(第1実施形態)
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の第1実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。尚、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a~11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。尚、前面枠セット14は、内枠12を介してではなく、外枠11に直接開放可能に支持されるように構成してもよい。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1、図2に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。加えて、下皿15の左部には、LEDが内蔵された演出ボタン125が設けられており、演出ボタン125を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下「ハンドル18」と称する)が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段(可変抵抗器)が設けられている。そして、ハンドル18が右回りに回動操作されると、回動操作量に応じた強さで、後述する発射手段としての発射装置60によって遊技球が発射される。また、ハンドル18には、ハンドル18を握った右手の親指で押圧操作可能な発射禁止ボタン18aが設けられている。当該発射禁止ボタン18aを押圧した状態においては、ハンドル18を握っていたとしても、発射装置60による遊技球の発射が禁止される。このため、遊技球の発射を禁止しつつハンドル18の回動操作を行ったり、ハンドル18を握った状態で、一時的に遊技球の発射を止めたりすることができる。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射装置60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
さらに、上皿19には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、遊技状態の変化等に応じて発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12には、窓孔39の後側において、遊技盤30が樹脂ベース38の裏側に当接した状態で装着されている。従って、遊技盤30前面の略中央部分が窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60によって発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。さらに、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
次に、遊技盤30(遊技領域)の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、第1可変入賞装置32a、第2可変入賞装置32b、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33b、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35、第1特別表示装置43L及び第2特別表示装置43R、変動特定ランプ40等が配設されている。周知の通り、一般入賞口31、可変入賞装置32a、32B、始動入賞装置33a、33B等の各種入賞口に遊技球が入球(入賞)すると、各種検出スイッチにより検出され、上皿19又は下皿15へ所定数の賞球が払い出される。
本実施形態では、一般入賞口31への入球があった場合には10個、第1可変入賞装置32aへの入球があった場合には14個、第2可変入賞装置32bへの入球があった場合には13個、第1始動入賞装置33aへの入球があった場合には2個、第2始動入賞装置33bへの入球があった場合には1個の遊技球が払出されるように構成されている。また、遊技球が通過するだけで入球することのない(遊技盤30の裏面側に排出される)スルーゲート34に遊技球が通過しても、遊技球の払出しは行われない。本実施形態では、第2可変入賞装置32bが可変入賞手段を構成し、第2始動入賞装置33bが特別始動手段を構成し、スルーゲート34が普通始動手段を構成する。
その他に、遊技盤30には、遊技領域の最下部に対応してアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
遊技領域の略中央部には、可変表示装置ユニット35が配設されている。可変表示装置ユニット35には、後述する装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。
センターフレーム47の左側部には入球口151が設けられており、該入球口151に入球した遊技球は、センターフレーム47の内部に形成されたワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される。ステージ153上に案内された遊技球は、ステージ153上を転動する等して、ステージ153上から前方の遊技領域に転落したり、ステージ153の中央に形成された前後に延びて遊技球を前方に案内する導出溝154に落下したりする。
可変表示装置ユニット35の下方位置には、第1始動入賞装置33aが配設されている。第1始動入賞装置33aは、遊技盤30の前面部から前方へ突出し、その上側に遊技球が常時入賞可能な入賞口が開口している。特に、上記ステージ153の導出溝154に案内される遊技球は、比較的高い確率で第1始動入賞装置33aに入球するように構成されている。尚、本実施形態の第1始動入賞装置33aには、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球し易さを変化させるような開閉部材は設けられていない。
第1始動入賞装置33aの下方位置には、第1可変入賞装置32aが配設されている。第1可変入賞装置32aは、通常、遊技球が入賞不能な閉状態になっており、対応する種別の大当たり状態等の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。尚、図示は省略するが、第1可変入賞装置32aは、遊技盤30の後方へと通じる大入賞口と、大入賞口を開閉する大入賞シャッタと、大入賞シャッタを動作させるための大入賞口用ソレノイドと、大入賞口に入球した遊技球を検出する第1カウントスイッチ223aとを備え、大入賞口用ソレノイドを駆動制御し、大入賞シャッタを開閉させることで、第1可変入賞装置32a(大入賞口)を閉状態と開状態とに切替えている。
以下、便宜上、遊技領域のうち、可変表示装置ユニット35の左側方に位置する領域を「左側方領域」といい、可変表示装置ユニット35の右側方に位置する領域を「右側方領域」という。また、左側方領域の下流側にあたり、第1始動入賞装置33aや第1可変入賞装置32aが配置される遊技盤30の左右方向略中央部よりも左側に位置する領域を「左下部領域」といい、右側方領域の下流側にあたり、遊技盤30の左右方向略中央部よりも右側に位置する領域を「右下部領域」という。
左下部領域の下部には、遊技領域の周縁部(内レール構成部51)に沿って斜めに所定間隔で3つの一般入賞口31が配設されている。各一般入賞口31は、遊技盤30の前面部から前方へ突出し、その上側に遊技球が常時入賞可能な入賞口が開口している。
右側方領域には、スルーゲート34が配置されている。スルーゲート34は、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。詳しくは後述するが、スルーゲート34は、当該スルーゲート34を通過する遊技球を検知可能なスルーゲートスイッチ225を備えている。当該スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検知された場合には、詳しくは後述する第2始動入賞装置33bを開状態とするか否かの入球サポート抽選が行われるとともに、普通図柄表示装置41にて当該入球サポート抽選の結果を教示するための変動表示が行われる。そして、入球サポート抽選にて当選した場合には、当該変動表示の終了後に第2始動入賞装置33bが規定時間だけ開状態とされる。
さらに、右側方領域におけるスルーゲート34の下流側には、第2可変入賞装置32bが配設されている。第2可変入賞装置32bは、通常、遊技球が入賞不能な閉状態となっており、対応する種別の大当たり状態の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。尚、図示は省略するが、第2可変入賞装置32bは、遊技盤30の後方へと通じる大入賞口と、大入賞口を開閉する大入賞シャッタと、大入賞シャッタを動作させるための大入賞口用ソレノイドと、大入賞口に入球した遊技球を検出する第2カウントスイッチ223bとを備え、大入賞口用ソレノイドを駆動制御し、大入賞シャッタを開閉させることで、第2可変入賞装置32b(大入賞口)を閉状態と開状態とに切替えている。
ちなみに、本実施形態の第1及び第2可変入賞装置32a、32bの大入賞シャッタは、大入賞口の下縁部に沿って大入賞シャッタの下縁部が回動可能に軸支されており、第1及び第2可変入賞装置32a、32bの閉状態では、大入賞シャッタが上下に延びて大入賞口を閉塞し、大入賞シャッタの前方を遊技球が通過可能な状態となる。一方、第1及び第2可変入賞装置32a、32bの開状態では、大入賞シャッタが前方に回動して前後に延び(上面が後方に向けて少し下方傾斜している)、大入賞口の前方に流下してきた遊技球を大入賞シャッタの裏面(上面)で受けて大入賞口へと案内するようになっている。
右下部領域において第2可変入賞装置32bの下流側には、第2始動入賞装置33bが配設されている。第2始動入賞装置33bについても、遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不可能な閉状態との間で状態変化可能に構成されている。尚、第2始動入賞装置33bの詳細については後述する。
尚、詳しくは後述するが、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33bには、それぞれ入賞した遊技球を検知する第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bが設けられており、当該始動入賞スイッチ224a、224bにて遊技球が検知された場合には、大当たり状態等を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、後述する特別表示装置43L、43R(及び装飾図柄表示装置42)にて変動表示が行われる構成となっている。そして、当否抽選にて当選した場合には、第1可変入賞装置32a、又は、第2可変入賞装置32bが開放される大当たり状態等が付与される。
本実施形態では、当否抽選にて所定の確率で大当たりに当選する「低確率状態」と、当否抽選にて低確率状態よりも高確率で大当たりに当選する「高確率状態」とがある。さらに、詳しくは後述するが、第2始動入賞装置33bには、第2始動入賞装置33b(後述する始動入賞口402)を開閉する開閉部材としての始動入賞シャッタ405が設けられており、本実施形態では、この始動入賞シャッタ405が比較的頻繁に開放され、遊技球を第2始動入賞装置33bへ入球させ易くなる「高入球状態」と、始動入賞シャッタ405がほとんど開位置とされず、遊技球を第2始動入賞装置33bへ入球させ難い「低入球状態」とがある。以下、低確率状態かつ低入球状態である状態を「通常モード」と称し、低確率状態かつ高入球状態である状態を「時間短縮モード」と称し、高確率状態かつ高入球状態である状態を「確変モード」と称し、高確率状態かつ低入球状態である状態を「潜確モード」と称する。
さらに、本実施形態では、通常モード、確変モード、及び、潜確モードは、大当たり状態が発生するまで継続されるのに対し、時間短縮モードは大当たり状態が発生しなくても特別表示装置43L、43R及び装飾図柄表示装置42における変動表示が予め設定された規定回数行われると終了し、通常モードに移行する構成となっている。
尚、確変モードや時間短縮モードにおいては、第2始動入賞装置33bの始動入賞シャッタ405が比較的頻繁に開放されて入球し易くなっている一方で、第1始動入賞装置33aについては入球し易くなるわけではないことから、遊技者は、確変モードや時間短縮モードになると、右側方領域に向けて遊技球を発射させる(所謂、「右打ち」をする)こととなる。また、かかる右打ちのタイミングに際しては、装飾図柄表示装置42等において、右打ちを促すアナウンスが行われるようになっている。
本実施形態では、第1始動入賞装置33a(所謂、「へそ」)に遊技球が入球した場合に行われる当否抽選にて当選した場合と、第2始動入賞装置33b(所謂、「電子チューリップ、電チュー」)に遊技球が入球した場合に行われる当否抽選にて当選した場合とで、付与される当たりの種別が変化する(当たり状態の種別を決定する際に参照される種別判定テーブルが異なる)ように構成されている。
より具体的には、第1始動入賞装置33aへの入球に基づいて大当たり状態に当選した場合の大当たり種別としては、16ラウンド確変大当たり(以下「16RS」と言う)と、8ラウンド確変大当たり(以下「8RS」と言う)と、8ラウンド通常大当たり(以下「8RN」)と、2ラウンド確変大当たり(以下「2RS」と言う)とがある。「16RS」、「8RS」、「8RN」に関しては、第1可変入賞装置32aが30秒間開放されること、又は、第1可変入賞装置32aが開放されてから第1可変入賞装置32aに8個の遊技球が入球することを1ラウンドとして、「16RS」に関しては、それが16回繰り返され、「8RS」、「8RN」に関しては、それが8回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。一方、「2RS」に関しては、第1可変入賞装置32aが0.4秒間開放されることを1ラウンドとして、それが2回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。すなわち、「16RS」、「8RS」、「8RN」に関しては、大当たり状態中に大幅な遊技球の増加が見込める大当たり(所謂、「出玉有り大当たり」)であるものの、「2RS」は、遊技球の大幅な増加が見込めない大当たり(所謂、「出玉無し大当たり」)となっている。
また、「16RS」、「8RS」の大当たり状態終了後には「確変モード」が付与され、「2RS」の大当たり状態終了後には「潜確モード」が付与され、「8RN」の大当たり状態終了後には「時間短縮モード」(本例では、変動表示90回分)が付与される。つまり、「16RS」、「8RS」、「8RN」の大当たり状態終了後は、第2始動入賞装置33bが開状態とされ易い高入球状態となるため、遊技者は右側方領域に向けて遊技球を発射させることとなる。本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選において大当たりに当選した場合、5%の割合で「16RS」となり、55%の割合で「8RS」となり、30%の割合で「8RN」となり、10%の割合で「2RS」となる。
さらに、本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選において、小当たりに当選する場合がある。第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選において、小当たりした場合には、第1可変入賞装置32aが0.4秒間開放されることを1ラウンドとして、それが2回繰り返されてから、小当たり状態が終了する。つまり、第1可変入賞装置32aに関し、外見上は、「2RS」と同じである。但し、小当たり状態が発生する前と、発生した後とで遊技モードが変化することはない。すなわち、通常モードにおいて「2RS」に当選すると、潜確モードに移行するのであるが、小当たりに当選しても、通常モードが継続される。これにより、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選において、高確率状態が付与されない2ラウンド大当たり(2ラウンド通常大当たり)に当選するような振分けを行わなくても、第1可変入賞装置32aが短く2回開放されることで必ず高確率状態に移行してしまったことが分かってしまうといった事態を回避することができる。
その一方で、第2始動入賞装置33bへの入球に基づいて大当たり状態に当選した場合の大当たり種別としては、16ラウンド確変大当たりと、8ラウンド確変大当たりと、2ラウンド通常大当たり(以下「2RN」と言う)とがある。尚、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選にて当選した場合には、第1可変入賞装置32aではなく、第2可変入賞装置32bが開放される(本例では、ラウンド終了条件は同じであるが、可変入賞装置32a、32bにそれぞれ遊技球が入球した場合の払出個数(14個と13個)が異なる)こととなるものの、説明の便宜上、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選にて当選した場合の大当たりの種別についても、便宜上、同じ名称(「16RS」、「8RS」)を使用することとする。加えて、本実施形態では、第1可変入賞装置32aが開状態とされる大当たり状態のラウンド終了条件と、第2可変入賞装置32bが開状態とされる大当たり状態のラウンド終了条件とが同じである(8個の入賞、或いは、30秒の経過で1ラウンドとなる)が、異ならせること(例えば、ラウンド中の遊技球の入賞上限が8個と9個)としてもよい。
また、「2RS」に関しては、第2可変入賞装置32bが0.4秒間開放されることを1ラウンドとして、それが2回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。すなわち、「16RS」、「8RS」に関しては、大当たり状態中に大幅な遊技球の増加が見込めるものの、「2RN」は、遊技球の大幅な増加が見込めない大当たりとなっている。
また、「2RN」の大当たり状態終了後には「時間短縮モード」が付与される。本例では、「2RN」でも3つに分かれており、変動表示30回分の時間短縮モードが付与される「2RN30」と、変動表示60回分の時間短縮モードが付与される「2RN60」と、変動表示90回分の時間短縮モードが付与される「2RN90」とがある。本実施形態では、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選において大当たりに当選した場合、35%の割合で「16RS」となり、35%の割合で「8RS」となり、20%の割合で「2RN30」となり、5%の割合で「2RN60」となり、5%の割合で「2RN90」となる。
さらに、本実施形態では、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選において、小当たりに当選する場合がある。第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選において、小当たりした場合には、第2可変入賞装置32bが0.4秒間開放されることを1ラウンドとして、それが2回繰り返されてから、小当たり状態が終了する。つまり、第2可変入賞装置32bに関し、外見上は、「2RN」と同じである。但し、小当たり状態が発生する前と、発生した後とで遊技モードが変化することはない。すなわち、確変モード等の高確率状態は、基本的に「2RN」に当選することで低確率状態(時間短縮モード等)に移行するのであるが、確変モードで小当たりに当選しても、確変モードが継続される。これにより、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選において2ラウンド確変大当たり「2RS」に当選するような振分けを行わなくても、第2可変入賞装置32bが短く2回開放されることで必ず低確率状態に移行してしまったことが分かってしまうといった事態を回避することができる。
また、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選の結果を教示する第1特別表示装置43L、及び、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選の結果を教示する第2特別表示装置43Rは、それぞれ2つのセグメント表示装置により構成され、特別図柄としての記号、文字、及び、数字等を表示可能に構成されている。この特別表示装置43L、43Rは、遊技者から視認可能な位置(本例では第2可変入賞装置32bの下方、かつ、第2始動入賞装置33bの右方の遊技球が通過不能な位置)に設置されている。
そして、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球を契機として第1特別表示装置43Lにて特別図柄の切替表示(変動表示)が行われ、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球を契機として第2特別表示装置43Rにて特別図柄の切替表示(変動表示)が行われる構成となっている。尚、特別表示装置43L、43Rは、後述する主制御手段としての主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。
また、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて特別図柄の変動表示が行われた後、当該変動表示が停止したときの特別図柄により、当否抽選の結果、すなわち、「大当たり」、「小当たり」、又は、「外れ」であることが確定的に表示される。例えば、第1始動入賞装置33aに遊技球が入球すると、対応する第1特別表示装置43Lにて特別図柄(点灯するセグメントの組合わせ)が高速で(例えば4msec毎に)切替表示(変動表示)され、所定時間が経過すると、いずれかの特別図柄を停止表示(例えば数秒間停止)する。そして、例えば、当否抽選にて「大当たり」に当選した場合には、対応する特別図柄が変動停止時に表示され、大当たり状態が発生する。
さらに、特別表示装置43L、43Rにおいては、停止させる特別図柄によって、大当たり種別、すなわち、「16RS」、「8RS」、「8RN」、「2RS」、「2RN」のいずれであるかについても教示される。また、1つの大当たり種別を教示する特別表示装置43L、43Rの停止態様は1つではなく複数存在し、それらのいずれかが選択されて停止表示される。また、第1特別表示装置43L、第2特別表示装置43Rのどちらか一方において、変動表示又は決定表示が行われている場合には、他方が消灯状態とされており(「-」を表示しておいてもよい)、どちらにおいても変動表示及び決定表示が行われていない場合には、両方においてそれぞれ「-」が表示される。
また、第1又は第2特別表示装置43L、43Rの変動表示中に新たに遊技球が第1又は第2始動入賞装置33a、33bに入球した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では、第1始動入賞装置33aに入賞した遊技球、及び第2始動入賞装置33bに入賞した遊技球に対応して、それぞれ4回までの変動表示(合計8回の変動表示)が保留される。
さらに、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第1変動表示」と言う)の保留数は、第1特別表示装置43Lの上方に配設され、青色に発光可能な第1保留ランプ46aにて点灯表示され、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第2変動表示」と言う)の保留数は、第2特別表示装置43Rの上方に配設され、赤色に発光可能な第2保留ランプ46bにて点灯表示されるようになっている。保留ランプ46a、46bは、第1変動表示及び第2変動表示の各最大保留数と同じく4個ずつ設けられており、保留されている第1変動表示又は第2変動表示の数と同じ数だけ点灯する。当該保留ランプ46a、46bは、後述するサブ制御手段としてのサブ制御装置262によって表示内容が制御される。尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞ユニット33a、33bに入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。また、本実施形態では、始動入賞装置33a、33bへの遊技球の入球に基づく変動表示の保留数が、装飾図柄表示装置42においても表示される(変動表示が行われている際に画面下部に表示される)ようになっている。
尚、保留された変動表示は、基本的に、保留された順番で消化されるようになっているが、第1変動表示及び第2変動表示の両方が保留されている場合(保留ランプ46a、46bがそれぞれ1つ以上点灯している場合)には、第2変動表示が優先的に消化されるようになっている。すなわち、第2始動入賞装置33bへの入賞を契機とする第2変動表示が全て消化された状態でなければ、第1始動入賞装置33aへの入球を契機とする第1変動表示が行われない構成となっている。例えば、第1保留ランプ46aが1つ点灯している状態において、第2始動入賞装置33bに遊技球が入球し、第2保留ランプ46bが1つ点灯した場合、第1変動表示が後回しにされ、先に第2変動表示が行われることとなる。
変動特定ランプ40は、装飾図柄表示装置42にて行われている変動表示が第1始動入賞装置33a、及び、第2始動入賞装置33bのうちどちらの入球に対応するものであるか(第1変動表示又は第2変動表示のどちらであるか)を示すためのものであり、遊技者から視認可能な位置(本例ではセンターフレーム47のステージ153上方位置)に配置されている。変動特定ランプ40は、発光色が青色のLED及び発光色が赤色のLEDを備えており、装飾図柄表示装置42において第1変動表示が行われている場合には青色に発光し、第2変動表示が行われている場合には赤色に発光する。
可変表示装置ユニット35には、スルーゲート34の通過を契機として変動表示する普通図柄表示装置41(センターフレーム47のステージ153上方位置)と、第1及び第2特別表示装置43L、43Rによる変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球がスルーゲート34を通過した場合に、例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)する。そして、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合には、第2始動入賞装置33b(始動入賞シャッタ405)が所定時間だけ開状態となる。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
また、普通図柄表示装置41における普通図柄の変動表示中に、新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される普通図柄の変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留される。加えて、普通図柄の変動表示の保留回数は、可変表示装置ユニット35に配設され、白色に発光可能な保留ランプ44によって点灯表示されるようになっている。保留ランプ44は、普通図柄の変動表示の各最大保留数と同じく4個ずつ設けられており、保留されている変動表示の数と同じ数だけ点灯する。
尚、高入球状態としては、例えば、(1)普通図柄表示装置41における変動表示時間が低入球状態時よりも短い状態、(2)第2始動入賞装置33bの一回の開放時間(規定時間)が低入球状態時に比べて長い状態、(3)第2始動入賞装置33bの一回の開放につき入球可能となる遊技球の規定個数が低入球状態時に比べて多い状態、(4)入球サポート抽選の当選一回当たりの第2始動入賞装置33bの開放回数が低入球状態時に比べて多い状態、(5)入球サポート抽選の当選確率が低入球状態時よりも高い状態とすることなどが挙げられる。本実施形態における高入球状態は、上記(1)、(2)、(5)の構成を採用している。勿論、これに限らず、「高サポートモード」として、構成(1)~(5)のいずれか1つ、又は、これら構成(1)~(5)の任意の組合せを採用してもよい。これにより、第2始動入賞装置33bに対し遊技球が頻繁に入賞しやすくなり、当否抽選の実行される回数が増えると共に、遊技者の持ち球の減少が抑制される球持ちのよい状態となる。
装飾図柄表示装置42は、液晶表示装置によって構成されており、識別情報としての装飾図柄を変動表示可能に構成されている。また、装飾図柄表示装置42は、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、当該決定に基づき、表示制御装置45によって表示が行われる。
装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中、下の3つの図柄表示領域が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の装飾図柄(例えば1~9の数字が付された数字図柄)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)装飾図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて大当たり状態の発生が確定すると、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域において変動表示されている装飾図柄が、所定の有効ライン上に同一の装飾図柄が並ぶようにして停止表示され)、大当たり状態が開始される。
また、装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の装飾図柄が停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて所定の有効ライン上に同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。勿論、リーチ状態が発生したからといって必ずしも大当たりとなるわけではなく、外れる場合もある。
本実施形態では、リーチ状態が発生した後、中図柄表示領域において、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において停止表示された装飾図柄(リーチ図柄)と同じ装飾図柄が同じ有効ライン上に停止表示された場合(ゾロ目が停止表示された場合)に、大当たり状態が付与される。また、奇数のゾロ目の場合には、「16RS」又は「8RS」が発生し、偶数のゾロ目の場合には、「16RS」、「8RS」、又は「8RN」のいずれかが発生する。
ゾロ目以外の装飾図柄の組合わせは基本的に「外れ」を教示するものであるが、本実施形態では、大当たりであっても「2RS」、「2RN」については、装飾図柄がゾロ目の組合わせで停止表示されるのではなく、リーチ図柄となったものの外れとなる組合わせで停止表示される。加えて、「小当たり」についても、リーチ図柄となったものの外れとなる組合わせで停止表示される。
例えば、確変モードにおいては、遊技モードに対応する(滞在している遊技モードを示唆する)演出として、装飾図柄表示装置42において専用の確変ステージが表示されるが、「2RN」に当選して確変モードが終了した場合、或いは、「小当たり」に当選した場合には、かかる確変ステージが終了し、確変モードであるか否かの判別がつかない引き戻しステージが表示される。そして、「2RN」に当選していて、付与された時間短縮モードの期間も終了した場合には、かかる引き戻しステージを終了して、通常モードである(可能性が非常に高い)ことを示す通常ステージの表示を開始する。また、「小当たり」に当選していた場合には、「小当たり」の前後で遊技モードの変化がないことから、確変モードのままである。従って、引き戻しステージに移行するものの、大当たりし易く、さらには、時間短縮モードの最大限に相当する期間(特別図柄の変動表示90回分)を超えた場合には、確変モードであることを把握することができる。
尚、上記のように、特別表示装置43L、43Rにおける特別図柄の停止態様と大当たり種別との対応関係を把握しており、大当たり又は小当たりの発生を教示した特別図柄変動表示の停止態様を確認いていれば、どの種別の大当たりに当選したのかを判別することが可能である。加えて、第2始動入賞装置33bへの入球に基づいて行われる当否抽選で大当たりに当選した場合で、装飾図柄表示装置42においてゾロ目を表示する大当たり種別としては「16RS」と「8RS」しかない。このため、基本的に(保留されていた第1始動入賞装置33aへの入球に対応する変動表示が消化される場合を除く)確変モードや時間短縮モードにおいて装飾図柄表示装置42においてゾロ目で大当たりの教示が行われた場合には、確変モードの付与が確定する。
また、例えば、通常モードにおいては、遊技モードに対応する演出として、装飾図柄表示装置42において通常ステージが表示されるが、「2RS」に当選して確変モードに移行した場合、或いは、「小当たり」に当選した場合には、かかる通常ステージが終了し、確変モードであるか否かの判別がつかない前兆ステージが表示される。本実施形態では、この前兆ステージは、「小当たり」が移行契機であった場合、すなわち、通常モードに滞在している場合には、特別図柄の変動表示で、10回~50回程度の期間で導出された後、通常ステージに戻るようになっている。その一方で、「2RS」が移行契機であった場合、すなわち、潜確モードに滞在している場合には、基本的に大当たりするまで前兆ステージとなっている。尚、前兆ステージから通常ステージに戻るか否かの抽選を行うこととしてもよいし、前兆ステージから通常ステージに戻った後、再び前兆ステージに移行するか否かの抽選(潜確モードであれば、前兆ステージに戻る確率を高くすることが望ましい)を行うこととしてもよい。加えて、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選において「8RN」に当選した場合、及び、「8RS」に当選したものの、その大当たり状態の終了までの間に確変モードが付与されることが教示されなかった場合には、大当たり状態終了後、引き戻しステージに移行する。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52の略先端部(図4の右上部)には、返しゴム54が取着されている。所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻されることとなる。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
さて、本実施形態では、第2始動入賞装置33bに特徴がある。以下、第2始動入賞装置33bを中心に、図38~図40等を参照して説明する。第2始動入賞装置33bは、遊技盤30の前面部に沿って取付けられるベース板401と、ベース板401の前面側に突出して形成され、上方に開口する始動入賞口402が形成された略箱状の入賞ボックス403と、始動入賞口402に入球した遊技球を検知する第2始動入賞スイッチ224b(図40参照)と、始動入賞口402への遊技球の入球を不可能にする閉位置と、入球可能にする開位置との間で変位可能な始動入賞シャッタ405と、始動入賞シャッタ405を動作させるソレノイド(図示略)と、遊技球を始動入賞口402側に向けて案内する案内台407とを備えている。本実施形態では、始動入賞口402が特定入賞口に相当し、始動入賞シャッタ405、及び、始動入賞シャッタ405を動作させるソレノイド等によって開閉部材が構成される。
始動入賞シャッタ405は、前後方向にスライド可能に構成され、ベース板401において始動入賞口402の直上方に形成された開口部(以下、「収容開口部408」と称する)を介して、遊技領域に出没し、始動入賞口402を開閉するように構成されている。尚、図39に示すように、第2始動入賞装置33bの開状態においては、始動入賞シャッタ405全体が収容開口部408の奥側に収容され、図38に示すように、第2始動入賞装置33bの閉状態においては、始動入賞シャッタ405により始動入賞口402の全体が覆われるようになっている。また、始動入賞口402を閉鎖している状態の始動入賞シャッタ405は、その下面の両側縁部及び前縁部が、始動入賞口402の周縁部に支持されるようになっている。本実施形態では、始動入賞シャッタ405の下面を支持する始動入賞口402の周縁部が受部材を構成する。加えて、始動入賞シャッタ405の下面側には補強リブ409が形成されている。
案内台407は、始動入賞口402の右上方に配置され、遊技領域の上流側から第2始動入賞装置33bに到達した遊技球を、始動入賞口402に対してほぼ一定の方向から、本例では、右上方から案内するために設けられている。特に、本実施形態では、図4に示すように、第2始動入賞装置33bの上方に配設される遊技釘や、装飾のための役物等の各種遊技部材によって、第2始動入賞装置33bにまで到達した遊技球が、先ず、案内台407へと必ず進入するように、遊技球の移動ルートを限定している。つまり、第2始動入賞装置33bに進入する(始動入賞口402に入球する可能性のある)遊技球は、必ず案内台407から左下方に位置する始動入賞シャッタ405の上方位置に向けて飛び出す動作を行うようになっている。本実施形態では、遊技球が案内台407に案内されて飛び出す位置が特定ポイントに相当し、当該特定ポイントに始動入賞シャッタ405が配置されている。
さらに、遊技球を案内台407へ案内する各種遊技部材は、案内台407に到達する遊技球の勢いが極力抑えられるような構成(例えば、案内面が急ではなく水平方向に近い緩斜面になっている等)となっている。これにより、案内台407によって案内される遊技球の速度や飛び出し角度等が極力近似されるようになっている。本実施形態では、案内台407、及び、当該案内台407に遊技球を案内する遊技釘や装飾役物等が整流手段を構成する。
入賞ボックス403と、案内台407との間には、遊技球が通過可能な開口部(以下、「排出開口部411」と称する)が設けられている。つまり、始動入賞口402に入球しない遊技球は、当該排出開口部411を介して、第2始動入賞装置33bの外部に排出されることとなる。
さて、入賞ボックス403の上面側には、始動入賞口402の左方に隣接して、遊技球を後方(遊技盤30の裏側)に案内する導入路412が形成されている。すなわち、始動入賞口402が始動入賞シャッタ405によって閉鎖されている状態(第2始動入賞装置33bが閉位置)にある場合、案内台407によって右上方から始動入賞口402側へと案内された遊技球は、始動入賞シャッタ405によって、始動入賞口402への入賞が規制されるとともに、案内台407から案内された勢いによって、始動入賞シャッタ405の上面を通り過ぎ、始動入賞シャッタ405の左方に隣接する導入路412へと進入することとなる。
本実施形態の始動入賞シャッタ405の上面や導入路412は、右側に下方傾斜しているが、案内台407から案内された遊技球は、これらを駆け上がるようにして移動可能なように、案内台407の傾き、長さ、及び、相対位置等が設計されている。
また、ベース板401には、導入路412と連通する開口部(以下「迂回開口部413」と称する)が形成されている。迂回開口部413は、導入路412と、始動入賞口402の左部とにかけて形成されている。
さらに、ベース板401の後面側には、導入路412から迂回開口部413に進入した遊技球を、始動入賞口402の上方に放出するための再突入路414を備えたターンボックス415が取付けられている。再突入路414は、ターンボックス415の横幅方向中央部を境に、左側の往路416と、右側の復路417とにより構成されている。往路416及び復路417の後端部間は連続しているが、それよりも前方部位については、往路416と復路417との間を往来不可能なように衝立リブ418が形成されている。往路416は、迂回開口部413を介して導入路412と連続し、後方かつ右側に傾いている。復路417は、往路416の後部と連続するとともに、始動入賞口402の直上に位置する迂回開口部413と連接しており、前方に傾いている。
第2始動入賞装置33bにおける遊技球の流れを確認しておくと、先ず、案内台407に案内されて始動入賞口402側に飛び出した遊技球が始動入賞口402の直上方に到達する時点で、始動入賞口402が開放されている場合には、かかる遊技球は、そのまま開放されている始動入賞口402に飛び込んで入賞し、第2始動入賞スイッチ224bに検知されることとなる。
その一方で、案内台407に案内されて始動入賞口402側に飛び出した遊技球が始動入賞口402の直上方に到達する時点で、始動入賞シャッタ405により始動入賞口402が閉鎖されている場合には、かかる遊技球は、始動入賞シャッタ405の上面に着地すると、そのまま左方に移動して導入路412に進入する。さらに、導入路412から、再突入路414を経由して、再び、始動入賞口402の上方に飛び出すこととなる。このときに、始動入賞口402が開放されていれば、始動入賞口402に入賞することとなり、一方、始動入賞口402が始動入賞シャッタ405で閉鎖されていれば、始動入賞シャッタ405の上面によって右下方に案内されて、排出開口部411から第2始動入賞装置33bの外部に排出されることとなる。
特に、本実施形態では、確変モード及び時間短縮モードの高入球状態においては、第2始動入賞装置33b(始動入賞シャッタ405)がほぼ開状態とされている(始動入賞口402がほぼ開放されている)。例えば、高入球状態では、入球サポート抽選の当選確率は99/100で、入球サポート抽選の結果を表示する普通図柄の変動表示時間は0.4秒で、入球サポート抽選の当選時には、4秒間の開放が0.4秒の閉鎖期間を挟みつつ3回繰り返される。このため、案内台407から飛び出して始動入賞口402の直上方に位置した際に始動入賞口402がたまたま閉鎖されていたとしても、導入路412及び再突入路414を経由して再び始動入賞口402の直上方に到達した際には、始動入賞口402が開放されている可能性が非常に高い。本実施形態では、案内台407を飛び出してから始動入賞シャッタ405の上面、導入路412、及び、再突入路414を経由して、始動入賞口402の上方に至るまでの時間は、概ね1秒~2秒を想定している。
さらに、仮に、所定の遊技球が始動入賞口402への2度目の突入を試みた際にも始動入賞シャッタ405が閉じていて始動入賞口402に入賞できなかったとしても、該遊技球が始動入賞シャッタ405の上面に載っている間であれば、始動入賞口402に入球することとなる。特に、本実施形態では、再突入路414の復路417は、右方の排出開口部411に向けて下方傾斜している始動入賞シャッタ405上面のうち、上流側である左側の部位が位置することとなる始動入賞口402の左部に連接している。このため、再突入路414から遊技球が始動入賞口402の上方位置へと飛び出した際に始動入賞シャッタ405が閉位置であった場合に、当該遊技球が、比較的長い間(始動入賞シャッタ405上面の左側から右側へと極力長い距離を転がらせることで)始動入賞シャッタ405上に滞在するように構成されている。
従って、高入球状態では、右打ちを行うと、ほぼ全ての遊技球が第2始動入賞装置33bの始動入賞口402に入球することとなる。これにより、本実施形態では、第2始動入賞装置33bへの入球があった場合(第2始動入賞スイッチ224bによる遊技球の検知が行われた場合)に払い出される遊技球の数が1個に設定されているが、遊技者の手持ちの遊技球をほぼ減らすことなく、確変モード及び時間短縮モードを堪能することができる。また、特別図柄の変動表示の保留がほぼ途切れることがないため、小気味よく遊技を進行することができる。
これに対し、低入球状態では、入球サポート抽選の当選確率は1/100で、普通図柄の変動表示時間は8秒で、入球サポート抽選の当選時には、0.4秒間の開放が1回だけ行われる。このため、通常モードや潜確モードにおいて「右打ち」をしても、第2始動入賞装置33bに遊技球を入球させ、当否抽選を受けることがほとんど望めないようになっている。従って、通常モードや潜確モードでは、第1始動入賞装置33aへの入球を目的として、可変表示装置ユニット35左方の「左側方領域」に遊技球が流れるような発射強さで遊技球を発射させる(「左打ち」する)こととなる。ちなみに、本実施形態では、遊技球を「左打ち」した場合、当該遊技球を第2可変入賞装置32b、及び、第2始動入賞装置33bに入球させることができない上、遊技球をスルーゲート34に通過させることができないようになっている。さらに、遊技球を「右打ち」した場合、遊技球を第1可変入賞装置32a、及び、第1始動入賞装置33aに入球させることができないようになっている。
図4に示すように、本実施形態では、第2始動入賞装置33bが第2可変入賞装置32bよりも遊技領域の下流側に設けられている。また、本実施形態では、第2可変入賞装置32bが開状態とされた場合、右側方領域を移動するほぼ全ての遊技球が第2可変入賞装置32bのシャッタによって堰き止められ、第2可変入賞装置32bに入賞するようになっている。このため、第2可変入賞装置32bが開状態とされる大当たり状態のラウンド中においては、遊技球が第2始動入賞装置33b側にほとんど流れないようになっている。
本実施形態では、始動入賞シャッタ405、導入路412、及び、再突入路414が時間差通過機会付与手段を構成する。また、入球サポート抽選が開閉抽選に相当し、第1状態が低入球状態に相当し、第2状態が高入球状態に相当する。さらに、詳しくは後述する主制御装置261の入球サポート抽選を行う機能が開閉抽選手段を構成する。
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12の前面側に設けられた発射レール61とレールユニット50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、前面枠セット14の球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠セット14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、装飾図柄表示装置42における表示や音声等を用いて下皿15が満杯であることを教示するエラー報知の制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)エラー報知の状態が解除される。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32及び始動入賞ユニット33等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、遊技盤30には、一般入賞口31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入球した遊技球を検出する入球検出スイッチが設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、第1可変入賞装置32a、第2可変入賞装置32bには、第1カウントスイッチ223a、第2カウントスイッチ223bが設けられている。また、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33bには、第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bが設けられている。さらに、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、入賞口スイッチ221、第1カウントスイッチ223a、第2カウントスイッチ223b、及びスルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、入賞口スイッチ221等と、主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。これに対し、第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入球検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検出された場合を除く)。
この他、遊技盤30の裏面には、図示は省略するが、第1可変入賞装置32aや、第2可変入賞装置32bにて大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドが設けられ、第2始動入賞装置33bにて始動入賞シャッタ405を開閉駆動する入賞口用ソレノイドが設けられている。また、裏枠セット215には、これらソレノイドと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板(図示略)も設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部端子板240が設けられている。
外部端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や確変モード等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91、92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313、及び、カードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御手段としての主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43L、43R、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43L、43R、及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223a,223b、始動入賞スイッチ224a,224b、スルーゲートスイッチ225、ハンドル18の各種スイッチ等の各種検出スイッチや、各種基板、可変入賞装置32を開閉させるためのソレノイド等の各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御手段としてのサブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、保留ランプ46a、46b、演出ボタン125、各種電飾部及びランプ102~104が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに当選したことを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43L、43R(における特別図柄)の変動表示に合わせて、演出表示として(装飾図柄の)変動表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射禁止ボタン18a(図1参照)が操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施形態では、主制御手段としての主制御装置261に設けられたCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選を行うこととしている。具体的には、図8に示すように、大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選に使用する当否乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定(種別抽選)に使用する種別決定カウンタC2と、装飾図柄表示装置42においてリーチ状態を発生させるか否かの決定に使用する変動選択カウンタC3と、当否乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、第1及び第2特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)の変動表示時間の決定等に使用する第1変動種別カウンタCS1、第2変動種別カウンタCS2と、普通図柄表示装置41の抽選(入球サポート抽選)に使用する普通図柄乱数カウンタC4とを用いることとしている。なお、変動選択カウンタC3は、装飾図柄表示装置42を外れ変動させる際のリーチ種別の抽選にも使用される。また、変動種別カウンタCS1、CS2は、装飾図柄表示装置42の変動パターン選択(演出パターン選択)にも使用される。詳しくは、決定された変動パターンにより、特別表示装置43L、43Rの変動時間が決定されるとともに、装飾図柄表示装置42における変動態様及び変動時間すなわち演出パターンが決定される。
カウンタC1、C2、C3、CINI、CS1、CS2、C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び、変動選択カウンタC3の各値が記憶される保留記憶エリアとしての特別変動保留エリアと、普通図柄乱数カウンタC4の値が記憶される普通変動保留エリアとが設けられている。普通変動保留エリアは、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)とを備えている。普通変動保留エリアの各保留エリアには、スルーゲート34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタC4の値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、普通図柄表示装置41における変動表示を4回まで保留可能としている。
また、特別変動保留エリアは、それぞれ4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)を備える第1特別変動保留エリア及び第2特別変動記憶エリアと、1つの実行エリアとを備えている。第1特別変動保留エリアの各保留エリアには、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入賞履歴に合わせて、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。第2特別変動保留エリアの各保留エリアには、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、特別表示装置43L、43Rにおける変動表示をそれぞれ4回まで保留可能としている。
各カウンタについて詳しく説明すると、当否乱数カウンタC1は、例えば0~599の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり599)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、当否乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が当該当否乱数カウンタC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、当否乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0~599)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、当否乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、当否乱数カウンタC1の値が当否乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、当否乱数カウンタバッファに格納されている当否乱数カウンタC1の値が、特別変動保留エリアに格納される。
また、本実施形態では、低確率状態(通常モード、時間短縮モード)であれば大当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は2つで、その値は「7、307」であり、高確率状態(確変モード、潜確モード)であれば大当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は20で、その値は「7~16、307~316」である。本実施形態では、ROM502に対し、当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応するか否かの判定を行う際に参照される当否判定テーブルが2つ設けられており、「7、307」を大当たり値として記憶した第1当否判定テーブルと、「8~16、308~316」を大当たり値として記憶した第2当否判定テーブルとがある。
さらに、本実施形態では、当否乱数カウンタC1を利用して、大当たりに当選しなかった場合に、小当たりに当選したか否かの抽選が行われるようになっている。低確率状態(通常モード、時間短縮モード)であれば小当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は1つで、その値は「404」であり、高確率状態(確変モード、潜確モード)であれば小当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は10で、その値は「404~413」である。尚、小当たりの当否判別には、「404」を当選値として記憶する第1小当たり判定テーブルと、「405~413」を当選値として記憶する第2小当たり判定テーブルとが参照される。
尚、通常モードにおいては、当否抽選にて大当たりに当選する確率(大当たり確率)が1/300であり、小当たりに当選する確率(小当たり確率)が1/600であり、入球サポート抽選の結果を教示するための普通図柄表示装置41における変動時間が8秒であり、また、入球サポート抽選にて当選した場合に、第2始動入賞装置33b(始動入賞シャッタ405)が0.4秒間開放される。
確変モードにおいては、大当たり確率が1/30であり、小当たり確率が1/60であり、通常モードに比べて大当たりや小当たりし易くなる。また、確変モードにおいては、入球サポート抽選に基づく普通図柄表示装置41の変動時間が0.4秒であり、通常モードに比べて短くなる上、入球サポート抽選にて当選した場合、第2始動入賞装置33bが3回開放されるとともに、各開放時間が4秒間となる(4秒間の開放が0.4秒の閉鎖期間を挟みつつ3回繰り返される)。つまり、確変モードでは、通常モードに比べ、普通図柄表示装置41における変動時間が短くなる上、入球サポート抽選の当選1回あたりの第2始動入賞装置33bの開放時間が長くなるとともに、開放回数が多くなる。これによって、第2始動入賞装置33bが開状態となっている時間帯が長くなるため、第2始動入賞装置33bに対して遊技球が頻繁に入球するようになり(高入球状態となり)、当否抽選が連続してなされると共に、玉持ちのよい状態となる。尚、高入球状態においては、普通図柄表示装置41において「○」図柄が停止表示される確率(入球サポート抽選の当選確率)を通常モード時よりも高くすることとしてもよい。
時間短縮モードにおいては、大当たり確率が1/300であり、小当たり確率が1/600である。また、時間短縮モードにおいては、入球サポート抽選に基づく普通図柄表示装置41の変動時間が0.4秒であり、入球サポート抽選にて当選した場合、第2始動入賞装置33bが3回開放されるとともに、各開放時間が4秒間となる。すなわち、時間短縮モードは、大当たり確率が通常モード時と同じ低確率ではあるが、第2始動入賞装置33bの動作だけを見ると、確変モードと同じである。本実施形態では、「8RN」、又は、「2RN」の大当たり状態終了後に、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて合計で規定回数の変動表示(「8RN」の後は一律90回となり、「2RN」は30回の場合(「2RN30」)と、60回の場合(「2RN60」)と、90回の場合(「2RN90」)とがある)にわたって時間短縮モードが設定される。また、時間短縮モードは、大当たり状態が発生しなくても、特別表示装置43L、43Rにて規定回数の変動表示が行われた時点で終了し、その後、通常モードに移行する。
潜確モードにおいては、大当たり確率が1/30であり、小当たり確率が1/60である。また、潜確モードにおいては、普通図柄表示装置41の変動時間が8秒であり、入球サポート抽選にて当選した場合、第2始動入賞装置33bが0.4秒間1回だけ開放される。すなわち、潜確モードは、大当たり確率が確変モード時と同じ高確率ではあるが、第2始動入賞装置33bの動作だけを見ると、通常モードと同じである。本実施形態では、「2RS」の大当たり状態終了後に潜確モードとなり、少なくとも大当たり状態が発生するまで継続する。尚、本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選にて当選した場合には、「2RN」に当選するという割り振りがないため、潜確モードがひっそりと終ってしまうといった事態が回避される(出玉有りの大当たりに当選するまで継続される)。
種別決定カウンタC2は、例えば0~19の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり19)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。また、ROM502には、種別決定カウンタC2の値がいずれの大当たり種別に対応するかの判定を行う際に参照される第1種別判定テーブル(第1始動入賞装置33aに対応)、第2種別判定テーブル(第2始動入賞装置33bに対応)が設けられている。そして、当否抽選にて大当たりに当選した場合に、種別決定カウンタC2の値に基づいて付与される大当たり状態の種別の種別が決定され(種別抽選が行われ)、決定された種別の大当たり状態が付与されることとなる。
尚、種別決定カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、種別決定カウンタC2の値が種別決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、種別決定カウンタバッファに格納されている種別決定カウンタC2の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
変動選択カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、装飾図柄に関してリーチ状態が発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ状態が発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ状態が発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。本実施形態では、ROM502に対し、変動選択カウンタC3の値とリーチ種別との対応関係を記憶しているリーチ判定テーブルが設けられている。リーチ判定テーブルには「0~238」の値が記憶され、C3=0,1が前後外れリーチに対応し、C3=2~21が前後外れ以外リーチに対応し、C3=22~238が完全外れに対応する構成となっている。
変動選択カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、変動選択カウンタバッファに変動選択カウンタC3の値が格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、変動選択カウンタバッファに格納されている変動選択カウンタC3の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1、CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0~59の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり59)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0~37の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり37)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。例えば、第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、装飾図柄のリーチパターンやその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本例では中図柄)が停止するまでの経過時間などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1、CS2を組合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄とを組合わせて同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
また、変動種別カウンタCS1、CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1、CS2のバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1、CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタC4は、例えば0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり99に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかのスルーゲート34を通過した時に普通図柄乱数カウンタC4の値が取得される。低入球状態の際の当選となる乱数の値の数は1つであり、その範囲は「1」である。一方、高入球状態の際の当選となる乱数の値の数は99であり、その範囲は「1~99」である。そして、当選となる普通図柄乱数カウンタC4の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、当選に対応する図柄(本例では「○」)が停止表示され、第2始動入賞口473がそのときの遊技モードに応じたパターンで開放される。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を、フローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図11は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。先ずステップS301では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。一方、検出情報がない場合には、そのまま次の処理に移行する。
尚、各種入賞スイッチの検知情報があった場合、対応する賞球カウンタの値を加算する。また、後述する通常処理の外部出力処理において、各賞球カウンタの値に基づく賞球コマンドが払出制御装置311へ出力され、賞球コマンドに基づいて賞球が付与される(遊技球が払出される)。さらに、この賞球コマンドの出力に際して、各賞球カウンタの値がリセットされる。
ステップS302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では599)に達した際0にクリアする。
また、ステップS303では乱数更新処理を実行する。具体的には、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、及び普通図柄乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、599、19、238、99)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1、C2、C3、C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS304では、始動入賞ユニット33への入賞に伴う始動入賞処理を実行し、ステップS305では、スルーゲート34への遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する。その後、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップS304の始動入賞処理について図13のフローチャートを参照して説明する。尚、RAM503には、第1始動入賞装置33aへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする第1保留カウンタNa、第2始動入賞装置33bへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする第2保留カウンタNbが設けられている。
また、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアには、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリア、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリア、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアが設けられている。本実施形態では、当否乱数記憶エリアは、2バイトを使用して当否乱数カウンタC1の値を記憶している。また、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリアはそれぞれ1バイトを使用して、種別決定カウンタC2の値、変動選択カウンタC3の値を記憶している。
さらに、特別変動保留エリアの実行エリアには、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく変動表示(第1変動表示)であるのか、或いは、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく変動表示(第2変動表示)であるのかを示す情報が記憶される変動記憶エリアが設けられている。以下、「変動記憶エリアに第1変動表示であることを示す情報が記憶されること」を「第1変動フラグがオン設定される」とも称し、「変動記憶エリアに第2変動表示であることを示す情報が記憶されること」を「第2変動フラグがオン設定される」とも称する。
先ず、ステップS501では、遊技球が第2始動入賞装置33bに入賞したか否かを第2始動入賞スイッチ224bの検知情報により判別する。当該ステップS501で肯定判別された場合、ステップS502において、第2保留カウンタNbの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。ステップS501又はS502で否定判別された場合には、ステップS509に移行する。一方、ステップS502で肯定判別された場合には、ステップS503に進み、第2保留カウンタNbを1インクメントする。
続くステップS504では、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値(当否乱数カウンタバッファ、種別決定カウンタバッファ、及び変動選択カウンタバッファに記憶されている各値)を、特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリア(当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア)に格納する。ステップS504の後、ステップS505に移行する。
ステップS505では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が大当たりや小当たりに対応する値であるか否かを判別する当否判定処理を行う。尚、当否判定処理の詳細については後述する。
続くステップS506では、ステップS505で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たりの種別を判別する種別判定処理を行う。尚、種別判定処理の詳細については後述する。
続くステップS507では、ステップS505で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値に基づいて、外れ変動時のリーチの種別を判別するリーチ判定処理を行う。尚、リーチ判定処理の詳細については後述する。
ここで、ステップS505の当否判定処理の詳細について、図14を参照して説明する。
先ず、ステップS5101では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が、第1当否判定テーブルに記憶された値である「7」、「307」のどちらかと一致するか否かを判別する。ちなみに、「7」、「307」は、低確率状態でも、高確率状態でも大当たりとなる値である。
尚、図14では便宜上、当該ステップS5101の処理を簡略化して記載しているが、実際には、当否乱数カウンタC1の値が「7」であるか否かを判別するとともに、当該判別で否定判別された場合には、当否乱数カウンタC1の値が「307」であるか否かを判別し、これらどちらかの判別で肯定判別された場合に、当該ステップS5101で肯定判別され、どちらの判別においても否定判別された場合に、当該ステップS5101で否定判別されることとなる。
ステップS5101で肯定判別された場合には、ステップS5102において第1当否フラグをオンにした後、本処理を終了する。尚、本実施形態では、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリアの他に、別途当否フラグを設けているわけではなく、当否乱数記憶エリアに大当たり状態が発生するか否かの情報を記憶する(上書きする)構成となっている。上記のように、当否乱数記憶エリアは2バイトを使用しており、当該ステップS5102では、当否乱数記憶エリアに対して例えば「1010101010101010」が設定される。尚、本実施形態では、便宜上、当否乱数記憶エリアに対して当該設定がなされることを、第1当否フラグをオンにすると称して説明する。
ステップS5101で否定判別された場合には、ステップS5103において、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が第2当否判定テーブルに記憶された値である「8~16、308~316」のいずれかであるか否かを判別する。ちなみに、「8~16、308~316」は、確変モードでのみ大当たりとなる値である。尚、当該判別処理に際しても、実際には、上記のように当否乱数カウンタC1の値と大当たりに対応する各値とが一致するか否かを1つずつ判別する。
当該ステップS5103で肯定判別された場合には、ステップS5104において第2当否フラグをオンにした後、本処理を終了する。尚、ここで第2当否フラグをオンにするとあるのは、当否乱数記憶エリアに対して例えば「1100110011001100」が設定されることを意味する。
一方、ステップS5103で否定判別された場合、すなわち、高確率状態でも「外れ」となる場合には、ステップS5105において、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が、第1小当たり判定テーブルに記憶された値である「404」と一致するか否かを判別する。ちなみに、「404」は、低確率状態でも、高確率状態でも小当たりとなる値である。
ステップS5105で肯定判別された場合には、ステップS5106において第1小当たりフラグをオンにした後、本処理を終了する。尚、本実施形態では、小当たり状態が発生するか否かの情報についても当否乱数記憶エリアに記憶する(上書きする)構成となっている。
ステップS5105で否定判別された場合には、ステップS5107において、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が第2小当たり判定テーブルに記憶された値である「405~413」のいずれかであるか否かを判別する。ちなみに、「405~413」は、高確率状態でのみ大当たりとなる値である。ステップS5107で肯定判別された場合には、ステップS5108において第2小当たりフラグをオンにした後、本処理を終了する。一方、ステップS5107で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
尚、上記のように、本実施形態では、当否に関わる情報が2バイトを使用して記憶されるため、例えば、ノイズが生じた場合に当否フラグ(当否乱数記憶エリアの記憶内容)が書き換えられ、当選ではないのに大当たり状態が発生したり、当選なのに大当たり状態が発生しなかったりするといった事態を防止することができる。また、当否判定処理において当否乱数記憶エリアに設定されるパターン(「1」、「0」の組合わせ)は、当否乱数カウンタC1の値を当否乱数記憶エリアに記憶する際には使用されないパターンである。
尚、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリアの他に、別途当否フラグを設ける等して、この時点では当否乱数カウンタC1の値を記憶したままにしておき、後述の変動表示の開始に際して行われる変動表示設定処理において、当否乱数カウンタC1の値に基づいて、対応するテーブルを参照し、当否を判定するように構成してもよい。また、大当たり判定に使用される当否乱数カウンタC1とは別に、小当たり用の乱数カウンタを設けることとしてもよい。
次に、ステップS506の第2種別判定処理について、図16を参照して説明する。先ず、ステップS5401では、直前に行われた当否判定処理にて、第1又は第2当否フラグがオン設定されたか否かを判別する。ステップS5401で否定判別された(大当たり状態の発生する可能性がない)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5401で肯定判別された(大当たり状態の発生する可能性がある)場合には、ステップS5402において、第2種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が、「16RS」に対応する値「0」と一致するか否かを判別する。ステップS5402で肯定判別された場合には、ステップS5403において16RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリアの他に、別途16RSフラグ等を設けているわけではなく、当選種別乱数記憶エリアに「16RS」等である旨の情報を記憶する(上書きする)構成となっている。上記のように、当選種別乱数記憶エリアは1バイトを使用しており、当該ステップS5403では、当選種別乱数記憶エリアに対して例えば「10101010」が設定される。本実施形態では、便宜上、当選種別乱数記憶エリアに対して「16RS」等の大当たり種別を示すパターンが設定されることを、大当たり種別を示すフラグ(16RSフラグ等)をオンにすることと称して説明する。尚、種別判定処理において当選種別乱数記憶エリアに設定されるパターン(「1」、「0」の組合わせ)は、種別決定カウンタC2の値を当選種別乱数記憶エリアに記憶する際には使用されないパターンである。
一方、ステップS5402で否定判別された場合には、ステップS5404において、第2種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「8RS」に対応する値「7~13」のいずれかと一致するか否かを判別する。ステップS5404で肯定判別された場合には、ステップS5405において、8RSフラグをオン(当選種別乱数記憶エリアに対して例えば「00011111」を設定)にしてから、本処理を終了する。
また、ステップS5404で否定判別された場合には、ステップS5406において、第2種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「2RN30」に対応する値「14~17」のいずれかと一致するか否かを判別する。ステップS5406で肯定判別された場合には、ステップS5407において、2RN30フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
また、ステップS5406で否定判別された場合には、ステップS5408において、第2種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「2RN60」に対応する値「18」と一致するか否かを判別する。ステップS5408で肯定判別された場合には、ステップS5409において、2RN60フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5408で否定判別された場合には、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「2RN90」に対応する値「19」であることから、ステップS5410において、2RN90フラグをオンにしてから、本処理を終了する。尚、種別判別処理では、大当たり種別を判別できればよく、例えば、当選に対応する乱数値の個数が多い「16RS」に対応する値と、取得した乱数値とが一致するかの判別に代えて、「2RN90」に対応する値と、取得した乱数値とが一致するかの判別を行うように構成してもよい。
次に、ステップS507のリーチ判定処理について、図17を参照して説明する。
先ず、ステップS5301では、直前に行われた当否判定処理にて、第1当否フラグが設定されたか否かを判別する。ステップS5301で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態及び高確率状態のどちらにおいても大当たりとなる(必ず大当たり状態が発生する)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5301で否定判別された場合、すなわち、少なくとも低確率状態においては大当たり状態が発生しない(外れとなる可能性がある)場合には、ステップS5302において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れリーチ」に対応する値「0、1」のどちらかと一致するか否かを判別する。ステップS5302で肯定判別された場合には、ステップS5303において、前後外れリーチの発生を示す前後フラグをオンにした後、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアの他に、別途前後フラグを設けているわけではなく、リーチ乱数記憶エリアに「前後はずれリーチ」である旨の情報を記憶する(上書きする)構成となっている。上記のように、リーチ乱数記憶エリアは1バイトを使用しており、当該ステップS5303では、リーチ乱数記憶エリアに対して例えば「10101010」が設定される。尚、本実施形態では、便宜上、リーチ乱数記憶エリアに対して当該設定がなされることを、前後フラグをオンにすることと称して説明する。
一方、ステップS5302で否定判別された場合には、ステップS5304において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れ以外リーチ」に対応する値「2~21」のいずれかと一致するか否かを判別する。当該ステップS5304で肯定判別された場合には、ステップS5305において前後以外フラグをオンにした後、本処理を終了する。尚、ここで前後以外フラグをオンにするとあるのは、リーチ乱数記憶エリアに対して例えば「11001100」が設定されることを意味する。
また、ステップS5304で否定判別された場合、すなわち、リーチ状態を経ることなく変動表示が終了する「完全外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。尚、リーチ判定処理においてリーチ乱数記憶エリアに設定されるパターン(「1」、「0」の組合わせ)は、変動選択カウンタC3の値をリーチ乱数記憶エリアに記憶する際には使用されないパターンである。
図13の説明に戻り、ステップS507に続くステップS508では、先発コマンドの設定処理を行う。尚、先発コマンドには、保留記憶された変動情報(変動表示の内容を決定するために使用される所定情報)が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bのどちらの入球を契機とするものかを示す情報とともに、当否判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理の結果を示す情報が含まれ、次回の外部出力処理(ステップS201参照)にてサブ制御装置262に出力される。
ステップS508の処理の後、又は、ステップS501、或いはステップS502で否定判別された場合には、ステップS509において、遊技球が第1始動入賞装置33に入賞したか否かを第1始動入賞スイッチ224aの検知情報により判別する。当該ステップS509で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、ステップS510において、第1始動入賞装置33aへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする第1保留カウンタNaの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。当該ステップS510で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS510で肯定判別された場合には、ステップS511に進み、第1保留カウンタNaを1インクメントする。
続くステップS512では、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3の各値を、特別変動保留エリアの空いている保留エリア(当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア)に格納する。ステップS512の後、ステップS513に移行する。
ステップS513では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判別する当否判定処理を行う。当否判定処理の詳細については既に上述している。
続くステップS514では、ステップS513で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別を判別する第1種別判定処理を行う。本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選にて大当たりに当選した場合と、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選にて大当たりに当選した場合とで、付与される大当たり種別の振分けが異なっている。
ここで、ステップS514の第1種別判定処理について、図15を参照して説明する。先ず、ステップS5201では、直前に行われた当否判定処理にて、第1又は第2当否フラグがオン設定されたか否かを判別する。ステップS5201で否定判別された(大当たり状態の発生する可能性がない)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5201で肯定判別された(大当たり状態の発生する可能性がある)場合には、ステップS5202において、第1種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が、「16RS」に対応する値「0」と一致するか否かを判別する。ステップS5202で肯定判別された場合には、ステップS5203において16RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5202で否定判別された場合には、ステップS5204において、第1種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「8RN」に対応する値「12~17」のいずれかと一致するか否かを判別する。ステップS5204で肯定判別された場合には、ステップS5205において、8RNフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
また、ステップS5204で否定判別された場合には、ステップS5206において、第1種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「2RS」に対応する値「18、19」のどちらかと一致するか否かを判別する。ステップS5206で肯定判別された場合には、ステップS5207において、2RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。一方、ステップS5206で否定判別された場合には、ステップS5208において8RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
図13の説明に戻り、ステップS514に続くステップS515では、ステップS513で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値に基づいて、リーチの種別を判別するリーチ判定処理を行う。リーチ判定処理の詳細については既に上述している。
ステップS515の後、ステップS516において、先発コマンドの設定処理を行い、本処理を終了する。尚、本実施形態では、第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに遊技球が入球すると、当否乱数カウンタC1の値等が直接特別変動保留エリアに記憶され、その後、当否判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理が実行される構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、当否乱数カウンタC1の値等を取得した際にこれらのカウンタ値を一時的に記憶する仮記憶エリア(作業エリア)を設け、当該仮記憶エリアに記憶された情報に関し、当否判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理を実行した後、対応する特別変動保留エリアの保留エリアに記憶する構成を採用してもよい。
次に、ステップS305のスルーゲート通過処理について図18のフローチャートを参照して説明する。ステップS601では、遊技球がスルーゲート34を通過したか否かをスルーゲートスイッチ225の検出情報により判別する。ステップS601で否定判別された場合、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS601にて肯定判別された場合、すなわち、遊技球がスルーゲート34を通過したと判別されると、ステップS602において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の保留数をカウントする普通保留カウンタNcの値が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS602で肯定判別された場合、すなわち、スルーゲート34への遊技球の通過が確認され、且つ、普通保留カウンタNcの値<4であることを条件にステップS603に進み、普通保留カウンタNcを1インクリメントする。
また、続くステップS604では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタC4の値を、RAM503の普通変動保留エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、スルーゲート通過処理を終了する。
図12は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS401において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図12のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図9のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS102では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS103では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS112へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS104で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS112へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS105でRAM判定値を算出し、続くステップS106では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS112へ移行する。
ステップS112の処理では、サブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS113等)に移行する。つまり、ステップS113ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS114ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップS103:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS107では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS108では、電源断の発生情報をクリアする。
ステップS109では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信する。ステップS110では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図10のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201~S211の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS212,ステップS213のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップS201では、前回の通常処理で更新された特別表示装置43L、43Rや始動入賞ユニット33等の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信したりする外部出力処理を実行する。
例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンド、図柄コマンド等をサブ制御装置262に送信する。つまり、変動パターンコマンドや図柄コマンドは、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて行われる表示に合わせた表示演出を装飾図柄表示装置42にて行わせるためにサブ制御装置262に出力されるコマンドである。これに対し、変動パターンコマンド、図柄コマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の変動態様(変動時間や演出態様など)を決定し、該変動態様を装飾図柄表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
便宜上、ここで変動パターンコマンド等について説明する。変動パターンコマンドには、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチといった装飾図柄の変動種別を特定する情報が含まれている。尚、変動パターンコマンド等についても本来2バイトの2進数(保留情報コマンドと同様の出力方法)であるが、便宜上4ビット毎の16進数で示す。本実施形態では、例えば通常モード及び潜確モード時には「FF10」、「FF11」、「FF12」、「FF13」、「FF14」、「FF15」、「FF16」のうちのいずれかが変動パターンコマンドとして設定される。また、確変モード時及び時間短縮モード時には、「FD10」、「FD11」、「FD12」、「FD13」、「FD14」、「FD15」、「FD16」が設定される。一方、サブ制御装置262には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動種別との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドに基づいて、変動表示の演出パターン等を決定し、表示制御装置45や音声等の制御を行う。
以下、装飾図柄の変動種別、及び、変動種別と変動パターンコマンドとの対応関係について説明する。
ノーマルリーチは、装飾図柄の変動以外には特段の演出表示がされないリーチパターンである。そして、ノーマルリーチに対応する変動パターンコマンドにはモードに応じて「FF11」又は「FD11」が設定される。尚、確変モード時及び時間短縮モード時においては、各種リーチとなる場合においても、通常モード及び潜確モード時に比べ、変動表示時間が短縮されている。例えば、ノーマルリーチが導出される変動表示時間は、通常モード及び潜確モード時には「15秒」、確変モード時及び時間短縮モード時には「10秒」となっている。
スーパーリーチは、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、装飾図柄表示装置42にキャラクタ等が表示され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態では、スーパーリーチとして、スーパーリーチSR1、SR2、SR3の3種類が用意されており、スーパーリーチの種別毎に変動表示時間が異なっている。そして、スーパーリーチSR1ならば「FF12」又は「FD12」が変動パターンコマンドに設定され、スーパーリーチSR2ならば「FF13」又は「FD13」が設定され、スーパーリーチSR3ならば「FF14」又は「FD14」が設定される。
プレミアムリーチは、大当たり状態が発生する際にのみ導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態のプレミアムリーチには、プレミアムリーチPR1、PR2の2種類が用意されており、プレミアムリーチの種別毎に変動表示時間が異なっている。そして、プレミアムリーチPR1ならば「FF15」又は「FD15」が変動パターンコマンドに設定される。プレミアムリーチPR2ならば「FF16」又は「FD16」が設定される。
加えて、いずれのリーチ状態にもならない「完全外れ」に対応する変動パターンコマンドにはモードに応じて「FF10」又は「FD10」が変動パターンコマンドに設定される。本実施形態では、完全外れとなる変動表示時間は通常モード及び潜確モード時「10秒」、確変モード及び時間短縮モード時「6秒」に設定されている。
また、サブ制御装置262は、図柄コマンドに基づき停止図柄(停止図柄の組合わせ)を決定して、変動時間経過後に表示する。図柄コマンドは、サブ制御装置262に停止図柄を決定させるコマンドであり、確変大当たり図柄の組合わせ、通常大当たり図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせという5つの区分を指定するものである。これらの区分は、例えば、「AA11」、「AA12」、「AA13」、「AA14」、「AA15」で示され、この内のいずれかが図柄コマンドとして設定される。一方、サブ制御装置262には、これらのコマンドと停止図柄との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに対応する図柄の組合わせを停止表示する。
以下、停止図柄の区分、及び、停止図柄と図柄コマンドとの対応関係について説明する。遊技球の増加が望める確変大当たり(「16RS」及び「8RS」のこと。以下、「出玉有り確変大当たり」とも称する)に当選した場合、或いは、遊技球の増加が望める通常大当たり(「8RN」のこと。以下、「出玉有り通常大当たり」とも称する)に当選した場合には、装飾図柄表示装置42において、数字柄の付された装飾図柄がゾロ目となる組合わせで停止表示されることとなる。本実施形態では、「出玉有り確変大当たり」の場合には、1,3,5,7,9のいずれかの奇数のゾロ目からなる装飾図柄の組合わせである確変大当たり図柄、又は、2,4,6,8のいずれかの偶数のゾロ目からなる装飾図柄の組合わせである通常大当たり図柄のどちらかの組合せで変動表示が停止表示され、「出玉有り通常大当たり」の場合には、通常大当たり図柄の組合わせで変動表示が停止表示されることとなる。
そして、出玉有り確変大当たりの場合には図柄コマンドに「AA11」が設定され、出玉有り通常大当たりの場合には図柄コマンドに「AA12」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに「AA11」が設定されている場合、1~9のいずれかのゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定し、「AA12」が設定されている場合、2,4,6,8のいずれかのゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
前後外れ図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものであり、前後外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「AA13」が設定される。本実施形態では、「2RS」、「2RN」、及び、「小当たり」に対応する停止態様についても、前後外れ図柄の組合わせとなる。前後外れ以外図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものであり、前後外れ以外図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「AA14」が設定される。完全外れ図柄の組合わせは、リーチすら発生しない「完全外れ」に対応するものであり、完全外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「AA15」が設定される。本実施形態では、装飾図柄表示装置42にて前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせが停止表示された場合、「外れ」となる。
なお、詳しくは後述するが、図柄コマンドに「AA13」~「AA15」が設定されている場合、サブ制御装置262は、対応するRAM553のカウンタ用バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。尚、本実施形態では、外れ用の図柄コマンドに「AA13」~「AA15」の3つのコマンドを用意しているが、これに限らず、例えば外れ用の図柄コマンドが1種類だけであって、サブ制御装置262で装飾図柄の組合わせを決定する構成としてもよい。
図10の説明に戻り、ステップS202では、変動種別カウンタCS1、CS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタCS1、CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では59、37)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1、CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップS204では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
その後、ステップS205では、特別表示制御処理を実行する。この処理では、第1及び第2特別表示装置43L、43Rに関する制御が行われると共に、大当たりの判定や特別表示装置43L、43R及び装飾図柄表示装置42における変動表示の設定などが行われる。この特別表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS206では、第1可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、第1可変入賞装置32aに関する制御が行われる。本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選にて当選した場合に、第1可変入賞装置32aが開放される大当たり状態又は小当たり状態が導出されるようになっている。この第1可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS207では、第2可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、第2可変入賞装置32bに関する制御が行われる。本実施形態では、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選にて当選した場合に、第2可変入賞装置32bが開放される大当たり状態又は小当たり状態が導出されるようになっている。この第2可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS208では、普通表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41に関する制御が行われる。この普通表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS209では、始動入賞装置制御処理を実行する。この処理では、始動入賞ユニット33に関する制御が行われる。この始動入賞装置制御処理の詳細は後述する。
その後は、ステップS210において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS211で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1、CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS212、ステップS213)。
つまり、ステップS212では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では599)に達した際0にクリアする。
また、ステップS213では、変動種別カウンタCS1、CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1、CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本例では59、37)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1、CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201~S210の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち当否乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1、CS2についてもランダムに更新することができる。
また、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップS210:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS214以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS214において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS215において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS216において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。
その後、ステップS217において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS218でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS219でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS210の処理は、ステップS201~S209で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS212、S213の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS214)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップS205の特別表示制御処理について図19のフローチャートを参照して説明する。先ず、ステップS801では、詳しくは後述する当たり状況記憶エリアを参照し、今現在、大当たり状態又は小当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。尚、大当たり状態中には、特定表示装置43L、43Rにおいて大当たりに対応する表示態様が停止表示されてから第1又は第2可変入賞装置32a、32bが開放されるまでの間のオープニング期間と、第1又は第2可変入賞装置32a、32bが開状態とされるラウンド期間と、第1又は第2可変入賞装置32a、32bが閉状態とされるインターバル期間と、最終ラウンドの後、特別表示装置43L、43Rの変動表示が開始可能となるまでのエンディング期間とがある。小当たり状態中には、特別表示装置43L、43Rにおいて小当たりに対応する表示態様が停止表示されてから第1又は第2可変入賞装置32a、32bが開放されるまでの間のオープニング期間と、第1又は第2可変入賞装置32a、32bが開状態とされるラウンド期間と、第1又は第2可変入賞装置32a、32bが閉状態とされるインターバル期間と、最終ラウンドの後、特別表示装置43L、43Rの変動表示が開始可能となるまでのエンディング期間とがある。
本実施形態の当たり状況記憶エリアは、大当たり状態や小当たり状態以外の状態のときには「0」が記憶されており、大当たり状態や小当たり状態においては、オープニング期間及びインターバル期間のときに「1」、ラウンド期間のときに「2」、エンディング期間のときに「3」が記憶されている。すなわち、当該ステップS801では、当たり状況記憶エリアに「0」が記憶されているか否かを判別して、大当たり状態中や小当たり状態中であるか否かを判別する。尚、当たり状況記憶エリアに「0」~「3」等の数値が記憶されているとあるのは便宜上のことで、実際には当たり状況記憶エリアは2バイトを使用している。
ステップS801で否定判別された場合、すなわち大当たり状態又は小当たり状態中である場合には、そのまま本処理を終了する、一方、ステップS801で肯定判別された場合には、ステップS802において、詳しくは後述する特図表示中フラグの設定状況を見て、第1又は第2特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)にて変動表示中であるか否かを判別する。詳しくは、特図表示中フラグがオン状態の場合には変動表示中とみなされ、特図表示中フラグがオフ状態の場合には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。尚、詳しくは後述するが、特図表示中フラグは、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示を開始する際にオンにされ、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示が停止表示される際にオフにされる。
そして、ステップS802で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態又は小当たり状態中でなくさらに変動表示中でもない場合には、ステップS803に進み、第2始動入賞装置33bへの入球を契機とする変動表示(第2変動表示)の保留数をカウントする第2保留カウンタNbの値が0よりも大きいか否かを判別する。
ステップS803で肯定判別された場合、すなわち、第2変動表示が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS804において、第2保留カウンタNbから1を減算する。尚、本実施形態では、ステップS803の判別処理により、第2変動表示が保留記憶されている場合には、第1変動表示を実行することなく第2変動表示を実行することとなる。つまり、第2変動表示よりも第1変動表示の方が早くに保留記憶された場合であっても、第2変動表示を優先して消化する(第1変動表示を後回しにする)構成となっている。
続くステップS805では、第2特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2特別変動保留エリアの保留第1~第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップS805の後、ステップS806において、変動特定ランプ40を赤色に発光させる処理を行う。その後、ステップS807において、詳しくは後述する変動表示設定処理を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS803で否定判定された場合、すなわち、第2変動表示が1つも保留記憶されていない場合には、ステップS808において、第1始動入賞装置33aへの入球を契機とする変動表示(第1変動表示)の保留数をカウントする第1保留カウンタNaが0よりも大きいか否かを判別する。当該ステップS808で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS808で肯定判別された場合には、ステップS809において、第1保留カウンタNaから1を減算する。続くステップS810では、第1特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1特別変動保留エリアの保留第1~第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップS810の後、ステップS811において、変動特定ランプ40を青色に発光させる処理を行う。その後、ステップS807において変動表示設定処理を行ってから、本処理を終了する。尚、本実施形態では、特別変動保留エリアの実行エリアは1つであり、第1特別変動保留エリア及び第2特別変動保留エリアに格納されているデータは、当該データに基づく変動表示を行う際に、共通の実行エリアにシフトされることとなる。
ここで、ステップS807の変動表示設定処理の詳細について、図20を参照して説明する。
先ず、ステップS901では、詳しくは後述するモード記憶エリアを参照し、高確率状態(確変モード又は潜確モード)であるか否かを判別する。尚、モード記憶エリアには、遊技モードを判別するための判別情報が記憶されている。本実施形態では、モード記憶エリアには、「11」、「12」、「21」、「22」のいずれかの値が記憶されており、「11」は通常モードに対応し、「12」は時間短縮モードに対応し、「21」は確変モードに対応し、「22」は潜確モードに対応している。つまり、当該ステップS901では、モード記憶エリアに「21」又は「22」が記憶されているか否かを判別することで、高確率状態であるか否かを判別している。
ステップS901で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態(確変モード、潜確モード)である場合には、ステップS902において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌して、第1又は第2当否フラグ(図14の当否判定処理参照)のどちらかがオン設定されているか否かを判別する。当該ステップS902で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態において当否抽選にて大当たりに当選したと判別された場合には、ステップS904に移行する。
また、ステップS901で否定判別された場合、すなわち低確率状態(通常モード、時間短縮モード)である場合には、ステップS903において、当否乱数記憶エリアを参酌し、第1当否フラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS903で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態において当否抽選にて大当たりに当選したと判別された場合には、ステップS904に移行する。
ステップS904では、大当たり状態の発生を確定させたことを示す大当たり確定フラグをオン設定する。尚、本実施形態では、当否乱数記憶エリアに対して、大当たり状態の発生を確定させたことに対応する値を記憶させることを、大当たり確定フラグをオン設定することと称している。
続くステップS905では、特別変動保留エリアの実行エリアの変動記憶エリアを参酌して、第2変動フラグがオン設定されているか否か、すなわち、この度行われる変動表示が、第2始動入賞装置33bへの入球を契機とする当否抽選の結果を教示するための第2変動表示であるか否かを判別する。ステップS905で肯定判別された場合には、ステップS906において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌して、16RSフラグ(図15、図16の種別判定処理参照)がオン設定されている否かを判別する。
ステップS906で肯定判別された場合、すなわち「16RS」である場合には、ステップS907にて16RSパターン設定処理(変動パターンコマンド及び図柄コマンドを設定する処理)を行う。16RSパターン設定処理は、「16RS」の発生を教示するための変動表示を実行させるための処理であり、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1、CS2の値に基づいて、特別表示装置43L、43Rや装飾図柄表示装置42の変動パターン(変動表示時間、演出パターン等)を決定し、当該決定や各種フラグ等に基づいて、変動パターンコマンド及び図柄コマンドの設定等を行う。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。ステップS907の後、後述するステップS931に移行する。
また、ステップS906で否定判別された場合には、ステップS908において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌して、8RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS908で肯定判別された場合、すなわち「8RS」である場合には、ステップS909にて8RSパターン設定処理を行う。ステップS909の後、ステップS931に移行する。
一方、ステップS908で否定判別された場合には、ステップS910において、2RN30フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS910で肯定判別された場合には、ステップS911において2RN30パターン設定処理を行う。ステップS911の後、ステップS931に移行する。
さらに、ステップS910で否定判別された場合には、ステップS912において、2RN60フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS912で肯定判別された場合には、ステップS913において2RN60パターン設定処理を行う。ステップS913の後、ステップS931に移行する。
加えて、ステップS912で否定判別された場合、すなわち、2RN90フラグがオン設定されている場合には、ステップS914において2RN90パターン設定処理を行う。ステップS914の後、ステップS931に移行する。
また、ステップS905で否定判別された場合、すなわち、この度行われる変動表示が、第1始動入賞装置33aへの入球を契機とする当否抽選の結果を教示するための第1変動表示である場合には、ステップS915において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌して、16RSフラグがオン設定されている否かを判別する。
ステップS915で肯定判別された場合には、ステップS916にて16RSパターン設定処理を行う。ステップS916の後、後述するステップS931に移行する。
また、ステップS915で否定判別された場合には、ステップS917において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌して、8RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS917で肯定判別された場合、すなわち「8RS」である場合には、ステップS918にて8RSパターン設定処理を行う。ステップS918の後、ステップS931に移行する。
一方、ステップS917で否定判別された場合には、ステップS919において、8RNフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS919で肯定判別された場合には、ステップS920において8RNパターン設定処理を行う。ステップS920の後、ステップS931に移行する。
さらに、ステップS919で否定判別された場合、すなわち、2RSフラグがオン設定されている場合には、ステップS921において2RSパターン設定処理を行う。ステップS921の後、ステップS931に移行する。
また、ステップS902で否定判別された場合、すなわち、高確率状態において大当たりに当選しなかった場合には、ステップS922において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌し、第1又は第2小当たりフラグがオン設定されているか否かを判別する。当該ステップS922で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態において当否抽選にて小当たりに当選したと判別された場合には、ステップS923において、小当たり状態の発生を確定させたことを示す小当たり確定フラグをオン設定する。尚、本実施形態では、当否乱数記憶エリアに対して、小当たり状態の発生を確定させたことに対応する値を記憶させることを、小当たり確定フラグをオン設定することと称している。その後、ステップS924において、小当たりパターン設定処理を行ってから、ステップS931に移行する。
また、ステップS903で否定判別された場合、すなわち、低確率状態において大当たりに当選しなかった場合には、ステップS925において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌し、第1小当たりフラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS925で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態において当否抽選にて小当たりに当選したと判別された場合には、ステップS923にて小当たり確定フラグをオン設定し、ステップS924にて小当たりパターン設定処理を行ってから、ステップS931に移行する。
一方、ステップS922又はステップS925で否定判別された場合、すなわち、大当たりでも小当たりでもない場合には、ステップS926において、特別変動保留エリアの実行エリアのリーチ乱数記憶エリアを参酌し、前後フラグ(図17のリーチ判定処理参照)がオンであるか否かを判別する。ステップS926で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れリーチ」である場合には、ステップS927にて前後リーチパターン設定処理を行った後、ステップS931へ移行する。
また、ステップS926で否定判別された場合には、ステップS928において、特別変動保留エリアの実行エリアのリーチ乱数記憶エリアを参酌し、前後以外フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS928で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れ以外リーチ」である場合には、ステップS929にて前後以外リーチパターン設定処理を行った後、ステップS931へ移行する。
また、ステップS928で否定判別された場合には、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップS930において外れ変動パターン設定処理を行った後、ステップS931に移行する。
ステップS931では、特別表示装置43L、43Rにて変動表示中であるか否かを示す特図表示中フラグをオン設定する。これにより、特別表示装置43L、43Rにおいて切替表示(変動表示)を行う条件が成立したことが示される。続くステップS932では、特別表示装置43L、43Rにおける変動時間(変動表示の残余時間)を計測する特図表示タイマの設定処理を行う。当該特図表示タイマは、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。
尚、本実施形態における特別表示装置43L、43Rの変動表示時間は、上記変動種別カウンタCS1、CS2により選出される変動パターンに対応した値が設定される。このような特図表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し切替表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、特別表示装置43L、43Rにおいて切替表示(変動表示)が開始される。また、変動パターンコマンド及び図柄コマンドを受信したサブ制御装置262は、特別表示装置43L、43Rの変動開始と同時に、変動パターンコマンドに基づいて装飾図柄表示装置42において変動表示を開始させ、特別表示装置43L、43Rの停止表示と同時に、図柄コマンドに基づいた図柄の組み合わせにて装飾図柄表示装置42における変動表示を停止表示させる。ステップS932の終了後、変動表示設定処理を終了する。
尚、本実施形態では、始動入賞処理において、ステップS504、S512の当否乱数カウンタC1の値を取得して特別変動保留エリアに記憶する処理と、ステップS505、513の当否判定処理と、変動表示設定処理において、当否フラグ及び小当たりフラグと、そのときの状況とに基づいて当否を判別するステップS901~S903、S922、S925の処理とによって当否抽選が構成される。
図19の説明に戻り、ステップS802で肯定判別された場合、すなわち変動表示中である場合には、ステップS812に進み、特図表示タイマの減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に特図表示タイマの値が4msec分ずつ減算されていく。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には、特図表示タイマに対して「2500」が設定され、4msec毎に1減算される。
続いてステップS813に進み、上記減算後の特図表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち特図表示タイマの値が「0」となった時にステップS813が肯定判別される。
ステップS813で否定判別された場合には、ステップS817において、特別表示装置43L、43Rの切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、特別表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に特別表示装置43L、43Rの切替表示(変動表示)が実現される。
一方、ステップS813で肯定判別された場合には、ステップS814において特図表示中フラグをオフし、ステップS815において特別表示装置43L、43Rにて停止表示を行うための停止表示設定を行う。この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、42Rに対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、各大当たり種別や外れ等に対応する停止態様で停止表示させる。また、サブ制御装置262にも装飾図柄表示装置42の停止表示を行う旨の制御信号が出力される。これにより、特別表示装置43L、42R及び装飾図柄表示装置42の停止タイミングの同期が確実に図られる。但し、装飾図柄表示装置42の停止態様については変動表示の開始時に出力された図柄コマンドや変動パターンコマンドによって既にサブ制御装置262で決定されているため、再度装飾図柄表示装置42の停止態様に関する情報を付加する必要はない。また、繰り返しとなるが、このような特別表示装置43L、43Rによる停止表示が主となる表示であり、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の表示はあくまでも補助的なもの(演出用)となっている。
続いて、ステップS816において、当たり状態の初期設定や時間短縮モードの期間を計るための判別情報設定処理を行った後、本処理を終了する。ここで、判別情報設定処理について、図21を参照して説明する。
先ず、ステップS1001において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参照し、大当たり確定フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1001で肯定判別された場合には、ステップS1002において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌し、16RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1002で肯定判別された場合、ステップS1003において、大当たり状態中に実行されるラウンドの回数(可変入賞装置32の開放回数)を判別するためのラウンド数カウンタに「16」を設定する。一方、ステップS1002で否定判別された場合には、ステップS1004において、2RSフラグ又は2RNフラグ(2RN30、2RN60、2RN90)がオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1004で否定判別された場合、すなわち、8RSフラグ又は8RNフラグがオン設定されている場合には、ステップS1005において、ラウンド数カウンタに「8」を設定する。ステップS1003、又は、ステップS1005の後、ステップS1006に移行する。
ステップS1006では、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。続くステップS1007では、当たり状態中の制御(第1及び第2可変入賞装置32a、32bの開閉制御)に用いられる特別可変タイマに対して、例えば8秒のオープニング期間に対応する値「2000」を設定する。続いて、ステップS1008では、第1及び第2可変入賞装置32a、32bに入球した遊技球の数をカウントするための入賞カウンタに対して、1ラウンドあたりの最大入球個数である8個を示す「8」を設定する。尚、入賞カウンタの値は、タイマ割込み処理のスイッチ読み込み処理(図11参照)に際して、第1及び第2可変入賞装置32a、32bへの入球があったか否かを第1及び第2カウントスイッチ223a、223bの検知情報により判別し、第1及び第2可変入賞装置32a、32bへの入球があったと判別されると1減算される。
それから、ステップS1009では、サブ制御装置262に対して当たり状態の開始を伝えるためのオープニングコマンドを設定する。当該オープニングコマンドには、当たり種別の情報等が含まれ、サブ制御装置262でも当たり状態の全ラウンド数等が把握できるようになっている。ステップS1009の後、本処理を終了する。
尚、大当たり状態において見た目の大当たり種別の昇格の演出等(例えば、装飾図柄表示装置42で偶数のゾロ目が停止表示された場合に、直後の大当たり状態中において「8RS」又は「16RS」に当選したことを教示したり、装飾図柄表示装置42で奇数のゾロ目が停止表示された場合に、直後の大当たり状態中において「16RS」に当選したことを教示したりする)を行うこととしてもよい。
また、ステップS1001で否定判別された場合、すなわち、大当たりではないと判別された場合には、ステップS1010へ移行する。ステップS1010では、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌し、小当たり確定フラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1010で肯定判別された(小当たりである)場合、又は、ステップS1004で肯定判別された(「2RS」又は「2RN」である)場合には、ステップS1011において、ラウンド数カウンタに「2」を設定する。ステップS1011の後、ステップS1012では、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。続くステップS1013において、特別可変タイマに対して、例えば2秒のオープニング期間に対応する値「5000」を設定し、ステップS1014において、入賞カウンタに対して「8」を設定し、ステップS1015において、オープニングコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、大当たり及び小当たりのどちらでもなくて、ステップS1010にて否定判別された場合には、ステップS1016において、モード記憶エリアに「12」が記憶されているか否か、すなわち、時間短縮モードであるか否かを判別する。ステップS1016で否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1016で肯定判別された場合には、ステップS1017において、時間短縮モードの継続期間を計測するため変動回数カウンタの値を1減算する。詳しくは後述するが、本実施形態では、「8RN」、「2RN30」、「2RN60」、「2RN90」の大当たり状態終了時において、それぞれ変動回数カウンタに対し、時間短縮モードの期間に相当する変動表示の回数が設定され、特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)の変動表示が1回行われる毎に当該ステップS1010において1減算される。
続くステップS1018では、変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1018で否定判別された場合、すなわち、当たり状態の終了度に、時間短縮モードの期間として設定された規定回数分の特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)の変動表示が未だ行われていない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1018で肯定判別された場合には、ステップS1019において、モード記憶エリアに対し、通常モードであることを示す「11」を設定する。すなわち、特別表示装置43L、43Rにおいて変動表示が規定回数行われた時点で時間短縮モードが終了し、通常モードへと移行するようになっている。当該ステップS1019の後、ステップS1020において、サブ制御装置262に対して時間短縮モードの終了を知らせる時短終了コマンドの設定を行ってから、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、小当たり状態の初期設定を行う処理と、2RS及び2RNの大当たり状態の初期設定を行う処理とが共通化されているが、別々に行うこととしてもよい。
次に、上記ステップS206の第1可変入賞装置32aを開閉させるための第1可変入賞装置制御処理について図22のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS1201では、当たり状況記憶エリアに設定されている値が「0」であるか否かを判別することで、大当たり状態及び小当たり以外の状態であるか否かを判別する。ステップS1201で肯定判別された場合、すなわち、大当たり状態や小当たり状態ではない場合には、そのまま本処理を終了する。ちなみに、大当たり状態や小当たり状態の開始時にあっては、上記判別情報設定処理にて当たり状況記憶エリアに「1」が設定されている。
一方、ステップS1201で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態又は小当たり状態中である場合(当たり状況記憶エリアに「1」~「3」のいずれかが設定されている場合)にはステップS1202において、特別変動保留エリアの実行エリアにおいて第1変動フラグがオンされているか否かを判別する。ステップS1202で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1202で肯定判別された場合には、ステップS1203に移行し、特別可変タイマの値を1減算する。ちなみに、大当たり状態や小当たり状態の開始時にあっては、判別情報設定処理にて特別可変タイマに「2000」又は「500」が設定されている。
続くステップS1204では、特別可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1204で肯定判別された場合には、ステップS1205において、当たり状況記憶エリアにおいて「1」が設定されているか否かを判別する。
ステップS1205で肯定判別された場合には、ステップS1206において、当たり状況記憶エリアに対して「2」を設定する。続くステップS1207では、出玉有り大当たりであるか否かを判別する。ここでは、第1始動入賞装置33aへの入球を契機として行われる当否抽選にて当選した場合に付与され得る出玉有り大当たりである「16RS」、「8RS」、「8RN」のいずれかであるか否か(「2RS」以外であるか否か)が判別される。
ステップS1207で肯定判別された場合には、ステップS1208において、特別可変タイマに対して、第1可変入賞装置32aの開状態を維持する時間(30秒)に対応する値「7500」を設定する。一方、ステップS1207で否定判別された場合には、ステップS1209において、特別可変タイマに対して、第1可変入賞装置32aの開状態を維持する時間(0.4秒)に対応する値「100」を設定する。
ステップS1208、又は、ステップS1209の後、ステップS1210では、第1可変入賞装置32aを開状態とさせる処理を行い、ステップS1211では、サブ制御装置262に対してラウンドを開始する旨の情報を伝えるラウンドコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1205で否定判別された場合には、ステップS1212において当たり状況記憶エリアにおいて「3」が設定されているか否かを判別する。尚、詳しくは後述するが、大当たり状態又は小当たり状態における全ラウンドが終了し、エンディング期間が開始される際に、当たり状況記憶エリアに対して「3」が設定されることとなる。ステップS1212で否定判別された場合、すなわち、未だ大当たり状態又は小当たり状態を終了させる時期ではない場合には、ステップS1213においてラウンド数カウンタの値を1減算する。
続くステップS1214では、ラウンド数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1214で否定判別された場合、すなわち、未だ実行するべきラウンドが残されている場合には、ステップS1215に移行し、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。その後、ステップS1216において、出玉有り大当たりであるか否かを判別する。
ステップS1216で肯定判別された場合には、ステップS1217において、特別可変タイマに対してインターバルの時間(4秒)に対応する値「1000」を設定する。一方、ステップS1216で否定判別された場合には、ステップS1218において、特別可変タイマに対してインターバルの時間(1秒)に対応する値「250」を設定する。
ステップS1217、又は、ステップS1218の後、ステップS1219において、入賞カウンタに対して「8」を設定する。さらに、ステップS1220において、第1可変入賞装置32aを閉状態とさせる処理を行い、ステップS1221において、サブ制御装置262に対してインターバルを開始する旨の情報を伝えるインターバルコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1204で否定判別された場合、すなわち、第1可変入賞装置32aの開状態又は閉状態を維持するべき時間(開放時間又は閉鎖時間)が残っている場合には、ステップS1222に移行し、第1可変入賞装置32aへの入球個数を計測する入賞カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。尚、入賞カウンタには、大当たり状態又は小当たり状態の開始時及びインターバルの開始時において、1回のラウンドあたりの入賞数の上限(規定個数)である「8」が設定される。そして、第1可変入賞装置32aに遊技球が1つ入球する毎に1減算される。
ステップS1222で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1222で肯定判別された場合、すなわち、ラウンドの設定期間の経過を待たずにラウンドの終了契機が訪れた場合には、上記ステップS1213に移行する。これにより、1回のラウンド中に可変入賞装置32に対して遊技球が8個入球した場合には、開放期間30秒が経過していなくてもその時点で速やかにラウンドが終了することとなる。
また、ステップS1214で肯定判別された場合、すなわち、大当たり状態又は小当たり状態における全ラウンドが消化された場合には、ステップS1223に移行し、当たり状況記憶エリアに対して「3」を設定する。ステップS1223の後、ステップS1224において、出玉有り大当たりであるか否かを判別する。ステップS1224で肯定判別された場合には、ステップS1225において、特別可変タイマに対してエンディングの時間(10秒)に対応する値「2500」を設定する。一方、ステップS1224で否定判別された場合には、ステップS1226において、特別可変タイマに対してエンディングの時間(1秒)に対応する値「250」を設定する。
ステップS1225、又は、ステップS1226の後、ステップS1227において、入賞カウンタに対して「7」を設定する。尚、ステップS1222で肯定判別された後の流れでステップS1223以降のエンディングを設定する処理が行われる場合、入賞カウンタの値は「0」になっている。そして、エンディング期間の開始時に入賞カウンタの値をそのまま「0」にしておくと、4msec後の第1可変入賞装置制御処理において、いきなりステップS1222で肯定判別されてしまい、エンディング期間を全うさせることができない。このため、ステップS1227で入賞カウンタに対して「0」以外の仮の数値(本例では「7」)を入れておくことで、エンディング期間を全うさせるようになっている。勿論、別の方法で、エンディング期間を全うさせるように構成してもよい。
ステップS1227の後、ステップS1228では、第1可変入賞装置32aを閉状態とさせる処理を行い、続くステップS1229では、サブ制御装置262に対してエンディングを開始する旨の情報を伝えるエンディングコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1212で肯定判別された場合、すなわち、エンディング期間が終了して大当たり状態を終了させる時期が到来した場合には、ステップS1230に移行し、終了設定処理を行う。終了設定処理では、モード記憶エリアの設定や変動回数カウンタの設定が行われる。
ここで、終了設定処理について、図23を参照して説明する。先ず、ステップS1401では、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌し、小当たり確定フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1401で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1401で否定判別された場合には、ステップS1402において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参照し、8RNフラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1402で肯定判別された場合には、ステップS1403において、モード記憶エリアに時間短縮モードに対応する値「12」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に時間短縮モードが付与されることとなる。
続くステップS1404では、変動回数カウンタに対して「90」を設定する。尚、変動回数カウンタとは、モード記憶エリアに「12」が設定される際、すなわち、時間短縮モードが開始される際に時間短縮モードの期間として設定される規定回数分の変動表示が全うされたことを把握するためのものである。ステップS1404の後、本処理を終了する。
また、ステップS1402で否定判別された場合、ステップS1405において、実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参照し、2RN90フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1405で肯定判別された場合、8RNフラグがオン設定されている場合と同様に、ステップS1403に移行する。
一方、ステップS1405で否定判別された場合には、ステップS1406において、2RN60フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1406で肯定判別された場合には、ステップS1407において、モード記憶エリアに「12」を設定し、ステップS1408において、変動回数カウンタに対して「60」を設定してから、本処理を終了する。
さらに、ステップS1406で否定判別された場合には、ステップS1409において、2RN30フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1409で肯定判別された場合には、ステップS1410において、モード記憶エリアに「12」を設定し、ステップS1411において、変動回数カウンタに対して「30」を設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS1409で否定判別された場合には、ステップS1412において、2RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1412で肯定判別された場合には、ステップS1413において、モード記憶エリアに「22」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に潜確モードが付与されることとなる。その後、本処理を終了する。
一方、ステップS1412で否定判別された場合には、ステップS1414において、モード記憶エリアに「21」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に確変モードが付与されることとなる。その後、本処理を終了する。
図22の説明に戻り、ステップS1230の後、ステップS1231において、当たり状況記憶エリアに対して大当たり状態及び小当たり状態ではないことを示す「0」を設定する。その後、ステップS1232において、サブ制御装置262に対して大当たり状態又は小当たり状態を終了する旨の情報を伝える当たり終了コマンドを設定してから、本処理を終了する。尚、当たり終了コマンドには、上記終了設定処理で設定された遊技モードや変動回数カウンタの回数情報等が含まれている。
尚、通常処理(図10参照)のステップS207の第2可変入賞装置制御処理は、基本的に、第1可変入賞装置制御処理に対し、開閉制御の対象が第2可変入賞装置32bになり、第2変動フラグがオン設定されている場合に実行され、出玉有り大当たりであるか否かの判別に際して16RS又は8RSであるか否かを判別する点が異なるだけであるので、その説明を省略する。
次に、前記ステップS208の普通表示制御処理について図24のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS2101では、普通図柄表示装置41にて変動表示中であるか否かを示す普図表示中フラグがオンであるか否かを判別する。尚、普図表示中フラグがオンである場合には普通図柄表示装置41において変動表示中であるとみなされる。
ステップS2101で否定判別された場合には、ステップS2102に進み、普通保留カウンタNcの値が0よりも大きいか否かを判別する。このとき、普通保留カウンタNcの値が0である場合には、そのまま本処理を終了する。
また、ステップS2102で否定判別された場合、すなわち、普通図柄の変動表示が1つも保留されていない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS2102で肯定判別された場合には、ステップS2103において、普通保留カウンタNcから1を減算する。
続くステップS2104では、普通変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、普通変動保留エリアの保留第1~第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS2105では、普通図柄表示装置41における普通図柄の変動表示を設定し、開始させるための普図変動設定処理を実行する。
ここで、普図変動設定処理について、図25を参照して、説明する。先ず、ステップS2301では、普通図柄表示装置41における普通図柄の変動表示中であることを示す普図表示中フラグをオン設定する。続くステップS2302では、当たり状況記憶エリアを参照し、「0」が記憶されているか否か、すなわち、今現在、大当たり状態又は小当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。ステップS3202で肯定判別された場合、つまり、大当たり状態でも小当たり状態でもない場合には、ステップS2303において、モード記憶エリアに対し「12」、又は、「21」の値が記憶されているか否か、すなわち、高入球状態(時間短縮モード又は確変モード)であるか否かを判別する。
ステップS2303で肯定判別された場合には、ステップS2304において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する普図表示タイマに対し、普通図柄の変動表示時間を0.4秒にするべく「100」を設定する。
その後、ステップS2305において、普通変動保留エリアの実行エリアの普通図柄乱数カウンタC4が「0」であるか否かを判別する。尚、高入球状態では、「0~99」の範囲の値を取る普通図柄乱数カウンタC4の値が「1~99」の場合に当選となる。
ステップS2305で否定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bを開状態とするか否かの入球サポート抽選に当選した場合には、ステップS2306において、入球サポート抽選に当選したことを示す入球サポートフラグをオン設定する。ステップS2306の後、又は、ステップS2305で肯定判別された場合には、本処理を終了する。
また、ステップS2302、又は、ステップS2303で否定判別された場合、つまり、大当たり状態、小当たり状態、又は、低入球状態にある場合には、ステップS2307において、普図表示タイマに対し、普通図柄の変動表示時間を8秒にするために「2000」を設定する。さらに、ステップS2308において、普通変動保留エリアの実行エリアの普通図柄乱数カウンタC4が「1」であるか否かを判別する。尚、低入球状態では、「0~99」の範囲の値を取る普通図柄乱数カウンタC4の値が「1」の場合に当選となる。
ステップS2308で肯定判別された場合、すなわち、入球サポート抽選に当選した場合には、ステップS2309において、入球サポート抽選に当選したことを示す入球サポートフラグをオン設定する。ステップS2309の後、又は、ステップS2308で否定判別された場合には、本処理を終了する。
図24の説明に戻り、ステップS2105の後、本処理を終了する。尚、普図変動設定処理における設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し変動表示を開始する旨の制御信号が出力された場合には、普通図柄表示装置41において変動表示が開始される。上述したように普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を表示するように構成されており、表示されているのが「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え(変動)表示する。
また、ステップS2101で肯定判別された場合、すなわち、普通図柄表示装置41にて変動表示中である場合には、ステップS2106に進み、普図表示タイマを減算する処理を行う。この処理が1回行われる毎に普図表示タイマのカウント値が1減算される。
続いてステップS2107に進み、普図表示タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち、変動時間が経過したか否かを判別する。ステップS2107で肯定判別された場合には、ステップS2108において普図表示中フラグをオフし、ステップS2109において普通図柄表示装置41にて停止表示を行うための普図停止表示設定を行う。そして、この普図停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、当選である場合(入球サポートフラグがオン設定されている場合)には「○」図柄(当選図柄)を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、外れである場合には「×」図柄を停止表示させる。
続いてステップS2110に進み、普図判別情報設定処理を行い、本処理を終了する。ここで、普図判別情報設定処理について、図26を参照して説明する。
先ず、ステップS2401では、入球サポートフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS2401で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS2401で肯定判別された場合には、ステップS2402において、第2始動入賞装置33bが開状態中であるか否かを判別するための普通可変フラグをオン設定する。
尚、普通可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、第2始動入賞装置33bに対し各種制御信号が出力される。普通可変フラグがオンの場合には第2始動入賞装置33bに対し始動入賞シャッタ405を駆動させて大入賞口を開放する旨の制御信号が出力され、第2始動入賞装置33bが開状態となる。一方、普通可変フラグがオフの場合には第2始動入賞装置33bに対し始動入賞シャッタ405を逆側に駆動させて大入賞口を閉鎖する旨の制御信号が出力され、第2始動入賞装置33bが閉状態となる。
続くステップS2403では、モード記憶エリアにおいて「12、21」のどちらかが記憶されているか否か、すなわち、高入球状態であるか否かを判別する。ステップS2403で肯定判別された場合には、ステップS2404において、第2始動入賞装置33bの開放時間(残余時間)を計測するための普通可変タイマに対し、第2始動入賞装置33bの開放時間を4秒にするべく「1000」を設定する。
さらに、ステップS2405では、第2始動入賞装置33bを開放させる回数(残り回数)を計数する開放回数カウンタに対し、第2始動入賞装置33bを3回開放させるべく「3」を設定する。ステップS2405の後、本処理を終了する。
また、ステップS2403で否定判別された場合、すなわち、低入球状態にある場合には、ステップS2406において、普通可変タイマに対し、第2始動入賞装置33bの開放時間を0.4秒にするべく「100」を設定する。続く、ステップS2407では、開放回数カウンタに対し、第2始動入賞装置33bを1回開放させるべく「1」を設定する。ステップS2407の後、本処理を終了する。
図24の説明に戻り、ステップS2107で否定判別された場合には、ステップS2111において、普通図柄表示装置41の切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯が「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。これによって、普通表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に普通図柄表示装置41の切換表示(変動表示)が実現される。
次に上記ステップS209の始動入賞装置制御処理について図27のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS2201では、入球サポートフラグがオンであるか否かを判別する。ステップS2201で否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。一方、ステップS2201で肯定判別された場合には、ステップS2202において、普図表示中フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS2202で肯定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bを開状態とすることは決定されているが、未だ対応する普通図柄の変動表示が行われており、開状態とするタイミングに至っていない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2202で否定判別された場合には、ステップS2203において、普通可変タイマの値を1減算する。続くステップS2204では、普通可変フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS2204で肯定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bが開状態である場合には、ステップS2205において、普通可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2205で否定判別された場合、すなわち、予め規定された第2始動入賞装置33bの開放時間が未だ経過していない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2205で肯定判別された場合には、ステップS2206に移行し、普通可変フラグをオフする。続くステップS2207では、開放回数カウンタの値を1減算する。その後、ステップS2208において、開放回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2208で肯定判別された場合には、ステップS2209において入球サポートフラグをオフしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS2209で否定判別された場合、すなわち、当選した入球サポート抽選が確変モード又は時間短縮モードで行われたものであって、それに基づいて第2始動入賞装置33bが3回開放されるうちの残り回数がある場合には、ステップS2210で普通可変タイマに対してインターバル時間に相当する値(例えば「100」)を設定する。ステップS2210のあと、本処理を終了する。
また、ステップS2204で否定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bが3回開放される間のインターバル期間(第2始動入賞装置33bは閉状態)である場合には、ステップS2211に移行し、普通可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2211で否定判別された場合、すなわち、未だインターバル期間が経過していない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2211で肯定判別された場合には、ステップS2212で普通可変フラグをオンし、ステップS2213で普通可変タイマに対して開放時間に相当する値(本例では「1000」)を設定してから、本処理を終了する。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図28を参照して受信割込み処理を説明し、その後図29を参照してメイン処理を説明する。
図28は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図30に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図29を参照して説明する。図29は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップS3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS3107でRAM判定値を算出し、続くステップS3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップS3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS3114では、割込みを許可する。
ステップS3114で割込みが許可された後は、ステップS3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図30のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップS3201)。このコマンド判定処理について図31を参照して以下に説明する。
図31は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップS3124,S3201)では、まず、ステップS3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図28参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS3301においてコマンド受信フラグがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS3301でコマンド受信フラグがオンと判別されれば、ステップS3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS3302~ステップS3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS3304~ステップS3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS3305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS3306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS3308)と、RAM513の初期値設定(ステップS3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS3304:NO、ステップS3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS3305:NO、ステップS3306:YES)、ステップS3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、当該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図30のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS3202において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS3202で肯定判別されれば、ステップS3203で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップS3204で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS3205では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS3206では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS3207では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判別し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップS3208で払出個数設定処理を行い、ステップS3209においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS3210においてモータ駆動処理を行う。
ステップS3211では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS3212では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
次に、サブ制御装置262の通常処理ついて図32を参照しつつ説明する。先ずステップS3901では、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認し、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されているか否かを判別する。
コマンドが受信されている場合には、ステップS3902においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
続くステップS3903では、主制御装置261から出力された先発コマンドの情報を、RAM553に設けられた保留情報記憶エリアに格納する保留情報格納処理を行う。尚、先発コマンドには、上記のように、上入賞口33a又は下入賞口33bのどちらの入球を契機とする変動表示であるかを示す情報、大当たりに対応する変動情報であるかを示す情報、大当たり種別を示す情報、リーチの種別を示す情報が含まれる。
保留情報格納エリアは、主制御装置261の特別変動保留エリアと同様に、それぞれ4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)を備える第1保留情報格納エリア及び第2保留情報格納エリアと、1つの実行エリアとを備えている。第1保留情報格納エリアには、第1変動表示(第1特別変動保留エリアに記憶された情報)に基づく先発コマンドの受信履歴に合わせて、大当たりか否かの情報、大当たり種別、小当たりか否かの情報、及びリーチ種別等の変動表示に関する情報(変動情報)が時系列的に格納される。また、第2保留情報格納エリアには、第2変動表示(第2特別変動保留エリアに記憶された情報)に基づく先発コマンドの受信履歴に合わせて、変動情報が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、第1始動入賞装置33aへの入球を契機とする第1変動表示に関する変動情報、及び、第2始動入賞装置33bへの入球を契機とする第2変動表示に関する変動情報をそれぞれ4つ保留記憶することができる。結果的に、主制御装置261の第1及び第2特別変動保留エリアの実行エリアだけでなく、保留エリアに記憶された変動情報についても、サブ制御装置262において把握することが可能となっている。
以下、保留情報格納処理について、図35を参照して説明する。先ず、ステップS4101では、先発コマンドを受信したか否か(先発コマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。当該ステップS4101で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4101で肯定判別された場合には、ステップS4102において先発コマンドが第2始動入賞装置33bへの入球(第2特別変動保留エリアに記憶された変動情報)に対応するものであるか否かを判別する。ここで否定判別された場合、すなわち、先発コマンドが第1始動入賞装置33aの入球(第1特別変動保留エリアに記憶された変動情報)に対応するものであった場合には、ステップS4103において、第1保留情報格納エリアに保留記憶されている変動情報の保留数をカウントする第1変動保留カウンタNdを1インクメントする。
続くステップS4104では、先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たり種別の情報、小当たりか否かの情報、リーチ種別の情報等を、第1保留情報格納エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに記憶する。
また、続くステップS4105では、予告情報格納処理を行う。すなわち、本実施形態では、連続する複数の変動表示において互いに関連する演出表示を意図的に導出する(所謂、「連続予告」が行われる)場合がある。ここでは、連続予告を行うか否かを決定するための連続予告カウンタの値、及び、連続予告の種別を決定するための予告種別カウンタの値を取得し、当該カウンタ値を第1保留情報格納エリアのうち上記ステップS4104にて変動情報を新たに記憶した保留エリアに記憶する。
連続予告カウンタは、例えば0~49の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり49)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。連続予告カウンタは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファ(連続予告カウンタバッファ)に連続予告カウンタの値が記憶される。
予告種別カウンタは、例えば0~9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。予告種別カウンタは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファ(予告種別カウンタバッファ)に予告種別カウンタの値が記憶される。
そして、当該予告情報格納処理において、保留情報格納エリアに変動情報が格納されると、連続予告カウンタバッファ及び予告種別カウンタバッファに記憶されている連続予告カウンタの値及び予告種別カウンタの値が取得されることとなる。さらに、保留情報格納エリアの各保留エリア及び実行エリアには、連続予告が導出されることが決定された場合にオンされる連続予告フラグがそれぞれ設けられている。
また、本実施形態では、ROM552に対し、連続予告を行うか否かの決定に際して参酌される予告当否判定テーブルと、連続予告の態様の決定に際して参酌される予告テーブルとが設けられている。予告当否判定テーブル及び予告テーブルはそれぞれ複数設けられており、変動情報に応じて、参酌される予告当否判定テーブル及び予告テーブルが選択される。
ステップS4105の後、ステップS4106において、消灯状態にある第1保留ランプ46aのうちの1つ(例えば、4つある第1保留ランプ46aのなかで消えているもののうち一番左側のもの)を点灯状態とする。本実施形態の第1保留ランプ46aは青色に発光する。続くステップS4107では、連続予告を実行するか否かを決定する連続予告抽選処理を行い、その後、本処理を終了する。
尚、ステップS4107の連続予告抽選処理では、第1変動保留カウンタNdの値が「2」以上である場合に、第1保留情報記憶エリアに新たに記憶された連続予告カウンタの値に基づいて、大当たり種別やリーチ種別や遊技モードにそれぞれ対応する予告当否判定テーブルを参照し、連続予告を実行するか否かを決定する。さらに、連続予告を実行することが決定された場合には、第1保留情報記憶エリアに新たに記憶された予告種別カウンタの値に基づいて、大当たり種別やリーチ種別や遊技モードに対応する予告テーブルを参照し、連続予告を実行するか否かを決定する。加えて、第1保留情報記憶エリアの保留エリアのうち変動情報が記憶されている全ての保留エリアの連続予告フラグをオンにする。但し、実行エリアの連続予告フラグはオンにしない。
また、ステップS4102で否定判別された場合、すなわち、先発コマンドが第2始動入賞装置33bへの入球(第2特別変動保留エリアに記憶された変動情報)に対応するものであった場合には、ステップS4108に進み、第2保留情報格納エリアに保留記憶されている変動情報の保留数をカウントする第2変動保留カウンタNeを1インクリメントする。
その後、ステップS4109では、先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たり種別の情報、小当たりか否かの情報、リーチ種別の情報等を、第2保留情報格納エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに記憶する。続くステップS4110では、連続予告カウンタの値及び予告種別カウンタの値を取得し、当該カウンタ値を第2保留情報格納エリアのうち上記ステップS4109にて変動情報を新たに記憶した保留エリアに記憶する。
ステップS4110の後、ステップS4111において、消灯状態にある第2保留ランプ46bのうちの1つ(例えば、4つある第2ランプ46bのなかで消えているもののうち一番左側のもの)を点灯状態とする。本実施形態の第2保留ランプ46bは赤色に発光する。続くステップS4112では、連続予告を実行するか否かを決定する連続予告抽選処理を行い、本処理を終了する。尚、ステップS4112の連続予告抽選処理は、ステップS4107の連続予告抽選処理を第2始動入賞装置33bへの入球に対応させるだけであり、説明は省略する。
図32の説明に戻り、ステップS3903の後又はステップS3901で否定判別された場合には、ステップS3904へと移行し、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では2msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していればステップS3905へ移行し、一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、ステップS3912へと移行する。
ステップS3905では、各種カウンタの更新処理を実行する。サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図33に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタCOと、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU551内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。
大当たり時装飾図柄カウンタCOは、大当たり状態が発生する際に、装飾図柄表示装置42の変動停止時の図柄(大当たり図柄)を決定するものであり、本実施形態では、大当たり時装飾図柄カウンタCOとしては、9個(0~8)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタCOは、0~8の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり8)に達した後0に戻る構成となっている。
そして、主制御装置261から送信された図柄コマンドが確変大当たりに対応する図柄を停止させる旨を示す「AA11」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「1」(のゾロ目)、1であれば「2」(のゾロ目)という具合に、大当たり図柄の組合わせを決定する。この大当たり時装飾図柄カウンタCOはステップS3905のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、後述するようにサブ制御装置262が図柄コマンドを受信するタイミングでRAM553のカウンタ用バッファから読み出す。尚、本実施形態では大当たり時装飾図柄カウンタCOはRAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、図柄コマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
また、図柄コマンドが通常大当たりに対応する図柄を停止させる旨を示す「AA12」である場合、例えば、カウンタ値が0、1であれば「2」(のゾロ目)、2~4であれば「4」(のゾロ目)、5、6であれば「6」(のゾロ目)、7、8であれば「8」(のゾロ目)という具合に、大当たり図柄の組合わせを決定する。
上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRは、当否抽選が外れとなったときに、上・中・下の図柄表示領域の各停止図柄の組合わせを決定するものであり、各列では9個の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に9個(0~8)のカウンタ値が用意されている。上図柄カウンタCLにより上図柄表示領域の停止図柄が決定され、中図柄カウンタCMにより中図柄表示領域の停止図柄が決定され、下図柄カウンタCRにより下図柄表示領域の停止図柄が決定される。
本実施形態では、CPU551に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が上限値を超えた場合に8減算されて今回値が決定される。各図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ、及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、各図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。図34に示すように、ステップS4001では、上図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS4002では、中図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。なお、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において下図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップS4001で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において上図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップS4002で肯定判断されることになる。そして、上図柄カウンタCLの更新時期(ステップS4001がYES)であればステップS4003に進み、上図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄カウンタCMの更新時期(ステップS4002がYES)であればステップS4004に進み、中図柄カウンタCMを更新する。さらに、下図柄カウンタCRの更新時期(ステップS4001、S4002が共にNO)であればステップS4005に進み、下図柄カウンタCRを更新する。ステップS4003~S4005の図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が上限値を超えた場合に8を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS4006では、上記更新した図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせがリーチ図柄の組合わせ(上図柄表示領域の図柄と下図柄表示領域の図柄とが同じ)になっているか否かを判別し、リーチ図柄の組合わせである場合(S4006がYES)、さらにステップS4007では、大当たり図柄の組合わせ(上下の図柄表示領域の図柄と中図柄表示領域の図柄とが同じ)であるか否かを判別する。ステップS4007で肯定判別された場合には、図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553に記憶することなく、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4007で否定判別された場合には、ステップS4008において、図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが前後外れ図柄の組合わせであるか否かを判別する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ図柄(前後外れリーチ)の組合わせである場合(S4008がYES)、ステップS4009に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外図柄(前後外れ以外リーチ)の組合わせである場合(S4008がNO)には、ステップS4010に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。
また、リーチ図柄以外の組合わせである場合(S4006がNO)、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが外れ図柄(完全外れ図柄)の組合わせになっているため、ステップS4011において、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の完全外れ図柄バッファに格納して、本処理を修了する。
図32の説明に戻り、ステップS3906では保留処理を行う。以下、保留処理について図36を参照して説明する。
先ず、ステップS4201では、変動パターンコマンドを受信したか否か(変動パターンコマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。ステップS4201で肯定判別された場合には、ステップS4202において、第2変動保留カウンタNeの値が「0」よりも大きいか否かを判別する。当該ステップS4202で否定判別された場合、すなわち、第2変動表示の変動情報が保留記憶されていない場合には、ステップS4203に進み、第1変動保留カウンタNdの値を1減算する。
尚、上記のように、本実施形態では、第1変動表示よりも第2変動表示が優先的に消化され、第2変動表示が保留記憶されている場合には、第1変動表示が消化されることはない。すなわち、第2保留情報格納エリアに第2変動表示の変動情報が保留記憶されている場合には、第1変動表示に対応する変動パターンコマンドは送られてこない。このため、本実施形態では、ステップS4202において、第2変動保留カウンタNeの値が「0」よりも大きいか否かを判別することで、当該変動パターンコマンドが第1変動表示及び第2変動表示のどちらの変動情報を有しているかを判別している。もちろん、変動パターンコマンドに対して第1変動表示及び第2変動表示のどちらの変動情報に対応しているかの情報を持たせ、変動パターンコマンドに基づいて、当該変動パターンコマンドが第1変動表示及び第2変動表示のどちらの変動情報を有しているかを判別してもよい。
ステップS4203の後、ステップS4204において、第1保留情報格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留情報格納エリアの保留第1~第4エリアに格納されているデータ(連続予告フラグも含む)を実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS4205では、点灯状態にある第1保留ランプ46aのうちの1つ(例えば、点灯している第1保留ランプ46aのうち一番右側のもの)を消灯状態とする。ステップS4205の後、ステップS4209に移行する。
また、ステップS4202で肯定判別された場合、すなわち、第2変動表示の変動情報が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS4206において、第2変動保留カウンタNeの値を1減算する。
続くステップS4207では、第2保留情報格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2保留情報格納エリアの保留第1~第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。尚、本実施形態では、保留情報格納エリアの実行エリアは1つであり、第1保留情報格納エリア及び第2保留情報格納エリアに格納されているデータは、当該データに対応する変動表示が行われる際に、共通の実行エリアにシフトされることとなる。
続くステップS4208では、点灯状態にある第2保留ランプ46bのうちの1つ(例えば、点灯している第2保留ランプ46bのうち一番右側のもの)を消灯状態とする。ステップS4208の後、ステップS4209に移行する。
ステップS4209では連続予告に使用される表示演出の種別を決定する予告設定処理が行われる。ステップS4209の予告設定処理では、保留情報格納エリアの実行エリアの連続予告フラグ(ステップS4107の連続予告抽選処理参照)がオンであるか否かを判別し、否定判別された場合には、連続予告は行われないため、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、変動パターンコマンドの変動情報に基づき、大当たりか否か、大当たりの場合には種別は何か、大当たりではない場合には、リーチ種別は何か等を判別し、それぞれに対応するテーブルを参照して、連続予告の種別を決定する。ここで決定された種別の連続予告は、対応する変動表示に際して所期のタイミングで導出されることとなる。ステップS4209の後、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、第2変動表示が第1変動表示よりも優先的に消化される構成であるため、複数回の第1変動表示に関して連続予告が行われる場合には、かかる第1変動表示の変動表示中に第2始動入賞装置33bへの入球があると、第2変動表示が前記複数回の第1変動表示の間に割り込んで、連続予告が途切れる場合がある。これに対し、本実施形態では、連続予告として使用される演出は、連続予告が行われない場合の通常の変動表示に際しても導出され得る表示演出(単独の変動表示を対象として導出され得る演出)が用いられる。このため、連続予告が途切れても、何ら違和感は生じない。
図32の説明に戻り、ステップS3907では表示設定処理を行う。ここでは、RAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。つまり、ここでは、装飾図柄表示装置42において表示する表示態様が決定されることとなる。例えば、変動パターンコマンド及び図柄コマンドを受信した場合、サブ制御装置262は、変動種別、変動時間、及び停止図柄等に基づいて、対応するテーブルを参照し、表示パターン等を決定する。そして、決定事項を表示コマンドとして表示制御装置45に出力する等の制御を行う。
尚、表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令に応じて描画処理を行い、装飾図柄表示装置42での装飾図柄の変動表示を開始する。なお、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、当該変動パターンに対応する変動時間が経過するまでの間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。
また、変動表示を開始させる際には、保留情報記憶エリアの実行エリアの連続予告フラグ(ステップS4105の連続予告抽選処理参照)がオンである場合に、変動パターンコマンドの変動情報に基づき、各状況に対応するテーブルを参照して、変動表示に導出させる連続予告の種別を決定したり、連続予告とは別の予告演出の導出を決定したり、演出ボタン125等の操作に対応する表示を行ったりする。さらに、当該ステップS3907の表示設定処理では、大当たり又は小当たり中の演出制御を行う処理(当たり表示処理)についても行われるが、これについては後述する。
ステップS3908のランプ設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、ランプ・電飾類の点灯パターンを設定する。
ステップS3909の音声設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、スピーカSPの出力パターンを設定する。また、エラー発生の報知等、音声に関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップS3909で行われる。
ステップS3910では、客待ち演出(例えば装飾図柄表示装置42の変動表示が行われていない状態で所定時間が経過すると表示されるように設定されているデモ画面表示;省エネモード)の制御設定等その他の処理を行う。
ステップ3911では、上記ステップS3905~3910の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して表示コマンドを表示制御装置45に送信する。
2msec毎に行われるステップS3905~S3911の処理が実行された後、又は、上記ステップS3904で否定判別された場合には、ステップS3912に移行し、RAM553に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する。尚、電源断の発生情報は、主制御装置261から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
電源断の発生情報が記憶されていない場合には、ステップS3913に進み、RAM553が破壊されているか否かが判別される。ここでRAM553が破壊されていなければ、ステップS3901の処理へ戻り、繰り返し通常処理が実行される。一方、RAM553が破壊されていれば、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
一方、ステップS3912で電源断の発生情報が記憶されると判別された場合、ステップS3914において電源断処理を実行する。電源断処理では、割り込み処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。電源断処理の実行後は、処理を無限ループする。
次に、ステップS3907の表示設定処理において行われる当たり表示処理について、図37を参照して説明する。
先ず、ステップS4701では、主制御装置261から大当たり状態又は小当たり状態の開始を告げるオープニングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4701で肯定判別された場合には、ステップS4702において、残りのラウンド数を把握するためのラウンド把握カウンタに対し、オープニングコマンドに含まれる情報に基づいて、「16RS」であれば「16」を設定し、「8RS」、「8RN」であれば「8」を設定し、「2RS」、「2RN」、「小当たり」であれば「2」を設定する。
その後、ステップS4703において、出玉有り大当たりであれば8秒間のオープニング演出の設定(装飾図柄表示装置42の画像、スピーカSPの音声、各種ランプの点灯態様の設定)を行ってから、本処理を終了する。尚、サブ制御装置262には、大当たり種別と、残りラウンド数と、大当たり状態中の各種演出態様との対応関係を記憶するテーブル等が設けられており、当該テーブルを参照して対応する演出を選択し、それを実行させることとなる。
また、ステップS4701で否定判別された場合には、ステップS4704においてインターバルコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4704で肯定判別された場合、ステップS4705において、出玉有り大当たりであれば最大で30秒のラウンド中の演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップS4704で否定判別された場合、ステップS4706において、インターバルコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4706で肯定判別された場合、ステップS4707でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップS4708で出玉有り大当たりであれば4秒のインターバル中の演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップS4706で否定判別された場合、ステップS4709においてエンディングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4709で肯定判別された場合、ステップS4710でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップS4711で出玉有り大当たりであれば10秒のエンディング演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、出玉有り大当たり以外の大当たりや小当たりの場合には、オープニング期間(2秒)、ラウンド期間(0.4秒)、インターバル期間(1秒)、及び、エンディング期間(1秒)といった各期間に区切って演出を設定するのではなく、全期間を通じた演出(アナウンス等)が行われるような設定を行うこととしている。
ステップS4709で否定判別された場合、ステップS4712において当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4712で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4712で肯定判別された場合には、ステップS4713において、エンディング表示を直ちに終了させ、変動表示が行われる通常遊技状態の態様とする設定を行う。その後、本処理を終了する。
以上詳述したように、第1実施形態によれば、第2始動入賞装置33bには、始動入賞口402を開閉する始動入賞シャッタ405が設けられており、当該始動入賞シャッタ405が閉位置にある場合には、始動入賞口402が閉状態となって、当該始動入賞口402に遊技球を入球させることができない。このため、従来であれば、始動入賞シャッタ405によって始動入賞口402への入球を拒否された遊技球は、そのまま始動入賞口402に入球することなく第2始動入賞装置33bの下流側に流下していくこととなる。これに対し、本実施形態では、第2始動入賞装置33bは、始動入賞シャッタ405によって始動入賞口402への入球が拒否された遊技球が案内される導入路412、及び、導入路412に案内された遊技球を始動入賞口402の上方位置に案内する再突入路414を備えており、始動入賞口402への入球が一度拒否されても、後ほど、もう一度、始動入賞口402への入球を試みることができるように構成されている。
従って、確変モード時及び時間短縮モード時の高入球状態において、第2始動入賞装置33bの始動入賞口402への入球を狙って右打ちされた遊技球のうち、始動入賞口402に入球する遊技球の数と、始動入賞シャッタ405に規制されて、始動入賞口402に入球することなく排出開口部411から第2始動入賞装置33bの外部に排除される遊技球の数との割合において、始動入賞口402に入球する遊技球の数の比率を高めることができる。特に、本実施形態では、高入球状態では、(右打ちをし続けていれば)ほぼずっと始動入賞シャッタ405が開位置とされていることから、右打ちされた遊技球のほぼ全てが始動入賞口402に入球するようになっている。
これにより、始動入賞口402に入球させるべく遊技領域に発射された遊技球を効率的に始動入賞口402に入球させることができ、始動入賞口402を狙って発射されたものの入球には至らない無駄球を極力減少させ、始動入賞口402に入球させるために多くの遊技球を発射させる必要が生じるといった事態を抑制することができる。結果として、遊技を進行させる上で必要な遊技球の数を低減させることで、遊技者の負担を低減させる(本例では、始動入賞口402への入球に対する払出しが1球であるにもかかわらず、高入球状態では、手持ちの遊技球の数をほぼ減らさずに遊技することができる)ことができるとともに、始動入賞口402に効率的に遊技球が入球することで、遊技を小気味よく進行させる(変動表示の保留が切れることない上、変動表示のテンポを上げることができる)ことができる。
また、一般に、始動入賞シャッタ405が開位置となっているときに第2始動入賞装置33bに至るようなタイミングで遊技球を発射し、始動入賞シャッタ405が閉位置となっているときに第2始動入賞装置33bに至るようなタイミングでは遊技球の発射を控えるといった技術的操作を行うことで、始動入賞口402に入球しない遊技球を低減させることができる。これに対し、かかる技術的操作を実行する遊技者と、実行しない遊技者とが存在し、所定時間当たりで、第2始動入賞装置@への遊技球の入球数は同じであっても、遊技球の発射数に差が生じてしまうことが懸念され、長期的に見れば、遊技者が獲得する遊技球の総数に比較的大きな差が生じてしまうおそれがある。さらに、パチンコ機10等の開発においては、遊技ホール等での実情を踏まえた上での設計がなされ、発射された遊技球の総数と、払い出された遊技球の総数との比率(所謂、ペイアウト率)については、前記技術的操作を行った遊技者の分も含めての設計となる。特に、前記技術的操作を行う遊技者の数が多いほど、ペイアウト率が遊技者に有利になり過ぎるのを抑制するべく、当否抽選等の当選確率を低くしたり、遊技球が払出される各種入賞口に遊技球が到達して入球する可能性を低くしたりする傾向になり易く、前記技術的操作を行わない遊技者の負担がより大きくなってしまうおそれがある。これらのような理由から、前記技術的操作を行う遊技者と、行わない遊技者等との間での不公平感が多分に存在していた。
この点、本実施形態では、始動入賞シャッタ405が閉位置となっているときに第2始動入賞装置33bに至るようなタイミングで遊技球を発射しても、遊技球が始動入賞口402に入球する可能性があることから、遊技球を発射させ続けても、始動入賞口402に入球しない無駄玉の発生が抑制されることとなる。このため、前記技術的操作を行う遊技者と、前記技術的操作を行わない遊技者との間の獲得する遊技球の差を縮める(事実上なくす)ことができる。従って、遊技者の技術格差をなくし、前記技術的操作を行わない(知らない、上手くできない、或いは、意図的にやらない)遊技者との間の不公平感を低減、或いは、払拭することができる。また、上記技術的操作を行わなければ、損になってしまうからといって常に気を遣いながら遊技を行う遊技者にとっても、そのようなことを気にせず遊技を行うことができるようになり、より気楽に遊技を進行させることができる。
また、本実施形態では、第2始動入賞装置33bにおいて、始動入賞口402の上流側に、遊技球を始動入賞口402へほぼ一定の方向から案内する案内台407が設けられるとともに、遊技領域の第2始動入賞装置33bの上流側において設けられている遊技釘や役物が、右打ちされてきた遊技球を案内台407へと案内するように構成されている。これにより、遊技球が始動入賞口402の上方位置に到達する前に、遊技球の移動方向及び移動速度が整えられることとなり、始動入賞口402の上方位置に進入する遊技球の移動方向及び移動速度に関するイレギュラーを低減することができる。従って、始動入賞シャッタ405が閉位置とされている場合には、始動入賞シャッタ405によって始動入賞口402への入球が拒否された遊技球を導入路412及び再突入路414に回り込ませて、遊技球を後のタイミングで始動入賞口402の上方位置に至らせる機会を付与し、始動入賞口402への入球確率を向上させるといった作用効果をより一層確実なものとすることができる。
さらに、始動入賞シャッタ405が前後方向にスライドする構成であることによって、遊技球が落下する動作によって始動入賞口402に入球していく構成とすることができ、始動入賞口402へのスムースな入球を実現することができる。加えて、始動入賞シャッタ405の上面で遊技球を導入路412に案内することができる。つまり、始動入賞シャッタ405が閉位置となっている場合に、当該始動入賞シャッタ405によって、遊技球を導入路412へと案内可能となるため、遊技球を導入路412へ案内するための可動式の部材を別途設ける必要がなく、構成の簡素化、大型化の抑制、コスト増大の抑制等を図ることができる。
また、例えば、前後に延びる始動入賞シャッタを上方に回動させて始動入賞口402を開放する場合に、始動入賞口402に入ったと思った遊技球が、始動入賞シャッタに打ち上げられるようにして外部に弾き飛ばされてしまうといったような事態を回避することができる。さらに、例えば、前後に延びる始動入賞シャッタを下方に回動させて始動入賞口402を開放させる構成において、始動入賞シャッタ上に一度に大量の遊技球が落下して始動入賞シャッタが開放のタイミングでもないのに開放されて遊技球が始動入賞口402に入球してしまうといった事態を回避することができる。
また、閉位置にある場合に前後方向に延びて遊技球の下面側を受ける始動入賞シャッタ405には、比較的大きな負担が掛かり易いのであるが、本実施形態のように、始動入賞シャッタ405の下面の前端部等が、始動入賞口402の開口周縁部によって支持される構成とすることで、始動入賞シャッタ405の付根部側に係る負担を軽減させることができ、始動入賞シャッタ405が付根部側で折れてしまうといった事態を防止することができる。加えて、始動入賞シャッタ405の下面側には補強リブ409が設けられており、始動入賞シャッタ405の強度が向上し、遊技球が衝突した際に始動入賞シャッタ405が損傷してしまうことを防止することができる。
また、第2可変入賞装置32bが開状態とされる大当たり状態や小当たり状態では、低入球状態とされており、入球サポート抽選に当選し難い、通常図柄の変動時間が長い、入球サポート抽選に当選しても第2始動入賞装置33bの開状態とされる時間が短い等の理由から、第2始動入賞装置33b(始動入賞シャッタ405)がほとんど閉状態となり、ほとんどの遊技球が導入路412及び再突入路414を経由するようになる。これに対し、例えば、第2可変入賞装置32bが第2始動入賞装置33bの下流側にあると、遊技球が導入路412及び再突入路414を経由する分、遊技球の第2可変入賞装置32bへのアプローチが遅れてしまう。特に、始動入賞口402の上方位置から、導入路412、及び、再突入路414を経て、再び始動入賞口402の上方位置に至る遊技球の再突入ルートにおいて、たとえ始動入賞口402の上方位置であっても再突入ルートが交差していれば、始動入賞口402の上方位置である閉位置とされている始動入賞シャッタ405の上で遊技球同士が接触して滞留時間が長くなる等して、第2可変入賞装置32bにより遊技球が入球し難くなってしまうおそれがある。この点、第2可変入賞装置32bを第2始動入賞装置33bの上流側に配置することで、第2可変入賞装置32bへの入球をスムースに行わせることができる。さらに、第2始動入賞装置33bに進入する(始動入賞シャッタ405で始動入賞口402への入球が防止される)遊技球の数を減らすことで、始動入賞シャッタ405の負担を軽減させることができる。加えて、大当たり状態中に第2始動入賞装置33b内で遊技球が混雑して流れが悪くなってしまうことを回避することができ、かかる見た目の悪い態様を遊技者に視認させなくても済む。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第2可変入賞装置32bに特徴があり、当該特徴部分を中心に、図41、図42を参照して説明する。尚、基本構成については、上記第1実施形態と同様であるため、その説明を省略するとともに、同じ部材名称及び部材番号を用いて説明する。
第2可変入賞装置32bは、遊技盤30の前面側に取付けられる取付板431と、取付板431の前面側に設けられ、取付板431との間に上方に開口する大入賞口432(図42参照)を形成する球受部材433と、大入賞口432を開閉する開閉部材としての矩形平板状の大入賞シャッタ434と、当該大入賞シャッタ434を開閉駆動する大入賞口用ソレノイド435(図42参照)とを備えている。また、図42に示すように、取付板431には、大入賞口432に入球した遊技球の通過を許容する連通孔436が形成され、当該連通孔436に連接するようにして、遊技球を遊技盤30の後面側(排出通路部217)へ導く入賞通路437が設けられている。尚、カウントスイッチ223bは、入賞通路437を通過する遊技球を検出可能に設けられている。また、本実施形態では、大入賞口432が特定入賞口に相当する。
さて、図42に示すように、本実施形態の第2可変入賞装置32bの大入賞シャッタ434は前後方向にスライド可能に構成されている。大入賞口用ソレノイド435が非励磁状態のときには、大入賞シャッタ434が遊技領域側に突出して、大入賞口432を閉塞するようになっている。一方、大入賞口用ソレノイド435が例示状態とされた場合には、大入賞シャッタ434が取付板431の前面よりも後方に位置するようにスライドし、大入賞口432が開放されるようになっている。
また、大入賞シャッタ434が第2可変入賞装置32bを閉状態とする閉位置にある場合、大入賞シャッタ434によって遊技球の大入賞口432への入球が規制されることとなるが、本実施形態の大入賞シャッタ434は前後に延在しているため、規制された遊技球は、大入賞シャッタ434の上面に載ることになる。図41に示すように、本実施形態では、大入賞シャッタ434の少なくとも上面が右側に若干下方傾斜している。さらに、大入賞シャッタ434の上面は少なくとも左右方向において段差はなく、本例では平坦面となっている。従って、閉位置にある大入賞シャッタ434によって大入賞口432への入賞を規制され、大入賞シャッタ434の上面に載った遊技球は、当該大入賞シャッタ434の上面に案内されて左方に移動することとなる。
また、閉位置にある大入賞シャッタ434に遊技球が載った状態において大入賞シャッタ434が開位置とされる場合には、その時点で大入賞シャッタ434に載っている全ての遊技球が下方の大入賞口432に入賞するようになっている。
尚、球受部材433の左壁部の上縁部は、大入賞シャッタ434の上面の左辺部と同じ高さ、或いは、大入賞シャッタ434よりも低い位置となっており、大入賞シャッタ434上面の左辺部にまで達した遊技球は、第2可変入賞装置32bの左方に排出されることとなる。さらに、球受部材433の前壁部の上縁部(脱落防止手段)は、大入賞シャッタ434の上面よりも上方に位置しており、大入賞シャッタ434の上面を転がる遊技球が大入賞シャッタ434よりも前方に位置しないようになっている。
また、本実施形態では、図41に示すように、第2可変入賞装置32bの上流側に位置する遊技釘や役物によって、遊技球が第2可変入賞装置32bのうち右端部側に案内されるようになっている。つまり、第2可変入賞装置32bの直上方にまで移動してきた遊技球は、大入賞シャッタ434が閉位置にある場合には、左下に傾く大入賞シャッタ434の上流側の部位である右側に落下するように構成されている。従って、大入賞シャッタ434が閉位置にある場合には、第2可変入賞装置32bに到達した遊技球は、大入賞シャッタ434の右側から左側へと転がるように構成されている。
特に、本実施形態では、大入賞シャッタ434上面の傾斜が比較的緩やか(例えば、1度~9度)となっており、大入賞シャッタ434の上面を比較的ゆっくりと左方に移動することとなる。さらに、本実施形態の大入賞口432の入口の横幅は極力大きく(例えば、100mm~135mm)構成されており、閉位置にある大入賞シャッタ434の上面に載った遊技球は、比較的長い時間大入賞シャッタ434の上面に載った状態とされるようになっている。
また、本実施形態の第2始動入賞装置33bは、第1実施形態の第2始動入賞装置33bとは異なり、一般的な電子チューリップと称される形状となっている。すなわち、遊技球が入球可能な始動入賞口の左右両側に隣接して一対の羽根部材438を備えたものである。本実施形態では、第2始動入賞装置33bの始動入賞口の直上方位置に遊技釘が配設されており、羽根部材438が上下に延びる閉位置とされている場合には、(前記遊技釘と羽根部材438との間に遊技球が通過する余地はなく)始動入賞口が閉状態とされ、当該始動入賞口に入球させることが不可能となっている。一方、羽根部材438が外側に開く開位置に変位することで、遊技球が始動入賞口に入球できるようになっている。
本実施形態では、図41に示すように、第2始動入賞装置33bが第2始動入賞装置33bよりも遊技領域(右下部領域)の上流側に配置されている。第2始動入賞装置33bが開状態にある場合には、右打ちされた遊技球のほとんどは、第2始動入賞装置33bに入球することとなる。また、第2始動入賞装置33bが閉状態にある場合には、第2始動入賞装置33bに入球せずに第2始動入賞装置33bの下流側に移動する遊技球が第2可変入賞装置32bに入球し易いような構成(遊技領域に配設される遊技釘の配置や第2始動入賞装置33bと第2可変入賞装置32bとの相対位置関係等)となっている。尚、本実施形態では、第2可変入賞装置32b(の大入賞口)が特定入賞口を構成し、大入賞シャッタ434が開閉部材及び時間差通過機会付与手段を構成する。
以上詳述したように、第2実施形態によれば、第2可変入賞装置32bの大入賞シャッタ434が閉位置にある場合、第2可変入賞装置32bに到達した遊技球は、大入賞シャッタ434によって大入賞口432への入賞が規制されるとともに、そのまま大入賞シャッタ434の上面を転動することとなる。そして、大入賞シャッタ434が開位置とされると、大入賞シャッタ434上を転動していた遊技球が、大入賞口432に入球することとなる。このため、大入賞シャッタ434が開位置となれば大入賞口432に入球できる状態で、大入賞シャッタ434が次に開位置となるタイミングを待つことができる。特に、本実施形態では、大入賞シャッタ434の長手方向、すなわち、大入賞シャッタ434に載った遊技球の移動方向となる左右方向の幅が極力長く構成されるとともに、傾斜も比較的緩やかとなるように構成され、大入賞シャッタ434の上面に案内された遊技球が、大入賞シャッタ434が開位置とされなければ、極力長く大入賞シャッタ434の上面に滞在するように構成されている。従って、第2可変入賞装置32bが開放される大当たり状態中に右打ちされた遊技球が大入賞口432に入ることなくアウト口36から排出されてしまうといったケースを低減させることができ、大入賞口432に入球させるべく遊技領域に発射された遊技球を効率的に大入賞口432に入球させることができる。
さらに、大入賞シャッタ434の開位置とされている開放時間が比較的短くても、大入賞シャッタ434に載っている遊技球については、大入賞口432に入球させることができる。つまり、大入賞シャッタ434が閉じているときに大入賞シャッタ434上に遊技球を載せておき、大入賞シャッタ434の短い開放でその全てを大入賞口432に入球させることができる。従って、大入賞シャッタ434の開放総時間を長くすることなく、所定複数の遊技球を集中的に入球させることができる。例えば、大当たり状態のインターバル間に大入賞シャッタ434上に遊技球を溜めておき、ラウンドの開始と同時に大入賞シャッタ434を開放して遊技球を一挙に大入賞口432に入球させる(一瞬にしてラウンド終了条件(例えば、8個入賞)が達成される場合もあり得る)ことができる。このため、時間効率の向上等を図ることができる。
加えて、第2可変入賞装置32bの大入賞口432を閉塞する閉位置にある大入賞シャッタ434が前後に延びており、大入賞シャッタ434を開位置とした場合には、遊技球を下方に移動させることで大入賞口432に入賞させるようになっている。このため、例えば、大入賞シャッタが上下に延び、遊技球を後方に移動させることで大入賞口に入賞させるよりも、遊技球を大入賞口432に入賞させるまでの遊技球の動作・反応が早くなる。従って、閉位置にある大入賞シャッタ434を開位置とすることで、大入賞シャッタ434によって大入賞口432への入賞を規制していた遊技球を比較的迅速に大入賞口432に入賞させることができる。
また、第2可変入賞装置32bの上流側に配設された遊技釘や役物等によって、第2可変入賞装置32bに到達した遊技球が、左下に傾く大入賞シャッタ434のうち上流側の右側の部位に案内されるようになっている。これにより、大入賞シャッタ434上に遊技球を極力長い時間滞在させるといった上記作用効果がより確実に奏されることとなる。
さらに、閉状態にある第2可変入賞装置32bの大入賞シャッタ434は、遊技球の下面側を支持しなければならず、落下してきた遊技球を受け止める際等の負担が大きい。この点、本実施形態のように、第2可変入賞装置32bを第2始動入賞装置33bの下流側に配置することで、第2始動入賞装置33bに入球する分だけ第2可変入賞装置32bに向けて移動する遊技球の数を低減させることができ、結果として、大入賞シャッタ434の負担を低減させることができる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について、特徴部分である第2始動入賞装置33bを中心に、図43を参照して説明する。尚、基本構成については、上記第1実施形態と同様であるため、その説明を省略するとともに、同じ部材名称及び部材番号を用いて説明する。
第3実施形態の第2可変入賞装置32bは、基本的に第1実施形態の第2可変入賞装置32bと同じであり、ベース板401と、始動入賞口402(図43では図示略)と、案内台407と、始動入賞シャッタ405とを備えている。但し、導入路412及び再突入路414は省略されており、始動入賞シャッタ405が閉位置である場合には、始動入賞シャッタ405上に一旦落下した遊技球がそのまま排出開口部411に排出されるようになっている。
さて、本実施形態では、案内台407において、始動入賞口402側への遊技球の通過を許容する開状態と、通過を規制する閉状態とに状態変化する切替え板451が設けられている。切替え板451の一方の長側辺部には回転軸452が設けられ、当該回転軸452が、案内台407の先端縁近傍位置において前後に延びるように設けられている。この回転軸452のベース板401裏面側にはモータ453(別の駆動手段でも可)が連結されている。
本実施形態の切替え板451は、普通図柄表示装置41の普通図柄の変動表示中に閉状態とされ、停止表示された状態で開状態とされるようになっている。つまり、普通図柄の変動表示中で第2始動入賞装置33bの始動入賞シャッタ405が閉位置にある場合には、遊技球が始動入賞口402の上方位置に移動しても始動入賞口402に入賞不可能であるため、遊技球を始動入賞口402の上流側で堰き止めておく。そして、入球サポート抽選にて当選していた場合には、普通図柄の変動表示が停止表示され、切替え板451が開状態とされることで、切替え板451に堰き止められていた遊技球が、開放された始動入賞口402に入球することとなる。尚、入球サポート抽選にて当選しなかった場合には、当然、始動入賞シャッタ405も開状態とされないため、排出開口部411から排出されることとなる。
また、第2始動入賞装置33bには、案内台407の後方に隣接して収容凹部455が形成されている。つまり、閉状態とされた切替え板451によって堰き止められた遊技球が一定量を超えると、遊技球がかかる収容凹部455に案内されるようになっている。尚、収容凹部455の底面は案内台407側に若干下方傾斜している。また、本実施形態では、切替え板451が時間差通過機会付与手段(ストッパー)を構成する。
以上詳述したように、第3実施形態によれば、第2始動入賞装置33bの始動入賞シャッタ405が閉位置にある場合、案内台407に到達した遊技球がそのまま案内台407を移動して始動入賞口402の上方位置に飛び出していったとしても、閉位置にある始動入賞シャッタ405に阻まれて始動入賞口402に入賞することはできない。このような場合、本実施形態によれば、案内台407に落下した遊技球を通常のタイミングで始動入賞口402の上方位置に到達させるのではなく、遊技球が始動入賞口402の上方位置に到達するタイミングを遅延させることで、極力、始動入賞シャッタ405が閉位置ではないとき、すなわち、始動入賞シャッタ405が開状態であるときに遊技球が始動入賞口402の上方位置に到達するように構成することができる。特に、本実施形態では、普通図柄の変動表示の停止表示のタイミングで、遊技球を案内台407で堰き止めていた切替え板451を開放して、遊技球を流下させるようになっており、高入球モードであれば、このタイミングでは始動入賞シャッタ405がほぼ開位置とされており、堰き止められていた遊技球がほぼ始動入賞口402に入球することとなる。従って、始動入賞口402に入球させるべく遊技領域に発射された遊技球を効率的に始動入賞口402に入球させるといった作用効果が確実に奏される。
また、ここで、第3実施形態の変形例について、図44を参照して説明する。すなわち、本態様例の第2始動入賞装置33bは、案内台407の奥側に隣接して迂回通路456が設けられている。迂回通路456は、それぞれ案内台407に連接する入口457と出口458とを備え、入口457は出口458よりも案内台407の上流側の部位に連接している。
さらに、本態様例でも切替え板459を備えているが、本実施形態の切替え板459は、迂回通路456の入口457と出458との境界部近傍において、回転軸460が上下に延びるようにして設けられ、案内台407を移動する遊技球をそのまま案内台407の下流側に案内する開状態と、案内台407を移動する遊技球を迂回通路456の入口457へと案内する閉状態とに状態変化可能に構成されている。切替え板459が開状態にある場合、案内台407の上流側の部位に落下した遊技球はそのまま真っ直ぐに案内台407を下って始動入賞口402の上方位置へと移動する。
一方、切替え板459が閉状態にある場合には、案内台407の上流側の部位に落下した遊技球は、迂回通路456を経由した後、案内台407から始動入賞口402の上方位置へと移動することとなる。つまり、遊技球が案内台407に落下してから始動入賞口402の上方位置に到達するまでの時間が遅延されることとなる。尚、本例においても、切替え板459は、普通図柄表示装置41の普通図柄の変動表示中に閉状態とされ、停止表示された状態で開状態とされるようになっている。本態様例では、切替え板459及び迂回通路456が時間差通過機会付与手段を構成し、切替え板459が道程変更手段を構成する。
以上のように、本態様例においても、第2始動入賞装置33bの始動入賞シャッタ405が閉位置とされている場合には、少しタイミングをずらして(少し遅延させて)遊技球を始動入賞口402の上方位置に到達させるように構成することで、遊技球を始動入賞口402に入賞させる可能性を高めることができる。
(第4実施形態)
以下、第4実施形態について、特徴部分である第2始動入賞装置33bを中心に、図47~図55を参照して説明する。尚、基本構成については、上記第1実施形態と同様であるため、その説明を省略するとともに、同じ部材名称及び部材番号を用いて説明する。
第4実施形態では、第2始動入賞装置33b以外の構成は第1実施形態と同じであり、また、第2始動入賞装置33bの配置についても第1実施形態と同じであって、第2始動入賞装置33bは第2可変入賞装置32bよりも遊技領域の下流側に配置されている。
図47、図48、図50等に示すように、第2始動入賞装置33bは、遊技盤30に取付けられるベース板471と、第1特定入賞口及び第2特定入賞口としての第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473と、第1始動入賞口472を開閉する第1開閉部材としての第1シャッタ474と、第2始動入賞口473を開閉する第2開閉部材としての第2シャッタ475とを備えている。さらに、第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473のそれぞれに対応して始動入賞スイッチ224bが設けられており、本実施形態では、第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473のどちらに入賞しても、第2始動入賞装置33bへの入賞があったものとして同様の扱いがなされるように(第2変動表示が保留されるように)なっている。
また、第1シャッタ474及び第2シャッタ475は前後にスライド可能に構成されており、遊技領域に突出して第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473を閉鎖する閉位置(図48、図50等参照)と、遊技領域から退出して第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473を開放する開位置(図49、図51等参照)との間を変位するように構成されている。さらに、図54、図55に示すように、本実施形態では、第1シャッタ474及び第2シャッタ475は一体化され、1つのソレノイド476で動作される(図52の閉位置と、図53の開位置とに変位させられる)ようになっている。これにより、第1シャッタ474の開閉動作と、第2シャッタ475の開閉動作とが全く同じとなるように構成され、第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473のうち一方が開放される一方で他方が閉鎖されているといった状況がないように構成されている。本実施形態においても、主制御装置261(開閉抽選手段)によって行われる入球サポート抽選(開閉抽選)にて当選した場合に、第1シャッタ474及び第2シャッタ475が開位置とされるようになっている。尚、第1シャッタ474及び第2シャッタ475をそれぞれ個別に設け、それぞれを個別に設けられたソレノイドで動作させるように構成してもよい。
図47等に示すように、第1始動入賞口472は、第2始動入賞口473よりも右方、かつ、上方に位置している。さらに、本実施形態では、第2始動入賞装置33bは、第1始動入賞口472と第2始動入賞口473との間に設けられた連絡通路477を備えている。連絡通路477は、前後に蛇行しながら左側に下方傾斜している。また、第1シャッタ474及び第2シャッタ475の上面についても、左側に下方傾斜している。本実施形態では、第1始動入賞口472の上方位置に遊技球が移動した際に第1シャッタ474が閉位置であった場合に、当該遊技球の第1始動入賞口472への入賞が第1シャッタ474によって規制されるとともに、当該遊技球は第1シャッタ474の上面によって、案連絡通路477へと案内されるようになっている。
連絡通路477に進入した遊技球は、連絡通路477に沿って蛇行しながら第2始動入賞口473の上方位置にまで案内される。このときに、第2シャッタ475が開位置となっていれば、遊技球は第2始動入賞口473に入賞する。一方、第2シャッタ475が閉位置となっていれば、遊技球は、第2シャッタ475によって第2始動入賞口473への入賞が規制され、第2シャッタ475の上面により左方に案内され、第2始動入賞装置33bの外部に排出されることとなる。本実施形態では、第1シャッタ474及び連絡通路477によって入球機会付与手段が構成されている。また、本実施形態では、連絡通路477が第2特定入球ルートに相当する。
尚、本実施形態の前後に蛇行する連絡通路477は、第1シャッタ474上面によって案内されてきた遊技球をベース板471の前方位置において受け入れてから、当該遊技球をベース板471の後方位置にまで移動させてから、ベース板471の前方位置にまで移動させ、さらに、もう一度、当該遊技球をベース板471の後方位置にまで移動させてから、ベース板471前方の第2始動入賞口473の上方位置へと遊技球を案内するようになっている。
また、連絡通路477の上側を閉塞する屋根部材478が設けられており、途中から連絡通路477に遊技球が進入できないように構成されている。さらに、屋根部材478は、第2始動入賞口473の上方位置にまで延在しており、これによって、第2始動入賞口473へは、基本的に、連絡通路477を経由した遊技球しか入賞することができないように構成されている。
第1始動入賞口472(第1シャッタ474)の右方には、左側に下方傾斜して閉位置にある第1シャッタ474上面と連接する受付台479が設けられている。受付台479に落下した遊技球は、第1始動入賞口472側に案内されることとなる。さらに、第1シャッタ474と受付台479との境界部位の上方位置には、ベース板471から前方に延出する庇部481が設けられている。庇部481は、その上面において遊技球が滞留しないように、上面が左右に傾斜するように構成されている。
また、図示は省略するが、当該第4実施形態の第2始動入賞装置33bの上流側に配置される遊技釘や役物等によって、第2始動入賞装置33bにまで到達した遊技球は、基本的に庇部481や庇部481よりも右方の受付台479に案内されるようになっている。さらに、庇部481と、屋根部材478との間にも遊技球が通過可能な隙間が形成されており、かかる隙間を介して、遊技球が第1始動入賞口472の上方位置に至る場合もある。加えて、図55に示すように、第1始動入賞口472、第2始動入賞口473、屋根部材478、受付台479、及び、庇部481の前方を閉塞する前壁部480が設けられ、屋根部材478、受付台479、庇部481、及び、前壁部480は、透明な樹脂材料によって、一体的に形成されている。
尚、例えば、屋根部材478において、連絡通路477のうち第1始動入賞口472と連接し、第1シャッタ474の上面によって案内されてきた遊技球をベース板471の後方へと案内する部位の上方を覆う部位については、その上面に遊技球が落下する可能性があるような構成とする場合、その部位の上面を若干右側に向けて下方傾斜するように構成してもよい。
加えて、第4実施形態の第2始動入賞装置33bには、庇部481よりも右上方において、ベース板471から前方に突出するアシスト入賞口482が設けられている。アシスト入賞口482に入球した遊技球をカウントする図示しない検知スイッチによって遊技球が検知されると、上皿19若しくは下皿15に遊技球が3個払い出されるようになっている。当該アシスト入賞口482の存在により、遊技球を右側方領域に向けて発射させる(右打ちする)場合に入球する入賞口が増える。このため、時間短縮モードにおいては、(第2始動入賞装置33bに入球した場合の賞球が第1始動入賞装置33aよりも少ない1つであっても)遊技球をほぼ減らすことなく遊技を行うことができる。さらに、第2可変入賞装置32bが開放される大当たり状態においては、アシスト入賞口482がない場合に比べ、より多くの遊技球を獲得する(或いは、入球した場合の賞球が第1可変入賞装置32aよりも少ないが、その分を補う、さらには、補って余り得るようにする)ことが可能となる。
また、アシスト入賞口482と庇部481との間には、遊技球が通過可能な隙間が形成されている。尚、右下部領域に流入する遊技球は、その大部分、或いは、全部が、遊技釘等によってアシスト入賞口482の上方位置に案内される。そして、アシスト入賞口482に入球しなかった遊技球が、庇部481や受付台479等に落下・案内され、第1始動入賞口472の上方位置へと移動することとなる。
以上詳述したように、第4実施形態によれば、第2始動入賞装置33bの第1シャッタ474が閉位置とされている場合には、当該第1シャッタ474が閉位置であることに起因して、第1始動入賞口472に入賞することのできなかった遊技球が、第2始動入賞口473へと案内されるようになっている。このため、第1始動入賞口472に入球できなかった遊技球に対し、第2始動入賞口473への入球を試みる機会が付与されることとなり、遊技球が第2始動入賞装置33b(第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473)に入球する可能性を高めることができる。従って、第2始動入賞装置33bへの入球を狙って発射された遊技球のうち、第2始動入賞装置33bに入球する遊技球の数と、第2始動入賞装置33bに到達したが第2始動入賞装置33bに入球しなかった遊技球の数との割合において、第2始動入賞装置33bに入球する遊技球の数の比率を高めることができる。これにより、第2始動入賞装置33bに入球させるべく遊技領域に発射された遊技球を効率的に第2始動入賞装置33bに入球させることができ、第2始動入賞装置33bを狙って発射されたものの入球には至らなかった無駄球を極力減少させ、第2始動入賞装置33bに入球させるために多くの遊技球を発射させる必要が生じるといった事態を抑制することができる。結果として、遊技を進行させる上で必要な遊技球の数を低減させることで、遊技者の負担を低減させることができるとともに、第2始動入賞装置33bに効率的に遊技球が入球することで、遊技を小気味よく進行させる(持ち球を減らさず、変動表示を途切れさせず(停止表示後すぐに変動開始されるように)遊技を行う)ことができる。
また、本実施形態においても、第1シャッタ474が閉位置となっているときに第1始動入賞口472の上方位置に至るようなタイミングで遊技球を発射しても、遊技球が第2始動入賞装置33bに入球する可能性があることから、遊技球を発射させ続けても、第2始動入賞装置33b(第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473)に入球しない無駄玉の発生が抑制されることとなる。このため、上記第1実施形態でも説明した遊技球を発射させるタイミングを計るといった技術的操作を行う遊技者と、前記技術的操作を行わない遊技者との間の獲得する遊技球の差を縮める(事実上なくす)ことができる。従って、遊技者の技術格差をなくし、前記技術的操作を行わない(知らない、上手くできない、或いは、意図的にやらない)遊技者との間の不公平感を低減、或いは、払拭することができる。また、上記技術的操作を行わなければ、損になってしまうからといって常に気を遣いながら遊技を行う遊技者にとっても、そのようなことを気にせず遊技を行うことができるようになり、より気楽に遊技を進行させることができる。
さらに、第1始動入賞口472よりも上流側に配設された受付台479、庇部481、更には、遊技釘や役物等によって、遊技球の移動方向及び移動速度が整えられるように構成されている。このため、第1始動入賞口472の上方位置に進入する遊技球の移動方向及び移動速度に関するイレギュラーを低減することができる。従って、第1シャッタ474が閉位置とされている場合には、第1シャッタ474によって、遊技球を連絡通路477に送って、第2始動入賞口473への入球確率を向上させるといった作用効果をより一層確実なものとすることができる。
加えて、第1シャッタ474及び第2シャッタ475が前後方向にスライドすることによって、遊技球が落下する動作によって第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473に入球していく構成とできる上、例えば、回動するシャッタで第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473を閉鎖する場合に、第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473に入ったと思った遊技球が、シャッタに打ち上げられるようにして外部に弾き飛ばされてしまうといったような事態を回避することができる。
また、第1始動入賞口472の上方位置に到達した遊技球は、連絡通路477へは、閉位置とされた第1シャッタ474の上面によって案内されるようになっている。これにより、第1始動入賞口472を開閉する第1シャッタ474が閉位置にある際に、当該第1シャッタ474によって、遊技球を連絡通路477へと案内可能となるため、遊技球を連絡通路477へ案内するための可動式の部材を別途設ける必要がなく、構成の簡素化、大型化の抑制、コスト増大の抑制等を図ることができる。
さらに、第2始動入賞口473へは遊技球が連絡通路477を通過した場合にのみ入球可能に構成されるとともに、連絡通路477へは、遊技球が第1シャッタ474によって案内された場合にのみ進入可能に構成されている。つまり、第1始動入賞口472に入球できなかった遊技球が第2始動入賞口473に入球する可能性はあるが、第2始動入賞口473に入球できなかった遊技球が第1始動入賞口472に入球する可能性はないため、例えば、第1シャッタ474等を介さずに、ダイレクトに第2始動入賞口473側にも遊技球が進入可能に構成される場合には(2チャンスではなく、1チャンスの場合が出てきてしまうことから)、第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473に遊技球が入球する可能性が低下してしまう。この点、本実施形態によれば、先ず第1始動入賞口472への入球を図り、それがダメだった場合に、第2始動入賞口473への入球を図るといった順番を順守させることができ、第2始動入賞装置33b(第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473)への入球の可能性を向上させるといった作用効果が一層確実に奏される。
また、本実施形態では、第2可変入賞装置32bが、第2始動入賞装置33bよりも遊技領域の上流側に配置されている。つまり、本実施形態の第2始動入賞装置33bに関しては、遊技球が第2始動入賞装置33bに進入して排出されるまでに比較的長い時間を要する。より具体的には、第2始動入賞装置33bの上流側で遊技釘や役物等でまず整流され、さらに、庇部481や受付台479でも整流されるとともに、閉位置にある第1シャッタ474を通過して、前後に蛇行する連絡通路477を経由し、閉位置にある第2シャッタ475の上で直交する方向に進路を変えながら下流側に通過することで、やっと、第2始動入賞装置33bから遊技球が排出されることとなる。このため、第2始動入賞装置33bが第2可変入賞装置32bよりも上流側にある場合には、第2可変入賞装置32bが開状態とされる大当たり状態や小当たり状態に際しての遊技球の入賞がスムースにいかなくなるおそれがあるが(特に、本例のように右遊技領域を通過する遊技球のほぼ全て(第2可変入賞装置32bに入賞する遊技球を除く)が第2始動入賞装置33bに案内されるような構成の場合にはより顕著になる)、本実施形態では、かかる不具合等を払拭することができる。尚、本例の第2始動入賞装置33bは、第1始動入賞口472と第2始動入賞口473との間に、両者間を直線的に接続するよりも長い時間(長い距離)をかけて遊技球を第1始動入賞装置33a側から第2始動入賞装置33b側へと案内する連絡通路477が設けられているため、かかる作用効果がより一層奏されることとなる。
加えて、第2可変入賞装置32bが開放される大当たり状態においては、第2始動入賞装置33bに落下してくる遊技球の数を低減させることができ、落下してくる遊技球を受け止める第2始動入賞装置33b(庇部481、受付台479、第1シャッタ474等)への負担や損傷のおそれ等を低減させることができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記第1実施形態では、特定ポイントとしての始動入賞口402の上方位置から、導入路412、及び、再突入路414を経て、再び始動入賞口402の上方位置に至る遊技球の再突入ルートは、始動入賞口402の上方位置(始動入賞シャッタ405の左部に相当)において交差するように構成されているが、交差しないように(同じ場所を2度と通過しないように)構成してもよい。この場合、案内台407から始動入賞口402の上方位置に飛び出してきた遊技球と、再突入路414を経由して再度始動入賞口402の上方位置に飛び出してきた遊技球とが衝突し、弾けて、始動入賞口402に入賞しなくなってしまうといった事態をより確実に回避することができる。例えば、案内台407から遊技球は始動入賞シャッタ405のうち導入路412側である左部に落下し、再突入路414から遊技球は始動入賞シャッタ405のうち排出開口部411側である右部に導出されるように構成してもよい。
尚、上記実施形態では、再突入ルートが交差しているものの、始動入賞口402の上方位置であるため、その位置で遊技球同士がぶつかってもぶつかり合った双方の遊技球が始動入賞口402に入る可能性が高い。従って、始動入賞口402の上方位置以外で再突入ルートが交差している場合に比べて、遊技球同士が始動入賞口402への入賞を阻害し合ってしまうといった事態を抑制することができる。
(b)また、上記第1実施形態では、始動入賞シャッタ405が閉位置にあるときに、始動入賞シャッタ405の上面、導入路412、及び、再突入路414を経て、もう一度だけ始動入賞口402の上方位置に戻るように構成されているが、1つの遊技球が3度以上、始動入賞口402の上方位置にアクセス可能なように構成してもよい。例えば、図45、図46に示すように、始動入賞口402及び始動入賞シャッタ405を段差状に構成する。すなわち、始動入賞シャッタ405を、上下に延びる連結板491と、連結板491の上辺部から左方に延びる上閉塞板492と、連結板491の下辺部から右方に延びる下閉塞板493とを備えるように構成し、始動入賞口402も対応する形状にする。
さらに、始動入賞シャッタ405よりも奥側に位置する再突入路(第1突入路494)に加え、始動入賞シャッタ405の手前側にも再突入路(第2突入路495)を形成する。そして、始動入賞シャッタ405が閉位置にあるときに、遊技球が案内台407から始動入賞口402の上方位置に案内された場合、遊技球は、始動入賞シャッタ405のうち上閉塞板492に落下し、導入路412を介して、第1突入路494に進入する。第1突入路494を経由した遊技球は、始動入賞口402の上方位置、より具体的には、始動入賞シャッタ405のうち上閉塞板492に対応する位置に飛び出すこととなる。このタイミングでも始動入賞シャッタ405が閉位置とされていた場合には、遊技球は、上閉塞板492を前方に向けて横断し、第2突入路495に進入する。第2突入路495を経由した遊技球は、始動入賞口402の上方位置、より具体的には、始動入賞シャッタ405のうち下閉塞板493に対応する位置に飛び出すこととなる。このタイミングで始動入賞シャッタ405が開放されていた場合には遊技球が始動入賞口402に入賞し、始動入賞シャッタ405が閉位置とされていた場合には、遊技球が下閉塞板493の上面に案内されて、排出開口部411から排出されることとなる。
尚、当該態様例の第2始動入賞装置33bは、遊技盤30とガラス枠ユニット137との間の空間には収まらないため、遊技盤30を削って導入路412をより後方に配置し、案内台407では遊技球を斜め後方に飛び出させるように構成する。
(c)上記第1実施形態において、導入路412及び再突入路414の少なくとも一方に対し、遊技球に推進力を付与する推進力付与手段を設けることとしてもよい。例えば、導入路412の下面から上部が露出するローラと、ローラを回転させるモータとを設けることとしてもよい。また、例えば、導入路412及び再突入路414にベルトコンベアのような移動手段を敷設することとしてもよい。
尚、始動入賞口402の上方位置にある閉位置の始動入賞シャッタ405上面を通過した遊技球を、もう一度、始動入賞口402の上方位置に戻すといった構成上、導入路412は始動入賞口402から離間する方向側に上方傾斜させる必要があり、遊技球は導入路412を駆け上がるといった格好になる。
(d)上記第1実施形態の始動入賞シャッタ405の例えば上面や、始動入賞シャッタ405の下面を受ける始動入賞口402の開口周縁部に対して、遊技球を受けた際の衝撃を緩和する緩衝材(ゴムや比較的軟質の熱可塑性エラストマー等)を設置してもよい。この場合、破損や衝突音の発生を抑制することができる。尚、緩衝材に関しては、第2実施形態の大入賞シャッタ434や第3実施形態の始動入賞シャッタ405に適用することも可能である。
(e)第2実施形態では、遊技球を入賞口に直ちに入賞可能な状態のまま所定時間移動させるといった構成を第2可変入賞装置32bに具体化しているが、かかる第2可変入賞装置32bのような構造を第2始動入賞装置33b等の所定の抽選に利用される始動入球手段に適用することも可能である。この場合、開放時間を長くすることなく、より多くの遊技球を短期集中的に始動入球手段に入球させることができ、始動入球手段に入球した場合に付与される賞球を減らしたとしても、始動入球手段への入球数が増える(発射総数に対する入球割合が増える)ことから、持ち球の減るスピードが速くなり過ぎてしまうことを防止又は抑制することができる。さらに、始動入球手段への入球数が増えることで、抽選の機会が増え、抽選をより多く受けられることや演出機会が増えることによる興趣の向上を図ることができる。また、新たな遊技性を生み出すこともできる。
(f)上記第2実施形態では、第2可変入賞装置32bの大入賞シャッタ434が前後にスライドするように構成されているが、特にかかる構成に限定されるものではなく、上下にスライドして前後に開口する大入賞口を開閉するように構成したり、回動可能に構成したりしてもよい。さらに、上記第2実施形態では、閉状態にある第2可変入賞装置32bに到達した遊技球は、大入賞シャッタ434の上面に載り、大入賞シャッタ434の長手方向一端部側である右端部近傍部位から、長手方向他端部側である左端部にまで移動するように構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、大入賞シャッタ434が開放されたら直ちに大入賞口432に入球できるような状態で遊技球を極力長く移動させることができるようになっていればよい。
例えば、第2可変入賞装置32bを図58に示すように構成してもよい。すなわち、図58の第2可変入賞装置32bの大入賞シャッタ434は、上下に延在して大入賞口432を閉塞する閉位置と、前後に延在して大入賞口432を開放する開位置との間を、閉位置にある際の上縁部に沿って左右に延びる軸線方向を中心に回動可能に構成されている。また、大入賞シャッタ434が閉位置にある場合に第2可変入賞装置32bに到達した遊技球を受け止める受部材801を備えている。受部材801は、大入賞口432の下縁部から前方に延びる受板802と、受板802の前縁部から上方に延びる前板803とを備え、透明な樹脂材料で一体的に形成されている。
受板802の少なくとも上面(受面)は、左方(図58の紙面奥側)に向けて若干下方傾斜している上、さらに、後方に向けて若干下方傾斜している。このため、受部材801に受け止められた遊技球は、後方の大入賞シャッタ434に当接した状態を維持しつつ、受部材801上を左方に移動するようになっている。そして、大入賞シャッタ434が開位置とされた場合には、受部材801を移動しながら大入賞シャッタ434に寄り掛かっていた遊技球は、大入賞シャッタ434の支えが外れることから、後方傾斜する受板802に案内され、奥側の大入賞口432に入球することとなる。尚、遊技球が受部材801に受け止められたものの、受部材801の左端に遊技球が至るまでに大入賞シャッタ434が開放されなかった場合には、第2可変入賞装置32bの外部に排出される。
以上のように第2可変入賞装置32bを構成した場合においても、遊技球が大入賞口シャッタ434に寄り掛かっているといった第2可変入賞装置32bが開状態とされれば直ちに大入賞口432に入球可能な状態のまま、大入賞口シャッタ434の長手方向に沿って遊技球を移動させることができるため、第2可変入賞装置32bへの入球の可能性を高めるといった上記第2実施形態と基本的に同様の作用効果が奏される。
(g)上記第2実施形態では、閉位置にある大入賞シャッタ434に載った遊技球を、大入賞シャッタ434の長手方向である左右方向一端部付近から他端部側に向けて移動させることで、大入賞シャッタ434に載っている時間を極力長くするように構成されているが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、閉位置にある大入賞シャッタ434に載った遊技球を、大入賞シャッタ434の上面において、大入賞シャッタ434の長手方向における幅よりも長い距離を移動させるように構成してもよい。
例えば、図56に示す第2可変入賞装置32bには、大入賞シャッタ434の上面に複数の凸部を適宜形成することによって、大入賞シャッタ434の上面を移動する遊技球を蛇行させる入球機会付与手段としての案内溝811が設けられている。本態様例においては、第2可変入賞装置32bの上流側に配置される遊技釘等の遊技部材によって、第2可変入賞装置32bに進入する遊技球が、大入賞シャッタ434の案内溝811の最上流位置である右端部近傍部位812(その他の部位よりも幅広になっている)に案内されるように構成されている。
また、図56(b)に示すように、第2可変入賞装置32bを遊技盤30に取付けるための取付板431うち、大入賞シャッタ434を出没させる収容開口部408よりも上方の部位(以下、上ベース部813と称する)は、その前面が上方に向けて後方傾斜している。上ベース部813の下端部(収容開口部408の上縁部)は、大入賞シャッタ434の上面を移動する遊技球の中央部よりも下方に位置するようになっており、大入賞シャッタ434上を移動する遊技球が後方に移動した場合には、上ベース部813が遊技球の中央よりも下側の部分と当接することとなる。このため、閉位置にある大入賞シャッタ434が後方の開位置へと変位する際に、大入賞シャッタ434に載っている遊技球が案内溝811の前縁部を画定する段差に引っ掛かるようにして後方に移動し、上ベース部813側に押し付けられたとしても、遊技球は、上ベース部813の前面に案内されて上方に変位しながら、案内溝811の前縁部を画定する段差を相対的に乗り越え、大入賞口432に入球するようになっている。
以上のように、大入賞シャッタ434の上面において蛇行する案内溝811を形成し、大入賞シャッタ434の上面に載った遊技球を、蛇行させながら、当該大入賞シャッタ434の長手方向における幅よりも長い距離を移動させることで、大入賞シャッタ434が開位置となれば遊技球を大入賞口432に入球させることのできる状態をより長時間キープすることができる。従って、第2可変入賞装置32bが複数回開状態とされる期間において、第2可変入賞装置32bが閉状態となっている際に第2可変入賞装置32bに到達するようなタイミングで遊技球を打ち出してしまっても、当該遊技球は、第2可変入賞装置32bが開状態とされたならば直ちに第2可変入賞装置32bに入球可能な位置において移動しつつもその範囲内で極力留まり、第2可変入賞装置32bが次に開状態とされるタイミングを待つことができる。結果として、第2可変入賞装置32bへの入球の可能性を高めるといった上記第2実施形態の作用効果が一層確実に奏されることとなる。
特に、本態様例では、大入賞シャッタ434の上面に載っている遊技球を、左右に長い略矩形状の大入賞シャッタ434の長手方向に対して交差する方向に蛇行させながら大入賞シャッタ434の長手方向下流側に向けて、大入賞シャッタ434の長手方向における幅よりも長い距離を移動させている。一般に、遊技盤30とその前方に配置される透明なガラスユニット137とによって画定される遊技領域の前後の幅は、遊技球の直径(約11mm)の2倍よりも狭くなっている。このため、大入賞シャッタの上面に載っている遊技球を、略矩形状の大入賞シャッタの短手方向に対して交差する方向に蛇行させながら、又は、略円形状の大入賞シャッタの中心側から外周側に向けて旋回させながら、大入賞シャッタの長手方向における幅よりも長い距離を移動させようとすると、大入賞シャッタの前後幅を遊技領域の前後幅よりも広くする必要が生じる上、大入賞シャッタ上を移動する遊技球の好適なスタート地点として遊技盤30の前面よりも後方のポイントを選択せざるを得なくなってしまうおそれがある。この場合、構成の複雑化等を招くおそれがある。この点、大入賞シャッタ434の上面に載っている遊技球を、略矩形状の大入賞シャッタ434の長手方向に対して交差する方向に蛇行させるだけであれば、大入賞シャッタ434の前後幅を遊技領域の前後幅よりも広くしなくても、大入賞シャッタ434に載った遊技球を、大入賞シャッタ434の長手方向における幅よりも長い距離を移動させることができる。従って、かかる不具合を払拭することができる。
また、例えば、大入賞シャッタ434に凹凸を形成するのではなく、閉位置にある大入賞シャッタ434の上方において、大入賞口432の開口周縁部から内周側に突出する突部を形成することで入球機会付与手段を構成し、大入賞シャッタ434の上面に載った遊技球を前記突部で誘導して蛇行させながら移動させるといった構成を採用してもよいが、その場合、大入賞シャッタ434を開位置に変位させても、突部が大入賞口432の開口周縁部から内周側に突出したままの状態で残ることとなる。このため、大入賞口432への遊技球の入球し易さが低下してしまうおそれがあることから、上記態様例のように、大入賞シャッタ434に直接案内溝811を形成することによって、大入賞シャッタ434が開位置へと変位すれば、当然案内溝811についても、全体が遊技領域外に退出するため、かかる不具合を払拭することができる。
さらに、取付板431のうち、閉位置にある大入賞シャッタ434に載っている遊技球に当接する可能性のある上ベース部813の前面は、上方に向けて後方傾斜しており、大入賞シャッタ434に載っている遊技球が、後方の開位置へと移動する大入賞シャッタ434の案内溝811の前縁を画定する段差に引っ掛かって上ベース部813に押し付けられたとしても、上ベース部813に乗り上げるようにして上方に変位し、比較的スムースに大入賞シャッタ434(の案内溝811の段差)を乗り越えることができる。このため、閉位置にある大入賞シャッタ434が後方の開位置へと変位する際に、案内溝811の前縁を画定する段差と、上ベース部813との間に、大入賞シャッタ434に載っている遊技球が挟まれるようにして圧接され、その力に起因して遊技球が弾け飛んで行ってしまうといった事態を回避することができる。従って、大入賞シャッタ434を開位置とする際に大入賞シャッタ434に載っていた遊技球をより確実に大入賞口432に入球させることができるとともに、第2可変入賞装置32b等の損傷を抑制することができる。
尚、大入賞シャッタ434が開きさえすれば直ちに大入賞口432に入球し得る状態で所定距離移動させる構成の変形例として、例えば、図58に示すように、大入賞シャッタ434の前面や受板802の上面に対して入球機会付与手段としての小突起805を設けることとしてもよい。当該小突起805の存在により、受部材801を移動する遊技球の移動速度が抑制されることとなる。従って、第2可変入賞装置32bが開状態とされれば直ちに大入賞口432に入球可能な位置において遊技球を極力長時間滞在させ、第2可変入賞装置32bへの入球の可能性を高めるといった作用効果がより一層奏される。
さらに、例えば、大入賞シャッタの上面を中央が低く左右が高い略円弧状に形成し、大入賞シャッタに載った遊技球が左右に往復転動するとともに、勢いが弱まった場合に大入賞シャッタから落下するように構成してもよい。尚、当該構成(遊技球を大入賞シャッタ上で左右に往復転動させる構成が入球機会付与手段に相当する)を採用する場合には、大入賞シャッタ上を転動した遊技球を大入賞シャッタ上から前方又は後方にこぼして第2可変入賞装置の外部に排出することができないといけないため、遊技盤30に孔又は穴を形成して、大入賞シャッタの前後に遊技球を第2可変入賞装置の外部に排出するための通路を形成する必要がある。
加えて、例えば、前方に開口する大入賞口432を閉塞する閉位置と、閉位置よりも下方から下方に変位して大入賞口432を開放する開位置との間を変位可能な大入賞シャッタ434と、受部材801の受板802の上面から上方に出現して受板802上に案内溝811を形成する出現位置と、受板802の上面から下方に退出する没入位置との間を変位可能な案内部材とを設け、大入賞シャッタ434が開位置とされれば、案内部材も没入位置とされるといった具合で連動するよう構成してもよい。
(h)また、第2実施形態において、第2可変入賞装置32bの大入賞シャッタ434の形状としても特に限定されるものではない。例えば、左右に延びる回転軸と、回転軸から遠心方向に延びる複数の羽根型開閉板とを備え、羽根型開閉板で大入賞口を閉塞するとともに、回転軸が回転し、遊技球を載せている羽根型開閉板が下方に回動することで、載っている遊技球が大入賞口432に入賞するように構成してもよい。
さらに、上記第2実施形態では、第2可変入賞装置32bの始動入賞シャッタ405が開位置とされた場合、大入賞シャッタ434に載っていた遊技球の全てが大入賞口432に入球するように構成されているが、かかる構成に限定されず、少なくとも入球の可能性が高まっていればよい。例えば、大入賞シャッタ434を大入賞口432から上流側にはみ出すようにして右上に延長させてもよい。また、大入賞シャッタ434を延長させる構成に代えて、閉位置にある大入賞シャッタ434の上端部に隣接させて、整流手段としての上記第4実施形態の受付台479のようなスタート台を設け、当該スタート台に遊技球を経由(落下)させてから、大入賞口432側に案内されるような構成としてもよい。この場合、大入賞口432側に進入する遊技球の速度や角度等のばらつきを抑制することができるとともに、大入賞シャッタ434の損傷をより一層抑制することができる。尚、スタート台は、大入賞シャッタ434よりも衝撃に強く構成されている(衝撃を和らげる手段を備えている、又は、自身の強度が高い)こととしてもよいし、着脱可能に構成され、交換可能であることとしてもよい。
(i)また、例えば、図57に示すように、第2可変入賞装置32bを構成してもよい。すなわち、図57に示す第2可変入賞装置32bの大入賞シャッタ434は、上方に開口する大入賞口432を閉塞する閉位置と、大入賞口432を開放する開位置との間を前後に変位可能な第1シャッタ821と、第1シャッタ821の上方において、第1シャッタ821から遊技球の直径以上の距離を隔てて併設され、第1シャッタ821を挟んで大入賞口432の上方に位置する閉位置と、大入賞口432の上方から退出する開位置との間を前後に変位可能な第2シャッタ822とを備えている。第1シャッタ821及び第2シャッタ822は、同時に、開位置記閉位置との間を変位可能に構成され、本態様例では、両者が一体的に形成されている。
第2シャッタ822は、左方に向けて若干下方傾斜している。また、第1シャッタ821は、右方に向けて若干下方傾斜している。さらに、第1シャッタ821は、第2シャッタ822よりも左右幅が大きく、左端部が第2シャッタ822の左端部よりも遊技球の直径以上左方に位置しているとともに、第1シャッタ821には、左端部から上方に突出するストッパー823が形成されている。また、本態様例においては、第2可変入賞装置32bの上流側に配置される遊技釘等の遊技部材によって、第2可変入賞装置32bに進入する遊技球が、第2シャッタ822の上流側に位置である右端部近傍部位に案内されるように構成されている。
そして、閉位置にある第2シャッタ822に落下した遊技球は、当該第2シャッタ822上を左方に移動して左端部から落下することとなるが、当該遊技球は、閉位置にある第1シャッタ821の左端部近傍部位に着地し、今度は、第1シャッタ821上を右方に移動する。また、閉位置にある第1シャッタ821及び第2シャッタ822が開位置へと変位した場合には、第1シャッタ821及び第2シャッタ822に載っているほぼ全ての遊技球が大入賞口432に入球することとなる。尚、第1シャッタ821上を第1シャッタ821の右端部にまで移動してしまった遊技球は、第2可変入賞装置32bから外部に排出されることとなる。
以上のような構成を採用する場合、第1シャッタ821に落下(進入)する遊技球の位置や速度を第2シャッタ822である程度限定することができ、第1シャッタ821上における遊技球の移動を好適なものとすることができる。また、閉位置にある第1シャッタ821に載っている遊技球だけでなく、閉位置にある第2シャッタ822に載っている遊技球についても、第1シャッタ821及び第2シャッタ822が開位置へと変位することで、大入賞口432に入球することから、遊技球を効率的に大入賞口432に入球させるといった上記第2実施形態と同様の作用効果がより一層確実に奏される。
尚、上記態様例において、第2シャッタ822の直下方位置において遊技釘を設置することとしてもよい。但し、当該遊技釘は、閉位置にある第2シャッタ822が開位置となった場合に閉位置にあるときに第2シャッタ822に載っていた遊技球が大入賞口432に入球可能な配置とされる上、閉位置にある第1シャッタ821上を移動する遊技球の移動を阻害しないように配置されることとする。このような構成を採用する場合、第1シャッタ821及び第2シャッタ822が開位置にある状態で、第2シャッタ822よりも上方位置から、途中で遊技釘等の遊技部材に一切接触することなく大入賞口432に対して比較的高い位置からダイレクトに遊技球が飛び込んだ場合に、当該遊技球を受け止める際の衝撃が比較的大きくなってしまうという事態を防止することができる。また、かかる遊技釘で第2シャッタ822の下面を支えるように構成することも可能である。
(j)上記第2実施形態において、左下に傾斜する大入賞シャッタ434の上面には、遊技釘や役物等によって、左上方位置から右下方に向けて遊技球が案内される(落下する)ように構成してもよい。この場合、大入賞シャッタ434の上面の傾斜方向とは反対方向に遊技球を落下させることとなり、大入賞シャッタ434上を移動する遊技球の(初)速度を極力遅くすることができる。
(k)上記第3実施形態において、切替え板451(切替え板459)の設置位置は特に限定されることなく、始動入賞口402の上流側であれば基本的問題はない。但し、切替え板451と始動入賞口402との間の距離が変化すれば、当然、切替え板451の開状態と閉状態との切替えのタイミングも変化するため、相対位置や形状等に変化があれば、シミュレーションなどに基づいて対応する設計を行う必要がある。
(l)上記第3実施形態において、始動入賞シャッタ405の開閉タイミングと、切替え板451(切替え板459)の動作タイミングとを同期させる同期手段を設けることとしてもよい。同期手段としては、例えば、機械的に連動させる連動機構であってもよいし、開放・作動契機、及び、開放・作動条件を同じにしてそれぞれ開放・作動させる制御手段であってもよいし、始動入賞シャッタ405の開放タイミングを計ってタイミングを合わせる制御手段であってもよい。
(m)第1実施形態の第2始動入賞装置33bと、第2実施形態の第2可変入賞装置32bと、第3実施形態の第2始動入賞装置33bとを適宜組合わせて使用することも可能である。
(o)上記第4実施形態において、第2始動入賞装置33bの形状は特に限定されるものではなく、例えば、第1始動入賞口472を第2始動入賞口473よりも左上方に配置し、遊技球が左から右に流れるように構成してもよい。加えて、連絡通路477についても、例えば、遊技球を旋回させながら流下させる構成としてもよい。
さらに、第4実施形態では、第2始動入賞装置33bにおいて、第1始動入賞口472、及び、第2始動入賞口473が存在するが、例えば、入口が左右に幅広の1つの始動入賞口(入球を検知する始動入賞スイッチ224bは1つ)があり、入口の右端と左端とにおいて遊技球が入球可能に構成されるとともに、中間位置は連絡通路477で閉塞され、また、入球可能部がそれぞれシャッタにより開閉可能に構成されてもよい。尚、第2始動入賞装置33bに設けられる始動入賞口の数を3つ以上としてもよい。
(p)上記第4実施形態では、第2始動入賞装置33bの第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473のどちらに遊技球が入球しても付与される特典が同じであったが、異なるように構成してもよい。例えば、上記第4実施形態のように、第2始動入賞装置33bに遊技球が進入したとしても、いずれの始動入賞口472、473にも入賞することなく、第2始動入賞装置33bから排出される可能性がある構成の場合、後のタイミングで入賞の可能性がある第2始動入賞口473に入賞した方が、第1始動入賞口472に入賞するよりも手厚い(大きい・多い)特典が付与されるように構成してもよい。特典としては、例えば、始動入賞スイッチ224bの検知に基づいて払出される遊技球の数が多い、始動入賞スイッチ224bの検知に基づいて行われる当否抽選の当選確率が高い、始動入賞スイッチ224bの検知に基づいて行われる当否抽選にて当選した場合の大当たり種別の振分けが遊技者に有利、第2始動入賞口472に入賞した遊技球を検知する始動入賞スイッチ224bが複数ある(特別図柄の変動表示が複数保留される)、第2始動入賞口472に入賞した遊技球を検知する始動入賞スイッチ224bとスルーゲートスイッチ225とがある(特別図柄の変動表示と普通図柄の変動表示とが保留される)等が挙げられる。尚、第2始動入賞口473へは第1始動入賞口472が第1シャッタ474で閉鎖されている場合にしか遊技球が到達できず、かつ、遊技球が第1シャッタ474を通過し、第2シャッタ475を通過する前に、第2シャッタ475が開放されないと入球することができないことから、第1始動入賞口472及び第2始動入賞口473への入球に基づいて付与される特典を異ならせる場合には、(入球の難易度的に、或いは、単純に見た目の面白さの点で)第2始動入賞口473への入球に基づいて付与される特典の方が遊技者にとってより有利なものであることが望ましい。
さらに、第2始動入賞装置33bに遊技球が進入すると、遊技球が複数ある始動入賞口のいずれかに必ず入賞する(或いは、所定の期間中に第2始動入賞装置33bに遊技球が進入すると、遊技球が複数ある始動入賞口のいずれかに必ず入賞する)ように構成される場合、遊技球が後のタイミングで入賞の可能性がある始動入賞口よりも、先のタイミングで入賞の可能性がある始動入賞口への入賞の方が手厚い特典が付与されるように構成してもよい。また、第2始動入賞装置33bの始動入賞口が3つ以上ある場合には、中間地点にある始動入賞口への入賞の特典を大きく(多く)してもよい。加えて、入賞の特典が大きい(多い)方の始動入賞口の方が、小さい(少ない)方の始動入賞口よりも遊技者側となる前側に位置する(目立つ位置にある)ように構成することが望ましい。
尚、第4実施形態の第2始動入賞装置33bの構成を別の対象、例えば、第2可変入賞装置32b等に具体化してもよい。つまり、この場合は、第2可変入賞装置32bの大入賞口が複数あり、各大入賞口を開閉するシャッタや、大入賞口間を繋ぐ連絡通路等によって、シャッタによって上流側の大入賞口への入賞が拒否された遊技球が下流側の大入賞口へ順次案内されるように構成することとなる。また、上記第4実施形態のように所定の入賞口への入球がかなわなかった場合に別の入賞口に当該遊技球を案内するといった構成を始動入賞装置に具体化する構成に代えて、又は、加えて、可変入賞装置に適用することも可能である。
(q)また、第4実施形態において、連絡通路477を通過する遊技球の通過速度を遅らせる速度低下手段を備えていることとしてもよい。例えば、遊技球で羽根を押し退けて回転させる風車を設置したり、遊技球の通過する方向とは反対側に遊技球を送る向きに回転するローラ(例えば、偏心していて遊技球を反対側に送れない位相があり、連絡通路477に進入した遊技球は必ず下流側に移動して第2始動入賞口473の上方位置に至る)を設置したりしてもよい。
(r)上記実施形態において大当たり確率や、大当たり種別の数や、各種大当たり種別の第1可変入賞装置32a、第2可変入賞装置32bの開閉パターン等は特に限定されるものではなく、機種ごとに適宜設定可能である。さらに、上記実施形態では、当否抽選での当選確率が変動する構成となっているが、当選確率が変動せず(一定であり)、大当たり状態終了後に付与される高入球状態の期間(変動回数)が複数パターン用意されているパチンコ機に上記構成を適用してもよい。
また、上記実施形態では、第1始動入賞装置33aに遊技球が入球した場合に行われる当否抽選と、第2始動入賞装置33bに遊技球が入球した場合に行われる当否抽選とで別々のテーブルが参照され、大当たり種別の振分けが変化するように構成されているが、同じにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、入球した遊技球の検知に基づいて特別図柄の変動表示が行われる始動入賞装置33a、33bが2つ設けられるとともに、大当たり状態や小当たり状態に際して開放される可変入賞装置32a、32bが2つ設けられ、通過した遊技球の検知に基づいて普通図柄の変動表示が行われるスルーゲート34が1つ設けられているが、これらの数や配置等は特に限定されるものではなく、機種毎に設定可能である。
(s)上記実施形態では、既に保留されている第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球に基づく変動表示(第1変動表示)よりも後に保留された第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づく変動表示(第2変動表示)が、前記第1変動表示よりも先に消化されるといった具合に、保留された順番を前後するようにして、第2変動表示が優先的に消化されるよう構成されているが、第1変動表示であるか、第2変動表示であるかに関係なく、保留された順番通りに消化されるように構成してもよい。
(t)上記実施形態では、主制御装置261にてメイン処理(図9参照)の後、通常処理(図10参照)を行う構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、メイン処理のステップS111の後に、上記実施形態で通常処理のステップS210~ステップS219で行われていたカウンタ値の更新等の処理を行い、例えば、2msec毎に行われるタイマ割込み処理において、上記実施形態で通常処理のステップS201~ステップS209で行われていた処理と、上記実施形態でNMI割込み処理として行われていたステップS401の処理とを行うこととしてもよい。尚、この場合のステップS401の処理としては、例えば、CPU501のNMI端子に停電監視回路542から停電信号SK1が出力されたか否かを判定し、停電信号SK1の出力が確認された場合に、停電の発生を示すフラグをオンにする構成が挙げられる。また、ステップS401の処理に関しては、上記実施形態と同様に、NMI割込み処理として別途行うこととしてもよい。
(u)上記実施形態では、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリアに対して大当たり状態が発生するか否かの情報が上書きされる構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアに対して当選乱数記憶エリアとは別に、大当たり状態が発生するか否かの情報を記憶する記憶エリアを設けることとしてもよいし、特別変動保留エリアとは別に、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアに個別に対応する記憶エリアを設け、当該記憶エリアに大当たり状態が発生するか否かの情報を記憶することとしてもよい。尚、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリアとは別に、大当たりの種別を記憶する記憶エリアを設けることとしてもよいし、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアとは別に、リーチ情報を記憶する記憶エリアを設けることとしてもよい。また、上記実施形態において、特別図柄の変動表示の開始時に、当否乱数カウンタC1の値が当選に対応する値であるか否か等を再度確認し、当該確認処理に応じた処理が行われるように構成してもよい。
(v)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。例えば、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定領域と、特定領域への入球を許容する開状態と、特定領域への入球を禁止する閉状態とに変化可能な可動手段(羽部材)とを具備する可変入球手段と、特定領域に入球した遊技球が入球可能な特定入球手段及び非特定入球手段と、特定入球手段に入球した遊技球を検知する特定入球検知手段(条件成立検出手段)と、特定領域の外部に設けられ、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特別始動手段と、特別始動手段に入球した遊技球を検知する特別始動検知手段と、可変入球手段の開閉制御を行う主制御手段とを備え、特定領域に遊技球が入球した場合には、当該遊技球が特定入球手段及び非特定入球手段のどちらに入球する場合であっても遊技者に所定数の遊技価値(遊技球)が付与され、主制御手段は、特別始動検知手段の検知に基づいて、可変入球手段を第1時間だけ1回又は複数回開状態とさせる小当たり状態、又は、可変入球手段を前記第1時間よりも長い第2時間開状態とさせる、又は、開状態とされた可変入賞手段に規定個数の遊技球が入球するまでを1ラウンドとして、これを規定回数繰り返す大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選を行い、当否抽選にて小当たりに当選した場合には小当たり状態を発生させ、当否抽選にて大当たりに当選した場合、及び、特定入球検知手段の検知があった場合には大当たり状態を発生させるといった遊技機に適用してもよい。加えて、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機、回胴式遊技機としてのスロットマシンや、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機などとして実施してもよい。
[付記]
上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射装置によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた特別始動手段に入球すると、当たり状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、可変表示装置にて抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2003-154110号公報参照)。
また、一般に、パチンコ機には、遊技球が入球可能又は入球容易な開状態と、遊技球が入球不可能又は入球困難な閉状態との間で状態変化する、所謂、電子チューリップやアタッカー等と呼ばれる可変入球装置が設けられている。そして、遊技球が可変入球装置に入球すると、遊技者に対して所定数の遊技球が払出されるように構成されている。
さらに、かかる可変入球装置は、所定条件の成立に基づいて開放されるようになっているが、一度の所定条件の成立に基づいて、開閉を定期的に複数回繰り返すものが多い。そこで、可変入球装置の開閉が定期的であることを利用して、可変入球装置が開状態となっているときに可変入球装置に至るようなタイミングで遊技球を発射し、可変入球装置が閉状態となっているときに可変入球装置に至るようなタイミングでは遊技球の発射を控えるといった技術的操作を行うことで、可変入賞手段に入球しない遊技球を低減させ、ひいては、最終的に獲得する遊技球の総数を増やすことができる。
しかしながら、かかる技術的操作を実行する遊技者と、実行しない遊技者、或いは、上手くできない遊技者とが存在し、最終的に獲得する遊技球の総数に比較的大きな違いが生じてしまうことも珍しくない。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技者間の技術格差による不公平感を抑制することのできる遊技機を提供することにある。
手段A1-1.発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定入賞口と、
前記特定入賞口に入球する遊技球が(必ず)通過することとなる特定入球ルート上の特定ポイントに配置され、前記特定入賞口への遊技球の入球を不可能又は困難にする閉状態と、入球可能又は入球容易にする開状態との間で状態変化可能な開閉部材とを備え、
前記開閉部材が前記閉状態にある場合に、(当該開閉部材が閉状態であることに起因して、前記特定ポイントを前記特定入賞口側に通過することのできない)遊技球に対し、通常とは別の(今よりも後の)タイミングで前記特定ポイントを通過させる機会を付与する時間差通過機会付与手段を備えていることを特徴とする遊技機。
開閉部材が閉状態とされている場合、遊技球が特定ポイントを特定入賞口側に通過する可能性は低く(事実上なく)、特定入賞口に入球する見込みが少ない(事実上ない)。これに対し、本手段A1-1によれば、開閉部材が閉状態とされている場合には、当該開閉部材が閉状態であることに起因して、特定ポイントを特定入賞口側に通過することのできない遊技球に対し、通常とは別のタイミングで(今よりも後のタイミングで)特定ポイントを通過させる機会を付与することができるようになっている。このため、遊技球をそのままいつも通りに特定ポイントに至らせても特定ポイントが閉状態にある開閉部材によって閉鎖されているタイミングで遊技球を特定ポイントに至らせる場合に比べて、遊技球を特定ポイントに至らせることで、そのときに開閉部材が開状態とされている可能性が高まる通常とは別のタイミングで(今よりも所定時間後のタイミングで)遊技球を特定ポイントに至らせることができ、ひいては、遊技球が特定ポイントを特定入賞口側に通過し、特定入賞口に入球する可能性を高めることができる。従って、特定入賞口への入球を狙って発射された遊技球のうち、特定ポイントを通過して特定入賞口に入球する遊技球の数と、特定ポイントに到達したが、開閉部材に規制されて、特定入賞口に入球することのないルートに排除される遊技球の数との割合において、特定入賞口に入球する遊技球の数の比率を高めることができる。これにより、特定入賞口に入球させるべく遊技領域に発射された遊技球を効率的に特定入賞口に入球させることができ、特定入賞口を狙って発射されたものの入球には至らなかった無駄球を極力減少させ、特定入賞口に入球させるために多くの遊技球を発射させる必要が生じるといった事態を抑制することができる。結果として、遊技を進行させる上で必要な遊技球の数を低減させることで、遊技者の負担を低減させることができるとともに、特定入賞口に効率的に遊技球が入球することで、遊技を小気味よく進行させる(電チューに具体化する場合には変動表示のテンポを上げる、及び、変動表示の保留をなくさないことができ、アタッカーに具体化する場合には、ラウンドをスムースに進行させることができる)ことができる。
また、一般に、開閉部材が開状態となっているときに特定ポイントに至るようなタイミングで遊技球を発射し、開閉部材が閉状態となっているときに特定ポイントに至るようなタイミングでは遊技球の発射を控えるといった技術的操作を行うことで、特定入賞口に入球しない遊技球を低減させることができる。これに対し、かかる技術的操作を実行する遊技者と、実行しない遊技者とが存在し、長期的に見れば、獲得する遊技球の総数に比較的大きな差が出る。さらに、遊技機の開発においては、遊技ホール等での実情を踏まえた上での設計がなされ、発射された遊技球の総数と、払い出された遊技球の総数との比率(所謂、ペイアウト率)については、前記技術的操作を行った遊技者の分も含めての設計となる。特に、前記技術的操作を行う遊技者の数が多いほど、ペイアウト率が遊技者に有利になり過ぎるのを抑制するべく、当選確率を低くしたり、遊技球が払出される各種入賞口に遊技球が到達して入球する可能性を低くしたりする傾向になり易く、前記技術的操作を行わない遊技者の負担がより大きくなってしまうおそれがある。これらのような理由から、前記技術的操作を行う遊技者と、行わない遊技者等との間での不公平感が多分に存在していた。
この点、本手段では、開閉部材が閉状態となっているときに特定ポイントに至るようなタイミングで遊技球を発射しても、遊技球が特定入賞口に入球する可能性があることから、遊技球を発射させ続けても、特定入賞口に入球しない無駄玉の発生が抑制されることとなる。このため、前記技術的操作を行う遊技者と、前記技術的操作を行わない遊技者との間の獲得する遊技球の差を縮める(事実上なくす)ことができる。従って、遊技者の技術格差をなくし、前記技術的操作を行わない(知らない、上手くできない、或いは、意図的にやらない)遊技者との間の不公平感を低減、或いは、払拭することができる。また、上記技術的操作を行わなければ、損になってしまうからといって常に気を遣いながら遊技を行う遊技者にとっても、そのようなことを気にせず遊技を行うことができるようになり、より気楽に遊技を進行させることができる。
手段A1-2.所定の契機に基づいて、前記開閉部材を開状態とするか否かの開閉抽選を行う開閉抽選手段を備え、
前記開閉抽選において第1確率で当選となる第1状態と、前記開閉抽選において前記第1確率よりも高い第2確率で当選となる第2状態とがあることを特徴とする手段A1-1に記載の遊技機。
手段A1-2によれば、開閉部材が比較的頻繁に開状態とされる第2状態と、開閉部材があまり開状態とされない第1状態とが存在することにより、特定入賞口を狙って遊技球を打ち出して小気味よく遊技を進行できる状態と、特定入賞口を狙って遊技球を打ち出しても遊技の進行がままならない状態とを作り出すことができる。従って、遊技球の打出し位置を実質的に変更しなければならない状況を作ったり、遊技状態に抑揚をつけたりすることができ、遊技性の向上を図ることができる。
尚、第2状態では、特定入賞口を狙って発射された遊技球のほぼ全てが、特定入賞口に入球するように構成してもよい。この場合、遊技者の技術格差を抑制するといった作用効果がより一層確実に奏される。特に、(上記したような技術的操作による格差是正の一環として)特定入賞口に遊技球が1つ入球したことに応じて1つの遊技球が払出されるような構成の場合、発射された遊技球が特定入賞口に入球しなければ(その他の入賞口には基本的に入球しない状況にあるものとして)、手持ちの遊技球が確実に減っていってしまうが、第2状態において発射された遊技球のほぼ全てが特定入賞口に入球する構成とする場合には、かかる事態を飛躍的に抑制することができる。従って、特定入賞口に入球した場合に払出し遊技球数が1つで、第2状態では、手持ちの遊技球数を極力減らしたくないといった遊技性をより確実に成立させることができる。
手段A1-3.前記特定ポイント(開閉部材)の上流側において、遊技球の移動方向及び移動速度を整える整流手段が設けられていることを特徴とする手段A1-1又はA1-2に記載の遊技機。
手段A1-3によれば、特定ポイントに到達する前に、遊技球の移動方向及び移動速度を整える整流手段を設けることにより、特定ポイントに進入する遊技球の移動方向及び移動速度に関するイレギュラーを低減することができる。従って、時間差通過機会付与手段によって、開閉部材が閉状態とされている場合には、遊技球を別のタイミングで特定ポイントに至らせる機会を付与し、特定入賞口への入球確率を向上させるといった作用効果をより一層確実なものとすることができる。尚、整流手段は、役物で構成してもよいし、釘配置で構成してもよいし、複数の構成を組合わせてもよい。
手段A1-4.前記開閉部材は前後方向にスライド可能なシャッタを備え、
前記シャッタが遊技領域に突出する閉位置に変位することで前記開閉部材が閉状態とされ、前記シャッタが前記遊技領域から退出する開位置に変位することで前記開閉部材が開状態とされ、
前記シャッタが突出した場合に、当該シャッタの前端部下面を支持可能な受部材を備えていることを特徴とする手段A1-1乃至A1-3のいずれかに記載の遊技機。
手段A1-4によれば、シャッタが前後方向にスライドすることによって、遊技球が落下する動作によって特定入賞口に入球していく構成とすることができ、特定入賞口へのスムースな入球を実現することができる。また、例えば、前後に延びるシャッタを上方に回動させて特定入賞口を開放する場合に、特定入賞口に入ったと思った遊技球が、シャッタに打ち上げられるようにして外部に弾き飛ばされてしまうといったような事態を回避することができる。さらに、例えば、前後に延びるシャッタを下方に回動させて特定入賞口を開放させる構成において、シャッタ上に一度に大量の遊技球が落下してシャッタが開放のタイミングでもないのに開放されて遊技球が特定入賞口に入球してしまうといった事態を回避することができる。
また、閉位置にある場合に前後方向に延びて遊技球の下面側を受けるシャッタには、比較的大きな負担が掛かり易いのであるが、本手段のように、シャッタの前端部下面を支持する受部材を設けることで、シャッタの付根部側に係る負担を軽減させることができ、シャッタが付根部側で折れてしまうといった事態を防止することができる。
尚、「前記シャッタの裏面側にはリブが形成されていること」としてもよい。この場合、シャッタの強度を向上させることができる。従って、シャッタに遊技球が衝突した際にシャッタが損傷してしまうことを防止することができる。また、「前記シャッタ、又は、閉位置にある前記シャッタと当接して支持する部材に緩衝材を設けたこと」としてもよい。この場合、シャッタが遊技球を受けた時の衝撃を低減させ、損傷や衝突音の抑制を図ることができる。
手段A2-1.前記時間差通過機会付与手段は、(前記特定ポイントに到達したものの、)閉状態にある前記開閉部材によって前記特定ポイントの前記特定入賞口側への通過が規制された遊技球が案内される導入路と、前記導入路に進入した遊技球を前記特定ポイントに案内する再突入路とを備えていることを特徴とする手段A1に記載の遊技機。
手段A2-1によれば、遊技球が特定ポイントに到達したのではあるが、開閉部材が未だ開状態とされていないため、少し時間を潰してから、再び、特定ポイントに行く、といった遊技球の一連の動作を導出することができる。つまり、遊技球が最初に特定ポイントに到達したときには開閉部材が閉状態であったが、時間差通過機会付与手段を経由して所定時間後、遊技球が再び特定ポイントに到達したタイミングでは、開閉部材が開状態とされている可能性がある。従って、初回の特定ポイントの通過へのトライが失敗しても、後程、再トライできるといったように、同じ遊技球が特定ポイントに複数回アクセスすることができるため、特定入賞口に入球させるべく遊技領域に発射された遊技球を効率的に特定入賞口に入球させるといった上記作用効果が確実に奏される。尚、当然のことながら、遊技球が最初に特定ポイントに到達したときに開閉部材が開状態であれば、その段階で遊技球が特定ポイントを通過して特定入賞口に入球することとなる。
手段A2-2.前記特定ポイントに到達した遊技球は、前記導入路へは、閉状態とされた前記開閉部材によって案内されることを特徴とする手段A2-1に記載の遊技機。
手段A2-2によれば、特定入賞口へのルートを開閉する開閉部材の閉状態時に、当該開閉部材によって、遊技球を導入路へと案内可能となるため、遊技球を導入路へ案内するための可動式の部材を別途設ける必要がなく、構成の簡素化、大型化の抑制、コスト増大の抑制等を図ることができる。本手段では、閉状態にある開閉部材が、遊技球を時間差通過機会付与手段の一部を構成している。
尚、「前記開閉部材は前後方向にスライド可能なシャッタを備え、前記シャッタが遊技領域に突出する閉位置に変位することで前記開閉部材が閉状態とされ、前記シャッタが前記遊技領域から退出する開位置に変位することで前記開閉部材が開状態とされること」としてもよい。この場合、遊技球が落下する動作によって特定入賞口に入球していく構成とできる上、閉位置にあるシャッタの上面で確実に遊技球を案内することができる。
手段A2-3.前記特定ポイントから、前記導入路、及び、前記再突入路を経て、再び前記特定ポイントに至る遊技球の再突入ルートは、少なくとも前記特定ポイント以外では交差しないように構成されていることを特徴とする手段A2-1又はA2-2に記載の遊技機。
手段A2-3.再突入ルートの途中で、遊技球同士が正面衝突してしまうといった事態を防止することができる。従って、再突入ルートを移動する遊技球をより確実に、初期のタイミングで特定ポイントに案内することができる。尚、特定ポイントで遊技球同士が衝突しても、開閉部材が開状態とされていれば、そのまま特定ポイントを特定入賞口側に通過することとなる。
手段A2-4.遊技領域を移動する遊技球が通過可能、又は、入球可能に構成された普通始動手段と、
遊技球を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態との間で状態変化可能な特別始動手段と、
遊技球を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態との間で状態変化可能な可変入賞手段と、
前記普通始動手段を通過した、又は、前記普通始動手段に入球した遊技球を検知する普通始動検知手段と、
前記特別始動手段に入球した遊技球を検知する特別始動検知手段と、
前記可変入賞手段に入球した遊技球を検知する可変入賞検知手段と、
前記普通始動検知手段による検知に基づいて、前記特別始動手段を開状態とするか否かの入球サポート抽選を行うサポート抽選実行手段と、
前記特別始動検知手段による検知に基づいて、前記可変入賞手段を開状態とするか否かの当否抽選を行う当否抽選実行手段とを備え、
前記特定入賞口及び前記開閉部材は、前記特別始動手段に適用され、
前記入球サポート抽選において第1確率で当選となる第1状態と、前記入球サポート抽選において前記第1確率よりも高い第2確率で当選となる第2状態とがあり、
前記当否抽選にて当選して前記可変入賞手段が開状態とされる状態では、前記サポート抽選に関して前記第1状態とされる構成であって、
前記遊技領域において、前記特別始動手段よりも上流側に前記可変入賞手段が配置されていることを特徴とする手段A2-1乃至A2-3に記載の遊技機。
手段A2-4によれば、当否抽選にて当選して可変入賞手段が開状態とされる状態では、サポート抽選に関して第1遊技状態とされており、特別始動手段の開閉部材がほとんど閉状態となり、ほとんどの遊技球が導入路及び再突入路を経由するようになる。これに対し、例えば、可変入賞手段が特別始動手段の下流側にあると、遊技球が導入路及び再突入路を経由する分、遊技球の可変入賞手段へのアプローチが遅れてしまう。特に、特定ポイントから、導入路、及び、再突入路を経て、再び特定ポイントに至る遊技球の再突入ルートにおいて、たとえ特定ポイント上であっても再突入ルートが交差していれば、遊技球同士が接触して特別始動手段での滞留時間が長くなる等して、可変入賞手段により遊技球が入球し難くなってしまうおそれがある。この点、可変入賞手段を特別始動手段の上流側に配置することで、可変入賞手段への入球をスムースに行わせることができる。さらに、可変入賞手段が開状態とされる状態において、特別始動手段に進入する(開閉部材で特定入賞口への入球が防止される)遊技球の数を減らすことで、開閉部材の負担を軽減させることができる。
尚、可変入賞手段が開状態とされる状態においては、特別始動手段が第1状態とされていても、上流側の可変入賞手段において遊技球が入球し、特別始動手段側に流れる遊技球の数が減ることから、特別始動手段において大量の遊技球が入球して流れが悪くなる態様を遊技者に視認させなくても済む。
手段A3-1.前記開閉部材は、前記特定入賞口への遊技球の入球を不可能にする閉位置と、入球可能にする開位置との間を変位可能なシャッタを備え、
前記シャッタが閉位置にある場合、当該シャッタによって前記特定入賞口への入球が規制された遊技球は、当該シャッタへの当接状態を保ちつつ、当該シャッタの長手方向に沿って移動する構成であって、
前記シャッタにより前記時間差通過機会付与手段が構成され、
前記シャッタが開位置とされた場合に、当該シャッタに当接している遊技球が、前記特定入賞口に入球するように構成されていることを特徴とする手段A1に記載の遊技機。
手段A3-1によれば、開閉部材が閉状態にある場合、特定ポイントに到達した遊技球は、シャッタによって特定入賞口への入球が規制されることとなるが、そのままシャッタへの当接状態を保ちつつ、シャッタの長手方向に沿って移動することとなる。そして、開閉部材が開状態とされる、つまり、シャッタが開放されると、シャッタに当接していた(寄りかかっていた、又は、載っていた)遊技球が、特定ポイントを通過して、特定入賞口に入球することとなる。このように、遊技球の特定ポイントにおける滞在時間を極力長くすることによって、開閉部材が開状態となれば特定入賞口に入球できる状態で、開閉部材が次に開状態となるタイミングを待つことができる。従って、特定入賞口に入球させるべく遊技領域に発射された遊技球を効率的に特定入賞口に入球させるといった上記作用効果が確実に奏される。
さらに、開閉部材の開状態とされている開放時間が比較的短くても、シャッタに寄りかかっている(例えば、載っている)遊技球については、特定入賞口に入球させることができる。つまり、例えば、シャッタが閉じているときにシャッタ上に遊技球を載せておき、シャッタの短い開放でその全てを特定入賞口に入球させることができる。従って、開閉部材の開放総時間を長くすることなく、所定複数の遊技球を集中的に入球させることができる。このため、特定入賞口及び開閉部材を、当否抽選で当選して特別遊技状態となった場合に開放されるアタッカーに具体化した場合に、ラウンド間のインターバル中にシャッタに溜まった遊技球がラウンド開始とともにアタッカーに入球することとなり、時間効率の向上等を図ることができる。また、入球サポート抽選で当選して入球サポート状態となった場合に開放される電チューに具体化した場合に、開放時間を長くすることなく、より多くの遊技球を入球させることが実現可能となり、これによって新たな遊技性を生み出すこともできる。
手段A3-2.前記シャッタは、(前後にスライド可能に構成されるとともに、)閉位置において前後方向に延在するとともに、長手方向が左右方向となる構成であって、
前記シャッタが開位置とされた場合に、当該シャッタの上面に載っている遊技球が、前記特定入賞口に入球するように構成されていることを特徴とする手段A3-1に記載の遊技機。
手段A3-2によれば、特定入賞口を閉塞する閉位置にあるシャッタが前後に延びており、シャッタを開位置とした場合には、シャッタの支えを失った遊技球が下方に落下することで特定入賞口に入球するようになっている。このため、例えば、シャッタが上下に延び、遊技球を後方に移動させることで特定入賞口に入球させるよりも、遊技球を特定入賞口に入球させるまでの遊技球の動作・反応が早くなる。従って、閉位置にあるシャッタを開位置とすることで、シャッタによって特定入賞口への入球が規制されていた遊技球を比較的迅速に特定入賞口に入球させることができる。
手段A3-3.遊技球を前記シャッタのうち上流側の部位に案内する整流手段を備えていることを特徴とする手段A3-1又はA3-2に記載の遊技機。
手段A3-3によれば、シャッタに対し遊技球を確実に上流側の部位に案内することによって、シャッタに遊技球を当接させた状態(シャッタ状の載った状態)を極力長くするといった上記作用効果がより確実に奏されることとなる。
手段A3-4.前記シャッタに対して遊技球が当接した状態を維持する脱落防止手段を有していることを特徴とする手段A3-1乃至A3-2に記載の遊技機。
手段A3-4によれば、遊技球がシャッタの上面から脱落することを抑制することができる。
手段A3-5.前記シャッタの上面に小さな凹凸が形成されていることを特徴とする手段A3-1乃至手段A3-4のいずれかに記載の遊技機。
手段A3-5によれば、開閉部材が開位置となれば特定入賞口に入球できる状態を極力長時間キープすることができる。
手段A3-6.遊技領域を移動する遊技球が通過可能に構成された普通始動手段と、
遊技球を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態との間で状態変化可能な特別始動手段と、
遊技球を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態との間で状態変化可能な可変入賞手段と、
前記普通始動手段を通過した遊技球を検知する普通始動検知手段と、
前記特別始動手段に入球した遊技球を検知する特別始動検知手段と、
前記可変入賞手段に入球した遊技球を検知する可変入賞検知手段と、
前記普通始動検知手段による検知に基づいて、前記特別始動手段を開状態とするか否かの入球サポート抽選を行うサポート抽選実行手段と、
前記特別始動検知手段による検知に基づいて、前記可変入賞手段を開状態とするか否かの当否抽選を行う当否抽選実行手段とを備え、
前記特定入賞口及び前記開閉部材は、前記可変入賞手段に適応され、
前記遊技領域において、前記特別始動手段よりも下流側に前記可変入賞手段が配置されていることを特徴とする手段A3-1乃至A3-5のいずれかに記載の遊技機。
上記手段A3-1にあるように、閉状態にある開閉部材のシャッタは、遊技球を支持する(特に、シャッタが前後に延びる場合には、遊技球の下面側を支持する)必要があり、落下してきた遊技球を受け止める際等の負担が大きい。この点、本手段A3-6のように、可変入賞手段を特別始動手段の下流側に配置することで、特別始動手段に入球する分だけ可変入賞手段に向けて移動する遊技球の数を低減させることができ、結果として、シャッタの負担を低減させることができる。
手段A4-1.前記時間差通過機会付与手段は、前記特定入球ルートにおいて前記特定ポイントよりも上流側に設置され、
前記開閉部材が開状態、或いは、事実上、開状態に相当する状態にある場合、遊技球が前記時間差通過機会付与手段に到達してから第1時間経過後に前記特定ポイントに到達するように前記時間差通過機会付与手段が開状態とされ、
前記開閉部材が閉状態、或いは、事実上、閉状態に相当する状態にある場合、前記時間差通過機会付与手段が閉状態とされ、当該閉状態とされた時間差通過機会付与手段の作用によって、遊技球が前記時間差通過機会付与手段に到達してから前記第1時間よりも長い第2時間経過後に前記特定ポイントに到達するように構成されていることを特徴とする手段A1に記載の遊技機。
開閉部材が閉状態にある場合、時間差通過機会付与手段に到達した遊技球がそのまま特定ポイントに流下していったとしても、閉状態にある開閉部材に阻まれて特定入賞口に入球することができない。このような場合、手段A4-1によれば、通常のタイミングで遊技球を特定ポイントに到達させるのではなく、遊技球が特定ポイントに到達するタイミングを遅延させることで、極力、開閉部材が閉状態ではないとき、すなわち、開閉部材が開状態であるときに遊技球が特定ポイントに到達するように構成することができる。従って、特定入賞口に入球させるべく遊技領域に発射された遊技球を効率的に特定入賞口に入球させるといった上記作用効果が確実に奏される。
尚、特定ポイントと、時間差通過機会付与手段との間の距離等によって、遊技球が時間差通過機会付与手段から特定ポイントに到達するまでの時間が変化する。このため、例えば、単純に、開閉部材が開状態となっている場合には、時間差通過機会付与手段を開状態としてそのまま遊技球を特定ポイントに至らせれば、特定ポイントを通過させることができるといった対応関係になるとは一概には言えない。そういった理由から、「前記開閉部材が、事実上、開状態に相当する状態にある場合」、「前記開閉部材が、事実上、閉状態に相当する状態にある場合」とは、特定ポイントと、時間差通過機会付与手段との間の距離等を考慮して、時間差通過機会付与手段に位置している遊技球が特定ポイントに到達する頃には開閉部材が開状態とされているだろう等とのシミュレート等を基に、機種毎に、時間差通過機会付与手段を閉状態とするタイミングや期間の設定を行うといった趣旨である。
また、開閉部材の開閉タイミングと、時間差通過機会付与手段作動タイミングとを同期させる同期手段を設けることとしてもよい。同期手段としては、例えば、機械的に連動させる連動機構であってもよいし、開放・作動契機、及び、開放・作動条件を同じにしてそれぞれ開放・作動させる制御手段であってもよいし、開閉部材の開放タイミングを計ってタイミングを合わせる制御手段であってもよい。
手段A4-2.前記時間差通過機会付与手段は、遊技球を停留させる第1状態と、停留させることなく通過させる第2状態とに状態変化可能なストッパーを備えていることを特徴とする手段A4-1に記載の遊技機。
手段A4-2によれば、開閉部材が閉状態にある場合には、特定ポイントの上流側で遊技球を停留させることができる。このため、遊技球が特定ポイントに到達するタイミングをずらすことで、当該遊技球が、開閉部材が開状態となった頃に、特定ポイントに至って通過するといった可能性を高めることができる。
手段A4-3.前記時間差通過機会付与手段は、遊技球が前記特定ポイントに至るまでに経由するルートの距離を長短させることのできる道程変更手段を備えていることを特徴とする手段A4-1に記載の遊技機。
手段A4-3によれば、遊技球をいつもよりも遠回りさせることで、特定ポイントにつくタイミングを遅延させることができる。
手段A4-4.前記開閉部材を開状態とするか否かの入球サポート抽選を行うサポート抽選実行手段と、
前記入球サポート抽選の結果を教示する変動表示が表示される可変表示手段とを備え、
前記可変表示手段において変動表示が行われている状態では前記時間差通過機会付与手段が閉状態とされ、
前記可変表示手段において変動表示が停止表示されている状態では前記時間差通過機会付与手段が開状態とされることを特徴とする手段A4-1乃至A4-3のいずれかに記載の遊技機。
手段A4-4によれば、特定入賞口に遊技球が入球し易そうな状況では特定入賞口に遊技球を案内し、特定入賞口に遊技球が入球し難そうな状況では遊技球が特定入賞口に到達するタイミングを(後に)ずらすといった構成を実現することができる。
上記手段A2、A3、A4は、基本的にそれぞれ単独で使用されることが考えられるが、手段A2に関しては特定ポイントよりも下流側に構成であり、手段A3に関しては特定ポイントの構成であり、手段A4に関しては特定ポイントよりも上流側の構成であることから、棲み分けが可能であり、場合によっては、これらを組み合わせて使用することも可能である。
手段B-1.発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定入賞口と、
前記特定入賞口への遊技球の入球を可能とする開状態と、入球を不可能とする閉状態との間を状態変化可能な開閉部材とを備え、
前記開閉部材が前記開状態であれば前記特定入賞口に入球可能な第1特定ポイントに遊技球が到達した際に前記開閉部材が前記閉状態にある場合において、当該遊技球を前記開閉部材が前記開状態であれば前記特定入賞口に入球可能な第2特定ポイントへと案内する入球機会付与手段を備えていることを特徴とする遊技機。
手段B-1によれば、開閉部材が閉状態とされている場合に、開閉部材が開状態であれば特定入賞口に入球可能な第1特定ポイントに遊技球が到達してしまったとしても、当該遊技球は、開閉部材が前記開状態であれば特定入賞口に入球可能な第2特定ポイントへと案内されることとなる。このため、特定入賞口に入球できなかった遊技球に対し、特定入賞口への入球を試みる機会が再度付与されることとなり、遊技球が特定入賞口に入球する可能性を高めることができる。従って、特定入賞口への入球を狙って発射された遊技球のうち、特定入賞口に入球する遊技球の数と、特定入賞口に入球しなかった遊技球の数との割合において、特定入賞口に入球する遊技球の数の比率を高めることができる。
また、本手段では、開閉部材が閉状態となるようなタイミングで遊技球を発射しても、遊技球が特定入賞口に入球する可能性があることから、遊技球を発射させ続けても、特定入賞口に入球しない無駄玉の発生が抑制されることとなる。このため、所謂、止め打ち等の技術的操作を行う遊技者と、前記技術的操作を行わない遊技者との間の獲得する遊技球の差を縮める(事実上なくす)ことができる。
手段B-2.発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な第1特定入賞口、及び、第2特定入賞口と、
前記第1特定入賞口に入球する遊技球が(必ず)通過することとなる第1特定入球ルート上の第1特定ポイントに配置され、前記第1特定入賞口への遊技球の入球を不可能又は困難にする閉状態と、入球可能又は入球容易にする開状態との間で状態変化可能な第1開閉部材と、
前記第2特定入賞口に入球する遊技球が(必ず)通過することとなる第2特定入球ルート上の第2特定ポイントに配置され、前記第2特定入賞口への遊技球の入球を不可能又は困難にする閉状態と、入球可能又は入球容易にする開状態との間で状態変化可能な第2開閉部材とを備え、
前記第1開閉部材が前記閉状態にある場合に、(当該第1開閉部材が閉状態であることに起因して、前記第1特定ポイントを前記第1特定入賞口側に通過することのできない)遊技球を、前記第2特定入球ルートへと案内する入球機会付与手段を備えていることを特徴とする遊技機。
第1開閉部材が閉状態とされている場合、遊技球が第1特定ポイントを第1特定入賞口側に通過する可能性は低く(事実上なく)、第1特定入賞口に入球する見込みが少ない(事実上ない)。これに対し、本手段B-1によれば、第1開閉部材が閉状態とされている場合には、当該第1開閉部材が閉状態であることに起因して、第1特定ポイントを第1特定入賞口側に通過することのできない遊技球を、第2特定入賞口へと至る第2特定入球ルートに案内することができるようになっている。このため、第1特定入賞口に入球できなかった遊技球に対し、第2特定入賞口への入球を試みる機会が付与されることとなり、遊技球が特定入賞口(第1特定入賞口及び第2特定入賞口)に入球する可能性を高めることができる。従って、特定入賞口への入球を狙って発射された遊技球のうち、特定ポイントを通過して特定入賞口に入球する遊技球の数と、特定ポイントに到達したが、開閉部材に規制されて、特定入賞口に入球することのないルートに排除される遊技球の数との割合において、特定入賞口に入球する遊技球の数の比率を高めることができる。これにより、特定入賞口に入球させるべく遊技領域に発射された遊技球を効率的に特定入賞口に入球させることができ、特定入賞口を狙って発射されたものの入球には至らなかった無駄球を極力減少させ、特定入賞口に入球させるために多くの遊技球を発射させる必要が生じるといった事態を抑制することができる。結果として、遊技を進行させる上で必要な遊技球の数を低減させることで、遊技者の負担を低減させることができるとともに、特定入賞口に効率的に遊技球が入球することで、遊技を小気味よく進行させる(電チューに具体化する場合には変動表示の回転数を上げることができ、アタッカーに具体化する場合には、ラウンドをスムースに進行させることができる)ことができる。
また、一般に、開閉部材が開状態となっているときに特定ポイントに至るようなタイミングで遊技球を発射し、開閉部材が閉状態となっているときに特定ポイントに至るようなタイミングでは遊技球の発射を控えるといった技術的操作を行うことで、特定入賞口に入球しない遊技球を低減させることができる。これに対し、かかる技術的操作を実行する遊技者と、実行しない遊技者とが存在し、長期的に見れば、獲得する遊技球の総数に比較的大きな差が出る。さらに、遊技機の開発においては、遊技ホール等での実情を踏まえた上での設計がなされ、発射された遊技球の総数と、払い出された遊技球の総数との比率(所謂、ペイアウト率)については、前記技術的操作を行った遊技者の分も含めての設計となる。特に、前記技術的操作を行う遊技者の数が多いほど、ペイアウト率が遊技者に有利になり過ぎるのを抑制するべく、当選確率を低くしたり、遊技球が払出される各種入賞口に遊技球が到達して入球する可能性を低くしたりする傾向になり易く、前記技術的操作を行わない遊技者の負担がより大きくなってしまうおそれがある。これらのような理由から、前記技術的操作を行う遊技者と、行わない遊技者等との間での不公平感が多分に存在していた。
この点、本手段では、第1開閉部材が閉状態となっているときに第1特定ポイントに至るようなタイミングで遊技球を発射しても、遊技球が第2特定入賞口に入球する可能性があることから、遊技球を発射させ続けても、特定入賞口(第1特定入賞口及び第2特定入賞口)に入球しない無駄玉の発生が抑制されることとなる。このため、前記技術的操作を行う遊技者と、前記技術的操作を行わない遊技者との間の獲得する遊技球の差を縮める(事実上なくす)ことができる。従って、遊技者の技術格差をなくし、前記技術的操作を行わない(知らない、上手くできない、或いは、意図的にやらない)遊技者との間の不公平感を低減、或いは、払拭することができる。また、上記技術的操作を行わなければ、損になってしまうからといって常に気を遣いながら遊技を行う遊技者にとっても、そのようなことを気にせず遊技を行うことができるようになり、より気楽に遊技を進行させることができる。
尚、当然のことながら、遊技球が最初に第1特定ポイントに到達したときに第1開閉部材が開状態であれば、その段階で遊技球が第1特定ポイントを通過して第1特定入賞口に入球することとなる。また、第1開閉部材及び第2開閉部材が開状態とされるタイミング、及び、閉状態とされるタイミングは同時であることとしてもよい。さらに、第1特定入賞口及び第2特定入賞口は同じ役割を有しており、例えば、第1特定入賞口及び第2特定入賞口のどちらに遊技球が入球しても、遊技者に払い出される遊技価値(賞球)の数は同じであることとしてもよく、第1特定入賞口及び第2特定入賞口への入球に基づいて所定の抽選が行われる場合、同じ乱数カウンタ及び同じ抽選テーブルを使用することとしてもよく、遊技者にとって有利な特別遊技状態として、第1特定入賞口及び第2特定入賞口が規定時間の経過又は規定個数の入球を上限として開状態とされる期間であるラウンド期間を、閉状態とされるインターバル期間を挟みつつ、複数付与される構成の場合、第1特定入賞口及び第2特定入賞口へのどちらへの入球であっても、ラウンド期間の上限までを計る入球数としてカウントされることとしてもよい。尚、第1開閉部材と第2開閉部材とを連結して一体的に動作するように構成することで、これらを動作させる駆動手段の共通化を図ることができたり、また、別々に駆動制御する場合のように、同期させるタイミングを計るような制御等も行わなくても済み、構成や制御の簡素化等を図ることができる。
手段B-3.所定の契機に基づいて、前記開閉部材を開状態とするか否かの開閉抽選を行う開閉抽選手段を備え、
前記開閉抽選において第1確率で当選となる第1状態と、前記開閉抽選において前記第1確率よりも高い第2確率で当選となる第2状態とがあることを特徴とする手段B-1又はB-2に記載の遊技機。
手段B-3によれば、開閉部材が比較的頻繁に開状態とされる第2状態と、開閉部材があまり開状態とされない第1状態とが存在することにより、特定入賞口を狙って遊技球を打ち出して小気味よく遊技を進行できる状態と、特定入賞口を狙って遊技球を打ち出しても遊技の進行がままならない状態とを作り出すことができる。従って、遊技球の打出し位置を実質的に変更しなければならない状況を作ったり、遊技状態に抑揚をつけたりすることができ、遊技性の向上を図ることができる。
尚、第2状態では、特定入賞口を狙って発射された遊技球のほぼ全てが、特定入賞口に入球するように構成してもよい。この場合、遊技者の技術格差を抑制するといった作用効果がより一層確実に奏される。特に、特定入賞口に遊技球が1つ入球したことに応じて1つの遊技球が払出されるような構成の場合、発射された遊技球が特定入賞口に入球しなければ(その他の入賞口には基本的に入球しない状況にあるものとして)、手持ちの遊技球が確実に減っていってしまうが、第2状態において発射された遊技球のほぼ全てが特定入賞口に入球する構成とする場合には、かかる事態を飛躍的に抑制することができる。従って、特定入賞口に入球した場合に払出し遊技球数が1つで、第2状態では、手持ちの遊技球数を極力減らしたくないといった遊技性をより確実に成立させることができる。
手段B-4.前記第1特定ポイントの上流側において、遊技球の移動方向及び移動速度を整える整流手段が設けられていることを特徴とする手段B-1乃至B-3のいずれかに記載の遊技機。
手段B-4によれば、第1特定ポイントに到達する前に、遊技球の移動方向及び移動速度を整える整流手段を設けることにより、第1特定ポイントに進入する遊技球の移動方向及び移動速度に関するイレギュラーを低減することができる。従って、第1開閉部材が閉状態とされている場合には、入球機会付与手段で遊技球を第2特定入球ルートに送って、第2特定入賞口への入球確率を向上させるといった作用効果をより一層確実なものとすることができる。
尚、整流手段は、役物で構成してもよいし、釘配置で構成してもよいし、複数の構成を組合わせてもよい。
手段B-5.前記開閉部材(手段B-2に対応しては、少なくとも前記第1開閉部材)は前後方向にスライド可能なシャッタを備え、
前記シャッタが遊技領域に突出する閉位置に変位することで前記開閉部材が閉状態とされ、前記シャッタが前記遊技領域から退出する開位置に変位することで前記開閉部材が開状態とされ、
前記シャッタが突出した場合に、当該シャッタの前端部下面を支持可能な受部材を備えていることを特徴とする手段B-1乃至B-4のいずれかに記載の遊技機。
手段B-5によれば、シャッタが前後方向にスライドすることによって、遊技球が落下する動作によって特定入賞口に入球していく構成とできる上、例えば、回動するシャッタで特定入賞口を閉鎖する場合に、特定入賞口に入ったと思った遊技球が、シャッタに打ち上げられるようにして外部に弾き飛ばされてしまうといったような事態を回避することができる。
また、閉位置にある場合に前後方向に延びて遊技球の下面側を受けるシャッタには、比較的大きな負担が掛かり易いのであるが、本手段のように、シャッタの前端部下面を支持する受部材を設けることで、シャッタの付根部側に係る負担を軽減させることができ、シャッタが付根部側で折れてしまうといった事態を防止することができる。
尚、「前記シャッタの裏面側にはリブが形成されていること」としてもよい。この場合、シャッタの強度を向上させることができる。従って、シャッタに遊技球が衝突した際にシャッタが損傷してしまうことを防止することができる。また、「前記開閉部材のうち遊技球と接触し、遊技球の前記特定ポイントの通過を規制する部位に緩衝材を設けたこと」としてもよい。この場合、シャッタが遊技球を受けた時の衝撃を低減させることができる。
手段B-6.前記開閉部材が閉状態にある際に前記第1特定ポイントに到達した遊技球は、前記第2ポイント(手段B-2に対応しては、前記第2特定入球ルート)へは、閉状態とされた前記開閉部材によって案内されることを特徴とする手段B-1乃至B-5のいずれかに記載の遊技機。
手段B-6によれば、第1特定ポイント(第1特定入賞口への第1特定入球ルート)を開閉する開閉部材の閉状態時に、当該開閉部材によって、遊技球を第2特定ポイント(第2特定入球ルート)へと案内可能となるため、遊技球を第2特定ポイント(第2特定入球ルート)へ案内するための可動式の部材を別途設ける必要がなく、構成の簡素化、大型化の抑制、コスト増大の抑制等を図ることができる。また、本手段では、閉状態にある(第1)開閉部材が、入球機会付与手段を構成している。
手段B-7.前記第2特定ポイント(手段B-2に対応しては、前記第2特定入球ルート)へは、遊技球が前記入球機会付与手段によって案内された場合にのみ進入可能に構成されていることを特徴とする手段B-1乃至B-6のいずれかに記載の遊技機。
第1特定ポイントで(第1)特定入賞口に入球できなかった遊技球が第2特定ポイントで(第2)特定入賞口に入球する可能性はあるが、第2特定ポイントで(第2)特定入賞口に入球できなかった遊技球が第1特定ポイントで(第1)特定入賞口に入球する可能性はないため、例えば、入球機会付与手段を介さずに、ダイレクトに第2特定ポイントで(第2)特定入賞口にも遊技球が進入可能に構成される場合には、特定入賞口に遊技球が入球する可能性が低下してしまう。この点、手段B-7によれば、先ず第1特定ポイントで(第1)特定入賞口への入球を図り、それがダメだった場合に、第2特定ポイントで(第2)特定入賞口への入球を図るといった順番を順守させることができ、特定入賞口への入球の可能性を向上させるといった作用効果が一層確実に奏される。
手段B-8.遊技領域を移動する遊技球が通過可能、又は、入球可能に構成された普通始動手段と、
遊技球を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態との間で状態変化可能な特別始動手段と、
遊技球を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態との間で状態変化可能な可変入賞手段と、
前記普通始動手段を通過した、又は、前記普通始動手段に入球した遊技球を検知する普通始動検知手段と、
前記特別始動手段に入球した遊技球を検知する特別始動検知手段と、
前記可変入賞手段に入球した遊技球を検知する可変入賞検知手段と、
前記普通始動検知手段による検知に基づいて、前記特別始動手段を開状態とするか否かの入球サポート抽選を行うサポート抽選実行手段と、
前記特別始動検知手段による検知に基づいて、前記可変入賞手段を開状態とするか否かの当否抽選を行う当否抽選実行手段とを備え、
前記特定入賞口、並びに、前記開閉部材は、前記特別始動手段に適用され、
前記入球サポート抽選において第1確率で当選となる第1状態と、前記入球サポート抽選において前記第1確率よりも高い第2確率で当選となる第2状態とがあり、
前記当否抽選にて当選して前記可変入賞手段が開状態とされる状態では、前記サポート抽選に関して前記第1状態とされる構成であって、
前記遊技領域において、前記特別始動手段よりも上流側に前記可変入賞手段が配置されていることを特徴とする手段B-1乃至B-7に記載の遊技機。
手段B-8によれば、当否抽選にて当選して可変入賞手段が開状態とされる状態では、サポート抽選に関して第1遊技状態とされており、特別始動手段の開閉部材がほとんど閉状態となり、ほとんどの遊技球が第2特定入球ルートを経由し、さらには、第2特定入賞口にも入球せずに、特別始動手段の外部に排出されるようになる。これに対し、例えば、可変入賞手段が特別始動手段の下流側にあると、遊技球が特別始動手段(の第1特定入球ルート、及び、第2特定入球ルート)を経由する分、遊技球の可変入賞手段へのアプローチが遅れてしまう。この点、可変入賞手段を特別始動手段の上流側に配置することで、可変入賞手段への入球をスムースに行わせることができる。
尚、可変入賞手段が開状態とされる状態においては、特別始動手段が第1状態とされていても、上流側の可変入賞手段において遊技球が入球し、特別始動手段側に流れる遊技球の数が減ることから、特別始動手段において大量の遊技球が入球して流れが悪くなる態様を遊技者に視認させなくても済む。
C.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射装置によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた特別始動手段に入球すると、当たり状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、可変表示装置にて抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2003-154110号公報参照)。
また、一般に、パチンコ機には、遊技球が入球可能又は入球容易な開状態と、遊技球が入球不可能又は入球困難な閉状態との間で状態変化し、遊技球が入球することで所定数の賞球が付与される可変入球装置が設けられている。
ところで、可変入球装置が開状態とされる特別遊技状態において、一定のリズムで遊技球を発射させ続けていても、遊技領域には遊技釘等の各種遊技部材が配設されていることから、可変入球装置の開放タイミングと、遊技球が可変入球装置に到達するタイミングとが上手く噛み合わず、なかなか入球させることのできない状況が生じてしまうことが懸念される。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、より効率的に可変入球装置に遊技球を入球させることのできる遊技機を提供することにある。
手段C-1.発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能又は入球容易な開状態と、入球不可能又は入球困難な閉状態とに状態変化する可変入球装置とを備え、
前記可変入球装置は、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定入賞口と、
前記特定入賞口への遊技球の入球を不可能にする閉位置と、入球可能にする開位置との間を変位可能なシャッタとを備え、
前記シャッタが閉位置にある場合に、当該シャッタによって前記特定入賞口への入球が規制された遊技球を、当該シャッタへの当接状態を保ちつつ規定方向に変位させる入球機会付与手段を備え、
前記シャッタが開位置とされた場合に、当該シャッタに当接している遊技球が、前記特定入賞口に入球するように構成されていることを特徴とする遊技機。
手段C-1によれば、可変入球装置が閉状態にある場合、可変入球装置に到達した遊技球は、シャッタによって特定入賞口への入賞が規制されることとなるが、そのままシャッタへの当接状態を保ちつつ、規定方向に移動することとなる。そして、シャッタが開位置とされ、可変入球装置が開状態とされた場合に、シャッタに当接していた(寄りかかっていた、又は、載っていた)遊技球のほぼ全てが特定入賞口に入球することとなる。このように、シャッタが開位置とされれば特定入賞口に入球することとなる位置(状態)における遊技球の滞在時間を極力長くすることによって、可変入球装置が開状態となれば特定入賞口に入球できる遊技球の状態を保ちつつ、可変入球装置が次に開状態となるタイミングを待つことができる。従って、特定入賞口に入球させるべく遊技領域に発射された遊技球を効率的に特定入賞口に入球させることができる。
さらに、可変入球装置の開状態とされている開放時間が比較的短くても、シャッタに寄りかかっている(例えば、載っている)遊技球については、特定入賞口に入球させることができる。つまり、例えば、シャッタが閉じているときにシャッタ上に遊技球を載せておきさえすれば、シャッタの短い開放でその全てを特定入賞口に入球させることができる。従って、可変入球装置の開放総時間を長くすることなく、所定複数の遊技球を集中的に入球させることができる。このため、特定入賞口及び開閉部材を、当否抽選で当選して特別遊技状態となった場合に開放されるアタッカーに具体化した場合に、ラウンド間のインターバル中にシャッタに溜まった遊技球がラウンド開始とともにアタッカーに入球することとなり、時間効率の向上等を図ることができる。また、入球サポート抽選で当選して入球サポート状態となった場合に開放される電チューに具体化した場合に、開放時間を長くすることなく、より多くの遊技球を入球させることが実現可能となり、これによって新たな遊技性を生み出すこともできる。
また、本手段では、可変入球装置が閉状態となるようなタイミングで遊技球を発射しても、遊技球が特定入賞口に入球する可能性があることから、遊技球を発射させ続けても、特定入賞口に入球しない無駄玉の発生が抑制されることとなる。このため、可変入球装置が、閉状態となる期間を挟みつつ、所定回数開状態とされる状態(例えば、遊技者にとって有利な特別遊技状態)において、所謂、止め打ち等の技術的操作を行う遊技者と、前記技術的操作を行わない遊技者との間の獲得する遊技球の差を縮める(事実上なくす)ことができる。
手段C-2.前記入球機会付与手段は、前記閉位置にある前記シャッタに当接した遊技球に対し、前記シャッタへの当接状態を保ちつつ、前記シャッタの長手方向における幅よりも長い距離を移動させることを特徴とする手段C-1に記載の遊技機。
手段C-2によれば、シャッタが開位置となれば遊技球を特定入賞口に入球させることのできる状態を極力長時間キープすることができる。従って、可変入球装置が複数回開状態とされる期間において、可変入球装置が閉状態となっている際に可変入球装置に到達するようなタイミングで遊技球を打ち出してしまっても、当該遊技球は、可変入球装置が開状態とされたならば直ちに可変入球装置に入球可能な位置において移動しつつもその範囲内で極力留まり、可変入球装置が次に開状態とされるタイミングを待つことができる。結果として、可変入球装置への入球の可能性を高めるといった上記作用効果が一層確実に奏されることとなる。
例えば、「少なくとも前記閉位置にある前記シャッタは前後に延びて、その上面に遊技球を載置可能に構成され、前記入球機会付与手段は、前記シャッタの上面に載っている遊技球を、当該シャッタの上面において、(例えば、蛇行させながら)当該シャッタの長手方向における幅よりも長い距離を移動させること」としてもよい。
尚、「前記入球機会付与手段として、前記シャッタの上面に小さな凹凸が形成されていること」としてもよい。この場合、シャッタが開位置となれば特定入賞口に入球できる状態を極力長時間キープするといった作用効果が確実に奏される。また、例えば、シャッタの上面を中央が低く左右が高い略円弧状に形成し、シャッタに載った遊技球が左右に往復転動するとともに、勢いが弱まった場合にシャッタから落下するように構成してもよい。
手段C-3.前記シャッタは、遊技領域に突出して前記特定入賞口の上方において前後方向に延在する前記閉位置と、全部または大部分が遊技領域から退出して前記特定入賞口を上方に開口させる開位置との間を前後にスライド可能に構成され、
前記シャッタが前記開位置とされた場合に、当該シャッタの上面に載っている遊技球が、前記特定入賞口に入球するように構成されていることを特徴とする手段C-1又はC-2に記載の遊技機。
手段C-3によれば、可変入球装置の閉状態ではシャッタの上面に遊技球を載せて(溜めて)おき、可変入球装置が開状態となった場合に、シャッタの支えを失った遊技球が下方に落下することで、特定入賞口に入球するようになっている。このため、例えば、シャッタが上下に延び、遊技球を後方に移動させることで特定入賞口に入球させるよりも、遊技球を特定入賞口に入球させるまでの遊技球の動作・反応が早くなる。従って、閉位置にあるシャッタを開位置とすることで、シャッタによって特定入賞口への入球が規制されていた遊技球を比較的迅速に特定入賞口に入賞させることができる。
また、例えば、前後に延びるシャッタを上方に回動させて特定入賞口を開放する場合に、特定入賞口に入ったと思った遊技球が、シャッタに打ち上げられるようにして外部に弾き飛ばされてしまうといったような事態を回避することができる。さらに、例えば、前後に延びるシャッタを下方に回動させて特定入賞口を開放させる構成において、シャッタ上に一度に大量の遊技球が落下して重さや衝撃などでシャッタが開放のタイミングでもないのに開放されて遊技球が特定入賞口に入球してしまうといった事態を回避することができる。
尚、「前記シャッタは、長手方向が左右方向となる構成であって、前記入球機会付与手段は、前記シャッタの上面に載っている遊技球を、略矩形状の前記シャッタの長手方向に対して交差する方向に蛇行させながら前記シャッタの長手方向下流側に向けて、前記シャッタの長手方向における幅よりも長い距離を移動させること」としてもよい。一般に、遊技盤とその前方に配置される透明な板状体とによって画定される遊技領域の前後の幅は、遊技球の直径の2倍よりも狭くなっている。このため、シャッタの上面に載っている遊技球を、略矩形状の前記シャッタの短手方向に対して交差する方向に蛇行させながら、又は、略円形状の前記シャッタの中心側から外周側に向けて旋回させながら、シャッタの長手方向における幅よりも長い距離を移動させようとすると、シャッタの前後幅を遊技領域の前後幅よりも広くする必要が生じる上、シャッタ上を移動する遊技球の好適なスタート地点として遊技盤の前面よりも後方のポイントを選択せざるを得なくなってしまうおそれがある。この場合、構成の複雑化等を招くおそれがある。この点、シャッタの上面に載っている遊技球を、略矩形状のシャッタの長手方向に対して交差する方向に蛇行させるだけであれば、シャッタの前後幅を遊技領域の前後幅よりも広くしなくても、シャッタに載った遊技球を、シャッタの長手方向における幅よりも長い距離を移動させることができる。従って、かかる不具合を払拭することができる。
手段C-4.前記入球機会付与手段は、前記シャッタの上面に凹凸を形成することで形成されていることを特徴とする手段C-3に記載の遊技機。
例えば、シャッタ側に凹凸を形成するのではなく、閉位置にあるシャッタの上方において、特定入賞口の開口周縁部から内周側に突出する突部を形成することで入球機会付与手段を構成し、シャッタの上面に載った遊技球を前記突部で誘導して蛇行させながら移動させる構成とする場合、シャッタを開位置に変位させても、突部が特定入賞口の開口周縁部から内周側に突出したままの状態で残ることとなるため、特定入賞口への遊技球の入球し易さが低下してしまうおそれがある。
この点、本手段C-4のように、シャッタ側に入球機会付与手段を構成する凹凸を形成することによって、シャッタが開位置へと変位すれば、入球機会付与手段についても、全体又は大部分が遊技領域外に退出するため、かかる不具合を払拭することができる。
手段C-5.前記可変入球装置は、遊技盤に取付けられる略板状のベース板を備え、
前記ベース板には、前記シャッタを出没させる収容開口部が形成され、
前記ベース板の前面のうち前記収容開口部の上方部位は、上方に向けて後方傾斜するとともに、
前記シャッタの上面を移動する遊技球に対し、遊技球の中央よりも下側の部分と当接可能に構成されていることを特徴とする手段C-4に記載の遊技機。
上記手段C-3のように、シャッタが前後に延びて前後に変位可能に構成される場合であって、上記手段C-4のように、シャッタの上面に凹凸が形成される場合には、シャッタを遊技盤側に引いて開位置とする際に、シャッタに載っている遊技球が、シャッタの上面の凸部と、ベース板とで圧接され、その力で弾け飛んでしまうことが懸念される。
この点、手段C-5によれば、シャッタを開位置とする際に、シャッタに載っている遊技球が、シャッタの上面の凸部と、ベース板とで挟まれそうな位置にあったとしても、上方に向けて後方傾斜し、かつ、遊技球の中央部よりも下側の部位と当接するベース板の収容開口部の上方部位に遊技球が載り上げるようにして比較的スムースにシャッタの凸部を特定入賞口側に乗り越えることができる。従って、シャッタを開位置とする際にシャッタに載っていた遊技球をより確実に特定入賞口に入球させることができるとともに、可変入球装置等の損傷を抑制することができる。
手段C-6.前記シャッタが前記閉位置へと変位した場合に、当該シャッタの前端部下面を支持可能な受部材を備えていることを特徴とする手段C-3乃至C-5のいずれかに記載の遊技機。
手段C-6によれば、閉位置にある場合に前後方向に延びて遊技球の下側を受けるシャッタには、比較的大きな負担が掛かり易いのであるが、シャッタの前端部下面を支持する受部材を設けることで、シャッタの付根部側に係る負担を軽減させることができ、シャッタが付根部側で折れてしまうといった事態を防止することができる。
尚、「前記シャッタの裏面側にはリブが形成されていること」としてもよい。この場合、シャッタの強度を向上させることができる。従って、シャッタに遊技球が衝突した際にシャッタが損傷してしまうことを防止することができる。また、「前記シャッタ、又は、閉位置にある前記シャッタと当接して支持する部材に緩衝材を設けたこと」としてもよい。この場合、シャッタが遊技球を受けた時の衝撃を低減させ、損傷や衝突音の抑制を図ることができる。
手段C-7.遊技領域を移動する遊技球が通過可能に構成された普通始動手段と、
遊技球を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態との間で状態変化可能な特別始動手段と、
遊技球を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態との間で状態変化可能な可変入賞手段と、
前記普通始動手段を通過した遊技球を検知する普通始動検知手段と、
前記特別始動手段に入球した遊技球を検知する特別始動検知手段と、
前記可変入賞手段に入球した遊技球を検知する可変入賞検知手段と、
前記普通始動検知手段による検知に基づいて、前記特別始動手段を開状態とするか否かの入球サポート抽選を行うサポート抽選実行手段と、
前記特別始動検知手段による検知に基づいて、前記可変入賞手段を開状態とするか否かの当否抽選を行う当否抽選実行手段とを備え、
前記可変入賞手段によって前記可変入球装置が構成され、
前記遊技領域において、前記特別始動手段よりも下流側に前記可変入賞手段が配置されていることを特徴とする手段C-3乃至C-6のいずれかに記載の遊技機。
上記手段C-3にあるように、閉位置にあるシャッタは、落下してきた遊技球を受け止める必要があり、その際等の負担が大きい。この点、本手段C-7のように、可変入球装置としての可変入賞手段を、特別始動手段の下流側に配置することで、特別始動手段に入球する分だけ可変入賞手段に向けて移動する遊技球の数を低減させることができ、結果として、シャッタの負担を低減させることができる。
手段C-8.遊技領域を移動する遊技球が通過可能に構成された普通始動手段と、
遊技球を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態との間で状態変化可能な特別始動手段と、
遊技球を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態との間で状態変化可能な可変入賞手段と、
前記普通始動手段を通過した遊技球を検知する普通始動検知手段と、
前記特別始動手段に入球した遊技球を検知する特別始動検知手段と、
前記可変入賞手段に入球した遊技球を検知する可変入賞検知手段と、
前記普通始動検知手段による検知に基づいて、前記特別始動手段を開状態とするか否かの入球サポート抽選を行うサポート抽選実行手段と、
前記特別始動検知手段による検知に基づいて、前記可変入賞手段を開状態とするか否かの当否抽選を行う当否抽選実行手段とを備え、
前記特別始動手段によって前記可変入球装置が構成され、
前記遊技領域において、前記特別始動手段よりも上流側に前記可変入賞手段が配置されていることを特徴とする手段C-3乃至C-6のいずれかに記載の遊技機。
閉位置にあるシャッタは、落下してきた遊技球を受け止める必要があり、その際等の負担が大きい。この点、本手段C-8のように、可変入球装置としての特別始動手段を、可変入賞手段の下流側に配置することで、可変入賞手段に入球する分だけ特別始動手段に向けて移動する遊技球の数を低減させることができ、結果として、シャッタの負担を低減させることができる。
手段C-9.前記可変入球装置の上流側において、遊技球の移動方向及び移動速度を整える整流手段が設けられていることを特徴とする手段C-1又はC-8のいずれかに記載の遊技機。
手段C-9によれば、可変入球装置に到達する前に、遊技球の移動方向及び移動速度を整える整流手段を設けることにより、可変入球装置に進入する遊技球の移動方向及び移動速度に関するイレギュラーを低減することができる。このため、シャッタへの落下地点、すなわち、シャッタに当接しながら移動する遊技球のスタート地点のばらつきを抑制することができる。さらには、シャッタに当接しながら移動する遊技球の初速度のばらつきを抑制することができる。従って、遊技球がシャッタに当接しながら移動する時間を極力長くして、特定入賞口への入球確率を向上させるといった上記作用効果がより一層奏されることとなる。
尚、「整流手段は、遊技球をシャッタのうち上流側の部位に案内すること」としてもよい。また、整流手段は、役物で構成してもよいし、釘配置で構成してもよいし、複数の構成を組合せてもよい。
手段C-10.前記シャッタは、
少なくとも前記閉位置では前後に延び、前記特定入賞口を閉塞可能な第1シャッタと、
少なくとも前記閉位置では前後に延び、前記第1シャッタの上方において、前記第1シャッタから遊技球の直径以上の距離を隔てて併設される第2シャッタとを備え、
前記第1シャッタ及び前記第2シャッタは、同時に、前記開位置と前記閉位置との間を変位可能に構成され、
前記閉位置にある前記第2シャッタに落下した遊技球は、当該第2シャッタ上を移動して前記閉位置にある前記第1シャッタに落下し、前記第1シャッタ上を移動するとともに、
前記閉位置にある前記第1シャッタ及び前記第2シャッタが前記開位置へと変位した場合には、前記第1シャッタ及び前記第2シャッタに載っている遊技球が前記特定入賞口に入球することを特徴とする手段C-1乃至C-9のいずれかに記載の遊技機。
手段C-10によれば、第1シャッタに落下する遊技球の位置や速度を第2シャッタである程度限定することができ、第1シャッタ上における遊技球の移動を好適なものとすることができる。また、閉位置にある第1シャッタに載っている遊技球だけでなく、閉位置にある第2シャッタに載っている遊技球についても、第1シャッタ及び第2シャッタが開位置へと変位することで、特定入賞口に入球することから、遊技球を効率的に特定入賞口に入球させるといった作用効果がより一層確実に奏される。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
C.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。