しかしながら、従来の遊技機では、「確変小当り」が抽選されると、図柄の変動表示中にアタッカ装置が開閉動作し、その後、表示手段に「確変小当り」を示唆する演出画像が表示されるため、所定条件を満たすような抽選結果が抽選される抽選確率を高確率に変更する前に「確変小当り」が抽選されたことを遊技者に認識させてしまい、突然、高確率に変更されたような印象を与えることができず、興趣を低下させてしまう問題があった。
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、予め決められた遊技状態の変化を、所定の受入口への遊技媒体の受入れによってあたかも遊技状態が変化したように見せることで、物理的な安心感を与えて、興趣が低下するのを抑制することのできる遊技機の提供を課題とするものである。
手段1:遊技機において、
「遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、
該遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体を受入可能な始動口と、
該始動口とは前記遊技領域内の異なる位置に配置され遊技媒体を受入可能な大入賞口と、
該大入賞口への遊技媒体の受入れが可能又は不能となるような開閉動作をする大入賞口開閉手段と、
少なくとも前記大入賞口への遊技媒体の受入れにより所定数の遊技媒体を払い出す払出手段と、
前記始動口への遊技媒体の受入れに基づいて所定の抽選を行う抽選手段と、
該抽選手段の抽選に応じた抽選結果が所定の当り条件を充足すると抽選結果に応じて、前記大入賞口への遊技媒体の受入れが可能となるように前記大入賞口開閉手段を複数回開閉動作させる第一特典、又は該第一特典よりも前記大入賞口への遊技媒体の受入れ数が多くなるように前記大入賞口開閉手段を複数回開閉動作させる第二特典、の何れかの特典を付与する特典付与手段と、
前記抽選手段の抽選に応じた抽選結果が所定の確変条件を充足すると前記特典付与手段による特典の付与後に、前記特典付与手段によって特典の付与される確率を、充足した前記確変条件に応じた確率に変更する確率変更手段と、
前記抽選手段の抽選に応じた抽選結果が前記当り条件を充足せず所定の開条件を充足すると、前記特典付与手段により付与される前記第一特典と略同様の開閉動作を前記大入賞口開閉手段にさせる小特典を付与する小特典付与手段と、
前記大入賞口に受入れられた遊技媒体のみが進入可能とされ、進入した遊技媒体が視認可能とされた所定規模の空間を有する遊技媒体流通空間と、
該遊技媒体流通空間から遊技状態制御に関わらないように排出可能とされ、遊技媒体の受入れが遊技者に注目され易くした第一受入口と、
該第一受入口に受入れられなかった遊技媒体を受入れて前記遊技媒体流通空間から遊技状態制御に関わらないように排出可能とされ、前記第一排出口よりも遊技者に注目され難くした第二受入口と、
前記抽選手段の抽選に応じた抽選結果が、前記第一特典を付与する前記当り条件を充足すると共に前記確変条件を充足すると、前記大入賞口から前記遊技媒体流通空間内に進入した遊技媒体を一つだけ前記第一受入口に受入れられるように誘導する誘導手段と
を具備する」ものであることを特徴とする。
ここで、「始動口」としては、「受入れた遊技媒体を検出した後に、遊技領域に戻すことなく遊技機外へ排出するもの」、「受入れた遊技媒体を検出した後に、再び遊技領域に戻すもの」、等が挙げられ、始動口への遊技媒体の受入れにより、所定数の遊技媒体が払い出されるものであっても良いし、遊技媒体が払い出されないものであっても良い。
また、「抽選手段の抽選に応じた抽選結果」としては、「抽選手段によって全ての抽選を行うことで得られる抽選結果(例えば、大当り判定乱数、確率変更判定乱数、小当り判定乱数、継続回数判定乱数、変動表示パターン乱数、等を一度に取得するもの)」、「抽選手段によって最初の抽選を行った後に、その抽選を基点として次の異なる抽選を行うことで得られる抽選結果、つまり、複数の異なる抽選手段が夫々の抽選結果によって系統付けられておりその中の何れかの抽選結果、(例えば、最初の抽選で大当り判定乱数を取得し、取得した乱数が大当りであれば次に確率変更判定乱数を取得するもの等)」、
また、「遊技媒体の受入れが可能となるように」とは、大入賞口を閉鎖する大入賞口開閉手段を開状態としたときに、大入賞口に遊技媒体が進入できる広さまで大入賞口開閉手段を開くことを言い、現実に大入賞口に遊技媒体が受入られるか否かについては言及するものではない。例えば、大入賞口開閉手段が開状態となる時間を可及的に短くして、実質的に遊技媒体が大入賞口に受入れられないようにしても良いし、開状態となる時間を適宜設定して所望の数(例えば、1つ又は複数)の遊技媒体が大入賞口に受入れられるようにしても良い。
更に、「第一特典」としては、大入賞口へ遊技媒体が受入れ可能となるように大入賞口開閉手段を短時間(例えば、0.1〜2秒間)に複数回(例えば、2〜3回)開閉動作をさせる「短当り」が挙げられる。また、「第二特典」としては、第一特典よりも大入賞口開閉手段を長い時間且つ多い回数、開閉動作させるもので、より多くの遊技媒体を大入賞口に入賞させることができる「大当り」が挙げられる。
なお、「有利遊技状態」とは、通常の遊技状態よりも遊技者に有利となる状態を意味するものであり、以下のような種々の状態を例示できる。
(1)パチンコ機等の遊技機において、開閉駆動される進入口(入賞口)を、所定回数繰返し開閉させたり、所定時間、あるいは遊技球が所定個数入賞するまで継続して開放させたりして、遊技媒体(遊技球)が多量に進入口に進入し易くした状態(所謂「大当り状態」)。
(2)パチンコ等の遊技機において、大当りに関する抽選の当選確率を通常よりも高確率として、大当り状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
(3)パチンコ機等の遊技機において、遊技媒体の進入(入賞)や通過により大当り状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選用の抽選始動装置を、通常よりも遊技媒体が進入し易い状態とし、大当りの抽選が通常よりも頻繁に行われるようにした状態、所謂「時間短縮状態」。
(4)パチスロ機等の遊技機において、所定ゲームの間、遊技媒体であるメダルの払出しを行う態様にてリールが停止され易くした状態、所謂「ボーナスゲーム状態」。
(5)パチスロ機等の遊技機において、次回以降のゲーム状態をボーナスゲーム状態にさせるための条件であるボーナス図柄にてリールを停止可能とした状態、所謂「ボーナス成立状態」。
(6)パチスロ機等の遊技機において、所定ゲーム数の間、役を成立させるためのリールの停止順序や図柄を案内する等して、役の成立を手助けする状態、所謂「アシストゲーム状態」。
(7)パチスロ機等の遊技機において、ボーナスゲーム状態、ボーナス成立状態、アシストゲーム状態等の特典状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
また、「確率変更手段」としては、「当り条件を変更することで、特典付与手段によって特典が付与される確率を変更するもの」、「当り条件はそのままで、抽選手段による抽選確率を変更することで、特典付与手段によって特典が付与される確率を変更するもの」、等が挙げられる。なお、確率変更手段は、特典付与手段によって特典が付与される確率を通常時の確率よりも高確率に変更するものであって良いし、通常時の確率よりも高確率から通常時の確率に変更するものであっても良いし、更には両方の変更が可能であるものであっても良い。
また、「遊技媒体流通空間」とは、上下左右、及び前後に遊技媒体が流通可能な空間で、その内部に遊技媒体を少なくとも1秒以上滞在させることのできる規模の空間であり、この空間内に進入した遊技媒体は、遊技領域内に戻されることのないものである。なお、遊技媒体流通空間内には、遊技媒体が流通可能な「流路」を複数備えていることが望ましい。その「流路」としては、「遊技媒体を、上から下へ流下させるもの」、「遊技媒体を、高反発性部材に反発させて、上方向や左右方向に流通させるもの」、「遊技媒体を、定反発性部材に落下させるもの」、「可動役物(振分装置を含む)により遊技媒体の移動方向が変化するもの」、等が挙げられる。
また、「遊技状態制御に関わらない」とは、該当する遊技媒体の検出や、該当する遊技媒体によって変化する遊技状態の検出、に基づいて所定数の遊技媒体の払い出しを行う制御や、入賞によって遊技媒体の払い出しがある入賞口へ遊技媒体が入賞可能となるような遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる制御等に関わらないことである。換言すると、該当する遊技媒体が、遊技媒体の払い出しに関する制御には関わらないことである。例えば、該当する遊技媒体を検出しても、その検出信号は遊技状態を制御する主基板には一切送らないようにしたものである。
更に、「注目され易くした第一受入口」とは、「遊技媒体流通空間内に所定広さの遊技媒体転動面を設け、その転動面上に第一受入口を設けたもの(例えば、ゴルフ場をイメージした場合、転動面をグリーンとして第一受入口をグリーン上のカップに見立てたもの)」、「第一受入口を目立つ位置に配置したもの」、「第一受入口の周りに発光手段を備え、それを発光させることで第一受入口を目立つようにしたもの」、等が挙げられる。
また、「誘導手段」とは、第一受入口に遊技媒体を誘導可能なものであれば良く、誘導された遊技媒体が必ずしも第一受入口に受入れられる必要はなく、第一受入口に受入れられる可能性が高くなるように誘導するものである。例えば、「第一受入口に遊技媒体を導く流路と、第二受入口に遊技媒体を導く流路とを備え、何れかの流路に誘導するようにしたもの」、「遊技媒体が第一受入口に受入れられる確率が物理的に異なる複数の流路を備え、その確率が最も高い流路に誘導するようにしたもの」、等が挙げられる。
ところで、「確変小当り」が抽選されると、停止表示された演出画像によって示唆する抽選結果の内容を「確変小当り」であるか否かが不明瞭な演出画像を表示することで、「確変小当り」が抽選されたのを認識させ難くして、突然、高確率に変更されたような印象を与えて得した気分にさせて、興趣を高められるようにすることが考えられる。しかしながら、この場合、「確変小当り」が抽選されると、図柄の変動表示中にアタッカ装置が開閉動作をするので、遊技者によってはアタッカ装置の開閉動作に気付くことで、「確変小当り」が抽選されたことに気付き、抽選確率が高確率に変更されることを認識することができるので、突然、高確率に変更されたような印象を与えられず、得した気分にさせることが困難となり、興趣を低下させてしまう恐れがある。
上述の問題点を踏まえて、アタッカ装置が「確変小当り」と略同様の開閉動作をする「小当り」を設けることで、図柄の変動表示中にアタッカ装置が開閉動作しても、その開閉動作が「確変小当り」によるものなのか、或いは「小当り」によるものなのかを判別できなくして、「確変小当り」が抽選された時に、突然、高確率に変更されたような印象を与えるようにすることも考えられる。これにより、突然、高確率に変更されるので得した気分にさせて興趣を高められると共に、「確変小当り」が当ったか否かが明確には判らないので、現在の遊技状態が高確率の状態かも知れないと思わせることができ、引き続き遊技を継続させることが可能となり、長時間遊技をさせることができるようになる。
しかしながら、この場合、演出表示装置に「確変小当り」か「小当り」かを示唆する演出画像を表示しないので、「確変小当り」が抽選されたのか否かが判らなくなり、現在の遊技状態が不明確となるので、遊技者によっては、かえって遊技や遊技機に不安感を抱かせてしまい、興趣を低下させてしまう恐れがある。
ところで、上述の「確変小当り」や「小当り」となると、アタッカ装置が所定の開閉動作をするが、これらの場合、アタッカ装置の開閉動作は、「大当り」や「確変大当り」が抽選された時の開閉動作と比較して、短時間且つ少回数なため、アタッカ装置内の大入賞口に遊技媒体を入賞させられる機会が少なく、大入賞口への入賞による遊技媒体球の払い出しが殆んどないので、遊技者によっては「確変小当り」や「小当り」が当っても、「当り」なのに遊技媒体の払い出しが期待できず、損をした気分となり、興趣を低下させてしまう恐れがある。
また、抽選手段の抽選によって「確変小当り」又は「小当り」が当った時に、演出表示手段に「確変小当り」が当った可能性が高いことを示唆する演出画像を表示させることで、抽選確率が高確率に変更されるかも知れないと期待させて興趣を高めることができるようにすることが考えられるが、遊技者によっては、演出画像の表示だけでは本当に「確変小当り」であるという信頼感を十分に得ることができず、興趣を低下させてしまう恐れがある。
手段1の構成によると、遊技領域内の所定位置に配置された始動口と、始動口とは異なる位置に配置された大入賞口と、大入賞口を開閉する大入賞口開閉手段と、少なくとも大入賞口への遊技媒体の入賞により所定数の遊技媒体を払い出す払出手段と、始動口への遊技媒体の受入れにより所定の抽選を行う抽選手段と、抽選手段の抽選に応じた抽選結果が当り条件を充足すると、大入賞口開閉手段が所定の開閉動作をする第一特典、又は第一特典よりも長い時間且つ多い回数開閉動作する第二特典の何れかの特典を付与する特典付与手段と、抽選手段の抽選に応じた抽選結果が確変条件を充足すると、特典付与手段によって特典が付与される確率を変更する確率変更手段と、抽選手段の抽選に応じた抽選結果が当り条件を充足せず開条件を充足すると、大入賞口開閉手段が第一特典と同様の開閉動作をする小特典を付与する小特典付与手段と、大入賞口に受入れられた遊技媒体のみが進入可能とされると共に進入した遊技媒体が視認可能とされた遊技媒体流通空間と、遊技媒体流通空間内から遊技状態制御に関わらないように排出可能とされ遊技者に注目され易くした第一受入口と、第一受入口よりも遊技者に注目され難くした第二受入口と、抽選手段の抽選に応じた抽選結果が第一特典を付与する当り条件を充足すると共に確変条件を充足すると、大入賞口から進入した遊技媒体を一つだけ第一受入口に受入れられるように誘導する誘導手段とを備えたものである。
換言すると、遊技媒体が始動口に受入れられると抽選が行われ、その抽選による抽選結果が当り条件を充足していると、「当り」として、第一特典(例えば、「短当り」)又は第二特典(例えば、「大当り」)の何れかが付与され、当り条件を充足していなければ「ハズレ」として処理される。また、抽選結果が確変条件を充足していると、確率変更手段によって、特典の付与後に特典が付与される確率を変更する。この確率変更手段は特典が付与されなければ変更しないので、確率が変更されるパターンは蓋然的に当り条件が充足した場合に限られる。一方、抽選手段の抽選に応じた抽選結果が当り条件を充足しない、つまり、「ハズレ」の時に、抽選結果が開条件を充足していると、第一特典と同様の小特典(例えば、「小当り」)が付与される。そして、抽選結果が第一特典の付与と確率の変更を充足する(例えば、「確変小当り」)と、大入賞口開閉手段が複数回開閉動作をし、その際に大入賞口に受入れられた遊技媒体が、遊技媒体流通空間内において誘導手段によって第一受入口に誘導され、その後、遊技媒体流通空間内から遊技媒体が排出されると、抽選確率を高確率に変更するものである。
これにより、遊技媒体の始動口への受入れによる抽選によって、確率を変更する第一特典(「確変小当り」)が抽選されると、大入賞口開閉手段の開閉動作の際に大入賞口に受入れられた遊技媒体を、誘導手段により第一受入口に誘導するので、あたかも遊技媒体が第一受入口に受入れられたことで、抽選確率が変更されたように思わせることができ、従来のような「確変小当り」である可能性が高いことを示唆する演出画像を用いたものと比較して遊技媒体が第一受入口に受入れられるのを見せることが可能となり、演出表示手段による演出画像を表示させなくても、確実に「確変小当り」であると遊技者に認識させることができ、物理的な安心感を与えて、興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第一特典と同様の動作をする小特典を備えているので、大入賞口開閉手段が第二特典よりも少ない回数開閉動作しても、その開閉動作が第一特典(「短当り」)によるものであるのか、小特典(「小当り」)によるものであるのかを不明確なものとすることができる。これにより、「小当り」のない遊技機と比較して、大入賞口開閉手段の開閉動作が、第一特典によるものであるか否かで、遊技者をワクワク、ドキドキさせることができると共に、大入賞口開閉手段の開閉動作が「短当り」(「確変小当り」を含む)か「小当り」なのか不明確としており、「確変小当り」が抽選されると、突然、高確率に変更されたようになるので、得した気分にさせることができ、より興趣の高められるものとすることができる。なお、第一特典(「短当り」)は、確率を変更する第一特典(「確変小当り」)のみとすることが望ましく、確率を変更しない第一特典を設けても、小特典(「小当り」)との区別が付かず、その効果が望めないと共に、確率を変更しない第一特典の存在により、遊技にかかる制御が増えて、主基板での付加が増加して遊技の中断などの不具合の発生原因となる恐れがある。
ところで、予め「当り」と「ハズレ」の割合が決められている場合、「当り」の中に小特典(「小当り」)を設けると、相対的に第一特典(「短当り」)及び第二特典(「大当り」)の割合が減少し、「大当り」が抽選される確率が低くなるので、有利遊技状態が発生し難くなり、興趣を低下させてしまう問題がある。しかしながら、本手段では、「ハズレ」の中に小特典を設けているので、第一特典(「短当り」)及び第二特典(「大当り」)の割合が減少するのを防止することができ、有利遊技状態が発生し難くなるのを防止することができると共に、小特典が第一特典と同様の動作をするので、あたかも第一特典が増加したようになる。つまり、「当り」の割合が増加したようにすることができるので、「当り」易く思わせて、興趣の高められるものとすることができる。
また、第一特典又は小特典の抽選により大入賞口開閉手段が開閉動作をし、その際に、大入賞口に遊技媒体を受入れさせることができると、遊技媒体流通空間内に進入した遊技媒体が、第一受入口に誘導されるか否か、つまり、「確変小当り」か否かで、遊技者をワクワク、ドキドキさせることができ、より遊技者の興趣を高められる効果を期待することができると共に、遊技媒体流通空間内での遊技媒体の動きを楽しませることができるので、大入賞口開閉手段の開閉動作が少なくて、遊技媒体の払い出しが期待できずに損をした気分となってもそれを緩和させることができ、興趣が低下するのを抑制することができる。
なお、誘導手段により第一受入口に受入れられるように誘導しても、必ずしも第一受入口に受入れられるとは限らないので、確率を変更する第一特典が抽選された時、つまり、「確変小当り」が抽選された時でも、誘導された遊技媒体が第一受入口に受入れられないことがあるが、その場合でも、抽選確率が変更されるので、遊技者に一旦「確変小当り」ではなく「小当り」が抽選されたと思わせて興趣を低下させた上で、特典の付与後に抽選確率を変更することで、突然、抽選確率が変更されたように思わせることができ、より興趣を高めることができると共に、抑揚に富んだ遊技をさせることができる。
また、大入賞口、大入賞口開閉手段、及び遊技媒体流通空間などを一つの役物として構成するようにしても良く、ユニット化することで遊技媒体流通空間の密閉性を高めることができ、大入賞口以外から遊技媒体流通空間内へ遊技媒体が進入するのを防止し易くすることができると共に、遊技機の製造にかかる組立コストを低減させることができる。
更に、大入賞口開閉手段の開閉動作が第二特典が抽選された時よりも少ない時に、大入賞口に遊技媒体を入賞させて、遊技媒体流通空間内の第一受入口に遊技媒体を受入れさせると、抽選確率が変更されるような遊技媒体による演出を行っているので、大入賞口開閉手段が該当する開閉動作をした時に大入賞口に入賞した遊技媒体が、第一受入口に受入れられるか否かで遊技者をハラハラ、ドキドキさせることができると共に、大入賞口に入賞したことで以後の遊技状態制御に関わることのできなくなった遊技媒体(例えば、所謂死球)を用いて、上述のような遊技者をハラハラ、ドキドキさせられるこれまでにない演出をして、興趣を高めることができる。
手段2:手段1の構成において、
「図柄、キャラクタ、及び背景の少なくとも一つを用いた所定の演出画像を表示可能な演出表示手段と、
該演出表示手段に表示された前記演出画像を、前記抽選手段の抽選にかかる抽選結果に応じて変動表示させた後に、該抽選結果を示唆する前記演出画像で停止表示させる演出表示制御手段とを更に具備し、
前記抽選結果が前記第一特典又は前記小特典の時は、前記演出表示制御手段により変動表示された前記演出画像が、前記抽選結果を示唆する前記演出画像に停止表示される前に、前記特典付与手段又は前記小特典付与手段によって前記第一特典又は前記小特典を付与し、
前記抽選結果が前記第二特典の時は、前記演出表示制御手段により変動表示された前記演出画像が、前記抽選結果を示唆する前記演出画像に停止表示された後に、前記特典付与手段によって前記第二特典を付与する」ものであることを特徴とする。
ここで、「図柄」とは、数字や記号、あるいはそれらと絵柄との組合わせ等からなる演出用の図柄である。また、「キャラクタ」とは、図柄列及び背景以外の画像を意味しており、小説・漫画・映画・演劇などの登場人物、動物、植物、又は小道具類、もしくはこの遊技機のために作成された仮想上の人物、動物、植物、又は小道具類等を例示することができる。
また、「演出表示手段」としては、キャラクタ、背景、及び図柄等を用いた演出画像を表示可能なものであり、例えば、「液晶ディスプレイ(LCD)」、「CRT」、「ドットマトリックス」、「発光ダイオード(LED)」、「7セグメントLED」、「エレクトロルミネセンス(EL)」、「蛍光表示管」、「白熱ランプ」、「プラズマディスプレイ(PDP)」、「レーザーディスプレイ」、等が挙げられる。
手段2の構成によると、所定の演出画像を表示可能な演出表示手段と、図柄等からなる演出画像を変動表示させた上で抽選結果を示唆する演出画像を停止表示させる演出表示制御手段とを更に備え、抽選結果が第一特典又は小特典の時は、抽選結果を示唆する演出画像が停止表示される前に第一特典又は小特典を付与し、抽選結果が第二特典の時は、抽選結果を示唆する演出画像が停止表示されてから第二特典を付与するものである。
これにより、第一特典及び小特典が抽選された時は、図柄等の演出画像が変動表示中にその特典が付与され、第二特典が抽選された時は、抽選結果を示唆する演出画像が停止表示されてからその特典が付与されるので、第一特典及び小特典が付与される時は、演出画像が変動表示されており、演出表示手段に遊技者を注目させることで、第一特典及び小特典が付与されたことを気づき難くすることができ、特に、確率を変更する第一特典が抽選されると、その特典の付与後に、予告無しに突然、抽選確率が変更されたように思わせることが可能となり、得した気分にさせて興趣を高められる効果を期待することができる。
なお、第一特典及び小特典が抽選された時に、その抽選結果を示唆するために停止表示される演出画像を、「ハズレ」を示唆する、或いは、確率を変更する第一特典(「確変小当り」)かも知れないことを示唆する表示としても良く、これにより、演出表示手段による演出画像だけでは、抽選結果を確実に認識することができなくなり、遊技媒体の払い出しが期待できない「短当り」や「小当り」による興趣の低下を抑制することができると共に、大入賞口開閉手段が開閉動作した際に大入賞口へ遊技媒体を受入れさせることで、遊技媒体流通空間内での遊技媒体の誘導先に対する期待感を高めることができ、遊技媒体の動きを楽しませて興趣の高められるものとすることができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記第一特典には、前記特典付与手段によって特典の付与される確率を通常時よりも高確率とする確変第一特典のみを、
前記第二特典には、前記特典付与手段によって特典の付与される確率を通常時よりも高確率とする確変第二特典と、前記特典付与手段によって特典の付与される確率を通常時よりも高確率としない普通第二特典とを夫々有し、
前記確率変更手段は、
前記特典付与手段によって特典の付与される確率が通常時の確率の時に、前記抽選手段の抽選にかかる抽選結果が、前記確変第一特典、又は前記確変第二特典であれば、前記特典付与手段によって特典の付与される確率を通常時の確率よりも高確率に変更し、
前記特典付与手段によって特典の付与される確率が通常時の確率の時に、前記抽選手段の抽選にかかる抽選結果が、前記普通第二特典であれば、前記特典付与手段によって特典の付与される確率を通常時の確率に変更する」ものであることを特徴とする。
ところで、「当り」が抽選される抽選確率を通常時よりも高確率に変更することのできる従来の遊技機では、高確率に変更された後に、「当り」が抽選されると通常時の確率に戻すようにしているので、高確率の状態で「確変大当り」が抽選されても通常時の確率に戻ってしまい、遊技者が損をした気分になり興趣を低下させてしまう問題があった。また、高確率の状態で「確変小当り」を含む「短当り」が抽選されても、通常時の確率に戻すので、「短当り」が抽選されることで遊技媒体の払い出しが少ない上に抽選確率が低くなるので、遊技者に更に損をした気分にさせてしまい、興趣を著しく低下させて遊技を終了させてしまう恐れがあった。
手段3の構成によると、第一特典には抽選確率を高確率に変更する確変第一特典のみを、第二特典には抽選確率を高確率に変更しない普通第二特典と、高確率に変更する確変第二特典とを夫々有し、確率変更手段によって、抽選確率が通常時の時に確変第一特典又は確変第二特典が抽選されると、抽選確率を通常時よりも高確率に変更し、抽選確率が高確率の時に普通第二特典が抽選されると、抽選確率を通常時の確率に変更するものである。
これにより、確変第一特典(「確変小当り」)又は確変第二特典(「確変大当り」)が抽選されると、抽選確率が通常時の確率よりも高確率に変更され、通常第二特典(「非確変大当り」)が抽選されるまで、高確率の状態を維持させることができるので、「当り」が抽選される確率の高い状態が続き、連続して「大当り」が抽選される可能性が高くなり、より興趣を高められるものとすることができる。
また、高確率の状態で第一特典(「短当り」)や小特典(「小当り」)が抽選されても、通常時の確率に変更せずに高確率の状態が維持されるので、「短当り」や「小当り」の抽選によって興趣が低下するのを抑制することができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記遊技媒体流通空間内には、
前記大入賞口の下方且つ前記第一受入口及び前記第二受入口の上方に配置された前記誘導手段によって誘導された遊技媒体に、無動力で所定の運動エネルギーを付与する運動エネルギー付与手段と、
該運動エネルギー付与手段により運動エネルギーを付与された遊技媒体を、高反発性部材での反発、又は水平方向よりも上方向に転動、の何れかにより跳躍させる跳躍手段と、
該跳躍手段により跳躍された遊技媒体、又は前記運動エネルギー付与手段により運動エネルギーを付与された遊技媒体を、運動エネルギー減衰手段としての低反発性部材の物理的な変形により運動エネルギーを減衰させて捕捉すると共に、捕捉された遊技媒体を左右前後方向に転動可能な転動面を有し、該転動面上に前記第一受入口が開口する捕捉手段と、
前記運動エネルギー付与手段により付与可能な運動エネルギーを調節可能とされ、前記運動エネルギー減衰手段を備えた傾斜面と、該傾斜面に供給された遊技媒体を下方へ流出させる流出部とを備えた付与エネルギー調節手段と、
前記捕捉手段を挟んで少なくとも二つの前記跳躍手段を配置し、遊技媒体が前記捕捉手段に対し一方側の前記跳躍手段から前記捕捉手段を飛び越すように他方側の前記跳躍手段まで跳躍し更に他方側の該跳躍手段から跳躍して前記捕捉手段に至る第一跳躍流路と、
該第一跳躍流路とは異なり、遊技媒体が前記付与エネルギー調節手段を介し前記捕捉手段に対して一方側又は他方側の何れかの前記跳躍手段から前記捕捉手段を飛び越さずに直接捕捉されるように跳躍して該捕捉手段に至る第二跳躍流路と、
前記第一跳躍流路、及び前記第二跳躍流路とは異なり、遊技媒体が前記跳躍手段を介さずに前記捕捉手段に至る特別流路と
を更に具備し、
前記誘導手段は、
前記抽選手段の抽選に応じた抽選結果が、前記第一特典を付与する前記当り条件を充足すると共に前記確変条件を充足すると、前記第一跳躍流路、前記第二跳躍流路、及び前記特別流路のうち、遊技媒体が最も前記第一受入口に受入れられる割合が高くされた流路に、遊技媒体を誘導する」ものであることを特徴とする。
ここで、「運動エネルギー付与手段」としては、「遊技媒体を落下させることで重力により運動エネルギーを付与するもの」、が挙げられ、具体的には、「遊技媒体を真下に放出して自由落下により運動エネルギーを付与するもの」、「遊技媒体に水平方向の初速度を与えた上で自由落下させて運動エネルギーを付与するもの」、「接触させた状態で遊技媒体を誘導する誘導手段によって下方に誘導することで運動エネルギーを付与するもの」、等が挙げられる。
また、「跳躍」とは、遊技媒体が飛び跳ねることであり、跳躍中の遊技媒体は、他の部材と無接触状態であり、「跳躍手段」としては、遊技媒体自身の運動エネルギーにより跳躍させることのできるものであれば良く、例えば、「遊技媒体の移動方向を水平方向以上の方向に接触誘導させることで跳躍させるもの(例えば、ジャンプ台状のもの)」、「高反発性部材で反発させることで跳躍させるもの」、等が挙げられる。
更に、「運動エネルギー減衰手段」としては、構成する部材が塑性変形や弾性変形等の物理的な変形をすることで運動エネルギーを減衰させるものであれば良く、「低反発性部材を用いたもの」、「繊維材からなり網状、織布状、又は不織布状に形成されたもの」、「有機、無機、金属等からなり繊維状又は線状に形成された素材を起毛状にしたもの」、等が挙げられる。
ところで、従来の遊技機では、遊技領域内には複数の障害釘が打設されているので、その障害釘に遊技媒体が当接することで、遊技媒体が種々の方向に移動し、その当接する向きによっては、遊技媒体が上方に跳ね返ることもあるが、障害釘との当接では、小刻みな動きしか遊技媒体に付与させることができず、遊技媒体に大きな動きを付与して、遊技者に注目させて興趣を高めさせることが困難であった。
また、遊技領域中にゴムやバネ等の弾性部材を配置して、その弾性部材の反発により遊技媒体に大きな動きを付与させた上で、その反発先に遊技媒体の受入口を配置することで、遊技媒体の動きに注目させて興趣の高められるものとすることが考えられる。しかしながら、この場合、遊技領域内に配置された弾性部材に当接させることで、受入れられる機会が高くなるので、弾性部材を狙った遊技となり、単調な遊技となってしまい飽き易くなり興趣を低下させてしまう恐れがあった。
更に、例えば、遊技媒体を上下方向や左右方向に、大きく移動させたり、速く移動させたりすることで、遊技媒体に注目させることが考えられが、遊技媒体を大きく又は速く移動させた場合、移動後の遊技媒体には大きな運動エネルギーが蓄積されることとなり、移動先で障害釘や役物等と当接すると、遊技媒体が大きく弾かれて意図しない動きをしてしまい、想定した遊技をさせることが困難となる恐れがあった。
また、遊技媒体を自身の運動エネルギーにより跳躍させる場合、遊技媒体の有する運動エネルギー量によっては、跳躍する距離や高さが変化し、所望の位置まで跳躍しなかったり、跳躍しすぎたりして、遊技媒体に意図した動きをさせることが困難となり、却って興趣を低下させてしまう恐れがある。具体的には、例えば、遊技媒体が役物内に進入した時点での運動エネルギーも含めて跳躍させるようにした場合、役物外に打設された障害釘等との当接具合によっては、役物内に進入する時点での遊技媒体の運動エネルギーが区々なものとなり、充分に跳躍させることができなくなる恐れがあった。
また、遊技媒体を捕捉する際に、遊技媒体の持つ運動エネルギーにより遊技媒体が弾んだり跳ねたりして確実に捕捉することができない恐れがあり、この捕捉手段として、遊技媒体を挟んだり掴んだりするものの場合、遊技媒体を把持するための機構が必要となり、構成が複雑化する問題がある。更に、遊技媒体を捕捉する際にその運動エネルギーを維持した状態で捕捉した場合、つまり、捕捉した遊技媒体に未だに勢い(運動エネルギー)を有している場合、捕捉した遊技媒体の運動エネルギーによって、遊技媒体を案内手段に確実に供給できなかったり、案内手段の案内から外れてしまったりする恐れがある。
更に、従来の遊技機では、大入賞口に受入れられた遊技媒体は、大入賞口から遊技盤の裏側と導かれた後に遊技機外へ排出され、遊技者からは見えないようになっており、大入賞口に受入れられた遊技媒体により、遊技者の興趣を高めることはできなかった。
手段4の構成によると、遊技媒体流通空間内に、大入賞口から進入した遊技媒体に所定の運動エネルギーを付与する運動エネルギー付与手段と、運動エネルギーを付与された遊技媒体を跳躍させる跳躍手段と、跳躍した又は運動エネルギーが付与された遊技媒体を捕捉可能とされその運動エネルギーを減衰させる運動エネルギー減衰手段を有し、転動面に第一受入口が開口した捕捉手段と、運動エネルギー付与手段により付与する運動エネルギーを調節する付与エネルギー調節手段と、捕捉手段を挟んで少なくとも二つの跳躍手段が配置され、一方の跳躍手段により跳躍することで捕捉手段を飛び越してから他方の跳躍手段で再度跳躍して捕捉手段に捕捉される第一跳躍流路と、捕捉手段を飛び越さずに何れかの跳躍手段で跳躍して捕捉手段に捕捉される第二跳躍流路と、及び跳躍手段では跳躍せずに捕捉手段に捕捉される特別流路とを更に備え、誘導手段は、抽選手段によって確率を変更する第一特典が抽選されると、第一跳躍流路、第二跳躍流路、及び特別流路のうち、第一受入口に遊技媒体が受入れられる割合が最も高くされた流路に、大入賞口から進入した遊技媒体を誘導するものである。
これにより、第一特典(「短当り」)や小特典(「小当り」)が抽選されることによって大入賞口開閉手段が開閉動作した際に、遊技媒体が大入賞口に受入れられると、遊技媒体流通空間内に進入し誘導手段を介して、運動エネルギーの付与された遊技媒体が、一方の跳躍手段による跳躍で第一受入口を有した捕捉手段を飛び越してから他方の跳躍手段で再度跳躍して捕捉手段の運動エネルギー減衰手段によって捕捉される第一跳躍流路、遊技媒体が捕捉手段を飛び越さずに跳躍手段で跳躍して捕捉手段の運動エネルギー減衰手段によって捕捉される第二跳躍流路、及び跳躍手段では跳躍せずに捕捉手段の運動エネルギー捕捉手段によって捕捉される特別流路の何れかの流路を流通するので、遊技媒体が何れの流路に誘導されても、跳躍したり落下したりするこれまでにない躍動感に溢れたダイナミックな動きを見せることができ、遊技者を充分に楽しませた後に、第一受入口に受入れられるか否かで、ワクワク、ドキドキさせて興趣の高められるものとすることができる。
詳しくは、大入賞口に受入れられた遊技媒体が、第一跳躍流路に誘導されると、初めに遊技媒体を捕捉し損ねたように思わせてから捕捉するので、遊技者をよりハラハラ、ドキドキさせることが可能となり、一喜一憂させて興趣がより高められるようにすることができる。また、第二跳躍流路に誘導されると、付与エネルギー調節手段において一旦遊技媒体の動きが遅くなってから跳躍するので緩急に富んだ動きとなり興趣が低下するのを抑制することができる。更に、特別流路に誘導されると、遊技媒体が跳躍せずに直接捕捉手段に捕捉され、これまでにない大きな動きをすると共に、遊技媒体が一気に第一受入口のある捕捉手段に到達するので、いきなりチャンスが到来したような感覚を持たせることが可能となり、より興趣の高められるものとすることができる。
また、誘導手段によって、第一跳躍流路、第二跳躍流路、及び特別流路の何れかの流路に遊技媒体が誘導されるので、何れの流路に誘導されるかで、遊技者をワクワク、ドキドキさせることができると共に、抽選確率を変更すると判定されると、遊技媒体が第一受入口に受入れられる割合の最も高い流路に誘導されるので、該当する流路に誘導されるか否かによっても、期待感を持たせることができ、興趣を高められるものとすることができる。
更に、遊技者は確率を変更する第一特典(「確変小当り」)が抽選されて抽選確率が高確率に変更されることを強く望み、第一受入口に遊技媒体が受入れられると抽選確率が高確率に変更されるような遊技媒体による演出をしているので、第一受入口に受入れられるのを期待させることができ、第一受入口に受入れられるか否かで、ハラハラ、ドキドキさせることが可能となり、遊技媒体が何れの流路を流通しても興趣を高めることができる。
手段5:手段2から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記演出表示手段は、
遊技者に向かって前記遊技媒体流通空間の後方に配置されている」ものであることを特徴とする。
ところで、従来の遊技機では、遊技領域内に所定の演出画像を表示可能な演出表示手段を配置して、遊技状態に応じて、適宜選択される演出画像を表示することで、遊技媒体の動きを楽しませるだけでなく、演出表示手段に表示される演出画像によっても楽しませるものが知られている。この従来の遊技機では、遊技領域内での遊技媒体の流れが、演出表示手段の上方に打ち込まれた遊技媒体が、演出表示手段の左右外側の遊技領域を通って、その下方の遊技領域に流下するようになっており、流下する遊技媒体により演出表示手段が遮られて表示される演出画像が見辛くなるのを防止するようにしていた。そのため、遊技領域内を流下する遊技媒体の流下領域が狭く、遊技媒体の動きが小さくなって、遊技媒体の動きを楽しませることが困難となり、結果的に演出表示手段による演出画像の表示に重点を置いた遊技機となり、遊技媒体の動きは、単純で飽き易いものとなっていた。なお、より大型の演出表示手段を備えるようにするほど上記の問題が顕著となる傾向がある。
手段5の構成によると、演出表示手段を遊技媒体流通空間の後方に配置したものである。これにより、跳躍したり落下したりする遊技媒体により演出画像が遮られるような従来の遊技機では見られない遊技媒体の動きや演出画像を見せることが可能となり、飽き難くして遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
また、遊技媒体が演出表示手段の前面を通るので、遊技領域全体を使って遊技媒体を流下させることが可能となり、演出表示手段の大きさに関わらず、より遊技者に目立つように遊技媒体に大きな動きをさせることができ、より興趣の高められる遊技媒体の動きを実現することができる。
更に、運動エネルギー付与手段により運動エネルギーの付与された遊技媒体が、運動エネルギー減衰手段によってその運動エネルギーを減衰させられるので、遊技球が前後左右方向に跳ねることがなく、特に後方に演出表示手段を配置しても、遊技媒体が当接することはなく、演出表示装置が破損するのを防止することができる。
なお、演出表示手段の前面で遊技媒体を流通させても、演出画像全体が遊技媒体により遮られることはなく、遊技者に演出画像を確実に認識させることができ、遊技媒体の動きと、演出画像の演出との両方を楽しませることができる。また、演出表示手段に、その前面で跳躍したり落下したりする遊技媒体の動きと、略同調するような演出画像を表示させるようにしても良く、遊技媒体と演出画像によるコラボレーションを遊技者に楽しませることが可能となり、より興趣の高められるものとすることができる。
手段6:遊技機の構成において、
「遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、
該遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体を受入可能な始動口と、
該始動口とは前記遊技領域内の異なる位置に配置され遊技媒体を受入可能な大入賞口と、
該大入賞口への遊技媒体の受入れが可能又は不能となるような開閉動作をする大入賞口開閉手段と、
少なくとも前記大入賞口への遊技媒体の受入れにより所定数の遊技媒体を払い出す払出手段と、
図柄、キャラクタ、及び背景の少なくとも一つを用いた所定の演出画像を表示可能な演出表示手段と、
前記始動口への遊技媒体の受入れに基づいて所定の抽選を行う抽選手段と、
該抽選手段の抽選にかかる抽選結果に応じて、前記演出表示手段に表示された前記演出画像を変動表示させた後に、前記抽選手段の抽選にかかる抽選結果を示唆する前記演出画像で停止表示させる演出表示制御手段と、
前記抽選手段の抽選に応じた抽選結果が所定の当り条件を充足すると抽選結果に応じて、前記大入賞口への遊技媒体の受入れが可能となるように前記大入賞口開閉手段を複数回開閉動作させ、当り条件を充足する抽選結果が抽選される確率を通常時の確率よりも高確率にする確変第一特典からなり、前記演出表示制御手段により変動表示された前記演出画像が、前記抽選結果を示唆する前記演出画像に停止表示される前に付与される第一特典、又は、該第一特典よりも前記大入賞口への遊技媒体の受入れ数が多くなるように前記大入賞口開閉手段を複数回開閉動作させ、当り条件を充足する抽選結果が抽選される確率を通常時の確率よりも高確率にする確変第二特典と、当り条件を充足する抽選結果が抽選される確率を通常時の確率よりも高確率にしない普通第二特典とからなり、前記演出表示制御手段により変動表示された前記演出画像が、前記抽選結果を示唆する前記演出画像に停止表示された後に付与される第二特典、の何れかの特典を付与する特典付与手段と、
該特典付与手段によって特典の付与される確率が通常時の確率の時に、前記抽選手段の抽選にかかる抽選結果が、所定の確変条件として、前記確変第一特典、又は前記確変第二特典を充足していれば、前記特典付与手段によって特典の付与される確率を通常時の確率よりも高確率に変更し、該特典付与手段によって特典の付与される確率が通常時の確率よりも高確率の時に、前記抽選手段の抽選にかかる抽選結果が、所定の確変条件として前記普通第二特典を充足していれば、前記特典付与手段によって特典の付与される確率を通常時の確率に変更する確率変更手段と、
前記抽選手段の抽選に応じた抽選結果が前記当り条件を充足せず所定の開条件を充足すると、前記特典付与手段により付与される前記第一特典と略同様の開閉動作を前記大入賞口開閉手段にさせる小特典を、前記演出表示制御手段により変動表示された前記演出画像が、前記抽選結果を示唆する前記演出画像に停止表示される前に付与する小特典付与手段と、
遊技者に向かって前記演出表示手段の前方に配置され、前記大入賞口に受入れられた遊技媒体のみが進入可能とされると共に、進入した遊技媒体及び前記演出表示手段が視認可能とされた所定規模の空間を有する遊技媒体流通空間と、
該遊技媒体流通空間から遊技状態制御に関わらないように排出可能とされ、遊技媒体の受入れが遊技者に注目され易くした第一受入口と、
該第一受入口に受入れられなかった遊技媒体を受入れて前記遊技媒体流通空間から遊技状態制御に関わらないように排出可能とされ、前記第一受入口よりも遊技者に注目され難くした第二受入口と、
前記大入賞口の下方且つ前記第一受入口及び前記第二受入口の上方に配置され、前記大入賞口から前記遊技媒体流通空間内に進入した遊技媒体に、無動力で所定の運動エネルギーを付与する運動エネルギー付与手段と、
該運動エネルギー付与手段により運動エネルギーを付与された遊技媒体を、高反発性部材での反発、又は水平方向よりも上方向に転動、の何れかにより跳躍させる跳躍手段と、
該跳躍手段により跳躍された遊技媒体、又は前記運動エネルギー付与手段により運動エネルギーを付与された遊技媒体を、運動エネルギー減衰手段としての低反発性部材の物理的な変形により運動エネルギーを減衰させて捕捉すると共に、捕捉された遊技媒体を左右前後方向に転動可能な転動面を有し、該転動面上に前記第一受入口が開口する捕捉手段と、
前記運動エネルギー付与手段により付与可能な運動エネルギーを調節可能とされ、前記運動エネルギー減衰手段を備えた傾斜面と、該傾斜面に供給された遊技媒体を下方へ流出させる流出部とを備えた付与エネルギー調節手段と、
前記捕捉手段を挟んで少なくとも二つの前記跳躍手段を配置し、遊技媒体が前記捕捉手段に対し一方側の前記跳躍手段から前記捕捉手段を飛び越すように他方側の前記跳躍手段まで跳躍し更に他方側の該跳躍手段から跳躍して前記捕捉手段に至る第一跳躍流路と、
該第一跳躍流路とは異なり、遊技媒体が前記付与エネルギー調節手段を介し前記捕捉手段に対して一方側又は他方側の何れかの前記跳躍手段から前記捕捉手段を飛び越さずに直接捕捉されるように跳躍して該捕捉手段に至る第二跳躍流路と、
前記第一跳躍流路、及び前記第二跳躍流路とは異なり、遊技媒体が前記跳躍手段を介さずに前記捕捉手段に至る特別流路と、
前記大入賞口と前記運動エネルギー付与手段との間に配置され、前記抽選手段の抽選に応じた抽選結果が前記確変第一特典であると、前記大入賞口から前記遊技媒体流通空間内に進入した遊技媒体を一つだけ前記第一跳躍流路、前記第二跳躍流路、及び前記特別流路のうち遊技媒体が最も前記第一受入口に受入れられる割合が高くされた流路に誘導する誘導手段と
を具備する」ものであることを特徴とする。
手段6の構成によると、遊技領域内の異なる位置に配置され、遊技媒体を受入可能とされた始動口、及び大入賞口と、大入賞口に遊技媒体が受入可能となるように開閉動作をする大入賞口開閉手段と、少なくとも大入賞口への遊技媒体の受入れにより所定数の遊技媒体を払い出す払出手段と、演出画像を表示可能な演出表示手段と、始動口への遊技媒体の受入れに基づいて所定の抽選をする抽選手段と、抽選手段の抽選にかかる抽選結果に応じて、演出表示制御手段に演出画像を変動表示させた後にその抽選結果を示唆する演出画像を停止表示させる演出表示制御手段と、抽選手段の抽選にかかるに応じた抽選結果が所定の当り条件を充足すると、変動表示された演出画像が抽選結果を示唆する演出画像に停止表示される前に、大入賞口開閉手段を複数回開閉動作させて、当り条件を充足する抽選結果が抽選される確率を通常時の確率よりも高確率にする確変第一特典のみからなる第一特典、又は、変動表示された演出画像が抽選結果を示唆する演出画像に停止表示された後に、第一特典よりも大入賞口への遊技媒体の受入れ数が多くなるように大入賞口開閉手段を複数回開閉動作させると共に、当り条件を充足する抽選結果が抽選される確率を通常時の確率よりも高確率にする確変第二特典と、当り条件を充足する抽選結果が抽選される確率を通常時の確率よりも高確率にしない普通第二特典とからなる第二特典、の何れかの特典を付与する特典付与手段と、特典付与手段によって特典の付与される確率が通常時の確率の時に、確変第一特典又は確変第二特典が抽選されると通常時の確率よりも高確率に変更し、特典付与手段によって特典の付与される確率が通常時の確率よりも高確率の時に、普通第二特典が抽選されると通常時の確率に変更する確率変更手段と、
抽選手段の抽選に応じた抽選結果が当り条件を充足せず所定の開条件を充足すると、変動表示された演出画像が抽選結果を示唆する演出画像に停止表示される前に、第一特典と略同様の開閉動作を大入賞口開閉手段にさせる小特典を付与する小特典付与手段と、演出表示手段の前方に配置し、大入賞口に受入れられた遊技媒体のみが進入可能とされると共に進入した遊技媒体及び演出表示装置が遊技者から視認可能とさた所定規模の空間からなる遊技媒体流通空間と、遊技媒体流通空間から遊技媒体を遊技状態制御に関わらないように排出可能とされ遊技媒体の受入れを注目され易くした第一受入口と、第一受入口に受入れられなかった遊技媒体を排出可能とされ遊技媒体の受入れを第一受入口よりも注目され難くした第二受入口と、大入賞口と第一受入口及び第二受入口との間に配置され大入賞口からの遊技媒体に運動エネルギーを付与する運動エネルギー付与手段と、運動エネルギーを付与された遊技媒体を高反発性部材によって跳躍させる跳躍手段と、遊技媒体の運動エネルギーを低反発性部材からなる運動エネルギー減衰手段によって減衰させることで遊技媒体を捕捉し第一受入口を有した捕捉手段と、遊技媒体に付与される運動エネルギーを調節可能な付与エネルギー調節手段と、捕捉手段を挟むように複数の跳躍手段を配置した上で、一方の跳躍手段により跳躍することで捕捉手段を飛び越してから他方の跳躍手段で再度跳躍して捕捉手段に捕捉される第一跳躍流路と、捕捉手段を飛び越さずに何れかの跳躍手段で跳躍して捕捉手段に捕捉される第二跳躍流路と、跳躍手段では跳躍せずに捕捉手段に捕捉される特別流路と、大入賞口と運動エネルギー付与手段との間に配置され、抽選結果が確変第一特典の時に、第一跳躍流路、第二跳躍流路、及び特別流路のうち遊技媒体が第一受入口に受入れられ割合を最も高くした流路に誘導する誘導手段とを備えたものである。
換言すると、遊技媒体が始動口に受入れられると所定の抽選が行われ、その抽選にかかる抽選結果が当り条件を充足すると共に確変条件によって、確変第一特典(「確変小当り」)、確変第二特典(「確変大当り」)、普通第二特典(「非確変大当り」)の何れかの特典が付与され、当り条件を充足せずに開条件を充足すると小特典(「小当り」)が付与される。その際に、確変第一特典又は小特典が抽選された場合は演出画像の変動表示中に大入賞口開閉手段が開閉動作して該当する特典の付与が行われ、確変第二特典又は普通第二特典が抽選された場合は演出画像の変動停止表示後に大入賞口開閉手段が開閉動作して該当する特典の付与が行われる。また、確変第一特典又は確変第二特典が抽選されると、その特典の付与後に、抽選確率を通常時よりも高確率に変更し、普通第二特典が抽選されるまで高確率の状態が維持される。一方、確変第一特典又は小特典が抽選されると、何れも大入賞口開閉手段の開閉回数が少ない同様の開閉動作をし、その際に大入賞口に遊技媒体を受入れさせて遊技媒体流通空間内へ進入させると、抽選結果が確変第一特典つまり「確変小当り」であれば、第一跳躍流路、第二跳躍流路、及び特別流路のうち、第一受入口に遊技媒体が受入れられる割合が最も高い流路に遊技媒体を誘導した後に、遊技媒体が遊技媒体流通空間から排出されると、抽選確率を高確率に変更するものである。
これにより、遊技媒体の始動口への受入による抽選によって、確変第一特典(「確変小当り」)が抽選されると、大入賞口開閉手段の開閉動作の際に大入賞口に受入れられた遊技媒体が、遊技媒体流通空間内の第一受入口に受入れられるような流路に誘導されるので、あたかも遊技媒体が第一受入口に受入れられたことで、抽選確率が高確率に変更されたように思わせることができ、従来のような「確変小当り」である可能性が高いことを示唆する演出画像を用いたものと比較して遊技媒体が第一受入口に受入れられるのを直接見せるので、確実に「確変小当り」であると遊技者に認識させることができ、物理的な安心感を与えて、興趣が低下するのを抑制することができる。
また、確変第一特典(「確変小当り」)及び小特典(「小当り」)の抽選による大入賞口開閉手段の開閉動作の際に、遊技媒体が大入賞口に受入れられると、遊技媒体流通空間内に進入し誘導手段を介して、運動エネルギーの付与された遊技媒体が、一方の跳躍手段による跳躍で第一受入口を有した捕捉手段を飛び越してから他方の跳躍手段で再度跳躍して捕捉手段の運動エネルギー減衰手段によって捕捉される第一跳躍流路、遊技媒体が捕捉手段を飛び越さずに跳躍手段で跳躍して捕捉手段の運動エネルギー減衰手段によって捕捉される第二跳躍流路、及び跳躍手段では跳躍せずに捕捉手段の運動エネルギー捕捉手段によって捕捉される特別流路の何れかの流路を流通するので、遊技媒体が何れの流路に誘導されても、跳躍したり落下したりするこれまでにない躍動感に溢れたダイナミックな動きを見せることができ、遊技者を充分に楽しませた後に、第一受入口に受入れられるか否かで、ワクワク、ドキドキさせて興趣の高められるものとすることができる。
なお、大入賞口に受入れられた遊技媒体が、第一跳躍流路に誘導されると、初めに遊技媒体を捕捉し損ねたように思わせてから捕捉するので、遊技者をよりハラハラ、ドキドキさせることが可能となり、一喜一憂させて興趣がより高められるようにすることができる。また、第二跳躍流路に誘導されると、付与エネルギー調節手段において一旦遊技媒体の動きが遅くなってから跳躍するので緩急に富んだ動きとなり興趣が低下するのを抑制することができる。更に、特別流路に誘導されると、遊技媒体が跳躍せずに直接捕捉手段に捕捉され、これまでにない大きな動きをすると共に、遊技媒体が一気に第一受入口のある捕捉手段に到達するので、いきなりチャンスが到来したような感覚を持たせることが可能となり、より興趣の高められるものとすることができる。
更に、誘導手段によって、第一跳躍流路、第二跳躍流路、及び特別流路の何れかの流路に遊技媒体が誘導されるので、何れの流路に誘導されるかで、遊技者をワクワク、ドキドキさせることができると共に、抽選確率を変更すると判定されると、遊技媒体が第一受入口に受入れられる割合の最も高い流路に誘導されるので、該当する流路に誘導されるか否かによっても、期待感を持たせることができ、興趣を高められるものとすることができる。
また、遊技者は「確変小当り」が抽選されて抽選確率が高確率に変更されることを強く望み、第一受入口に遊技媒体が受入れられると抽選確率が変更されるような遊技媒体による演出をしているので、第一受入口に受入れられるのを期待させることができ、第一受入口に受入れられるか否かで、ハラハラ、ドキドキさせることが可能となり、遊技媒体が何れの流路を流通しても興趣を高めることができる。
また、確変第一特典(「確変小当り」)又は確変第二特典(「確変大当り」)が抽選されると、抽選確率が通常時の確率よりも高確率に変更され、通常第二特典(「非確変大当り」)が抽選されるまで、高確率の状態を維持させることができるので、「当り」が抽選される確率の高い状態が続き、連続して「大当り」が抽選される可能性が高くなり、より興趣を高められるものとすることができる。また、高確率の状態で小特典(「小当り」)が抽選されても、通常時の確率に変更せずに高確率の状態が維持されるので、「小当り」等の抽選によって興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、確変第一特典及び小特典が抽選された時は、図柄等の演出画像が変動表示中にその特典が付与され、第二特典(確変第二特典及び非確変第二特典)が抽選された時は、抽選結果を示唆する演出画像が停止表示されてからその特典が付与されるようにしているので、確変第一特典及び小特典が付与される時は、演出画像が変動表示されており、演出表示手段に遊技者を注目させることで、大入賞口開閉手段が開閉動作したことを気づき難くすることができ、特に、確変第一特典が抽選されてその特典の付与後に抽選確率が変更されると、予告無しに突然、抽選確率が変更されたように思わせることが可能となり、得した気分にさせて興趣を高められる効果を期待することができる。
なお、確変第一特典や小特典が抽選された時に、その抽選結果を示唆するために停止表示される演出画像を、「ハズレ」を示唆する、或いは、「確変小当り」かも知れないことを示唆する表示としても良く、これにより、演出表示手段による演出画像だけでは、抽選結果を確実に認識することができなくなり、遊技媒体の払い出しが期待できない「小当り」による興趣の低下を抑制することができると共に、大入賞口開閉手段が開閉動作した際に大入賞口へ遊技媒体を受入れさせることで、遊技媒体流通空間内での遊技媒体の誘導先に対する期待感を高めることができ、遊技媒体の動きを楽しませて興趣の高められるものとすることができる。
また、演出表示手段を遊技媒体流通空間の後方に配置しているので、跳躍したり落下したりする遊技媒体により演出画像が遮られるような従来の遊技機では見られない遊技媒体の動きや演出画像を見せることが可能となり、飽き難くして遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。また、遊技媒体が演出表示手段の前面を通るので、遊技領域全体を使って遊技媒体を流下させることが可能となり、演出表示手段の大きさに関わらず、より遊技者に目立つように遊技媒体に大きな動きをさせることができ、より興趣の高められる遊技媒体の動きを実現することができる。
更に、運動エネルギー付与手段により運動エネルギーの付与された遊技媒体が、運動エネルギー減衰手段によってその運動エネルギーを減衰させられるので、遊技球が前後左右方向に跳ねることがなく、特に後方に演出表示手段を配置しても、遊技媒体が当接することはなく、演出表示装置が破損するのを防止することができる。
なお、演出表示手段の前面で遊技媒体を流通させても、演出画像全体が遊技媒体により遮られることはなく、遊技者に演出画像を確実に認識させることができ、遊技媒体の動きと、演出画像の演出との両方を楽しませることができる。また、演出表示手段に、その前面で跳躍したり落下したりする遊技媒体の動きと、略同調するような演出画像を表示させるようにしても良く、遊技媒体と演出画像によるコラボレーションを遊技者に楽しませることが可能となり、より興趣の高められるものとすることができる。
また、確変第一特典(「確変小当り」)と同様の動作をする小特典(「小当り」)を備えているので、演出画像の変動表示中に大入賞口開閉手段が開閉動作しても、その開閉動作が確変第一特典(「確変小当り」)によるものであるのか、小特典(「小当り」)によるものであるのかを不明確なものとすることができる。これにより、「小当り」のない遊技機と比較して、大入賞口開閉手段の開閉動作が、確変第一特典(「確変小当り」)によるものであるか否かで、遊技者をワクワク、ドキドキさせることができると共に、大入賞口開閉手段の開閉動作が「確変小当り」か「小当り」なのか不明確としており、「確変小当り」が抽選されると、突然、高確率に変更されたようになるので、得した気分にさせることができ、より興趣の高められるものとすることができる。なお、第一特典(「短当り」)は、確率を変更する確変第一特典(「確変小当り」)のみとしているので、確率を変更しない第一特典を設けても、小特典(「小当り」)との区別が付かず、その効果が望めないと共に、確率を変更しない第一特典の存在により遊技にかかる制御が増えて、主基板での付加が増加して遊技の中断などの不具合の発生原因となる恐れを回避させることができる。
ところで、予め「当り」と「ハズレ」の割合が決められている場合、「当り」の中に小特典(「小当り」)を設けると、相対的に第一特典(「短当り」)及び第二特典(「大当り」)の割合が減少し、「大当り」が抽選される確率が低くなるので、有利遊技状態が発生し難くなり、興趣を低下させてしまう問題がある。しかしながら、本手段では、「ハズレ」の中に小特典を設けているので、第一特典(「短当り」)及び第二特典(「大当り」)の割合が減少するのを防止することができ、有利遊技状態が発生し難くなるのを防止することができると共に、小特典が第一特典と同様の動作をするので、あたかも第一特典が増加したようになる。つまり、「当り」の割合が増加したようにすることができるので、「当り」易く思わせて、興趣の高められるものとすることができる。
手段7:手段1から手段6までの何れか一つの遊技機において、
パチンコ機であることを特徴とする。
ここで、パチンコ機とは、遊技者が遊技機に投入する媒体である投入媒体と、遊技者が行う実質的な遊技に用いられる媒体である遊技媒体とを同一のものとした遊技機であり、投入された例えば遊技球等の媒体を用いて遊技が行われるタイプの遊技機の一種である。具体的には、「操作ハンドルの操作に対応して遊技球を発射する発射装置と、多数の障害釘、役物、表示手段等の適宜の機器が組み込まれたり、始動入賞口、大入賞口、通過口、到達口等の遊技球が入球する適宜の入球口が設けられた遊技領域と、発射装置から遊技領域に遊技球を導くレールと、遊技領域に導かれた遊技球の入球口への入球に応じたり、複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出す払出手段とを具備するもの」である。
なお、パチンコ機としては、種々のタイプのものがあり、一般に「デジパチ機」と称されるものに代表される「入球口への入球状態を検出する入球状態検出手段(遊技状態検出手段として捉えることもできる)と、入球状態検出手段によって入球が検出されると所定の抽選を行う抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて特別図柄を変動させると共に変動を停止させる特別図柄表示手段とを備えたもの」や「加えて、特別図柄の変動中に、複数の図柄からなる図柄列を変動表示し、図柄列にて図柄を停止表示させたり、キャラクタや種々の物品等の表示物を描写し、表示物を動作させたりする等によって適宜の演出表示を行う演出表示手段を更に具備するもの」、一般に「ハネモノ機」と称されるものに代表される「役物内での遊技球の振分けによって抽選を行う抽選手段を備えたもの」、一般に「アレパチ機」と称されるものに代表される「例えば16個等の所定個数の遊技球により1ゲームが行われ、1ゲームにおける複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて所定個数の遊技球の払出しを行うもの」等を例示することができる。
手段7の構成によると、パチンコ機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
手段8:手段1から手段6までの何れか一つの遊技機において、
パチスロ機であることを特徴とする。
ここで、パチスロ機とは、投入媒体であるメダルを投入し、メダルの投入後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作によって、夫々複数の図柄が描かれた複数のリールを回転させる等して、各リール等によって構成された図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて各図柄列の変動表示を停止させる、といった遊技が遊技者によって行われるものである。換言すれば、停止操作機能付きのスロットマシーンとして捉えることができるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動表示を停止させるものであってもよい。そして、各図柄列の変動表示の停止時において、表示された単体の図柄が特定の図柄であったり、各図柄列にて表示された図柄の組合わせが特定の組合せであったりする等、特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができる遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
手段8の構成によると、パチスロ機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
手段9:手段1から手段6までの何れか一つの遊技機において、
パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなることを特徴とする。
ここで、「パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機」とは、複数個(例えば5個)の遊技球を1単位の投入媒体とし、投入媒体を投入した後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動表示を停止させるものであってもよい。そして、各図柄列の変動表示の停止時において、表示された単体の図柄が特定の図柄であったり、各図柄列にて表示された図柄の組合わせが特定の組合せであったりする等、特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができる遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
手段9の構成によると、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
このように、本発明によれば、予め決められた遊技状態の変化を、所定の受入口への遊技媒体の受入れによりあたかも遊技状態が変化したように見せることで、物理的な安心感を与えて、興趣が低下するのを抑制することのできる遊技機を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、図面に基づいて詳細に説明する。
[パチンコ機の全体構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
図1はパチンコ機の前側全体を示す正面図であり、図2はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1及び図2においては遊技領域における装飾部材を省略して示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4、及び遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について] 図1及び図3に基づき説明する。
図3はパチンコ機の本体枠と遊技盤とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12及び機構装着体13を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図2参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。そして、前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピン及びヒンジ孔によって開閉回動可能に装着されている。すなわち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピン及びヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そして、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。また、前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。また、前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。また、前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が装着されている。サイド装飾装置52は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている。音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。また、上皿51の左側には、遊技者が操作可能なボタン59が設けられている。
[施錠装置の構成について] 図2及び図3に基づき説明する。
前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。すなわち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11及び下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75とを備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠の構成について] 図2乃至図4に基づき説明する。
図4はパチンコ機の後側全体を示す背面図である。
図2及び図3に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図9参照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
一方、図4に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えたボックス装着台91が設けられている。このボックス装着台91には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板92が収納された副制御基板ボックス93が装着され、その副制御基板ボックス93の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板94が収納された主制御基板ボックス95が装着されている。さらに、遊技盤5の後側に対しボックス装着台91、副制御基板ボックス93及び主制御基板ボックス95がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなくボックス装着台91、副制御基板ボックス93及び主制御基板ボックス95が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンク及びタンクレールの構成について] 図7及び図8に基づき説明する。
図7はパチンコ機の本体枠に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図8は本体枠単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部111、レール装着部112、及び払出装置装着部113等がそれぞれ形成され、タンク装着部111には球タンク114が装着されている。球タンク114は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク114の遊技球の貯留状態が球タンク114の後側壁を透して視認可能となっている。また、球タンク114の底板部115の後側隅部には遊技球を放出する放出口116が形成されるとともに、底板部115は放出口116に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部111に下方に接近してレール装着部112が一体に形成され、そのレール装着部112にレール構成部材117が装着されることでタンクレール118が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態において、レール装着部111は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール118の前壁部119とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図8に向かって左端)から他端(図8に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚120が形成されている。そして、レール棚120の横方向に延びる上向き面をレール受け部121としている。
レール装着部112に装着されてタンクレール118を構成するレール構成部材117は、レール装着部112の前壁部119との間にレール通路を構成する後壁部122と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材117は、レール装着部112に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール118が構成されている。そして、球タンク114の放出口116から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール118の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態において、レール構成部材117は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材117の後壁部122を透して視認可能となっている。
タンクレール118(レール装着部112)の前壁部119は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えば役物)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚120の後端と、タンクレール118の後壁部は、球タンク114の後側壁と略同一面をなしている。言い換えると、球タンク114の後壁部に対しタンクレール118の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール118が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール118の前壁部119との間に装備品(例えば役物)の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
また、タンクレール118の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体123がその上部において軸124を中心として揺動可能に装着されている。この整流体123には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部及び球払出装置の構成について] 図7及び図8に基づき説明する。
本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)125に対応する縦長の払出装置装着部113が形成されている。払出装置装着部113は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部113の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置125の払出用モータ126(図3参照)が突出可能な開口部127が形成されている。
払出装置装着部113の凹部に球払出装置125が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部113の周壁部後端、レール棚120の後端、球タンク114、タンクレール118及び球払出装置125のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置125は、払出装置装着部113の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、球払出装置125は、払出装置装着部113の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置125は、タンクレール118におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について] 図3及び図4に基づき説明する。
本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図4に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを作動する発射モータ128等が取付基板129に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット130が装着されている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板131を収容する電源基板ボックス132が装着され、その電源基板ボックス132の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板133を収容する払出制御基板ボックス134が装着されている。払出制御基板133は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板94から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ126を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成について] 図4及び図5に基づき説明する。
図5はパチンコ機の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス135(図9参照)及び主制御基板ボックス95の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構成する払出装置装着部113の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体136がカバーヒンジ機構137によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体136は、略四角形状の後壁部138と、その後壁部138の外周縁から前方に向けて突出された周壁部139とから一体に構成されている。後カバー体136の周壁部139のうち、一側の壁部139aには、機構装着体13の側壁部の上下及び中間の計3箇所に形成されたヒンジ体140のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれるヒンジピン141を下向きに有するヒンジ体142が一体に形成されている。また、後カバー体136の周壁部139のうち、他側の壁部139bには、払出装置装着部113の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体143が一体に形成されている。
すなわち、後カバー体136は、その上下及び中間のヒンジ体142の各ヒンジピン141が機構装着体13の側壁部のヒンジ体140のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれる。この状態で、ヒンジピン141を中心として後カバー体136が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体143を払出装置装着部113の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体136が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体136によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス135(図9参照)全体及び主制御基板ボックス95の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体136によって覆われるようになっている。これによって、主制御基板ボックス95の上部に露出された主制御基板94の基板コネクタ(主として表示装置制御基板と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス95の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体136によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス95の下部には、その主制御基板94上に配置された検査用コネクタ144が露出されており、後カバー体136が閉じられた状態で主制御基板94上の検査用コネクタ144に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体136には、多数の放熱孔145、146、147、148が貫設されており、これら多数の放熱孔145、146、147、148から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体136には、その周壁部139から後壁部138に延びる多数のスリット状の放熱孔145が貫設され、後壁部138の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔146が貫設され、後壁部138の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔147と所定数の横長四角形状の放熱孔148が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔148は、主制御基板ボックス95の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部149の列の大きさ及び配設位置に対応する大きさ及び位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体136が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス95の複数の並列状の封印部149が放熱孔148の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体136が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス95の封印部149の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体136を安価に製作することができる。
後カバー体136の周壁部139のうち、上側壁部139cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体150が上方のタンクレール118の後壁面(レール構成部材117の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体150の先端部には、同コード保持体150を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板151の基板コネクタ152に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体136にコード保持体150を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機1を運搬、保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について] 図1及び図6に基づき説明する。
図6は、図5に示すパチンコ機の斜視図から後カバー体及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体153が装着されている。この下皿用球誘導体153は、球払出装置125の賞球及び貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体153の後壁外面には、インタフェース基板154を収納している基板ボックス155が装着されている。なお、インタフェース基板154は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と払出制御基板133との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板133との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[遊技盤及び遊技領域の構成について] 図10乃至図13に基づき説明する。
図10は遊技領域の構成を示す拡大正面図であり、図11は遊技領域の要部を示す斜視図であり、図12は役物内における遊技媒体を動きを説明する説明図であり、図13は役物における振分手段を概略構成で示す斜視図である。
遊技盤5には、上述した通り外レール76、及び内レール77からなる案内レール78が備えられており、この案内レール78の内側には、遊技領域37が区画形成されている。この遊技領域37には、その略中央部分に役物210が配設されていると共に、役物210の後方に、前方から視認可能とされた演出表示装置211が備えられている。この役物210の左側には、ゲート212が設けられており、このゲート212には、図示は省略するがゲート212を通過した遊技球を検出するゲートスイッチが設けられている。
また、遊技領域37には、役物210の中央下方には、可変入賞装置213が配設されている。この可変入賞装置213は、上方から遊技球が入賞可能な第一始動口214と、第一始動口214の下方に設けられた第二始動口215と、第一始動口214に入賞した遊技球を検出する第一始動口スイッチと、第二始動口215に入賞した遊技球を検出する第二始動口スイッチと、第二始動口215の両側に配置されソレノイド(図示は省略する)により下部を支点として回動可能な一対の可動片216とを備えている。
この可変入賞装置213における第二始動口215は、通常、上方に位置する第一始動口214と、第二始動口215の両側に位置する可動片216により塞がれて遊技球が入賞不可能な閉塞状態となっており、図示しないソレノイドを可動して一対の可動片216が拡開するように回動させ、遊技球が左右方向から入賞可能な開放状態に制御する。この可動片216の開閉制御は、ゲート212を遊技球が通過してゲートスイッチによって検出されたことに基づいて、制御されるようになっている。なお、本例では、第一始動口214に遊技球が入賞し、第一始動口スイッチによって検出されたことに基づいて所定数(例えば、3個)の遊技球の払い出しが行われ、第二始動口215に遊技球が入賞し、第二始動口スイッチによって検出されたことに基づいて所定数(例えば、4個)の遊技球の払い出しが行われる。
また、遊技領域37には、その最下部に、流下していずれの入賞口や入賞装置にも入賞しなかった遊技球を遊技領域37から排出するアウト口217が設けられている。また、遊技領域37には、上方から遊技球が入賞可能な複数の一般入賞口218も設けられ、一般入賞口218に遊技球が入賞したことに基づいて所定数の遊技球の払い出しが行われる。なお、一般入賞口218に入賞した遊技球は一般入賞口スイッチ(図示は省略する)によって検出され、一般入賞口218に遊技球が入賞し、一般入賞口スイッチによって検出されたことに基づいて所定数(例えば、10個)の遊技球の払い出しが行われる。
更に、遊技領域37には、多数の障害釘が所定のゲージ配列をなして設けられていると共に、適宜位置に風車219が設けられており、遊技球の流下方向を変化させて、遊技球の挙動が面白くなるようにしている。
本例の役物210は、図示するように、後方に配置された演出表示装置211が前方から視認可能となるように、全体として額縁状(枠状)に構成されており、その枠内を通して演出表示装置211が前方から視認可能となっている。また、役物210には、その枠の前面に透明な前面板220が備えられ、前面板220と演出表示装置211との間に所定規模の流通空間221が形成されていると共に、この前面板220によって遊技盤5の前面の遊技領域37と流通空間221とが互いに隔てられ、遊技領域37と流通空間221との間を遊技球の行き来が阻止されている。
この役物210は、岩等を模した装飾体が形成されており、役物210のデザインによってパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等が特徴付けられている。具体的には、本例では、遊技球をゴルフボールに見立てて、その流通空間221内にフェアウエイやグリーン、カップ等に相当する装飾体を配置し、全体としてゴルフ場をイメージした役物210となっている。
この役物210の上縁部には、アタッカ装置230が配置されており、アタッカ装置230は、遊技球が進入可能な大入賞口235(図12参照)と、大入賞口235を閉鎖する横長の矩形状に形成された開閉部材231と、具体的な構造は省略するが開閉部材231を開閉動作させるためのアタッカソレノイド324(図14参照)とから構成されている。このアタッカ装置230には大入賞口235に入賞した遊技球をカウントするカウントセンサ319(図14参照)が備えられており、カウントセンサ319に検出された遊技球が流通空間221内に進入するようになっている。
また、アタッカ装置230は、遊技球が第一始動口214や第二始動口215への入賞によって「大当り」、「短当り」や「小当り」が抽選されると、夫々の当りに応じて開閉部材231が所定の開閉動作をし、開閉部材231が開状態の時に遊技球が大入賞口235に入賞すると、所定数(例えば、14個)の遊技球が払い出されるようになっている。なお、アタッカ装置230の大入賞口235には、「大当り」や「短当り」の時に、遊技球の受入れにより大当り遊技を継続させるV入賞口236が設けられており、V入賞口236に受入れられた遊技球もカウントセンサ319により検出されるようになっている。
ここで、「大当り」、及び「短当り」とは、アタッカ装置230の開閉部材231を開状態として、その間に所定数の遊技球が大入賞口235に入賞するか、又は所定時間経過すると開閉部材231を閉状態とし、その開閉部材231の開閉動作を複数回繰り返すことで、遊技球が大入賞口235に入賞し易くしてより多くの遊技球が払い出されるようにするものであり、開閉部材231の一回の開閉動作を1ラウンドと呼ぶものである。特に、「短当り」は、「大当り」よりも開閉部材231が開状態となる時間が短いと共に、開閉動作を繰り返すラウンド数が少なく(例えば、2〜3ラウンド)、大入賞口235に殆んど遊技球が入らないような「当り」である。
なお、本実施形態では、「大当り」の場合は、開閉部材231が開状態の時に大入賞口235に所定数として例えば10個の遊技球が入賞するか、又は所定時間として例えば30秒経過すると1ラウンドとして開閉部材231を閉状態とし、そのラウンドを、例えば8ラウンド又は16ラウンド繰り返すものである。また、「短当り」の場合は、開閉部材231を例えば0.1〜2秒間、開状態とした後に閉状態とし、このラウンドを例えば2ラウンド繰り返すものであり、「大当り」と比較して「短当り」は蓋然的に大入賞口235に入賞させる機会が少なく、遊技球の払い出しが少ないものとなっている。
また、「小当り」とは、アタッカ装置230の開閉部材231が、「短当り」と同様の開閉動作をするものであり、アタッカ装置230における開閉部材231の開閉動作だけでは「短当り」と「小当り」の区別が略付かないようになっている。また、「小当り」の時には大入賞口235のV入賞口236が無効化されており、V入賞しないようになっている。
更に、抽選結果が「小当り」及び「短当り」の時は、「大当り」の時と比較して、アタッカ装置230の開閉部材231が、短時間且つ少回数だけ開閉動作するので、演出表示装置211に図柄等からなる演出画像が変動表示することで、アタッカ装置230の開閉動作に気付き難いようになっている。
なお、本例では、「大当り」及び「短当り」には、「大当り」及び「短当り」が抽選される確率を、次回の抽選から通常時の確率よりも高確率に変更する「確変大当り」及び「確変短当り」(以下、「確変小当り」と称す)と、高確率に変更しない「非確変大当り」とを夫々有している。
また、この役物210は、アタッカ装置230の下側に、役物210の上部に供給された遊技球を役物210の左右へと導く誘導棚233とが備えられている(図10及び図12参照)。この誘導棚233は、アタッカ装置230の直下が最も高くなるような緩い円弧状の誘導面を有し、本例では、岩を模した装飾体とされている。
この、誘導棚233により導かれる図中右側の誘導路は、役物210の内部と言うよりは、役物210の表面を遊技球が流下するような流路であり、流通する遊技球がジグザグに流下するように千鳥状に障害部234が複数配置されているものである。これら障害部234の遊技球と当接する当接部には、後述する低反発性部材が用いられており、遊技球が不用に跳ね回るのを防止して、滑らかに流下するようになっている。この障害部234は、滝の途中に水面から突出したような岩を模した装飾体とされており、遊技球と当接する低反発性部材の部分がゴルフ場におけるフェアウエイに見立てたものとされている。なお、障害部234の配置された誘導路を流通する遊技媒体が、アタッカ装置230の大入賞口235から進入する流通空間221内へは流通しないようになっている。
また、役物210には、その流通空間221内に複数の遊技球の流路が形成されており、アタッカ装置230の大入賞口235から進入した遊技球を何れかの流路に振り分ける振分装置240を更に備えている。この振分装置240は、図13に示すように、大入賞口235から進入した遊技球を受けると共に、その底部に遊技球が通過可能な複数(本例では三つ)の通孔241が穿設された皿状の受部242と、受部242の各通孔241に対応し遊技球を各流路に誘導する誘導部243と、具体的な構成は省略するが受部242の傾きを変化させることのできる振分駆動手段244(図14参照)とから構成されている。本例では、誘導部243が、演出表示装置211の前面で且つその上縁部よりやや下方に下がった位置に配置されている。
詳しくは、受部242の底部には、その前方左側に第一通孔241a、前方右側に第二通孔241b、中央後方に第三通孔241cが夫々穿設されておる。また、それら通孔241に対応した誘導部243は、第一通孔241aと対応し遊技球を役物210内部の左縁部に誘導する第一誘導部243a、第二通孔241bと対応し遊技球を役物210内部の右縁部に誘導する第二誘導部243b、第三通孔241cと対応し遊技球を役物210の略中央に誘導する第三誘導部243c、とされている。
この振分装置240では、受部242や誘導部243が夫々透光性を有する(例えば、透明)素材により形成されており、振分装置240内の遊技球を外部から視認することができ、振り分けられる遊技球を見せることで期待感を持たせられるようになっている。なお、受部242へ供給される遊技球を、受部242内でその周方向に回転するように供給させるようにしても良く、遊技球がルーレットの如く回転することで興趣を高めることができる。
また、この振分装置240では、各通孔241が夫々受部242の周方向に略均等に配置されていると共に、夫々略同じ大きさとされているので、受部242が略水平状態の時には受部242に供給された遊技球が夫々の通孔241を通過する確率は夫々1/3となっていると共に、振分駆動手段244の駆動により受部242を傾斜させることで、第三通孔241cに振り分けられる確率が他の通孔よりも高くなるようになっている。なお、通孔241の配置を変更したり、大きさを互いに異ならせたりしても良く、これにより、遊技球が各通孔241を通過する確率を互いに異ならせることができる。
この役物210には、振分装置240により各流路に振り分けられた遊技球に、各流路に応じて種々の動きを付与させて遊技者を楽しませる様々なギミックが備えられている。その一つとして遊技球を跳躍させることのできる跳躍装置250を備えおり、本例では、跳躍装置250は、遊技球自身の持つ運動エネルギーを利用して遊技球を跳躍させるもので、電気等による駆動力を必要としないものである。
この跳躍装置250には、所定速度で転動する遊技球の移動方向を水平方向以上の方向に接触誘導させることで遊技球を跳躍させる第一跳躍装置250a、高反発性部材で遊技球を反発させることで遊技球を跳躍させる第二跳躍装置250b及び第三跳躍装置250c、が含まれている。本例では、跳躍装置250が演出表示装置211の前面且つ下縁部付近に夫々配置され、第一跳躍装置250aと第二跳躍装置250bが互いに対向するように左右方向に所定距離離反して配置されていると共に、第二跳躍装置250bの近傍に第三跳躍装置250cが配置されている。
第一跳躍装置250aは、図10乃至図12に示すように、岩を模した装飾体からなり、上方が開放され遊技球が転動可能な所定の幅を有した湾曲状の誘導面251を有しており、所定の初速度で遊技球をこの誘導面251に供給すると、遊技球が誘導面251に沿って転動し、その開放端から放出されることでジャンプするように跳躍させることができるようになっている。
また、第二跳躍装置250b及び第三跳躍装置250cは、図示するように、略平面に形成された反発面252を有しており、この反発面252に遊技球が衝突(当接)することで高反発性部材の反発力によって遊技球を跳躍させることができると共に、各第二跳躍装置250b及び第三跳躍装置250cに供給される遊技球の速度や移動方向、遊技球の跳躍先等の条件に応じて夫々の反発面252の向きや角度が適宜選択されている。
これら第二跳躍装置250b及び第三跳躍装置250cは、岩を模した一つの装飾体とされ、それらの反発面252がゴルフ場におけるフェアウエイに見立てられている。また、第二跳躍装置250b及び第三跳躍装置250cを有した装飾体には、右側の誘導棚233から流出した遊技球が流下する誘導路内に配置された障害部234の一つが、一体に形成されている。
なお、第一跳躍装置250aには、振分装置240において第一誘導部243aに振り分けられた遊技球を受け取って誘導面251の開放端とは反対側の端部に供給する誘導スロープ253が接続されており、この誘導スロープ253を遊技球が転動落下することで所定量の運動エネルギーが付与されて、遊技球が第一跳躍装置250aによって確実に跳躍するようになっている。また、高反発性部材として、ゴム、バネ(金属製、樹脂製など)、等の弾性部材を適宜用いることができ、本例では、高反発性樹脂が用いられている。
また、役物210には、流通空間221内に進入した遊技球に所定の動きを付与して遊技者を楽しませるものとして、役物210内部の下縁部で、且つ、第一跳躍装置250aと第二跳躍装置250bとの間に配置され、遊技球を左右前後方向に転動可能なステージ260を更に備えている。
このステージ260は、役物210の流通空間221内に供給された遊技球の運動エネルギーを減衰させると共に、前後左右方向に遊技球を転動可能とされた第一ステージ261と、第一ステージ261の下方に配置され所定幅を有し遊技球を左右方向に転動可能とされた第二ステージ262とから構成されている。
第一ステージ261は、平面視、扇状に形成された捕捉転動面263(図11参照)と、捕捉転動面上263に開口する第一受入口264とで構成されており、捕捉転動面263が正面視では左右方向の中央が窪んだ緩い円弧状とされると共に、高さの異なる複数段(本例では三段)の転動面からなり、捕捉転動面263における最下段の転動面の略中央に第一受入口264が設けられている。この第一ステージ261は、ゴルフ場におけるグリーン見立てられており、第一受入口264がグリーン上に設けられたカップに相当している。なお、この第一ステージ261の捕捉転動面263は、低反発性部材により形成されており、当接(衝突)した遊技球の運動エネルギーを減衰させることができるようになっている。また、捕捉転動面263上に第一受入口264に受入れられた遊技球は、排出センサ322(図14参照)に検出された後に、遊技状態制御に関わらないように、遊技領域37に戻されることなく、パチンコ機1の外部へ排出されるようになっている。
この第一ステージ261は、供給された遊技球の運動エネルギーをその物理的な変形により減衰させることで、その捕捉転動面263上で遊技球が弾んだり跳ねたりするのを防止して、その面形状に沿うように遊技球を転動させることができ、供給された遊技球がその上段の転動面から下段の転動面へ流下するような面形状となっており、最下段の転動面からは更に第二ステージ262へ流下するようになっている。この第二ステージ262の略中央には、第二受入口265が備えられており、第一受入口264に受入れられなかった遊技球を受入れて、排出センサ322により検出した後に、第一受入口264と同様に遊技状態制御に関わらないように、遊技領域37に戻すことなくパチンコ機1の外部へ排出するものである。
なお、第一ステージ261の捕捉転動面263は、遊技球の運動エネルギーをその物理的な変形により減衰させるものとして、「粘弾性を有したゴムや樹脂」、「発泡成形されたゴムや樹脂」、「液体や粘性流体を内包したもの」、「ゲル状物質を内包したもの」、「粉体又は粒状体を内包したもの」、「不織布」、「モケット」、「パイル織状物又はパイル状物」、等の低反発性部材を用いることができ、本例では、例えば、内外ゴム株式会社の「ハネナイト(登録商標)」が用いられている。
一方、第二ステージ262は、第一ステージ261から流下してきた遊技球を転動可能とし、その転動面の形状が、上方に開放された円弧形状とされると共に、特に中央部では緩い円弧形状とされ、遊技球が左右方向に転動し易いようになっている。
更に、役物210の流通空間221内には、第三跳躍装置250cの上方に配置され、振分装置240における第二誘導部243bの端部から放出(落下)された遊技球を一旦受け取って、その運動エネルギーを減衰させた上で、第三跳躍装置250cに落下供給させる棚状のミニステージ270を備えている。このミニステージ270は、上方から供給される遊技球と当接可能とされ低反発性部材からなる傾斜面271と、傾斜面271の下端付近に設けられ遊技球を下方に流出させる流出部272とを備えている。なお、流出部272は遊技球が通過可能な穴とされており、この流出部272を遊技球が通過することで遊技球の水平方向の運動エネルギーを無くすことができ、第三跳躍装置250cに安定して落下させることができるようになっている。
このミニステージ270は、上方から供給された遊技球が傾斜面271と当接することで、傾斜面271を構成する低反発性部材によりその運動エネルギーを減衰させ、殆んど傾斜面271上を弾むことなく遊技球を受け止めた上で、傾斜面271の傾斜に沿って遊技球をその下端に配置された流出部272へと転動させて、流出部272から遊技球を下方へ流出させるものである。つまり、ミニステージ270により落下する遊技球を一旦、受け止めてから下方に供給させるので、遊技球の動きにアクセントを付けることができ、その動きを楽しませることができるようになっている。
また、ミニステージ270により、遊技球の運動エネルギーを減衰させた上で第三跳躍装置250cに供給させることができるので、第三跳躍装置250cに供給される遊技球の運動エネルギーを均質化させて、遊技球の跳躍ムラが発生するのを防止できるようになっている。
このミニステージ270は、全体を岩に、傾斜面271をフェアウエイに、夫々模した装飾体とされ、右側の誘導棚233から流出した遊技球が流下する誘導路内に配置された障害部234の一つと一体に形成されている。
なお、ミニステージ270を役物210の流通空間221内において、上下方向に移動可能とするようにしても良く、これにより、ミニステージ270と第三跳躍装置250cとの高低差を変化させることで、第三跳躍装置250cに供給される遊技球の運動エネルギーが変化して、第三跳躍装置250cから第一ステージ261へ跳躍する遊技球の飛距離を変化させることが可能となり、遊技球が第一ステージ261の案内孔264に入球する確率を変化させることができ、より興趣の高められるものとすることができる。
本例の役物210では、演出表示装置211の上縁部に振分装置240を配置すると共に、演出表示装置211の下縁部に跳躍装置250やステージ260を配置しており、振分装置240と、跳躍装置250やステージ260との間に所定の高低差を設けることで、その間を流下(落下)する遊技球に重力を用いて所定の運動エネルギーを付与することができるようになっており、それらの高低差による運動エネルギーが、遊技球を各跳躍装置250において所望の跳躍となるように選択されている。なお、本例の高低差が本発明の運動エネルギー付与手段に相当している。
また、本例の役物210は、第一始動口214又は第二始動口215への遊技球の入賞により抽選される抽選結果が「確変小当り」の場合、振分装置240が、振分駆動手段244の駆動によって、アタッカ装置230の大入賞口235に入賞した遊技球を、特別流路に振り分けられるようにしており、「確変小当り」の時に大入賞口235に遊技球を入賞させると、第一受入口264に遊技球が受入れられる割合が高くなるようになっている。
なお、本例の演出表示装置211が本発明の演出表示手段に、本例の第一始動口214及び第二始動口215が本発明の始動口に、本例の流通空間221が本発明の遊技媒体流通空間に、本例のアタッカ装置230における開閉部材231が本発明の大入賞口開閉手段に、及び、本例の振分装置240が本発明の誘導手段に、夫々相当している。
また、本例の跳躍装置250が本発明の跳躍手段に、本例の誘導スロープ253が本発明の運動エネルギー付与手段に、本例の第一ステージ261及び転動捕捉面263が本発明の捕捉手段に、及び本例のミニステージ270が本発明の付与エネルギー調節手段に、夫々相当している。
(役物内での遊技球の流れについて)
次に、役物210内での遊技球の流れについて、詳細に説明する。図12にも示すように、役物210の上部に配置されたアタッカ装置230の大入賞口235に遊技球が入賞すると、振分装置240の受部242へと送られ、受部242の底部に穿設された三つの通孔241の何れから通孔241と対応する誘導部243へと送られる。
まず、遊技球が振分装置240において、第一通孔241aを通過して第一誘導部243aに振り分けられた場合、遊技球の流れとしては、遊技球が第一誘導部243aに沿って左側の端部へと転動し、その左端部から誘導スロープ253へと受け渡され、誘導スロープ253に受け渡された遊技球が、重力加速度により急激にその速度を速めると共に、誘導スロープ253に沿って下方に接続された第一跳躍装置250aに向かって転動する。そして、第一跳躍装置250aでは、その湾曲状の誘導面251に誘導されて、移動方向を上方に変更されて、誘導面251の開放端からジャンプするように跳躍する。
そして、第一跳躍装置250aから跳躍した遊技球が、第一ステージ261を飛び越して、演出表示装置211の前面側且つ右縁部付近に配置された第二跳躍装置250bへと跳躍する。この第二跳躍装置250bは、その反発面252の角度が、第一跳躍装置250aから跳んできた遊技球を反発させた場合に、反発した遊技球が第一ステージ261上に跳ぶような角度とされており、第一跳躍装置250aから跳んできた遊技球が第二跳躍装置250bにより跳躍して第一ステージ261上に落下し、第一ステージ261の捕捉転動面263を形成する低反発性部材により殆んど反発することなく第一ステージ261に供給されるような遊技球の流れとなる(第一跳躍流路)。
これにより、この第一跳躍流路では、遊技球が、第一ステージ261を飛び越した上で第二跳躍装置250bによって跳躍して第一ステージ261上に載るので、遊技球を可変入賞装置213の第一始動口214へ案内させる契機となる第一ステージ261を飛び越すような従来にない躍動感に溢れた遊技球の動きをさせることができ、飽き難くすることが可能となって、興趣が低下するのを抑制することができる。また、遊技球が第一ステージ261を飛び越してしまうので、遊技者に遊技球が第一ステージ261に載らなくて第一始動口214に案内されないように思わせて一瞬興趣を低下させることができ、その後、第二跳躍装置250bにより跳躍して第一ステージ261に載ることで興趣を高めることができ、遊技者をよりハラハラ、ドキドキさせることが可能となり、抑揚に富んだ興趣を高められるものとすることができる。
一方、遊技球が振分装置240において、第二通孔241bを通過して第二誘導部243bに振り分けられた場合、遊技球の流れとしては、遊技球が第二誘導部243bに沿って右側の端部へと転動し、その右端部から下方に配置されたミニステージ270へと落下する。このミニステージ270の傾斜面271に落下した遊技球は、傾斜面271を形成する低反発性部材により殆んど反発することなく傾斜面271に受け取られ、その傾斜面271に沿って下端へと転動する。そして、傾斜面271の下端に設けられた流出部272から第三跳躍装置250cに向かって落下する。
この第三跳躍装置250cも、その反発面252の角度が、ミニステージ270から落下した遊技球を反発させた場合、反発した遊技球が第一ステージ261上に跳躍するような角度とされており、ミニステージ270の流出部272を介して落下してきた遊技球が第三跳躍装置250cにより跳躍して第一ステージ261上に落下し、第一ステージ261の捕捉転動面263を形成する低反発性部材により殆んど反発することなく第一ステージ261に供給されるような遊技球の流れとなる(第二跳躍流路)。
これにより、この第二跳躍流路では、下方に落下する遊技球の落下途中で、遊技球がミニステージ270に載ることで、一旦、遊技球の落下が停止して静かな動きとなり、ミニステージ270から流出すると再び落下して速い動きとなり、第三跳躍装置250cで跳躍して第一ステージ261に載るような緩急があり躍動感のあるこれまでにない遊技球の動きをさせることができ、遊技者の興趣を高めることができる。
また、遊技球が振分装置240において、第三通孔241cを通過して第三誘導部243cに振り分けられた場合、遊技球の流れとしては、遊技球が第三誘導部243cから放出されると、役物210の略中央で、演出表示装置211の前面を、第一ステージ261に向かって一気に落下し、第一ステージ261の捕捉転動面263を形成する低反発性部材により殆んど反発することなく第一ステージ261に供給されるような流れとなる(特別流路)。
これにより、この特別流路では、上記の第一跳躍流路や第二跳躍流路と異なり、遊技球が跳躍することなく、一気に第一ステージ261へと落下供給されるため、遊技者にいきなりチャンスが到来したような感覚を持たせることが可能となり、より興趣の高められるものとすることができる。
ところで、大入賞口235から進入した遊技球は、何れの流路に振り分けられても第一ステージ261上に供給されるが、特別流路を介して第一ステージ261に供給された遊技球は、左右方向の運動エネルギーを殆んど有していないので、第一ステージ261上の第一案内口264に受入れられる確率が高くなる。それに対して、第一跳躍流路や第二跳躍流路を介して第一ステージ261に供給された遊技球は、左右方向の運動エネルギーが比較的大きいため、第一ステージ261上を左右方向に転動し易くなり、第一受入口264に受入れられる確率が低くなる。これにより、特別流路に遊技球が振り分けられると第一受入口264に受入れられる確率が高くなるようになっている。
一方、遊技球が第一ステージ261において、その第一受入口264に受入れられなかった場合、第一ステージ261から第二ステージ262へと流下し、第二ステージ262上を転動した後に、第二受入口265へと受入れられて、遊技領域37へ再度戻すことなくパチンコ機1の外部へと排出されるようになっている。
[主基板及び周辺基板の機能的構成について] 図14に基づき説明する。
図14はパチンコ機の制御構成を概略的に示すブロック図である。
パチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板310のグループと周辺基板311のグループとで分担されており、このうち主基板310のグループが遊技動作(入賞検出や当り判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板311のグループが演出動作(発光装飾や音響出力、液晶表示等)を制御している。
主基板310は、主制御基板94と払出制御基板133とから構成されている。主制御基板94は、中央演算装置としてのCPU314、読み出し専用メモリとしてのROM315、読み書き可能メモリとしてのRAM316を備えている。CPU314は、ROM315に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板311や払出制御基板133に出力するコマンド信号を作成したりする。RAM316には、主制御基板94で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。
主制御基板94には、ゲートセンサ317、始動口センサ318(第一始動口センサ318a,第二始動口センサ318b)、カウントセンサ319、V入賞センサ320、一般入賞口センサ321、排出センサ322等からの検出信号が入力される。一方、主制御基板94は、始動口ソレノイド323、アタッカソレノイド324、特別図柄表示器325等へ駆動信号を出力する。
また、払出制御基板133は、中央演算装置としてのCPU333、読み出し専用メモリとしてのROM334、読み書き可能メモリとしてのRAM335を備えている。そして、払出制御基板133は、主制御基板94から入力したコマンド信号を処理し、球払出装置125に駆動信号を出力する。これにより、球払出装置125は、駆動信号に従って遊技球を払い出す。
主制御基板94と払出制御基板133との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、例えば主制御基板94が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板133から主制御基板94にACK信号が返される。
一方、周辺基板311には、サブ統合基板336のほかに例えば複数の電飾制御基板337,338や波形制御基板339等が含まれる。上記の主制御基板94とサブ統合基板336との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板94からサブ統合基板336へのコマンドの送信はあっても、その逆は行われない。
サブ統合基板336もまた、CPU350をはじめROM351やRAM352等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することができる。サブ統合基板336とその他の電飾制御基板337,338や波形制御基板339との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。また、サブ統合基板336は、役物210における振分装置240の受部242を傾動させる振分駆動手段244へ駆動信号を出力可能とされており、始動入賞による抽選結果が「確変小当り」の時に、主制御基板94から送信される所定の制御コマンドに基づいて、振分駆動手段244を駆動して、大入賞口235に入賞した遊技球を特別流路に振り分けられ易くして、第一受入口264に遊技球が受入れられる割合を高くすることができるようになっている。
このサブ統合基板336と接続された1つ目の電飾制御基板337には主に、保留ランプ353と、サイド装飾装置52等を含む装飾ランプ354とが接続されており、サブ統合基板336から電飾制御基板337に対して装飾ランプ354の点灯信号が送信されると、これを受けて電飾制御基板337が装飾ランプ354を点灯させる処理を行う。2つ目の電飾制御基板338には演出表示装置211とともに演出ランプ355が接続されている。例えばサブ統合基板336から演出表示装置211に対する表示コマンドが電飾制御基板338に送信されると、これを受けて電飾制御基板338は実際に演出表示装置211を作動させる処理を行う。
波形制御基板339は、音響出力としての可聴音波のほか、不可聴である超音波等の波形信号を生成、送受信する処理を実行している。例えば、サブ統合基板336から音響出力コマンドが波形制御基板339に送信されると、これを受けて波形制御基板339は上記のスピーカ18,57を駆動する処理を行う。このほかにも、波形制御基板339には超音波送受信装置356が接続されており、この超音波送受信装置356は、複数の台間で超音波による通信を可能とする。通常、ホールの島設備には複数台のパチンコ機1が並べて設置されるが、超音波送受信装置356を装備しているパチンコ機1同士の間では、相互に超音波通信が可能となる。この通信機能を用いて、複数のパチンコ機1で演出動作をシンクロナイズさせたり、特定の台間で遊技情報の交換を行ったりすることができる。
なお、電飾制御基板337,338、及び波形制御基板339にも、それぞれ中央演算装置としてのCPU357,358,359、読み出し専用メモリとしてのROM370,371,372、及び読み書き可能メモリとしてのRAM373,374,375を備えている。
なお、本実施形態では、図示は省略するが、役物210における流通空間221へ進入する遊技球を検出するカウントセンサ319と、流通空間221から排出される遊技球を検出する排出センサ322とにより、流通空間221へ進入した遊技球の数と、排出された遊技球の数とを比較し、その数が一致しなければ球詰まりを報知する球詰まり報知器が備えられている。
[遊技処理について] 図15〜図26に基づき説明する。
図15は、主基板に搭載されるCPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。図16は、主基板に搭載されるCPUにより実行される電源断発生時処理を示すフローチャートである。図17は、主基板に搭載されるCPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。図18は、遊技処理における機能的な概略構成を示すブロック図である。図19は、主基板に搭載されるCPUにより実行される遊技処理を示すフローチャートである。図20は、遊技処理における変動開始処理を示すフローチャートである。図21は、変動開始処理における当り判定処理を示すフローチャートである。図22は、遊技処理における変動表示パターン設定処理を示すフローチャートである。図23は、遊技処理における変動中処理を示すフローチャートである。図24は、遊技処理における大当り遊技開始処理を示すフローチャートである。図25は、遊技処理における大当り遊技中処理を示すフローチャートである。図26は、遊技処理における小当り遊技処理を示すフローチャートである。
本実施形態のパチンコ機1は、所定のプログラムを実行することで遊技をするための各処理が展開されるようになっているものである。まず、図15のフローチャートに示すように、CPU314では、パチンコ機1へ電力の供給が開始されると、ステップS1001において電源投入時処理を実行する。この電源投入時処理では、RAM316に記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否か判別し、正常であればRAM316に記憶されているバックアップデータに従って停電発生時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行し、バックアップデータが異常であればRAM316をクリアしてCPU周辺のデバイス設定(通常の初期設定:割込タイミングの設定等)を行う。
なお、遊技途中でパチンコ機1への電力供給が停止すると、RAM316に現在の遊技状態がバックアップデータとして記憶される。また、電源投入時処理にてRAM316に記憶されているバックアップデータのクリアを指示するRAM消去スイッチがオンであれば、RAM316をクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理にて主制御基板94に搭載されるRAM316にバックアップデータが保存されていない場合には、RAM316をクリアし、通常の初期設定を行う。
また、電源投入時処理では、通常の初期設定を実行したときにサブ統合基板336に主制御基板94が起動したことを示す電源投入コマンドを送信可能な状態にセットする処理も実行される。電源投入コマンドは、主制御基板94が起動したことをサブ統合基板336に通知するものである。なお、遊技店の閉店時等にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にもRAM316にバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始したときには電源投入時処理が実行される。
ステップS1001において、電源投入時処理が終了すると、CPU314では、遊技用の各処理を繰り返し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、CPU102は、まず、ステップS1002において、停電予告信号が検知されているか否かを判定する。なお、この実施の形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板(図示しない)によって生成する。すなわち、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板にて所定の電源電圧に変換した後、各装置に供給している。しかして、停電が発生し、外部電源から電源基板に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板から主制御基板94に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信される。
そして、ステップS1002で主制御基板94に搭載されるCPU314により停電予告信号を検知すると、ステップS1003へと進み電源断発生時処理を実行する。この電源断発生時処理は、停電後に電源基板に供給される電源電圧が(この実施の形態では、24V)復旧した場合に(以下、復電と呼ぶ)、遊技機の動作を停電前の状態から開始するために停電発生時の状態をRAM316にバックアップデータとして記憶する処理である。処理内容は後述するが、本実施例においては、図示する通り、電源断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じて実行される分岐処理としてメイン処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ステップS1002で停電予告信号が検知されていない場合、すなわち外部電源からの電力が正常に供給されている場合には、ステップS1004へと進み、遊技にて用いられる各種乱数を更新する乱数更新処理2を行う。なお、乱数更新処理2にて更新される乱数については後述する。
図16は、図15に示すメイン処理における電源断発生時処理(ステップS1003)の一例を示すフローチャートである。上述したように、電源断発生時処理は、メイン処理において、停電予告信号が検出された時に実行される処理である。CPU314は、まず、ステップS1101において、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う。そして、続くステップS1102におて、RAM316のチェックサムを算出し、RAM316の所定領域に保存する。このチェックサムは、復電時に停電前のRAM316の内容が保持されているか否かをチェックするのに使用される。
続いて、CPU102では、ステップS1103において、RAM316の所定領域に設けられたバックアップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する。以上の処理を終えると、ステップS1104に進み、CPU314では、RAM316へのアクセスを禁止し、無限ループに入って電力供給の停止に備える。なお、この処理では、ごく短時間の停電等(以下、「瞬停」と呼ぶ)によって、電源電圧が不安定となることによって、電源断発生時処理が開始されてしまった場合、実際には電源電圧は停止されないため、上記処理では、無限ループから復帰することができなくなるおそれがある。かかる弊害を回避するため、本実施例のCPU314には、ウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入り、更新が行われなくなる。この結果、瞬停によって、電源断発生時処理に入り、この無限ループに入った場合でも、所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスでCPU314が起動することになる。
図17は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。本実施形態では、メイン処理の実行中に主制御基板94に搭載されるCPU314により4ms毎にタイマ割込処理が実行されるようになっている。このタイマ割込処理において、CPU314は、まずステップS1201において、レジスタの退避処理を実行した後、続くステップS1202のセンサ入力処理へと進む、このステップS1202では、上述したセンサ(ゲートセンサ317、始動口センサ318(第一始動口センサ318a,第二始動口センサ318b)、カウントセンサ319、V入賞センサ320、一般入賞口センサ321、排出センサ322等)の検出信号を監視する処理を実行する。
続くステップS1203の払出動作処理では、ステップS1202のセンサ入力処理にて検出された信号にもとづいて払出制御基板133に遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを設定する。次のステップS1204の乱数更新処理1では、遊技にて用いられる各種乱数を更新する処理を実行する。なお、この実施の形態では、乱数更新処理1にて更新される乱数と、上述した乱数更新処理2にて更新される乱数と、は異なる。乱数については後述するが、乱数更新処理2にて更新される乱数を乱数更新処理1でも更新するようにしてもよい。
また、次のステップS1205の遊技処理では、遊技の進行状態に応じてパチンコ機1を制御する処理が実行される。そして、続くステップS1206の普通図柄遊技では、普通図柄表示器(図示は省略する)に関わる制御処理を実行する。次のステップS1207の普通電動役物遊技では、可動片216の開閉制御するための処理を実行する。更に続くステップS1208の特別図柄遊技では、ステップS1205の遊技処理の処理の結果にもとづいて特別図柄表示器325を変動表示する制御を実行する。
更に、ステップS1209の特別電動役物遊技では、アタッカソレノイド324を制御して開閉部材231の開閉制御を実行する。次のステップS1210のコマンド伝送出力処理では、ステップS1205の遊技処理でセットされた制御コマンドをサブ統合基板336に送信する処理を実行する。また、このコマンド伝送出力処理では、パチンコ機1への電力供給が開始されたときに電源投入時処理(図15のステップS1001)でセットされた電源投入コマンドをサブ統合基板336に送信する処理も行われる。
次のステップS1211のI/Oポート出力処理では、パチンコ機1の外部(例えば、ホール側の管理コンピュータ等)に遊技状態を示す状態信号を出力する処理、特図始動記憶ランプ(図示せず)に駆動信号を出力する処理、等を実行する。そして、ステップS1202からステップS1211までの処理を実行すると、ステップS1212へと進み、レジスタの復帰処理を実行して、処理を終了する。
ここで、上述したステップS1204の乱数更新処理1、およびメイン処理におけるステップS1004の乱数更新処理2において、主制御基板94に搭載されるCPU314により更新される各種乱数について簡単に説明する。本実施形態では、遊技にて用いられる各種乱数として、「大当り」や「短当り」等の大当り判定に用いられる大当り判定乱数、「大当り」や「短当り」等の「当り」が抽選される抽選確率を高確率とするか否かの判定に用いられる確率変更乱数、「小当り」の小当り判定に用いられる小当り判定乱数、特別図柄表示器325に表示されている特別図柄の変動表示パターンを決定するために用いられる変動表示パターン乱数、等がある。
これらの乱数のうち、乱数更新処理1では、大当り判定乱数、確率変更乱数等の更新を行う。すなわち、「大当り」や「短当り」による大当り遊技状態の発生に用いられる乱数は所定のタイミングとして4ms毎に更新される。このようにすることにより、それぞれの乱数における所定期間における確率(「大当り」と判定する確率、「短当り」と判定する確率)を一定にすることができ、遊技者に不利な状態となることを防止できる。一方、乱数更新処理2では、変動表示パターン乱数、等の更新を行う。なお、主制御基板94で更新される乱数は、上記したものに限られず、乱数更新処理2では、大当り判定乱数を更新するカウンタが1周したときに次にカウントを開始させる大当り判定乱数の初期値を決定するための初期値決定乱数等の更新も行う。
(遊技処理における機能的構成について)
遊技プログラムとして実現される機能的な構成と、それらの構成を用いた具体的な遊技内容の一例を説明する。図18に示すように、主基板310には、第一始動口214、第二始動口215への遊技球の入賞を検出する始動口センサ318(第一始動口センサ318a、第二始動口センサ318b)からの検出信号に基づいて抽選手段として所定の乱数を発生させる乱数発生手段411と、乱数発生手段411により発生した乱数に応じて遊技者が有利となる特典として、例えば、「大当り」や「短当り」等の「当り」を付与するか否かを判定する当否判定手段412と、当否判定手段412により特典を付与すると判定されると、発生した乱数に応じて、「短当り」又は「大当り」の何れの特典を付与するかを選択する特典選択手段413と、特典選択手段413により選択された特典が「短当り」であれば、変動表示された演出画像が停止表示される前に「短当り」を付与し、選択された特典が「大当り」であれば、変動表示された演出画像が停止表示された後に「大当り」を付与する特典付与手段414と、特典付与手段414により付与される特典が、「大当り」又は「短当り」が抽選される抽選確率が通常時の確率の時に、「確変大当り」又は「確変小当り」であれば、抽選確率を通常時の確率よりも高確率に変更すると判定し、抽選確率が通常時の確率よりも高確率の時に、「非確変大当り」であれば、抽選確率を通常時の確率に変更すると判定する確率変更判定手段415と、確率変更判定手段415により抽選確率を変更すると判定されると、「大当り」又は「短当り」の付与の終了後に、抽選確率を確率変更判定手段415の判定に従って変更する確率変更手段416とを備えているものである。
また、主基板310には、特典付与手段414によって付与される特典に応じて、アタッカ装置230の開閉部材231を開閉駆動するためのアタッカソレノイド324の駆動を制御する開閉制御手段417と、乱数発生手段411、当否判定手段412、特典選択手段、及び特典付与手段414からの情報を制御コマンドとして周辺基板311に送信するためのコマンド送信手段418とを更に備えている。
更に、主基板310には、当否判定手段412によって「当り」を付与しない、つまり、「ハズレ」と判定されると、小当り判定乱数に応じて「小当り」を付与するか否かを判定する小特典判定手段419と、小特典付与手段419によって「小当り」を付与すると判定されると、変動表示された演出画像が停止表示される前に「小当り」を付与する小特典付与手段420とを更に備えている。なお、小当り判定乱数は、乱数発生手段411により発生させるようにしても良いし、当否判定手段412により「ハズレ」と判定されると、別途設けられた乱数判定手段によって発生させられるようにしても良い。
一方、周辺基板311には、主基板310から送信される制御コマンドを受信するコマンド受信手段と、主基板310から送信される制御コマンドに応じて、演出表示装置211に表示された演出画像を変動表示させた後に、発生した乱数に基づいた抽選結果を示唆する演出画像で停止表示させる演出表示制御手段432と、振分装置240の受部242を傾動駆動する振分駆動手段244を制御する振分制御手段433とを備えている。この振分制御手段433は、特典選択手段413により選択された特典が「確変小当り」であると、アタッカ装置230の大入賞口235から役物210の流通空間221内に進入した遊技球を一つだけ、第一受入口264に受入れられる割合が高くされた特別流路に誘導するように、振分装置240の受部242を傾動させる振分駆動手段244を制御するものである。
なお、本例の乱数発生手段411が、本発明の抽選手段に相当している。また、本例の「短当り」及び「大当り」が本発明の「第一特典」及び「第二特典」に夫々相当すると共に、本例の「確変小当り」が本発明の「確変第一特典」に相当し、また、本例の「非確変大当り」及び「確変大当り」が本例の「普通第二特典」及び「確変第二特典」に夫々相当するものである。また、本例の「小当り」が本発明の「小特典」に相当している。
(遊技処理について)
図19は、図17に示すタイマ割込処理におけるステップS1205の遊技処理の一例を示すフローチャートである。この遊技処理は、主基板310のCPU314では、まず、ステップS1301において第一始動口214又は第二始動口215に遊技球が入賞したか否かを判別する。具体的には、始動口センサ318(第一始動口センサ318a,第二始動口センサ318b)がONとなって検出信号が出力されたか否かを判別し、始動口センサ318から検出信号が出力された場合には第一始動口214又は第二始動口215に遊技球が入賞したと判別しステップS1302へと進む。なお、ステップS1301において始動口センサ318がONとなったと判断されると、各種乱数(大当り判定乱数、継続回数判定乱数、確率変更判定乱数、変動表示パターン乱数、小当り判定乱数等)を取得する。
そして、ステップS1301において、第一始動口214又は第二始動口215に遊技球が入球して所定の乱数を取得すると、続くステップS1302では、RAM316に設けられている留保球数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かを判断する。そして、留保球数カウンタの値が4未満であれば、ステップS1303へと進み、ステップS1301で取得した所定の乱数を記憶手段としてのRAM316に記憶格納させるための始動記憶格納処理が行われる。なお、ステップS1301において始動口センサ318がONでない場合、及びステップS1302において留保球数カウンタの値が4以上である場合、には始動記憶格納処理を実行しないようになっている。
ステップS1303における始動記憶格納処理では、留保球数カウンタに「1」を加算する処理と、留保球数カウンタの加算に伴って留保数表示制御手段による留保ランプ353に表示される留保球数の数を変更する処理(例えば、4つのランプからなる留保ランプ353とした場合は、留保球数を保留ランプ353の点灯数で示す処理)と、取得した乱数値(例えば、大当り判定乱数、継続回数判定乱数、確率変更判定乱数、小当り判定乱数等)をRAM316に設けられた始動記憶の保存領域に留保球数カウンタのカウント値に対応させて記憶する処理と、を行う。このように、留保球数カウンタは、始動記憶の保存領域に記憶される乱数値の数を示すカウンタである。また、ステップS1302において留保球数カウンタの値が上限値である場合にはステップS1301で取得した乱数値を破棄する。
なお、ステップS1301で第一始動口214又は第二始動口215に遊技球が入球したと判断したときには、ステップS1301〜ステップS1303の間で各種乱数を取得すればよく、例えば、ステップS1301で各種乱数を取得せずに、ステップS1302で留保球数カウンタが上限値未満であることを判別した後に、各種乱数を取得してもよいし、始動記憶格納処理(ステップS1303)で取得するようにしてもよい。
その後、遊技処理では、CPU314が遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値を参照し、処理選択フラグが[0]であればステップS1304の変動開始処理を、処理選択フラグが[1]であればステップS1305の変動表示パターン設定処理を、処理選択フラグが[2]であればステップS1306の変動中処理を、処理選択フラグが[3]であればステップS1307の大当り遊技開始処理を、処理選択フラグが[4]であればステップS1308の大当り遊技中処理を、処理選択フラグが[5]であればステップS1309の小当り遊技処理を行うようになっている。
なお、本例では、大当り判定乱数による抽選結果として、「ハズレ」、「大当り」、及び「短当り」の三種類が用意されている。具体的には、抽選結果の「ハズレ」は、アタッカ装置230の開閉部材231が基本的には開状態とならないものである。また、「大当り」は、開閉部材231が開状態の時に大入賞口235に所定数として例えば10個の遊技球が入賞するか、又は所定時間として例えば30秒経過すると1ラウンドとして開閉部材231を閉状態とし、そのラウンドを、例えば7ラウンド又は15ラウンド繰り返すものである。更に、「短当り」は、開閉部材231を例えば0.1〜2秒間、開状態とした後に閉状態とし、このラウンドを例えば2ラウンド繰り返すものであり、「大当り」と比較して、遊技球の払い出しが少ないものの、「ハズレ」と「大当り」しかなかった従来のパチンコ機よりも、「当り」の種類が多くなり、より興趣が高められるようになっている。
また、本例では、大当り判定乱数による抽選結果が「大当り」又は「短当り」の「当り」となった時に用いられる確率変更判定乱数によって、先の「大当り」及び「短当り」が、「当り」が抽選される抽選確率を通常時の確率とする「非確変大当り」と、抽選確率を通常時の確率よりも高確率に変更する「確変大当り」及び「確変小当り」となるようになっている。この「確変大当り」及び「確変小当り」が抽選されることで、「当り」が抽選される抽選確率が、通常時の確率よりも高確率(例えば、通常時の確率の7倍の確率)となるので「当り」が抽選され易くなり、連続して「大当り」が抽選される場合があり、「大当り」が連続することで、より多くの遊技球が払い出されて、より興趣の高められるようになっている。
更に、本例では、大当り判定乱数による抽選結果が「ハズレ」となった場合に用いられる小当り判定乱数による抽選結果には、「ハズレ」、及び「小当り」の二種類が用意されている。具体的には、抽選結果の「ハズレ」は、アタッカ装置230の開閉部材231が開状態とならないものであり、「小当り」は、アタッカ装置230の開閉部材231が「確変小当り」と同様の開閉動作をするものである。この「小当り」によって、アタッカ装置230の開閉部材231が「確変小当り」の時と同様の動きをするので、そのアタッカ装置230の開閉部材が231が開閉動作をしても、「確変小当り」によるものでるのか否かを不明確にすることができ、「確変小当り」かも知れないと、遊技者をワクワク、ドキドキさせることができると共に、突然、高確率に変更されたようになるので、得した気分にさせることができ、より興趣の高められるようになっている。
本例の遊技処理において、処理選択フラグが[0]のときに実行される変動開始処理(ステップS1304)では、始動記憶数を確認し、始動記憶数が0でなければ、特別図柄の変動表示を開始するための設定を行う。詳しくは後述するが具体的には、ステップS1301において取得した大当り判定乱数及び小当り判定乱数に応じた抽選結果としての「大当り」、「短当り」、「小当り」及び「ハズレ」の何れであるかの判定を行い、処理選択フラグを[1]に更新する。処理選択フラグが[1]のときに実行される変動表示パターン設定処理(ステップS1305)では、特別図柄および図柄の変動表示に関わる設定を行う。詳しくは後述するが具体的には、特別図柄の変動表示パターンを決定し、当該変動表示パターンに対応して設定される変動時間(特別図柄表示器325にて特別図柄の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間)をタイマにセットし、処理選択フラグを[2]に更新する。処理選択フラグが[2]のときに実行される変動中処理(ステップS1306)では、変動表示パターン設定処理(ステップS1305)で変動時間が設定されたタイマ等を監視し、タイマがタイムアウトしたことにもとづいて特別図柄表示器325における特別図柄の変動表示を停止させる処理を行うと共に、変動開始処理(ステップS1304)にて抽選結果が「大当り」又は「短当り」であれば処理選択フラグを[3]に更新し、「ハズレ」であれば処理選択フラグを[0]に更新し、「小当り」であれば処理選択フラグを[5]に更新する。
また、処理選択フラグが[3]のときに実行される大当り遊技開始処理(ステップS1307)では、大当り遊技状態を開始するための設定を行う。詳しくは後述するが具体的には、アタッカ装置230における開閉部材231の開放回数等の設定を行う。処理選択フラグが[4]のときに実行される大当り遊技中処理(ステップS1308)では、詳しくは後述するが具体的には、カウントセンサ319によって検出された遊技球の個数を判別し、所定個数の遊技球が大入賞口235に入賞したとき、または、設定された開放時間がタイムアップしたとき大入賞口235を閉塞状態にするための処理を行う。また、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達していなければ、再び、大入賞口235を開放状態にするための処理を行い、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達したときには、「大当り」であれば処理選択フラグを[0]に、「短当り」であれば[2]に更新する。
更に、処理選択フラグが[5]のときに実行される小当り遊技処理(ステップS1309)では、詳しくは後述するが具体的には、「短当り」と同じ開閉回数及び開放時間をセットして、大入賞口235の開閉処理を行った後に処理選択フラグを[2]に更新する。
図20は、上述の図19に示した遊技処理における変動開始処理(ステップS1304)の一例を示すフローチャートである。この変動開始処理では、まず、ステップS1401において、主基板310のCPU314にでは、留保球数カウンタの値が0であるか否か判断する。上述したように、留保球数カウンタの値は、始動記憶の保存領域に格納される乱数値の数を示すものであるため、ステップS1401で留保球数カウンタの値が0であれば、始動記憶がないと判別されて、図示は省略するが大当り終了フラグをOFFにして、本ルーチンの処理を終了する。なお、詳細は後述するが、大当り終了フラグは、大当り遊技が終了するとONとなるものである。
一方、ステップS1401で留保球数カウンタの値が0でなければ、ステップS1402に進み、始動記憶移行処理を実行する。ステップS1402の始動記憶移行処理では、留保球数カウンタを「1」減算する処理と、RAM316に設けられた始動記憶の保存領域に記憶される各種乱数をシフトした後、始動記憶の保存領域のうち留保球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される各種乱数(大当り判定乱数、確率変更判定乱数、小当り判定乱数等)を読み出す処理と、を行う。具体的には、始動記憶の保存領域にて留保球数カウンタのn(n=1、2、3、4)に対応する保存領域に記憶されている各種乱数を始動記憶の保存領域における留保球数カウンタのn−1(n=0、1、2、3)に対応する保存領域に記憶させる。
次いで、ステップS1403では、留保記憶の保存領域のうち留保球数カウンタの0に対応する保存領域から読み出した大当り判定乱数、確率変更判定乱数、及び小当り判定乱数を用いて当り判定処理を行い、抽選結果が、「確変大当り」、「非確変大当り」、「確変小当り」(「短当り」)、「小当り」、及び「ハズレ」の何れであるかの判定を行い、続くステップS1404において、処理選択フラグを[1]に更新する。処理選択フラグを[1]に更新することにより、次にタイマ割込処理が発生し、遊技処理(図19参照)が実行されたときに変動表示パターン設定処理(ステップS1305)が実行可能となる。
図21は、図20で示した当り判定処理(ステップS1403)の一例を示すフローチャートである。当り判定処理が開始されると、まず、ステップS1501において、確変フラグがONであるか否かが判定される。この確変フラグは、ONであれば、「大当り」や「短当り」が抽選される抽選確率が高確率の状態であり、OFFであれば、抽選確率が通常時の状態である。このステップS1501は、現在の遊技状態が高確率の状態であるか否かを判定するものである。このステップS1501において、確変フラグがONであると判定されると、ステップS1502へと進み、確変時大当り判定テーブルを選択し、ステップS1501において確変フラグがOFFであると判定されると、ステップS1503へと進み、非確変時大当り判定テーブル(通常時大当り判定テーブル)が選択される。
ステップS1502又はステップS1503において、大当り判定テーブルが選択されると、ステップS1504へと進み、選択された大当り判定テーブルを用いて、図20に示した変動開始処理におけるステップS1402の始動記憶移行処理で読み出した大当り判定乱数の値が当り値であるか否かが判定され、大当り判定乱数が当り値であれば、続くステップS1505へと進む。
ステップS1505では、更に大当り判定乱数が「大当り」であるか否かが判定され、「大当り」であると判定されるとステップS1506へと進み、大当りフラグをONにする。また、大当り判定乱数が「大当り」でないと判定される、つまり、「短当り」と判定されるとステップS1507へと進み、短当りフラグをONにする。なお、本例では、大当りフラグ、短当りフラグ、及び後述の小当りフラグは、何れか一つしかONとはならないようになっている。
そして、ステップS1506又はステップS1507の何れかにおいて、大当りフラグ又は短当りフラグの何れかがONとされると、ステップS1508において、先の始動記憶移行処理において読み出された確率変更乱数が、確変値であるか否かが判定される。具体的には、確変判定テーブルを用いて、確率変更乱数が確変値であるか否かが判定され、確変値であると判定されるとステップS1509へと進み、確変フラグをONにして本ルーチンをリターンして終了する。なお、ステップS1509の段階で既に確変フラグがONであれば、その状態が維持されるようになっている。
一方、ステップS1508において、確率変更乱数が確変値でないと判定されるとステップS1510へと進み、更に大当りフラグがONであるか否かが判定され、大当りフラグがONであればステップS1511へと進み、確変フラグをOFFにして本ルーチンをリターンして終了する。また、ステップS1510において、大当りフラグがONでなければ、本ルーチンをリターンして終了すると共に、確変フラグはステップS1510に至った段階での状態が維持されるようになっている。
一方、ステップS1504において、大当り判定乱数の値が当り値でないと判定されると、ステップS1512へと進み、小当り判定テーブルを選択し、続くステップS1513へと進む。このステップS1513では、先の小当り判定テーブルを用いて、小当り判定乱数の値が小当り値であるか否かが判定され、小当り値である、つまり、「小当り」であると判定されると、ステップS1514へと進み、小当りフラグをONにして、本ルーチンをリターンして終了する。なお、ステップS1513において、小当り判定乱数の値が小当り値でないと判定される、つまり、「ハズレ」と判定されると、本ルーチンをリターンして終了する。
このステップS1508〜ステップS1511の処理は、「大当り」や「短当り」の「当り」が抽選される抽選確率を変更するか否かを判定する処理であり、具体的には、抽選確率が通常時の確率の時に、「非確変大当り」が抽選されると通常時の確率を維持し、「確変大当り」又は「確変小当り」が抽選されると通常時よりも高確率に変更するように判定する。また、抽選確率が通常時よりも高確率の時に、「確変大当り」、又は「確変小当り」が抽選されると高確率の状態を維持し、「非確変大当り」が抽選されると高確率から通常時の確率に変更するように判定するものである。また、「小当り」や「ハズレ」の場合は、上記ステップSの処理が行われないので、抽選確率は変更されず、現状の状態が維持されるようになっている。これにより、抽選確率が高確率の状態になると、「非確変大当り」が抽選されるまで、高確率の状態が維持されるので、遊技者に有利な有利遊技状態が連続して抽選される可能性を高くすることができ、より興趣の高められるものとなっている。
因みに、本例では、例えば、確変状態時大当り判定テーブルでは、0〜979までの980個の大当り判定乱数のうち大当り判定乱数と一致することにより「大当り」または「短当り」と判定される大当り判定値が14個設定され、「当り」が抽選される抽選確率が1/70となっていると共に、非確変時大当り判定テーブルでは、0〜979までの980個の大当り判定乱数のうち大当り判定値が2個設定され、「当り」の抽選確率が1/490となっている。
また、本例では、例えば、「小当り」が抽選される抽選確率は、1/50とされており、「確変小当り」(「短当り」)、「確変大当り」、及び「非確変大当り」が抽選される確率よりも高い確率とされており、アタッカ装置230が「小当り」と同様の開閉動作をする「確変小当り」の抽選価値を高めることができるようになっている。
更に、例えば、確変突入率(「当り」のうちの「確変大当り」と「確変小当り」の割合)が3/4となるように、すなわち、0〜7までの8個の確率変更乱数のうち高確率の状態とすることに決定される6個の判定値が確変判定テーブルに設定されている。具体的には、「確変大当り」の割合が5/8となり、「確変小当り」の割合が1/8となり、「非確変大当り」の割合が1/4となるように、判定値が確変判定テーブルに設定されている。
図22は、図19の遊技処理におけるステップS1305の変動表示パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。この変動表示パターン設定処理では、ステップS1601において、大当りフラグがONであるか否かが判断され、大当りフラグがON、つまり、抽選結果が「確変大当り」又は「非確変大当り」であれば、ステップS1602へと進み、ROM315に記憶されている大当り時変動表示パターンテーブルを選択する。
一方、ステップS1601において、大当りフラグがONでないと判断されると、ステップS1603へと進み、短当りフラグ又は小当りフラグがONであるか否かが判断され、短当りフラグ又は小当りフラグがON、つまり、抽選結果が「確変小当り」又は「小当り」であれば、ステップS1604へと進み、ROM315に記憶されている短当り時変動表示パターンテーブルを選択する。また、ステップS1603において、短当りフラグ又は小当りフラグがONでない、つまり、抽選結果が「ハズレ」であれば、ステップS1605へと進み、ROM315に記憶されているハズレ時変動表示パターンテーブルを選択する。
そして、変動表示パターンテーブルが選択されると、ステップS1606において、変動表示パターン乱数を用いて先に選択された変動表示パターンテーブルから対応する変動表示パターンを決定し、続くステップS1607において、決定した変動表示パターンの変動表示パターンコマンドをセットしてステップS1608へと進む。このステップS1608では、ステップS1607において決定された変動表示パターンに応じた変動時間をタイマにセットする。
ステップS1608において、変動時間がタイマにセットされると、続くステップS1609へと進み、短当りフラグ又は小当りフラグがONであるか否かを判断し、短当りフラグ又は小当りフラグがONであると判断されると、ステップS1610へと進み、ステップS1606において決定した変動表示パターンに応じた短当り実行時間を、ステップS1608においてセットされた変動時間とは別のタイマにセットし、ステップS1611へと進み、処理選択フラグを[2]に更新して、本ルーチンをリターンする。
このステップS1610においてセットされる短当り実行時間は、ステップS1608においてセットされる変動時間よりも短い時間である。これにより、後述する変動中処理において、特別図柄等の演出画像の変動時間中に、「短当り」や「小当り」を実行(開閉部材231の開閉動作)させることができるので、遊技者を変動表示中の演出画像に注目させて、「短当り」(「確変小当り」)や「小当り」の実行に気づき難くすることが可能となり、特に「確変小当り」の場合、開閉部材231の開閉動作に気付かずに、高確率の状態となるので、突然、確変状態となったように思わせることができ、得した気分にさせて興趣を高められるようになっている。
一方、ステップS1609において、短当りフラグ又は小当りフラグがONでないと判断されると、ステップS1611へと進み、処理選択フラグを[2]に更新して、本ルーチンをリターンする。そして、本ルーチンがリターンされると、決定された変動表示パターンに基づいて、特別図柄表示器325の特別図柄や、演出表示装置211における普通図柄等の演出画像の変動表示が開始される。
図23は、上述の変動中処理(ステップS1306)の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS1701では、特別図柄表示器325において変動表示されている特別図柄の変動時間がタイムアップしたか否かが判断され、変動時間がタイムアップしていれば、ステップS1702へと進み、更に、大当りフラグがONであるか否かが判断される。このステップS1702において、大当りフラグがONであると判断されると、ステップS1703へと進み、処理選択フラグを[3]に更新し、抽選結果が「大当り」を示唆する特別図柄が停止表示されて、図19に示す遊技処理において大当り遊技開始処理がおこなわれる。
一方、ステップS1701において、変動時間がタイムアップしていないと判断されると、ステップS1704へと進み、短当りフラグ又は小当りフラグがONであるか否かが判断される。このステップS1704において、短当りフラグ又は小当りフラグがONでない、即ち、変動時間がタイムアップする前で、抽選結果が「大当り」又は「ハズレ」であると判断されると、本ルーチンをリターンする。
また、ステップS1704において、短当りフラグ又は小当りフラグがONであると判断されると、続くステップS1705において、短当り実行時間がタイムアップしたか否かを判断し、短当り実行時間がタイムアップしていないと判断されると本ルーチンをリターンし、短当り実行時間がタイムアップしたと判断されると、ステップS1706へと進む。このステップS1706では、短当りフラグがONであるか否かを判断し、短当りフラグがONであれば、ステップS1703へと進み、処理選択フラグを[3]に更新して本ルーチンをリターンする。一方、ステップS1706において、短当りフラグがONでないと判断される、つまり、「小当り」であると判断されると、ステップS1707へと進み、処理選択フラグを[5]に更新して、本ルーチンをリターンする。
ところで、変動時間がタイムアップした後に、ステップS1702において、大当りフラグがONでないと判断されると、ステップS1708へと進み、処理選択フラグを[0]に更新して、本ルーチンをリターンする。その際に、図22に示した変動表示パターン設定処理で決定された変動表示パターンに応じた「ハズレ」を示唆する特別図柄が停止表示される。
なお、この変動中処理では、抽選結果が「短当り」(「確変小当り」)又は「小当り」であると、変動時間がタイムアップする前に、短当り実行時間がタイムアップして、処理選択フラグが[3]又は[5]に更新されて、図19に示す遊技処理において、大当り遊技開始処理又は小当り遊技処理が実行される。つまり、抽選結果が「確変小当り」又は「小当り」の時には、演出画像が変動表示中に、大当り遊技開始処理又は小当り遊技処理がかいしされるようになっている。
また、この変動中処理では、短当りフラグ又は小当りフラグがONの場合、変動時間中に後述の大当り遊技開始処理及び大当り遊技中処理、又は小当り遊技処理が行われて、短当りフラグ又は小当りフラグがOFFとされた後に、再び変動中処理に戻って、変動時間がタイムアップするのを待つようになっている。
図24は、図19に示したステップS1307の大当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。この大当り遊技開始処理は、第一始動口214又は第二始動口215への遊技球の入賞により発生する大当り判定乱数に基づく抽選結果が「大当り」又は「短当り」の場合に開始される処理である。まず、ステップS1801では、大当りフラグ、短当りフラグ等のONとなっているフラグに応じたアタッカ装置230における開閉部材231の開閉回数を初期値にセットする。具体的には、抽選結果が「大当り」の場合は、継続回数判定乱数によって、その開閉回数が設定され、本例では、例えば、7回、又は15回の何れかから設定される。また、抽選結果が「短当り」の場合は、開閉回数が2回に設定され、初期値としてセットされる。
ステップS1801において、所定の開閉回数が初期値にセットされると、続くステップS1802では、上記と同様にONとなっているフラグに応じて、アタッカ装置230における開閉部材231の開放時間を初期値にセットする。具体的には、例えば、抽選結果が「大当り」の時は開放時間に30秒が、抽選結果が「短当り」の時は開放時間が0.1〜2秒が、初期値にセットされる。
そして、ステップS1802において、所定の開放時間が初期値にセットされると、ステップS1803へと進み、処理選択フラグを[4]に更新し、本ルーチンをリターンして、大当り遊技中処理を開始する。
図25は、図19に示した遊技処理におけるステップS1308の大当り遊技中処理の一例を示すフローチャートである。図示は省略するが、まず、アタッカ装置230における開閉部材231の開閉回数をカウントする開閉回数カウンタがリセットされる(本例では、開閉回数カウンタの値を「1」にする)。そして、大当り遊技の進行に伴って、この開閉回数カウンタの値が増加し、上述の大当り遊技開始処理でセットされた開閉回数の初期値に達すると大当り処理が終了するようになっている。
本例の大当り遊技中処理では、まず、ステップS1901において、所定の入賞球数カウンタに「0」がセットされ、続くステップS1902において、上述の大当り遊技開始処理で初期値にセットされた開放時間を、タイマにセットする。具体的には、抽選結果が「大当り」であれば開放時間として約30秒がタイマにセットされ、抽選結果が「短当り」であれば開放時間として約0.1〜2秒がタイマにセットされる。そして、開放時間がタイマにセットされると、続くステップS1903では、アタッカソレノイド324を駆動させて、アタッカ装置230の開閉部材231を開状態として大入賞口235を開放して、次のステップS1904へと進む。
ステップS1904では、開放時間がタイムアップしたか否かが判断され、開放時間がタイムアップしていないと判断されると、次のステップS1905において大入賞口235への遊技球の入賞球数をカウントする入賞球数カウンタの値が10未満であるか否かが判断される。このステップS1905で入賞球カウンタの値が10に満たないと判断されると、次のステップS1906において、大入賞口235に対応するカウントセンサ319の検出信号がONになったか否かが判断される。
このステップS1906において、大入賞口235への遊技球の入賞によりカウントセンサ319がONとなると、カウントセンサ319がONと判断されて、続くステップS1907へ進み、入賞球数カウンタに「1」を加算して、ステップS1904へと戻る。一方、ステップS1906で、大入賞口235への遊技球の入賞がないことにより、カウントセンサ319がONでないと判断されると、入賞球数カウンタが加算されることなくステップS1904へと戻るようになっている。
そして、ステップS1904〜ステップS1907の処理は、開放時間がタイムアップ(ステップS1904)するか、入賞球数カウンタの値が10に達する(ステップS1905)かすると、ステップS1908へと進み、大入賞口235を閉状態にする。このステップS1908において、大入賞口235が閉鎖されると、続くステップS1909において、開閉回数カウンタの値が、大当り遊技開始処理でセットされた開閉回数の初期値に達したか否かが判断され、初期値に達していないと判断されると、ステップS1910へと進み、開閉回数カウンタに「1」を加算してステップS1901へと戻る。
そして、開閉回数カウンタが、セットされた開閉回数の初期値に達するまで、上述のステップS1901〜ステップS1910までの処理が繰り返される。また、本例では、上述のステップS1901〜ステップS1910までの処理を1ラウンドとして、大当り遊技は、継続回数判定乱数に応じて、複数回のラウンドが繰り返されるようになっている。
なお、大入賞口235が開状態となる1回のラウンドでは、最大10個の遊技球を入賞させることができ、大入賞口235に遊技球が入賞することで、球払出装置125によって14個の遊技球が払い出されるので、1ラウンドで最大140個の遊技球を払い出すことができ、抽選結果が「大当り」の時に上述の遊技球の払い出しを期待することができるので、「大当り」が抽選されることで、遊技者の興趣が高められるようになっている。
これに対して、抽選結果が「短当り」の場合は、「大当り」の場合と比較してセットされる開放時間が約0.1〜2秒と短く、更に開閉回数が2回と少ないので、アタッカ装置230の開閉部材231の開閉動作は、短時間にパカパカと開閉して終了してしまうので、その開閉動作が気付き難くなると共に、開閉部材231が開状態の時に大入賞口235に入賞させられる遊技球の数が少なく、多くの遊技球の払い出しは期待できないようになっている。
一方、ステップS1909において、開閉回数カウンタが初期値の開閉回数に達したと判断されると、ステップS1911へと進み、短当りフラグがONであるか否かが判断され、短当りフラグがONでないと判断されると、つまり、抽選結果が「大当り」の場合、ステップS1912へと進み、大当りフラグをOFFにし、次のステップS1913では処理選択フラグを[0]に更新して、本ルーチンをリターンして大当り遊技中処理を終了する。
また、ステップS1911において、短当りフラグがONであると判断されると、次のステップS1914に進み、短当りフラグをOFFにし、続くステップS1915では処理選択フラグを[2]に変更して、本ルーチンをリターンして大当り遊技中処理を終了する。そして、ステップS1915において、処理選択フラグが[2]とされることで、遊技処理の変動中処理へと戻り、変動時間がタイムアップするまで変動中処理が実行される。その後、変動時間がタイムアップすると、大当りフラグがOFFとなっているので、処理選択フラグを[0]に更新して、変動中処理をリターンする。その際に、変動時間のタイムアップにより、変動表示されている特別図柄が「確変小当り」かも知れないことを示唆するように停止表示される。
なお、図示は省略するが、短当りフラグがONの時、つまり、抽選結果が「確変小当り」の時に、上述の大当り遊技開始処理又は大当り遊技中処理が開始されると、振分装置240における振分駆動手段244を駆動させて、アタッカ装置230の大入賞口235に入賞した遊技球を、特別流路に振り分けられるようにしており、アタッカ装置230の開閉部材231が開状態となった時に、大入賞口235に遊技球を入賞させると、第一受入口264に遊技球が受入れられる割合が高くなっているので、第一受入口264に遊技球が受入れられることで、あたかも第一受入口への入球によって、高確率(確変)になったように錯覚させることができるようになっている。
図26は、図19に示した遊技処理におけるステップS1309の小当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。この小当り遊技処理は、アタッカ装置230の開閉部材231の開閉動作が、「確変小当り」が抽選された時に実行される大当り遊技におけるアタッカ装置230の開閉部材231の開閉動作と同様の動作をさせる処理である。まず、ステップS2001において、アタッカ装置230における開閉部材231の開閉回数を初期値にセットする。具体的には、開閉回数は「短当り」と同じ回数(例えば、2回)が初期値としてセットされる。
ステップS2001において「短当り」と同じ所定の開閉回数が初期値にセットされると、続くステップS2002では、開閉部材231の開放時間を初期値にセットする。この開放時間も「短当り」の時にセットされる開放時間と同じ時間(例えば、0.1〜2秒)がセットされる。これにより、「小当り」によるアタッカ装置230における開閉部材231の開放動作が、「短当り」の時の開放動作と同じ動作をするようにしている。そして、ステップS2002において、「短当り」と同じ所定の開放時間がセットされると、ステップS2003へと進み、開閉回数カウンタに「1」をセットして、次のステップS2004へと進む。
ステップS2004では、ステップS2002において設定された初期値の開放時間をタイマにセットし、続くステップS2005では、アタッカソレノイド324を駆動させて、アタッカ装置230の開閉部材231を開状態として大入賞口235を開放して、次のステップS2006へと進む。このステップS2006では、ステップS2004でセットされた開放時間がタイムアップしたか否かを判断し、タイムアップしていなければタイムアップするまでステップS2006をループし、開放時間がタイムアップすると、続くステップS2007で、アタッカソレノイド324の駆動を停止して開閉部材231を閉状態として大入賞口235を閉鎖する。なお、本例では、セットされる開放時間が短いため、開放された大入賞口235に遊技球が殆んど入賞しないようになっている。
ステップS2007で大入賞口235が閉鎖されると、続くステップS2008では、開閉回数カウンタの値がステップS2001においてセットされた初期値の開閉回数に達したか否かが判断され、初期値に達していないと判断されると、ステップS2009へと進み、開閉回数カウンタに「1」を加算してステップS2004へと戻る。
そして、開閉回数カウンタが、セットされた開閉回数の初期値に達するまで、上述のステップS2004〜ステップS2009までの処理が繰り返される。なお、本例では、セットされる初期値の開閉回数が、「短当り」と同じ開閉回数とされているので、開閉回数が少なく、開放時間も少ないので、アタッカ装置230における開閉部材231の開閉動作が、「短当り」と同じく、短時間にパカパカと開閉して終了するようになっている。
一方、ステップS2008において、開閉回数カウンタが初期値の開閉回数に達したと判断されると、ステップS2010へと進み、小当りフラグをOFFにし、次のステップS2011では処理選択フラグを[2]に更新して本ルーチンをリターンする。そして、処理選択フラグが[2]に更新されているので、図23に示した変動中処理へと戻り、変動時間がタイムアップするまで変動中処理が実行される。その後、変動時間がタイムアップすると、大当りフラグがOFFとなっているので、処理選択フラグを[0]に更新して、変動中処理をリターンする。その際に、変動時間のタイムアップにより、変動表示されている特別図柄が「確変小当り」かも知れないことを示唆するように停止表示される。
なお、図示は省略するが、上述の小当り遊技処理が開始されても、「短当り」の時とは異なって、振分装置240における振分駆動手段244が駆動されないので、アタッカ装置230の大入賞口235に入賞した遊技球は、第一跳躍流路、第二跳躍流路、及び特別流路の何れかの流路に略均等に振り分けられようになっており、各流路に対応した遊技球の動きを楽しませることができるようになっている。
これらにより、「確変小当り」や「小当り」が抽選されると、図柄等からなる演出画像が変動表示中にアタッカ装置230の開閉部材231が数回パカパカと開閉動作するが、変動する演出画像に気を取られてアタッカ装置230の開閉に気付き難くすることができ、特に、抽選結果が「確変小当り」の場合、その後の抽選確率が高確率に変更されるので、突然、高確率(確変)になったように錯覚させることができるようになっている。
また、演出画像の変動表示中にアタッカ装置230の開閉部材231が数回開閉動作した時に、遊技球を大入賞口235に入賞させて、第一受入口264に受入れられると抽選確率が通常時の確率よりも高確率に変更されるような遊技球による演出を行っているので、演出画像の変動表示中にアタッカ装置230の開閉部材231が数回開閉動作した時に大入賞口235に入賞した遊技球が、第一受入口264に受入れられるか否かで遊技者をハラハラ、ドキドキさせることができ、実際には遊技状態の制御に関わらない遊技球(死球)を用いて、興趣が高められるようになっている。
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、遊技球が第一始動口214又は第二始動口215に受入れられると所定の抽選が行われ、抽選結果が当り条件を充足すると共に確変条件によって、「確変小当り」、「確変大当り」、及び「非確変大当り」の何れかの大当り遊技が行われ、当り条件を充足せずに開条件を充足すると「小当り」が抽選され小当り遊技が行われる。その際に、「確変小当り」又は「小当り」が抽選された場合は演出画像の変動表示中にアタッカ装置230の開閉部材231が開閉動作して、「確変大当り」又は「非確変大当り」が抽選された場合は演出画像の変動停止表示後に開閉部材231が開閉動作する。また、「確変小当り」又は「確変大当り」が抽選されると、開閉部材231の開閉動作後に、抽選確率を通常時よりも高確率に変更し、「非確変大当り」が抽選されるまで高確率の状態が維持される。一方、「確変小当り」又は「小当り」が抽選されると、何れも演出画像の変動表示中にアタッカ装置230の開閉部材231の開閉回数が少ない同様の開閉動作をし、その際に大入賞口235に受入れられた遊技球を流通空間221内へ進入させると、その抽選結果が「確変小当り」であれば、第一跳躍流路、第二跳躍流路、及び特別流路のうち、第一受入口に遊技媒体が受入れられる割合が最も高い特別流路に遊技球を誘導した後に、遊技球が流通空間221から排出されると、抽選確率を高確率に変更するものである。
これにより、遊技球の始動入賞により、「確変小当り」が抽選されると、アタッカ装置230の開閉部材231の開閉動作の際に大入賞口235に受入れられた遊技球が、役物210における流通空間221内の第一受入口264に受入れられるような流路に誘導されるので、あたかも遊技球が第一受入口264に受入れられたことで、抽選確率が高確率に変更されたように思わせることができ、従来のような「確変小当り」である可能性が高いことを示唆する演出画像を用いたものと比較して遊技球が第一受入口264に受入れられるのを直接見せるので、確実に「確変小当り」であると遊技者に認識させることができ、物理的な安心感を与えて、興趣が低下するのを抑制することができる。
また、「確変小当り」や「小当り」の抽選によるアタッカ装置230における開閉部材231の開閉動作の際に、遊技球が大入賞口235に受入れられると、役物210内の流通空間221内に進入し振分装置240を介して、運動エネルギーの付与された遊技球が、第一跳躍装置250aによる跳躍で第一受入口264を有した第一ステージ261を飛び越してから第二跳躍装置250bで再度跳躍して第一ステージ261の捕捉転動面263に捕捉される第一跳躍流路、遊技球が第一ステージ261を飛び越さずに第三跳躍装置250cで跳躍して第一ステージ261の捕捉転動面263に捕捉される第二跳躍流路、及び跳躍装置250では跳躍せずに第一ステージ261の捕捉転動面263に直接捕捉される特別流路の何れかの流路を流通するので、遊技球が何れの流路に誘導されても、跳躍したり落下したりするこれまでにない躍動感に溢れたダイナミックな動きを見せることができ、遊技者を充分に楽しませた後に、第一受入口に受入れられるか否かで、ワクワク、ドキドキさせて興趣の高められるものとすることができる。
また、大入賞口235に入賞した遊技球が、振分装置240で、第一跳躍流路に振り分けられると、初めに遊技球を第一ステージ261に供給し損ねたように思わせてから第一ステージ261に供給するので、遊技者をよりハラハラ、ドキドキさせることが可能となり、一喜一憂させて興趣がより高められるようにすることができる。また、第二跳躍流路に振り分けられると、ミニステージ270において一旦遊技球の動きが遅くなってから跳躍するので緩急に富んだ動きとなり興趣が低下するのを抑制することができる。このように、上記の第一跳躍流路、及び第二跳躍流路に振り分けられると、遊技球が跳躍するので、躍動感に溢れたこれまでにない遊技球の動きを見せることで、遊技者を楽しませて興趣を高められるようにすることができる。更に、特別流路に振り分けられると、遊技球が跳躍せずに直接第一ステージ261に落下供給され、これまでにない大きな動きをすると共に、遊技球が一気に第一ステージ261へと供給されることで、いきなりチャンスが到来したような感覚を持たせることが可能となり、より興趣の高められるものとすることができる。
更に、振分装置240によって、第一跳躍流路、第二跳躍流路、及び特別流路の何れかの流路に遊技球が誘導されるので、何れの流路に誘導されるかで、遊技者をワクワク、ドキドキさせることができると共に、抽選確率を変更すると判定されると、遊技球が第一受入口264に受入れられる割合の最も高い特別流路に誘導されるので、特別流路に誘導されるか否かによっても、期待感を持たせることができ、興趣を高められるものとすることができる。
また、遊技者は「確変小当り」が抽選されて抽選確率が高確率に変更されることを強く望み、第一受入口264に遊技球が受入れられると抽選確率が変更されるような遊技球による演出をしているので、第一受入口264に受入れられるのを期待させることができ、第一受入口264に受入れられるか否かで、ハラハラ、ドキドキさせることが可能となり、遊技球が何れの流路を流通しても興趣を高めることができる。
また、「確変小当り」又は「確変大当り」が抽選されると、抽選確率が通常時の確率よりも高確率に変更され、「非確変大当り」が抽選されるまで、高確率の状態を維持させることができるので、「当り」が抽選される確率の高い状態が続き、連続して「大当り」が抽選される可能性が高くなり、より興趣を高められるものとすることができる。また、高確率の状態で「確変小当り」や「小当り」が抽選されても、通常時の確率に変更せずに高確率の状態が維持されるので、「小当り」等の抽選によって興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、「確変小当り」や「小当り」が抽選された時は、図柄等の演出画像が変動表示中にアタッカ装置230の開閉部材231が所定の開閉動作をし、「確変大当り」や「非確変大当り」が抽選された時は、抽選結果を示唆する演出画像が停止表示されてからアタッカ装置230の開閉部材231が所定の開閉動作をするので、特に、「確変小当り」や「小当り」の時は、演出画像が変動表示されており、演出表示装置211に遊技者を注目させることができるので、アタッカ装置230の開閉部材231が開閉動作したことを気づき難くすることができ、特に「確変小当り」が抽選されると、予告無しに突然、抽選確率が変更されたように思わせることが可能となり、得した気分にさせて興趣を高められる効果を期待することができる。
なお、「確変小当り」や「小当り」が抽選された時に、その抽選結果を示唆するために停止表示される演出画像を、「確変小当り」や「小当り」を示唆する表示とせずに、「ハズレ」を示唆する、或いは、「確変小当り」かも知れないことを示唆する表示としても良く、これにより、演出表示装置211による演出画像だけでは、抽選結果を確実に認識することができなくなり、遊技球の払い出しが期待できない「小当り」による興趣の低下を抑制することができると共に、アタッカ装置230の開閉部材231が開閉動作した際に大入賞口235へ遊技球を受入れさせることで、役物210内の流通空間221内での遊技球の振り分けに対する期待感を高めることができ、遊技球の動きを楽しませて興趣の高められるものとすることができる。
また、演出表示装置211を流通空間221の後方に配置しているので、跳躍したり落下したりする遊技球により演出画像が遮られるような従来の遊技機では見られない遊技球の動きや演出画像を見せることが可能となり、飽き難くして遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。また、遊技球が演出表示装置211の前面を通るので、遊技領域37全体を使って遊技球を流下させることが可能となり、演出表示装置211の大きさに関わらず、より遊技者に目立つように遊技球に大きな動きをさせることができ、より興趣の高められる遊技球の動きを実現することができる。
更に、第一ステージ261において遊技球が供給される際に、低反発性部材により形成された捕捉転動面263により遊技球の運動エネルギーが急激に減衰させられるので、供給される前の遊技球の速度と、供給された後の遊技球の速度とを大きく異なることができ、その速度差のギャップによってもこれまでにない遊技球の動きを実現させることができ、遊技者を楽しませて興趣を高められることかを期待することができる。
そして、第一ステージ261に供給された遊技球は、その捕捉転動面263によって第一始動口214等に向かって案内されるので、案内された遊技球が第一始動口等に入賞するか否かで、遊技者をハラハラ、ドキドキさせて興趣を高めることができ、飽き難く興趣が低下するのを防止することのできるものとすることができる。
また、演出表示装置211の上方に配置されたアタッカ装置230の大入賞口235に入賞した遊技球が、演出表示装置211の後ろ側を通ることなく排出されるので、パチンコ機1の厚みが厚くなるのを抑制することができ、而して、厚みの厚い大型の演出表示装置211を用いても、パチンコ機1の厚みが厚くなるのを抑制することができるので、演出画像の表示領域を広くすることが可能となり、演出画像に用いられる図柄やキャラクタ等を、より見易くしたり、より興趣の高められるような複雑(繊細)な動きをさせることができ、興趣が低下するのを抑制することができる。
また、演出表示装置211の上方に大入賞口235を有したアタッカ装置230を配置しており、遊技球が打ち込まれる遊技領域の上部に近いので、遊技球の打ち込み操作により大入賞口230を狙い易くなり、大当り遊技(有利遊技状態)の際の遊技球の打ち込み操作による興趣をより高めることができると共に、演出表示装置211を大型化しても従来のパチンコ機のように演出表示装置の下方に配置されていないので、遊技球の大入賞口235への入賞が演出表示装置211の大きさに影響され難く、遊技球による興趣を低下させることなく演出表示装置211を大型化することができる。
更に、演出表示装置211の上方に大入賞口235を有したアタッカ装置230を配置しているので、「確変大当り」や「非確変大当り」等が抽選されて大当り遊技(有利遊技状態)となると、短時間に多くの遊技球が大入賞口235に入賞させられることとなるが、流通空間221が演出表示装置211の後端面よりも前方側に配置されていると共に、その幅が演出表示装置211の幅と略同じ幅としているので、流通空間221の容積を大きくすることができ、大量の遊技球が流通しても、その内部で遊技球が滞るのを防止することが可能となり、流通空間221内での球詰まりの発生を防止することができ、良好に大当り遊技を楽しませることができると共に、演出表示装置211の大型化による障害を可及的に少なくすることができ、障害により興趣が低下するのを抑制することのできる。
また、大当り遊技中は遊技者の打ち込み操作が大入賞口235のみを狙う単純な操作となるので、遊技に対して余裕が生まれ、流通空間221内での遊技球の動きにも興味を抱かせることが可能となることから、流通空間221内で上記のような遊技球の動きによる演出を付与することができ、流通空間221内の遊技球に注目させると共に、その動きによる演出によって遊技者を楽しませて、興趣を高められるようにすることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記の実施形態では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、スロットマシーンや、パチンコ機とスロットマシーンとを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。
また、本実施形態では、役物210のコンセプトとしてゴルフをイメージしたものを示したが、例えば、野球、テニス、バスケットボール、バレーボール、等の球技の他に、格闘技、アドベンチャー映画やゲームのシーン等をイメージしたものでも良く、躍動感に溢れた遊技媒体の動きを見せることで、興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、本実施形態では、第一始動口214又は第二始動口215への遊技球の入賞により抽選される抽選結果が「確変小当り」の時に、役物210における振分装置240によって大入賞口235に受入れられた遊技球を、第一受入口264へ受入れられる割合が高い特別流路に振り分けるようにしたものを示したが、例えば、「確変大当り」が抽選された時にも、同様の振り分けをさせるようにしても良く、「確変大当り」が抽選された際にも、第一受入口264への遊技球の受入れによって高確率の状態が維持されような遊技とすることができ、上記と同様に興趣を高められる効果を期待することができる。
また、本実施形態では、第一始動口214又は第二始動口215への遊技球の入賞により抽選される抽選結果が「確変小当り」や「小当り」の時に、その変動時間の終了後に、特別図柄や普通図柄等を含む演出画像によって、「小当り」を示唆する演出画像を停止表示させるものを示したが、例えば、「小当り」の際には、「小当り」であることを直接的に示唆するような演出画像の停止表示を廃止し、「ハズレ」を示唆する演出画像を停止表示させたり、「確変小当り」かも知れないような不明瞭な演出画像を停止表示させたりしても良く、これにより、遊技球の払い出しが少ない「小当り」が抽選されることによって損した気分になるのを緩和させることができると共に、「ハズレ」と思わせて実際は「確変小当り」だったと判明することでより得した気分にさせて興趣が低下するのを防止することができる。
また、乱数発生手段411において、大当り判定乱数や確率変更判定乱数などと共に、小当り判定乱数を発生させるものを示したが、例えば、乱数発生手段411では小当り判定乱数を発生させず、当否判定手段412において抽選結果が「ハズレ」であると判定されると別途の乱数発生手段により小当り判定乱数などを発生させるようにしても良い、これによっても、上述と同様の作用効果を奏することができると共に、始動記憶格納処理の際に記憶される乱数の容量を少なくすることができ、処理にかかる負荷を軽減させて、遊技処理に及ぼす影響を少なくして、良好な遊技処理を行わせることができる。
更に、本実施形態では、第一始動口214又は第二始動口215への遊技球の入賞により抽選される抽選結果が「確変小当り」の時に、役物210における振分装置240によって大入賞口235に受入れられた遊技球を、第一受入口264へ受入れられる割合が高い特別流路に振り分けるようにしたものを示したが、例えば、「大当り」が抽選されて有利遊技状態(大当り遊技)が発生する際に、演出表示装置211に表示される大当り遊技の継続回数(ラウンド数)が、実際の継続回数よりも少ない継続回数を表示させるようにし、大当り遊技の開始直前又は大当り遊技中に、大入賞口235に入賞した遊技球が振分装置240の振り分けにより第一受入口264に受入れられるようにして、第一受入口264に受入れさせた後に、継続回数の表示を実際の継続回数とするようにしても良く、従来の遊技機ような継続回数を増加させる演出を演出画像の演出表示で行うものと比較して、あたかも遊技球が第一受入口264に受入れられたことで、継続回数が増加したように見せることができ、内部的な処理ではなく遊技球の打ち込み操作によって得られたような気分にさせることが可能となり、より興趣が高められるのを期待することができる。