しかしながら、従来の遊技機では、停止表示される装飾図柄の組合せによって「大当り」或いは「確変大当り」等であるか否かが判別できるようになっている。つまり、大当り遊技等の有利遊技状態となる前に、「確変大当り」であるか否かを演出画像によって認識することができ、結果が判っているので、有利遊技状態の発生中では、単にアタッカ装置の大入賞口内へ遊技球を打ち込むだけの短調な遊技となり、遊技者によっては、飽き易くなり、遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがあった。
そこで、本発明は上記の実情に鑑み、有利遊技状態の発生に応じて、所定の受入口へ遊技媒体が受入れられるとあたかも遊技状態が変化するように見せることで、飽き難くして興趣が低下するのを防止することができる遊技機の提供を課題とするものである。
手段1:遊技機において、
「遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、
該遊技領域とは異なる空間で内部を流通する遊技媒体が遊技者から視認可能とされた遊技媒体演出空間と、
該遊技媒体演出空間と前記遊技領域との間に配置され、該遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体が進入可能とされた進入受入口、該進入受入口の下流側に配置され前記遊技媒体演出空間内の異なる位置に遊技媒体を放出可能な少なくとも第一放出口及び第二放出口、を少なくとも有し、前記進入受入口から進入した遊技媒体を少なくとも前記第一放出口又は前記第二放出口の何れかに振分可能な振分手段と、
前記遊技媒体演出空間内の下部に遊技者から視認可能となるように配置され、受入れられた遊技媒体を前記遊技領域内に戻すことなく外部へ排出させる第一受入口と、
該第一受入口に受入れられなかった遊技媒体を受入れて前記遊技領域内に戻すことなく外部へ排出させる第二受入口と、
前記振分手段の前記第一放出口から放出された遊技媒体を受取って、前記遊技媒体演出空間内の下部に遊技媒体を転動案内する転動案内部材と、
前記振分手段の前記第二放出口の略垂直下に少なくとも配置され、前記転動案内部材によって転動案内された遊技媒体及び前記第二放出口から放出された遊技媒体を、異なる確率で前記第一受入口に受入れられるように反発飛翔させる反発飛翔手段と、
前記遊技領域内の所定位置に配置され、該遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体が、開状態となると受入可能となり、閉状態となると受入不能となり、受入れた遊技媒体が前記進入受入口に送られる受入開閉手段と、
該受入開閉手段によって受入れられた遊技媒体を検出可能な受入検出手段と、
少なくとも該受入検出手段による遊技媒体の検出に基づいて所定数の遊技媒体を払出す払出手段と、
前記受入開閉手段とは前記遊技領域内の異なる位置に配置され、該遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体を受入可能な始動口と、
該始動口に受入れられた遊技媒体を契機として所定の抽選結果を抽選する抽選手段と、
該抽選手段の前記抽選結果に応じて前記受入開閉手段に所定の開閉動作をさせて遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、
該有利遊技状態発生手段によって有利遊技状態の発生する前記抽選結果が前記抽選手段により抽選される抽選確率を、前記抽選結果に応じて変更する抽選確率変更手段と、
前記抽選手段の前記抽選結果に応じて遊技媒体が前記第一受入口へ受入れられるように、前記振分手段を制御して前記第一放出口及び前記第二放出口の何れかに遊技媒体を振分制御する振分制御手段と
を具備する」ものであることを特徴とする。
ここで、「遊技領域とは異なる空間」としては、「遊技媒体が障害釘に当接しながら流下する領域とは異なる空間」、「始動口、入賞口、大入賞口等に受入れられた遊技媒体が流通可能な空間」、等が挙げられる。
また、「遊技媒体演出空間」とは、上下左右、及び前後に遊技媒体が流通可能な空間で、その内部に遊技媒体を少なくとも1秒以上滞在させることができると共に、遊技媒体を転動させたり飛翔させたりすることのできる規模の空間であり、例えば、「遊技領域の後側に配置され、箱状に形成された裏箱(後支持部材)によって区画形成された空間としたもの」、を挙げられる。なお、遊技媒体演出空間内には、遊技媒体が流通可能な「演出流路」を複数備えていることが望ましい。その「演出流路」としては、「遊技媒体を、上から下へ流下させるもの」、「遊技媒体を、高反発性部材に反発させて、上方向や左右方向に流通させるもの」、「遊技媒体を、低反発性部材に落下させるもの」、「可動役物(振分装置を含む)により遊技媒体の移動方向が変化するもの」、等が挙げられる。
更に、「振分手段」とは、進入受入口から進入した遊技媒体を少なくとも第一放出口又は第二放出口の何れかに振分けることができるものであれば良く、例えば、「第一放出口又は第二放出口と連通可能な収容部を有した回転体を回転させることで第一放出口又は第二放出口の何れかに遊技媒体を振分けるもの」、「シーソー状の部材を所定方向に傾動させることで第一放出口又は第二放出口の何れかに遊技媒体を振分けるもの」、「第一放出口又は第二放出口と連通可能な通路を閉鎖する閉鎖部材を夫々備え、何れかの閉鎖部材を開状態とすることで第一放出口又は第二放出口の何れかに遊技媒体を振分けるもの」、等が挙げられる。なお、第一放出口及び第二放出口とは異なる第三放出口や第四放出口等、更に多くの放出口を備えて、それら放出口の何れかに振分けるようにしても良い。
また、「第一放出口及び第二放出口」としては、「遊技媒体が通過可能な下方、又は側方に開口した単なる穴とされたもの」、「遊技媒体を渦巻状に回転させた後に下方へ放出可能とされたもの(例えば、クルーン)」、等が挙げられる。
また、「第一受入口」としては、「遊技者の目の高さよりも下方に配置され、遊技媒体が転動可能な転動面(例えば、ステージや転動受部)上に配置されたもの」、「反発飛翔手段から反発飛翔してきた遊技媒体を受取可能な転動受部上に配置されたもの」、等が挙げられる。
更に、「転動案内部材」としては、「管状に形成されたもの」、「樋状に形成されたもの」、「略平行する少なくとも二本以上のレール部材からなるもの」、等が挙げられる。
また、「反発飛翔手段」としては、ゴム、バネ、樹脂等の弾性部材からなる高反発性部材により、所定の運動エネルギーを有した遊技媒体をその運動エネルギーを用いて遊技媒体が飛翔するように反発させることのできるものであり、平面状、曲面状、或いは、平面部と曲面部とを有した複合面状等としたものが挙げられる。なお、放出される放出口によって遊技媒体が反発飛翔手段と当接する位置を異ならせるようにしても良いし、何れの放出口から放出されても反発飛翔手段の略同じ位置に当接するようにしても良い。
また、「異なる確率で第一受入口に受入れられるように反発飛翔させる」ものとしては、「放出口によって反発飛翔手段の異なる位置(部位)に遊技媒体を当接させるようにすると共に、当接する位置に応じて反発飛翔する方向や速度等を適宜選択することで確率を異ならせるもの」、「放出された放出口に係らず、反発飛翔手段の略同じ位置に遊技媒体を当接させるようにすると共に、転動案内部材により反発飛翔手段に当接する角度や速度等を適宜選択することで確率を異ならせるもの」、等が挙げられる。
更に、「受入開閉手段」としては、「一対の開閉部材の自由端側を互いに接近させたり、離反させたりすることで開閉自在としたもの(所謂、電動チューリップ)」、「一つの開閉片を回動させることで開閉自在としたもの」、等が挙げられる。
また、「始動口」としては、「受入れた遊技媒体を検出した後に、遊技領域に戻すことなく遊技機外へ排出するもの」、「受入れた遊技媒体を検出した後に、再び遊技領域に戻すもの」、等が挙げられ、始動口への遊技媒体の受入れにより、所定数の遊技媒体が払い出されるものであっても良いし、遊技媒体が払い出されないものであっても良い。
更に、「抽選確率変更手段」とは、抽選手段の抽選結果によって、大当り遊技状態等の有利遊技状態が発生する抽選結果が抽選される抽選確率を通常の状態から、高確率の状態へ変更したり、高確率の状態から通常の状態へ変更したりするものである。なお、ここで言う抽選確率を変更する抽選結果とは、「確変大当り」のようなものの他に、「時短大当り」のように抽選結果を示唆するまでの時間を短くして、単位時間当たりの抽選回数を増やすことで「大当り」が抽選される確率を見かけ上高くしたものも含まれると共に、高確率の状態から通常の状態に変更するものも含まれる。
なお、「有利遊技状態」とは、通常の遊技状態よりも遊技者に有利となる状態を意味するものであり、以下のような種々の状態を例示できる。
(1)パチンコ機等の遊技機において、開閉駆動される進入口(入賞口)を、所定回数繰返し開閉させたり、所定時間、あるいは遊技球が所定個数入賞するまで継続して開放させたりして、遊技媒体(遊技球)が多量に進入口に進入し易くした状態(所謂「大当り状態」)。
(2)パチンコ等の遊技機において、大当りに関する抽選の当選確率を通常よりも高確率として、大当り状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
(3)パチンコ機等の遊技機において、遊技媒体の進入(入賞)や通過により大当り状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選用の抽選始動装置を、通常よりも遊技媒体が進入し易い状態とし、大当りの抽選が通常よりも頻繁に行われるようにした状態、所謂「時間短縮状態」。
(4)パチスロ機等の遊技機において、所定ゲームの間、遊技媒体であるメダルの払出しを行う態様にてリールが停止され易くした状態、所謂「ボーナスゲーム状態」。
(5)パチスロ機等の遊技機において、次回以降のゲーム状態をボーナスゲーム状態にさせるための条件であるボーナス図柄にてリールを停止可能とした状態、所謂「ボーナス成立状態」。
(6)パチスロ機等の遊技機において、所定ゲーム数の間、役を成立させるためのリールの停止順序や図柄を案内する等して、役の成立を手助けする状態、所謂「アシストゲーム状態」。
(7)パチスロ機等の遊技機において、ボーナスゲーム状態、ボーナス成立状態、アシストゲーム状態等の特典状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
ところで、従来の遊技機では、遊技領域中の役物内等に、略水平方向に延びるシーソー状の振分装置を設けておき、遊技状況に応じて、その振分装置の傾く方向を変更することで、右側や左側等の異なる流路を介して遊技球を中央付近に設けられたステージ上に導き、役物内での遊技球の動き(流れ)を楽しめるようにしたものが知られている(例えば、特開2003−290489号公報)。また、遊技領域中の役物等内に、外周に沿って複数の収容部を有した回転体を備えると共に、特定(一つ)の収容部をV入賞口に連通させた振分装置を備え、この振分装置の回転する回転体に遊技球を供給して、特定の収容部に遊技球が収容されるか否かを楽しませるようにしたものも知られている(例えば、特開2004−129715号公報)。
しかしながら、上述したような従来の遊技機では、遊技媒体が振分装置によって振分けられた時点で、所望の受入口(例えば、V入賞口)に受入れられるか否かが判るので、振分け後の遊技媒体に対する関心が低くなり、遊技媒体の動きを充分に楽しませることができず、興趣を低下させてしまう恐れがあった。
一方、「確変大当り」が抽選された時に、演出表示手段(演出表示装置)に「ハズレ」若しくは、通常の「大当り」を示唆する装飾図柄の組合せで停止表示させ、「確変大当り」が抽選されたことを演出表示手段によって表示しないようにすることで、遊技者に対してあたかも突然、抽選確率が高確率状態になったような印象を与えて、得した気分にさせて興趣を高められるようにすることが考えられる。しかしながら、この場合、演出表示手段に「確変大当り」等の「確変」を示唆する演出画像を表示しないので、「確変大当り」等が抽選されたのか否かが判らなくなるので、現在の遊技状態が不明確な状態となり、遊技者によっては、かえって遊技や遊技機に不安感を抱かせてしまい、興趣を低下させてしまう恐れがある。
手段1の構成によると、遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、遊技領域とは異なり内部が遊技者から視認可能とされた遊技媒体演出空間と、遊技媒体演出空間と遊技領域との間に配置され、遊技媒体が進入可能な進入受入口、進入受入口の下流側に配置され遊技媒体演出空間内の異なる位置に遊技媒体を放出可能な少なくとも第一放出口及び第二放出口を有し、進入受入口から進入した遊技媒体を第一放出口又は第二放出口の何れかに振分可能な振分手段と、遊技媒体演出空間内の下部に遊技者から視認可能となるように配置され受入れられた遊技媒体を遊技領域内に戻すことなく外部へ排出させる第一受入口と、第一受入口に受入れられなかった遊技媒体を受入れて遊技領域内に戻すことなく外部へ排出させる第二受入口と、第一放出口から放出された遊技媒体を受取って遊技媒体演出空間内の下部に遊技媒体を転動案内する転動案内部材と、第二放出口の略垂直下に少なくとも配置され転動案内部材によって転動案内された遊技媒体及び第二放出口から放出された遊技媒体を異なる確率で第一受入口に受入れられるように反発飛翔させる反発飛翔手段と、遊技領域内の所定位置に配置され遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体が、開状態となると受入可能となり、閉状態となると受入不能となり、受入れた遊技媒体が進入受入口に送られる受入開閉手段と、受入開閉手段によって受入れられた遊技媒体を検出可能な受入検出手段と、少なくとも受入検出手段による遊技媒体の検出に基づいて所定数の遊技媒体を払出す払出手段と、受入開閉手段とは遊技領域内の異なる位置に配置され遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体を受入可能な始動口と、始動口に受入れられた遊技媒体を契機として所定の抽選結果を抽選する抽選手段と、抽選結果に応じて受入開閉手段に所定の開閉動作をさせて遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、有利遊技状態発生手段によって有利遊技状態の発生する抽選結果が抽選手段により抽選される抽選確率を抽選結果に応じて変更する抽選確率変更手段と、抽選結果に応じて遊技媒体が第一受入口へ受入れられるように振分手段を制御して第一放出口又は第二放出口の何れかへ遊技媒体を振分制御する振分制御手段とを備えたものである。
この遊技機による遊技内容を詳述すると、遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体が始動口に受入れられると、所定の抽選結果が抽選され、有利遊技状態を発生させる抽選結果(例えば、「大当り」、「確変大当り」等)が抽選されると、受入開閉手段が所定パターンで開閉動作(例えば、大当り遊技状態)をし、開状態の時に遊技媒体が受入れられると所定数の遊技媒体が払出されると共に受入れられた遊技媒体が進入受入口へと送られる。そして進入受入口から進入した遊技媒体は、抽選結果に応じて少なくとも第一放出口又は第二放出口の何れかに振分けられると共に、遊技領域とは異なる遊技媒体演出空間内の異なる位置へ放出される。この遊技媒体が供給される遊技媒体演出空間内には、その下部に視認可能となるように配置された第一受入口と、第一受入口に受入れられなかった遊技媒体を受入れる第二受入口とが配置されている。そして、まず、第一放出口から放出された遊技媒体は、転動案内部材により遊技媒体演出空間の下部へ案内された後に、所定の確率で受入れられるように反発飛翔手段によって第一受入口へ向かって反発飛翔する。また、第二放出口から放出された遊技媒体は、その垂直下に配置された反発飛翔手段によって転動案内部材とは異なる確率で第一受入口に受入れられるように第一受入口へ向かって反発飛翔することとなる。
これにより、反発飛翔手段が第二放出口の垂直下に配置されているので、蓋然的に、転動案内部材によって転動案内される距離は、第二放出口から反発飛翔手段までの距離よりも長くなる。そのため、遊技媒体が第一放出口へ振分けられると、振分けられてから反発飛翔手段によって反発飛翔するまでの時間が第二放出口よりも長くなり、第二放出口から放出される遊技媒体よりも、第一放出口から放出されて転動案内部材により転動案内される遊技媒体のほうが、遊技者に気付かせ易くすることができ、転動案内部材によって転動案内される遊技媒体を気付かせて見せることで、その後の反発飛翔手段で反発飛翔して第一受入口へと向かう遊技媒体の動きを想像させることができ、遊技媒体の動きに対する期待感を高めることができる。一方、第二放出口へ振分けられると比較的早い時間に反発飛翔手段で反発飛翔することとなり、瞬時に反発飛翔する遊技媒体の素早い動きによって遊技者を驚かせることができる。従って、何れの放出口へ遊技媒体が振分けられても、遊技媒体の動きを楽しませることができ、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
また、振分手段で遊技媒体が第一放出口へ振分けられると、遊技媒体が転動案内部材により遊技媒体演出空間の下部へ転動案内されると共に反発飛翔手段に向かって案内され、その後反発飛翔手段によって突然、上方に向かって反発飛翔するので、これまでの遊技機では見られなかった遊技媒体の動きを見せることが可能となり、遊技者を驚かせることができると共に、遊技媒体が第二放出口へ振分けられると、遊技媒体が反発飛翔手段へ向かって垂下した後に、反発飛翔手段で第一受入口に向かって反発飛翔するので、ポンポンと跳ねる遊技媒体の動きを遊技者に見せることが可能となり、そのリズミカルな動きを楽しませることができ、何れの放出口へ遊技媒体が振分けられても、特徴的な動きをする遊技媒体を遊技者に見せることができ、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。なお、反発飛翔させる際に、遊技媒体を右から左へ、或いは、左から右へ、左右方向中央を挟んで大きく飛翔させるようにしても良く、これにより、遊技媒体が左右に大きく移動するので、更に遊技者を驚かせて、興趣の高められるものとすることができる。
また、受入開閉手段が開閉動作中、つまり、有利遊技状態の発生に応じて、受入開閉手段によって受入れられた遊技媒体が、振分手段を介して遊技媒体演出空間内へと供給され、その遊技媒体演出空間内で、遊技媒体が垂下するように落下したり、第一受入口へ向かって反発飛翔したり、するようなこれまでに無い動きをして遊技者を楽しませることができ、単調な遊技となって飽き易くなるのを抑制して、興趣が低下するのを防止することができる。
更に、始動口入賞による抽選結果に応じて、振分手段による遊技媒体の振分けを制御するようにしているので、例えば、抽選結果が、高確率状態に変更したり維持したりするもの(例えば、「確変大当り」)の場合、第一受入口に受入れられる確率が最も高い第一放出口へ振分けるようにしても良く、これにより、振分手段により振分けられた遊技媒体が第一受入口に受入れられることとなり、遊技者から見れば、あたかも第一受入口に遊技媒体が受入れられたことにより、高確率状態となるように錯覚させることができ、有利遊技状態中に、遊技媒体演出空間内において遊技媒体が第一受入口に受入れられるか否かで、ハラハラ・ドキドキさせて、遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
また、例えば、抽選結果が、高確率状態に変更したり維持したりするもの(例えば、「確変大当り」)の時に遊技媒体を第一受入口へ受入れられる確率の高いほうの放出口に振分けて第一受入口へ受入れさせるようにすることができるので、演出表示手段の演出画像によって抽選結果を表示させるようにした場合と比較して、遊技媒体が直接第一受入口に受入れられるのを遊技者に見せることができ、遊技者に物理的な安心感を与えて、興趣が低下するのを抑制することができる。
なお、抽選結果によって予め高確率状態とすることが決められており、仮に第一受入口に遊技媒体が受入れられなくても、高確率状態となるので、第一受入口に受入れられずに残念な気分にさせた後に、高確率状態になることで、突然、高確率状態となったように錯覚させて、得した気分にさせることができ、抑揚に富んだ遊技機として、より興趣が低下するのを防止することができる。
更に、第一受入口が視認可能な位置に配置されており、第一受入口を視認させることで、遊技者に対して第一受入口に遊技媒体が受入れられると、遊技者にとって何か良いことがあると直感的に認識させることができるので、遊技媒体演出空間内を落下したり、反発飛翔したり、転動したりする遊技媒体が、第一受入口に受入れられるか否かで、ワクワク・ドキドキさせて期待感を高めることが可能となり、遊技媒体に注目させて、飽き難く興趣の高められるものとすることができる。
ところで、第一放出口と第二放出口とでは、反発飛翔手段で反発飛翔して第一受入口へ受入れられる確率が夫々異なるようになっているので、より高い確率で受入れられる放出口へ振分けられるのを強く望み、振分手段において所望の振分口へ振分けられるか否かで、期待感を高めることができる。そして、遊技媒体が何れの放出口へ振分けられても第一受入口へ受入れられる可能性があるので、振分けられた遊技媒体が第一受入口へ受入れられるか否かで期待感を高めることができる。つまり、振分手段の振分け前後において、遊技者の期待感を高めることができるので、より一層、遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、より興趣の高められるものとすることができる。
なお、遊技媒体演出空間内における第一受入口へ向かうように振分手段によって何れかの放出口へ遊技媒体を振分けるタイミングとしては、受入開閉手段が開状態の時であっても良いし、閉状態の時であっても良く、例えば、有利遊技状態の発生中に所定のパターンで開閉動作する受入開閉手段が開状態と開状態との間(ラウンドの間)、つまり、閉状態の時に、振分手段によって振分けるようにした場合、受入開閉手段を狙った打ち込み操作が小康状態となっている場合が多く、振分けられることで遊技媒体演出空間内で所定の演出動作をして第一受入口へ向かう遊技媒体の動きに注目することができ、その動きを楽しませられることができると共に、遊技媒体が第一受入口に受入れられるか否かでハラハラ・ドキドキさせて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第一受入口、転動案内部材、反発飛翔手段等の外形形状や色彩等を、夫々互いに関連するようなものとしても良い。具体的には、例えば、遊技機のコンセプトをスポーツのゴルフとした場合、第一受入口をカップとすると共に、転動案内部材、反発飛翔手段等をフェアウエーやグリーン、或いは、バンカーとし、遊技媒体演出空間の下部に、ゴルフ場に見立てたジオラマを展開させ、振分手段により振分けられた遊技媒体をゴルフボールに見立てて、カップインする遊技媒体を見せることができ、その情景により遊技者の想像力を掻き立てて、より遊技媒体の動きを楽しませることができると共に、無機質的に第一受入口、転動案内部材、反発飛翔手段等を配置した場合と比較して、そのジオラマを見ることで、一見して遊技機のコンセプトを認識させて遊技機に対する期待感を高められるものとすることができ、訴求力のある遊技機とすることができる。
なお、遊技媒体演出空間の後側に、抽選手段の抽選結果に応じて、複数の装飾図柄からなる複数の図柄列を変動表示させた後に、所定の装飾図柄の組合せで停止表示させることで抽選結果を示唆するような演出画像等を表示可能な演出表示手段を備えるようにしても良く、これにより、上述した遊技媒体の動きによる演出だけでなく、演出画像による演出も合わせて行うことができ、それら演出の相乗効果によってより興趣の高められるものとすることができる。また、遊技媒体演出空間の後側に演出表示手段を配置することで、遊技媒体演出空間内を落下したり、反発飛翔したりする遊技媒体を、シルエットとして浮かび上がらせることもでき、これまでにない遊技媒体の動きが見られる遊技機として、遊技者の関心を引き付けることができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記反発飛翔手段は、
前記振分手段の前記第一放出口から放出された遊技媒体が、前記第二放出口から放出された遊技媒体よりも高い確率で前記第一受入口へ受入れられるように反発飛翔させる」ものであることを特徴とする。
ここで、「第二放出口よりも高い確率で第一受入口へ受入れさせる」構成としては、「第一放出口からの遊技媒体が当接する部位を平面状とすると共に、第二放出口からの遊技媒体が当接する部位を曲面状としたもの」、「転動案内部材によって遊技媒体を反発飛翔手段の特定部位に、比較的高い精度で当接させるようにすることで、第二放出口よりも高い確率で受入れられるようにしたもの」、「第二放出口から放出される遊技媒体の放出精度を不安定(不正確)にして、第二放出口から放出された遊技媒体が受入れられる確率を低くすることで、第一放出口から放出された遊技媒体が受入れられる確率を相対的に高くしたもの」、等が挙げられる。
手段2の構成によると、振分手段の第一放出口から放出された遊技媒体が、第二放出口から放出された遊技媒体よりも高い確率で第一受入口へ受入れられるように、反発飛翔手段によって反発飛翔させるようにしたものである。
これにより、第一放出口へ遊技媒体が振分けられると、第一受入口へ受入れられる確率が高くなっているので、遊技者に対して遊技媒体が第一放出口へ振分けられるのを強く望ませることが可能となると共に、転動案内部材で転動案内されて反発飛翔手段に到達するまでの時間が長いため、その間に反発飛翔手段で反発飛翔して第一受入口へ向かう遊技媒体を想像させる時間を与えることが可能となり、遊技者の期待感をより高めて興趣が低下するのを防止することができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記反発飛翔手段は、
前記転動案内部材によって転動案内された遊技媒体が当接する第一反発飛翔部と、
前記第二放出口から放出された遊技媒体が当接する第二反発飛翔部とを備えている」ものであることを特徴とする。
ところで、反発飛翔手段において、転動案内部材によって転動案内された遊技媒体が当接する位置(部位)と、第二放出口から放出された遊技媒体が当接する位置とを略同じ位置とした場合、第二放出口からは遊技媒体が自由落下してくるので、その遊技媒体が第一受入口へ受入れられるようにするには、反発飛翔手段の当接面の形状がある程度決まった形状となる。そして、決まった形状の反発飛翔手段に対して、転動案内部材により異なる方向から遊技媒体を当接させて所望の確率で第一受入口へ受入れられるように反発飛翔させるためには、転動案内部材による遊技媒体の案内精度を高くする必要があり、転動案内部材にかかるコストが増加する恐れがある。
手段3の構成によると、反発飛翔手段に、転動案内部材によって転動案内された遊技媒体が当接する第一反発飛翔部と、第二放出口から放出された遊技媒体が当接する第二反発飛翔部とを備えるようにしたものである。
これにより、反発飛翔手段において、第一放出口から放出されて転動案内部材により転動案内された遊技媒体が当接する第一反発飛翔部と、第二放出口から放出された遊技媒体が当接する第二反発飛翔部とを一つの反発飛翔手段に備えるようにしているので、各反発飛翔部を遊技媒体が当接する方向に対して第一受入口へ受入れられる最適な形状とすることができ、放出口に応じて、第一受入口への受入れ確率を容易に異ならせることができると共に、容易に所望の確率とすることができる。
手段4:手段3の構成において、
前記第一反発飛翔部が、前記転動案内部材による転動案内方向に案内された遊技媒体を前記第一受入口の方向へ向かって反発飛翔するように、所定角度傾斜した平面状の第一傾斜面を備えていると共に、
前記第二反発飛翔部が、前記第二放出口から垂下する遊技媒体を前記第一受入口の方向へ向かって反発飛翔するように、前記第一傾斜面と連続する曲面部と、該曲面部と連続し所定角度傾斜した平面状の平面部とを備えているものであることを特徴とする。
手段4の構成によると、第一反発飛翔部に、転動案内部材の案内方向に対して所定角度傾斜した平面状の第一傾斜面を備えると共に、第二反発飛翔部に、第一傾斜面と連続する曲面部とこの曲面部と連続し第二放出口の垂直下に配置される平面部とからなる第二傾斜面を備えるようにしたものである。
これにより、第一反発飛翔部では、転動案内部材により案内される遊技媒体の案内方向と第一傾斜面との関係が変化し難くなっており、遊技媒体を略同じ位置へ反発飛翔させることができ、第一受入口へ受入れられる確率を安定させて、所望の高い確率とすることができる。一方、第二反発飛翔部では、平面部と曲面部とからなる第二傾斜面を備えているので、例えば、平面部では第一受入口へ受入れられる確率を安定させることができ、曲面部では第二放出口から落下放出される遊技媒体の位置が僅かに変化して当接する位置が変化しただけで反発飛翔する位置が区々となり易く第一受入口へ受入れられる確率を不安定にすることができ、第二反発飛翔部での遊技媒体の当接位置を変更することで、容易に第一反発飛翔部による受入れ確率と異ならせることができる。
従って、反発飛翔手段における第一反発飛翔部及び第二反発飛翔部の反発飛翔による第一受入口への受入れ確率を容易に、所望の確率とすることができ、且つ、第二反発飛翔部の曲面部によって反発飛翔する方向が様々に変化するので第一受入口へ受入れられるように反発飛翔するか否かで遊技者の期待感を高めることができ、上述した作用効果を奏する遊技機を確実に具現化することができる。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記転動案内部材が、前記第一受入口よりも下方へ遊技媒体を転動案内させると共に、前記反発飛翔手段が、前記第一受入口よりも上方へ遊技媒体を反発飛翔させる」ものであることを特徴とする。
手段5の構成によると、転動案内部材によって遊技媒体を第一受入口よりも下方へ転動案内させると共に、反発飛翔手段によって転動案内部材により転動案内された遊技媒体を第一受入口よりも上方へ反発飛翔させるものである。
これにより、第一放出口から放出された遊技媒体が、転動案内部材によって一旦、第一受入口よりも下側へ転動案内されるので、遊技者に対して第一受入口へ遊技媒体が受入れられないような印象を与え、その後、反発飛翔手段によって第一受入口よりも下方から、第一受入口の上方へ第一受入口へ遊技媒体が受入れられるように反発飛翔させて、遊技者に対して瞬間的に落胆させた後に安心させることができ、抑揚の富んだものとして、より興趣を高められるものとすることができる。また、反発飛翔手段によって第一受入口の下方から第一受入口の上方へ大きく反発飛翔する遊技媒体の動きを見せることができ、遊技者を驚かせて興趣が低下するのを抑制することができる。
手段6:手段1から手段5までの何れか一つの構成において、
「前記第一受入口が上面に開口し、前記反発飛翔手段によって反発飛翔した遊技媒体を受取って転動可能とされた転動受部を更に具備する」ものであることを特徴とする。
ところで、第一受入口を筒状の頂部に配置するようにした場合、反発飛翔手段によって反発飛翔した遊技媒体が第一受入口に受入れられるためには、かなりの高精度で遊技媒体を反発飛翔させなければならず、反発飛翔手段を具現化するためのコストが高くなるとと共に、所望の確率で第一受入口に遊技媒体を受入れさせることが困難となる問題がある。
手段6の構成によると、第一受入口が上面に開口するように配置され、反発飛翔手段からの遊技媒体を受取ることの可能な転動受部を更に備えるようにしたものである。
これにより、転動受部によって反発飛翔手段から反発飛翔してきた遊技媒体を受取り易くすることができると共に、転動受部の転動面を工夫することで受取った遊技媒体が第一受入口へ受入れられ確率を容易に選択することができ、第一受入口への遊技媒体の受入にかかる構造上のコストが増加するのを抑制することができる。
また、転動受部の上面に第一受入口が開口するように配置されているので、第一受入口をより目立たせることができ、第一受入口への関心を高めることができる。
手段7:手段1から手段6までの何れか一つの構成において、
「前記振分手段の前記第一放出口及び前記第二放出口が、前記遊技領域に対して左右方向略中央を挟むように夫々左右に離反した位置に配置され、
前記第一受入口が、前記遊技媒体演出空間における左右両端部間の適宜位置に配置されている」ものであることを特徴とする。
手段7の構成によると、振分手段の第一放出口及び第二放出口を、遊技領域に対する左右方向略中央を挟むように、夫々左右に離反して配置すると共に、第一受入口を、遊技媒体演出空間内の左右両端を除く適宜位置に配置するようにしたものである。
これにより、遊技領域(遊技媒体演出空間)の中央を挟んで左右の一方側では、第一放出口から供給された遊技媒体が転動案内部材に案内されて遊技媒体演出空間の下部へ転動して反発飛翔手段で第一受入口へ向かって反発飛翔する動きを見せることができ、他方側では、第二放出口から反発飛翔手段に向かって落下した遊技媒体が反発飛翔手段で第一受入口へ向かって反発飛翔する動きを見せることができ、遊技媒体演出空間の左右で異なる遊技媒体の動きを見せることで、遊技者を楽しませて、興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第一受入口を、遊技媒体演出空間の端に配置するようにしていないので、第一受入口の左右に空間を取ることができ、これにより、第一受入口がひらけた位置に配置されることとなり、第一受入口を目立たせることが可能となって、第一受入口への関心を高めて、遊技媒体が第一受入口へ受入れられるか否かで、遊技者をハラハラ・ドキドキさせて、より興趣の高められるものとすることができる。
更に、上述したように、第一受入口の左右に空間を取ることができるので、例えば、第一受入口を遊技媒体が転動可能な転動面(例えば、転動受部)上に配置した場合、その転動面上で遊技媒体を左右方向に揺動するように転動させることができ、揺動する遊技媒体の動きにより、第一受入口に受入れられるか否かで気を持たせることが可能となり、遊技者を楽しませて、興趣が低下するのを抑制することができる。
手段8:手段1から手段7までの何れか一つの構成において、
「前記反発飛翔手段が、前記遊技領域に対して左右方向略中央から左右何れか一方側に配置されると共に、
前記第一受入口が、前記反発飛翔手段が配置された側とは反対側の左右何れか他方側に配置される」ものであることを特徴とする。
手段8の構成によると、反発飛翔手段を、中央よりも左右何れか一方に配置すると共に、第一受入口を、反発飛翔手段とは中央を挟んで左右反対側に配置するようにしたものである。
これにより、反発飛翔手段によって反発飛翔する遊技媒体を、中央を挟んで左右方向の一方側から他方側へ反発飛翔させて左右方向に大きく飛翔する遊技媒体を見せることができ、これまでにない遊技媒体の動きを見せることで遊技者を驚かせて、興趣が低下するのを抑制することができる。
手段9:手段1から手段8までの何れか一つの構成において、
「前記転動案内部材は、
前記振分手段の前記第一放出口から放出される遊技媒体を受取る受部と、
該受部によって受取られた遊技媒体を略垂直方向に案内させた後に略水平方向に案内させる転動案内レールと、
該転動案内レールによって転動案内された遊技媒体を前記反発飛翔手段へ向けて放出する放出口と
を備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「転動案内レール」としては、「チューブ状としその内部に遊技媒体を転動させるもの」、「複数本の線状のレール部材からなるもの」、等が挙げられる。なお、転動案内レールによって案内される遊技媒体が遊技者から視認できるようにすることが望ましい。
手段9の構成によると、転動案内部材を、第一放出口から放出される遊技媒体を受取る受部と、受部によって受取られた遊技媒体を略垂直方向に案内させた後に略水平方向に案内させる転動案内レールと、転動案内レールによって転動案内された遊技媒体を反発飛翔手段へ向けて放出する放出口とで構成するようにしたものである。
これにより、転動案内レールの略垂直方向に案内する部分で、案内される遊技媒体に勢いを付けることができと共に、略水平方向に案内する部分で、反発飛翔手段に対して狙いを定めることができ、確実に遊技媒体を反発飛翔手段に当てて、遊技媒体を所望の方向へ反発飛翔させることができる。
手段10:手段9の構成において、
「前記転動案内部材の前記転動案内レールが、
前記遊技媒体演出空間の左右何れか一方の端部及び下端部と略沿うように配置されている」ものであることを特徴とする。
手段10の構成によると、転動案内部材の転動案内レールが、遊技媒体演出空間の左右何れか一方の端部及び遊技媒体演出空間の下端部と略沿うように配置されているものである。
これにより、転動案内部材に案内される遊技媒体が遊技媒体演出空間の外周に略沿うように案内されることとなり、第二放出口から放出落下する遊技媒体の動きとは明らかに異なる動きとすることができ、動きの違いを際立たせて、夫々の動きを楽しませることができる。
また、遊技媒体演出空間の後側に、所定の演出画像を表示可能な演出表示手段を配置した場合、転動案内部材の転動案内レールが遊技媒体演出空間の端に配置されているので、転動案内レールによって演出表示手段に表示された演出画像が遮られる部分を可及的に少なくすることができ、演出表示手段による演出画像を確実に楽しませて、興趣が低下するのを抑制することができる。
手段11:手段1から手段10までの何れか一つの構成において、
「前記振分手段は、
少なくとも前記第一放出口、及び前記第二放出口が、遊技者から遊技媒体が視認可能とされると共に遊技媒体を渦巻状に回転させた後に下方へ放出可能なクルーンとされている」ものであることを特徴とする。
ところで、振分手段により振分けられた遊技媒体を下流側へ受渡す各放出口を単なる穴(開口)とした場合、放出口における遊技媒体の位置、速度、タイミング等が変化することで、放出口から放出される遊技媒体の放出方向や速度等が不均一となり、下流側へ的確に受渡すことができず、遊技媒体に所望の演出動作を付与できなくなって遊技者の興趣を低下させてしまう恐れがある。
手段11の構成によると、少なくとも第一放出口及び第二放出口を、遊技媒体が視認可能とされたクルーンとしたものである。
これにより、遊技媒体を各放出口のクルーンによって渦巻状に回転させた後に下方へ放出することができ、このクルーンによって遊技媒体の動きが整流されるので、振分手段から下流側の転動案内部材、反発飛翔手段(第二反発飛翔部)等へ遊技媒体の受渡しを均一化することが可能となり、下流側の流路で遊技媒体に所望の演出動作を確実に付与させることができ、その演出動作によって遊技者を楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
また、各クルーンにおいて、渦巻状に回転する遊技媒体を視認することができるので、クルーン内での遊技媒体の動きを楽しませることができると共に、クルーン内で回転することによって遊技媒体が放出されるまでに一瞬遊技媒体の流れが停止したような状態となり、その一瞬の時間によって下流側で演出動作する遊技媒体への期待感を高めてより興趣を高められる効果を期待することができる。
手段12:手段1から手段11までの何れか一つの構成において、
「前記振分手段は、
少なくとも前記第一放出口又は前記第二放出口へ進入する遊技媒体を検出可能な進入検出手段を更に有している」ものであることを特徴とする。
手段12の構成によると、振分手段に、進入受入口へ進入して少なくとも第一放出口又は第二放出口へ振分けられる遊技媒体を検出可能な進入検出手段を更に備えるようにしたものである。
これにより、進入検出手段によって振分けるべき遊技媒体が有るか無いかを判別することが可能となり、遊技媒体が無い場合は、振分手段の振分動作を停止させて、振分手段が無駄な動きをするのを防止することができる。
なお、遊技媒体演出空間から排出される遊技媒体を検出する手段を備えて、振分けられる遊技媒体の数と、遊技媒体演出空間から排出された遊技媒体との数を比較するようにしても良く、これにより、遊技媒体演出空間内で遊技媒体詰まり(例えば、球詰まり)等が発生したことを検出することが可能となり、不具合の発生を自動的に検出して速やかに解消させて、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
手段13:手段1から手段12までの何れか一つの構成において、
「前記振分手段は、
前記進入受入口から進入した遊技媒体を所定数まで貯留可能な貯留通路と、
該貯留通路に貯留されなかった遊技媒体を前記遊技領域内に戻すことなく外部へ排出可能な排出通路とを更に有している」ものであることを特徴とする。
ところで、振分手段により振分けられた遊技媒体の動きを遊技者に楽しませるためには、振分けられた遊技媒体を確実に遊技者に認識(視認)させる必要があり、そのためには、振分手段において遊技媒体を一つずつ振分けるようにすることが望ましい。しかしながら、振分手段において遊技媒体を一つずつ振分けるようにすると、一回の振分動作には所定の時間を要するので、有利遊技状態の発生中には一度に多くの遊技媒体が進入受入口に供給されるため、進入受入口で振分けを待つ遊技媒体が滞ることとなり、滞った遊技媒体によって不具合が発生する恐れがある。
手段13の構成によると、振分手段に、進入受入口から進入した遊技媒体を所定数まで貯留可能な貯留通路と、貯留通路に貯留されなかった遊技媒体を排出する排出通路とを更に備えたものである。
これにより、大当り遊技等の有利遊技状態の発生中に一度に多くの遊技媒体が進入受入口に供給されても、供給された遊技媒体を所定数まで貯留通路に貯留させると共に、貯留通路から溢れた遊技媒体を排出通路によって排出するようにしているので、進入受入口で遊技媒体が不要に滞るのを防止することが可能となり、滞った遊技媒体によって不具合が発生するのを防止して、不具合によって遊技が中断して遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
手段14:手段13の構成において、
「前記排出通路に排出された遊技媒体を、遊技者から視認不能な状態で前記遊技領域内に戻すことなく外部へ誘導排出させる誘導排出部材を更に具備する」ものであることを特徴とする。
手段14の構成によると、排出通路に排出された遊技媒体を視認不能な状態で外部へ誘導排出させる誘導排出部材を更に備えたものである。
これにより、アタッカ装置等に相当する受入開閉手段によって受入れられた遊技媒体が、遊技者から見えないように排出されるので、従来の遊技機におけるアタッカ装置と同様の状態とすることができ、従来の遊技機に慣れた遊技者が、受入開閉手段に対して違和感を感じるのを抑制し、興趣が低下するのを防止することができる。
手段15:手段14の構成において、
「前記誘導排出部材は、
遊技媒体を略垂直に流下するように誘導すると共に、遊技媒体の流下速度を抑制する速度抑制手段を備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「速度抑制手段」としては、「遊技媒体の誘導路上に複数の突起を備えて、それら突起に遊技媒体を衝突させることで流下速度が上昇するのを抑制するもの」、「遊技媒体の誘導路上に遊技媒体の流通により変形する可撓性部材を配置し、その可撓性部材が遊技媒体と接触して変形することで流下速度が上昇するのを抑制するもの」、等が挙げられる。
手段15の構成によると、誘導排出部材によって遊技媒体を略垂直に流下させるようにすると共に、誘導排出部材に流下速度を抑制する速度抑制手段を備えたものである。
これにより、遊技媒体を誘導排出する流路を略垂直となるように配置しているので、有利遊技状態の発生によって多くの遊技媒体が受入開閉手段によって受入れられても、遊技媒体を速やかに排出することができ、遊技媒体詰まり等の不具合が発生するのを防止することができると共に、誘導排出部材が略垂直に配置されるので、遊技媒体を排出するための誘導排出部材の占める領域を可及的に少なくすることができ、相対的に遊技媒体演出空間を広くしたり、他の部材を配置したりすることができ、より興趣の高められる遊技機とすることができる。
また、誘導排出部材に速度抑制手段が備えられているので、略垂直に流下する遊技媒体の流下速度が過度に速くなるのを抑制することができ、誘導排出部材の下流側に配置された部材に対して、必要以上に強い衝撃で下流側の部材に遊技媒体が受渡されるのを防止して、下流側の部材の破損等による不具合が発生するのを防止することができる。
手段16:手段13から手段15までの何れか一つの構成において、
「前記排出通路に排出された遊技媒体を検出可能な排出検出手段を更に具備する」ものであることを特徴とする。
手段16の構成によると、排出通路に排出された遊技媒体を検出可能な排出検出手段を更に備えたものである。
これにより、排出通路に排出された遊技媒体を検出することができるので、受入開閉手段によって受入れられた遊技媒体のうち、遊技媒体演出空間内へ振分けられなかった遊技媒体の数を正確に認識することができ、受入検出手段、及び進入検出手段を用いて、受入開閉手段よりも下流側で遊技媒体詰まりが発生しているか否かを検知することができる。
手段17:手段1から手段16までの何れか一つの構成において、
「前記第一受入口に受入れられた遊技媒体を検出可能な第一受入検出手段と、
前記第二受入口に受入れられた遊技媒体を検出可能な第二受入検出手段とを更に具備する」ものであることを特徴とする。
手段17の構成によると、第一受入口に受入れられた遊技媒体を検出する第一受入検出手段と、第二受入口に受入れられた遊技媒体を検出する第二受入検出手段とを更に備えるようにしたものである。
これにより、抽選結果に基づいて第一受入口へ受入れられるように振分けられた遊技媒体が、本当に第一受入口に受入れられたか否かを検出することができ、例えば、複数の遊技媒体が貯留通路に貯留されている場合は、第一受入口に遊技媒体が受入れられて第一受入検出手段によって検出されると、貯留された残りの遊技媒体に対しては第一受入口に受入れられないように振分制御をして、一回の抽選に対して第一受入口に複数の遊技媒体が受入れられるのを防止するようにしても良い。或いは、一回の抽選に対して第一受入口へ受入れられる数によって、「確変大当り」である可能性が高いことを示唆するようにした場合、第一受入口へ受入れられた遊技媒体の数をフィードバックして、振分手段を制御するようにしても良く、遊技媒体演出空間での演出をより楽しませて興趣を高められるものとすることができる。
また、第一受入口に受入れられずに第二受入口に受入れられた遊技媒体を第二受入検出手段によって検出することができるので、第一受入検出手段及び第二受入検出手段を用いて遊技媒体演出空間から排出される遊技媒体の数を認識することが可能となり、受入検出手段や、進入検出手段で検出された遊技媒体の数と照合して、遊技媒体演出空間内で遊技媒体詰まりが発生しているか否かを判断することができる。
なお、演出表示手段を備えるようにしたものの場合、抽選結果と、第一受入検出手段や第二受入検出手段からの遊技媒体の検出に基づいて、所定の演出画像を表示させるようにしても良く、これにより、更に遊技者を楽しませて興趣が低下するのを防止することができる。
手段18:手段1から手段17までの何れか一つの構成において、
「前記遊技領域の少なくとも一部が形成されると共に、該遊技領域内に所定の配列で複数の障害釘を少なくとも保持可能な遊技盤ベースと、
該遊技盤ベースの後側に配置固定され、少なくとも前記遊技媒体演出空間、前記振分手段、前記第一受入口、前記第二受入口、前記転動案内部材、前記反発飛翔手段を所定位置に保持可能とされた後支持部材と
を更に具備する」ものであることを特徴とする。
ここで、「遊技盤ベース」としては、「木製合板からなり、各種役物を保持可能な前後方向に貫通する貫通孔を有したもの」、「透明樹脂板からなり、各種役物を保持可能な前後方向に貫通する貫通孔を有したもの」、「遊技領域と略対応する大きさとされ前面側に障害釘を所定のゲージ配列で保持する透明板状の保持板と、保持板を支持する枠状の保持板支持枠とからなるもの」、等が挙げられる。
また、「後支持部材」としては、「前面側に大きく開口し、少なくとも遊技媒体演出空間を包含可能な箱状のもの」、「略遊技領域と対応する大きさの開口を前側に有し、遊技媒体演出空間を含む演出空間を内部に備えた箱状のもの」、等が挙げられる。なお、後側に、演出表示手段を支持できるものとしても良い。
手段18の構成によると、遊技領域内に所定のゲージ配列で複数の障害釘等を保持可能な遊技盤ベースと、遊技媒体演出空間、振分手段、第一受入口、第二受入口、転動案内部材、及び反発飛翔手段等を所定位置に保持して遊技盤ベースの後側に固定される後支持部材とを更に備えたものである。
これにより、上述した遊技媒体演出空間を後支持部材を介して、遊技盤の後側に配置するようにしているので、遊技媒体演出空間を容易に、遊技盤の前面側に配置された遊技領域と異なる空間とすることができ、遊技媒体演出空間を遊技機に備えても、遊技領域内を流下する遊技媒体の妨げとなるのを防止して、遊技領域内では従来の遊技機と同様の遊技を楽しませることができる上に、遊技媒体演出空間での遊技媒体の演出動作を楽しませられる遊技機とすることができる。
また、遊技媒体演出空間、振分手段、第一受入口、第二受入口、転動案内部材、及び反発飛翔手段等を後支持部材によって支持するようにしているので、それらを一纏りのユニットとすることができ、遊技機を組立てる際にかかる手間を簡略化することができる。
なお、遊技盤ベースには、後側に後支持部材を介して配置される少なくとも遊技媒体演出空間が遊技者側から視認可能となるように、前後方向に貫通する所定広さの貫通孔、若しくは、透明な部材を備える必要があり、例えば、従来の遊技機と同様に、遊技盤ベースに支持される中央役物の枠内を通して遊技媒体演出空間が視認できるようにしても良い。
手段19:手段18の構成において、
「前記後支持部材の後側に、前記遊技媒体演出空間を介して遊技者から視認可能となるように配置固定され、所定の演出画像を表示可能な演出表示手段を更に具備する」ものであることを特徴とする。
ここで、「演出表示手段」としては、「液晶表示装置」、「EL表示装置」、「プラズマ表示装置」、「CRT」、「レーザーディスプレイ」、等が挙げられる。なお、薄型の表示手段を用いることが望ましく、遊技機の奥行き方向を相対的に広く取ることが可能となり、遊技媒体演出空間を広くすることができる。
手段19の構成によると、後支持部材の後側に、所定の演出画像を表示可能な演出表示手段を更に備えるようにしたものである。
これにより、従来の遊技機と同様に、演出表示手段に、抽選結果に応じて所定の装飾図柄を変動表示させた後に、停止表示させて抽選結果を示唆するようにすることができ、従来の遊技機に慣れた遊技者に対して、違和感を与えるのを緩和し、本遊技機に対して躊躇することなく遊技させることができる。
また、上述した遊技媒体演出空間での遊技媒体による演出動作とリンクするような演出画像を表示させても良く、これにより、遊技媒体演出空間での演出効果を相乗的に高めて、飽き難く興趣が低下するのを防止することが可能なものとすることができる。
更に、遊技媒体演出空間の後側に演出表示手段を配置することで、遊技媒体演出空間内を落下したり、反発飛翔したりする遊技媒体を、シルエットとして浮かび上がらせることもでき、これまでにない遊技媒体の動きが見られる遊技機として、遊技者の関心を引き付けることができる。
手段20:手段19の構成において、
「前記振分手段が前記演出表示手段の上部に、
前記転動案内部材の一部が前記演出表示手段の左右何れか一方の端部に、
少なくとも前記第一受入口、前記第二受入口、及び前記反発飛翔手段が前記演出表示手段の下部に夫々配置されている」ものであることを特徴とする。
手段20の構成によると、振分手段を演出表示手段の上部に、転動案内部材の一部を演出表示手段の左右何れか一方の端部に、第一受入口、第二受入口、及び反発飛翔手段等を演出表示手段の下部に夫々配置したものである。
これにより、振分手段、転動案内部材、第一受入口、第二受入口、反発飛翔手段、等が演出表示手段の外周を取巻くように配置されることとなり、それらによって、演出表示手段に表示される演出画像が遮られるのを防止して、演出画像を見易くすることができる。
また、演出表示手段の周りに、振分手段、転動案内部材、第一受入口、第二受入口、反発飛翔手段、等が配置されるので、演出表示手段に、遊技媒体の位置や、移動方向等を表示させることができ、より遊技媒体演出空間内での遊技媒体の動きとリンクした演出画像を表示させることで、第一受入口へ遊技媒体が受入れられるか否かの期待感をより高めることができ、より興趣の高められるものとすることができる。
手段21:手段1から手段20までの何れか一つの構成において、
「前記遊技媒体演出空間は、
上部が前記遊技領域における上下方向中央よりも上側に配置されると共に、下部が上下方向中央よりも下側に配置される」ものであることを特徴とする。
手段21の構成によると、遊技媒体演出空間は、遊技領域の上下方向中央を挟むようにその上部及び下部が夫々配置されているものである。つまり、受入開閉手段及び振分手段を遊技領域の上部に、第一受入口、及び反発飛翔手段等を遊技領域の下部に配置したものである。
これにより、大当り遊技状態等の有利遊技状態が発生して受入開閉手段(例えば、アタッカ装置)が所定パターンで開閉動作を繰り返した場合、受入開閉手段が、遊技者の操作によって遊技媒体を打ち込む遊技領域の上部に配置されているので、開状態となっている受入開閉手段に対して遊技媒体を狙い打ちし易いことを一見して遊技者に認識させることができ、種々の遊技機の中から本遊技機を選択し易くすることができる。
また、第一受入口が遊技領域(遊技媒体演出空間)の下部に配置されているので、通常の体格の遊技者であれば、第一受入口が目の高さよりも充分に下方の位置に配置されることとなり、第一受入口を所定の面上に開口させるようにした場合、第一受入口が遊技者からより目立つようにすることができ、第一受入口を目立たせて、第一受入口への期待感を高めることができる。
更に、遊技媒体演出空間における上下方向の高さを充分に取ることができるので、振分手段の各放出口から放出された遊技媒体に、より多くの落下速度を与えることが可能となり、反発飛翔手段で大きく反発飛翔させることができ、遊技媒体の動きをより楽しませて、興趣が低下するのを抑制することができる。
なお、遊技媒体演出空間の後側に演出表示手段を配置した場合、遊技媒体演出空間の上下部を演出表示手段の上下部と略一致するように配置することが望ましく、これにより、振分手段、反発飛翔手段等によって、演出表示手段に表示される演出画像が大きく遮られるのを防止することができ、遊技媒体演出空間内での遊技媒体の動きだけでなく、演出表示手段の演出画像も充分に楽しませて、興趣の高められるものとすることができる。
手段22:手段1から手段21までの何れか一つの構成において、
「前記振分制御手段は、
前記抽選確率変更手段によって有利遊技状態の発生する前記抽選結果が抽選される前記抽選確率を高確率に変更する前記抽選結果が抽選されると、遊技媒体が前記第一受入口に高い確率で受入れられるように前記振分手段を振分制御する」ものであることを特徴とする。
手段22の構成によると、有利遊技状態が発生する抽選結果が抽選される抽選確率を、通常状態よりも高確率状態に変更する抽選結果(例えば、「確変大当り」)が抽選されると、第一受入口へ遊技媒体が受入れられるように振分手段を振分制御するものである。
これにより、「確変大当り」が抽選されて、その大当り遊技状態としての有利遊技状態が発生すると、振分手段によって第一受入口へ受入れられように遊技媒体が振分けられるので、第一受入口へ遊技媒体が受入れられることで、あたかも高確率状態となったように錯覚させることができ、遊技媒体が受入れられると言う演出画像とは異なる遊技媒体の物理的な事象により、遊技者に安心感を与えて、興趣が低下するのを抑制することができる。
手段23:手段1から手段22までの何れか一つの構成において、
「前記振分手段が、前記遊技媒体演出空間内へ遊技媒体を放出可能とされ、前記第一放出口及び前記第二放出口とは異なる第三放出口を更に有し、前記振分制御手段によって前記第一放出口、前記第二放出口、及び前記第三放出口の何れかに遊技媒体を振分制御するものとされると共に、
前記遊技媒体演出空間の下部における前記振分手段の前記第三放出口の略垂直下で前記第一受入口よりも高い位置に配置され、前記第三放出口から放出された遊技媒体を反発を抑えた状態で受取る低反発受手段と、
該低反発受手段によって受取られた遊技媒体を、前記反発飛翔手段よりも高い確率で前記第一受入口に受入れられるように誘導案内可能な誘導案内部材と
を更に具備する」ものであることを特徴とする。
ここで、「低反発受手段」としては、構成する部材が塑性変形や弾性変形等の物理的な変形をすることで遊技媒体の持つ運動エネルギーを減衰させて殆ど反発しないようにしたものであれば良く、「低反発性部材を用いたもの」、「繊維材からなり網状、織布状、又は不織布状に形成されたもの」、「有機、無機、金属等からなり繊維状又は線状に形成された素材を起毛状にしたもの」、等が挙げられる。
ところで、従来の遊技機では、その振分装置が、右側か左側、或いは、特定の収容部か他の収容部、のように二つのうちの何れかに振分ける形態であるので、振分装置によって振分けられる何れか一方が、おのずと遊技者が有利となる入賞口(V入賞口)や始動口等の所望の受入口へ受入れられる(受入確率の高い)ものとなる。換言すると、振分け装置の振分けによって、遊技媒体が所望の受入口に受入れられるか、受入れられないかの単純な二者択一の遊技となり易くなる。そのため、遊技媒体が振分装置によって振分けられた時点で、所望の受入口に受入れられるか否かが判るので、振分け後の遊技媒体に対して所定の演出動作を付与するようにしても、振分けられた時点でその結果が判ってしまい、遊技者によっては、振分け後の遊技媒体に対する関心が低くなり、遊技媒体の動きを充分に楽しませることができず、興趣を低下させてしまう恐れがあった。
手段23の構成によると、
振分手段に、遊技媒体演出空間内へ遊技媒体を放出可能な第三放出口を更に備えた上で、振分制御手段によって第一放出口、第二放出口、及び第三放出口の何れかに遊技媒体を振分制御させるようにすると共に、遊技媒体演出空間の下部における第三放出口の略垂直下で第一受入口よりも高い位置に配置され第三放出口から放出された遊技媒体を反発を抑えた状態で受取る低反発受手段と、低反発受手段によって受取られた遊技媒体を反発飛翔手段よりも高い確率で第一受入口に受入れられるように誘導案内可能な誘導案内部材とを更に具備するようにしたものである。
この遊技機による遊技内容を詳述すると、遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体が始動口に受入れられると、所定の抽選結果が抽選され、有利遊技状態を発生させる抽選結果(例えば、「大当り」、「確変大当り」等)が抽選されると、受入開閉手段が所定パターンで開閉動作(例えば、大当り遊技状態)をし、開状態の時に遊技媒体が受入れられると所定数の遊技媒体が払出されると共に受入れられた遊技媒体が進入受入口を通って振分手段へと送られる。そして、振分手段へ送られた遊技媒体は、抽選結果に応じて第一放出口、第二放出口、及び第三放出口の何れかから遊技領域とは異なる遊技媒体演出空間内へ放出される。この遊技媒体が放出される遊技媒体演出空間内には、その下部に視認可能となるように配置された第一受入口と、第一受入口に受入れられなかった遊技媒体を受入れる第二受入口とが配置されている。そして、まず、第一放出口から放出された遊技媒体は、転動案内部材により遊技媒体演出空間の下部へ案内された後に、第一受入口に所定の確率で受入れられるように反発飛翔手段によって第一受入口へ向かって反発飛翔する。また、第二放出口から放出された遊技媒体は、その垂直下に配置された反発飛翔手段によって転動案内部材よりも低い確率で第一受入口に受入れられるように第一受入口へ向かって反発飛翔する。更に、第三放出口から放出された遊技媒体は、その垂直下に配置された低反発受手段で受取られた上で反発飛翔手段よりも高い確率で第一受入口に受入れられるように誘導案内部材によって第一受入口へ誘導案内されることとなる。
これにより、振分手段により、第一放出口、第二放出口、及び第三放出口の三つの放出口の何れかに振分けるようにしているので、従来のように二者択一の振分けと異なるので、振分手段による振分予測をより難しくすることができ、何れに振分けられるかで楽しく悩ませて、興趣を高められるものとすることができると共に、三方向に振分けることで遊技媒体が振分手段により振分けられた後でも、その結果を判別し難くすることができるので、振分け後の遊技媒体に対する関心が低下するのを抑制することが可能となり、振分けられた遊技媒体の動きを充分に楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
また、振分手段の第二放出口から放出されると、遊技媒体が、低反発受手段へ向かって垂下した後に、低反発受手段で反発飛翔することなく誘導案内部材を通って第一受入口へと転動するので、垂下する速い動きと、第一受入口へ転動する遅い動きとを一連の動きとして遊技者に見せることができ、緩急のある遊技媒体の動きを楽しませて、興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、第一受入口へは、第三放出口へ振分けられた遊技媒体が最も高い確率で受入れられるようになっているので、遊技者にとっては、振分手段で第三放出口へ振分けられるのを強く望み、振分手段において第三放出口へ振分けられるか否かで、更に期待感を高めることができる。なお、遊技媒体が第三放出口以外の放出口へ振分けられても第一受入口へ受入れられる可能性があるので、振分けられた遊技媒体が第一受入口へ受入れられるか否かで期待感を高めることができる。つまり、振分手段の振分け前後において、遊技者の期待感を高めることができるので、より一層、遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、より興趣の高められるものとすることができる。
手段24:手段23の構成において、
「前記振分手段は、
前記進入受入口と連通する進入口と、
該進入口と夫々連通可能とされ、前記第一放出口の上流側に配置された第一振分口、前記第三放出口の上流側に配置された第二振分口、及び前記第二放出口の上流側に配置された第三振分口と、
遊技媒体を収容可能とされ回転位置に応じて前記進入口、前記第一振分口、前記第二振分口、及び前記第三振分口の何れか一つと連通可能な遊技媒体収容部を備えた回転体と、及び該回転体を回転駆動させる回転駆動手段とを更に有し、
該回転駆動手段によって前記回転体を回転させることで前記進入口から前記遊技媒体収容部に収容された遊技媒体を前記第一振分口、前記第二振分口、及び前記第三振分口の何れかに振分ける」ものであることを特徴とする。
ところで、従来の遊技機における振分装置(振分手段)は、二方向に振分ける形態であるので、この振分装置を用いて具体的に三方向に遊技媒体を振分けるようにするためには、複数の振分装置を組み合わせることで、三方向に振分けられるようにすることが考えられる。しかしながら、この場合、複数の振分装置が必要となるので、遊技機における振分装置の占める割合が多くなり、相対的に遊技領域が減少し、遊技領域内を流下する遊技媒体の動きが単純な動きとなって遊技者によっては飽き易くなったり、振分装置がアタッカ装置、可動役物、装飾体等の他の部材と干渉し、他の部材を配置することができなくなって変化に乏しい遊技機となったりして、遊技者の興趣を低下させてしまう恐れがある。
また、振分装置として、複数の各振分口に、夫々開閉可能な開閉片を備え、振分けたい振分口の開閉片を開状態とすることで、一つの振分装置で三つの振分口の何れかに遊技媒体を振分けられるようにすることが考えられる。しかしながら、この場合、各振分口に備えられた開閉片を夫々独立して開閉動作するように、各開閉片に対して夫々ソレノイド等の駆動手段を備える必要があり、振分装置全体が大型化することとなるので、上述と同様の問題が発生する。
手段24の構成によると、振分手段に、記進入受入口と連通する進入口と、進入口と夫々連通可能とされ、第一放出口の上流側に配置された第一振分口、第三放出口の上流側に配置された第二振分口、及び第二放出口の上流側に配置された第三振分口と、遊技媒体を収容可能とされ回転位置に応じて進入口、第一振分口、第二振分口、及び第三振分口の何れか一つと連通可能な遊技媒体収容部を備えた回転体と、回転体を回転駆動させる回転駆動手段とを更に備え、回転体を回転させることで進入口から遊技媒体収容部に収容された遊技媒体を第一振分口、第二振分口、及び第三振分口の何れかに振分けるようにしたものである。
これにより、一つの回転体を回転させるだけで三つの振分口の何れかに遊技媒体を振分けることのできる振分手段とすることができ、従来の振分装置を用いた場合のように複数の振分装置を用いる必要がなく、遊技媒体を振分ける振分手段が大型化するのを抑制して遊技機に占める割合が増加するのを防止することができ、遊技領域が減少するのを抑制してより広い範囲に遊技媒体を流下させて遊技媒体の動きが単調となるのを防止して、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、上述の通り、遊技媒体を三方向に振分ける振分手段が大型化するのを抑制することができるので、振分手段が遊技機に備えられたアタッカ装置、可動役物、装飾体等の他の部材と干渉し難くすることができ、他の部材と干渉することで他の部材を配置することができなくなって変化に乏しい遊技機となるのを防止して、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。また、一つの回転体を回転駆動させるだけで遊技媒体を容易に三方向に振分けることができるので、各振分口に開閉する開閉片を備えるようにした場合と比較して、振分手段に係る構成を簡略化することができ、振分手段が大型化するのを防止することができると共に、振分手段に係るコストが増加するのを抑制することができる。
なお、振分手段における回転体の軸芯の方向を、上下方向に延びるように配置した場合は、振分手段の上下方向の高さを可及的に低くすることができるので、相対的に振分手段よりも下流側の高さを高くして、遊技媒体の流路が配置される遊技媒体演出空間を広くすることができ、遊技媒体に種々の動きをさせることが可能となり、より遊技媒体の動きを楽しませて遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
また、振分手段における回転体の軸芯の方向を、前後方向に延びるように配置した場合は、振分手段の前後方向の奥行きを可及的に少なくすることができるので、相対的に遊技機における奥行きを広くすることができ、例えば、奥行き方向に演出用等の他の部材を配置し種々の演出表現が可能な遊技機として、遊技者の興趣をより高められるものとすることができる。
手段25:手段24の構成において、
「前記振分手段は、
遊技媒体の外形よりも若干大きい幅で上下方向に延びる軸芯を中心として少なくとも円弧状に延び、前記進入口、前記第一振分口、前記第二振分口、及び第三振分口と夫々連通すると共に周方向に沿って前記進入口、前記第一振分口、前記第二振分口、及び前記第三振分口が順次配置され、遊技媒体を転動案内可能な案内通路と、
前記第一振分口とは前記進入口を挟んで反対側から、前記第二振分口及び前記第三振分口との間へ前記案内通路を短絡するように連絡し、前記第二振分口及び前記第三振分口の方向へ向かって低くなるように形成された連絡通路と
を備えた振分ベース部材を有し、
前記回転体が、前記振分ベース部材の前記軸芯周りに回転可能に保持されると共に、前記回転体の前記遊技媒体収容部が、回転位置に応じて前記進入口、前記第一振分口、前記第二振分口、前記第三振分口、及び前記連絡通路の何れか一つと連通可能とされている」ものであることを特徴とする。
ここで、進入口や、第一振分口、第二振分口、及び第三振分口等の振分口は、案内通路に対して、外周、内周、及び軸芯方向の何れかに開口するものである。
ところで、振分ベース部材の軸芯、つまり、案内通路や回転体の軸芯を、遊技機に対して前後方向や、左右方向に延びるように配置した場合、回転体の回転面が水平方向とは直角方向となって、振分手段の上下方向の高さが高くなり、相対的に振分手段よりも下流側に取れる高さが少なくなるので、振分け後に遊技媒体が流通する流路を含んだ遊技媒体演出空間が狭くなって、遊技者の興趣を高められる転動演出を遊技媒体に付与し難くなり、遊技媒体の動きが単調なものとなって、飽き易くなり興趣を低下させてしまう恐れがある。
手段25の構成によると、振分手段に、遊技媒体の外形よりも若干大きい幅で上下方向に延びる軸芯を中心とした少なくとも円弧状に延び、周方向に沿って進入口、第一振分口、第二振分口、及び第三振分口が順次連通するように配置された案内通路と、第一振分口とは進入口を挟んで反対側から第二振分口及び第三振分口の間へ案内通路を短絡し第二振分口及び第三振分口へ向かって低くなる連絡通路とを備えた振分ベース部材を更に有し、回転体の回転軸芯と案内通路の軸芯とが略同芯となるように回転体を保持すると共に、回転体の遊技媒体収容部が、回転位置に応じて進入口、第一振分口、第二振分口、第三振分口、及び連絡通路の何れか一つと連通可能としたものである。
この振分手段の動作を詳述すると、まず、回転体の遊技媒体収容部を振分ベース部材の進入口と連通させた状態とすることで、遊技媒体を進入口から遊技媒体収容部へ収容させる。そして、遊技媒体収容部に遊技媒体を収容させた状態で回転体を第一振分口の方向へ回転させて、第一振分口と遊技媒体収容部とを互いに連通させると、遊技媒体収容部に収容された遊技媒体が第一振分口へと振分けられる。一方、遊技媒体収容部に遊技媒体を収容させた状態で回転体を第一振分口とは反対の方向へ回転させて遊技媒体収容部を連絡通路と連通させると、遊技媒体収容部に収容された遊技媒体が連絡通路を通って第二振分口と第三振分口との間に送られる。この状態で、回転体を第一振分口へ振分けた方向とは反対方向に回転させて遊技媒体収容部を第二振分口と連通させると、遊技媒体収容部に収容された遊技媒体が第二振分口へと振分けられ、回転体を第一振分口へ振分けた方向と同じ方向に回転させて遊技媒体収容部を第三振分口と連通させると、遊技媒体収容部に収容された遊技媒体が第三振分口に振分けられる。
これにより、上述したような、一つの回転体を回転させるだけで三つの振分口(放出口)の何れかに遊技媒体を振分けることのできる振分手段を確実に具現化することができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
また、回転体の軸芯を上下方向に延びるようにしているので、回転体の回転面が略水平方向となり、振分手段の上下方向の高さを可及的に少なくすることができ、相対的に振分手段よりも下流側の高さが高くなり、遊技媒体の流路を含んだ遊技媒体演出空間を広くして、遊技媒体に種々の動き(転動演出)をさせることが可能となり、より遊技媒体の動きを楽しませて遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
ところで、回転体の軸芯を上下方向に延びるようにした場合、回転体の回転面が略水平方向となると共に、振分ベース部材の案内通路も略水平方向に沿った通路となるので、少なくとも円弧状の案内通路を短絡する連絡通路も略水平な通路となり、進入口から遊技媒体収容部に収容された遊技媒体が、回転体の回転駆動によって、第一振分口を挟んで進入口とは反対側の連絡通路上の端部に送られても、連絡通路が略水平に延びていると、遊技媒体が第二振分口及び第三振分口が配置され方向に転動し難く、遊技媒体を第二振分口や第三振分口に振分けられなくなる恐れがある。しかしながら、本手段によると、連絡通路が、第二振分口及び第三振分口の方向に向かって低くなるように形成されているので、進入口から連絡通路の端部に送られた遊技媒体が、重力によって自然と第二振分口及び第三振分口の方向へ転動し、第二振分口と第三振分口との間へ確実に移動させることができ、軸芯を上下方向に延びるように配置しても、遊技媒体を確実に何れかの振分口へ振分けることができ、上述した作用効果を奏する遊技機を確実に具現化することができる。
手段26:手段25の構成において、
「前記振分手段は、
前記振分ベース部材に、前記案内通路内の遊技媒体を、少なくとも前記進入口が配置された位置で前記軸芯方向へ移動するのを阻止すると共に前記連絡通路が貫通する内周壁が更に備えられていると共に、
前記回転体の前記遊技媒体収容部内に、前記内周壁が収容可能とされている」ものであることを特徴とする。
ところで、回転体の遊技媒体収容部内に複数の遊技媒体が収容された場合、複数の遊技媒体が同時に一つの振分口へ振分けられたり、回転体の回転によって一回の振分動作で複数の遊技媒体が複数の振分口へ振分けられたりする恐れがあり、これにより、所定の流路を複数の遊技媒体が流通することで遊技媒体同士が干渉して本来の演出動作が阻害されたり、複数の流路に同時に遊技媒体が流通することで各流路を流通する遊技媒体が見辛くなったりして、振分け後の遊技媒体の動きを楽しめなくなって興趣が低下する恐れがある。
手段26の構成によると、振分手段の振分ベース部材に、少なくとも進入口が配置された位置では案内通路内の遊技媒体が軸芯方向へ移動するのを阻止すると共に、連絡通路が貫通する内周壁を備え、回転体の遊技媒体収容部内にその内周壁を収容可能としたものである。
これにより、進入口と回転体の遊技媒体収容部とを連通させた状態で、進入口から遊技媒体収容部内に進入した遊技媒体が、内周壁によって軸芯方向への移動が阻止されて案内通路内に留まることとなり、この状態で回転体を回転させることで、遊技媒体を案内通路に沿って第一振分口へ、或いは、進入口を挟んで第一振分口とは反対側へ確実に移動させることができ、振分手段により何れかの振分口に確実に遊技媒体を振分けることができる。
また、上述したように、進入口から回転体の遊技媒体収容部内に進入した遊技媒体が案内通路内に留まると共に、案内通路の幅が遊技媒体の外形よりも若干大きい幅とされているので、進入口から遊技媒体収容部内へ遊技媒体が一つのみ進入することとなり、遊技媒体を一つずつ何れかの振分口に振分けることができ、一度の振分で複数の振分口に遊技媒体が振分けられるのを防止して、振分手段により振分けられた遊技媒体の動きを一つずつ確実に視認させて、その動きを楽しませることができる。
手段27:手段25又は手段26の構成において、
「前記振分手段は、
前記回転体に、前記遊技媒体収容部と前記振分ベース部材の前記進入口とが連通しない回転位置の時に遊技媒体が前記進入口を通過するのを妨げる障壁部が更に備えられている」ものであることを特徴とする。
ここで、「障壁部」としては、「案内通路の外周に配置された進入口を閉鎖可能な回転体の外周壁部に相当するもの」、「案内通路に対して軸芯方向に開口するように配置された進入口を閉鎖可能な軸芯に対して直角方向に広がる回転体の鏡板部に相当するもの」、「前述の外周壁部と鏡板部とを併用したもの」、等が挙げられる。
ところで、進入口と回転体の遊技媒体収容部とが連通していない時に、進入口が開状態となっていると、進入口を通って遊技媒体が回転体の遊技媒体収容部以外の場所に侵入して回転体の回転を阻害して不具合の原因となったり、回転体によって所定の振分口に振分けられるはずの遊技媒体が振分けられずに排出されて振分けられることへの期待感を消失させて遊技者の興趣を低下させてしまったりする恐れがある。
手段27の構成によると、遊技媒体収容部と進入口とが連通しない時に、進入口を閉鎖可能な障壁部を回転体に備えるようにしたものである。
これにより、進入口と回転体の遊技媒体収容部とが連通していない時には、回転体の障壁部によって進入口を閉鎖することができ、遊技媒体が進入口を通って、遊技媒体収容部以外の場所に侵入して不具合の原因となったり、遊技媒体が振分けられずに排出されてしまったりするのを防止することができる。
手段28:手段25から手段27までの何れか一つの構成において、
「前記振分手段は、
前記振分ベース部材における前記進入口、前記第一振分口、前記第二振分口、及び前記第三振分口の夫々が、前記案内通路の外周又は該案内通路上の何れかに開口する」ものであることを特徴とする。
ところで、振分手段の進入口や振分口を配置する位置としては、案内通路の外周、内周、及び軸芯方向等の何れにも配置することが可能であるが、例えば、案内通路の内周に配置するようにした場合、案内通路の内周側に遊技媒体が流通可能なスペースを確保しなければならず、案内通路の内径がある程度必要となるので、案内通路の内径を小さくして振分手段を小型化しようとしても、内径の大きな段階で限界がきてしまい、振分手段の小型化が困難となる問題がある。
手段28の構成によると、進入口や、第一振分口、第二振分口、及び第三振分口等の振分口を、案内通路の外周又は軸芯方向の何れかに開口するようにしたものである。
これにより、案内通路の外周又は軸芯方向に進入口や振分口が開口配置されるので、案内通路の内周側に進入口等を開口させた場合と比較して、内周側のスペースを可及的に小さくすることができる。つまり、案内通路の内径を可及的に小さくすることができるので、振分手段をより小型化することができ、遊技機における振分手段の占めるスペースを可及的に少なくして、遊技媒体の演出空間を広くしたり、演出用役物や装飾体等の他の部材を配置可能としたりすることができ、より遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
手段29:手段25から手段28までの何れか一つの構成において、
「前記振分手段は、
前記第一振分口、前記第二振分口、及び前記第三振分口のうち前記案内通路の外周に開口する前記第一振分口、前記第二振分口、及び前記第三振分口に向かって低くなるように前記案内通路上に形成される案内傾斜面を更に備えている」ものであることを特徴とする。
ところで、回転体の軸芯方向を上下方向へ延びるように配置した場合、上述したように、振分ベース部材の案内通路も略水平方向に延びるように配置されることとなり、この状態で回転体を回転駆動させて遊技媒体を、案内通路の外周に開口している第一振分口、第二振分口、及び第三振分口等の振分口まで案内通路上を移動させても、案内通路が略水平に延びていると、案内通路から振分口に向かって遊技媒体が転動移動せず、遊技媒体を振分けられなくなる恐れがある。
手段29の構成によると、振分ベース部材の案内通路上に、第一振分口、第二振分口、及び第三振分口のうち、案内通路の外周に開口する振分口に向かって低くなる案内傾斜面を更に備えるようにしたものである。
これにより、案内通路が略水平方向に延びるように配置されていても、案内通路上に形成された案内傾斜面に遊技媒体を移動させると、案内傾斜面に沿って遊技媒体が第一振分口、第二振分口、及び第三振分口のうち外周に開口した振分口へと転動して振分口を通過させることができるので、遊技媒体を確実に所定の振分口へ振分けることができ、上述した作用効果を奏する遊技機を確実に具現化することができる。
なお、案内通路上に第一振分口、第二振分口、及び第三振分口等の振分口が開口している場合でも、その振分口に向かって低くなるような案内傾斜面を案内通路上に備えるようにしても良い。
手段30:手段25から手段29までの何れか一つの構成において、
「前記振分手段は、
前記進入口及び前記第一振分口が前記案内通路の外周に配置されると共に、前記第二振分口及び前記第三振分口が前記案内通路上に夫々配置されている」ものであることを特徴とする。
ところで、案内通路と連通する進入口、第一振分口、第二振分口、及び第三振分口を全て案内通路の外周に配置した場合、四つの、進入口、第一振分口、第二振分口、及び第三振分口と連通する四つの通路が、同じ高さにおいて並列して配置されることとなり、少なくとも遊技媒体四つ分の幅が必要となり、蓋然的に振分手段の幅をより小さくすることが困難となる問題がある。
一方、案内通路と連通する進入口、第一振分口、第二振分口、及び第三振分口を全て軸芯方向に配置した場合、上から、回転体に進入口から遊技媒体を供給する層、回転体が配置された層、第一振分口、第二振分口、及び第三振分口に振分けられた遊技媒体を受けて各放出口へ案内する層、の少なくとも三つの層が必要となり、蓋然的に振分手段の高さをより小さくすることが困難となる問題がある。
手段30の構成によると、進入口と第一振分口を案内通路の外周に配置し、第二振分口と第三振分口を案内通路上に配置するようにしたものである。
これにより、同じ高さにおいて並列する通路を、進入口と第一振分口、又は、第二振分口と第三振分口へ夫々連通する二つの通路とすることができると共に、進入口と第一振分口を回転体が配置された層と同じ層とし、その下に第二振分口又は第三振分口と対応する放出口とを結ぶ層の二層とすることができ、振分手段の幅及び高さを可及的に小さくすることが可能となり、振分手段をより小型化することができる。そして、振分手段をより小型化することで、相対的に遊技媒体演出空間を広くして、より広い範囲で遊技媒体の動きを楽しませられるものとすることができる。
手段31:手段24から手段30までの何れか一つの構成において、
「前記振分手段は、
前記回転体の回転位置を検出可能な回転位置検出手段を更に有している」ものであることを特徴とする。
ここで、「回転位置検知手段」とは、検知部と検知部を検知する検知センサとを備えたものであり、例えば、「検知部を所定のスリット又は検知片とすると共に、検知センサを検知部を検知可能なフォトセンサや近接スイッチ等とし、何れか一方を回転体に配置すると共に何れか他方を振分ベース部材等に配置したもの」が挙げられる。なお、検知センサを振分ベース部材等に配置することが望ましく、これにより、検知センサの位置が固定された状態となるので、検知センサへの電気的な接続が容易となり、振分手段が大型化したりコストが増加したりするのを抑制することができる。
手段31の構成によると、回転体の回転位置を検知可能な回転位置検知手段を更に備えたものである。これにより、回転位置検知手段によって回転体の回転位置を検知することができるので、回転体の遊技媒体収容部を進入口や振分口等と確実に連通するように回転させることができる。
手段32:手段24から手段31までの何れか一つの構成において、
「前記振分手段は、
前記進入受入口及び前記第三放出口が前記遊技領域に対して左右方向略中央に、前記第一放出口が前記遊技媒体演出空間における左右何れか一方の端部に、及び前記第二放出口が前記第三放出口を挟んで前記第一放出口とは反対側に夫々配置され、
前記第一受入口は、
前記遊技領域に対して左右方向略中央よりも前記振分手段の前記第一放出口が配置された側に偏って配置されている」ものであることを特徴とする。
手段32の構成によると、進入受入口と第三放出口を遊技領域の左右方向略中央に配置し、第一放出口を遊技媒体演出空間の左右何れか一方の端部に配置すると共に、第二放出口を第一放出口とは第三放出口を挟んで反対側に配置し、第一受入口を左右方向に対して第一放出口と第三放出口との間における遊技媒体演出空間の下部に配置するものである。
これにより、第一受入口へ受入れられる可能性が最も高い第三放出口を遊技領域の左右方向略中央に配置しているので、第三放出口から放出され低反発受手段へ落下する遊技媒体を遊技者の目に付き易くすることができ、落下の瞬間を見逃し難くして、興趣が低下するのを防止することができる。
また、第二放出口が第三放出口を挟んで第一受入口とは反対側に配置されている。つまり、反発飛翔手段と第一受入口とが低反発受手段を挟んで左右に夫々配置されているので、第二放出口から反発飛翔手段へ落下放出された遊技媒体が、反発飛翔手段によって低反発受手段を飛越すように反発飛翔するので、左右方向に大きく跳ねる遊技媒体の動きによって遊技者を驚かせて、興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、第一放出口が遊技媒体演出空間の左右何れかの一方の端部に配置されているので、第二放出口や第三放出口から放出される遊技媒体よりは気付き難くすることができ、第一放出口から放出された遊技媒体が、転動案内部材を介して反発飛翔手段によっていきなり飛翔するような動きをさせることができると共に、低反発受手段を飛越すように反発飛翔させることができ、遊技者を驚かせて興趣が低下するのを抑制することができる。
手段33:手段23から手段32までの何れか一つの構成において、
「前記転動受部は、
前記誘導案内部材によって誘導案内された遊技媒体が転動可能とされている」ものであることを特徴とする。
手段33の構成によると、転動受部を、反発飛翔手段によって反発飛翔した遊技媒体を受けるだけでなく、低反発受手段により受けられて誘導案内部材によって誘導案内された遊技媒体も転動可能としたものである。
これにより、低反発受手段から誘導案内部材を介して第一受入口へ向かった遊技媒体を転動受部によって受取って転動させることができるので、反発飛翔手段から反発飛翔してきた遊技媒体を受取って転動させる場合と比較して、遊技媒体を比較的静かに転動させることができ、より高い確率で第一受入口へ受入れられ易くすることができる。
手段34:手段23から手段33までの何れか一つの構成において、
「前記転動案内部材が、前記第一受入口及び前記低反発受手段よりも下方へ遊技媒体を転動案内させると共に、前記反発飛翔手段が、前記転動案内部材により転動案内された遊技媒体を前記低反発受手段を飛び越すように反発飛翔させる」ものであることを特徴とする。
手段34の構成によると、振分手段の第一放出口から放出された遊技媒体を、転動案内部材によって第一受入口及び低反発受手段よりも下側に転動案内させた上で、反発飛翔手段によって低反発受手段を飛越すように第一受入口へ向けて反発飛翔させるようにしたものである。
これにより、第一放出口から放出された遊技媒体が、転動案内部材によって一旦、第一受入口よりも下側へ転動案内されるので、遊技者に対して第一受入口へ遊技媒体が受入れられないような印象を与え、その後、反発飛翔手段によって第一受入口よりも下方から、低反発受手段を飛越すように第一受入口上へ反発飛翔するので、遊技者に対して第一受入口へ遊技媒体が受入れられる可能性が高くなったことを印象付けることができ、抑揚の富んだものとして、興趣を高められるものとすることができる。
また、第一受入口や低反発受手段の下方から、低反発受手段を飛越えるように遊技媒体が反発飛翔するので、下方から飛翔してくる遊技媒体によって、これまでの遊技機では見ることのできなかった遊技媒体の動きを見せることが可能となり、その動きにより遊技者を驚かせて、興趣が低下するのを防止することができる。
手段35:手段23から手段34までの何れか一つの構成において、
「前記誘導案内部材に、誘導案内される遊技媒体を前記第二受入口に誘導可能な分岐部が備えられている」ものであることを特徴とする。
ここで、「分岐部」としては、「遊技媒体を誘導することのできる溝、或いは、切欠き等からなるもの」、「遊技媒体を誘導することのできる突起、或いは、突条等からなるもの」、等が挙げられる。
手段35の構成によると、誘導案内部材に、第二受入口へ遊技媒体を誘導可能な分岐部を備えたものである。
これにより、誘導案内部材によって案内される遊技媒体が、分岐部により第一受入口ではなく、第二受入口へ誘導されることがあり、誘導案内部材によって遊技媒体が誘導案内されているからと言って、必ずしも第一受入口へ誘導案内されるとは限らないものとすることができ、第一受入口へ遊技媒体が受入れられるまで、遊技媒体を注視させることができ、第一受入口に受入れられるか否かで、ハラハラ・ドキドキさせて興趣が低下するのを抑制することができる。
手段36:遊技機において、
「遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、
該遊技領域の少なくとも一部が形成されると共に、該遊技領域内に所定の配列で複数の障害釘を少なくとも保持可能な遊技盤ベースと、
該遊技盤ベースにおける前記遊技領域内の上部で左右方向の略中央にされ、該遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体が、開状態となると受入可能となり、閉状態となると受入不能となる受入開閉手段と、
該受入開閉手段によって受入れられた遊技媒体を検出可能な受入検出手段と、
少なくとも該受入検出手段による遊技媒体の検出に基づいて所定数の遊技媒体を払出す払出手段と、
前記受入開閉手段とは前記遊技領域内の異なる位置に配置され、該遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体を受入可能な始動口と、
該始動口に受入れられた遊技媒体を契機として所定の抽選結果を抽選する抽選手段と、
該抽選手段の前記抽選結果に応じて前記受入開閉手段に所定の開閉動作をさせて遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、
該有利遊技状態発生手段によって有利遊技状態の発生する前記抽選結果が前記抽選手段により抽選される抽選確率を、前記抽選結果に応じて変更する抽選確率変更手段と、
前記遊技領域とは異なる空間で内部を流通する遊技媒体が遊技者から視認可能とされ、上部が該遊技領域における上下方向中央よりも上側に配置されると共に下部が上下方向中央よりも下側に配置される遊技媒体演出空間と、
前記遊技領域内の左右方向略中央に配置され前記受入開閉手段によって受入れられた遊技媒体が進入可能とされた進入受入口と、遊技媒体の外形よりも若干大きい幅で上下方向に延びる軸芯を中心として少なくとも円弧状に延びる案内通路と、該案内通路の外周に開口し前記進入受入口と連通する進入口と、該進入口に隣接して前記案内通路の外周に開口する第一振分口と、該第一振分口に対して前記進入口の反対側に配置され前記案内通路上に開口する第二振分口と、該第二振分口に対して前記第一振分口の反対側に配置され前記案内通路上に開口する第三振分口と、前記案内通路の外周に開口する前記第一振分口に向かって低くなるように前記案内通路上に形成される案内傾斜面と、前記第一振分口とは前記進入口を挟んで反対側から、前記第二振分口及び前記第三振分口との間へ前記案内通路を短絡するように連絡し、前記第二振分口及び前記第三振分口の方向へ向かって低くなるように形成された連絡通路と、該連絡通路が貫通すると共に、前記案内通路内の遊技媒体を少なくとも前記進入口が配置された位置で前記軸芯方向へ移動するのを阻止する内周壁と、前記進入口と前記進入受入口との間に所定数の遊技媒体を貯留可能な貯留通路と、該貯留通路に貯留されなかった遊技媒体を前記遊技領域内に戻すことなく外部へ排出可能な排出通路とを備えた振分ベース部材、
該振分ベース部材の前記軸芯周りに回転可能に保持され、回転位置に応じて前記進入口、前記第一振分口、前記第二振分口、前記第三振分口、及び前記連絡通路の何れか一つと連通可能とされると共に遊技媒体及び前記内周壁を収容可能な遊技媒体収容部と、該遊技媒体収容部と前記振分ベース部材の前記進入口とが連通しない回転位置の時に遊技媒体が前記進入口を通過するのを妨げる障壁部とを備えた回転体、
該回転体を回転駆動させる回転駆動手段、
該回転駆動手段によって回転駆動させられる前記回転体の回転位置を検出可能な回転位置検出手段、
前記進入口へ進入する遊技媒体を検出可能な進入検出手段、
前記遊技媒体演出空間における左右何れか一方の端部に配置され、前記第一振分口に振分けられた遊技媒体を、遊技者から視認可能となるように渦巻状に回転させた後に前記遊技媒体演出空間内の上方から下方へ放出するクルーンからなる第一放出口、
前記遊技領域に対して略中央に配置され、前記第二振分口に振分けられた遊技媒体を、遊技者から視認可能となるように渦巻状に回転させた後に前記遊技媒体演出空間内の上方から下方へ放出するクルーンからなる第三放出口、
及び該第三放出口を挟んで前記第一放出口とは反対側に配置され、前記第三振分口に振分けられた遊技媒体を、遊技者から視認可能となるように渦巻状に回転させた後に前記遊技媒体演出空間内の上方から下方へ放出するクルーンからなる第二放出口、
を有し前記回転駆動手段により前記回転体を回転させることで前記進入口から前記遊技媒体収容部に収容された遊技媒体を前記第一振分口、前記第二振分口、及び前記第三振分口の何れかに振分可能な振分手段と、
前記遊技媒体演出空間内の下部で前記遊技領域に対して左右方向略中央よりも前記振分手段の前記第一放出口が配置された側に偏って遊技者から視認可能となるように配置され、受入れられた遊技媒体を前記遊技領域内に戻すことなく外部へ排出させる第一受入口と、
該第一受入口に受入れられなかった遊技媒体を受入れて前記遊技領域内に戻すことなく外部へ排出させる第二受入口と、
前記第一受入口に受入れられた遊技媒体を検出可能な第一受入検出手段と、
前記第二受入口に受入れられた遊技媒体を検出可能な第二受入検出手段と、
前記振分手段における前記第三放出口の略垂直下且つ前記遊技媒体演出空間の下部で前記第一受入口よりも上側に配置され、前記第三放出口から放出された遊技媒体を、反発を抑えた状態で受取可能な低反発受手段と、
該低反発受手段によって受取られた遊技媒体を所定の確率で前記第一受入口に受入れられるように誘導案内可能とされ、誘導案内される遊技媒体を前記第二受入口に誘導可能な分岐部を有した誘導案内部材と、
前記振分手段の前記第一放出口から放出された遊技媒体を受取って、前記遊技媒体演出空間内の下部で前記第一受入口よりも下側に遊技媒体を転動案内する転動案内部材と、
該転動案内部材による転動案内方向に案内された遊技媒体を前記第一受入口の方向へ向かって反発飛翔するように所定角度傾斜した平面状の第一傾斜面を有し、該第一傾斜面によって前記転動案内部材により転動案内された遊技媒体を、前記低反発受手段を飛び越して前記誘導案内部材よりも低い確率で前記第一受入口に受入れられるように反発飛翔させる第一反発飛翔部、該第一反発飛翔部の前記第一傾斜面と連続する曲面部と、該曲面部と連続し所定角度傾斜した平面状の平面部とからなる第二傾斜面を有し、前記第二放出口から垂下する遊技媒体を前記第一受入口の方向へ向かって反発飛翔するように前記振分手段における前記第二放出口の略垂直下で前記第一受入口と略同じ高さに配置され、前記第二傾斜面によって前記第二放出口から放出された遊技媒体を、前記第一反発飛翔部よりも低い確率で前記第一受入口に受入れられるように反発飛翔させる第二反発飛翔部、を有した反発飛翔手段と、
前記誘導案内部材によって誘導案内された遊技媒体が転動可能とされると共に、前記反発飛翔手段によって反発飛翔した遊技媒体を受取った上で転動可能とされ、所定位置に前記第一受入口が配置される転動受部と、
前記排出通路に排出された遊技媒体を略垂直に流下するように誘導すると共に、遊技媒体の流下速度を抑制する速度抑制手段を有し、遊技者から視認不能な状態で前記遊技領域内に戻すことなく外部へ誘導排出させる誘導排出部材と、
前記排出通路に排出され前記誘導排出部材によって誘導排出された遊技媒体を検出可能な排出検出手段と、
少なくとも前記遊技媒体演出空間、前記振分手段、前記第一受入口、前記第二受入口、前記第一受入検出手段、前記第二受入検出手段、前記低反発部材、前記誘導案内部材、前記転動案内部材、前記反発飛翔手段、前記転動受部、前記誘導排出部材、前記排出検出手段を夫々所定位置に保持した状態で前記遊技盤ベースの後側に配置固定される後支持部材と、
該後支持部材の後側に、前記遊技媒体演出空間を介して遊技者から視認可能となるように配置固定されると共に、前記振分手段が上部に、前記転動案内部材の一部が左右何れか一方の端部に、少なくとも前記第一受入口、前記第二受入口、前記反発飛翔手段、前記低反発受手段、及び前記誘導案内部材が下部に夫々配置され、所定の演出画像を表示可能な演出表示手段と、
前記抽選確率変更手段によって有利遊技状態の発生する前記抽選結果が抽選される前記抽選確率を高確率に変更する前記抽選結果が抽選されると、遊技媒体が前記第一受入口に高い確率で受入れられるように前記振分手段を振分制御する振分制御手段と
を具備する」ものであることを特徴とする。
手段36の構成によると、遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、遊技領域内に所定のゲージ配列で複数の障害釘等を保持可能な遊技盤ベースと、遊技領域内の上部で左右方向の略中央にされ、開状態となると遊技媒体が受入可能となり閉状態となると遊技媒体が受入不能となる受入開閉手段と、受入開閉手段により受入れられた遊技媒体を検出可能な受入検出手段と、少なくとも受入検出手段による検出に基づいて所定数の遊技媒体を払出す払出手段と、受入開閉手段とは遊技領域内の異なる位置に配置され遊技媒体を受入可能な始動口と、始動口に受入れられた遊技媒体を契機として所定の抽選結果を抽選する抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて受入開閉手段に所定の開閉動作をさせて有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、有利遊技状態の発生する抽選結果が抽選される抽選確率を、抽選結果に応じて変更する抽選確率変更手段と、遊技領域とは異なる空間で内部を流通する遊技媒体が遊技者から視認可能とされ、上部が遊技領域の中央よりも上側に配置されると共に下部が中央よりも下側に配置される遊技媒体演出空間と、受入開閉手段によって受入れられた遊技媒体が進入可能とされた進入受入口と、遊技媒体の外形よりも若干大きい幅で上下方向に延びる軸芯を中心として少なくとも円弧状に延びる案内通路と、案内通路の外周に開口し進入受入口と連通する進入口と、進入口に隣接して案内通路の外周に開口する第一振分口と、第一振分口に対して進入口の反対側に配置され案内通路上に開口する第二振分口と、第二振分口に対して第一振分口の反対側に配置され案内通路上に開口する第三振分口と、第一振分口に向かって低くなるように案内通路上に形成される案内傾斜面と、第一振分口とは進入口を挟んで反対側から第二振分口及び第三振分口との間へ案内通路を短絡するように連絡し第二振分口及び第三振分口の方向へ向かって低くなる連絡通路と、連絡通路が貫通すると共に案内通路内の遊技媒体を少なくとも進入口が配置された位置で軸芯方向へ移動するのを阻止する内周壁と、進入口と進入受入口との間に所定数の遊技媒体を貯留可能な貯留通路と、貯留通路に貯留されなかった遊技媒体を外部へ排出可能な排出通路とを備えた振分ベース部材、振分ベース部材の軸芯周りに回転可能に保持され、回転位置に応じて進入口、第一振分口、第二振分口、第三振分口、及び連絡通路の何れか一つと連通可能とされると共に遊技媒体及び内周壁を収容可能な遊技媒体収容部と、遊技媒体収容部と進入口とが連通しない回転位置の時に遊技媒体が進入口を通過するのを妨げる障壁部とを備えた回転体、回転体を回転駆動させる回転駆動手段、回転体の回転位置を検出可能な回転位置検出手段、進入口へ進入する遊技媒体を検出可能な進入検出手段、遊技媒体演出空間の左右何れか一方の端部に配置され第一振分口に振分けられた遊技媒体を遊技媒体演出空間内の下方へ放出するクルーンからなる第一放出口、遊技領域に対して略中央に配置され第二振分口に振分けられた遊技媒体を遊技媒体演出空間内の下方へ放出するクルーンからなる第三放出口、及び第三放出口を挟んで第一放出口とは反対側に配置され第三振分口に振分けられた遊技媒体を遊技媒体演出空間内の下方へ放出するクルーンからなる第二放出口、を有し回転体を回転させることで進入口から遊技媒体収容部に収容された遊技媒体を第一振分口、第二振分口、及び第三振分口の何れかに振分可能な振分手段と、遊技媒体演出空間内の下部で第一放出口が配置された側に偏って遊技者から目立つように配置された第一受入口と、第一受入口に受入れられなかった遊技媒体を遊技者から視認可能となるように受入れる第二受入口と、第一受入口に受入れられた遊技媒体を検出可能な第一受入検出手段と、第二受入口に受入れられた遊技媒体を検出可能な第二受入検出手段と、第三放出口の略垂直下且つ遊技媒体演出空間の下部で第一受入口よりも上側に配置され第三放出口から放出された遊技媒体を受取可能な低反発受手段と、低反発受手段によって受取られた遊技媒体を所定の確率で第一受入口に受入れられるように誘導案内可能とされ誘導案内される遊技媒体を第二受入口に誘導可能な分岐部を有した誘導案内部材と、第一放出口から放出された遊技媒体を受取って第一受入口よりも下側に遊技媒体を転動案内する転動案内部材と、転動案内部材により転動案内された遊技媒体を、低反発受手段を飛び越して誘導案内部材よりも低い確率で第一受入口に受入れられるように第一受入口の方向へ向かって反発飛翔させる平面状の第一傾斜面を有した第一反発飛翔部、第一受入口と略同じ高さに配置され第二放出口から垂下する遊技媒体を、第一反発飛翔部よりも低い確率で第一受入口へ受入れられるように第一受入口の方向へ向かって反発飛翔させ第一傾斜面と続く曲面部と平面部とからなる第二傾斜面を有した第二反発飛翔部を有した反発飛翔手段と、誘導案内部材によって誘導案内された遊技媒体が転動可能とされると共に、反発飛翔手段によって反発飛翔した遊技媒体を受取った上で転動可能とされ、所定位置に第一受入口が配置された転動受部と、遊技媒体の流下速度を抑制する速度抑制手段を有し、排出通路に排出された遊技媒体を略垂直に流下するように外部へ誘導排出させる誘導排出部材と、誘導排出部材によって誘導排出された遊技媒体を検出可能な排出検出手段と、少なくとも遊技媒体演出空間、振分手段、第一受入口、第二受入口、第一受入検出手段、第二受入検出手段、低反発部材、誘導案内部材、転動案内部材、反発飛翔手段、転動受部、誘導排出部材、排出検出手段を夫々所定位置に保持した状態で遊技盤ベースの後側に配置固定される後支持部材と、後支持部材の後側に遊技媒体演出空間を介して遊技者から視認可能となるように配置固定されると共に、振分手段が上部に、転動案内部材の一部が左右何れか一方の端部に、少なくとも第一受入口、第二受入口、反発飛翔手段、低反発受手段、及び誘導案内部材が下部に夫々配置され、所定の演出画像を表示可能な演出表示手段と、有利遊技状態の発生する抽選結果が抽選される抽選確率を抽選確率変更手段によって高確率に変更する抽選結果が抽選されると、遊技媒体が第一受入口に高い確率で受入れられるように振分手段を振分制御する振分制御手段とを備えたものである。
本手段による遊技内容を詳述すると、遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体が始動口に受入れられると、所定の抽選結果が抽選され、有利遊技状態を発生させる抽選結果(例えば、「大当り」、「確変大当り」等)が抽選されると、受入開閉手段が所定パターンで開閉動作(例えば、大当り遊技状態)をし、開状態の時に遊技媒体が受入れられると所定数の遊技媒体が払出されると共に受入れられた遊技媒体が進入受入口及び貯留通路を通って振分手段の進入口へと送られることとなるが、この際に、貯留通路内に所定数の遊技媒体が貯留されていると、振分手段へ送られた遊技媒体は振分けられることなく排出通路を介して排出される。そして、貯留通路に貯留された遊技媒体は、回転体が回転してその遊技媒体収容部が進入口と連通すると、進入口を通って一つのみ案内通路内で且つ遊技媒体収容部内に進入し収容される。そして、遊技媒体収容部に遊技媒体を収容させた状態で回転体を第一振分口の方向へ回転させて、第一振分口と遊技媒体収容部とを互いに連通させると、遊技媒体収容部に収容された遊技媒体が第一振分口へと振分けられる。一方、遊技媒体収容部に遊技媒体を収容させた状態で回転体を第一振分口とは反対の方向へ回転させて遊技媒体収容部を連絡通路と連通させると、遊技媒体収容部に収容された遊技媒体が第二振分口及び第三振分口の方向へ向かって下がるように傾斜する連絡通路を通って第二振分口と第三振分口との間に送られる。この状態で、回転体を第一振分口へ振分けた方向とは反対方向に回転させて遊技媒体収容部を第二振分口と連通させると、遊技媒体収容部に収容された遊技媒体が第二振分口へと振分けられ、回転体を第一振分口へ振分けた方向と同じ方向に回転させて遊技媒体収容部を第三振分口と連通させると、遊技媒体収容部に収容された遊技媒体が第三振分口に振分けられる。なお、回転体に備えられた障壁部によって進入口が遊技媒体収容部以外と連通しないようになっている。この振分手段による振分けは抽選結果に応じて所定の振分口へ振分けられるように制御されている。その後、何れかの振分口へ振分けられた遊技媒体は、各振分口の下流側に配置されたクルーンからなる何れかの放出口(第一放出口、第三放出口、及び第二放出口)へと送られ、遊技媒体演出空間内へと放出される。この遊技媒体演出空間内には、その下部の転動受部上に目立つように配置された第一受入口と、第一受入口に受入れられなかった遊技媒体を受入れる第二受入口とが配置されている。そして、まず、遊技媒体演出空間の左右何れかの端部に配置された第一放出口から放出された遊技媒体は、転動案内部材により第一受入口よりも下側へ案内された後に、第一受入口に所定の確率で受入れられるように反発飛翔手段の第一反発飛翔部によって略中央に配置された低反発受手段を飛び越すように第一受入口へ向かって反発飛翔する。また、遊技領域に対して左右方向略中央に配置された第三放出口から放出された遊技媒体は、その垂直下に配置された低反発受手段で受取られた上で第一反発飛翔部よりも高い確率で第一受入口に受入れられるように誘導案内部材によって第一受入口へ誘導案内される。更に、第三放出口を挟んで第一放出口とは反対側に配置された第二放出口から放出された遊技媒体は、その垂直下に配置された反発飛翔手段の第二反発飛翔部によって第一反発飛翔部よりも低い確率で第一受入口に受入れられるように第一受入口へ向かって反発飛翔することとなる。なお、ここでは、高確率状態となる抽選結果が抽選されると、高い確率で第一受入口に受入れられるように振分制御されている。また、遊技媒体演出空間の後側に配置された演出表示手段には、所定の装飾図柄を変動表示させた後に停止表示させて、抽選結果を示唆するような演出画像等が表示される。
これにより、第一受入口へ受入れられる可能性が最も高い第三放出口を遊技領域の左右方向略中央に配置しているので、第三放出口から放出され低反発受手段へ落下する遊技媒体を遊技者の目に付き易くすることができ、落下の瞬間を見逃し難くして、興趣が低下するのを防止することができる。また、第二放出口が第三放出口を挟んで第一受入口とは反対側に配置されている。つまり、反発飛翔手段と第一受入口とが低反発受手段を挟んで左右に夫々配置されており、第二放出口から第二反発飛翔部へ落下放出された遊技媒体が、第二反発飛翔部によって低反発受手段を飛越すように反発飛翔するので、左右方向に大きく跳ねる遊技媒体の動きによって遊技者を驚かせて、興趣が低下するのを抑制することができる。更に、第一放出口を遊技媒体演出空間の左右何れかの一方の端部に配置されているので、第三放出口や第二放出口から放出される遊技媒体よりは気付き難くすることができ、第一放出口から放出された遊技媒体が、転動案内部材を介して第一反発飛翔部によっていきなり飛翔するような動きをさせることができ、遊技者を驚かせて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、受入開閉手段が開閉動作中、つまり、有利遊技状態の発生時に、受入開閉手段によって受入れられた遊技媒体が、振分手段を介して遊技媒体演出空間内へと放出され、その遊技媒体演出空間内で、遊技媒体が垂下するように落下したり、第一受入口へ向かって反発飛翔したり、するようなこれまでに無い動きをして遊技者を楽しませることができ、単調な遊技となって飽き易くなるのを抑制して、興趣が低下するのを防止することができる。
更に、始動口入賞による抽選結果が、高確率状態に変更したり維持したりするもの(例えば、「確変大当り」)の場合、第一受入口に受入れられる確率が最も高い第二振分口へ振分けるようにしているので、振分手段により振分けられた遊技媒体が第一受入口に受入れられることとなり、遊技者から見れば、あたかも第一受入口に遊技媒体が受入れられたことにより、高確率状態となるように錯覚させることができ、有利遊技状態中に、遊技媒体演出空間内において遊技媒体が第一受入口に受入れられるか否かで、ハラハラ・ドキドキさせて、遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
また、抽選結果が、高確率状態に変更したり維持したりするもの(例えば、「確変大当り」)の時に遊技媒体を第二振分口に振分けて第一受入口へ受入れさせるようにすることができるので、演出表示手段の演出画像によって抽選結果を表示させるようにした場合と比較して、遊技媒体が直接第一受入口に受入れられるのを遊技者に見せることができ、遊技者に物理的な安心感を与えて、興趣が低下するのを抑制することができる。
なお、抽選結果によって予め高確率状態とすることが決められており、仮に第一受入口に遊技媒体が受入れられなくても、高確率状態となるので、第一受入口に受入れられずに残念な気分にさせた後に、高確率状態になることで、突然、高確率状態となったように錯覚させて、得した気分にさせることができ、抑揚に富んだ遊技機として、より興趣が低下するのを防止することができる。
更に、転動受部上に第一受入口を配置されており、第一受入口を目立たせることが可能となり、遊技者に対して第一受入口に遊技媒体が受入れられると、遊技者にとって何か良いことがあると直感的に認識させることができるので、遊技媒体演出空間内を落下したり、反発飛翔したり、転動したりする遊技媒体が、第一受入口に受入れられるか否かで、ワクワク・ドキドキさせて期待感を高めることが可能となり、遊技媒体に注目させて、飽き難く興趣の高められるものとすることができる。
また、第一振分口へ振分けられると、転動案内部材により遊技媒体演出空間の下部へ案内された遊技媒体が、反発飛翔手段によって突然、上方に向かって反発飛翔するので、これまでの遊技機では見られなかった遊技媒体の動きを見せることができ、遊技者を驚かせて、興趣が低下するのを防止することができる。
また、第二振分口へ振分けられると、遊技媒体が、低反発受手段へ向かって垂下した後に、低反発受手段で反発飛翔することなく誘導案内部材を通って第一受入口へと転動するので、垂下する速い動きと、第一受入口へ転動する遅い動きとを一連の動きとして遊技者に見せることができ、緩急のある遊技媒体の動きを楽しませて、興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、第三振分口へ振分けられると、遊技媒体が、反発飛翔手段へ向かって垂下した後に、反発飛翔手段で第一受入口に向かって反発飛翔するので、ポンポンと跳ねる遊技媒体の動きを遊技者に見せることができ、そのリズミカルな動きを楽しませて、興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第一受入口へは、第二振分口へ振分けられた遊技媒体が最も受入れられる確率が高く、次いで第一振分口、第三振分口の順となっているので、遊技者にとっては、振分手段で第二振分口へ振分けられるのを強く望み、振分手段において所望の振分口へ振分けられるか否かで、期待感を高めることができる。そして、遊技媒体が何れの振分口へ振分けられても第一受入口へ受入れられる可能性があるので、振分けられた遊技媒体が第一受入口へ受入れられるか否かで期待感を高めることができる。つまり、振分手段の振分け前後において、遊技者の期待感を高めることができるので、より一層、遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、より興趣の高められるものとすることができる。
更に、遊技媒体が振分手段により振分けられた後でも、その結果を判別し難くすることができるので、振分け後の遊技媒体に対する関心が低下するのを抑制することが可能となり、振分けられた遊技媒体の動きを充分に楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
また、従来の振分装置を用いた場合のように複数の振分装置を用いる必要がなく、遊技媒体を振分ける振分手段が大型化するのを抑制して遊技機に占める割合が増加するのを防止することができ、遊技領域が減少するのを抑制してより広い範囲に遊技媒体を流下させて遊技媒体の動きが単調となるのを防止して、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。また、振分手段が大型化するのを抑制することができるので、振分手段が遊技機に備えられたアタッカ装置、可動役物、装飾体等の他の部材と干渉し難くすることができ、他の部材と干渉することで他の部材を配置することができなくなって変化に乏しい遊技機となるのを防止して、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、進入口から回転体の遊技媒体収容部内に進入した遊技媒体が案内通路内に留まると共に、案内通路の幅が遊技媒体の外形よりも若干大きい幅とされているので、進入口から遊技媒体収容部内へ遊技媒体が一つのみ進入することとなり、遊技媒体を一つずつ何れかの振分口に振分けることができ、一度の振分で複数の振分口に遊技媒体が振分けられるのを防止して、振分手段により振分けられた遊技媒体の動きを一つずつ確実に視認させて、その動きを充分に楽しませて遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
また、回転体に進入口への遊技媒体の進入を阻止する障壁部を備えるようにしているので、進入口と回転体の遊技媒体収容部とが連通していない時には、回転体の障壁部によって進入口を閉鎖することができ、遊技媒体が進入口を通って、遊技媒体収容部以外の場所に侵入して不具合の原因となったり、遊技媒体が振分けられずに排出されてしまったりするのを防止することができる。
更に、回転体の軸芯を上下方向に延びるようにしているので、回転体の回転面が略水平方向となり、振分手段の上下方向の高さを可及的に少なくすることができ、相対的に振分手段よりも下流側の高さが高くなり、遊技媒体の流路を含んだ遊技媒体演出空間を広くして、遊技媒体に種々の動き(転動演出)をさせることが可能となり、より遊技媒体の動きを楽しませて遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
また、連絡通路が第二振分口及び第三振分口の方向に向かって低くなるように形成されているので、進入口から連絡通路の端部に送られた遊技媒体が、重力によって自然と第二振分口及び第三振分口の方向へ転動し、第二振分口と第三振分口との間へ確実に移動させることができ、軸芯を上下方向に延びるように配置しても、遊技媒体を確実に何れかの振分口へ振分けることができる。
更に、案内通路の外周に開口する振分口に向かって低くなる案内傾斜面を備えているので、案内通路が略水平方向に延びるように配置されていても、案内通路上に形成された案内傾斜面に遊技媒体を移動させると、案内傾斜面に沿って遊技媒体が振分口へと転動して振分口を通過させることができるので、遊技媒体を確実に所定の振分口へ振分けることができる。
また、回転体の回転位置を検知可能な回転位置検知手段を備えているので、回転位置検知手段によって回転体の回転位置を検知することができ、回転体の遊技媒体収容部を進入口や振分口等と確実に連通するように回転させることができる。
また、一度に多くの遊技媒体が進入口の上流側に供給されても、供給された遊技媒体を所定数まで貯留通路に貯留させると共に、貯留通路から溢れた遊技媒体を排出通路によって排出するようにしているので、進入口の上流側で遊技媒体が不要に滞るのを防止することが可能となり、滞った遊技媒体によって不具合が発生するのを防止して、不具合によって遊技が中断して遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、振分口に振分けられた遊技媒体を、各放出口のクルーンによって渦巻状に回転させた後に下方へ放出するようにしており、このクルーンによって遊技媒体の動きが整流されるので、振分手段から下流側への遊技媒体の受渡しを均一化することが可能となり、下流側の流路で遊技媒体に所望の演出動作を確実に付与させることができ、その演出動作によって遊技者を楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。また、各クルーンにおいて、渦巻状に回転する遊技媒体を視認することができるので、クルーン内での遊技媒体の動きを楽しませることができると共に、クルーン内で回転することによって遊技媒体が放出されるまでに一瞬遊技媒体の流れが停止したような状態となり、その一瞬の時間によって下流側で演出動作する遊技媒体への期待感を高めてより興趣を高められる効果を期待することができる。
また、進入口と第一振分口を案内通路の外周に配置し、第二振分口と第三振分口を案内通路上に配置するようにしているので、同じ高さにおいて並列する通路を、進入口と第一振分口、又は、第二振分口と第三振分口へ夫々連通する二つの通路とすることができると共に、進入口と第一振分口を回転体が配置された層と同じ層とし、その下に第二振分口又は第三振分口と対応する放出口とを結ぶ層の二層とすることができ、振分手段の幅及び高さを可及的に小さくすることが可能となり、振分手段をより小型化することができる。そして、振分手段をより小型化することで、相対的に遊技媒体演出空間を広くして、より広い範囲で遊技媒体の動きを楽しませられるものとすることができる。
また、遊技媒体を誘導排出する誘導排出部材を略垂直となるように配置しているので、有利遊技状態の発生によって多くの遊技媒体が受入開閉手段によって受入れられても、遊技媒体を速やかに排出することができ、遊技媒体詰まり等の不具合が発生するのを防止することができると共に、誘導排出部材が略垂直に配置されるので、遊技媒体を排出するための誘導排出部材の占める領域を可及的に少なくすることができ、相対的に遊技媒体演出空間を広くしたり、他の部材を配置したりすることができ、より興趣の高められる遊技機とすることができる。また、誘導排出部材に速度抑制手段が備えられているので、略垂直に流下する遊技媒体の流下速度が過度に速くなるのを抑制することができ、誘導排出部材の下流側に配置された部材に対して、必要以上に強い衝撃で下流側の部材に遊技媒体が受渡されるのを防止して、下流側の部材の破損等による不具合が発生するのを防止することができる。
更に、大当り遊技状態等の有利遊技状態が発生して受入開閉手段(例えば、アタッカ装置)が所定パターンで開閉動作を繰り返した場合、受入開閉手段が、遊技者の操作によって遊技媒体を打ち込む遊技領域の上部に配置されているので、開状態となっている受入開閉手段に対して遊技媒体を狙い打ちし易いことを一見して遊技者に認識させることができ、種々の遊技機の中から本遊技機を選択し易くすることができる。また、第一受入口が遊技領域(遊技媒体演出空間)の下部に配置されているので、通常の体格の遊技者であれば、第一受入口が目の高さよりも充分に下方の位置に配置されることとなり、第一受入口を所定の面上に開口させるようにした場合、第一受入口が遊技者からより目立つようにすることができ、第一受入口を目立たせて、第一受入口への期待感を高めることができる。
また、低反発受手段から誘導案内部材を介して、或いは、反発飛翔手段から、第一受入口へ向かった遊技媒体を転動受部によって受取ることができるので、反発飛翔手段から反発飛翔してきた遊技媒体を受取り易くすることができる。
また、第一放出口から放出された遊技媒体が、転動案内部材によって一旦、第一受入口よりも下側へ転動案内されるので、遊技者に対して第一受入口へ遊技媒体が受入れられないような印象を与え、その後、反発飛翔手段によって第一受入口よりも下方から、低反発受手段を飛越すように第一受入口上へ反発飛翔するので、遊技者に対して第一受入口へ遊技媒体が受入れられる可能性が高くなったことを印象付けることができ、抑揚の富んだものとして、興趣を高められるものとすることができる。
更に、第一反発飛翔部では、転動案内部材により案内される遊技媒体の案内方向と第一傾斜面との関係が変化し難くなっており、遊技媒体を略同じ位置へ反発飛翔させることができ、第一受入口へ受入れられる確率を安定させて、所望の高い確率とすることができる。一方、第二反発飛翔部では、平面部と曲面部とからなる第二傾斜面によって、第二放出口から落下放出される遊技媒体の位置が僅かに変化して曲面部に当接する位置が変化しただけで、反発飛翔する位置が区々となり易く、第一受入口へ受入れられる確率を不安定にして、所望の低い確率とすることができる。従って、第一反発飛翔部及び第二反発飛翔部の反発飛翔による第一受入口への受入確率を容易に、所望の確率とすることができ、上述した作用効果を奏する遊技機を確実に具現化することができる。
また、誘導案内部材によって案内される遊技媒体が、分岐部により第一受入口ではなく、第二受入口へ誘導されることがあり、誘導案内部材によって遊技媒体が誘導案内されているからと言って、必ずしも第一受入口へ誘導案内されるとは限らないものとすることができ、第一受入口へ遊技媒体が受入れられるまで、遊技媒体を注視させることができ、第一受入口に受入れられるか否かで、ハラハラ・ドキドキさせて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、上述した遊技媒体演出空間を後支持部材を介して、遊技盤の後側に配置するようにしているので、遊技媒体演出空間を容易に、遊技盤の前面側に配置された遊技領域と異なる空間とすることができ、遊技媒体演出空間を遊技機に備えても、遊技領域内を流下する遊技媒体の妨げとなるのを防止して、遊技領域内では従来の遊技機と同様の遊技を楽しませることができる上に、遊技媒体演出空間での遊技媒体の演出動作を楽しませられる遊技機とすることができる。また、進入受入口、遊技媒体演出空間、振分手段、第一受入口、第二受入口、転動案内部材、低反発受手段、誘導案内部材、及び反発飛翔手段等を後支持部材によって支持するようにしているので、それらを一纏りのユニットとすることができ、遊技機を組立てる際にかかる手間を簡略化することができる。
また、演出表示手段を備えているので、従来の遊技機と同様に、演出表示手段に、抽選結果に応じて所定の装飾図柄を変動表示させた後に、停止表示させて抽選結果を示唆するようにすることができ、従来の遊技機に慣れた遊技者に対して、違和感を与えるのを緩和し、本遊技機に対して躊躇することなく遊技させることができる。また、上述した遊技媒体演出空間での遊技媒体による演出動作とリンクするような演出画像を表示させても良く、これにより、遊技媒体演出空間での演出効果を相乗的に高めて、飽き難く興趣が低下するのを防止することが可能なものとすることができる。
手段37:手段1から手段36までの何れか一つの遊技機において、
パチンコ機であることを特徴とする。
ここで、パチンコ機とは、遊技者が遊技機に投入する媒体である投入媒体と、遊技者が行う実質的な遊技に用いられる媒体である遊技媒体とを同一のものとした遊技機であり、投入された例えば遊技球等の媒体を用いて遊技が行われるタイプの遊技機の一種である。具体的には、「操作ハンドルの操作に対応して遊技球を発射する発射装置と、多数の障害釘、役物、表示手段等の適宜の機器が組み込まれたり、始動入賞口、大入賞口、通過口、到達口等の遊技球が入球する適宜の入球口が設けられた遊技領域と、発射装置から遊技領域に遊技球を導くレールと、遊技領域に導かれた遊技球の入球口への入球に応じたり、複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出す払出手段とを具備するもの」である。
なお、パチンコ機としては、種々のタイプのものがあり、一般に「デジパチ機」と称されるものに代表される「入球口への入球状態を検出する入球状態検出手段(遊技状態検出手段として捉えることもできる)と、入球状態検出手段によって入球が検出されると所定の抽選を行う抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて特別図柄を変動させると共に変動を停止させる特別図柄表示手段とを備えたもの」や「加えて、特別図柄の変動中に、複数の図柄からなる図柄列を変動表示し、図柄列にて図柄を停止表示させたり、キャラクタや種々の物品等の表示物を描写し、表示物を動作させたりする等によって適宜の演出表示を行う演出表示手段を更に具備するもの」、一般に「ハネモノ機」と称されるものに代表される「役物内での遊技球の振分けによって抽選を行う抽選手段を備えたもの」、一般に「アレパチ機」と称されるものに代表される「例えば16個等の所定個数の遊技球により1ゲームが行われ、1ゲームにおける複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて所定個数の遊技球の払出しを行うもの」等を例示することができる。
手段37の構成によると、パチンコ機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
手段38:手段1から手段36までの何れか一つの遊技機において、
パチスロ機であることを特徴とする。
ここで、パチスロ機とは、投入媒体であるメダルを投入し、メダルの投入後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作によって、夫々複数の図柄が描かれた複数のリールを回転させる等して、各リール等によって構成された図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて各図柄列の変動表示を停止させる、といった遊技が遊技者によって行われるものである。換言すれば、停止操作機能付きのスロットマシーンとして捉えることができるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動表示を停止させるものであってもよい。そして、各図柄列の変動表示の停止時において、表示された単体の図柄が特定の図柄であったり、各図柄列にて表示された図柄の組合わせが特定の組合せであったりする等、特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができる遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
手段38の構成によると、パチスロ機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
手段39:手段1から手段36までの何れか一つの遊技機において、
パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなることを特徴とする。
ここで、「パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機」とは、複数個(例えば5個)の遊技球を1単位の投入媒体とし、投入媒体を投入した後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動表示を停止させるものであってもよい。そして、各図柄列の変動表示の停止時において、表示された単体の図柄が特定の図柄であったり、各図柄列にて表示された図柄の組合わせが特定の組合せであったりする等、特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができる遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
手段39の構成によると、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
このように、本発明によれば、有利遊技状態の発生に応じて、所定の受入口へ遊技媒体が受入れられるとあたかも遊技状態が変化するように見せることで、飽き難くして興趣が低下するのを防止することができる遊技機を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、図面に基づいて詳細に説明する。
[パチンコ機の全体構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
図1はパチンコ機の前側全体を示す正面図であり、図2はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれ、その本体枠の一側に更に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1及び図2においては遊技領域における装飾部材を省略して示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4、及び遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について] 図1及び図3に基づき説明する。
図3はパチンコ機の本体枠と遊技盤とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12及び機構装着体13を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図2参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。そして、前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピン及びヒンジ孔によって開閉回動可能に装着されている。すなわち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピン及びヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そして、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。また、前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。また、前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。また、前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が装着されている。サイド装飾装置52は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている。音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。また、上皿51の左側には、遊技者が操作可能なボタン59が設けられている。
[施錠装置の構成について] 図2及び図3に基づき説明する。
前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。すなわち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11及び下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75とを備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠の構成について] 図2乃至図4に基づき説明する。
図4はパチンコ機の後側全体を示す背面図である。
図2及び図3に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図9参照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
一方、図4に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えた基板ホルダ91が設けられている。この基板ホルダ91の後側には、波形制御基板、電飾制御基板等の周辺制御基板92が収納された周辺制御基板ボックス93が装着され、その周辺制御基板ボックス93の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板94が収納された主制御基板ボックス95が装着されている。さらに、遊技盤5の後側に対し基板ホルダ91、周辺制御基板ボックス93及び主制御基板ボックス95がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなく基板ホルダ91、周辺制御基板ボックス93及び主制御基板ボックス95が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンク及びタンクレールの構成について] 図7及び図8に基づき説明する。
図7はパチンコ機の本体枠に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図8は本体枠単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部111、レール装着部112、及び払出装置装着部113等がそれぞれ形成され、タンク装着部111には球タンク114が装着されている。球タンク114は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク114の遊技球の貯留状態が球タンク114の後側壁を透して視認可能となっている。また、球タンク114の底板部115の後側隅部には遊技球を放出する放出口116が形成されるとともに、底板部115は放出口116に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部111に下方に接近してレール装着部112が一体に形成され、そのレール装着部112にレール構成部材117が装着されることでタンクレール118が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態において、レール装着部111は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール118の前壁部119とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図8に向かって左端)から他端(図8に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚120が形成されている。そして、レール棚120の横方向に延びる上向き面をレール受け部121としている。
レール装着部112に装着されてタンクレール118を構成するレール構成部材117は、レール装着部112の前壁部119との間にレール通路を構成する後壁部122と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材117は、レール装着部112に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール118が構成されている。そして、球タンク114の放出口116から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール118の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態において、レール構成部材117は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材117の後壁部122を透して視認可能となっている。
タンクレール118(レール装着部112)の前壁部119は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えば役物)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚120の後端と、タンクレール118の後壁部は、球タンク114の後側壁と略同一面をなしている。言い換えると、球タンク114の後壁部に対しタンクレール118の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール118が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール118の前壁部119との間に装備品(例えば役物)の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
また、タンクレール118の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体123がその上部において軸124を中心として揺動可能に装着されている。この整流体123には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部及び球払出装置の構成について] 図7及び図8に基づき説明する。
本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)125に対応する縦長の払出装置装着部113が形成されている。払出装置装着部113は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部113の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置125の払出用モータ126(図3参照)が突出可能な開口部127が形成されている。
払出装置装着部113の凹部に球払出装置125が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部113の周壁部後端、レール棚120の後端、球タンク114、タンクレール118及び球払出装置125のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置125は、払出装置装着部113の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、球払出装置125は、払出装置装着部113の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置125は、タンクレール118におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について] 図3及び図4に基づき説明する。
本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図4に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを作動する発射モータ128等が取付基板129に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット130が装着されている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板131を収容する電源基板ボックス132が装着され、その電源基板ボックス132の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板133を収容する払出制御基板ボックス134が装着されている。払出制御基板133は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板94から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ126を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成について] 図4及び図5に基づき説明する。
図5はパチンコ機の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス135(図6参照)及び主制御基板ボックス95の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構成する払出装置装着部113の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体136がカバーヒンジ機構137によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体136は、略四角形状の後壁部138と、その後壁部138の外周縁から前方に向けて突出された周壁部139とから一体に構成されている。後カバー体136の周壁部139のうち、一側の壁部139aには、機構装着体13の側壁部の上下及び中間の計3箇所に形成されたヒンジ体140のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれるヒンジピン141を下向きに有するヒンジ体142が一体に形成されている。また、後カバー体136の周壁部139のうち、他側の壁部139bには、払出装置装着部113の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体143が一体に形成されている。
すなわち、後カバー体136は、その上下及び中間のヒンジ体142の各ヒンジピン141が機構装着体13の側壁部のヒンジ体140のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれる。この状態で、ヒンジピン141を中心として後カバー体136が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体143を払出装置装着部113の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体136が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体136によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス135(図6参照)全体及び主制御基板ボックス95の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体136によって覆われるようになっている。これによって、主制御基板ボックス95の上部に露出された主制御基板94の基板コネクタ(主として表示装置制御基板と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス95の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体136によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス95の下部には、その主制御基板94上に配置された検査用コネクタ144が露出されており、後カバー体136が閉じられた状態で主制御基板94上の検査用コネクタ144に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体136には、多数の放熱孔145、146、147、148が貫設されており、これら多数の放熱孔145、146、147、148から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体136には、その周壁部139から後壁部138に延びる多数のスリット状の放熱孔145が貫設され、後壁部138の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔146が貫設され、後壁部138の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔147と所定数の横長四角形状の放熱孔148が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔148は、主制御基板ボックス95の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部149の列の大きさ及び配設位置に対応する大きさ及び位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体136が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス95の複数の並列状の封印部149が放熱孔148の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体136が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス95の封印部149の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体136を安価に製作することができる。
後カバー体136の周壁部139のうち、上側壁部139cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体150が上方のタンクレール118の後壁面(レール構成部材117の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体150の先端部には、同コード保持体150を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板151の基板コネクタ152に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体136にコード保持体150を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機1を運搬、保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について] 図1及び図6に基づき説明する。
図6は、図5に示すパチンコ機の斜視図から後カバー体及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体153が装着されている。この下皿用球誘導体153は、球払出装置125の賞球及び貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体153の後壁外面には、インタフェース基板154を収納している基板ボックス155が装着されている。なお、インタフェース基板154は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と払出制御基板133との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板133との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[遊技盤の概略構成について] 図9乃至図16に基づき説明する。
図9は、遊技領域を有した遊技盤の正面図である。図10は遊技盤を右上斜め前方から示す斜視図であり、図11は遊技盤を左上斜め前方から示す斜視図である。図12は、遊技盤を斜め後方から示す斜視図である。図13は図9におけるA−A断面図であり、図14は図9におけるB−B断面図である。図15は遊技盤を主要な構成部品毎に分解して斜め前方から示す分解斜視図であり、図16は遊技盤を主要な構成部品毎に分解して斜め後方から示す分解斜視図である。
本例の遊技盤5には、上述した通り外レール76、及び内レール77からなる案内レール78が備えられており、この案内レール78の内側には、遊技領域37が区画形成されている。換言すると、前構成部材79の案内レール78によって遊技領域37の外周が区画形成されている。この遊技領域37には、その略中央部分に枠状の中央役物200が配設されていると共に、中央役物200の後方に中央役物200の枠内を通して前方(遊技者)から視認可能とされた演出表示手段としての演出表示装置202が備えられている。また、遊技領域37には、中央役物200の左側に、遊技球が通貨可能なゲート204が設けられており、このゲート204内には、ゲート204を通過した遊技球を検出するゲートセンサ206が設けられている(図10及び図11参照)。
また、遊技領域37には、中央役物200の中央下方には、可変入賞装置210が配設されている。この可変入賞装置210は、上方に常時開口し遊技球が入賞可能な第一始動口212と、第一始動口212の下方に設けられた第二始動口214と、第一始動口212に入賞した遊技球を検出する第一始動口センサ216(図40参照)と、第二始動口214に入賞した遊技球を検出する第二始動口センサ218(図40参照)と、第二始動口214の両側に配置され始動口ソレノイド220(図40参照)により下部を支点として回動し第二始動口214を開閉可能な一対の可動片222とを備えている。
この可変入賞装置210における第二始動口214は、通常、上方に位置する第一始動口212と、第二始動口214の両側に位置する可動片222により塞がれて遊技球が入賞不可能な閉塞状態となっており、始動口ソレノイド220の駆動によって一対の可動片222を拡開するように回動させ、遊技球が左右方向から入賞可能な開放状態に制御する。この可動片222の開閉制御は、ゲート204を遊技球が通過してゲートセンサ206によって検出されたことに基づいて、制御されるようになっている。なお、本例では、第一始動口212に遊技球が入賞し、第一始動口センサ216によって検出されたことに基づいて所定数(例えば、3個)の遊技球の払い出しが行われ、第二始動口214に遊技球が入賞し、第二始動口センサ218によって検出されたことに基づいて所定数(例えば、4個)の遊技球の払い出しが行われる。
また、遊技領域37には、常時開口し遊技球が入賞可能な複数の一般入賞口224も設けられており、一般入賞口224に遊技球が入賞したことに基づいて所定数の遊技球の払い出しが行われる。なお、一般入賞口224に入賞した遊技球は一般入賞口センサ226(図34及び図40参照)によって検出され、一般入賞口224に遊技球が入賞し、一般入賞口センサ226によって検出されたことに基づいて所定数(例えば、10個)の遊技球の払い出しが行われる。また、遊技領域37には、その最下部に、流下していずれの入賞口や入賞装置にも入賞しなかった遊技球を「死球」として遊技領域37から排出するアウト口228が設けられている。
なお、本例では、上記の可変入賞装置210及び各一般入賞口224が、入賞口ユニット234として、一体に組立てられたものとされている。
更に、遊技領域37には、図9に示すように、その前面に多数の障害釘230が所定のゲージ配列をなして設けられていると共に、中央役物200前面の適宜位置に風車232が設けられており、遊技球の流下方向を変化させて、遊技球の挙動が面白くなるようにしている。なお、障害釘230については、図9のみに示すものとし他の図については省略してある。
また、本例の遊技盤5は、図13乃至図16に示すように、正面視における大きさが遊技領域37と略対応した大きさとされると共に前後方向に所定量の奥行きを有し発光可能な発光装飾体238を備えた枠状の装飾ユニット240と、装飾ユニット240の前側に配置され遊技領域37に配置される中央役物200、ゲート204、入賞口ユニット234、及び所定のゲージ配列で配置される複数の障害釘230等を前面側に保持可能な透明板状の保持板242と、保持板242の外周を支持すると共に前側に保持板242を挟むように前構成部材79が取付けられ後面側に装飾ユニット240が取付けられる枠状の保持板支持枠244とを更に備えている。
この装飾ユニット240の後側に、その枠内を通して遊技者から視認可能となるように演出表示装置202が取付けられるようになっており、装飾ユニット240の枠の内形と中央役物200の枠の内形が略同じ大きさとされている。
この遊技盤5は、図9乃至図11に示すように、障害釘230等を保持する保持板242が、透明な板材とされているので、保持板242の後側に配置された装飾ユニット240の全体(前面側)を遊技者側(前側)から視認できるようになっていると共に、保持板242に保持される障害釘230等が空中に浮いたように視認させられるようになっている。
また、遊技盤5には、アウト口から排出される遊技球や、入賞口等に入賞して遊技領域37外へ排出する遊技球を遊技盤5の後側外部へ誘導排出するための基板ホルダ91が、保持板支持枠244の後面側の下部に取付けられている。この基板ホルダ91の後側には、周辺制御基板ボックス93と主制御基板ボックス95とが前から順番に取付けられている(図13参照)。なお、基板ホルダ91には、遊技盤5から排出される遊技球を検出可能な球排出センサ248が備えられている。
演出表示装置202は、本例では、液晶を用いたLCDとされており、種々の演出画像を表示することができると共に、第一始動口212又は第二始動口214への遊技球の入賞を契機として、複数の装飾図柄が所定の順序で列設された三つの図柄列を変動表示させた上で夫々を停止表示させ、停止表示された装飾図柄の組合せによって、第一始動口212又は第二始動口214への始動入賞に係る抽選結果を表示できるようになっている(図36乃至図39参照)。
[遊技盤における保持板の保持構造について] 図17乃至図20に基づいて説明する。
図17は、遊技盤における前構成部材、保持板、及び保持板支持枠の関係を示す正面図である。図18は、図17における断面側面図である。図19は、図17を分解して示す分解斜視図である。図20は、保持板支持枠と装飾ユニットとの関係を示す分解斜視図である。
保持板支持枠244は、遊技領域37に対応する位置に配置されると共に正面視において遊技領域37を略包含する大きさとされ前後方向に貫通する貫通口250と、貫通口250内に向かって突出し平面視で遊技領域37内にかからないように形成された複数の突出片252と、及び複数の突出片252のうち本例では三つの突出片252に夫々形成された突出ピン254とを備えている。この突出ピン254は、上側の突出片252と、左右下側の突出片252に夫々前方側に突出するように形成されている(図19参照)。
また、保持板支持枠244は、前方側から貫通口250内に保持される保持板242を係止可能な複数の係止爪255を更に備えている(図19参照)。この係止爪255は、前方側から貫通口250内に保持板242を挿入嵌合させると、弾性変形して保持板242を着脱可能に係止保持するものである。
また、保持板支持枠244は、後面側に開口する凹部256が複数形成されており、この凹部256により後面側から肉抜きされた形態とされ、中実無垢に形成した場合と比較して保持板支持枠244の重量が大幅に軽減されている(図18及び図20参照)。なお、本例の保持板支持枠244は、所定の樹脂材(例えば、ポリプロピレン、ABS樹脂など)にて成形されている。また、保持板支持枠244の厚さW1は、従来のパチンコ機における遊技盤ベースの厚さと略同じ厚さの約20mmとされている。
更に、保持板支持枠244の後面側には、図20に詳しく示すように、その四隅と貫通口250との間に、斜めに列設された複数の取付孔258が形成されており、各取付孔258が所定径のボスの略中心に形成されていると共に、各ボスが壁状のリブによって夫々連結された状態となっており、取付孔258を有したボスが変形し難いようになっている。つまり、取付孔258の取付強度が高められている。この取付孔258は、装飾ユニット240や基板ホルダ91等、保持板支持枠244の後面側に取付固定される各種部材を取付固定するためのものである。
保持板242は、保持板支持枠244の貫通口250の内周形状と略対応した外周形状とされ、保持板支持枠244における上側の突出ピン254と嵌合する嵌合孔260と、保持板支持枠244における左右の突出ピン254が挿入され上下方向に延びる長孔262とを備えている。この保持板242は、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂等の透明な樹脂を、押出し成形した透明樹脂板により形成されている。また、保持板242の厚さW2は、打設される障害釘などを充分に保持することのできる必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされており、保持板支持枠244の厚さW1の略半分の厚さとされている。
また、保持板242には、その外周に保持板支持枠244の係合爪255と係合する係合段部264が、各係合爪255と対応するように形成されている。この係合段部264は、保持板242の前面側が陥没したような形態とされている(図19参照)。また、保持板242には、中央役物200、ゲート204、及び入賞口ユニット234等を所定位置に保持し前後方向に貫通する複数の開口266を備えている。この開口266の前面側から中央役物200等が開口266内に挿入されるようになっている。
この遊技盤5では、枠状の保持板支持枠244の枠内、つまり、保持板支持枠244の貫通口250内に保持板242を挿入した状態で、前方から保持板支持枠244に前構成部材79を固定することで、保持板242を保持板支持枠244の各突出片252と前構成部材79とで挟持するようになっている。つまり、保持板242の後面側が突出片252と当接し、保持板242の前面側が前構成部材79と当接することで、突出片252と前構成部材79とで挟持されるようになっている。
図18に示すように、本例では、保持板242の前面と、保持板支持枠244の前面とは、略面一となるように配置されている。つまり、保持板支持枠244の突出片252の前面位置が、保持板242の厚さW2に対応して、保持板242と保持板支持枠244の前面が略面一となる位置に配置されている。これにより、保持板支持枠244と保持板242との間で前後方向の段差が生じないようになっている。
また、保持板242と保持板支持枠244とは、保持板242を貫通口250内に挿入する際に、保持板支持枠244の上側の突出ピン254がベース本体の嵌合孔260と嵌合すると共に、保持板支持枠244の左右の突出ピン254が保持板242の左右の長孔262に夫々挿入され、嵌合孔260においては移動不能に固定され、長孔262においては移動可能に固定されるようになっている。
図17及び図18に示すように、保持板支持枠244における貫通口250の内周と、保持板242の外周との間には、所定量のクリアランス(隙間)が形成されるようになっており、気温やパチンコ機1の環境温度などの温度変化や、経時変化などによる保持板242や保持板支持枠244の相対伸縮が許容されて、保持板242等が歪んだりするのを防止できるようになっている。
また、本例の保持板242及び保持板支持枠244は、前方から保持板支持枠244の貫通口250内へ保持板242を嵌合挿入して、係合爪255と係合段部264とを係合させることで、保持板支持枠244に保持板242を保持させることができると共に、保持板242と保持板支持枠244の前面側が略面一となるようになっており、従来より用いられている障害釘植設装置を改造等しなくても保持板242を保持板支持枠244に保持した状態で従前の障害釘植設装置にセットすることが可能となり、障害釘の植設にかかるコストが増加するのを抑制することができるようになっている。
更に、遊技領域37を有した遊技盤5を、保持板242、保持板支持枠244、及び前構成部材79に分割するようにしているので、パチンコ機1の機種によって障害釘230や入賞口等の位置が変化する保持板242を交換パーツとすると共に、保持板支持枠244及び前構成部材79を共通パーツとすることができ、保持板支持枠244や前構成部材79等をリサイクル可能とすることができると共に保持板242のみを交換するだけで種々の機種に対応可能な遊技盤5を備えたパチンコ機1となっている。
また、保持板支持枠244に予め複数の取付孔258が所定配列で備えられているので、機種に応じて保持板支持枠244の後面側に取付固定される装飾ユニット240や基板ホルダ91等の種々の所定の部材の取付固定位置が異なる位置となっていても、各種部材の固定部を取付孔258の位置と対応させるように設計することで、保持板支持枠244を機種に依存しないパチンコ機1の共通パーツとすることができるようになっている。
[遊技盤における中央役物の構造について] 図21乃至図23に基づいて説明する。
図21(A)は中央役物の正面図であり、(B)は隔壁板を外した状態で示す中央役物の背面図である。図22は、中央役物を右上斜め前方から示す斜視図である。図23は、中央役物に備えられたアタッカ装置の概略構成を示す正面図である。
本例の中央役物200は、遊技領域37の幅方向のうち3分の2以上の幅を占める大きさであり(図9等参照)、後側に配置された演出表示装置202が遊技者から視認可能となるように略矩形状の開口部268を有している。この開口部268によって中央役物200が枠状に形成されており、その前面側が略全周に亘って岩を模したように造形されている。
この中央役物200の上縁部には、アタッカ装置270が配置されており、このアタッカ装置270には、遊技球が進入可能な大入賞口272と、大入賞口272を開閉可能な一対の開閉部材274と、開閉部材274を開閉動作させるためのアタッカソレノイド276(図23参照)とから構成されている。また、アタッカ装置270には大入賞口272に入賞した遊技球をカウントするカウントセンサ278が備えられており、遊技球がカウントセンサ278に検出されることで、所定数(例えば、13個)の遊技球を払出すようにしている。なお、アタッカ装置270には、カウントセンサ278によって検出された遊技球を、中央役物200の後側に配置された装飾ユニット240へ受渡すための受渡口279が更に備えられている(図21(B)等参照)。
このアタッカ装置270は、図23に示すように、開閉部材274の所定位置に一端が固定された回転軸280と、回転軸280の他端側に固定され回転軸280の軸芯に対して偏芯した位置に伝達ピン282を有した回転リンク部材284と、回転リンク部材284の伝達ピン282が挿通されると共に略水平方向に摺動可能な長孔状の伝達孔286を有しアタッカソレノイド276の駆動によって上下方向に移動するリンク部材288とを更に備えている。
この、回転軸280は、一対の開閉部材274に対して、それら開閉部材274の下部で互いに遠ざかった位置に配置されており、回転軸280の他端側に固定された回転リンク部材284の伝達ピン282が、互いに接近する方向に回転軸280より偏芯した位置に夫々配置されている。なお、図示するように、一対の開閉部材274が閉状態の時は、回転軸280と伝達ピン282と略水平方向に並ぶように回転リンク部材284が回転軸280に固定されている。
このアタッカ装置270は、一対の開閉部材274が夫々独立したアタッカソレノイド276により駆動されるようになっており、アタッカソレノイド276によってリンク部材288が上昇すると、一対の開閉部材274の上端が互いに離反した状態となり(図21(A)参照)、大入賞口272へ遊技球が受入可能な開状態となる。一方、リンク部材288が下降すると、一対の開閉部材274の上端が互いに接近した状態となり(図23等参照)、大入賞口272へ遊技球が受入不能な閉状態となる。
なお、本例では、図示するように、アタッカ装置270における一対の開閉部材274が、夫々その前面側が木製看板を模したような形状に造形されているので、従来の遊技機における左右に開閉する可変入賞装置(所謂、電動チューリップ)とは異なる形態となっており、これまでと違うアタッカ装置の形態によって、遊技者の関心を引き付けられるようになっている。
また、本例では、アタッカソレノイド276へ通電させることで、リンク部材288を上昇駆動させるようにしており、非通電時には、開閉部材274やアタッカソレノイド276のプランジャ等の自重等によって、一対の開閉部材274が自動的に閉状態となるようになっており、アタッカソレノイド276等の不具合によってアタッカ装置270が開状態となり続けるのを防止するようになっている。
なお、本例のアタッカ装置270が、本発明の受入開閉手段に相当している。また、本例のカウントセンサ278が、本発明の受入検出手段に相当している。
本例のアタッカ装置270は、詳細は後述するが、遊技球が第一始動口212や第二始動口214への入賞によって大当り判定乱数が抽出(抽選)され、その大当り判定乱数が「2R大当り」や「15R大当り」等の「大当り」を示唆するものであると、その「大当り」に応じて開閉部材274が所定の開閉動作をするようになっている。
ここで、「大当り」とは、アタッカ装置270の開閉部材274を開状態として、その間に所定数の遊技球が大入賞口272に入賞するか、又は所定時間経過すると開閉部材274を閉状態とし、その開閉部材274の開閉動作を複数回繰り返すことで、遊技球が大入賞口272に入賞し易くしてより多くの遊技球が払い出されるようにするものであり、開閉部材274の一回の開閉動作を1ラウンドと呼ぶものである。
具体的には、本実施形態では、「大当り」の場合は、開閉部材231が開状態の時に大入賞口272に所定数として例えば10個の遊技球が入賞するか、又は所定時間として例えば30秒経過すると1ラウンドとして開閉部材274を閉状態とするものであり、「2R大当り」なら2ラウンド、「15R大当り」なら15ラウンド、そのラウンド数を繰り返すものである。なお、「15R大当り」と比較して「2R大当り」は蓋然的に大入賞口272に入賞させる機会が少なく、遊技球の払い出しが少ないものとなっている。
なお、本例では、「2R大当り」及び「15R大当り」には、「2R大当り」及び「15R大当り」が抽選される確率を、次回の抽選から通常時の確率よりも高確率に変更する「2R確変大当り」及び「15R確変大当り」と、高確率に変更しない「2R非確変大当り」及び「15R非確変大当り」とを夫々有している。なお、例えば、通常時の確率を1/315.5とした場合、確変時の高確率状態の確率を1/31.5としている。
中央役物200の上縁部には、アタッカ装置270の他に、中央役物200の上側に流下供給された遊技球を、中央役物200の左右へと導く誘導棚289を備えている。この誘導棚289は、アタッカ装置270より左側に流下した遊技球を中央役物200の左側へ、アタッカ装置270よりも右側に流下した遊技球を中央役物200の右側へ、夫々導くようになっている。なお、本例では、アタッカ装置270よりも右側へは殆んど遊技球が流下しないようになっている。
この中央役物200には、その左縁部の上部で外周側に開口するワープ口290と、ワープ口290に受入れられた遊技球を中央役物200の内周に沿って略垂直に下方へ誘導するワープ誘導路292と、ワープ誘導路292によって誘導された遊技媒体が左右方向に転動可能とされ中央役物200における下縁部の内周側(上面側)に配置されたステージ294とを更に備えている。このステージ294は、図示するように、第一始動口212の直上部分が最も下がった湾曲面とされており、遊技領域37内で中央役物200の左側を流下する遊技球が、ワープ口290に受入れられると、ワープ誘導路292を介してステージ294上へと送られ、遊技球が第一始動口212や第二始動口214へ高い確率で受入れられるように放出することができるようになっている。
また、中央役物200には、アタッカ装置270よりも右側に流下した遊技球を遊技者から視認不能な状態で中央役物200の右縁部に沿って誘導する縁部誘導路296と、縁部誘導路296によって誘導された遊技球を遊技者から視認可能な状態として中央役物200における下縁部の内周側(上面側)でステージ294とは異なる位置を転動させて第一始動口212に受入れられないように下流側へ放出する下縁転動部298とを更に備えている。
なお、本例では、ワープ誘導路292、ステージ294、及び下縁転動部298が、透明な部材により構成されており、転動流通する遊技球が視認できると共に、後側に配置される装飾ユニット240や演出表示装置202等が視認できるようになっている。
また、中央役物200には、開口部268を閉鎖するように後側に取付けられる透明な板状の隔壁板300を更に備えており、この隔壁板300によって、ステージ294や下縁転動部298を転動する遊技球が、中央役物200の後側に流出するのを防止している。また、この隔壁板300によって、遊技領域37と中央役物200よりも後側の空間とが分離区画されるようになっている。
更に、中央役物200には、その下縁部の下部に、特別図柄表示器302と、特別図柄保留表示器304、及び状態表示器306が更に備えられており、詳細は後述するが、特別図柄表示器302及び特別保留表示器304が夫々四つのLEDからなり、状態表示器306が一つのLEDによって構成されている。
[遊技盤における装飾ユニットの構成について] 図24乃至図35に基づいて説明する。
図24は、装飾ユニットの正面図である。図25は、装飾ユニットを斜め前方から示す斜視図である。図26は、装飾ユニットを主要な構成部材毎に分解して示す分解斜視図である。図27は、演出空間を主に構成する主要な構成部材毎に分解して示す分解斜視図である。図28(A)は演出ユニットを示す斜視図であり、(B)は(A)とは異なる方向から示す演出ユニットの斜視図である。図29は、演出ユニットにおける振分装置を分解して示す分解斜視図である。図30は、図29とは異なる方向から示す振分装置の分解斜視図である。図31は、振分装置における振分動作を説明する説明図である。図32は、図31から続く振分装置における振分動作を説明する説明図である。図33は、図14におけるC−C断面図である。図34は、ユニット支持部材を外した状態で装飾ユニットを斜め後方から示す斜視図である。図35は、装飾体の一部を演出ユニットの一部と共に後方から示す斜視図である。
本例の装飾ユニット240は、上述したように、前面側に障害釘230等が備えられる保持板242及び保持板支持枠244の後側に配置されるものであり、遊技領域37とは異なる空間とされアタッカ装置270の大入賞口272に入賞した遊技球が流通可能とされた遊技球演出空間308を有した演出空間310と、演出空間310の外周部に配置される複数の装飾体312と、装飾体312の後側に配置され前方に向かって発光可能な発光手段314(図40参照)と、発光手段314と装飾体312との間に配置され発光手段314からの光を拡散させる拡散装飾部材316と、大入賞口272に入賞した遊技球に対して所定の演出動作を付与可能な演出ユニット318と、少なくとも、遊技球演出空間310、装飾体312、発光手段314、拡散装飾部材316、演出ユニット318、及び演出表示装置202を夫々所定位置に保持した状態で保持板支持枠244の後面側に取付固定されるユニット支持部材320とを備えている。
この装飾ユニット240における演出空間310は、前側が保持板242及び中央役物200の隔壁板300によって遊技領域37と仕切られ、上下左右の外周がユニット支持部材320に、そして、後側がユニット支持部材320と演出表示装置202によって夫々仕切られた空間とされており、遊技球の外形に対して約2〜10倍の奥行きとされている。この演出空間310内に、各種装飾体312、発光手段314、拡散装飾部材316、及び演出ユニット318が収容されている。
この装飾体312は、複数の部材からなり、演出空間310の外周部に沿って配置されることで、全体的に枠状となり、その枠内を通して後側に配置された演出表示装置202が遊技者から視認可能となっている。これら装飾体312は、図24等に示すように、左上に配置され「プロゴルファー猿」の文字が形成されたロゴ装飾体312a、ゲート204の左側に配置され岩を模したような背景装飾体312b、入賞口ユニット234の左右両端とロゴ装飾体312aの上側に配置され水しぶきを具象化した背景装飾体312c、ロゴ装飾体312aとは対角線上の右下に配置されゴルフボールを模したようなキャラクタ装飾体312dを有している。
また、装飾体312は、ロゴ装飾体312a及び背景装飾体312b,312cの後側に配置され、略透明で演出ユニット318の上側から左側を通って下側へ続くように水の流れを具象化した流水紋状の背景装飾体312eを更に有している。つまり、この背景装飾体312eは、ゴルフボールを模したキャラクタ装飾体312dに向かって流れる水を表現している。なお、本例では、ロゴ装飾体312aを挟んで上下に分割されている。この背景装飾体312eの左側内周から下側内周へと続き演出ユニット318の後側には、岩を模した背景装飾体312fが配置されている。また、装飾体312は、演出ユニット318の上部下側と装飾ユニット240の右内側に配置され、夫々岩を模した背景装飾体312g,312hを更に有している。
更に、装飾体312は、装飾ユニット240の左右方向の中央を中心としてロゴ装飾体312aとは反対側、つまり、装飾ユニット240の右上に配置され岩を模した背景装飾体312iを更に備えている。この背景装飾体312iには、二つのLEDからなる普通図柄表示器322と、同じく二つのLEDからなる普通図柄保留表示器324とが備えられている。
本例の装飾体312における岩を模した背景装飾体312b,312f,312g,312hは、透光性の低い部材により構成されており、これら透光性の低い背景装飾体312f,312g,312hによって演出表示装置202の外周が囲まれた状態となっている。これにより、発光手段314からの光が背景装飾体312f,312g,312hを介して演出表示装置202に照射されるのを防止して、演出表示装置202に表示される演出画像が見辛くなるのを防止するようにしていると共に、演出表示装置202の表示と、その周りに配置された装飾体312による発光装飾との間に区切りを付けて、演出表示装置202の演出画像が際立つようにしている。
また、装飾体312における水しぶきを具象化した背景装飾体312cは、透光性が抑えられた部材とされており、発光手段314による発光装飾によって全体が光りすぎるのを抑制し、発光装飾によるアクセントを加えて装飾効果が高められるようになっている。
発光手段314は、装飾体312の後側に配置され、具体的な構成については図示を省略するが、任意の色に発光可能な複数のLEDと、複数のLEDを保持するLED基板とから構成されており、遊技状況に応じて、所定の色で発光させたり、点滅させたりすることができ、例えば、流水紋状の背景装飾体312eの後側に配置された発光手段314の各LEDを、上側から下側(キャラクタ装飾体312d)に向かって順次点灯、消灯させることで、光の流れを作ることで発光演出させることができるようになっている。
拡散装飾部材316は、主に流水紋状の背景装飾体312eの後側に配置された発光手段314の前側に配置されており、図示するように、表面が細かな多面体形状とされており、後側に配置された発光手段314におけるLEDの光軸が当該パチンコ機1で遊技する遊技者の目に直接かからないように拡散させるものである。これにより、遊技者に対する眩しさを抑えることができるようになっている。
また、拡散装飾部材316によって、その後側に配置された部材からの間接光も拡散されるので、遊技者から拡散装飾部材316の後側を見難くすることができ、後側に配置された基板等の部材が見えて意匠性が損なわれるのを防止できるようになっている。
なお、装飾体312及び拡散装飾部材316は、基本的に、透光性を有した部材からなり、前面が装飾ユニット240の外周側から中央方向へ向かうに従って遊技者から遠ざかる(後側に向かう)ように形成されている。これにより、遊技者に対して、装飾ユニット240の外周側が手前に、中心側が奥に配置されるようになり、擬似的に遊技者の遠近感を錯覚させて、演出空間310の奥行きが実際よりも広いように見せることができ、これまでにない奥行き感のあるパチンコ機1となっている。
また、遊技球演出空間308は、背景装飾体312f,312g,312hによって区画される空間と正面視において略同じ空間とされている。
次に、装飾ユニット240における演出ユニット318について説明する。本例の演出ユニット318は、中央役物200におけるアタッカ装置270の後側に配置され、アタッカ装置270の大入賞口272に入賞した遊技球を受入れて、四方向のうち何れか一つに振分可能な振分装置330を備えている(図28参照)。
この振分装置330は、図29乃至図32に示すように、遊技球の外形よりも若干大きい幅で上下方向に延びる軸芯を中心として円環状に延びる案内通路332、案内通路332と連通しアタッカ装置270における大入賞口272に入賞しカウントセンサ278によって検出された遊技球が進入可能な進入口334、進入口334から案内通路332の周方向に沿って平面視時計回りの方向へ順次配置され遊技球が通過可能な第一振分口336、第二振分口338、及び第三振分口340、第一振分口336とは進入口334を挟んで反対側から第二振分口338及び第三振分口340の間へ案内通路332を短絡するように連絡する連絡通路342を備えた振分ベース部材344と、振分ベース部材344の軸芯周りに回転可能に保持され回転角度に応じて進入口334、第一振分口336、第二振分口338、第三振分口340、及び連絡通路342の何れか一つと連通可能な遊技球収容部346(図30参照・本発明の遊技媒体収容部に相当する)を備えた回転体348と、回転体348を回転駆動させる回転駆動手段としての振分モータ350と、振分モータ350を所定位置に保持すると共に振分ベース部材344の上側を覆う振分カバー部材352とを備えている。
この振分装置330における振分ベース部材344は、その円環状の案内通路332が、振分装置330の左右方向右端に配置されており、その外周径が遊技球の外径に対して、3〜5倍の径とされている(図31及び図32参照)。また、回転体348の外径は、案内通路332の外径より若干小さい径とされており、従来のパチンコ機で用いられる回転体の径よりも小径とされている。従って、図示するように、本例の振分装置330は前後方向の奥行きが小さく、左右方向に長い形態となっている。
なお、本例では、進入口334、第一振分口336、第二振分口338、第三振分口340、及び連絡通路342の周方向の位置関係は、第一振分口336の中心が進入口334の中心に対して約45゜平面視時計回りの方向へ移動した位置に配置されており、第二振分口338の中心が第一振分口336の中心に対して約40゜平面視時計回りの方向へ移動した位置に配置され、第三振分口340の中心が第二振分口338の中心に対して約60゜更に平面視時計回りの方向へ移動した位置に配置されている。また、連絡通路342の中心が第二振分口338及び第三振分口340の中心を通る位置に配置され、詳しくは、連絡通路342の中心が第二振分口338の中心に対して約30゜平面視時計回りの方向へ移動した位置に配置されている。つまり、連絡通路342の中心が進入口334の中心に対して約65゜平面視反時計回りの方向へ移動した位置に配置されている。なお、連絡通路342の中心線は、パチンコ機1の前後方向を向くように配置されている。
この振分ベース部材344には、遊技領域37に対して左右方向略中央に配置されアタッカ装置270の受渡口279と対向するように前側に開口し進入口334と連通可能な進入受入口354が備えられている。この進入受入口354は、遊技領域37に対して左右方向の略中央に配置されている。
また、振分ベース部材334には、進入受入口354と案内通路332の進入口334とを連通し左右方向に延びると共に所定数(例えば、5個(案内通路332内を含めると6個))の遊技球を貯留可能な貯留通路356が更に備えられている。この貯留通路356は、進入口334へ向かって低くなるように傾斜しており、進入受入口354に受入れられた遊技球を重力により転動させて進入口334へ送るようになっている。
また、振分ベース部材334には、進入受入口354に受入れられたものの貯留通路356に貯留されなかった遊技球を、遊技球演出空間308や遊技領域37内に戻すことなく外部へ排出するための排出通路358を更に備えている。この排出通路358は、図示するように、進入受入口354から貯留通路356とは反対方向の左方向へ延びる通路とされ、その左端へ向かうに従って低くなるように傾斜している。そして、貯留通路356内に遊技球が進入受入口354付近まで貯留された状態で進入受入口354に遊技球が受入れられると、貯留通路356への行き場を失った遊技球が自然と排出通路358へと移行し、排出通路358内を転動して振分ベース部材334の左端より排出される。
この振分ベース部材334は、図示するように、進入口334及び第一振分口336が案内通路332の外周に開口するように配置されており、第二振分口338及び第三振分口340が案内通路332上に開口する貫通孔とされている。
また、振分ベース部材334は、案内通路332上に第一振分口336へ向かって低くなるように形成された案内傾斜面360と、貯留通路356の後側に配置され第一振分口336から進入口334よりも左側へ延び第一振分口336へ振分けられた遊技球が転動可能な第一振分通路362とを備えている。この第一振分通路362は、左方向へ向かうに従って低くなるように形成されており、その左端には振分ベース部材334の下側へ遊技球を受渡すための開口部364が形成されている(図30参照)。
更に、振分ベース部材334は、案内通路332の遊技球を少なくとも進入口334が配置された位置で軸芯方向(案内通路332の内周側)へ移動するのを阻止する内周壁366を備えている。本例では、この内周壁336を貫通するように連絡通路342が形成されていると共に、連絡通路342が第二振分口338及び第三振分口340の方向へ向かって低くなるように傾斜している。
振分装置330における回転体348は、図30に示すように、その遊技球収容部346が、回転体348の中心を通り直径方向に延びると共にその一端側(回転体348の外周の一端側)と下側が開放された形態とされている。この遊技球収容部346は、その幅が案内通路332の幅と略同じ幅とされ、遊技球が流通可能とされている。なお、本例では、回転体348の遊技球収容部346内に振分ベース部材344の内周壁366を収容できるようになっている。
この回転体348は、遊技球収容部346と振分ベース部材344の進入口334とが互いに連通しない回転位置の時に、遊技球が進入口334を通過するのを妨げる障壁部368を備えている。この障壁部368によって回転体348が、外周に遊技球収容部346の一端が開口した円筒状の形態となっている。また、回転体348には、遊技球収容部346及び障壁部368の上側に配置され、障壁部358よりも小径で周方向の所定位置に切欠き状のスリット370を有した円筒状の検出部372と、回転体348の中心で上方へ延びるように配置され振分モータ350の駆動軸374と接続可能な軸部376とを備えている。
振分装置330における振分カバー部材352は、振分モータ350を固定保持するためのモータ固定部378と、モータ固定部378に固定された振分モータ350の駆動軸374が通過可能な挿通孔380とを備えている。本例では、振分カバー部材352の上部に所定のビスを用いて振分モータ350がモータ固定部378に固定されるようになっている。
また、本例の振分装置330は、貯留通路356上に配置され進入口334へ進入する遊技球を検出可能な進入検出センサ382を備えており、この進入検出センサ382は、振分ベース部材344と振分カバー部材352によって挟持されることで固定されるようになっている。また、振分装置330は、振分モータ350によって回転駆動される回転体348の回転位置を検出するための回転位置検出センサ384を更に備えており、振分カバー部材352のセンサ固定部386に固定され、回転体348の検出部372に形成されたスリット370を検出することで回転体348の回転位置を検出するものである。
なお、本例では、回転体348の遊技球収容部346が、進入口334と連通する回転位置の時に、回転位置検出センサ384が検出部372のスリット370を検出するようになっている。
なお、本例の検出部372及び回転位置検出センサ384が、本発明の回転位置検出手段に相当している。また、本例の進入検出センサ382が、本発明の進入検出手段に相当している。
更に、振分装置330は、振分ベース部材344の下側に配置固定され、第一振分口336に振分けられた遊技球を振分装置330の左端前側から下方へ放出する第一放出部材388と、第二振分口338に振分けられた遊技球を遊技領域37に対して左右方向略中央で振分装置330の略中央前側から下方へ放出すると共に第三振分口340に振分けられた遊技球を振分装置330の右端前側から下方へ放出する第二放出部材390とを更に備えている。これら、第一放出部材388及び第二放出部材390は、透明樹脂によって形成されており、放出される遊技球を外部から視認できるようになっている。
この第一放出部材388は、第一振分通路362の開口部364から遊技球を受取る第一放出受取部392と、第一放出受取部392に受取られた遊技球を振分装置330の左端前側へ誘導する第一放出誘導路394と、第一放出誘導路394によって誘導された遊技球を渦巻状に回転させた上で下方へ落下放出可能なクルーンからなる第一放出部396とを備えている。なお、第一放出誘導路394は、第一放出部396に向かって低くなるように傾斜している。
また、第二放出部材390は、振分ベース部材344の第二振分口338から落下する遊技球を受取る第二放出受取部398と、第二放出受取部398に受取られた遊技球を振分装置330の略中央前側で遊技領域37に対して左右方向略中央へ誘導する第二放出誘導路400と、第二放出誘導路400によって誘導された遊技球を渦巻状に回転させた上で下方へ落下放出可能なクルーンからなる第二放出部402と、振分ベース部材334の第三振分口340から落下する遊技球を受取る第三放出受取部404と、第三放出受取部404に受取られた遊技球を振分装置330の右端前側へ誘導する第三放出誘導路406と、第三放出誘導路406によって誘導された遊技球を渦巻状に回転させた上で下方へ落下放出可能なクルーンからなる第三放出部408とを備えている。なお、第二放出誘導路400及び第三放出誘導路406は、夫々第二放出部402及び第三放出部408に向かって低くなるように傾斜している。
本例の振分装置330は、全体的に演出表示装置202の上端よりも上側に配置され、第一放出部396、第二放出部402、及び第三放出部408が、演出表示装置202の上端と略同じ高さに配置されている。なお、第一放出部材388及び第二放出部材390は、第一放出部396、第二放出部402、及び第三放出部408を除いて背景装飾体312gにより隠蔽された状態となっている(図24等参照)。
なお、本例の第一放出部396が本発明の第一放出口に、本例の第二放出部402が本発明の第三放出口に、及び本例の第三放出部408が本発明の第二放出口に夫々相当している。
本例の演出ユニット318は、振分装置330の他に、遊技球演出空間308の下部で遊技領域37に対して左右方向中央から左方向へ偏った位置に配置され振分装置330によって第一振分口336、第二振分口338、及び第三振分口340の何れかに振分けられた遊技球が受入可能とされた第一受入口410(図28等参照)と、振分装置330によって第一振分口336、第二振分口338、及び第三振分口340の何れかに振分けられ第一受入口410に受入れられなかった遊技球を受入れる第二受入口412(図27、図34、及び図35等参照)とを更に備えている。
また、演出ユニット318は、遊技球演出空間308の下部でその中央よりも左側に偏った位置に配置され低部付近に第一受入口410が開口し湾曲状に形成された転動受舞台414と、転動受舞台414よりも右側且つ第二放出部402の垂直下で第一受入口410よりも若干高い位置に配置された中央舞台416と、中央舞台416から転動受舞台414へ向かって遊技球を誘導案内可能な誘導案内舞台418と、中央舞台416よりも左側で少なくとも一部が第三放出部408の垂直下に配置される反発飛翔舞台420と、転動受舞台414、中央舞台416、誘導案内舞台418、及び反発飛翔舞台420よりも下側に配置され最底部に第二受入口412が開口し湾曲状に形成された回収舞台422(図34等参照)と、振分装置330の第一放出部396から放出された遊技球を受取って、回収舞台422よりも上側で転動受舞台414及び中央舞台416よりも下側を通るように反発飛翔舞台420へ転動案内する転動案内部材424とを更に備えている。
演出ユニット318における第一受入口410は、遊技球演出空間308の下部で転動受舞台414上に配置されており、図示するように、遊技者から非常に目立つ位置に配置されている。一方、第二受入口412は、遊技者からは殆んど見ることができない位置に配置されており、遊技球演出空間308において、第一受入口410が特別な意味合いを持った受入口であることを遊技者に認識できるようになっている。
転動受舞台414は、前後方向の中心よりも後側に第一受入口410が配置されており、第一受入口410よりも左側が高くなるような湾曲状に形成されている。この転動受舞台414には、第一受入口410の左側に左端から第一受入口410へ向かって転動する遊技球を転動受舞台414の前後方向中心よりも前側へ誘導する堰部426と、第一受入口410よりも右側で前後方向中心よりも前側に右側へ向かうに従って反上る反上り部428とを備えている。この反上り部428の右側延長上に中央舞台416が展開されている。
この転動受舞台414は、堰部426よりも上側(左側)に供給された遊技球が、堰部426によって反上り部428へと誘導されるようになっており、反上り部428に供給された遊技球の転動速度によっては、反上り部428から飛出して中央舞台416上に落下することもあり得るようになっている。なお、反上り部428から飛出さなかった遊技球は、転動受舞台414上を第一受入口410の方向へ転動するようになっている。
中央舞台416は、その上面に第二放出部402から落下してきた遊技球が殆んど反発することなく受取れるような低反発性部材が配置されていると共に、中央舞台416の上面が誘導案内舞台418に向かって低くなるように傾斜しており、第二放出部402から放出された遊技球を反発させることなく受取って誘導案内舞台418へ受渡せられるようになっている。なお、低反発性部材としては、「粘弾性を有したゴムや樹脂」、「発泡成形されたゴムや樹脂」、「液体や粘性流体を内包したもの」、「ゲル状物質を内包したもの」、「粉体又は粒状体を内包したもの」、「不織布」、「モケット」、「パイル織状物又はパイル状物」、等を用いることができ、本例では、例えば、内外ゴム株式会社の「ハネナイト(登録商標)」が用いられている。
誘導案内舞台418は、中央舞台416の前後方向後側と転動受舞台414とを繋ぐように配置され、その幅が遊技球の外径と略同じ幅とされた橋状に形成されている。この誘導案内舞台418には、転動受舞台414との境目に前側に向かって広がるように切欠かれた分岐部430が形成されており、誘導案内舞台418上を転動案内される遊技球の前後方向の位置や遊技球の転動速度等によっては、案内誘導される遊技球が分岐部430により、転動受舞台414の方向ではなく誘導案内舞台418の外側、つまり、誘導案内舞台418の下方に配置された回収舞台422へと誘導案内されるようになっている。
なお、本例では、第二放出部402から放出されて中央舞台416に受取られた遊技球が、高い確率で誘導案内舞台418を介して転動受舞台414の第一受入口410へ受入れられるようになっている。
転動案内部材424は、透明な樹脂部材からなり、振分装置330の第一放出部396から放出された遊技球を受取る受部432と、受部432によって受取られた遊技球を遊技球演出空間308の左端に沿うように略垂直に案内した上で、所定の曲率で曲線案内させ、遊技中央舞台416の下側で略水平な右方向に案内されるように転動案内する転動案内レール434と、転動案内レール434の右端に転動案内された遊技球を略水平右方向へ放出する放出口436とを備えている。なお、本例では、放出部436から水平方向よりも若干上向きの方向へ遊技球が放出されるようになっている。
反発飛翔舞台420は、転動案内部材424の放出口436から放出された遊技球を、中央舞台416の上を飛越して転動受舞台414上へ反発飛翔可能とされた第一反発飛翔部438と、第一反発飛翔部438よりも右側で第三放出部408の略垂直下に配置され第三放出部408から放出された遊技球を第一受入口410が配置された方向へ反発飛翔可能とされた第二反発飛翔部440とを備えている。これら第一反発飛翔部438及び第二反発飛翔部は、所定速度で衝突する遊技球を高い弾性反発力で反発飛翔させることのできる高反発性部材によって構成されており、高反発性部材として、ゴム、バネ(金属製、樹脂製など)、等の弾性部材を適宜用いることができ、本例では、高反発性樹脂が用いられている。
図示するように、第一反発飛翔部438は、右端が高く立上った平面状の傾斜面(第一傾斜面)とされている。これにより、転動案内部材424の放出口436から放出された遊技球が、折り返すように中央舞台416の上側を飛越して転動受舞台414に受取られ、第二放出部402から放出されて中央舞台416に受取られた遊技球が第一受入口410に受入れられる確率よりも低い確率で、第一受入口410に受入れられるようになっている。
また、第二反発飛翔部440は、左端が僅かに下がった平面状の傾斜面と、その傾斜面の左端と第一反発飛翔部438の右端とをスムーズに繋ぐ曲面部とを備えている(これら傾斜面と曲面部とが第二傾斜面とされている)。これにより、第三放出部408から放出された遊技球が、第二反発飛翔部440の傾斜面か曲面部の何れかに衝突して、第一受入口410のある左方向へ反発飛翔することとなり、第一反発飛翔部438によって反発飛翔した場合よりも更に低い確率で第一受入口410へ受入れられるようになっている。
この演出ユニット318には、第一受入口410に受入れられた遊技球を検出可能な第一受入検出センサ442(図35参照)と、第二受入口412に受入れられた遊技球を検出可能な第二受入検出センサ444(図34参照)とが更に備えられている。なお、第二受入検出センサ444は、詳細は後述するが、ユニット支持部材320に支持されるようになっている。
この第一受入口410の下流には、図34及び図35に図示するように、回収舞台422が配置されており、第一受入口410に受入れられた遊技球が、第一受入検出センサ442で検出された後に、回収舞台422へと送られて第二受入口412を介して第二受入検出センサ444で再び検出されるようになっている。つまり、遊技球が第一受入口410に受入れられた場合は、第一受入検出センサ442と第二受入検出センサ444の両方で検出され、遊技球が第一受入口410に受入れられなかった場合は、第二受入検出センサ444のみで検出されるようになっている。
なお、本例の転動受舞台414が本発明の転動受部に、本例の中央舞台416が本発明の低反発受手段に、及び、本例の誘導案内舞台418が本発明の誘導案内部材に夫々相当している。また、本例の反発飛翔舞台420が本発明の反発飛翔手段に相当している。更に、本例の第一受入検出センサ442が本発明の第一受入検出手段に、本例の第二受入検出センサ444が本発明の第二受入検出手段に夫々相当している。
次に、装飾ユニット240におけるユニット支持部材320について説明する。このユニット支持部材320は、各装飾体312、発光手段314、拡散装飾部材316、及び演出ユニット318等を収容可能な演出空間310を有すると共にそれらを所定位置に保持可能とされいる。図26に示すように、ユニット支持部材320は、その外形が障害釘230等を保持する保持板242の外形と略同じ大きさとされ、外周を覆い後側へ所定量延びる外套部450と、外套部450の後側開口を閉鎖すると共に矩形状で演出表示装置202と略同じ大きさの開口窓452を有した背板部454と、外套部450の外周四隅に配置され外方へ延びだし夫々に複数の挿通孔456を有したフランジ状の取付固定部458とを備えている。
このユニット支持部材320における取付固定部458は、保持板支持枠244における後面側に取付孔258が列設された四隅と対応する位置に夫々配置されていると共に、挿通孔456が取付孔258に螺合される所定のビスを挿通可能な大きさとされている。この取付固定部458を、所定のビスを介して保持板支持枠244の取付孔258に取付固定することで、ユニット支持部材320が保持板支持枠244の後面側に取付固定されるようになっている。
また、ユニット支持部材320は、遊技球演出空間308内へ供給された遊技球を遊技領域37内へ戻すことなく外部へ排出するための演出球排出通路460を更に備えている。この演出球排出通路460は、演出ユニット318における振分装置330によって遊技球演出空間308内へ振分けられた遊技球が所定の演出動作をした後に、回収舞台422によって回収されて第二受入口412に受入れられた遊技球を排出するものである。なお、本例では、この演出球排出通路460の途中に第二受入検出センサ444が配置されている(図33参照)。
本例の装飾ユニット240は、図33に示すように、振分装置330によってその排出通路358へ振分けられた遊技球を受取って遊技領域37内へ戻すことなく遊技盤5の下方へ誘導排出するための誘導排出通路462を備えている。この誘導排出通路462は、正面視において演出表示装置202の左端に略沿うように、背景装飾体312fの左側に配置されており、誘導排出通路462内を流通する遊技球が遊技者から視認できないようになっている。
この誘導排出通路462は、演出表示装置202の左端に沿う部分では、略垂直に延びるように形成されており、その垂直部分の左右の内壁面には速度抑制手段としての複数の突起464が交互に形成されている。この誘導排出通路462では、これら交互に配置された複数の突起464に遊技球が当接することで、遊技球の流下速度が上昇するのを抑制することができるようになっており、遊技球が所定以上の速度で流通するのを防止して、下流側に配置された各種部材が遊技球の衝突によって破損するのを防止することができるようになっている。
また、誘導排出通路462は、その殆んどの部分において略垂直に遊技球が流下するようにしているので、遊技球演出空間308の上方から遊技盤5の下方へ遊技球を誘導排出する誘導排出通路462の占める割合を可及的に少なくすることができ、誘導排出通路462が他の部材の邪魔にならないようになっている。
本例の誘導排出通路462は、その一部が、背景装飾体312fとユニット支持部材320とで構成されている。具体的には、図33に示すように、誘導排出通路462の背景装飾体312fの左側で略垂直に形成された部分において、その右側の内壁が背景装飾体312fと一体に形成されており、左側の内壁がユニット支持部材320に形成されている。また、それよりも下流側の誘導排出通路462は、ユニット支持部材320に形成されている。
なお、図33に示すように、誘導排出通路462には、ユニット支持部材320に固定され、誘導排出通路462の内部を流通する遊技球を検出可能な誘導排出検出センサ466が備えられている。
また、本例のユニット支持部材320が本発明の後支持部材に、本例の誘導排出通路462を構成するユニット支持部材320及び背景装飾体312fが本発明の誘導排出部材に、及び、本例の誘導排出検出センサ466が本発明の排出検出手段に夫々相当してる。
ところで、本例の装飾ユニット240における装飾体312及び拡散装飾部材316には、装飾ユニット240の前面側に配置される保持板242に保持されたゲート204や入賞口ユニット234等の保持板242の後面から後方に突出した部分を挿通可能、或いは、一般入賞口224や第一始動口212及び第二始動口214へ入賞した遊技球を通過可能な開口部470,472が夫々対応するように形成されている(図26及び図35参照)。これら装飾体312(背景装飾体312e)及び拡散装飾部材316に夫々形成された開口部470,472内に、ゲート204や入賞口ユニット234における保持板242の後面から後方に突出した部分を挿通させることで、ゲート204や入賞口ユニット234と接続される所定の配線コードを後方へ延び出させることができるようになっていると共に、保持板242、装飾体312、及び拡散装飾部材316を透明樹脂により構成しても、ゲート204や入賞口ユニット234等の保持板242よりも後側に突出した部分を遊技者から目立ち難くすることができるようになっている。
本例の装飾ユニット240は、演出ユニット318の下部に配置された転動受舞台414が第一受入口410をカップとしたグリーンとされ、中央舞台416、誘導案内舞台418、及び反発飛翔舞台420がフェアウェイとされると共に、回収舞台422がバンカーとされている。また、各舞台414,416,418,420,422を囲むように岩を模した背景装飾体312f,312g,312hと、流水紋状の背景装飾体312eとが配置されている。そして、これらによって、岩と水に囲まれたゴルフ場のジオラマが演出空間310内に展開されており、遊技者に対して、本パチンコ機1のコンセプトを一見して認識させることができると共に、本パチンコ機1による遊技への期待感を高められるようになっている。
続いて、装飾ユニット240における演出ユニット318による遊技球の演出動作について詳細に説明する。まず、遊技領域37内に配置されたアタッカ装置270の一対の開閉部材274が開状態の時(後述する大当り遊技状態の時)に、アタッカ装置270の大入賞口272に入賞した遊技球が、その受渡口279を介して演出ユニット318における振分装置330の進入受入口354へと受渡される。
振分装置330の進入受入口354に受渡された遊技球Bは、図31(ア)に示すように、貯留通路356内に所定数の遊技球Bが貯留されていなければ、貯留通路356を介して案内通路332の進入口334へと送られる。その際に、貯留通路356内に配置された進入検出センサ382によって遊技球Bが検出されるようになっている。そして、図示するように、回転体348の遊技球収容部346が進入口334と連通する回転位置に位置すると共に、案内通路332内に遊技球Bがなければ、貯留通路356から進入口334を通過して案内通路332上で遊技球収容部346内に遊技球Bが収容される。
この時、案内通路332の内周には、内周壁366が備えられており、この内周壁366によって進入口334から案内通路332内へ進入した遊技球Bが、案内通路332の内周側へ移動するのを阻止されると共に、案内通路332及び遊技球収容部346の幅が遊技球Bの外径よりも若干大きい幅とされているので、進入口334からは一つのみ遊技球Bが案内通路332内へ進入する。つまり、回転体348の遊技球収容部346に遊技球Bが一つのみ収容される。
そして、遊技球収容部346内に遊技球Bを収容した状態で、この遊技球Bが第一振分口336へ振分けられる場合は、まず、同図(イ)に示すように、回転体348を平面視時計回りの方向へ約45゜回転移動させて、遊技球収容部346と第一振分口336とが互いに連通した状態とする。この第一振分口336が開口する案内通路334上の周方向位置には、第一振分口336へ向かって低くなる案内傾斜面360が形成されており、この案内傾斜面360によって遊技球Bが第一振分口336へ向かって自然と転動し、第一振分口336へ遊技球Bが振分けられることとなる。そして、第一振分口336へ振分けられた遊技球Bは、第一振分通路362を介して第一放出部396から下方へ放出されることとなる。
一方、同図(ア)に示すような遊技球収容部346内に遊技球Bを収容した状態で、第二振分口338又は第三振分口340へ遊技球を振分ける場合は、同図(エ)に示すように、回転体348を平面視反時計回りの方向へ約65゜回転移動させて、遊技球収容部346と連絡通路342とが互いに連通した状態とする。この連絡通路342はその前側端部よりも第二振分口338及び第三振分口340の配置された後側端部の方が低くなるように傾斜しており、連絡通路342の前側端部に送られた遊技球Bは、自然と後側端部へ向かって転動することとなる。なお、この連絡通路342は、案内通路332の内周壁366を貫通するように形成されており、遊技球Bが円環状の案内通路332を短絡するようにその内側を通って前側端部とは反対側の後側端部へ移動できるようになっている。
そして、図32(エ)に示すように、遊技球Bは、連絡通路342の後側端部、つまり、第二振分口338と第三振分口340との間に移動した状態となる。この状態では、回転体348の遊技球収容部346が、第二振分口338及び第三振分口340と夫々部分的に連通した状態となるが、遊技球Bが通過できるほどには何れの振分口338,340に対しても連通した状態とはならず、第二振分口338と第三振分口340との間に遊技球Bが留まった状態となる。
この同図(エ)に示すような状態から、回転体348を平面視反時計回りの方向へ約30゜回転移動させてその遊技球収容部346が第二振分口338と完全に連通した状態とすると、遊技球Bが第二振分口338へと振分けられ、第二振分口338を通って落下し第二放出部402を介し下方へ放出されることとなる(同図(オ)参照)。また、同図(エ)に示すような状態から、回転体348を平面視時計回りの方向へ約30゜回転移動させてその遊技球収容部346が第三振分口340と完全に連通した状態とすると、遊技球Bが第三振分口340へと振分けられ、第三振分口340を通って落下し第三放出部408を介し下方へ放出されることとなる(同図(カ)参照)。
なお、同図(イ)に示すように、回転体348の外周には円筒状の障壁部368が備えられているので、回転体348が回転することでこの障壁部368によって進入口334が閉鎖され、貯留通路356内の遊技球Bが進入口334を通過するのを阻止し、貯留通路356内に遊技球Bを留めておくことができるようになっている。
また、貯留通路356内に所定数(例えば、5個)の遊技球Bが貯留されると、貯留された左端側の遊技球Bは進入受入口354の近傍にまで達し、それ以上遊技球Bが進入受入口354に受入れられると、受入れられた遊技球Bは左側が低くなる排出通路358上に位置することとなり、排出通路358上を左方向へ転動して外部へ排出されることとなる。
次に、演出ユニット318における振分装置330よりも下流側での遊技球Bの演出動作について説明する。
まず、振分装置330によって第一振分口336へ振分けられた遊技球Bは、第一放出部396を介して、チューブ状の転動案内レール434(転動案内部材424)内に受取られ、遊技球演出空間308の左端を一気に下降して転動受舞台414及び中央舞台416の下側へ送られ、転動案内レール434の放出口436から反発飛翔舞台420の第一反発飛翔部438に向かって勢い良く放出される。そして、第一反発飛翔部438に向かって放出された遊技球Bは、第一反発飛翔部438を構成する高反発性部材によって、放出された方向とは逆方向(左方向)で、中央舞台416をジャンプするように飛越して転動受舞台414上へ落下するような動作をし、パチンコ機1内でダイナミックに飛び跳ねる遊技球Bを遊技者に見せることで、その動きを楽しませられるようになっている(図24中、一点鎖線で示したルート)。
一方、振分装置330によって第二振分口338へ振分けられた遊技球Bは、遊技球演出空間308の左右方向略中央に配置された第二放出部402から落下放出され、演出表示装置202の前面側を縦断するようにして中央舞台416上へ落下する(図24中、破線で示したルート)。そして、この中央舞台416へ落下した遊技球Bは、殆んど跳ねることなく中央舞台416に受取られ、誘導案内舞台418を介して転動受舞台414へ転動移動することとなる。これにより、遊技球Bは、中央舞台416上へは速い動きをし、中央舞台416から転動受舞台414までは比較的ゆっくりした動きとなり、遊技球Bに動と静の動きを付与して楽しませられるようになっている。
他方、振分装置330によって第三振分口340へ振分けられた遊技球Bは、遊技球演出空間308の中央よりも右側に配置された第三放出部408から反発飛翔舞台420の第二反発飛翔部440上に落下放出される。そして、第二反発飛翔部440に落下した遊技球Bは、その高反発性部材によって転動受舞台414の方向(左方向)へ直ちに反発飛翔することとなる(図24中、二点差線で示したルート)。この落下と反発飛翔による連続した動きを遊技球Bに付与することで、遊技球Bにリズミカルな動きをさせて遊技者を楽しませられるようになっている。なお、第二反発飛翔部440には曲面部が備えられているので、遊技球Bが落下する位置によって反発飛翔する方向や位置が異なるようになっており、遊技球Bの落下具合によってランダムに飛び跳ねる遊技球Bの動きを楽しませられるようになっている。
なお、反発飛翔舞台420(第一反発飛翔部438及び第二反発飛翔部440)から反発飛翔された遊技球が、転動受舞台414の左側へ飛ぶほど転動受舞台414上での転動が強くなり、転動受舞台414の右側に配置された反上り部428から中央舞台416へ向かってジャンプすることとなり、ジャンプした遊技球Bが中央舞台416に乗るか、はたまた回収舞台422へ転落してしまうかで、遊技者を楽しませられるようになっている。
[遊技盤の特徴について] 図36乃至図39に基づいて説明する。
図36(A)は発光手段等を点灯させた状態で遊技盤を正面から写した図面代用写真であり、(B)は発光手段等を消灯させた状態で遊技盤を正面から写した図面代用写真である。図37(A)は遊技盤のロゴ装飾体付近を斜め横から写した図面代用写真であり、(B)は遊技盤の一部を上方から写した図面代用写真である。図38(A)は本発明に係る遊技盤を正面から写した図面代用写真であり、(B)は従来の遊技盤を正面から写した図面代用写真である。図39(A)は本発明に係る遊技盤を左斜め前から写した図面代用写真であり、(B)は従来の遊技盤を左斜め前から写した図面代用写真である。
ところで、図38(B)及び図39(B)に示すように、従来のパチンコ機における遊技盤は、所定厚さの木製合板からなり前面側に所定のゲージ配列で障害釘が植設される遊技盤ベースと、遊技盤ベースの前側に固定され遊技領域の外周を区画形成すると共に遊技領域内に打ち込まれる遊技球を案内する案内レールを有した前構成部材とを備えている。この遊技盤ベースには前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、遊技盤ベースの前側から枠状の中央役物が貫通孔に固定されていると共に、中央役物の枠内を通して遊技盤ベースの後側に固定された演出表示装置の表示画面が遊技者から視認できるようになっている。このように、従来の遊技盤が構成されているので、中央役物の枠内においては、遊技盤ベースの前面よりも後側へ延びる空間を形成することができ、演出表示装置までの間の空間内で、ステージ等の役物や立体的に造形された装飾体を配置して、遊技盤が平面的なものとなるのを防止するようにしていた。
そして、従来の遊技盤に対して差別化を図るためには、演出表示装置をより大型のもの、つまり、より枠の大きい中央役物を遊技盤ベースに取付けることが考えられる。しかしながら、中央役物を大型化すると、その周りに形成される遊技領域が相対的に小さくなるので、遊技球の流下する範囲が狭くなり、遊技球の動きの変化が乏しくなって、遊技球の動きを楽しむことができなくなり、遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがある。
本例の遊技盤5は、上述した構成としているので、図36乃至図39に示すように、障害釘230等を保持する透明な保持板242の後側に配置された装飾ユニット240の立体的に造形された装飾体312等を視認することができ、遊技盤5全体が奥行きのあるものとなり、遊技者に対して、一見して従来の遊技盤と違った印象を与えることができると共に、種々のパチンコ機が設置されるホールの島設備において、本実施形態のパチンコ機1のより目立たせて遊技者の関心を強く引き付けることができるようになっている。
詳述すると、図38(B)及び図39(B)に示すように、従来の遊技盤では、障害釘が植設される遊技盤ベースの前面に、そのパチンコ機を特徴付ける所定の図柄が施されているが、その図柄は遊技盤の正面から見た時に立体的に見えるように描かれており(図38(B)参照)、遊技盤を正面以外の例えば横から見ると、図39(B)に示すように、その図柄が立体的には見えず平面上に施された図柄であることが、一見して判別できるものとなっていた。そして、従来の遊技盤は、どれもこのような構成となっており、遊技者にとっては、見慣れた周知のものであった。
しかしながら、本例のパチンコ機1における遊技盤5は、障害釘230を保持する保持板242を透明な部材とし、その後側に配置された装飾体312等を立体的に造形した部材としているので、図36乃至図39に示すように、どの角度から遊技盤5を見ても、そこに見える装飾体312が立体的に見え、奥行きがあり深みのある遊技盤5となっており、従来の遊技盤とは一見して明らかに異なる印象を与えられるようになっている。また、障害釘230を保持する保持板242が透明とされているので、遊技者からは保持板242が殆ど見えず、図37等に示すように、障害釘230が、立体的に造形された装飾体312の表面に植設されているように見せることができ、従来の遊技盤とは全く違った態様の遊技盤5となっている。そして、これらにより、従来の遊技盤に見慣れた遊技者にとっては、全く未見の遊技盤5となっており、遊技者の関心を強く引き付けて本例のパチンコ機1で遊技させることができるようになっている。
また、本例の遊技盤5は、装飾体312の後側に拡散装飾部材316を配置した上で、更にその後側に発光手段314を配置しており、装飾体312(背景装飾体312e)及び拡散装飾部材316を透明な部材として多層構造としているので、夫々の部材が奥行き方向に配置されているのが視認でき、より深みのある装飾となっている。また、最も後側に配置された発光手段314を、点状に発光させており、面状に発光させた場合と比較して発光手段314の前後方向の位置を認識させ易くすることができるので、拡散装飾部材316の更に後側の所定距離はなれた位置に発光手段314が配置されているのを認識させることができ、より深みを増させて奥行き感の強い遊技盤5となっている。このことは、図36の(A)と(B)とを比較することでも判るように、発行手段314を発光させることで、奥行き感が高められている。
更に、従来の遊技機では障害釘が植設された遊技盤ベースに施された図柄を発光させることができなかったが、本例の遊技盤5では、図示するように、障害釘230を保持する保持板242を透明な部材として、その後側に配置された発光可能な装飾ユニット240の装飾体212を配置しているので、障害釘230が保持された部分も発光装飾することができ、これまでにない、遊技盤5として遊技者の関心を引き付けることができるようになっている。
また、図37(B)に示すように、遊技盤5内に、ゴルフ場をイメージした大型のジオラマが備えられており、本パチンコ機1のコンセプトに係る舞台設定が一見して認識できるようになっていると共に、ジオラマ内のグリーン(転動受舞台414)上に備えられたカップ(第一受入口410)が目立つように配置されているので、そのカップ内に遊技球を受入れさせると、遊技者にとって良いこと(本例では、確変状態に突入する)があるのを想起させることができ、パチンコ機1の遊技に対する期待感を高められるようになっている。
[主基板及び周辺基板の機能的な構成について] 図40に基づいて説明する。
図40は、パチンコ機の制御構成を概略的に示すブロック図である。
パチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板500のグループと周辺基板502のグループとで分担されており、このうち主基板500のグループが遊技動作(入賞検出や当り判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板502のグループが演出動作(発光装飾や音響出力、液晶表示等)を制御している。
主基板500は、主制御基板94および払出制御基板133により構成されている。主制御基板500は、図示するように、マイクロプロセッサとしての主制御MPU504と、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート506と、を備えている。主制御MPU504には、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵されている。また、不正を防止するための機能も内蔵されている。
主制御I/Oポート506を介して、カウントセンサ278、第一始動口センサ216、第二始動口センサ218、ゲートセンサ206、各一般入賞口センサ226、全入賞口入賞数計数センサ508、磁気検知センサ510、球排出センサ248等からの検出信号がそれぞれ入力されるようになっている。
なお、全入賞口入賞数計数センサ508は、具体的な配置位置については省略するが、遊技領域37に設けられた複数種類の入賞口(この例では、一般入賞口224、第一始動口212、第二始動口214、および大入賞口272)に入賞した全ての遊技球を検出するセンサであり、この全入賞口入賞数計数センサ508によって遊技球が検出されたことに基づいて入賞球数を、主制御MPU504によって計数するようになっている。また、磁気検知センサ510は、遊技盤5の後面側であって、遊技領域37における第一始動口212及び第二始動口214の近傍に設けられ、磁気変化を検出するものである。すなわち、磁気検知センサ510は、磁石等を用いて遊技球を第一始動口212及び第二始動口214に不正に入賞させる不正行為がなされたことを検出するセンサであり、この磁気検知センサ510によって磁気が変化したことを検出すると、主制御MPU504によって不正がなされたことを報知する処理を行うようになっている。
また、主制御MPU504は、上記した検出信号にもとづき、主制御I/Oポート506を介して始動口ソレノイド220、アタッカソレノイド276、特別図柄表示器302、特別図柄保留表示器304、状態表示器306、普通図柄表示器322、普通図柄保留表示器324、を駆動する駆動信号を出力する。
主制御基板94と払出制御基板133との基板間では、互いに、つまり双方向に各種コマンドがやり取りされ、主制御基板94と周辺制御基板92との基板間では、主制御基板94から周辺制御基板92へ、つまり一方向に各種コマンドが出力されている。
払出制御基板133は、図示するように、マイクロプロセッサとしての払出制御MPU512と、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート514と、を備えている。払出制御MPU512には、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵されている。また、不正を防止するため機能も内蔵されている。
主制御基板94から出力された球払出装置125(払出用モータ126)を駆動するコマンドは払出制御I/Oポート514を介して入力され、払出制御MPU512は、このコマンドにもとづき、払出制御I/Oポート514を介して球払出装置125の払出用モータ126を駆動する駆動信号を出力する。これにより、球払出装置125は、所定数の賞球を払い出す。なお、払出制御MPU512は、図示しないプリペイドカードユニットから貸球要求信号が入力されると、貸球を払い出す。また、払出制御MPU512は、主制御基板94から出力された異常発生時(例えば、磁気検知センサ510により磁気変化を検出した)のコマンドが払出制御I/Oポート514を介して入力されると、このコマンドにもとづいて発射装置ユニット130における発射モータ128の駆動を停止する駆動停止信号を、払出制御I/Oポート514を介して出力する。これにより、発射モータ128は、異常発生時にその駆動が停止されるようになっている。
周辺基板502は、周辺制御基板92により構成されており、この周辺制御基板92は、図示するように、マイクロプロセッサとしてのサブ統合MPU520と、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するサブ統合ROM522と、高音質の演奏を行う音源IC524と、この音源IC524が参照する音楽および効果音等の音情報が記憶されている音源ROM526、を備えている。
サブ統合MPU520は、主制御基板94からコマンドを受け取ると、このコマンドにもとづいて表示演出に関する表示コマンドを作成し、液晶表示基板528に出力する。液晶表示基板528は、サブ統合MPU520から出力された表示コマンドに応じてLCDからなる演出表示装置202を制御して装飾図柄の変動表示、キャラクタ等の画像表示等を行う。
また、サブ統合MPU520は、パラレル入出力ポートやシリアル入出力ポート等を内蔵しており、主制御基板94からコマンドを受け取ると、このコマンドにもとづいて、演出に関する演出コマンドを作成し、この演出コマンドを、パラレル入出力ポートから音源IC524に出力する。音源IC524は、サブ統合MPU520から出力された演出コマンドに応じて、音源ROM526から音情報を読み込み、上述したスピーカ18,57から各種演出に合わせた音楽および効果音等が出るような制御を行う。また、サブ統合MPU520は、演出コマンドに合わせて、前面枠4に配置されたサイド装飾装置52等の装飾ランプ530を駆動する駆動データを出力する。
また、サブ統合MPU520は、演出コマンドに合わせて、シリアル入出力ポートからランプ駆動基板532に、遊技盤5に配置された各種発光手段314に搭載されるLEDを点灯/消灯(ON/OFF)するON/OFFデータと、振分モータ350を駆動する駆動データと、を出力する。
また、振分モータ350の回転位置を検出する回転位置検出センサ384、進入検出センサ382、誘導排出検出センサ466、第一受入検出センサ442、第二受入検出センサ444、等からの検出信号は、ランプ駆動基板532を介して周辺制御基板92に入力される。サブ統合MPU520は、回転位置検出センサ384、進入検出センサ382、誘導排出検出センサ466、第一受入検出センサ442、第二受入検出センサ444からの検出信号が入力されると、振分モータ350、液晶制御基板528等に制御信号を出力する。
サブ統合MPU520では、進入検出センサ382により検出された遊技球の数と、第二受入検出センサ444により検出された遊技球の数とを照合するようになっており、夫々で検出された遊技球の数が異なる場合は、演出ユニット318内において球詰まりが発生したと判断して、その旨を報知するようになっている。
このように本実施形態では、特別図柄を変動表示する特別図柄表示器302を主基板500に搭載される主制御MPU504で制御する一方、演出表示装置202、装飾ランプ530、各種発光手段314等を周辺基板502に搭載されるサブ統合MPU520で制御するようになっている。このため、主基板500(主制御MPU504)の制御負担を軽減することができるとともに、周辺基板502(サブ統合MPU520)の制御によって演出表示装置202や装飾ユニット240等によって多彩な演出を実行することができ、演出に対する興趣が低下するのを防止することができるようになっている。
なお、本例の主制御MPU504によって本発明の抽選手段、有利遊技状態発生手段、及び抽選確率変更手段が構築されると共に、本例のサブ統合MPU520によって本例の振分制御手段が構築されるようになっている。
[遊技内容について]
次に、上述したパチンコ機1によって実現される遊技内容について詳細に説明する。図2及び図9等に示すように、遊技者が操作ハンドル32を操作することによりパチンコ機1の裏面側に設けられる発射装置ユニット130によって遊技球が打ち出される。発射装置ユニット130から打ち出された遊技球は、発射レール19及び案内レール78の外レール76と内レール77とによって囲まれる領域を通って遊技領域37の上部に放出され、遊技領域37を障害釘230等に衝突しながらアウト口228に向かって流下する。そして、遊技領域37を流下する遊技球がゲート204を通過し、ゲートセンサ206によって検出されると、普通図柄表示器322で普通図柄の変動表示が開始される。
なお、ゲートセンサ206により遊技球が検出されると、所定範囲の普通図柄当り判定乱数を更新するカウンタから普通図柄当り判定乱数を抽出する。そして、普通図柄表示器322にて普通図柄の変動表示を開始するときに、普通図柄当り判定乱数にもとづいて当りとするか否かの判定を行い、変動表示の結果、判定結果に応じた態様でLEDを停止表示する。具体的には、当りと判定された場合には、普通図柄表示器322の上側のLEDを点灯した状態で普通図柄の変動表示を停止させ、はずれと判定された場合には、普通図柄表示器322の下側のLEDを点灯した状態で普通図柄の変動表示を停止させる。
また、普通図柄表示器322にて普通図柄の変動表示を実行中、および、普通図柄表示器322の表示結果が当りとなったことにもとづいて可変入賞球装置210を開閉制御しているときに遊技球がゲート204を通過し、ゲートセンサ206により遊技球が検出されたことにもとづいて抽出された普通図柄当り判定乱数は、所定個数(この実施の形態では、4個)まで記憶可能とされ、記憶される普通図柄当り判定乱数の個数(普図保留記憶数)は普通図柄保留表示器324によって表示される。上述したように、普通図柄保留表示器324は、2個のLEDによって構成される。この例では、上側のLEDを点灯させることにより普図保留記憶数が1であることを示し、上下2個のLEDを点灯させることにより普図保留記憶数が2であることを示し、上側のLEDを点滅させて下側のLEDを点灯させることにより普図保留記憶数が3であることを示し、上下2つのLEDを点滅させることにより普図保留記憶数が4であることを示す。
また、普通図柄表示器322における普通図柄の変動表示は、所定期間経過後に停止し、停止時の普通図柄の表示結果が「当り」となったときに可変入賞球装置210を所定時間(例えば、0.5秒)開放状態に制御する。一方、普通図柄表示器322の表示結果が「はずれ」となった場合には、可変入賞球装置210を開放状態に制御することなく第二始動口214に遊技球を受け入れ不可能な閉塞状態を維持するが、第一始動口212は遊技球を受け入れ可能な状態となっている。
すなわち、第二始動口214は、普通図柄表示器322に当りとなる表示結果が停止表示されたときに所定時間(例えば、0.5秒)開放状態に制御される。具体的には、普通図柄表示器322に当りとなる表示結果が停止表示されたことにもとづいて始動口ソレノイド220を可動して可動片222を回動し、可変入賞球装置210を開放状態に制御する。そして、所定期間経過したときに再び始動口ソレノイド220を可動して可動片222を回動し、可変入賞球装置210を閉塞状態に制御する。可変入賞球装置210を開放状態に制御することにより第二始動口214に遊技球を受け入れ可能な状態になり、可変入賞球装置210を閉塞状態に制御することにより遊技球を受け入れ不可能な状態になる。
また、遊技領域37を流下する遊技球が第一始動口212、又は、第二始動口214に入賞すると、特別図柄表示器302にて特別図柄の変動表示を開始可能な状態(例えば、大当り遊技中でない状態、および、特別図柄および装飾図柄の変動表示中でない状態)であれば、特別図柄表示器302にて特別図柄の変動表示を開始するとともに、演出表示装置202にて所定の装飾図柄の変動表示を開始し、所定期間経過後に特別図柄表示器302における特別図柄の変動表示、および、演出表示装置202における装飾図柄の変動表示を停止して表示結果を導出する。
なお、本実施形態では、特別図柄の変動表示が許可される入賞口として、可変入賞球装置210に設けられる第一始動口212及び第二始動口214の2つの始動口が設けられているが、可変入賞球装置210に設けられる始動口の設置個数はこれらに限られず、例えば、第一始動口212又は第二始動口214の何れか一方のみ設ける構成であってもよい。また、第一始動口212に遊技球が入賞して第一始動口センサ216によって検出されたこと、及び、第二始動口214に遊技球が入賞して第二始動口センサ218によって検出されたことにもとづいて所定数(例えば、3個)の遊技球の払い出しが行われる。
また、第一始動口212に遊技球が入賞し、第一始動口センサ216によって遊技球が検出されたときと、第二始動口214に遊技球が入賞し、第二始動口センサ218によって遊技球が検出された時と、で異なる個数の遊技球を払い出すようにしてもよい。例えば、第一始動口212に遊技球が入賞し、第一始動口センサ216によって遊技球が検出された時に3個の遊技球を払い出し、第二始動口214に遊技球が入賞し、第二始動口センサ218によって遊技球が検出された時に4個の遊技球を払い出すようにしてもよい。
また、第一始動口センサ216及び第二始動口センサ218により遊技球が検出されると、所定範囲の大当り判定乱数を更新するカウンタから大当り判定乱数を抽出する。また、特別図柄表示器302にて特別図柄の変動表示を開始するとき(及び、演出表示装置202にて装飾図柄の変動表示を開始するとき)に、大当り判定乱数に基づいて大当りとするか否かの判定を行い、変動表示の結果、判定結果に応じた態様で特別図柄表示器302のLEDを点灯制御するとともに、演出表示装置202に装飾図柄を導出表示する。具体的には、大当りとする判定がなされた場合には、特別図柄表示器302の4個のLEDを特定の態様(大当り図柄)で点灯表示するとともに、演出表示装置202に装飾図柄の特定表示結果(大当り図柄:同一の識別情報(図柄)の組み合わせ)を導出表示し、はずれと判定された場合には、特別図柄表示器302の4個のLEDを特定の態様とは異なる態様(はずれ図柄)で点灯表示するとともに、画像表示装置42に特定表示結果とは異なるはずれ状態となる表示結果(はずれ図柄:大当り図柄以外の図柄、この実施の形態では、少なくとも2種類以上の識別情報(図柄)の組み合わせ)を導出表示する。このように、特別図柄表示器302における特別図柄の表示結果と、演出表示装置202における装飾図柄の表示結果とは対応している。
また、演出表示装置202にて変動表示される装飾図柄は特別図柄表示器302にて変動表示される特別図柄とは異なる演出用の図柄であり、特別図柄表示器302にて行われる変動表示の内容を、演出用の装飾図柄を用いてより演出効果を高めて遊技者に表示するものである。つまり、特別図柄表示器302の4個のLEDを特定の態様で点灯表示した場合には大当り遊技状態(15R大当り遊技状態、2R大当り遊技状態)に移行制御するが、万が一、演出表示装置202にて装飾図柄の表示結果が特定表示結果となっても特別図柄表示器302の4個のLEDを特定の態様とは異なる態様で点灯表示した場合には大当り遊技状態に移行制御されないようになっている。
更に、この実施の形態では、特別図柄表示器302の4個のLEDによって点灯表示する特定の態様は、特別態様(確変図柄)と、特別態様とは異なる非特別態様(非確変図柄)と、を含み、さらに、特別態様(確変図柄)には、高利益特別態様(15R確変図柄)と、低利益特別態様(2R確変図柄)と、を含み、非特別態様(非確変図柄)には、高利益非特別態様(15R非確変図柄)と、低利益非特別態様(2R非確変図柄)と、を含むものとなっている。
そして、特別図柄表示器302の4個のLEDを特定の態様のうち高利益特別態様(15R確変図柄)で点灯表示する場合には、演出表示装置202に装飾図柄の表示結果として特定表示結果のうち高利益特別表示結果(15R確変図柄:この実施の形態では、同一の奇数図柄の組み合わせ)を導出表示し、特別図柄表示器302の4個のLEDを特定の態様のうち低利益特別態様(2R確変図柄)で点灯表示する場合には、演出表示装置202に装飾図柄の表示結果として特定表示結果のうち低利益特別表示結果(2R確変図柄(はずれ図柄のうち予め定められた装飾図柄の組み合わせ):この実施の形態では、「123」)を導出表示するようになっている。
また、特別図柄表示器302の4個のLEDを特定の態様のうち高利益非特別態様(15R非確変図柄)で点灯表示する場合には、演出表示装置202に装飾図柄の表示結果として特定表示結果のうち高利益非特別表示結果(15R非確変図柄:この実施の形態では、同一の偶数図柄の組み合わせ)を導出表示し、特別図柄表示器41の4個のLEDを特定の態様のうち低利益非特別態様(2R非確変図柄)で点灯表示する場合には、演出表示装置202に装飾図柄の表示結果として特定表示結果のうち低利益非特別表示結果(2R非確変図柄(はずれ図柄のうち予め定められた装飾図柄の組み合わせ):この実施の形態では、「321」)を導出表示するようになっている。
特別図柄表示器302の4個のLEDを特別態様(高利益特別態様および低利益特別態様)で点灯表示した場合には、大当り遊技状態終了後、通常状態および後述する時短状態よりも高い確率で大当りと判定される高確率状態(この実施の形態では、高確率状態では、1/31.5の確率で大当りと判定、通常状態および時短状態では、1/315.5の確率で大当りと判定)に制御するようになっている。
一方、特別図柄表示器302の4個のLEDを非特別態様(高利益非特別態様および低利益非特別態様)で点灯表示した場合には、大当り遊技状態終了後、特別図柄表示器302により特別図柄の変動表示を所定回数(例えば、100回)実行するまで、特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を停止表示するまでの変動時間と、普通図柄表示器322により普通図柄の変動表示を開始してから普通図柄を停止表示するまでの変動時間と、を通常状態よりも短縮する時短状態に制御するようになっている。
なお、演出表示装置202による装飾図柄の変動表示は特別図柄表示器302による特別図柄の変動表示と同期している。具体的には、特別図柄表示器302により特別図柄の変動表示を開始するときに演出表示装置202により装飾図柄の変動表示を開始し、特別図柄表示器302により特別図柄を停止表示するときに演出表示装置202により装飾図柄を停止表示する。すなわち、特別図柄表示器302による特別図柄の変動時間と、演出表示装置202による装飾図柄の変動時間とは同一の時間とされ、時短状態において特別図柄表示器302による特別図柄の変動時間が短縮されることに伴って演出表示装置202による装飾図柄の変動時間も短縮されるようになっている。
また、時短状態では、さらに、第二始動口214が開放状態にされる開放時間を通常状態よりも延長する制御(この実施の形態では、通常状態では、0.5秒、時短状態では、5秒)と、普通図柄表示器322における普通図柄の変動表示の結果が当り(この実施の形態では、普通図柄表示器322の上側のLEDを点灯表示)となる確率を高める制御と、が実行される。なお、通常状態とは、高確率状態および時短状態とは異なる遊技状態のことである。また、時短状態では、大当りと判定される確率は通常状態と同じであるため、通常状態と時短状態とを総称して低確率状態と呼ぶこともある。
なお、上述した例に限らず、時短状態では、特別図柄表示器302および演出表示装置202における特別図柄および装飾図柄の変動時間を通常状態よりも短縮する制御、普通図柄表示器322における普通図柄の変動時間を通常状態よりも短縮する制御、普通図柄表示器322における普通図柄の変動表示の結果が当りとなる確率を通常状態よりも高める制御、可変入賞球装置210が開放状態にされる開放時間を通常状態よりも延長する制御、可変入賞球装置210が開放状態にされる回数を通常状態よりも増加する制御、のうち何れか一つ、又は、任意の組み合わせ(全部でもよい)を実行するようにしてもよい。
また、本例では、演出表示装置202の3つの表示領域に対応する左・中・右の装飾図柄(図36乃至図39参照)は、左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順に停止するように制御されるようになっている。この装飾図柄の停止図柄とは、左・中・右の装飾図柄の変動表示を開始してから中装飾図柄が停止表示されることにより左・中・右の装飾図柄全てが停止表示された状態の図柄の組み合わせをいう。
また、特別図柄表示器302にて特別図柄の変動表示を実行中、または、大当り遊技状態の実行中、に第一始動口212又は第二始動口214に遊技球が入賞し、第一始動口センサ216又は第二始動口センサ218により遊技球が検出された(所定条件成立)ことに基づいて抽出された大当り判定乱数は、所定個数(この実施の形態では、4個)まで記憶可能とされ、記憶される大当り判定乱数の個数(特図保留記憶数)は、特別図柄保留表示器304によって表示される。上述したように、特別図柄保留表示器304は、4つのLEDによって構成される。この例では、1個のLEDを点灯させることにより特図保留記憶数が1であることを示し、2個のLEDを点灯させることにより特図保留記憶数が2であることを示し、3個のLEDを点灯させることにより特図保留記憶数が3であることを示し、4個のLEDを点灯させることにより特図保留記憶数が4であることを示す。このように、特別図柄保留表示器304は、所定条件が成立(第一始動口212又は第二始動口214に遊技球が入賞)したが未だ特別図柄の変動表示が開始されていない記憶数(特図保留記憶数)を表示するものである。
本例では、特別図柄表示器302の4個のLEDを特定の態様で点灯表示したことに基づく大当り遊技状態では、アタッカソレノイド276により大入賞口272の左右両側に配置する開閉部材274を回動して大入賞口272に遊技球を受け入れ可能な開放状態に制御するようになっている。なお、特別図柄表示器302の4個のLEDを特定の態様のうち高利益特別態様および高利益非特別態様で点灯表示したときには、15R大当り遊技状態に制御し、大入賞口272を開放状態に制御してから所定時間(例えば、30秒)が経過した時、或いは、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口272に入賞したとき、にアタッカソレノイド276により再び大入賞口272の左右両側に配置する開閉部材274を回動して大入賞口272に遊技球を受け入れ不可能な閉塞状態に制御するようになっている。
この大入賞口272に遊技球を受け入れ可能な開放状態に制御してから大入賞口272に遊技球を受け入れ不可能な閉塞状態に制御するまでが大当り遊技状態における1ラウンド(1R)であり、15R大当り遊技状態では、15ラウンド(15R)を実行したときに終了するものである。
また、特別図柄表示器302の4個のLEDを特定の態様のうち低利益特別態様及び低利益非特別態様で点灯表示したときには、2R大当り遊技状態に制御し、大入賞口を開放状態に制御してから所定時間(例えば、1.3秒)が経過したときにアタッカソレノイド276により再び大入賞口272の左右両側に配置する開閉部材274を回動して大入賞口272に遊技球を受け入れ不可能な閉塞状態に制御するようになっている。2R大当り遊技状態では、2ラウンド(2R)を実行したときに終了するものである。
なお、状態表示器306は、所定の態様で駆動制御して遊技状態を報知するものであり、具体的には、15R大当り遊技状態であれば、状態表示器306を点灯させ、2R大当り遊技状態であれば、状態表示器306を点滅させる。なお、通常状態、時短状態、及び確変状態のうち実行中の遊技状態に応じた態様で駆動制御されるLED等の表示器を状態表示器306とは別個に設けるように構成してもよい。例えば、通常状態では、1個のLEDを消灯状態で駆動制御し、時短状態では、1個のLEDを点灯状態で駆動制御し、確変状態では、1個のLEDを点滅状態で駆動制御する表示器を設けてもよいし、フルカラーLEDによって構成されるLEDにより、通常状態では、1個のLEDを消灯状態で駆動制御し、時短状態では、緑色の点灯状態で駆動制御し、確変状態では、赤色の点灯状態で駆動制御する表示器を設けてもよい。これにより何れの遊技状態であるかを容易に把握することができるようになる。
本例のパチンコ機1には、上述したように、アタッカ装置270の大入賞口272に入賞した遊技球(所謂、「死球」)を用いて演出動作をさせる演出ユニット318を備えている。この演出ユニット318では、大当り遊技状態終了後に、大当りと判定される確率を通常状態から、高確率状態に変更されるか、或いは、高確率状態が継続されるかを、遊技球を用いて遊技者に認識させるものである。
具体的には、第一始動口212又は第二始動口214への遊技球の入賞によって抽出(抽選)される大当り判定乱数が「2R大当り」又は「15R大当り」であると、アタッカ装置270の開閉部材274が、抽選されたラウンド数に応じた回数だけ開放状態となり、開放状態の時に大入賞口272へ入賞した遊技球が振分装置330へ送られる。この時、振分装置330の貯留通路356には最大で5個(又は6個)まで遊技球が貯留される。なお、貯留通路356に遊技球が貯留されたか否かは進入検出センサ382によって検出できるようになっている。
そして、大当り遊技状態の1ラウンドが終了すると、開閉部材274が駆動されて大入賞口272への入賞が不能な状態とると共に、振分モータ350を回転駆動させて、貯留通路356に貯留された遊技球を一つのみ回転体348の遊技球収容部346に収容させ、大当り判定乱数に基づいて、第一振分口336、第二振分口338、及び第三振分口340の何れかに振分ける。そして、振分けられた遊技球が第二受入口412に受入れられて第二受入検出センサ444に検出されると、再び貯留通路356に貯留された遊技球を回転体348の遊技球収容部346に収容して何れかの振分口336,338,340に振分け、貯留通路356に貯留された遊技球が無くなるまで、この動作を繰り返すようになっている。なお、ラウンド中に遊技球を振分装置330で振分けるようにしても良い。
この振分装置330による遊技球の振分制御は、周辺制御基板92におけるサブ統合MPU520の所定の演算処理によって制御されており、主制御基板94から送られる大当り判定乱数に基づいた所定の制御コマンドを受信すると、その制御コマンドに従って所定の振分乱数を抽出し、その振分乱数に基づいて第一振分口336、第二振分口338、及び第三振分口340の何れかに振分けるようになっている。
この演出ユニット318では、上述したように、遊技球が、第二振分口338へ振分けられると第一受入口410へ受入れられる確率が最も高く、第三振分口340へ振分けられると第一受入口410へ受入れられる確率が最も低くなっている。そして、例えば、抽選された大当り判定乱数が、「2R確変大当り」又は「15R確変大当り」等の「確変大当り」を示唆する場合は、高い確率で第一受入口410へ遊技球が受入れられるように、第二振分口338へ遊技球を振分けるようになっており、一連(最大5回)の振分動作の中で、第一受入口410へ遊技球が受入れられて第一受入検出センサ444により検出されると、以後は第一受入口410に受入れられ難い第三振分口340へ振分けるようになっている。つまり、大当り遊技中のラウンド終了後に、大入賞口272に入賞した遊技球が第一受入口410へ受入れられると、大当り遊技状態終了後に高確率状態(確変状態)となる、或いは、高確率状態が維持されるものである。
ところで、「2R確変大当り」又は「15R確変大当り」の時に、各ラウンド毎に第一受入口410へ遊技球が受入れられるように振分けても良いが、大当り遊技状態の早い段階で「確変大当り」であることが判ると、遊技者によっては早く確変状態となるのを望み、現在進行中の大当り遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがある。そこで、例えば、大当り遊技状態における最終ラウンド近辺において、第一受入口410へ遊技球が受入れられるように振分制御しており、それ以外のラウンドでは第一受入口410に遊技球が受入れられないように、第三振分口340又は第一振分口336へ振分けるようになっている。
なお、「2R確変大当り」又は「15R確変大当り」の時に、必ずしも遊技球を第二振分口338へ振分けるようにしているものではなく、周辺制御基板92で抽出される振分乱数によっては第一振分口336や第三振分口340へも振分けられるものである。また、一連の振分動作は、必ずしも同じ動作ではなく、一回毎に異なった振分動作をすることもできるようになっている。
一方、例えば、大当り乱数が「2R確変大当り」及び「15R確変大当り」以外を示唆するものである場合は、第一受入口410に遊技球が受入れられないように、主に第三振分口340又は第一振分口336へ遊技球を振分けるようになっている。
ところで、振分装置330によって遊技球を振分ける際に、サブ統合MPU520によって各種発光手段314を発光制御して、興趣を高められる効果的な発光演出を行うようになっている。例えば、第一受入口410へ遊技球が受入れられる可能性が高い場合は、ゴルフボールを模したキャラクタ装飾体312dを種々の色に発光させて、第一受入口410へ遊技球が受入れられる可能性が高いことを示唆して、興趣を高められるようになっている。或いは、第一振分口336へ振分ける場合は、流水紋状の背景装飾体312e後方の発光手段314のLEDを上側から下側に向かってその光が流れるように点滅させて、第一振分口336へ振分けられた遊技球を、発光手段314の光の流れに沿うように転動案内レール434により転動させて期待感を高められるようになっている。
これにより、遊技球の始動入賞によって、「確変大当り」が抽選されると、アタッカ装置270の開閉部材274の開閉動作の際に大入賞口272に受入れられた遊技球が、遊技球演出空間308内の第一受入口410に受入れられるように振分けられるので、あたかも遊技球が第一受入口410に受入れられたことで、抽選確率が高確率状態に変更されたように思わせることができ、演出画像を用いたものと比較して遊技球が第一受入口410に受入れられるのを直接見せるので、確実に「確変大当り」であると遊技者に認識させることができ、物理的な安心感を与えて、興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
また、遊技者は「確変大当り」が抽選されて抽選確率が高確率状態に変更されることを強く望み、第一受入口410へ遊技球が受入れられると抽選確率が変更されるような遊技球による演出をしているので、第一受入口410に受入れられるのを期待させることができ、第一受入口410に遊技球受入れられるか否かで、ハラハラ、ドキドキさせることが可能となり、遊技球が何れの振分口336,338,340に振分けられても興趣を高めることができるようになっている。
更に、「確変大当り」が抽選されても、必ずしも第一受入口410へ遊技球が受入れられるとは限らないので、第一受入口410へ遊技球が受入れられないことで興趣を低下させてしまっても、大当り遊技常態終了後に高確率状態に変更される場合があり、この場合、遊技者にとっては突然確変状態となったような感じとなり、遊技者を驚かせることができると共に得した気分にさせることができ、興趣が低下するのを防止することができるようになっている。
なお、逆に「確変大当り」以外のときに、第一受入口410へ遊技球が受入れられてしまうこともあり、第一受入口410へ遊技球が受入れられたのにも係らず通常状態のままであったり、通常状態に戻ってしまったりすることもあるが、この場合、例えば、第一受入検出センサ442が遊技球を検出するので、その検出に基づいて演出表示装置202に特定の演出画像を表示させるようにして、遊技者に対してそのイレギュラーを楽しませて興趣が低下するのを抑制するようにしても良い。
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、遊技領域37内に打ち込まれた遊技球が第一始動口212又は第二始動口214に受入れられると、所定の抽選結果として「大当り」、又は「確変大当り」が抽選されると、アタッカ装置270が所定パターンで開閉動作をし、開状態の時に遊技球が受入れられると所定数の遊技球が払出されると共に受入れられた遊技球が振分装置330の進入受入口354及び貯留通路356を通って進入口334へと送られることとなるが、この際に、貯留通路356内に所定数の遊技球が貯留されていると、振分装置330へ送られた遊技球は振分けられることなく排出通路358を介して排出される。そして、貯留通路356に貯留された遊技球は、回転体348が回転してその遊技球収容部346が進入口334と連通すると、進入口334を通って一つのみ案内通路332内で且つ遊技球収容部346内に進入し収容される。そして、遊技球収容部346に遊技球を収容させた状態で回転体346を第一振分口336の方向へ回転させて、第一振分口336と遊技球収容部346とを互いに連通させると、遊技球収容部346に収容された遊技球が第一振分口336へと振分けられる。一方、遊技球収容部346に遊技球を収容させた状態で回転体346を第一振分口336とは反対の方向へ回転させて遊技球収容部346を連絡通路342と連通させると、遊技球収容部346に収容された遊技球が第二振分口338及び第三振分口340の方向へ向かって下がるように傾斜する連絡通路342を通って第二振分口338と第三振分口340との間に送られる。この状態で、回転体348を第一振分口336へ振分けた方向とは反対方向に回転させて遊技球収容部346を第二振分口338と連通させると、遊技球収容部346に収容された遊技球が第二振分口338へと振分けられ、回転体348を第一振分口336へ振分けた方向と同じ方向に回転させて遊技球収容部346を第三振分口340と連通させると、遊技球収容部346に収容された遊技球が第三振分口340に振分けられる。なお、回転体348に備えられた障壁部368によって進入口334が遊技球収容部346以外と連通しないようになっている。この振分装置330による振分けは抽選結果に応じて所定の振分口336,338,340へ振分けられるように制御されている。その後、何れかの振分口336,338,340へ振分けられた遊技球は、各振分口336,338,340の下流側に配置されたクルーンからなる第一放出部396、第二放出部402、及び第三放出部408へと送られ、そのクルーン内で渦巻状に回転して放出部396,402,408の略中心から下方の遊技球演出空間308内へと放出される。また、案内通路332の外周に開口している第一振分口336に対しては、案内通路332の対応する位置に形成された案内傾斜面360によって遊技球が第一振分口336へ転動するようになっている。この遊技球演出空間308内には、その下部の転動受舞台414上に目立つように配置された第一受入口410と、第一受入口410に受入れられなかった遊技球を受入れる第二受入口412とが配置されている。そして、まず、遊技球演出空間308の左右何れかの端部に配置された第一放出部396から放出された遊技球は、転動案内部材424により第一受入口410よりも下側へ案内された後に、第一受入口410に所定の確率で受入れられるように第一反発飛翔部438によって略中央に配置された中央舞台416を飛び越すように第一受入口410へ向かって反発飛翔する。また、遊技領域37に対して左右方向略中央に配置された第二放出部402から放出された遊技球は、その垂直下に配置された中央舞台416で受取られた上で第一反発飛翔部438よりも高い確率で第一受入口410に受入れられるように誘導案内舞台418によって第一受入口410へ誘導案内される。更に、第二放出部402を挟んで第一放出部396とは反対側に配置された第三放出部408から放出された遊技球は、その垂直下に配置された第二反発飛翔部440によって第一反発飛翔部438よりも低い確率で第一受入口410に受入れられるように第一受入口410へ向かって反発飛翔することとなる。なお、ここでは、高確率状態となる抽選結果(「確変大当り」)が抽選されると、高い確率で第一受入口410に受入れられるようにサブ統合MPU520によって振分制御されている。また、遊技球演出空間308の後側に配置された演出表示装置202には、所定の装飾図柄を変動表示させた後に停止表示させて、抽選結果を示唆するような演出画像等が表示される。
これにより、アタッカ装置270が開閉動作中、つまり、大当り遊技状態の発生時に、アタッカ装置270によって受入れられた遊技球が、振分装置330を介して遊技球演出空間308内へと放出され、その遊技球演出空間308内で、遊技球が垂下するように落下したり、第一受入口410へ向かって反発飛翔したり、するようなこれまでに無い動きをして遊技者を楽しませることができ、単調な遊技となって飽き易くなるのを抑制して、興趣が低下するのを防止することができる。
また、第一始動口212や第二始動口214への入賞による抽選結果が、高確率状態に変更したり維持したりするもの(例えば、「確変大当り」)の場合、第一受入口410に受入れられる確率が最も高い第二振分口338へ振分けるようにしているので、振分装置330により振分けられた遊技球が第一受入口410に受入れられることとなり、遊技者から見れば、あたかも第一受入口410に遊技球が受入れられたことにより、高確率状態となるように錯覚させることができ、有利遊技状態中に、遊技球演出空間308内において遊技球が第一受入口410に受入れられるか否かで、ハラハラ・ドキドキさせて、遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
また、抽選結果が、高確率状態に変更したり維持したりするもの(例えば、「確変大当り」)の時に遊技球を第二振分口338に振分けて第一受入口410へ受入れさせるようにすることができるので、演出表示装置202の演出画像によって抽選結果を表示させるようにした場合と比較して、遊技球が直接第一受入口410に受入れられるのを遊技者に見せることができ、遊技者に物理的な安心感を与えて、興趣が低下するのを抑制することができる。
なお、抽選結果によって予め高確率状態とすることが決められており、仮に第一受入口410に遊技球が受入れられなくても、高確率状態となるので、第一受入口410に受入れられずに残念な気分にさせた後に、高確率状態になることで、突然、高確率状態となったように錯覚させて、得した気分にさせることができ、抑揚に富んだパチンコ機1として、より興趣が低下するのを防止することができる。
更に、目立つ位置に第一受入口410が配置されており、遊技者に対して第一受入口410に遊技球が受入れられると、遊技者にとって何か良いことがあると直感的に認識させることができるので、遊技球演出空間308内を落下したり、反発飛翔したり、転動したりする遊技球が、第一受入口410に受入れられるか否かで、ワクワク・ドキドキさせて期待感を高めることが可能となり、遊技球に注目させて、飽き難く興趣の高められるものとすることができる。
また、第一振分口336へ振分けられると、転動案内部材424により遊技球演出空間308の下部へ案内された遊技球が、第一反発飛翔部438によって突然、上方に向かって反発飛翔するので、これまでのパチンコ機では見られなかった遊技球の動きを見せることができ、遊技者を驚かせて、興趣が低下するのを防止することができる。
また、第二振分口338へ振分けられると、遊技球が、中央舞台416へ向かって垂下した後に、中央舞台416で反発飛翔することなく誘導案内舞台418を通って第一受入口410へと転動するので、垂下する速い動きと、第一受入口410へ転動する遅い動きとを一連の動きとして遊技者に見せることができ、緩急のある遊技球の動きを楽しませて、興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、第三振分口340へ振分けられると、遊技球が、第二反発飛翔部440へ向かって垂下した後に、第二反発飛翔部440で第一受入口410に向かって反発飛翔するので、ポンポンと跳ねる遊技球の動きを遊技者に見せることができ、そのリズミカルな動きを楽しませて、興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第一受入口410へは、第二振分口338へ振分けられた遊技球が最も受入れられる確率が高く、次いで第一振分口336、第三振分口340の順となっているので、遊技者にとっては、振分装置330で第二振分口338へ振分けられるのを強く望み、振分装置330において所望の振分口へ振分けられるか否かで、期待感を高めることができる。そして、遊技球が何れの振分口336,338,340へ振分けられても第一受入口410へ受入れられる可能性があるので、振分けられた遊技球が第一受入口410へ受入れられるか否かで期待感を高めることができる。つまり、振分装置330の振分け前後において、遊技者の期待感を高めることができるので、より一層、遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、より興趣の高められるものとすることができる。
更に、遊技球が振分装置330により振分けられた後でも、その結果を判別し難くすることができるので、振分け後の遊技球に対する関心が低下するのを抑制することが可能となり、振分けられた遊技球の動きを充分に楽しませられるものとすることができ、興趣が低下するのを防止することができる。
また、従来の振分装置を用いた場合のように複数の振分装置を用いる必要がなく、遊技球を振分ける振分装置330が大型化するのを抑制してパチンコ機1に占める割合が増加するのを防止することができ、遊技領域37が減少するのを抑制してより広い範囲に遊技球を流下させて遊技球の動きが単調となるのを防止して、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。また、振分装置330が大型化するのを抑制することができるので、振分装置330がパチンコ機1に備えられたアタッカ装置270等の他の部材と干渉し難くすることができ、他の部材と干渉することで他の部材を配置することができなくなって変化に乏しいパチンコ機1となるのを防止して、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、進入口334から回転体348の遊技球収容部346内に進入した遊技球が案内通路332内に留まると共に、案内通路332の幅が遊技球の外形よりも若干大きい幅とされているので、進入口334から遊技球収容部346内へ遊技球が一つのみ進入することとなり、遊技球を一つずつ何れかの振分口336,338,340に振分けることができ、一度の振分で複数の振分口336,338,340に遊技球が振分けられるのを防止して、振分装置330により振分けられた遊技球の動きを一つずつ確実に視認させて、その動きを充分に楽しませて遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
また、回転体348に進入口334への遊技球の進入を阻止する障壁部368を備えるようにしているので、進入口334と回転体348の遊技球収容部346とが連通していない時には、回転体348の障壁部368によって進入口334を閉鎖することができ、遊技球が進入口334を通って、遊技球収容部346以外の場所に侵入して不具合の原因となったり、遊技球が振分けられずに排出されてしまったりするのを防止することができる。
更に、案内通路332の外周又は軸芯方向下側(案内通路332上)に進入口334や振分口336,338,340を開口配置するようにしているので、案内通路332の内周側に進入口334等を開口させた場合と比較して、内周側のスペースを可及的に小さくすることができる。つまり、案内通路332の内径を可及的に小さくすることができるので、振分装置330をより小型化することができ、パチンコ機1における振分装置330の占めるスペースを可及的に少なくして、遊技球の演出空間(流通空間)を広くしたり、演出用役物や装飾体等の他の部材を配置可能としたりすることができ、より遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
また、回転体348の軸芯を上下方向に延びるようにしているので、回転体348の回転面が略水平方向となり、振分装置330の上下方向の高さを可及的に少なくすることができ、相対的に振分装置330よりも下流側の高さが高くなり、遊技球の流路を含んだ遊技球演出空間308を広くして、遊技球に種々の動き(転動演出)をさせることが可能となり、より遊技球の動きを楽しませて遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
また、連絡通路332が第二振分口338及び第三振分口340の方向に向かって低くなるように形成されているので、進入口334から連絡通路332の端部に送られた遊技球が、重力によって自然と第二振分口338及び第三振分口340の方向へ転動し、第二振分口338と第三振分口340との間へ確実に移動させることができ、軸芯を上下方向に延びるように配置しても、遊技球を確実に何れかの振分口336,338,340へ振分けることができる。
更に、案内通路332の外周に開口する第一振分口336に向かって低くなる案内傾斜面360を備えているので、案内通路332が略水平方向に延びるように配置されていても、案内通路332上に形成された案内傾斜面360に遊技球を移動させると、案内傾斜面360に沿って遊技球が第一振分口336へと転動して第一振分口336を通過させることができるので、遊技球を確実に第一振分口336へ振分けることができる。
また、回転体348の回転位置を検知可能な回転位置検知手段としての検出部372と回転位置検出センサ384とを備えているので、回転位置検知手段によって回転体348の回転位置を検知することができ、回転体348の遊技球収容部346を進入口332や振分口336,338,340等と確実に連通するように回転させることができる。
また、一度に多くの遊技球が進入口332の上流側に供給されても、供給された遊技球を所定数まで貯留通路356に貯留させると共に、貯留通路356から溢れた遊技球を排出通路358によって排出するようにしているので、進入口332の上流側で遊技球が不要に滞るのを防止することが可能となり、滞った遊技球によって不具合が発生するのを防止して、不具合によって遊技が中断して遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、振分口336,338,340に振分けられた遊技球を、各放出部396,402,408のクルーンによって渦巻状に回転させた後に下方へ放出するようにしており、このクルーンによって遊技球の動きが整流されるので、振分装置330から下流側への遊技球の受渡しを均一化することが可能となり、下流側の流路で遊技球に所望の演出動作を確実に付与させることができ、その演出動作によって遊技者を楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。また、各クルーンにおいて、渦巻状に回転する遊技球を視認することができるので、クルーン内での遊技球の動きを楽しませることができると共に、クルーン内で回転することによって遊技球が放出されるまでに一瞬遊技球の流れが停止したような状態となり、その一瞬の時間によって下流側で演出動作する遊技球への期待感を高めてより興趣を高められる効果を期待することができる。
また、進入口334と第一振分口336を案内通路332の外周に配置し、第二振分口338と第三振分口340を案内通路332上に配置するようにしているので、同じ高さにおいて並列する通路を、進入口334と第一振分口336、又は、第二振分口338と第三振分口340へ夫々連通する二つの通路とすることができると共に、進入口334と第一振分口336を回転体348が配置された層と同じ層とし、その下に第二振分口338又は第三振分口340と対応する第二放出部402又は第三放出部408とを結ぶ層の二層とすることができ、振分装置330の幅及び高さを可及的に小さくすることが可能となり、振分装置330をより小型化することができる。そして、振分装置330をより小型化することで、相対的に遊技球演出空間308を広くして、より広い範囲で遊技球の動きを楽しませられるものとすることができる。
更に、第一受入口410へ受入れられる可能性が最も高い第二放出部402を遊技領域37の左右方向略中央に配置しているので、第二放出部402から放出され中央舞台416へ落下する遊技球を遊技者の目に付き易くすることができ、落下の瞬間を見逃し難くして、興趣が低下するのを防止することができる。また、第三放出部408が第二放出部402を挟んで第一受入口410とは反対側に配置されている。つまり、第二反発飛翔部440と第一受入口410とが中央舞台416を挟んで左右に夫々配置されており、第三放出部408から第二反発飛翔部440へ落下放出された遊技球が、第二反発飛翔部440によって中央舞台416を飛越すように反発飛翔するので、左右方向に大きく跳ねる遊技球の動きによって遊技者を驚かせて、興趣が低下するのを抑制することができる。更に、第一放出部396を遊技球演出空間308の左端部に配置されているので、第二放出部402や第三放出部408から放出される遊技球よりは気付き難くすることができ、第一放出部396から放出された遊技球が、転動案内部材424を介して第一反発飛翔部438によっていきなり飛翔するような動きをさせることができ、遊技者を驚かせて興趣が低下するのを抑制することができる。なお、第一反発飛翔部438を第二反発飛翔部440と同じ側に配置しているので、第一反発飛翔部438によって反発飛翔した遊技球を、中央舞台416を飛越すように反発飛翔させることが可能となり、より遊技者を驚かせて興趣を高められるものとすることができる。
また、遊技球を誘導排出する誘導排出通路460を略垂直となるように配置しているので、大当り遊技状態の発生によって多くの遊技球がアタッカ装置270によって大入賞口272に受入れられても、遊技球を速やかに排出することができ、球詰まり等の不具合が発生するのを防止することができると共に、誘導排出通路460が略垂直に配置されるので、遊技球を排出するための誘導排出通路460の占める領域を可及的に少なくすることができ、相対的に遊技球演出空間308を広くしたり、他の部材を配置したりすることができ、より興趣の高められるパチンコ機1とすることができる。また、誘導排出通路460に速度抑制手段としての複数の突起464が備えられているので、略垂直に流下する遊技球の流下速度が過度に速くなるのを抑制することができ、誘導排出通路460の下流側に配置された部材に対して、必要以上に強い衝撃で下流側の部材に遊技球が受渡されるのを防止して、下流側の部材の破損等による不具合が発生するのを防止することができる。
更に、大当り遊技状態等の有利遊技状態が発生してアタッカ装置270が所定パターンで開閉動作を繰り返した場合、アタッカ装置270が、遊技者の操作によって遊技球を打ち込む遊技領域37の上部に配置されているので、開状態となっているアタッカ装置270に対して遊技球を狙い打ちし易いことを一見して遊技者に認識させることができ、種々のパチンコ機の中から本パチンコ機1を選択し易くすることができる。また、第一受入口410が遊技領域37(遊技球演出空間308)の下部に配置されているので、通常の体格の遊技者であれば、第一受入口410が目の高さよりも充分に下方の位置に配置されることとなり、第一受入口410が遊技者からより目立つようにすることができ、第一受入口410を目立たせて、第一受入口410への期待感を高めることができる。
また、中央舞台416から誘導案内舞台418を介して、或いは、第一及び第二反発飛翔部438,440から、第一受入口410へ向かった遊技球を転動受舞台414によって受取ることができるので、第一及び第二反発飛翔部438,440から反発飛翔してきた遊技球を受取り易くすることができる。
また、第一放出部396から放出された遊技球が、転動案内部材424によって一旦、第一受入口410よりも下側へ転動案内されるので、遊技者に対して第一受入口410へ遊技球が受入れられないような印象を与え、その後、第一反発飛翔部438によって第一受入口410よりも下方から、中央舞台416を飛越すように第一受入口410上へ反発飛翔するので、遊技者に対して第一受入口410へ遊技球が受入れられる可能性が高くなったことを印象付けることができ、抑揚の富んだものとして、興趣を高められるものとすることができる。
更に、第一反発飛翔部438では、転動案内部材424により案内される遊技球の案内方向と第一反発飛翔部438の傾斜面との関係が変化し難くなっており、遊技球を略同じ位置へ反発飛翔させることができ、第一受入口410へ受入れられる確率を安定させて、所望の高い確率とすることができる。一方、第二反発飛翔部440では、平面部と曲面部とからなっており、第三放出部408から落下放出される遊技球の位置が僅かに変化して曲面部に当接する位置が変化しただけで、反発飛翔する位置が区々となり易く、第一受入口410へ受入れられる確率を不安定にして、所望の低い確率とすることができる。従って、第一反発飛翔部438及び第二反発飛翔部440の反発飛翔による第一受入口410への受入確率を容易に、所望の確率とすることができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化することができる。
また、誘導案内舞台418によって案内される遊技球が、分岐部430により第一受入口410ではなく、第二受入口412へ誘導されることがあり、誘導案内舞台418によって遊技球が誘導案内されているからと言って、必ずしも第一受入口410へ誘導案内されるとは限らないものとすることができ、第一受入口410へ遊技球が受入れられるまで、遊技球を注視させることができ、第一受入口410に受入れられるか否かで、ハラハラ・ドキドキさせて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、上述した遊技球演出空間308をユニット支持部材320を介して、遊技盤5の後側に配置するようにしているので、遊技球演出空間308を容易に、遊技盤5の前面側に配置された遊技領域37と異なる空間とすることができ、遊技球演出空間308をパチンコ機1に備えても、遊技領域37内を流下する遊技球の妨げとなるのを防止して、遊技領域37内では従来のパチンコ機と同様の遊技を楽しませることができる上に、遊技球演出空間308での遊技球の演出動作を楽しませられるパチンコ機1とすることができる。また、遊技球演出空間308、振分装置330、第一受入口410、第二受入口412、転動案内部材424、第一反発飛翔部438、中央舞台416、誘導案内舞台418、及び第二反発飛翔部440等をユニット支持部材320によって支持するようにしているので、それらを一纏りのユニットとすることができ、パチンコ機1を組立てる際にかかる手間を簡略化することができる。
また、演出表示装置202を備えているので、従来のパチンコ機と同様に、演出表示装置202に、抽選結果に応じて所定の装飾図柄を変動表示させた後に、停止表示させて抽選結果を示唆するようにすることができ、従来のパチンコ機に慣れた遊技者に対して、違和感を与えるのを緩和し、本パチンコ機1に対して躊躇することなく遊技させることができる。また、上述した遊技球演出空間308での遊技球による演出動作とリンクするような演出画像を表示させても良く、これにより、遊技球演出空間308での演出効果を相乗的に高めて、飽き難く興趣が低下するのを防止することが可能なものとすることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記の実施形態では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、スロットマシーンや、パチンコ機とスロットマシーンとを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。
また、本実施形態では、パチンコ機1のコンセプトとしてゴルフをイメージしたものを示したが、例えば、野球、テニス、バスケットボール、バレーボール、等の球技の他に、格闘技、アドベンチャー映画やゲームのシーン等をイメージしたものでも良く、躍動感に溢れた遊技媒体の動きを見せることで、興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、本実施形態では、パチンコ機1における遊技盤5の後側に固定された装飾ユニット240の演出空間310内に、各種装飾体312、発光手段314、及び演出ユニット318等によって立体的に構成されたジオラマを配置したものを示したが、演出空間310内に、例えば、遊技状況によって可動する可動演出役物や可動装飾体などを配置しても良く、これにより、他のパチンコ機との差別化を図ることができると共に、可動する演出役物や装飾体の動きを楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
また、本実施形態では、振分装置330における回転体348の軸芯を上下方向に延びるように配置したものを示したが、例えば、その軸芯を略水平方向に延びるように配置しても良い。