。前記連動歯車561は、前記ベース部材552の前面側に取り付けられた発射モータMの回転軸に取り付けられている駆動歯車562と噛み合い、発射モータMの駆動により回転するように構成されている。前記発射モータMの駆動により、前記駆動歯車562、連動歯車561、打撃用歯車579、打撃用カム560、トルクアーム576、第2回動体575が回動し、前記第2回動体575に固定されている槌部材571が揺動して遊技球を発射させる。
また、前記ベース部材552の裏側には、前記連動歯車561と噛み合う球供給用歯車602が前記打撃用歯車562とは反対側に軸着されて回転可能になっている。前記球供給用歯車602の裏側(遊技機背面側)には球供給用カム603が設けられている。前記球供給用カム603は、前記球供給用歯車602の回転方向に膨らんだ円弧状からなる。前記球供給用歯車602、球供給用カム603および後述の球供給ケース605は球供給装置601の構成部材である。
前記球供給用歯車602とは略反対の前記ベース部材552の前側には、図4および図12に示すように、前記発射レール621を覆って透明な球供給ケース605が取り付けられている。前記球供給ケース605内には、前記上側球受け皿36からの遊技球を球送り揺動部材607へ誘導する球送り誘導流路606が右下向きに形成されている。前記球送り揺動部材607は、右端側において前記球供給ケース605内に軸支されて球送り誘導流路606と対向する左側を上下に揺動可能とされている。前記球送り揺動部材607は、略扇形形状とされて前記球送り誘導流路606を向く左端側が拡大し、前記左端面に遊技球を1個受けることが可能な球受け凹部608が形成されている。前記球受け凹部608は、前記球送り揺動部材607が上方へ揺動した際に前記球送り誘導流路606の下端と通じ、前記球送り誘導流路606からの遊技球を1個収容保持し、次に下方へ揺動した際に球受け凹部608の遊技球を下方へ放出する。前記球供給ケース605は、前記ベース部材552の前面と平行な裏面を備え、前記裏面には前記球送り揺動部材607が下方へ揺動した際の球受け凹部608の開放側の位置に、前記発射レール621への球出口(図示せず)が形成されている。なお、前記球受け凹部608は、側面(遊技機の前後方向)が開放されているとともに、遊技球を保持する凹部下面が前記球出口(図示せず)へ向けて傾斜しており、前記球受け凹部608から遊技球が球出口を通って発射レール621上へ遊技球が流動可能となっている。また、前記球送り揺動部材607は、下方へ揺動した際には、前記球受け凹部608よりも上方の左端面が前記球送り誘導流路606の下端と対向して球送り誘導流路606下端の遊技球を停止保持する。
前記球送り揺動部材607の上部には摺動突部609が裏側に突出形成されている。前記摺動突部609は、前記球供給ケース605の裏面に形成された開口部610および前記ベース部材552に形成された開口部555(図11に示す)を通って、前記ベース部材552の裏側に突出しており、前記球供給用歯車602の回転時に球供給用カム603の円弧面と接触して押し上げられ、それによって球送り揺動部材607が上方へ揺動する。前記球供給用カム603の先端で前記摺動突部609が押し上げられた時に、前記球送り揺動部材607は左端が最も上方位置となり、前記球送り誘導流路606からの遊技球を1個、前記球受け凹部608に収容保持する。さらに、前記球供給用歯車602が回転し、前記球供給用カム603が前記摺動突部609から離れると、前記摺動突部609および球送り揺動部材607が自重で下方へ揺動し、前記球受け凹部608の遊技球が前記ベース部材552における発射レールへの球出口(図示せず)を通って発射レール621上へ供給される。前記発射レール621上へ供給された遊技球は、前記発射レール621上を槌部材571へ向けて流下し、発射レール621の下端上方に設けられた球停止部材619と遊技球の上部で接触して発射位置に停止する。
図12に示すように、前記球供給ケース605における球送り誘導流路606の下面は、球抜き揺動部材611によって開放および閉鎖可能となっている。前記球抜き揺動部材611は上部が鈎状に屈曲したL字状からなり、下部で前記球供給ケース605に軸支されている。前記球抜き揺動部材611は、スプリング612によって前記球送り誘導流路606の下面を閉鎖するように付勢され、前記閉鎖によって球送り誘導流路606の遊技球が球送り揺動部材607へ流動可能となる。一方、遊技機前面の球抜きボタン18の操作により前記球抜き揺動部材611を揺動させると、前記球送り誘導流路606の下面が開放され、前記球送り誘導流路606および上側球受け皿36の遊技球が前記下側球受け皿37へ排出可能となる。
前記発射レール621は、図9および図10に示すように、下部前側側壁622、下部裏側側壁624および上面626とからなる略M字形の横断面形状をしており、前記上面626には遊技球を保持可能な溝部627が発射レール621の長さ方向に沿って後端から先端まで形成されている。前記上面626の溝部627は遊技球が1球分通過可能な溝幅を有するV字形の横断面からなり、直線状平面の前側壁部628と後側壁部629が溝幅方向に略V字状に配置されて溝上を遊技球が転動可能とされ、前側壁部628および後側壁部629が発射レール621上の遊技球と点接触するように構成されている。なお、前記発射レール621において前側は、弾球遊技機1の前面側(遊技者側)に位置する側を言い、一方、後側および裏側は、弾球遊技機1の裏面側(背面側)に位置する側を言う。本実施例において、遊技球の直径は11mm、前記発射レール621の溝幅は12.5mmであり、溝幅が遊技球の球形より若干大きくされている。略V字形の溝部627は、深さが2.5mmとなっている。前記溝部627を略V字形とすることで遊技球の接地面を小さく保ったまま、発射レール621の幅方向に対して遊技球を保持することが可能となる。
前記発射レール621は、槌部材571とは反対側の先端621Aを左斜め上方の前記遊技球誘導レール4Aの下部へ向けて斜め上向きにすると共に、下方の後端621Bについては後端621B上の遊技球を前記槌部材571の先端が弾発可能となる位置にして、幅方向の一側、本実施例では下部裏側側壁624が前記ベース部材552の前面側に固定されることにより、ベース部材552に取り付けられている。前記発射レール621の傾斜により、前記溝部627の先端面はV字形の下端627Aが上部627Bよりも前記遊技球誘導レール4A側へ突出した傾斜状態となっている。また、図6に示すように前記発射レール621の先端(すなわち本実施例では溝部627の先端)621Aは、前記ベース部材552の左側の縁552Aよりも内側(右側)に位置している。
図6に示すように、前記前面枠体F3の前面には前記遊技盤3の遊技球誘導レール4Aの下端と前記発射レール621間に流路部材650がネジ等で取り付けられている。前記流路部材650は、図8の裏側斜視図および図9の上面図に示すように、前記枠体F3における流路部材取付面F3Aと対向する対向面651を有する。
前記対向面651は、前記前面枠体F3の流路部材取付面F3Aから少なくとも遊技球1球分離れて位置し、上部における流路部材取付面F3Aとの間が開口して2つの回収口661A,661Bを構成している。発射装置側の回収口661Aは、前記発射装置53から発射された遊技球のうち前記遊技領域6へ到達することなく前記遊技球誘導レール4Aから前記発射装置53側へ向けて転動し、戻ってくる遊技球に勢いが無く、発射装置側の回収口661Aを飛び越せずに落下する遊技球を回収可能になっている。一方、前記発射装置53から離れた回収口661Bは、前記遊技球誘導レール4Aを伝って戻ってきた遊技球を回収可能となっている。前記回収口661A,661Bの下方は前記上側球受け皿36と通じ、前記回収口661A,661B内に回収された遊技球が、前記下側球受け皿37に排出されるように構成されている。
また、前記流路部材650は、前記回収口661A,661B内への遊技球の流路および回収口661A,661Bに進入した遊技球の流路R1を形成するものでもある。前記対向面651には、流路用リブ652,653,654,655が前記前面枠体F3の流路部材取付面F3Aへ向けて形成されている。前記流路R1は、前記回収口661A,661B内に進入した遊技球を下方の下側球受け皿用出口666へスムーズに誘導するものであり、前記前面枠体F3における流路部材取付面F3Aと前記流路部材650の対向面651とを前記流路R1の側壁とする樋状とされ、前記流路用リブ652,653,654,655が前記流路R1の側壁間の底面等を構成する。
さらに、前記流路部材650には、防球壁667が形成されている。前記遊技球誘導レール4Aから戻ってくる遊技球は、前記遊技球誘導レール4Aのどの位置から戻ってくるかによって遊技球の勢いが異なり、最高位置(遊技領域6の直前位置)から戻ってくる遊技球はかなりの速度となっているため、前記発射装置側の回収口661Aをほぼ飛び越す位置に到達する遊技球もあり、さらに戻ってきた遊技球と発射された遊技球が衝突して発射レール621に遊技球が衝突する可能性もある。前記防球壁667は、前記遊技球誘導レール4Aから発射装置53側へ向けて転動してくる遊技球が、前記回収口661A,661Bを跳び越えて発射レール621の先端621Aに衝突しようとする場合や、戻ってくる遊技球と発射された遊技球が衝突した場合に、前記発射レール621の先端621Aにおける遊技球位置(発射レール621の先端621Aにおける遊技球の下端位置)P1aよりも下方の発射レール621の部分に衝突するのを防ぐものである。本実施例では、前記防球壁667は前記流路部材650の対向面651左端裏面側に、上下方向に形成された下部保護壁668と前記下部保護壁668の上端から前記発射レール621の先端621Aへ向けて傾斜して形成された上部保護壁669とからなる。
前記下部保護壁668は、前記発射レール621の溝部先端よりも下方に遊技球が当たるのを防止して保護するものである。前記下部保護壁668は、前記発射レール621から間隔を開けて(発射レール621から離して)設けられ、かつ上端668Aが前記発射レール621の溝部先端よりも下方に位置している。この構成により、前記下部保護壁668に遊技球が衝突した際の衝撃を和らげ、前記発射レール621への損傷を低減することが可能となる。
前記上部保護壁669は、上端(先端)669Aが前記発射レール621の先端621Aに略接するようにして、前記下部保護壁668の上端668Aから斜め上向きに形成されている。この構成により、前記遊技球誘導レール4Aから、前記発射レール621の先端621Aにおける遊技球位置(遊技球の下端位置)P1a付近へ向けて飛んでくる遊技球を、前記上部保護壁669に衝突させて発射レール621とは反対側へ跳ね返して、前記発射レール621の先端621Aの遊技球位置付近に衝突するのを低減させることが可能となる。なお、前記上部保護壁669に遊技球が衝突した際に発射レール621の先端621Aに伝わる衝撃をより緩和するには、前記上部保護壁669の先端669Aを前記発射レール621の先端621Aから僅かに離すのが好ましい。また、前記上部保護壁669の上端669Aは、遊技球が前記発射レール621上を発射レールの先端621Aへ向けて転動する際における遊技球の最下端部の軌跡Lの延長上の位置またはそれより下方に位置している。この構成により、発射レールから発射された遊技球が上部保護壁669の上端669Aと接触するのを防ぎ、遊技球の発射が妨げられることがない。
前記防球壁667は、前記遊技球誘導レール4Aから前記発射装置63側へ向けて転動してくる遊技球を前記回収口661内へ誘導する流路R1の壁部の一部を兼ねている。すなわち、前記防球壁667に当たった遊技球は、前記上部保護壁669あるいは下部保護壁668に沿って流下することにより回収口661内に誘導される。前記下部保護壁668と前記流路用リブ652の下端との間は、遊技球の少なくとも一球分が通過可能な隙間670を構成し、前記隙間670を通って遊技球が下側球受け皿用出口666へ転動可能となっている。
前記発射レール621の先端621Aにおける631a,631bは、前記槌部材571により発射された遊技球が、前記発射レール621の溝部627を先端へ向けて転動する際に、前側壁部628および後側壁部629における遊技球との接触部位631A,631Bの先端位置を示す。前記前側壁部628の接触部位631Aは発射レール621における対向面651側の接触部位であり、一方、前記後側壁部629の接触部位631Bはベース部材552側の接触部位である。なお、本実施例では前記発射レール621の接触部位631A,631Bは、遊技球の転動時の変位も考慮して、遊技球が前記略V字形の溝部627に静置された際に、溝部627の上面と遊技球の表面とのクリアランス(隙間)が0.1〜0.15mm程度となるところまでの幅を有するものとされ、溝部627の長さ方向に沿って帯状に設定されている。
また、図9に示すように、遊技球Pが前記ベース部材552の左側の縁552Aと前記発射レール621の先端621A間に位置して前記発射レール621の先端621Aと接触するときに、遊技球Pの両側に前記ベース部材552と前記流路部材650の対向面651が位置するように構成されている。本実施例では、前記流路部材650の対向面651の右端部分651A(図8にも示す)が、前記ベース部材552の左側の縁552Aと遊技機の前後方向に対向するようにして位置し、前記ベース部材552の左端部分が遊技球Pの略右半分後面側と対向し、前記流路部材650の対向面651の右端部分が遊技球Pの前面側と対向し、これによって前記発射レール621の幅方向に沿う遊技球Pの位置を規制している。前記ベース部材552と前記流路部材650の対向面651は、前記発射レール621の先端621Aにおける遊技球Pとの接触位置が、前記溝部627の前側壁部628と後側壁部629における遊技球との接触部位631A,631Bの延長上の位置とならないように遊技球の位置を規制するよう配置されている。詳細には、前記ベース部材552に遊技球が当接し、さらに前記発射レール621の先端部と当接している場合には、遊技球はベース部材552側の接触部位631Bと対向面651側の接触部位631Aとの間の位置において発射レール621の先端部と当接し、これ以上ベース部材552側に遊技球が移動することがないことから、ベース部材552側の接触部位631Bの延長線上の発射レール621の先端(すなわち前記接触部位631Bの先端631b)と遊技球が当接することがない。また、前記対向面651と遊技球が当接し、さらに発射レール621の先端部と当接している場合には、遊技球はベース部材552側の接触部位631Bと対向面651側の接触部位631Aとの間の位置において発射レール621の先端部と当接し、これ以上対向面651側に遊技球が移動することはないことから、対向面651側の接触部位631Aの延長線上の発射レール621の先端(すなわち前記接触部位631Aの先端631a)と遊技球が当接することはない。これにより、遊技球は対向面651側の接触部位631Aの先端631aとベース部材552側の接触部位631Bの先端631bとの間に遊技球が当たる可能性がある位置を規制することができる構成となっている。
このように構成したことにより、遊技球の発射時に発射レール621の先端621Aにおいて遊技球が接触する溝部の部分に、前記遊技球誘導レール4Aから戻ってくる遊技球Pが衝突することによって生じるバリや歪みを生じるのを抑えることができ、発射された遊技球が発射レール621先端のバリ等と干渉して安定した遊技球の発射が損なわれる不具合を防止することが可能となる。
ここで前記弾球遊技機1における遊技について簡略に説明する。前記弾球遊技機1においては、前記遊技領域6へ向けて前記発射装置53により発射された遊技球が、前記種々の入賞口に入賞すると入賞口に応じた所定数の遊技球が賞球として上側球受け皿36に払い出される。また、前記普通図柄変動開始用ゲート19を遊技球が通過すると、小当たり判定・普通図柄決定用乱数値が取得され、その取得乱数値に基づいて普通図柄の当たり(小当たり)判定が行われ、前記普通図柄表示装置45で普通図柄が変動を開始し、所定時間変動後に停止する。その際、前記普通図柄の当たり判定結果が小当たりの場合には、小当たり普通図柄、この例では奇数で停止し、前記下側始動入賞口10の2つの可動片10a,10bが背面の始動入賞口用ソレノイドによって略垂直で入賞し難い狭小開放状態(通常状態)から略V字形(逆ハの字形)の入賞し易い拡開開放状態に変化し、遊技球が入賞し易くなる。そして、前記下側始動入賞口10に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。
また、前記上側始動入賞口9および下側始動入賞口10に遊技球が入賞すると、大当たり当否判定用乱数値及び大当たり確定特別図柄の組合せ決定用大当たり図柄乱数値が取得され、前記取得された大当たり当否判定用乱数値に基づいて大当たりの当否判定が行われ、前記特別図柄表示装置8で特別図柄が変動を開始し、所定時間変動後に停止する。
前記大当たりの当否判定結果が大当たりの場合には、前記特別図柄表示装置8に大当たり確定特別図柄組合せ、この例では『1,1,1』(いわゆる‘1’のぞろ目)や『2,2,2』(いわゆる‘2’のぞろ目)等、同一数字の組合せ)で停止表示され、遊技者に有利な大当たり遊技(特別遊技)に移行する。前記特別遊技状態になると、前記大入賞口15の開閉板16が開いて遊技領域6の表面を落下してくる遊技球を受け止め易くして、大入賞口15へ入賞可能にし、該大入賞口15への入賞があると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。前記開閉板16は、所定時間(例えば29.5秒)経過後、或いは入賞球数が所定個数(例えば10個)となった時点で閉じるようにされている。また、前記大入賞口15の開放中又は大入賞口15が閉じてから約2秒以内に、大入賞口内の特定領域入賞口52への入賞球が検出されると、前記大当たりを再度繰り返す継続権利が発生し、所定最高回数(例えば最高10回)、前記開閉板16の開放を繰り返すようになっている。
なお、本発明は、前記の実施例に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。