以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する固定枠としての外枠11を備えており、この外枠11の一側部に遊技盤取付枠としての内枠12が開閉可能に支持されている。尚、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される遊技部材(釘や役物等)、前面枠としての前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。尚、前面枠セット14は、内枠12を介してではなく、外枠11に直接開放可能に支持されるように構成してもよい。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1、図2に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下「ハンドル18」と称する)が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段(可変抵抗器)が設けられている。そして、ハンドル18が右回りに回動操作されると、回動操作量に応じた強さで、後述する発射手段としての発射装置60によって遊技球が発射される。また、ハンドル18には、ハンドル18を握った右手の親指で押圧操作可能な発射禁止ボタン18aが設けられている。当該発射禁止ボタン18aを押圧した状態においては、ハンドル18を握っていたとしても、発射装置60による遊技球の発射が禁止される。このため、遊技球の発射を禁止しつつハンドル18の回動操作を行ったり、ハンドル18を握った状態で、一時的に遊技球の発射を止めたりすることができる。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射装置60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19上面には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
さらに、上皿19上面には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
加えて、上皿19上面には、LEDが内蔵された演出ボタン125及び十字ボタン126が設けられており、演出ボタン125や十字ボタン126を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、遊技状態の変化等に応じて発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12には、窓孔39の後側において、遊技盤30が樹脂ベース38の裏側に当接した状態で装着されている。従って、遊技盤30前面の略中央部分が窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60によって発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。さらに、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
次に、遊技盤30(遊技領域)の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞装置31、第1可変入賞装置32a、第2可変入賞装置32b、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33b、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35、複合表示装置ユニット40等が配設されている。周知の通り、一般入賞装置31、可変入賞装置32a、32b、始動入賞装置33a、33b等の各種入賞装置に遊技球が入球(入賞)すると、各種入賞装置に対応して設けられた検知スイッチの検知に基づいて、上皿19(上皿19が満杯の場合には下皿15)へ所定数の遊技球が払い出される(賞球が付与される)。
本実施形態では、一般入賞装置31への入球があった場合には10個、第1可変入賞装置32aへの入球があった場合には14個、第2可変入賞装置32bへの入球があった場合には13個、第1始動入賞装置33aへの入球があった場合には2個、第2始動入賞装置33bへの入球があった場合には1個の遊技球が払出されるように構成されている。また、遊技球が通過するだけで入球することのない(遊技盤30の裏面側に排出されない)スルーゲート34に遊技球が通過しても、遊技球の払出しは行われない。
その他に、遊技盤30には、遊技領域の最下部に対応してアウト口36が設けられており、一般入賞装置31等の各種入賞装置に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
遊技領域の略中央部には、可変表示装置ユニット35が配設されている。可変表示装置ユニット35には、後述する装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。
センターフレーム47の左側部には入球口151が設けられており、該入球口151に入球した遊技球は、センターフレーム47の内部に形成されたワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される。ステージ153上に案内された遊技球は、ステージ153上を転動する等して、ステージ153上から前方の遊技領域に転落したり、ステージ153の中央に形成された前後に延びて遊技球を前方に案内する導出溝154に落下したりする。
可変表示装置ユニット35の下方位置には、第1始動入賞装置33aが配設されている。第1始動入賞装置33aは、遊技盤30の前面部から前方へ突出し、その上側に遊技球が常時入賞可能な入賞口が開口している。特に、上記ステージ153の導出溝154に案内される遊技球は、比較的高い確率で第1始動入賞装置33aに入球するように構成されている。尚、本実施形態の第1始動入賞装置33aには、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球し易さを変化させるような開閉部材は設けられていない。
第1始動入賞装置33aの下方位置には、第1可変入賞装置32aが配設されている。第1可変入賞装置32aは、通常、遊技球が入賞不能な閉状態になっており、対応する種別の大当たり状態等の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。尚、図示は省略するが、第1可変入賞装置32aは、遊技盤30の後方へと通じる大入賞口と、大入賞口を開閉する大入賞シャッタと、大入賞シャッタを動作させるための大入賞口用ソレノイドと、大入賞口に入球した遊技球を検出する第1カウントスイッチ223aとを備え、大入賞口用ソレノイドを駆動制御し、大入賞シャッタを開閉させることで、第1可変入賞装置32a(大入賞口)を閉状態と開状態とに切替えている。
以下、便宜上、「遊技領域」のうち、可変表示装置ユニット35の左側方に位置する領域を「左側方領域」といい、可変表示装置ユニット35の右側方に位置する領域を「右側方領域」という。
左側方領域の下部には、遊技領域の周縁部(内レール構成部51)に沿って一般入賞装置31が配設されている。一般入賞装置31は、遊技盤30の前面部から前方へ突出し、その上側に遊技球が常時入賞可能な入賞口が開口している。
右側方領域には、スルーゲート34が配置されている。スルーゲート34は、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。詳しくは後述するが、スルーゲート34は、当該スルーゲート34を通過する遊技球を検知可能なスルーゲートスイッチ225を備えている。
さらに、右側方領域におけるスルーゲート34の下流側には、第2始動入賞装置33bが配設されている。第2始動入賞装置33bは、遊技球が入球可能な第2始動入賞装置33bの入賞口(始動入賞口)の左右両側に隣接して、回動変位可能な一対の羽根部材37を備えている。
また、スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検知された場合に、第2始動入賞装置33bを開状態とするか否かの入球サポート抽選が行われるとともに、詳しくは後述する普通図柄表示装置41にて当該入球サポート抽選の結果を教示するための変動表示が行われる。そして、入球サポート抽選にて当選した場合には、当該変動表示の終了後に第2始動入賞装置33bが規定時間だけ開状態とされる。
尚、本実施形態では、第2始動入賞装置33bの始動入賞口の直上方位置に遊技釘が配設されており、羽根部材37が上下に延びる閉位置とされている場合には、前記遊技釘と羽根部材37との間に遊技球が通過する余地はなく、第2始動入賞装置33bは、遊技球が始動入賞口に入球不可能な閉状態となっている。一方、羽根部材37が外側に開く開位置に変位することで、第2始動入賞装置33bは、遊技球が始動入賞口に入球可能な開状態となる。
さらに、第2始動入賞装置33bの下流側には、第2可変入賞装置32bが配設されている。第2可変入賞装置32bは、通常、遊技球が入賞不能な閉状態となっており、対応する種別の大当たり状態の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。尚、図示は省略するが、第2可変入賞装置32bは、遊技盤30の後方へと通じる大入賞口と、大入賞口を開閉する大入賞シャッタと、大入賞シャッタを動作させるための大入賞口用ソレノイドと、大入賞口に入球した遊技球を検出する第2カウントスイッチ223bとを備え、大入賞口用ソレノイドを駆動制御し、大入賞シャッタを開閉させることで、第2可変入賞装置32b(大入賞口)を閉状態と開状態とに切替えている。
尚、本実施形態の第1可変入賞装置32a及び第2可変入賞装置32bの大入賞シャッタは、大入賞口の下縁部に沿って大入賞シャッタの下縁部が回動可能に軸支されており、第1及び第2可変入賞装置32a、32bの閉状態では、大入賞シャッタが上下に延びて大入賞口を閉塞し、大入賞シャッタの前方を遊技球が通過可能な状態となる。一方、第1及び第2可変入賞装置32a、32bの開状態では、大入賞シャッタが前方に回動して前後に延び(上面が後方に向けて少し下方傾斜している)、大入賞口の前方に流下してきた遊技球を大入賞シャッタの裏面(上面)で受けて大入賞口へと案内するようになっている。
また、本実施形態の第2始動入賞装置33bの直上方には、遊技領域を移動する遊技球が入球可能なアシスト入賞口48が設けられている。アシスト入賞口48に入球した遊技球を検知するアシスト入賞検知スイッチ227によって遊技球が検知されると、上皿19若しくは下皿15に遊技球が3個払い出されるようになっている。
尚、詳しくは後述するが、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33bには、それぞれ入賞した遊技球を検知する条件成立検出手段としての第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bが設けられており、当該始動入賞スイッチ224a、224bにて遊技球が検知された場合には、大当たり状態等を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、詳しくは後述する特別表示装置43a、43b(及び装飾図柄表示装置42)にて変動表示が行われる構成となっている。そして、当否抽選にて当選した場合には、特別表示装置43a、43b(及び装飾図柄表示装置42)にて、当選に対応する態様で変動表示が停止表示されるとともに、第1可変入賞装置32a、又は、第2可変入賞装置32bが開放される大当たり状態等が付与される。
本実施形態では、当否抽選にて所定の確率で大当たりに当選する「低確率状態」と、当否抽選にて低確率状態よりも高確率で大当たりに当選する「高確率状態」とがある。さらに、第2始動入賞装置33b(羽根部材37)が比較的頻繁に開状態(開位置)とされ、遊技球を第2始動入賞装置33bへ入球させ易くなる「高入球状態」と、羽根部材37がほとんど開位置とされず、遊技球を第2始動入賞装置33bへ入球させ難い「低入球状態」とがある。以下、低確率状態かつ低入球状態である状態を「通常モード」と称し、低確率状態かつ高入球状態である状態を「時間短縮モード」と称し、高確率状態かつ高入球状態である状態を「確変モード」と称し、高確率状態かつ低入球状態である状態を「潜確モード」と称する。
尚、高入球状態としては、例えば、(1)普通図柄表示装置41における変動表示時間が低入球状態時よりも短い状態、(2)第2始動入賞装置33bの一回の開放時間(規定時間)が低入球状態時に比べて長い状態、(3)第2始動入賞装置33bの一回の開放につき入球可能となる遊技球の規定個数が低入球状態時に比べて多い状態、(4)入球サポート抽選の当選一回当たりの第2始動入賞装置33bの開放回数が低入球状態時に比べて多い状態、(5)入球サポート抽選の当選確率が低入球状態時よりも高い状態とすることなどが挙げられる。本実施形態における高入球状態は、上記(1)、(2)、(5)の構成を採用している。勿論、これに限らず、「高サポートモード」として、構成(1)〜(5)のいずれか1つ、又は、これら構成(1)〜(5)の任意の組合せを採用してもよい。これにより、第2始動入賞装置33bに対し遊技球が頻繁に入賞しやすくなり、当否抽選の実行される回数が増えると共に、遊技者の持ち球の減少が抑制される球持ちのよい状態となる。
さらに、本実施形態では、通常モード、確変モード、及び、潜確モードは、大当たり状態が発生するまで継続されるのに対し、時間短縮モードは大当たり状態が発生しなくても特別表示装置43a、43bにおける変動表示が予め設定された規定回数行われると終了し、通常モードに移行する構成となっている。
尚、確変モードや時間短縮モードにおいては、第2始動入賞装置33bの羽根部材37が比較的頻繁に開放されて入球し易くなっている一方で、第1始動入賞装置33aについては入球し易くなるわけではないことから、遊技者は、確変モードや時間短縮モードになると、第2始動入賞装置33bが設けられている右側方領域に向けて遊技球を発射させる(所謂、「右打ち」をする)こととなる。また、かかる右打ちのタイミングに際しては、装飾図柄表示装置42等において、右打ちを促すアナウンスが行われるようになっている。
本実施形態では、第1始動入賞装置33a(所謂、「へそ」)に遊技球が入球した場合に行われる当否抽選にて当選した場合と、第2始動入賞装置33b(所謂、「電子チューリップ、電チュー」)に遊技球が入球した場合に行われる当否抽選にて当選した場合とで、付与される当たりの種別が変化する(当たり状態の種別を決定する際に参照される種別判定テーブルが異なる)ように構成されている。
より具体的には、第1始動入賞装置33aへの入球に基づいて大当たり状態に当選した場合の大当たり種別としては、16ラウンド確変大当たり(以下「16RS」と言う)と、8ラウンド確変大当たり(以下「8RS」と言う)と、8ラウンド通常大当たり(以下「8RN」)と、2ラウンド確変大当たり(以下「2RS」と言う)とがある。「16RS」、「8RS」、「8RN」に関しては、第1可変入賞装置32aが30秒間開放されること、又は、第1可変入賞装置32aが開放されてから第1可変入賞装置32aに8個の遊技球が入球することを1ラウンドとして、「16RS」に関しては、それが16回繰り返され、「8RS」、「8RN」に関しては、それが8回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。一方、「2RS」に関しては、第1可変入賞装置32aが0.4秒間開放されることを1ラウンドとして、それが2回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。すなわち、「16RS」、「8RS」、「8RN」に関しては、大当たり状態中に大幅な遊技球の増加が見込める大当たり(所謂、「出玉有り大当たり」)であるものの、「2RS」は、遊技球の大幅な増加が見込めない大当たり(所謂、「出玉無し大当たり」)となっている。
また、「16RS」、「8RS」の大当たり状態終了後には「確変モード」が付与され、「2RS」の大当たり状態終了後には「潜確モード」が付与され、「8RN」の大当たり状態終了後には「時間短縮モード」(本例では、変動表示90回分)が付与される。つまり、「16RS」、「8RS」、「8RN」の大当たり状態終了後は、第2始動入賞装置33bが開状態とされ易い高入球状態となるため、遊技者は右側方領域に向けて遊技球を発射させることとなる。本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選において大当たりに当選した場合、5%の割合で「16RS」となり、55%の割合で「8RS」となり、30%の割合で「8RN」となり、10%の割合で「2RS」となる。
さらに、本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選において、「小当たり」に当選する場合がある。第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選において、小当たりした場合には、第1可変入賞装置32aが0.4秒間開放されることを1ラウンドとして、それが2回繰り返されてから、小当たり状態が終了する。つまり、第1可変入賞装置32aに関し、外見上は、「2RS」と同じである。但し、小当たり状態が発生する前と、発生した後とで遊技モードが変化することはない。すなわち、例えば、通常モードにおいて「2RS」に当選すると、潜確モードに移行するのであるが、通常モードにおいて小当たりに当選しても、通常モードが継続される。これにより、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選において、高確率状態が付与されない2ラウンド大当たり(2ラウンド通常大当たり)に当選するような振分けを行わなくても、第1可変入賞装置32aが短く2回開放されることで必ず高確率状態に移行してしまったことが分かってしまうといった事態を回避することができる。
その一方で、第2始動入賞装置33bへの入球に基づいて大当たり状態に当選した場合の大当たり種別としては、16ラウンド確変大当たりと、8ラウンド確変大当たりと、2ラウンド通常大当たり(以下「2RN」と言う)とがある。尚、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選にて当選した場合には、第1可変入賞装置32aではなく、第2可変入賞装置32bが開放される(本例では、ラウンド終了条件は同じであるが、可変入賞装置32a、32bにそれぞれ遊技球が入球した場合の払出個数(14個と13個)が異なる)こととなるものの、説明の便宜上、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選にて当選した場合の大当たりの種別についても、便宜上、同じ名称(「16RS」、「8RS」)を使用することとする。加えて、本実施形態では、第1可変入賞装置32aが開状態とされる大当たり状態のラウンド終了条件と、第2可変入賞装置32bが開状態とされる大当たり状態のラウンド終了条件とが同じである(8個の入賞、或いは、30秒の経過で1ラウンドとなる)が、異ならせること(例えば、ラウンド中の遊技球の入賞上限が8個と9個)としてもよい。
また、「2RN」に関しては、第2可変入賞装置32bが0.4秒間開放されることを1ラウンドとして、それが2回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。すなわち、「16RS」、「8RS」に関しては、大当たり状態中に大幅な遊技球の増加が見込めるものの、「2RN」は、遊技球の大幅な増加が見込めない大当たりとなっている。
また、「2RN」の大当たり状態終了後には「時間短縮モード」が付与される。本例では、「2RN」でも3つに分かれており、変動表示30回分の時間短縮モードが付与される「2RN30」と、変動表示60回分の時間短縮モードが付与される「2RN60」と、変動表示90回分の時間短縮モードが付与される「2RN90」とがある。本実施形態では、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選において大当たりに当選した場合、35%の割合で「16RS」となり、35%の割合で「8RS」となり、20%の割合で「2RN30」となり、5%の割合で「2RN60」となり、5%の割合で「2RN90」となる。
さらに、本実施形態では、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選において、小当たりに当選する場合がある。第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選において、小当たりした場合には、第2可変入賞装置32bが0.4秒間開放されることを1ラウンドとして、それが2回繰り返されてから、小当たり状態が終了する。つまり、第2可変入賞装置32bに関し、外見上は、「2RN」と同じである。但し、小当たり状態が発生する前と、発生した後とで遊技モードが変化することはない。すなわち、確変モード等の高確率状態は、基本的に「2RN」に当選することで低確率状態(時間短縮モード等)に移行するのであるが、確変モードで小当たりに当選しても、確変モードが継続される。これにより、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選において2ラウンド確変大当たり「2RS」に当選するような振分けを行わなくても、第2可変入賞装置32bが短く2回開放されることで必ず低確率状態に移行してしまったことが分かってしまうといった事態を回避することができる。
さて、図4、図40等に示すように、本実施形態では、略楕円形状の遊技領域の右下部に隣接して、第1始動入賞装置33a、及び、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づいて行われる当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われる第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bと、特別表示装置43a、43bにおける変動表示中に始動入賞装置33a、33bへの遊技球の入球があった場合に、当該入球に対応する変動表示を保留記憶したことを示す第1保留表示装置46a、及び、第2保留表示装置46bと、スルーゲート34への遊技球の通過に基づいて行われる入球サポート抽選の結果を教示するための変動表示が行われる普通図柄表示装置41と、普通図柄表示装置41における変動表示中にスルーゲート34への遊技球の通過があった場合に、当該通過に対応する変動表示を保留記憶したことを示す普通保留表示装置44とがユニット化された複合表示装置ユニット40が設けられている。
図44等に示すように、本実施形態では、第1特別表示装置43a、第2特別表示装置43b、第1保留表示装置46a、第2保留表示装置46b、普通図柄表示装置41、及び、普通保留表示装置44といった主制御装置261により直接的に表示制御される表示装置が1枚の基板にまとめて搭載されている。以下、第1特別表示装置43a、第2特別表示装置43b、第1保留表示装置46a、第2保留表示装置46b、普通図柄表示装置41、及び、普通保留表示装置44が搭載された基板を「主表示装置49」と称する。
尚、本実施形態では、遊技領域の右下部に隣接して、遊技領域外に設置された複合表示装置ユニット40をパチンコ機10の前方から視認可能とするべく、前面枠セット14の窓部101、及び、内枠12の窓孔39が、正面視右下方に拡張形成されている(図1〜図3参照)。
図43、図44等に示すように、第1特別表示装置43aは、8個のLED(以下、「第1特図ランプ401」と称する)により構成されている。第1特図ランプ401は、上下2列で各列4個ずつ等間隔に並べられるとともに、下列が上列よりもランプ1個分右側にずれるようにして配置されている。そして、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球を契機として、第1特別表示装置43aにて第1特図ランプ401の切替表示(変動表示)が行われる構成となっている。
第2特別表示装置43bは、8個のLED(以下、「第2特図ランプ402」と称する)により構成され、第1特別表示装置43aの下方に配置されている。第2特図ランプ402についても、上下2列で各列4個ずつ等間隔に並べられるとともに、下列が上列よりもランプ1個分右側にずれるようにして配置されている。そして、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球を契機として第2特別表示装置43bにて第2特図ランプ402の切替表示(変動表示)が行われる構成となっている。
また、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにて変動表示が所定時間行われた後、当否抽選の結果に基づいて、変動表示を停止させる。つまり、変動表示が停止したときの点灯態様(点灯している第1特図ランプ401又は第2特図ランプ402の組合わせ)と、当否抽選の各種結果とが対応付けられており、変動表示が停止したときの点灯態様により、当否抽選の結果、すなわち、「大当たり」、「小当たり」、又は、「外れ」であることが確定的に表示される。さらに、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにおいては、停止させる点灯態様(停止態様)によって、大当たり種別、すなわち、「16RS」、「8RS」、「8RN」、「2RS」、「2RN」のいずれであるかについても教示される。また、各種大当たり種別、小当たり、外れをそれぞれ教示する第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bの停止態様は1つではなく複数存在し、それらのいずれかが選択されて停止表示される。
また、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにおける停止表示は規定時間維持されるように構成されており、規定時間経過後に次の変動表示を開始可能に構成されている。さらに、第1特別表示装置43a又は第2特別表示装置43bにおける停止表示後、規定時間が経過しても、次の変動表示が行われない場合には、当該第1特別表示装置43a又は第2特別表示装置43bにおいて、当否抽選の結果を示す点灯態様から、変動表示が行われていない待機状態であることを示す点灯態様へと切替えられるように構成されている。
また、左右方向において、最も左側の第1特図ランプ401と、最も左側の第2特図ランプ402との位置が揃っているとともに、最も右側の第1特図ランプ401と、最も右側の第2特図ランプ402との位置が揃っている。さらに、本実施形態の第1特図ランプ401と、第2特図ランプ402とは、同一製品のLED(発光手段)を使用している。つまり、左右に4つ並ぶLEDが左側に変位している列(特図ランプ401、402の上列)と、右側に変位している列(特図ランプ401、402の下列)とが上下に交互に並ぶような格好となっている。
加えて、第1特別表示装置43aの上方には、第1保留表示装置46a及び第2保留表示装置46bが配置されている。第1保留表示装置46a及び第2保留表示装置46bは、それぞれ2個横並びで設けられるLED(以下、第1保留表示装置46aを構成するLEDを「第1保留ランプ403」と称し、第2保留表示装置46bを構成するLEDを「第2保留ランプ404」と称する。)によって構成されている。
また、第2保留表示装置46b(第2保留ランプ404)は、第1保留表示装置46a(第1保留ランプ403)の右方に配置されている。さらに、左右方向において、最も右側の第2保留ランプ404は、最も右側の第1特図ランプ401や第2特図ランプ402と同じ位置であり、また、第1保留ランプ403及び第2保留ランプ404の設置間隔についても、第1特図ランプ401や第2特図ランプ402と同じとなっている。
本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第1変動表示」と称する)、及び、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第2変動表示」と称する)をそれぞれ4回分(合計8回分)まで保留記憶可能に構成されている。例えば、第1変動表示が1回分保留されている場合には、左側の第1保留ランプ403が点灯し、第1変動表示が2回分保留されている場合には、左右の第1保留ランプ403が点灯し、第1変動表示が3回分保留されている場合には、左側の第1保留ランプ403が点滅するとともに、右側の第1保留ランプ403が点灯し、第1変動表示が4回分保留されている場合には、左右の第1保留ランプ403が点滅する。尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞装置33a、33bに入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
尚、保留された変動表示は、基本的に、保留された順番で消化されるようになっているが、第1変動表示及び第2変動表示の両方が保留されている場合には、第2変動表示が優先的に消化されるようになっている。すなわち、第2始動入賞装置33bへの入賞を契機とする第2変動表示が全て消化された状態でなければ、第1始動入賞装置33aへの入球を契機とする第1変動表示が行われない構成となっている。例えば、第1保留ランプ403が1つ点灯している状態において、第2始動入賞装置33bに遊技球が入球し、第2保留ランプ404が1つ点灯した場合、第1変動表示が後回しにされ、先に第2変動表示が行われることとなる。
さらに、第2特別表示装置43bの下方には、普通図柄表示装置41及び普通保留表示装置44が配置されている。普通図柄表示装置41及び普通保留表示装置44は、それぞれ2個横並びで設けられるLED(以下、普通図柄表示装置41を構成するLEDを「普図ランプ405」と称し、普通保留表示装置44を構成するLEDを「普通保留ランプ406」と称する。)によって構成されている。
また、普通保留表示装置44(普通保留ランプ406)は、普通図柄表示装置41(普図ランプ405)の右方に配置されている。さらに、左右方向において、最も左側の普図ランプ405は、最も左側の第1特図ランプ401や第2特図ランプ402と同じ位置であり、また、普図ランプ405及び普通保留ランプ406の設置間隔についても、第1特図ランプ401や第2特図ランプ402と同じとなっている。
普通図柄表示装置41では、スルーゲート34への遊技球の通過を契機として、例えば、右側の普図ランプ405が点滅表示される(変動表示される)構成となっている。また、普通図柄表示装置41にて変動表示が所定時間行われた後、入球サポート抽選の結果に基づいて、変動表示を停止させる。つまり、変動表示が停止したときの点灯態様(点灯している普図ランプ405の組合わせ)と、入球サポート抽選の各種結果とが対応付けられており、変動表示が停止したときの点灯態様により、入球サポート抽選の結果が確定的に表示される。例えば、左右の普図ランプ405を両方とも点灯させることで「当選」を示し、左側の普図ランプ405のみを点灯させることで「外れ」を示す。
また、本実施形態では、スルーゲート34への遊技球の通過に基づいて行われる普通図柄表示装置41の変動表示を4回分まで保留記憶可能に構成されている。例えば、普通図柄表示装置41の変動表示が1回分保留されている場合には、左側の普通保留ランプ406が点灯し、2回分保留されている場合には、左右の普通保留ランプ406が点灯し、3回分保留されている場合には、左側の普通保留ランプ406が点滅するとともに、右側の普通保留ランプ406が点灯し、4回分保留されている場合には、左右の普通保留ランプ406が点滅する。尚、大当たり状態中に新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合、その分の変動表示についても保留される。
さらに、本実施形態の第1保留ランプ403、第2保留ランプ404、普通保留ランプ406、及び、普図ランプ405は、第1特図ランプ401及び第2特図ランプ402と同一製品のLEDを使用している。つまり、左右に4つ並ぶLEDが左側に変位している列(特図ランプ401、402の上列、及び、普通保留ランプ406と普図ランプ405とで構成される列)と、右側に変位している列(特図ランプ401、402の下列、及び、第1保留ランプ403と第2保留ランプ404とで構成される列)とが上下に交互に並ぶような格好となっている。
また、主表示装置49(の基板)には、第1保留ランプ403の左方、かつ、最も左側に位置する第1特図ランプ401の上方位置と、普図ランプ405の右方、かつ、最も右側に位置する第2特図ランプ402の下方位置とにおいて、基板を前後に貫通し、ねじを取付けるための取付孔408が形成されている。
さらに、主表示装置49の基板の外形状は、全体として略行列状に配置された第1特図ランプ401、第2特図ランプ402、第1保留ランプ403、第2保留ランプ404、普通保留ランプ406、普図ランプ405、及び、取付孔408を囲うようにして略矩形状をなしている。但し、主表示装置49の基板には、最も左側の第1特図ランプ401と、最も左側の第2特図ランプとの間のランプが設けられていない部位、最も左側の第2特図ランプ402と、左側の普通保留ランプ406との間のランプが設けられていない部位、最も右側の第1特図ランプ401と、右側の第2保留ランプ404との間のランプが設けられていない部位、最も右側の第1特図ランプ401と、最も右側の第2特図ランプ402との間のランプが設けられていない部位において切欠き部409(図44参照)が形成されている。
さて、本実施形態の複合表示装置ユニット40は、主表示装置49の左方、及び、右方にそれぞれ隣接して設けられ、サブ制御装置262により表示制御されるサブ表示装置411を備えている。図44に示すように、サブ表示装置411の基板は、主表示装置49の基板の左辺部又は右辺部に合致するような形状をなしており、上下方向においてLEDを4個並べて設置可能な本体部412と、本体部412の上辺部及び下辺部からそれぞれ突出し、それぞれねじを取付けるための取付孔414が形成された取付部413と、本体部412から主表示装置49の基板側に突出して切欠き部409に挿入され、LEDを1つずつ設置可能な上下一対の突出部415とを備えている。
また、サブ表示装置411に搭載されるLED(以下、「サブランプ417」と称する)は、主表示装置49に搭載されるLEDと同一製品である。さらに、本体部412に設置された4つのサブランプ417は、上下方向において、主表示装置49の第1特図ランプ401、及び、第2特図ランプ402と位置が揃うように設置されており、また、左右方向においても、第1特図ランプ401、及び、第2特図ランプ402の設置間隔に合わせて設置されている。つまり、図40、図43等に示すように、左右一対のサブ表示装置411のサブランプ417と、主表示装置49の第1特図ランプ401、及び、第2特図ランプ402とを一括りとしてみると、同一のLEDが縦4列×横7行の行列状に配置された態様をなしている。
サブ表示装置411では、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにおける変動表示の開始と同期して、サブランプ417の切替表示が開始され、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにおける変動表示の終了(停止表示)と同期して、サブランプ417の切替表示が終了することとなる。さらに、サブ表示装置411の停止態様は、当否抽選等の各種抽選の結果とは対応付けされておらず、サブ表示装置411によって当否抽選等の各種抽選の結果に関する教示や示唆等が行われることはない。
また、図39〜図41等に示すように、複合表示装置ユニット40は、主表示装置49及びサブ表示装置411を取付けるための取付パネル421を備えている。取付パネル421は、主表示装置49及びサブ表示装置411の各種ランプ(LED)が搭載された前面全体を覆うことのできる略矩形板状をなし、透明な樹脂によって構成されている。さらに、取付パネル421には、主表示装置49及びサブ表示装置411の各種ランプを個別に挿入可能な複数の挿入孔422が形成されている。加えて、取付パネル421には、主表示装置49及びサブ表示装置411の取付孔408、414と位置合わせされてねじ固定されるねじ孔423、424が形成されている。
そして、主表示装置49及びサブ表示装置411を、取付パネル421の後面側から、主表示装置49及びサブ表示装置411の基板が取付パネル421の後面に当接するまで、各種ランプを挿入孔422に挿入し、取付パネル421のねじ孔423、424と、主表示装置49及びサブ表示装置411の取付孔408、414とを位置合わせして、主表示装置49及びサブ表示装置411の後面側からねじ固定する。これにより、主表示装置49及びサブ表示装置411が取付パネル421に取付固定されることとなる。
本実施形態では、第1特別表示装置43a(第1特図ランプ401)及び第2特別表示装置43b(第2特図ランプ402)が主表示手段、及び、主制御表示手段を構成し、サブ表示装置411(サブランプ417)がサブ表示手段、及び、サブ制御表示手段を構成する。また、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにおける変動表示が確定表示に相当し、サブ表示装置411における変動表示が疑似表示に相当する。さらに、本実施形態では、装飾図柄表示装置42が演出表示手段を構成し、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示が演出表示に相当する。
尚、図41に示すように、本実施形態では、主表示装置49の基板の左右側辺部は、後面側の部位が切欠かれた段差形状をなしている。これに対して、サブ表示装置411の基板の主表示装置49側の辺部は、前面側の部位が切欠かれた段差形状をなしており、主表示装置49及びサブ表示装置411の取付パネル421への取付状態では、主表示装置49の段差部と、サブ表示装置411の段差部とが前後に重なる(主表示装置49の段差部が、サブ表示装置411の段差部と、取付パネル421とで挟まれる)ように構成されている。これにより、主表示装置49の取付孔408が2箇所にしか形成されていない構成においても、主表示装置49の取付状態の安定化等を図ることができる。
また、図39等に示すように、取付パネル421は、当該取付パネル421に取付けられたサブ表示装置411よりも左右側方に突出する左右一対の取付片426を備えており、各取付片426には、取付パネル421を貫通する上下一対の取付孔427が形成されている。本実施形態の取付孔427は、皿ねじを取付可能な形状をなしており、皿ねじの取付状態では、皿ねじの頭部が取付孔427に没入するようになっている。
さらに、図39、図41に示すように、複合表示装置ユニット40は、複合表示装置ユニット40を遊技盤30の前面側に取付けるためのベース部材431を備えている。ベース部材431は、遊技盤30の前面に当接状態で取付けられる略矩形板状のベース板432と、取付パネル421の各取付孔427に対応する位置に設けられ、取付パネル421をベース板432から所定距離離間させて取付けるためのボス433とを備えている。そして、ベース部材431のボス433と、取付パネル421の取付孔427とを位置合わせして、ねじ固定することで、取付パネル421がベース部材431に取付けられている。
また、ベース板432には、ねじ孔(図示略)が形成されており、当該ねじ孔を介してねじを遊技盤30に螺着することで、ベース部材431が遊技盤30の前面に対して取付けられている。これにより、複合表示装置ユニット40が、遊技盤30の前面側に取付固定されることとなる。
また、図39〜図41等に示すように、複合表示装置ユニット40は、サブ表示装置411のサブランプ417の一部を覆う被覆位置と、当該サブランプ417を露出させる露出位置との間を変位可能な略矩形板状の被覆手段としての被覆シャッタ441を備えている。本実施形態の被覆シャッタ441は、左側のサブ表示装置411(以下、「第1サブ表示装置411a」とも称する)のうち上下方向に4つ並ぶサブランプ417を一度に被覆したり、露出させたりすることのできる第1シャッタ442と、右側のサブ表示装置411(以下、「第2サブ表示装置411b」とも称する)のうち上下方向に4つ並ぶサブランプ417を一度に被覆したり、露出させたりすることのできる第2シャッタ443とを備えている。
さらに、図39に示すように、ベース部材431は、各第1シャッタ442及び第2シャッタ443の上辺部及び下辺部をそれぞれ左右方向に摺動可能に支持する凹状のレール部445が形成された上下一対の支持台444を備えている。加えて、図42に示すように、被覆シャッタ441の裏面側(後面側)には、支持台444への取付状態において、取付パネル421や主表示装置49及びサブ表示装置411よりも下方、かつ、下側の支持台444よりも上方に位置する部位に対し、左右方向に延在するラック部446が形成されている。
また、図39に示すように、ベース部材431には、下側の支持台444の上面と対向するようにして、取付パネル421の下方、かつ、下側の支持台444から所定距離を隔てた上方位置において軸受台447が設けられている。さらに、軸受台447、及び、下側の支持台444には、ピニオン448の軸部449(図42参照)を軸支可能な上下一対の軸支部(図示略)が設けられており、かかる軸支部に対して軸部449が軸支されるようにしてピニオン448を設置し、被覆シャッタ441の上辺部及び下辺部をそれぞれ支持台444のレール部445に挿通させると、被覆シャッタ441のラック部446と、ピニオン448とが噛み合うように構成されている。
加えて、図39、図42に示すように、ベース部材431には、ピニオン448を回動させるための被覆駆動手段としてのシャッタ用ソレノイド451が取付けられている。シャッタ用ソレノイド451は、プランジャー452が前後方向に延在するようにして設置されており、プランジャー452の先端部には、ピニオン448と噛み合うラック部材453が取付けられている。また、シャッタ用ソレノイド451は、サブ制御装置262と電気的に接続されており、サブ制御装置262によって駆動制御される。そして、シャッタ用ソレノイド451が励磁状態とされることで、被覆シャッタ441が被覆位置に変位し、シャッタ用ソレノイド451が非励磁状態とされることで、被覆シャッタ441が露出位置に変位するように構成されている。
また、図41に示すように、複合表示装置ユニット40の前方には、主表示装置49及びサブ表示装置411を前方に露出させるための開口部456が形成されるとともに、露出位置にある被覆シャッタ441の前方を覆うことのできるカバー455が設けられている。
また、可変表示装置ユニット35には、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bによる変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42が設けられている。
装飾図柄表示装置42は、液晶表示装置によって構成されており、装飾図柄を変動表示可能に構成されている。また、装飾図柄表示装置42は、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、当該決定に基づき、表示制御装置45によって表示が行われる。
装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中、下の3つの図柄表示領域(上図柄表示領域、中図柄表示領域、下図柄表示領域)が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の装飾図柄(例えば1〜9の数字が付された数字図柄)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)装飾図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて大当たり状態の発生が確定すると、第1又は第2特別表示装置43a、43bにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域において所定の有効ライン上に同一の装飾図柄が並ぶようにして停止表示され)、大当たり状態が開始される。尚、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域のうち、基本的に、1番目に装飾図柄が停止表示されることとなる上図柄表示領域のことを「第1図柄表示領域」とも称し、2番目に装飾図柄が停止表示されることとなる下図柄表示領域のことを「第2図柄表示領域」とも称し、最後に装飾図柄が停止表示されることとなる中図柄表示領域のことを「第3図柄表示領域」とも称する。
また、装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の装飾図柄が有効ライン上に停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて所定の有効ライン上に同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。勿論、リーチ状態が発生したからといって必ずしも大当たりとなるわけではなく、外れる場合もある。
本実施形態では、リーチ状態が発生した後、中図柄表示領域において、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において停止表示された装飾図柄(リーチ図柄)と同じ装飾図柄が同じ有効ライン上に停止表示された場合(ゾロ目が停止表示された場合)に、大当たり状態が付与される。また、奇数のゾロ目の場合には、「16RS」又は「8RS」が発生し、偶数のゾロ目の場合には、「16RS」、「8RS」、又は「8RN」のいずれかが発生する。
ゾロ目以外の装飾図柄の組合わせは基本的に「外れ」を教示するものであるが、本実施形態では、大当たりであっても「2RS」、「2RN」については、装飾図柄がゾロ目の組合わせで停止表示されるのではなく、リーチ図柄となったものの外れとなる組合わせで停止表示される。加えて、「小当たり」についても、リーチ図柄となったものの外れとなる組合わせで停止表示される。
尚、本実施形態では、滞在している遊技モードを教示又は示唆する演出として、装飾図柄表示装置42において複数の演出ステージが用意されている。より具体的には、確変モードに滞在していることが確定する「確変ステージ」と、通常モードに滞在していることが確定する「通常ステージ」と、確変モード及び時間短縮モードのどちらかに滞在している「引き戻しステージ」と、通常モード及び潜確モードのどちらかに滞在している「前兆ステージ」とがある。
例えば、確変ステージにおいて「2RN」に当選し、確変モードが終了した場合、或いは、「小当たり」に当選した場合には、確変ステージが終了し、引き戻しステージが表示される。そして、「2RN」に当選していて、付与された時間短縮モードの期間も終了した場合には、かかる引き戻しステージが終了し、通常ステージが表示される。また、「小当たり」に当選していた場合には、「小当たり」の前後で遊技モードの変化がないことから、確変モードのままである。従って、引き戻しステージに移行するものの、大当たりし易く、さらには、時間短縮モードの最大限に相当する期間(特別図柄の変動表示30回分、60回分、又は、90回分)を超えた場合には、確変モードであることを把握することができる。
尚、第2始動入賞装置33bへの入球に基づいて行われる当否抽選で大当たりに当選した場合で、装飾図柄表示装置42においてゾロ目を表示する大当たり種別としては「16RS」と「8RS」しかない。このため、基本的に(保留されていた第1始動入賞装置33aへの入球に対応する変動表示が消化される場合を除く)、確変ステージや引き戻しステージ、すなわち、確変モードや時間短縮モードにおいて、装飾図柄表示装置42においてゾロ目で大当たりの教示が行われた場合には、確変モードの付与が確定し、大当たり状態後は、確変ステージに移行することとなる。
また、例えば、通常ステージにおいて「2RS」に当選し、潜確モードに移行した場合、或いは、「小当たり」に当選した場合には、通常ステージが終了し、前兆ステージが表示される。本実施形態では、この前兆ステージは、「小当たり」が移行契機であった場合、すなわち、通常モードに滞在している場合には、特別図柄の変動表示で、10回〜50回程度の期間で導出された後、通常ステージに戻るようになっている。その一方で、「2RS」が移行契機であった場合、すなわち、潜確モードに滞在している場合には、基本的に大当たりするまで前兆ステージとなっている。尚、前兆ステージから通常ステージに戻るか否かの抽選を行うこととしてもよいし、前兆ステージから通常ステージに戻った後、再び前兆ステージに移行するか否かの抽選(潜確モードの場合に前兆ステージに戻る確率を高くする、或いは、潜確モードの場合にだけ当選することが望ましい)を行うこととしてもよいし、通常モードの前兆ステージの場合、前兆ステージに移行する際に滞在期間(変動回数)を決定すること(潜確モードの場合は前兆モードのまま)としてもよい。加えて、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選において「8RN」に当選した場合、及び、「8RS」に当選したものの、その大当たり状態の終了までの間に確変モードが付与されることが教示されなかった場合には、大当たり状態終了後、引き戻しステージに移行する。
尚、上記のように、特別表示装置43a、43bにおける特図ランプ401、402の停止態様と、大当たり種別との対応関係を把握している場合には、特別図柄変動表示の停止態様を確認していれば、どの種別の大当たりに当選したのかを判別することが可能である。
また、本実施形態では、始動入賞装置33a、33bへの遊技球の入球に基づいて行われる変動表示が保留されていること(変動表示を実行させる権利を得ていること)が、装飾図柄表示装置42においても教示されるようになっている。例えば、装飾図柄表示装置42の左下部(保留表示エリア)において、変動表示が保留記憶されていることを示す保留アイコンが表示される。保留アイコンは最大で8つ表示され、左側のものから順次消化されるようになっている。尚、本実施形態の保留アイコンにおいては、当該保留アイコンが第1変動表示及び第2変動表示のどちらに対応するものであるかの情報は有してなく、どちらに対応していても同様の態様をなしている。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52の略先端部(図4の右上部)には、返しゴム54が取着されている。所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻されることとなる。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12の前面側に設けられた発射レール61とレール50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、前面枠セット14の球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠セット14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、装飾図柄表示装置42における表示や音声等を用いて下皿15が満杯であることを教示するエラー報知の制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)エラー報知の状態が解除される。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞装置31、可変入賞装置32及び始動入賞装置33a、33b等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞装置に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、遊技盤30には、一般入賞装置31等の各種入賞装置に対応して、当該各種入賞装置へ入球した遊技球を検知する入球検知スイッチが設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞装置31に対応する位置には一般入賞スイッチ221が設けられ、第1可変入賞装置32a、第2可変入賞装置32bには、第1カウントスイッチ223a、第2カウントスイッチ223bが設けられ、アシスト入賞口48にはアシスト入賞検知スイッチ227が設けられている。また、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33bには、第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bが設けられている。さらに、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、一般入賞スイッチ221、第1カウントスイッチ223a、第2カウントスイッチ223b、アシスト入賞検知スイッチ227、及びスルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、一般入賞スイッチ221等と、主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。これに対し、第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入球検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検出された場合を除く。)
この他、遊技盤30の裏面には、図示は省略するが、第1可変入賞装置32aや、第2可変入賞装置32bにて大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドが設けられ、第2始動入賞装置33bにて羽根部材37を開閉駆動する入賞口用ソレノイドが設けられている。また、裏枠セット215には、これらソレノイドと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板(図示略)も設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部端子板240が設けられている。
外部端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や確変モード等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91、92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満杯エラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞装置31等の各入賞装置に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313、及び、カードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ358aの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータ358aが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御手段としての主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、主表示装置49(第1及び第2特別表示装置43a、43b、普通図柄表示装置41、第1及び第2保留表示装置46a、46b、普通保留表示装置44)等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43a、43b、及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42やサブ表示装置411は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、一般入賞スイッチ221、カウントスイッチ223a,223b、始動入賞スイッチ224a,224b、スルーゲートスイッチ225、ハンドル18の各種スイッチ等の各種検出スイッチや、各種基板、可変入賞装置32を開閉させるためのソレノイド等の各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御手段としてのサブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、演出ボタン125、十字ボタン126、サブ表示装置411、各種電飾部及びランプ102、104が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43a、43bにて大当たりに当選したことを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、特別表示装置43a、43bにおける変動表示に合わせて、演出表示として装飾図柄の変動表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射禁止ボタン18a(図1参照)が操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施形態では、主制御手段としての主制御装置261に設けられたCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選を行うこととしている。具体的には、図8に示すように、大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選に使用する当否乱数生成手段としての当否乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定(種別抽選)に使用する種別決定カウンタC2と、装飾図柄表示装置42においてリーチ状態を発生させるか否かの決定に使用する変動選択カウンタC3と、当否乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、第1及び第2特別表示装置43a、43b(装飾図柄表示装置42)の変動表示時間の決定等に使用する第1変動種別カウンタCS1、第2変動種別カウンタCS2と、普通図柄表示装置41の抽選(入球サポート抽選)に使用する普通図柄乱数カウンタC4とを用いることとしている。なお、変動選択カウンタC3は、装飾図柄表示装置42を外れ変動させる際のリーチ種別の抽選にも使用される。また、変動種別カウンタCS1、CS2は、装飾図柄表示装置42の変動パターン選択(演出パターン選択)にも使用される。詳しくは、決定された変動パターンにより、特別表示装置43a、43bの変動時間が決定されるとともに、装飾図柄表示装置42における変動態様及び変動時間すなわち演出パターンが決定される。
カウンタC1、C2、C3、CINI、CS1、CS2、C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び、変動選択カウンタC3の各値が記憶される保留記憶エリアとしての特別変動保留エリアと、普通図柄乱数カウンタC4の値が記憶される普通変動保留エリアとが設けられている。普通変動保留エリアは、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)とを備えている。普通変動保留エリアの各保留エリアには、スルーゲート34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタC4の値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、普通図柄表示装置41における変動表示を4回まで保留可能としている。
また、特別変動保留エリアは、それぞれ4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)を備える第1特別変動保留エリア及び第2特別変動記憶エリアと、1つの実行エリアとを備えている。第1特別変動保留エリアの各保留エリアには、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入賞履歴に合わせて、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。第2特別変動保留エリアの各保留エリアには、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、特別表示装置43a、43bにおける変動表示をそれぞれ4回まで保留可能としている。
各カウンタについて詳しく説明すると、当否乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり599)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、当否乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が当該当否乱数カウンタC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、当否乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜599)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、当否乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、当否乱数カウンタC1の値が当否乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、当否乱数カウンタバッファに格納されている当否乱数カウンタC1の値が、特別変動保留エリアに格納される。
また、本実施形態では、低確率状態(通常モード、時間短縮モード)であれば大当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は2つで、その値は「7、307」であり、高確率状態(確変モード、潜確モード)であれば大当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は20で、その値は「7〜16、307〜316」である。本実施形態では、ROM502に対し、当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応するか否かの判定を行う際に参照される当選値記憶手段としての当否判定テーブルが2つ設けられており、「7、307」を大当たり値として記憶した第1当否判定テーブルと、「8〜16、308〜316」を大当たり値として記憶した第2当否判定テーブルとがある。
さらに、本実施形態では、当否乱数カウンタC1を利用して、大当たりに当選しなかった場合に、小当たりに当選したか否かの抽選が行われるようになっている。低確率状態(通常モード、時間短縮モード)であれば小当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は1つで、その値は「404」であり、高確率状態(確変モード、潜確モード)であれば小当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は10で、その値は「404〜413」である。尚、小当たりの当否判別には、「404」を当選値として記憶する第1小当たり判定テーブルと、「405〜413」を当選値として記憶する第2小当たり判定テーブルとが参照される。
尚、通常モードにおいては、当否抽選にて大当たりに当選する確率(大当たり確率)が1/300であり、小当たりに当選する確率(小当たり確率)が1/600であり、入球サポート抽選の結果を教示するための普通図柄表示装置41における変動時間が8秒であり、また、入球サポート抽選にて当選した場合に、第2始動入賞装置33bが0.4秒間開放される。
確変モードにおいては、大当たり確率が1/30であり、小当たり確率が1/60であり、通常モードに比べて当たり易くなる。また、確変モードにおいては、入球サポート抽選に基づく普通図柄表示装置41の変動時間が0.4秒であり、通常モードに比べて短くなる上、入球サポート抽選にて当選した場合、第2始動入賞装置33bが3回開放されるとともに、各開放時間が4秒間となる(4秒間の開放が0.4秒の閉鎖期間を挟みつつ3回繰り返される)。つまり、確変モードでは、通常モードに比べ、普通図柄表示装置41における変動時間が短くなる上、入球サポート抽選の当選1回あたりの第2始動入賞装置33bの開放時間が長くなるとともに、開放回数が多くなる。これによって、第2始動入賞装置33bが開状態となっている時間帯が長くなるため、第2始動入賞装置33bに対して遊技球が頻繁に入球するようになり(高入球状態となり)、当否抽選が連続してなされると共に、玉持ちのよい状態となる。尚、高入球状態においては、入球サポート抽選の当選確率を低入球状態時よりも高くすることとしてもよい。
時間短縮モードにおいては、大当たり確率が1/300であり、小当たり確率が1/600である。また、時間短縮モードにおいては、入球サポート抽選に基づく普通図柄表示装置41の変動時間が0.4秒であり、入球サポート抽選にて当選した場合、第2始動入賞装置33bが3回開放されるとともに、各開放時間が4秒間となる。すなわち、時間短縮モードは、大当たり確率が通常モード時と同じ低確率ではあるが、第2始動入賞装置33bの動作だけを見ると、確変モードと同じである。本実施形態では、「8RN」、又は、「2RN」の大当たり状態終了後に、第1及び第2特別表示装置43a、43bにて合計で規定回数の変動表示(「8RN」の後は一律90回となり、「2RN」は30回の場合(「2RN30」)と、60回の場合(「2RN60」)と、90回の場合(「2RN90」)とがある)にわたって時間短縮モードが設定される。また、時間短縮モードは、大当たり状態が発生しなくても、特別表示装置43a、43bにて規定回数の変動表示が行われた時点で終了し、その後、通常モードに移行する。
潜確モードにおいては、大当たり確率が1/30であり、小当たり確率が1/60である。また、潜確モードにおいては、普通図柄表示装置41の変動時間が8秒であり、入球サポート抽選にて当選した場合、第2始動入賞装置33bが0.4秒間1回だけ開放される。すなわち、潜確モードは、大当たり確率が確変モード時と同じ高確率ではあるが、第2始動入賞装置33bの動作だけを見ると、通常モードと同じである。本実施形態では、「2RS」の大当たり状態終了後に潜確モードとなり、少なくとも大当たり状態が発生するまで継続する。尚、本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選にて当選した場合には、「2RN」に当選するという割り振りがないため、潜確モードがひっそりと終ってしまうといった事態が回避される(出玉有りの大当たりに当選するまで継続される)。
種別決定カウンタC2は、例えば0〜19の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり19)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。また、ROM502には、種別決定カウンタC2の値がいずれの大当たり種別に対応するかの判定を行う際に参照される第1種別判定テーブル(第1始動入賞装置33aに対応)、第2種別判定テーブル(第2始動入賞装置33bに対応)が設けられている。そして、当否抽選にて大当たりに当選した場合に、種別決定カウンタC2の値に基づいて付与される大当たり状態の種別の種別が決定され(種別抽選が行われ)、決定された種別の大当たり状態が付与されることとなる。
尚、種別決定カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、種別決定カウンタC2の値が種別決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、種別決定カウンタバッファに格納されている種別決定カウンタC2の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
変動選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、装飾図柄に関してリーチ状態が発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ状態が発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ状態が発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。本実施形態では、ROM502に対し、変動選択カウンタC3の値とリーチ種別との対応関係を記憶しているリーチ判定テーブルが設けられている。リーチ判定テーブルには「0〜238」の値が記憶され、C3=0,1が前後外れリーチに対応し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに対応し、C3=22〜238が完全外れに対応する構成となっている。
変動選択カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、変動選択カウンタバッファに変動選択カウンタC3の値が格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、変動選択カウンタバッファに格納されている変動選択カウンタC3の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1、CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜59の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり59)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜37の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり37)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。例えば、第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、装飾図柄のリーチパターンやその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本例では中図柄)が停止するまでの経過時間などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1、CS2を組合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄とを組合わせて同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
また、変動種別カウンタCS1、CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1、CS2のバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1、CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり99に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかのスルーゲート34を通過した時に普通図柄乱数カウンタC4の値が取得される。低入球状態の際の当選となる乱数の値の数は1つであり、その範囲は「1」である。一方、高入球状態の際の当選となる乱数の値の数は99であり、その範囲は「1〜99」である。そして、当選となる普通図柄乱数カウンタC4の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、当選に対応する図柄(本例では「○」)が停止表示され、第2始動入賞装置33bがそのときの遊技モードに応じたパターンで開放される。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を、フローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図11は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。先ずステップS301では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。一方、検出情報がない場合には、そのまま次の処理に移行する。
尚、各種入賞スイッチの検知情報があった場合、対応する賞球カウンタの値を加算する。また、後述する通常処理の外部出力処理において、各賞球カウンタの値に基づく賞球コマンドが払出制御装置311へ出力され、賞球コマンドに基づいて賞球が付与される(遊技球が払出される)。さらに、この賞球コマンドの出力に際して、各賞球カウンタの値がリセットされる。
ステップS302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では599)に達した際0にクリアする。
また、ステップS303では乱数更新処理を実行する。具体的には、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、及び普通図柄乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、599、19、238、99)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1、C2、C3、C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS304では、始動入賞装置33a、33bへの入球(入賞)に伴う始動入賞処理を実行し、ステップS305では、スルーゲート34への遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する。その後、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップS304の始動入賞処理について図13のフローチャートを参照して説明する。尚、RAM503には、第1始動入賞装置33aへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする第1保留カウンタNa、第2始動入賞装置33bへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする第2保留カウンタNbが設けられている。
また、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアには、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリア、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリア、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアが設けられている。本実施形態では、当否乱数記憶エリアは、2バイトを使用して当否乱数カウンタC1の値を記憶している。また、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリアはそれぞれ1バイトを使用して、種別決定カウンタC2の値、変動選択カウンタC3の値を記憶している。
さらに、特別変動保留エリアの実行エリアには、第1始動入賞装置33aへの入賞に基づく第1変動表示であるのか、或いは、第2始動入賞装置33bへの入賞に基づく第2変動表示であるのかを示す情報が記憶される変動記憶エリアが設けられている。以下、「変動記憶エリアに第1変動表示であることを示す情報が記憶されること」を「第1変動フラグがオン設定される」とも称し、「変動記憶エリアに第2変動表示であることを示す情報が記憶されること」を「第2変動フラグがオン設定される」とも称する。
先ず、ステップS501では、遊技球が第2始動入賞装置33bに入賞したか否かを第2始動入賞スイッチ224bの検知情報により判別する。当該ステップS501で肯定判別された場合、ステップS502において、第2保留カウンタNbの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。ステップS501又はS502で否定判別された場合には、ステップS510に移行する。一方、ステップS502で肯定判別された場合には、ステップS503に進み、第2保留カウンタNbを1インクリメントする。
続くステップS504では、第2変動表示の保留数が1つ増えたことに対応する第2保留表示装置46b(第2保留ランプ404)の加算表示処理を行う。つまり、左右一対の第2保留ランプ404が両方とも消灯状態であった場合には左側の第2保留ランプ404を点灯させ、左側の第2保留ランプ404が点灯状態であり右側の第2保留ランプ404が消灯状態であった場合には左右両方の第2保留ランプ404を点灯させ、左右両方の第2保留ランプ404が点灯状態であった場合には右側の第2保留ランプ404を点灯させたまま左側の第2保留ランプ404を点滅させ、左側の第2保留ランプ404が点滅状態であり右側の第2保留ランプ404が点灯状態であった場合には左右両方の第2保留ランプ404を点滅させるための処理を行う。
ステップS504の後、ステップS505において、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値(当否乱数カウンタバッファ、種別決定カウンタバッファ、及び変動選択カウンタバッファに記憶されている各値)を、特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリア(当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア)に格納する。ステップS505の後、ステップS506に移行する。
ステップS506では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が大当たりや小当たりに対応する値であるか否かを判別する当否判定処理を行う。尚、当否判定処理の詳細については後述する。
続くステップS507では、ステップS506で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たりの種別を判別する種別判定処理を行う。尚、種別判定処理の詳細については後述する。
続くステップS508では、ステップS506で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値に基づいて、外れ変動時のリーチの種別を判別するリーチ判定処理を行う。尚、リーチ判定処理の詳細については後述する。
ここで、ステップS506の当否判定処理の詳細について、図14を参照して説明する。
先ず、ステップS5101では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が、第1当否判定テーブルに記憶された値である「7」、「307」のどちらかと一致するか否かを判別する。ちなみに、「7」、「307」は、低確率状態でも、高確率状態でも大当たりとなる値である。
尚、図14では便宜上、当該ステップS5101の処理を簡略化して記載しているが、実際には、当否乱数カウンタC1の値が「7」であるか否かを判別するとともに、当該判別で否定判別された場合には、当否乱数カウンタC1の値が「307」であるか否かを判別し、これらどちらかの判別で肯定判別された場合に、当該ステップS5101で肯定判別され、どちらの判別においても否定判別された場合に、当該ステップS5101で否定判別されることとなる。
ステップS5101で肯定判別された場合には、ステップS5102において第1当否フラグをオンにした後、本処理を終了する。尚、本実施形態では、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリアの他に、別途当否フラグを設けているわけではなく、当否乱数記憶エリアに大当たり状態が発生するか否かの情報を記憶する(上書きする)構成となっている。上記のように、当否乱数記憶エリアは2バイトを使用しており、当該ステップS5102では、当否乱数記憶エリアに対して例えば「1010101010101010」が設定される。尚、本実施形態では、便宜上、当否乱数記憶エリアに対して当該設定がなされることを、第1当否フラグをオンにすると称して説明する。
ステップS5101で否定判別された場合には、ステップS5103において、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が第2当否判定テーブルに記憶された値である「8〜16、308〜316」のいずれかであるか否かを判別する。ちなみに、「8〜16、308〜316」は、確変モードでのみ大当たりとなる値である。尚、当該判別処理に際しても、実際には、上記のように当否乱数カウンタC1の値と大当たりに対応する各値とが一致するか否かを1つずつ判別する。
当該ステップS5103で肯定判別された場合には、ステップS5104において第2当否フラグをオンにした後、本処理を終了する。尚、ここで第2当否フラグをオンにするとあるのは、当否乱数記憶エリアに対して例えば「1100110011001100」が設定されることを意味する。
一方、ステップS5103で否定判別された場合、すなわち、高確率状態でも「外れ」となる場合には、ステップS5105において、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が、第1小当たり判定テーブルに記憶された値である「404」と一致するか否かを判別する。ちなみに、「404」は、低確率状態でも、高確率状態でも小当たりとなる値である。
ステップS5105で肯定判別された場合には、ステップS5106において第1小当たりフラグをオンにした後、本処理を終了する。尚、本実施形態では、小当たり状態が発生するか否かの情報についても当否乱数記憶エリアに記憶する(上書きする)構成となっている。
ステップS5105で否定判別された場合には、ステップS5107において、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が第2小当たり判定テーブルに記憶された値である「405〜413」のいずれかであるか否かを判別する。ちなみに、「405〜413」は、高確率状態でのみ大当たりとなる値である。ステップS5107で肯定判別された場合には、ステップS5108において第2小当たりフラグをオンにした後、本処理を終了する。一方、ステップS5107で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
尚、上記のように、本実施形態では、当否に関わる情報が2バイトを使用して記憶されるため、例えば、ノイズが生じた場合に当否フラグ(当否乱数記憶エリアの記憶内容)が書き換えられ、当選ではないのに大当たり状態が発生したり、当選なのに大当たり状態が発生しなかったりするといった事態を防止することができる。また、当否判定処理において当否乱数記憶エリアに設定されるパターン(「1」、「0」の組合わせ)は、当否乱数カウンタC1の値を当否乱数記憶エリアに記憶する際には使用されないパターンである。
尚、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリアの他に、別途当否フラグを設ける等して、この時点では当否乱数カウンタC1の値を記憶したままにしておき、後述の変動表示の開始に際して行われる変動表示設定処理において、当否乱数カウンタC1の値に基づいて、対応するテーブルを参照し、当否を判定するように構成してもよい。また、大当たり判定に使用される当否乱数カウンタC1とは別に、小当たり用の乱数カウンタを設けることとしてもよい。
次に、ステップS507の第2種別判定処理について、図16を参照して説明する。先ず、ステップS5401では、直前に行われた当否判定処理にて、第1又は第2当否フラグがオン設定されたか否かを判別する。ステップS5401で否定判別された(大当たり状態の発生する可能性がない)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5401で肯定判別された(大当たり状態の発生する可能性がある)場合には、ステップS5402において、第2種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が、「16RS」に対応する値「0」と一致するか否かを判別する。ステップS5402で肯定判別された場合には、ステップS5403において16RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリアの他に、別途16RSフラグ等を設けているわけではなく、当選種別乱数記憶エリアに「16RS」等である旨の情報を記憶する(上書きする)構成となっている。上記のように、当選種別乱数記憶エリアは1バイトを使用しており、当該ステップS5403では、当選種別乱数記憶エリアに対して例えば「10101010」が設定される。本実施形態では、便宜上、当選種別乱数記憶エリアに対して「16RS」等の大当たり種別を示すパターンが設定されることを、大当たり種別を示すフラグ(16RSフラグ等)をオンにすることと称して説明する。尚、種別判定処理において当選種別乱数記憶エリアに設定されるパターン(「1」、「0」の組合わせ)は、種別決定カウンタC2の値を当選種別乱数記憶エリアに記憶する際には使用されないパターンである。
一方、ステップS5402で否定判別された場合には、ステップS5404において、第2種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「8RS」に対応する値「7〜13」のいずれかと一致するか否かを判別する。ステップS5404で肯定判別された場合には、ステップS5405において、8RSフラグをオン(当選種別乱数記憶エリアに対して例えば「00011111」を設定)にしてから、本処理を終了する。
また、ステップS5404で否定判別された場合には、ステップS5406において、第2種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「2RN30」に対応する値「14〜17」のいずれかと一致するか否かを判別する。ステップS5406で肯定判別された場合には、ステップS5407において、2RN30フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
また、ステップS5406で否定判別された場合には、ステップS5408において、第2種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「2RN60」に対応する値「18」と一致するか否かを判別する。ステップS5408で肯定判別された場合には、ステップS5409において、2RN60フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5408で否定判別された場合には、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「2RN90」に対応する値「19」であることから、ステップS5410において、2RN90フラグをオンにしてから、本処理を終了する。尚、種別判別処理では、大当たり種別を判別できればよく、例えば、当選に対応する乱数値の個数が多い「16RS」に対応する値と、取得した乱数値とが一致するかの判別に代えて、「2RN90」に対応する値と、取得した乱数値とが一致するかの判別を行うように構成してもよい。
次に、ステップS508のリーチ判定処理について、図17を参照して説明する。
先ず、ステップS5301では、直前に行われた当否判定処理にて、第1当否フラグが設定されたか否かを判別する。ステップS5301で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態及び高確率状態のどちらにおいても大当たりとなる(必ず大当たり状態が発生する)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5301で否定判別された場合、すなわち、少なくとも低確率状態においては大当たり状態が発生しない(外れとなる可能性がある)場合には、ステップS5302において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れリーチ」に対応する値「0、1」のどちらかと一致するか否かを判別する。ステップS5302で肯定判別された場合には、ステップS5303において、前後外れリーチの発生を示す前後フラグをオンにした後、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアの他に、別途前後フラグを設けているわけではなく、リーチ乱数記憶エリアに「前後はずれリーチ」である旨の情報を記憶する(上書きする)構成となっている。上記のように、リーチ乱数記憶エリアは1バイトを使用しており、当該ステップS5303では、リーチ乱数記憶エリアに対して例えば「10101010」が設定される。尚、本実施形態では、便宜上、リーチ乱数記憶エリアに対して当該設定がなされることを、前後フラグをオンにすることと称して説明する。
一方、ステップS5302で否定判別された場合には、ステップS5304において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れ以外リーチ」に対応する値「2〜21」のいずれかと一致するか否かを判別する。当該ステップS5304で肯定判別された場合には、ステップS5305において前後以外フラグをオンにした後、本処理を終了する。尚、ここで前後以外フラグをオンにするとあるのは、リーチ乱数記憶エリアに対して例えば「11001100」が設定されることを意味する。
また、ステップS5304で否定判別された場合、すなわち、リーチ状態を経ることなく変動表示が終了する「完全外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。尚、リーチ判定処理においてリーチ乱数記憶エリアに設定されるパターン(「1」、「0」の組合わせ)は、変動選択カウンタC3の値をリーチ乱数記憶エリアに記憶する際には使用されないパターンである。
図13の説明に戻り、ステップS508に続くステップS509では、先発コマンドの設定処理を行う。尚、先発コマンドには、保留記憶された変動情報(変動表示の内容を決定するために使用される所定情報)が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bのどちらの入球を契機とするものかを示す情報とともに、当否判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理の結果を示す情報が含まれ、次回の外部出力処理(ステップS201参照)にてサブ制御装置262に出力される。
ステップS509の処理の後、又は、ステップS501、或いはステップS502で否定判別された場合には、ステップS510において、遊技球が第1始動入賞装置33に入賞したか否かを第1始動入賞スイッチ224aの検知情報により判別する。当該ステップS510で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、ステップS511において、第1始動入賞装置33aへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする第1保留カウンタNaの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。当該ステップS511で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS511で肯定判別された場合には、ステップS512に進み、第1保留カウンタNaを1インクメントする。
続くステップS513では、第1変動表示の保留数が1つ増えたことに対応する第1保留表示装置46a(第1保留ランプ403)の加算表示処理を行う。つまり、左右一対の第1保留ランプ403が両方とも消灯状態であった場合には左側の第1保留ランプ403を点灯させ、左側の第1保留ランプ403が点灯状態であり右側の第1保留ランプ403が消灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプ403を点灯させ、左右両方の第1保留ランプ403が点灯状態であった場合には右側の第1保留ランプ403を点灯させたまま左側の第1保留ランプ403を点滅させ、左側の第1保留ランプ403が点滅状態であり右側の第1保留ランプ403が点灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプ403を点滅させるための処理を行う。
ステップS513の後、ステップS514において、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3の各値を、特別変動保留エリアの空いている保留エリア(当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア)に格納する。ステップS514の後、ステップS515に移行する。
ステップS515では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判別する当否判定処理を行う。当否判定処理の詳細については既に上述している。
続くステップS516では、ステップS515で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別を判別する第1種別判定処理を行う。本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選にて大当たりに当選した場合と、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選にて大当たりに当選した場合とで、付与される大当たり種別の振分けが異なっている。
ここで、ステップS516の第1種別判定処理について、図15を参照して説明する。先ず、ステップS5201では、直前に行われた当否判定処理にて、第1又は第2当否フラグがオン設定されたか否かを判別する。ステップS5201で否定判別された(大当たり状態の発生する可能性がない)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5201で肯定判別された(大当たり状態の発生する可能性がある)場合には、ステップS5202において、第1種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が、「16RS」に対応する値「0」と一致するか否かを判別する。ステップS5202で肯定判別された場合には、ステップS5203において16RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5202で否定判別された場合には、ステップS5204において、第1種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「8RN」に対応する値「12〜17」のいずれかと一致するか否かを判別する。ステップS5204で肯定判別された場合には、ステップS5205において、8RNフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
また、ステップS5204で否定判別された場合には、ステップS5206において、第1種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「2RS」に対応する値「18、19」のどちらかと一致するか否かを判別する。ステップS5206で肯定判別された場合には、ステップS5207において、2RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。一方、ステップS5206で否定判別された場合には、ステップS5208において8RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
図13の説明に戻り、ステップS516に続くステップS517では、ステップS515で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値に基づいて、リーチの種別を判別するリーチ判定処理を行う。リーチ判定処理の詳細については既に上述している。
ステップS517の後、ステップS518において、先発コマンドの設定処理を行い、本処理を終了する。尚、本実施形態では、第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに遊技球が入球すると、当否乱数カウンタC1の値等が直接特別変動保留エリアに記憶され、その後、当否判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理が実行される構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、当否乱数カウンタC1の値等を取得した際にこれらのカウンタ値を一時的に記憶する仮記憶エリア(作業エリア)を設け、当該仮記憶エリアに記憶された情報に関し、当否判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理を実行した後、対応する特別変動保留エリアの保留エリアに記憶する構成を採用してもよい。
尚、ステップS505、ステップS514の当否乱数カウンタC1の値を抽出する処理が判別値抽出処理を構成し、同じくステップS505、ステップS514の抽出した当否乱数カウンタC1の値を特別変動保留エリアに記憶する処理が判別値格納処理を構成する。また、ステップS506、ステップS515(ステップS5101、ステップS5103、ステップS5105、ステップS5107)の当否乱数カウンタC1の値が当選に対応する値であるか否かを判別する処理が第1当否判別処理を構成し、その判別結果を記憶する(対応フラグをセットする)ステップS5102、ステップS5104、ステップS5106、ステップS5108の処理が結果記憶処理を構成する。
次に、ステップS305のスルーゲート通過処理について図18のフローチャートを参照して説明する。ステップS601では、遊技球がスルーゲート34を通過したか否かをスルーゲートスイッチ225の検出情報により判別する。ステップS601で否定判別された場合、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS601にて肯定判別された場合、すなわち、遊技球がスルーゲート34を通過したと判別されると、ステップS602において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の保留数をカウントする普通保留カウンタNcの値が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS602で肯定判別された場合、すなわち、スルーゲート34への遊技球の通過が確認され、且つ、普通保留カウンタNcの値<4であることを条件にステップS603に進み、普通保留カウンタNcを1インクリメントする。
また、続くステップS604では、普通図柄表示装置41における変動表示の保留数が1つ増えたことに対応する普通保留表示装置44(普通保留ランプ406)の加算表示処理を行う。つまり、左右一対の普通保留ランプ406が両方とも消灯状態であった場合には左側の普通保留ランプ406を点灯させ、左側の普通保留ランプ406が点灯状態であり右側の普通保留ランプ406が消灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプ406を点灯させ、左右両方の普通保留ランプ406が点灯状態であった場合には右側の普通保留ランプ406を点灯させたまま左側の普通保留ランプ406を点滅させ、左側の普通保留ランプ406が点滅状態であり右側の普通保留ランプ406が点灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプ406を点滅させるための処理を行う。
ステップS504の後、ステップS605において、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタC4の値を、RAM503の普通変動保留エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、スルーゲート通過処理を終了する。
図12は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS401において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図12のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図9のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS102では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS103では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS112へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS104で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS112へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS105でRAM判定値を算出し、続くステップS106では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS112へ移行する。
ステップS112の処理では、サブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS113等)に移行する。つまり、ステップS113ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS114ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップS103:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS107では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS108では、電源断の発生情報をクリアする。
ステップS109では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信する。ステップS110では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図10のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S211の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS212,ステップS213のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップS201では、前回の通常処理で更新された特別表示装置43a、43bや始動入賞装置33a、33b等の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信したりする外部出力処理を実行する。
例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンド、図柄コマンド等をサブ制御装置262に送信する。つまり、変動パターンコマンドや図柄コマンドは、第1及び第2特別表示装置43a、43bにて行われる表示に合わせた表示演出を装飾図柄表示装置42にて行わせるためにサブ制御装置262に出力されるコマンドである。これに対し、変動パターンコマンド、図柄コマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の変動態様(変動時間や演出態様など)を決定し、該変動態様を装飾図柄表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
変動パターンコマンドには、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチといった装飾図柄の変動種別を特定する情報が含まれている。一方、サブ制御装置262には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動種別との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドに基づいて、変動表示の演出パターン等を決定し、表示制御装置45や音声等の制御を行う。
ここで、装飾図柄の変動種別について説明する。「ノーマルリーチ」は、装飾図柄の変動以外には特段の演出表示がされないリーチパターンである。尚、確変モード時及び時間短縮モード時においては、各種リーチとなる場合においても、通常モード及び潜確モード時に比べ、変動表示時間が短縮されている。例えば、ノーマルリーチが導出される変動表示時間は、通常モード及び潜確モード時には「15秒」、確変モード時及び時間短縮モード時には「10秒」となっている。
「スーパーリーチ」は、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、装飾図柄表示装置42に特定のキャラクタ等が特定の動作を行うような表示が導出され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態では、スーパーリーチとして、スーパーリーチSR1、SR2、SR3の3種類が用意されており、スーパーリーチの種別毎に変動表示時間が異なっている。
「プレミアムリーチ」は、大当たり状態が発生する際にのみ導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態のプレミアムリーチには、プレミアムリーチPR1、PR2の2種類が用意されており、プレミアムリーチの種別毎に変動表示時間が異なっている。
加えて、いずれのリーチ状態にもならない「完全外れ」となる変動表示時間は通常モード時「10秒」、確変モード及び時間短縮モード時「6秒」に設定されている。
また、サブ制御装置262は、図柄コマンドに基づき停止図柄(停止図柄の組合わせ)を決定して、変動時間経過後に表示する。図柄コマンドは、サブ制御装置262に停止図柄を決定させるコマンドであり、確変大当たり図柄の組合わせ、通常大当たり図柄の組合わせ、チャンス図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせという6つの区分を指定するものである。一方、サブ制御装置262には、これらのコマンドと停止図柄との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに対応する図柄の組合わせを停止表示する。
また、サブ制御装置262は、図柄コマンドに基づき停止図柄(停止図柄の組合わせ)を決定して、変動時間経過後に表示する。図柄コマンドは、サブ制御装置262に停止図柄を決定させるコマンドであり、確変大当たり図柄の組合わせ、通常大当たり図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせという5つの区分を指定するものである。一方、サブ制御装置262には、これらのコマンドと停止図柄との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに対応する図柄の組合わせを停止表示する。
遊技球の増加が望める確変大当たり(「16RS」及び「8RS」のこと。以下、「出玉有り確変大当たり」とも称する)に当選した場合、或いは、遊技球の増加が望める通常大当たり(「8RN」のこと。以下、「出玉有り通常大当たり」とも称する)に当選した場合には、装飾図柄表示装置42において、数字柄の付された装飾図柄がゾロ目となる組合わせで停止表示されることとなる。本実施形態では、「出玉有り確変大当たり」の場合には、1,3,5,7,9のいずれかの奇数のゾロ目からなる装飾図柄の組合わせである確変大当たり図柄、又は、2,4,6,8のいずれかの偶数のゾロ目からなる装飾図柄の組合わせである通常大当たり図柄のどちらかの組合せで変動表示が停止表示され、「出玉有り通常大当たり」の場合には、通常大当たり図柄の組合わせで変動表示が停止表示されることとなる。
そして、サブ制御装置262は、出玉有り確変大当たりの図柄コマンドを受信した場合、1〜9のいずれかのゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定し、出玉有り通常大当たりの図柄コマンドを受信した場合、2,4,6,8のいずれかのゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
前後外れ図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものである。本実施形態では、前後外れ図柄の組合わせは、「外れ」の場合だけでなく、「2RS」、「2RN」、及び、「小当たり」に当選した場合にも停止態様として選択されるようになっている。
前後外れ以外図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものである。完全外れ図柄の組合わせは、リーチすら発生しない「完全外れ」に対応するものである。
なお、詳しくは後述するが、サブ制御装置262は、これら外れの図柄コマンドを受信した場合、対応するRAM553のカウンタ用バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。尚、本実施形態では、外れ用の図柄コマンドに3つのコマンドを用意しているが、これに限らず、例えば外れ用の図柄コマンドが1種類だけであって、サブ制御装置262で装飾図柄の組合わせを決定する構成としてもよい。
図10の説明に戻り、ステップS202では、変動種別カウンタCS1、CS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタCS1、CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では59、37)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1、CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップS204では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
その後、ステップS205では、特別表示制御処理を実行する。この処理では、第1及び第2特別表示装置43a、43bに関する制御が行われると共に、大当たりの判定や特別表示装置43a、43b及び装飾図柄表示装置42における変動表示の設定などが行われる。この特別表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS206では、第1可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、第1可変入賞装置32aに関する制御が行われる。本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選にて当選した場合に、第1可変入賞装置32aが開放される大当たり状態又は小当たり状態が導出されるようになっている。この第1可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS207では、第2可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、第2可変入賞装置32bに関する制御が行われる。本実施形態では、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選にて当選した場合に、第2可変入賞装置32bが開放される大当たり状態又は小当たり状態が導出されるようになっている。この第2可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS208では、普通表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41に関する制御が行われる。この普通表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS209では、始動入賞装置制御処理を実行する。この処理では、始動入賞装置33a、33bに関する制御が行われる。この始動入賞装置制御処理の詳細は後述する。
その後は、ステップS210において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS211で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1、CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS212、ステップS213)。
つまり、ステップS212では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では599)に達した際0にクリアする。
また、ステップS213では、変動種別カウンタCS1、CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1、CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本例では59、37)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1、CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S210の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち当否乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1、CS2についてもランダムに更新することができる。
また、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップS210:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS214以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS214において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS215において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS216において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。
その後、ステップS217において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS218でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS219でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS210の処理は、ステップS201〜S209で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS212、S213の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS214)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップS205の特別表示制御処理について図19のフローチャートを参照して説明する。先ず、ステップS801では、特別表示装置43a、43bの変動表示の後に設定される変動インターバル期間の残り時間を計測するための変動インターバルタイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS801で否定判別された場合、すなわち、変動インターバル期間である場合には、ステップS802において、変動インターバルタイマの値を減算してから、本処理を終了する。つまり、例えば、変動インターバル期間を1秒(1000msec)として、変動インターバルタイマに「249(ステップS801の前にステップS802が行われる構成とする場合には「250」)」が設定されていた場合には、当該処理において、4msec毎に変動インターバルタイマの値が「1」減算され、1秒後に「0」となる。
一方、ステップS801で肯定判別された場合、すなわち、変動インターバル期間ではない場合には、ステップS803において、詳しくは後述する当たり状況記憶エリアを参照し、今現在、大当たり状態又は小当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。
尚、大当たり状態中には、特別表示装置43a、43bにおいて大当たりに対応する表示態様が停止表示されてから第1又は第2可変入賞装置32a、32bが開放されるまでの間のオープニング期間と、第1又は第2可変入賞装置32a、32bが開状態とされるラウンド期間と、第1又は第2可変入賞装置32a、32bが閉状態とされるインターバル期間と、最終ラウンドの後、特別表示装置43a、43bの変動表示が開始可能となるまでのエンディング期間とがある。
小当たり状態中には、特別表示装置43a、43bにおいて小当たりに対応する表示態様が停止表示されてから第1又は第2可変入賞装置32a、32bが開放されるまでの間のオープニング期間と、第1又は第2可変入賞装置32a、32bが開状態とされるラウンド期間と、第1又は第2可変入賞装置32a、32bが閉状態とされるインターバル期間と、最終ラウンドの後、特別表示装置43a、43bの変動表示が開始可能となるまでのエンディング期間とがある。
本実施形態の当たり状況記憶エリアは、大当たり状態や小当たり状態以外の状態のときには「0」が記憶されており、大当たり状態や小当たり状態においては、オープニング期間及びインターバル期間のときに「1」、ラウンド期間のときに「2」、エンディング期間のときに「3」が記憶されている。すなわち、当該ステップS803では、当たり状況記憶エリアに「0」が記憶されているか否かを判別して、大当たり状態中や小当たり状態中であるか否かを判別する。
ステップS803で否定判別された場合、すなわち大当たり状態又は小当たり状態中である場合には、そのまま本処理を終了する、一方、ステップS803で肯定判別された場合には、ステップS804において、詳しくは後述する特図表示中フラグの設定状況を見て、第1又は第2特別表示装置43a、43b(装飾図柄表示装置42)にて変動表示中であるか否かを判別する。詳しくは、特図表示中フラグがオン状態の場合には変動表示中とみなされ、特図表示中フラグがオフ状態の場合には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。尚、詳しくは後述するが、特図表示中フラグは、第1及び第2特別表示装置43a、43bの変動表示を開始する際にオンにされ、第1及び第2特別表示装置43a、43bの変動表示が停止表示される際にオフにされる。
ステップS804で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態又は小当たり状態中でなくさらに変動表示中でもない場合には、ステップS805に移行し、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bの両方において、それぞれ変動表示が行われていない変動待機状態であることに対応する表示態様(例えば、下列の右から1番目及び2番目の第1特図ランプ401、又は、第2特図ランプ402のみが点灯する態様)を導出するための待機表示設定を行う。つまり、本実施形態の第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bは、変動停止後、その停止態様が変動インターバル期間の間は(当否抽選の結果を示す態様で)維持されることとなるが、変動インターバル期間が終了すると、変動待機状態であることを示す表示態様に切替えられるようになっている。
ステップS805の後、ステップS806に進み、第2始動入賞装置33bへの入球を契機とする第2変動表示の保留数をカウントする第2保留カウンタNbの値が「0」よりも大きいか否かを判別する。
ステップS806で肯定判別された場合、すなわち、第2変動表示が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS807において、第2保留カウンタNbから1を減算する。尚、本実施形態では、ステップS806の判別処理により、第2変動表示が保留記憶されている場合には、第1変動表示を実行することなく第2変動表示を実行することとなる。つまり、第2変動表示よりも第1変動表示の方が早くに保留記憶された場合であっても、第2変動表示を優先して消化する(第1変動表示を後回しにする)構成となっている。
続くステップS808では、第2特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2特別変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
ステップS808の後、ステップS809において、第2変動表示の保留数が1つ減ったことに対応する第2保留表示装置46b(第2保留ランプ404)の減算表示処理を行う。つまり、左右一対の第2保留ランプ404が両方とも点滅状態であった場合には左側の第2保留ランプ404を点滅させたまま右側の第2保留ランプ404を点灯させ、左側の第2保留ランプ404が点滅状態であり右側の第2保留ランプ404が点灯状態であった場合には左右両方の第2保留ランプ404を点灯させ、左右両方の第2保留ランプ404が点灯状態であった場合には左側の第2保留ランプ404を点灯させたまま右側の第2保留ランプ404を消灯させ、左側の第2保留ランプ404が点灯状態であり右側の第2保留ランプ404が消灯状態であった場合には左右両方の第2保留ランプ404を消灯させるための処理を行う。
ステップS809の後、ステップS810において、詳しくは後述する変動表示設定処理を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS806で否定判定された場合、すなわち、第2変動表示が1つも保留記憶されていない場合には、ステップS811において、第1始動入賞装置33aへの入球を契機とする第1変動表示の保留数をカウントする第1保留カウンタNaが0よりも大きいか否かを判別する。
当該ステップS811で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS811で肯定判別された場合には、ステップS812において、第1保留カウンタNaから1を減算する。続くステップS813では、第1特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1特別変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
ステップS813の後、ステップS814において、第1変動表示の保留数が1つ減ったことに対応する第1保留表示装置46a(第1保留ランプ403)の減算表示処理を行う。つまり、左右一対の第1保留ランプ403が両方とも点滅状態であった場合には左側の第1保留ランプ403を点滅させたまま右側の第1保留ランプ403を点灯させ、左側の第1保留ランプ403が点滅状態であり右側の第1保留ランプ403が点灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプ403を点灯させ、左右両方の第1保留ランプ403が点灯状態であった場合には左側の第1保留ランプ403を点灯させたまま右側の第1保留ランプ403を消灯させ、左側の第1保留ランプ403が点灯状態であり右側の第1保留ランプ403が消灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプ403を消灯させるための処理を行う。
ステップS814の後、ステップS810において変動表示設定処理を行ってから、本処理を終了する。尚、本実施形態では、特別変動保留エリアの実行エリアは1つであり、第1特別変動保留エリア及び第2特別変動保留エリアに格納されているデータは、当該データに基づく変動表示を行う際に、共通の実行エリアにシフトされることとなる。
ここで、ステップS810の変動表示設定処理の詳細について、図20を参照して説明する。
先ず、ステップS901では、詳しくは後述するモード記憶エリアを参照し、高確率状態(確変モード又は潜確モード)であるか否かを判別する。尚、モード記憶エリアには、遊技モードを判別するための判別情報が記憶されている。本実施形態では、モード記憶エリアには、「11」、「12」、「21」、「22」のいずれかの値が記憶されており、「11」は通常モードに対応し、「12」は時間短縮モードに対応し、「21」は確変モードに対応し、「22」は潜確モードに対応している。つまり、当該ステップS901では、モード記憶エリアに「21」又は「22」が記憶されているか否かを判別することで、高確率状態であるか否かを判別している。
ステップS901で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態(確変モード、潜確モード)である場合には、ステップS902において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌して、第1又は第2当否フラグ(図14の当否判定処理参照)のどちらかがオン設定されているか否かを判別する。当該ステップS902で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態において当否抽選にて大当たりに当選したと判別された場合には、ステップS904に移行する。
また、ステップS901で否定判別された場合、すなわち低確率状態(通常モード、時間短縮モード)である場合には、ステップS903において、当否乱数記憶エリアを参酌し、第1当否フラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS903で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態において当否抽選にて大当たりに当選したと判別された場合には、ステップS904に移行する。
ステップS904では、大当たり状態の発生を確定させたことを示す大当たり確定フラグをオン設定する。尚、本実施形態では、当否乱数記憶エリアに対して、大当たり状態の発生を確定させたことに対応する値を記憶させることを、大当たり確定フラグをオン設定することと称している。
続くステップS905では、特別変動保留エリアの実行エリアの変動記憶エリアを参酌して、第2変動フラグがオン設定されているか否か、すなわち、この度行われる変動表示が、第2始動入賞装置33bへの入球を契機とする当否抽選の結果を教示するための第2変動表示であるか否かを判別する。ステップS905で肯定判別された場合には、ステップS906において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌して、16RSフラグ(図15、図16の種別判定処理参照)がオン設定されている否かを判別する。
ステップS906で肯定判別された場合、すなわち「16RS」である場合には、ステップS907にて16RSパターン設定処理を行う。16RSパターン設定処理は、「16RS」の発生を教示するための変動表示を実行させるための処理であり、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1、CS2の値に基づいて、特別表示装置43a、43bや装飾図柄表示装置42の変動パターン(変動表示時間、特別表示装置43a、43b及び装飾図柄表示装置42の変動表示の停止態様、装飾図柄表示装置42の変動表示の演出パターン等)を決定し、当該決定や各種フラグ等に基づいて、変動パターンコマンド及び図柄コマンドの設定等を行う。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。ステップS907の後、後述するステップS931に移行する。
また、ステップS906で否定判別された場合には、ステップS908において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌して、8RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS908で肯定判別された場合、すなわち「8RS」である場合には、ステップS909にて8RSパターン設定処理を行う。ステップS909の後、ステップS931に移行する。
一方、ステップS908で否定判別された場合には、ステップS910において、2RN30フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS910で肯定判別された場合には、ステップS911において2RN30パターン設定処理を行う。ステップS911の後、ステップS931に移行する。
さらに、ステップS910で否定判別された場合には、ステップS912において、2RN60フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS912で肯定判別された場合には、ステップS913において2RN60パターン設定処理を行う。ステップS913の後、ステップS931に移行する。
加えて、ステップS912で否定判別された場合、すなわち、2RN90フラグがオン設定されている場合には、ステップS914において2RN90パターン設定処理を行う。ステップS914の後、ステップS931に移行する。
また、ステップS905で否定判別された場合、すなわち、この度行われる変動表示が、第1始動入賞装置33aへの入球を契機とする当否抽選の結果を教示するための第1変動表示である場合には、ステップS915において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌して、16RSフラグがオン設定されている否かを判別する。
ステップS915で肯定判別された場合には、ステップS916にて16RSパターン設定処理を行う。ステップS916の後、後述するステップS931に移行する。
また、ステップS915で否定判別された場合には、ステップS917において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌して、8RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS917で肯定判別された場合、すなわち「8RS」である場合には、ステップS918にて8RSパターン設定処理を行う。ステップS918の後、ステップS931に移行する。
一方、ステップS917で否定判別された場合には、ステップS919において、8RNフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS919で肯定判別された場合には、ステップS920において8RNパターン設定処理を行う。ステップS920の後、ステップS931に移行する。
さらに、ステップS919で否定判別された場合、すなわち、2RSフラグがオン設定されている場合には、ステップS921において2RSパターン設定処理を行う。ステップS921の後、ステップS931に移行する。
また、ステップS902で否定判別された場合、すなわち、高確率状態において大当たりに当選しなかった場合には、ステップS922において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌し、第1又は第2小当たりフラグがオン設定されているか否かを判別する。当該ステップS922で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態において当否抽選にて小当たりに当選したと判別された場合には、ステップS923において、小当たり状態の発生を確定させたことを示す小当たり確定フラグをオン設定する。尚、本実施形態では、当否乱数記憶エリアに対して、小当たり状態の発生を確定させたことに対応する値を記憶させることを、小当たり確定フラグをオン設定することと称している。その後、ステップS924において、小当たりパターン設定処理を行ってから、ステップS931に移行する。
また、ステップS903で否定判別された場合、すなわち、低確率状態において大当たりに当選しなかった場合には、ステップS925において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌し、第1小当たりフラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS925で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態において当否抽選にて小当たりに当選したと判別された場合には、ステップS923にて小当たり確定フラグをオン設定し、ステップS924にて小当たりパターン設定処理を行ってから、ステップS931に移行する。
一方、ステップS922又はステップS925で否定判別された場合、すなわち、大当たりでも小当たりでもない場合には、ステップS926において、特別変動保留エリアの実行エリアのリーチ乱数記憶エリアを参酌し、前後フラグ(図17のリーチ判定処理参照)がオンであるか否かを判別する。ステップS926で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れリーチ」である場合には、ステップS927にて前後リーチパターン設定処理を行った後、ステップS931へ移行する。
また、ステップS926で否定判別された場合には、ステップS928において、特別変動保留エリアの実行エリアのリーチ乱数記憶エリアを参酌し、前後以外フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS928で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れ以外リーチ」である場合には、ステップS929にて前後以外リーチパターン設定処理を行った後、ステップS931へ移行する。
また、ステップS928で否定判別された場合には、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップS930において外れ変動パターン設定処理を行った後、ステップS931に移行する。
ステップS931では、特別表示装置43a、43bにて変動表示中であるか否かを示す特図表示中フラグをオン設定する。これにより、特別表示装置43a、43bにおいて切替表示(変動表示)を行う条件が成立したことが示される。続くステップS932では、特別表示装置43a、43bにおける変動時間(変動表示の残余時間)を計測する特図表示タイマの設定処理を行う。当該特図表示タイマは、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。
尚、本実施形態における特別表示装置43a、43bの変動表示時間は、上記変動種別カウンタCS1、CS2により選出される変動パターンに対応した値が設定される。このような特図表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、特別表示装置43a、43bに対し切替表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、特別表示装置43a、43bにおいて切替表示(変動表示)が開始される。また、変動パターンコマンド及び図柄コマンドを受信したサブ制御装置262は、特別表示装置43a、43bの変動開始と同時に、変動パターンコマンドに基づいて装飾図柄表示装置42において変動表示を開始させ、特別表示装置43L、43Rの停止表示と同時に、図柄コマンドに基づいた図柄の組み合わせにて装飾図柄表示装置42における変動表示を停止表示させる。ステップS932の終了後、変動表示設定処理を終了する。
尚、本実施形態では、始動入賞処理において、ステップS505、S514の当否乱数カウンタC1の値を取得して特別変動保留エリアに記憶する処理と、ステップS506、513の当否判定処理と、変動表示設定処理において、当否フラグ及び小当たりフラグと、そのときの状況とに基づいて当否を判別するステップS901〜ステップS903、ステップS922、ステップS925の処理等とによって当否抽選が構成される。また、ステップS901〜S903、S922、S925の処理等によって第2当否判別処理が構成され、ステップS907、ステップS909、ステップS911、ステップS913、ステップS914、ステップS916、ステップS918、ステップS920、ステップS921、ステップS927、ステップS929、ステップS930の処理等によって変動表示設定処理が構成される。
図19の説明に戻り、ステップS804で肯定判別された場合、すなわち変動表示中である場合には、ステップS815に進み、特図表示タイマの減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に特図表示タイマの値が4msec分ずつ減算されていく。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には、特図表示タイマに対して「2500」が設定され、4msec毎に1減算される。
続いてステップS816に進み、上記減算後の特図表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち特図表示タイマの値が「0」となった時にステップS816が肯定判別される。
ステップS816で否定判別された場合には、ステップS821において、特別表示装置43a、43bの切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行う。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43a、43bに対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、特別表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に特別表示装置43a、43bの切替表示(変動表示)が実現される。
さらに、ステップS822において、第1保留表示装置46a及び第2保留表示装置46b(第1保留ランプ403及び第2保留ランプ404)の点灯態様(本例では、左右一対のランプのうち両方消灯、左だけ点灯、両方点灯、左点滅で右点灯、両方点滅のいずれか)を維持するための設定を行ってから、本処理を終了する。
一方、ステップS816で肯定判別された場合には、ステップS817において特図表示中フラグをオフし、ステップS818において特別表示装置43a、43bにて停止表示を行うための停止表示設定を行う。この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43a、43bに対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、特別表示装置43a、43bにおいて、変動表示設定処理にて設定された各大当たり種別や外れ等に対応する態様が停止表示されることとなる。
また、サブ制御装置262にも装飾図柄表示装置42の停止表示を行う旨の制御信号が出力される。これにより、特別表示装置43a、43b、及び、装飾図柄表示装置42、並びに、サブ表示装置411の停止タイミングの同期が確実に図られる。但し、装飾図柄表示装置42の停止態様については変動表示の開始時に出力された図柄コマンドや変動パターンコマンドによって既にサブ制御装置262で決定されているため、再度装飾図柄表示装置42の停止態様に関する情報を付加する必要はない。また、繰り返しとなるが、このような特別表示装置43a、43bによる停止表示が主となる表示であり、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の表示はあくまでも補助的なもの(演出用)となっている。
続いて、ステップS819において、当たり状態の初期設定や時間短縮モードの期間を計るための判別情報設定処理を行った後、ステップS820で変動インターバルタイマに対して変動インターバル期間(例えば、1秒)に相当する値を設定してから、本処理を終了する。ここで、ステップS819の判別情報設定処理について、図21を参照して説明する。
先ず、ステップS1001において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参照し、大当たり確定フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1001で肯定判別された場合には、ステップS1002において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌し、16RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1002で肯定判別された場合、ステップS1003において、大当たり状態中に実行されるラウンドの回数(可変入賞装置32の開放回数)を判別するためのラウンド数カウンタに「16」を設定する。一方、ステップS1002で否定判別された場合には、ステップS1004において、2RSフラグ又は2RNフラグ(2RN30、2RN60、2RN90)がオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1004で否定判別された場合、すなわち、8RSフラグ又は8RNフラグがオン設定されている場合には、ステップS1005において、ラウンド数カウンタに「8」を設定する。ステップS1003、又は、ステップS1005の後、ステップS1006に移行する。
ステップS1006では、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。続くステップS1007では、当たり状態中の制御(第1及び第2可変入賞装置32a、32bの開閉制御)に用いられる特別可変タイマに対して、例えば8秒のオープニング期間に対応する値「2000」を設定する。続いて、ステップS1008では、第1及び第2可変入賞装置32a、32bに入球した遊技球の数をカウントするための入賞カウンタに対して、1ラウンドあたりの最大入球個数である8個を示す「8」を設定する。尚、入賞カウンタの値は、タイマ割込み処理のスイッチ読み込み処理(図11参照)に際して、第1及び第2可変入賞装置32a、32bへの入球があったか否かを第1及び第2カウントスイッチ223a、223bの検知情報により判別し、第1及び第2可変入賞装置32a、32bへの入球があったと判別されると1減算される。
それから、ステップS1009では、サブ制御装置262に対して当たり状態の開始を伝えるためのオープニングコマンドを設定する。当該オープニングコマンドには、当たり種別の情報等が含まれ、サブ制御装置262でも当たり状態の全ラウンド数等が把握できるようになっている。ステップS1009の後、本処理を終了する。
尚、大当たり状態において見た目の大当たり種別の昇格の演出等(例えば、装飾図柄表示装置42で偶数のゾロ目が停止表示された場合に、直後の大当たり状態中において「8RS」又は「16RS」に当選したことを教示したり、装飾図柄表示装置42で奇数のゾロ目が停止表示された場合に、直後の大当たり状態中において「16RS」に当選したことを教示したりする)を行うこととしてもよい。
また、ステップS1001で否定判別された場合、すなわち、大当たりではないと判別された場合には、ステップS1010へ移行する。ステップS1010では、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌し、小当たり確定フラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1010で肯定判別された(小当たりである)場合、又は、ステップS1004で肯定判別された(「2RS」又は「2RN」である)場合には、ステップS1011において、ラウンド数カウンタに「2」を設定する。ステップS1011の後、ステップS1012では、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。続くステップS1013において、特別可変タイマに対して、例えば2秒のオープニング期間に対応する値「500」を設定し、ステップS1014において、入賞カウンタに対して「8」を設定し、ステップS1015において、オープニングコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、大当たり及び小当たりのどちらでもなくて、ステップS1010にて否定判別された場合には、ステップS1016において、モード記憶エリアに「12」が記憶されているか否か、すなわち、時間短縮モードであるか否かを判別する。ステップS1016で否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1016で肯定判別された場合には、ステップS1017において、時間短縮モードの継続期間を計測するため変動回数カウンタの値を1減算する。詳しくは後述するが、本実施形態では、「8RN」、「2RN30」、「2RN60」、「2RN90」の大当たり状態終了時において、それぞれ変動回数カウンタに対し、時間短縮モードの期間に相当する変動表示の回数が設定され、特別表示装置43a、43b(装飾図柄表示装置42)の変動表示が1回行われる毎に当該ステップS1010において1減算される。
続くステップS1018では、変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1018で否定判別された場合、すなわち、当たり状態の終了度に、時間短縮モードの期間として設定された規定回数分の特別表示装置43a、43b(装飾図柄表示装置42)の変動表示が未だ行われていない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1018で肯定判別された場合には、ステップS1019において、モード記憶エリアに対し、通常モードであることを示す「11」を設定する。すなわち、特別表示装置43a、43bにおいて変動表示が規定回数行われた時点で時間短縮モードが終了し、通常モードへと移行するようになっている。当該ステップS1019の後、ステップS1020において、サブ制御装置262に対して時間短縮モードの終了を知らせる時短終了コマンドの設定を行ってから、本処理を終了する。尚、本実施形態では、小当たり状態の初期設定を行う処理と、2RS及び2RNの大当たり状態の初期設定を行う処理とが共通化されているが、別々に行うこととしてもよい。
次に、上記ステップS206の第1可変入賞装置32aを開閉させるための第1可変入賞装置制御処理について図22のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS1201では、当たり状況記憶エリアに設定されている値が「0」であるか否かを判別することで、大当たり状態及び小当たり以外の状態であるか否かを判別する。ステップS1201で肯定判別された場合、すなわち、大当たり状態や小当たり状態ではない場合には、そのまま本処理を終了する。ちなみに、大当たり状態や小当たり状態の開始時にあっては、上記判別情報設定処理にて当たり状況記憶エリアに「1」が設定されている。
一方、ステップS1201で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態又は小当たり状態中である場合(当たり状況記憶エリアに「1」〜「3」のいずれかが設定されている場合)にはステップS1202において、特別変動保留エリアの実行エリアにおいて第1変動フラグがオンされているか否かを判別する。ステップS1202で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1202で肯定判別された場合には、ステップS1203に移行し、特別可変タイマの値を1減算する。ちなみに、大当たり状態や小当たり状態の開始時にあっては、判別情報設定処理にて特別可変タイマに「2000」又は「500」が設定されている。
続くステップS1204では、特別可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1204で肯定判別された場合には、ステップS1205において、当たり状況記憶エリアにおいて「1」が設定されているか否かを判別する。
ステップS1205で肯定判別された場合には、ステップS1206において、当たり状況記憶エリアに対して「2」を設定する。続くステップS1207では、出玉有り大当たりであるか否かを判別する。ここでは、第1始動入賞装置33aへの入球を契機として行われる当否抽選にて当選した場合に付与され得る出玉有り大当たりである「16RS」、「8RS」、「8RN」のいずれかであるか否か(「2RS」以外であるか否か)が判別される。
ステップS1207で肯定判別された場合には、ステップS1208において、特別可変タイマに対して、第1可変入賞装置32aの開状態を維持する時間(30秒)に対応する値「7500」を設定する。一方、ステップS1207で否定判別された場合には、ステップS1209において、特別可変タイマに対して、第1可変入賞装置32aの開状態を維持する時間(0.4秒)に対応する値「100」を設定する。
ステップS1208、又は、ステップS1209の後、ステップS1210では、第1可変入賞装置32aを開状態とさせる処理を行い、ステップS1211では、サブ制御装置262に対してラウンドを開始する旨の情報を伝えるラウンドコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1205で否定判別された場合には、ステップS1212において当たり状況記憶エリアにおいて「3」が設定されているか否かを判別する。尚、詳しくは後述するが、大当たり状態又は小当たり状態における全ラウンドが終了し、エンディング期間が開始される際に、当たり状況記憶エリアに対して「3」が設定されることとなる。ステップS1212で否定判別された場合、すなわち、未だ大当たり状態又は小当たり状態を終了させる時期ではない場合には、ステップS1213においてラウンド数カウンタの値を1減算する。
続くステップS1214では、ラウンド数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1214で否定判別された場合、すなわち、未だ実行するべきラウンドが残されている場合には、ステップS1215に移行し、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。その後、ステップS1216において、出玉有り大当たりであるか否かを判別する。
ステップS1216で肯定判別された場合には、ステップS1217において、特別可変タイマに対してインターバルの時間(4秒)に対応する値「1000」を設定する。一方、ステップS1216で否定判別された場合には、ステップS1218において、特別可変タイマに対してインターバルの時間(1秒)に対応する値「250」を設定する。
ステップS1217、又は、ステップS1218の後、ステップS1219において、入賞カウンタに対して「8」を設定する。さらに、ステップS1220において、第1可変入賞装置32aを閉状態とさせる処理を行い、ステップS1221において、サブ制御装置262に対してインターバルを開始する旨の情報を伝えるインターバルコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1204で否定判別された場合、すなわち、第1可変入賞装置32aの開状態又は閉状態を維持するべき時間(開放時間又は閉鎖時間)が残っている場合には、ステップS1222に移行し、第1可変入賞装置32aへの入球個数を計測する入賞カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。尚、入賞カウンタには、大当たり状態又は小当たり状態の開始時及びインターバルの開始時において、1回のラウンドあたりの入賞数の上限(規定個数)である「8」が設定される。そして、第1可変入賞装置32aに遊技球が1つ入球する毎に1減算される。
ステップS1222で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1222で肯定判別された場合、すなわち、ラウンドの設定期間の経過を待たずにラウンドの終了契機が訪れた場合には、上記ステップS1213に移行する。これにより、1回のラウンド中に可変入賞装置32に対して遊技球が8個入球した場合には、開放期間30秒が経過していなくてもその時点で速やかにラウンドが終了することとなる。
また、ステップS1214で肯定判別された場合、すなわち、大当たり状態又は小当たり状態における全ラウンドが消化された場合には、ステップS1223に移行し、当たり状況記憶エリアに対して「3」を設定する。ステップS1223の後、ステップS1224において、出玉有り大当たりであるか否かを判別する。ステップS1224で肯定判別された場合には、ステップS1225において、特別可変タイマに対してエンディングの時間(10秒)に対応する値「2500」を設定する。一方、ステップS1224で否定判別された場合には、ステップS1226において、特別可変タイマに対してエンディングの時間(1秒)に対応する値「250」を設定する。
ステップS1225、又は、ステップS1226の後、ステップS1227において、入賞カウンタに対して「7」を設定する。尚、ステップS1222で肯定判別された後の流れでステップS1223以降のエンディングを設定する処理が行われる場合、入賞カウンタの値は「0」になっている。そして、エンディング期間の開始時に入賞カウンタの値をそのまま「0」にしておくと、4msec後の第1可変入賞装置制御処理において、いきなりステップS1222で肯定判別されてしまい、エンディング期間を全うさせることができない。このため、ステップS1227で入賞カウンタに対して「0」以外の仮の数値(本例では「7」)を入れておくことで、エンディング期間を全うさせるようになっている。勿論、別の方法で、エンディング期間を全うさせるように構成してもよい。
ステップS1227の後、ステップS1228では、第1可変入賞装置32aを閉状態とさせる処理を行い、続くステップS1229では、サブ制御装置262に対してエンディングを開始する旨の情報を伝えるエンディングコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1212で肯定判別された場合、すなわち、エンディング期間が終了して大当たり状態を終了させる時期が到来した場合には、ステップS1230に移行し、終了設定処理を行う。終了設定処理では、モード記憶エリアの設定や変動回数カウンタの設定が行われる。
ここで、終了設定処理について、図23を参照して説明する。先ず、ステップS1401では、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌し、小当たり確定フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1401で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1401で否定判別された場合には、ステップS1402において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参照し、8RNフラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1402で肯定判別された場合には、ステップS1403において、モード記憶エリアに時間短縮モードに対応する値「12」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に時間短縮モードが付与されることとなる。
続くステップS1404では、変動回数カウンタに対して「90」を設定する。尚、変動回数カウンタとは、モード記憶エリアに「12」が設定される際、すなわち、時間短縮モードが開始される際に時間短縮モードの期間として設定される規定回数分の変動表示が全うされたことを把握するためのものである。ステップS1404の後、ステップS1415において、サブ制御装置262に対して時間短縮モードの開始を知らせる時短開始コマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1402で否定判別された場合、ステップS1405において、実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参照し、2RN90フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1405で肯定判別された場合、8RNフラグがオン設定されている場合と同様に、ステップS1403に移行する。
一方、ステップS1405で否定判別された場合には、ステップS1406において、2RN60フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1406で肯定判別された場合には、ステップS1407において、モード記憶エリアに「12」を設定し、ステップS1408において、変動回数カウンタに対して「60」を設定し、ステップS1415において、時短開始コマンドを設定してから、本処理を終了する。
さらに、ステップS1406で否定判別された場合には、ステップS1409において、2RN30フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1409で肯定判別された場合には、ステップS1410において、モード記憶エリアに「12」を設定し、ステップS1411において、変動回数カウンタに対して「30」を設定し、ステップS1415において、時短開始コマンドを設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS1409で否定判別された場合には、ステップS1412において、2RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1412で肯定判別された場合には、ステップS1413において、モード記憶エリアに「22」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に潜確モードが付与されることとなる。ステップS1413の後、ステップS1416において、サブ制御装置262に対して潜確モードの開始を知らせる潜確開始コマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
一方、ステップS1412で否定判別された場合には、ステップS1414において、モード記憶エリアに「21」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に確変モードが付与されることとなる。ステップS1414の後、ステップS1417において、サブ制御装置262に対して確変モードの開始を知らせる確変開始コマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
図22の説明に戻り、ステップS1230の後、ステップS1231において、当たり状況記憶エリアに対して大当たり状態及び小当たり状態ではないことを示す「0」を設定する。その後、ステップS1232において、サブ制御装置262に対して大当たり状態又は小当たり状態を終了する旨の情報を伝える当たり終了コマンドを設定してから、本処理を終了する。尚、当たり終了コマンドには、上記終了設定処理で設定された変動回数カウンタの回数情報等が含まれている。
尚、通常処理(図10参照)のステップS207の第2可変入賞装置制御処理は、基本的に、第1可変入賞装置制御処理に対し、開閉制御の対象が第2可変入賞装置32bになり、第2変動フラグがオン設定されている場合に実行され、出玉有り大当たりであるか否かの判別に際して16RS又は8RSであるか否かを判別する点が異なるだけであるので、その説明を省略する。
次に、前記ステップS208の普通表示制御処理について図24のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS2101では、普通図柄表示装置41の変動表示の後に設定される普図インターバル期間の残り時間を計測するための普図インターバルタイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2101で否定判別された場合、すなわち、普図インターバル期間である場合には、ステップS2102において、普図インターバルタイマの値を減算してから、本処理を終了する。つまり、例えば、普図インターバル期間を1秒(1000msec)として、普図インターバルタイマに「249(ステップS2101の前にステップS2102が行われる構成とする場合には「250」)」が設定されていた場合には、当該処理において、4msec毎に普図インターバルタイマの値が「1」減算され、1秒後に「0」となる。
一方、ステップS2101で肯定判別された場合、すなわち、普図インターバル期間ではない場合には、ステップS2103において、普通図柄表示装置41にて変動表示中であるか否かを示す普図表示中フラグがオンであるか否かを判別する。尚、普図表示中フラグがオンである場合には普通図柄表示装置41において変動表示中であるとみなされる。
ステップS2103で否定判別された場合には、ステップS2104に進み、普通保留カウンタNcの値が0よりも大きいか否かを判別する。このとき、普通保留カウンタNcの値が0である場合には、そのまま本処理を終了する。
また、ステップS2104で否定判別された場合、すなわち、普通図柄表示装置41の変動表示が1つも保留されていない場合には、そのまま本処理を終了する。尚、例えば、ステップS2104で否定判別された場合に、普通図柄表示装置41において、変動表示が行われていない変動待機状態であることに対応する表示態様を導出するための待機表示設定を行うこととしてもよい。つまり、普通図柄表示装置41は、変動停止後、その停止態様が普図インターバル期間の間は(入球サポート抽選の結果を示す態様で)維持されることとなるが、普図インターバル期間が終了すると、変動待機状態であることを示す表示態様に切替えられるように構成してもよい。
一方、ステップS2104で肯定判別された場合には、ステップS2105において、普通保留カウンタNcから1を減算する。
続くステップS2106では、普通変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、普通変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS2107では、普通図柄表示装置41の変動表示を設定し、開始させるための普図変動設定処理を実行する。
ここで、普図変動設定処理について、図25を参照して、説明する。先ず、ステップS2301では、普通図柄表示装置41の変動表示中であることを示す普図表示中フラグをオン設定する。続くステップS2302では、当たり状況記憶エリアを参照し、「0」が記憶されているか否か、すなわち、今現在、大当たり状態又は小当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。ステップS3202で肯定判別された場合、つまり、大当たり状態でも小当たり状態でもない場合には、ステップS2303において、モード記憶エリアに対し「12」、又は、「21」の値が記憶されているか否か、すなわち、高入球状態(時間短縮モード又は確変モード)であるか否かを判別する。
ステップS2303で肯定判別された場合には、ステップS2304において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する普図表示タイマに対し、普通図柄表示装置41の変動表示時間を0.4秒にするべく「100」を設定する。
その後、ステップS2305において、普通変動保留エリアの実行エリアの普通図柄乱数カウンタC4が「0」であるか否かを判別する。尚、高入球状態では、「0〜99」の範囲の値を取る普通図柄乱数カウンタC4の値が「1〜99」の場合に当選となる。
ステップS2305で否定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bを開状態とするか否かの入球サポート抽選に当選した場合には、ステップS2306において、入球サポート抽選に当選したことを示す入球サポートフラグをオン設定する。ステップS2306の後、又は、ステップS2305で肯定判別された場合には、本処理を終了する。
また、ステップS2302、又は、ステップS2303で否定判別された場合、つまり、大当たり状態、小当たり状態、又は、低入球状態にある場合には、ステップS2307において、普図表示タイマに対し、普通図柄の変動表示時間を8秒にするために「2000」を設定する。さらに、ステップS2308において、普通変動保留エリアの実行エリアの普通図柄乱数カウンタC4が「1」であるか否かを判別する。尚、低入球状態では、「0〜99」の範囲の値を取る普通図柄乱数カウンタC4の値が「1」の場合に当選となる。
ステップS2308で肯定判別された場合、すなわち、入球サポート抽選に当選した場合には、ステップS2309において、入球サポート抽選に当選したことを示す入球サポートフラグをオン設定する。ステップS2309の後、又は、ステップS2308で否定判別された場合には、本処理を終了する。
図24の説明に戻り、ステップS2107の後、ステップS2108において、普通図柄表示装置41の変動表示の保留数が1つ減ったことに対応する普通保留表示装置44(普通保留ランプ406)の減算表示処理を行う。つまり、左右一対の普通保留ランプ406が両方とも点滅状態であった場合には左側の普通保留ランプ406を点滅させたまま右側の普通保留ランプ406を点灯させ、左側の普通保留ランプ406が点滅状態であり右側の普通保留ランプ406が点灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプ406を点灯させ、左右両方の普通保留ランプ406が点灯状態であった場合には左側の普通保留ランプ406を点灯させたまま右側の普通保留ランプ406を消灯させ、左側の普通保留ランプ406が点灯状態であり右側の普通保留ランプ406が消灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプ406を消灯させるための処理を行う。ステップS2108の後、本処理を終了する。
また、ステップS2103で肯定判別された場合、すなわち、普通図柄表示装置41にて変動表示中である場合には、ステップS2109に進み、普図表示タイマを減算する処理を行う。この処理が1回行われる毎に普図表示タイマのカウント値が1減算される。
続いてステップS2110に進み、普図表示タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち、変動時間が経過したか否かを判別する。ステップS2110で肯定判別された場合には、ステップS2111において普図表示中フラグをオフし、ステップS2112において普通図柄表示装置41にて停止表示を行うための普図停止表示設定を行う。すなわち、当選である場合(入球サポートフラグがオン設定されている場合)には、左右一対の普図ランプ405の両方を点灯させ、外れである場合には左側の普図ランプ405のみを点灯させる。
続いてステップS2113に進み、普図判別情報設定処理を行う。ここで、普図判別情報設定処理について、図26を参照して説明する。
先ず、ステップS2401では、入球サポートフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS2401で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS2401で肯定判別された場合には、ステップS2402において、第2始動入賞装置33bが開状態中であるか否かを判別するための普通可変フラグをオン設定する。
続くステップS2403では、モード記憶エリアにおいて「12、21」のどちらかが記憶されているか否か、すなわち、高入球状態であるか否かを判別する。ステップS2403で肯定判別された場合には、ステップS2404において、第2始動入賞装置33bの開放時間(残余時間)を計測するための普通可変タイマに対し、第2始動入賞装置33bの開放時間を4秒にするべく「1000」を設定する。
さらに、ステップS2405では、第2始動入賞装置33bを開放させる回数(残り回数)を計数する開放回数カウンタに対し、第2始動入賞装置33bを3回開放させるべく「3」を設定する。ステップS2405の後、ステップS2408において、入球サポートフラグをオフし、ステップS2409において、サポート期間中フラグをオンにする。さらに、ステップS2410において、第2始動入賞装置33bを開状態とする設定を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS2403で否定判別された場合、すなわち、低入球状態にある場合には、ステップS2406において、普通可変タイマに対し、第2始動入賞装置33bの開放時間を0.4秒にするべく「100」を設定する。続く、ステップS2407では、開放回数カウンタに対し、第2始動入賞装置33bを1回開放させるべく「1」を設定する。ステップS2407の後、ステップS2408において、入球サポートフラグをオフし、ステップS2409において、サポート期間中フラグをオンし、ステップS2410において、第2始動入賞装置33bを開状態とする設定を行ってから、本処理を終了する。
図24の説明に戻り、ステップS2113の後、ステップS2114において、普図インターバルタイマに対して普図インターバル期間(例えば、1秒)に相当する値を設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS2110で否定判別された場合には、ステップS2115において、普通図柄表示装置41の変動表示(左右一対の普図ランプ405を交互に点灯させる切替表示)を継続して行うための切替表示設定を行う。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、普通表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に普通図柄表示装置41の切替表示(変動表示)が実現される。
さらに、ステップS2116において、普通保留表示装置44(普通保留ランプ406)の点灯態様(本例では、左右一対のランプのうち両方消灯、左だけ点灯、両方点灯、左点滅で右点灯、両方点滅のいずれか)を維持するための設定を行ってから、本処理を終了する。
次に上記ステップS209の始動入賞装置制御処理について図27のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS2201では、サポート期間中フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS2201で否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。一方、ステップS2201で肯定判別された場合には、ステップS2202において、普通可変タイマの値を1減算する。続くステップS2203では、普通可変フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS2203で肯定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bが開状態である場合には、ステップS2204において、普通可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2204で否定判別された場合、すなわち、予め規定された第2始動入賞装置33bの開放時間が未だ経過していない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2204で肯定判別された場合には、ステップS2205に移行し、普通可変フラグをオフする。続くステップS2206では、開放回数カウンタの値を1減算し、ステップS2207では、第2始動入賞装置33bを閉状態とする設定を行う。
その後、ステップS2208において、開放回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2208で肯定判別された場合には、ステップS2209においてサポート期間中フラグをオフしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS2208で否定判別された場合、すなわち、当選した入球サポート抽選が確変モード又は時間短縮モードで行われたものであって、それに基づいて第2始動入賞装置33bが3回開放されるうちの残り回数がある場合には、ステップS2210で普通可変タイマに対してインターバル時間に相当する値(例えば「100」)を設定する。ステップS2210のあと、本処理を終了する。
また、ステップS2203で否定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bが3回開放される間のインターバル期間(第2始動入賞装置33bは閉状態)である場合には、ステップS2211に移行し、普通可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2211で否定判別された場合、すなわち、未だインターバル期間が経過していない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2211で肯定判別された場合には、ステップS2212で普通可変フラグをオンし、ステップS2213で普通可変タイマに対して開放時間に相当する値(本例では「1000」)を設定し、ステップS2214で、第2始動入賞装置33bを開状態とする設定を行ってから、本処理を終了する。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図28を参照して受信割込み処理を説明し、その後図29を参照してメイン処理を説明する。
図28は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図30に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図29を参照して説明する。図29は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップS3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS3107でRAM判定値を算出し、続くステップS3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップS3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS3114では、割込みを許可する。
ステップS3114で割込みが許可された後は、ステップS3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図30のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップS3201)。このコマンド判定処理について図31を参照して以下に説明する。
図31は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップS3124,S3201)では、まず、ステップS3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図28参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS3301においてコマンド受信フラグがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS3301でコマンド受信フラグがオンと判別されれば、ステップS3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS3302〜ステップS3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS3304〜ステップS3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS3305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS3306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS3308)と、RAM513の初期値設定(ステップS3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS3304:NO、ステップS3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS3305:NO、ステップS3306:YES)、ステップS3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、当該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図30のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS3202において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS3202で肯定判別されれば、ステップS3203で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップS3204で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータ358aの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータ358aが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS3205では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満杯状態又は下皿満杯解除状態の設定を実行する。すなわち、満杯検知スイッチの検出信号により下皿15の満杯状態を判別し、下皿満杯になった時、下皿満杯状態の設定を実行し、下皿満杯でなくなった時、下皿満杯解除状態の設定を実行する。また、ステップS3206では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS3207では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判別し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップS3208で払出個数設定処理を行い、ステップS3209においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS3210においてモータ駆動処理を行う。
ステップS3211では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS3212では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
次に、サブ制御装置262の通常処理ついて図32を参照しつつ説明する。先ずステップS3901では、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認し、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されているか否かを判別する。
コマンドが受信されている場合には、ステップS3902においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
続くステップS3903では、主制御装置261から出力された先発コマンドの情報を、サブ制御装置262のRAM553に設けられた保留情報記憶エリアに格納する保留情報格納処理を行う。尚、先発コマンドには、上記のように、第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bのどちらの入球を契機とする変動表示であるかを示す情報、大当たりに対応する変動情報であるかを示す情報、大当たり種別を示す情報、リーチの種別を示す情報が含まれる。
サブ制御装置262の保留情報記憶エリアは、主制御装置261の特別変動保留エリアと同様に、それぞれ4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)を備える第1保留情報記憶エリア及び第2保留情報記憶エリアと、1つの実行エリアとを備えている。第1保留情報記憶エリアには、第1変動表示(第1特別変動保留エリアに記憶された情報)に基づく先発コマンドの受信履歴に合わせて、大当たりか否かの情報、大当たり種別、小当たりか否かの情報、及びリーチ種別等の変動表示に関する情報(変動情報)が時系列的に格納される。また、第2保留情報記憶エリアには、第2変動表示(第2特別変動保留エリアに記憶された情報)に基づく先発コマンドの受信履歴に合わせて、変動情報が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、第1始動入賞装置33aへの入球を契機とする第1変動表示に関する変動情報、及び、第2始動入賞装置33bへの入球を契機とする第2変動表示に関する変動情報をそれぞれ4つ保留記憶することができる。結果的に、主制御装置261の第1及び第2特別変動保留エリアの実行エリアだけでなく、保留エリアに記憶された変動情報についても、サブ制御装置262において把握することが可能となっている。
以下、保留情報格納処理について、図35を参照して説明する。先ず、ステップS4101では、先発コマンドを受信したか否か(先発コマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。当該ステップS4101で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4101で肯定判別された場合には、ステップS4102において先発コマンドが第2始動入賞装置33bへの入球(第2特別変動保留エリアに記憶された変動情報)に対応するものであるか否かを判別する。ここで否定判別された場合、すなわち、先発コマンドが第1始動入賞装置33aの入球(第1特別変動保留エリアに記憶された変動情報)に対応するものであった場合には、ステップS4103において、第1保留情報記憶エリアに保留記憶されている変動情報の保留数をカウントする第1変動保留カウンタNdを1インクメントする。
続くステップS4104では、先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たり種別の情報、小当たりか否かの情報、リーチ種別の情報等を、第1保留情報記憶エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに記憶する。
また、続くステップS4105では、予告情報格納処理を行う。すなわち、本実施形態では、連続する複数の変動表示において互いに関連する演出表示を意図的に導出する(所謂、「連続予告」が行われる)場合がある。ここでは、連続予告を行うか否かを決定するための連続予告カウンタの値、及び、連続予告の種別を決定するための予告種別カウンタの値を取得し、当該カウンタ値を第1保留情報記憶エリアのうち上記ステップS4104にて変動情報を新たに記憶した保留エリアに記憶する。
連続予告カウンタは、例えば0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり49)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。連続予告カウンタは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファ(連続予告カウンタバッファ)に連続予告カウンタの値が記憶される。
予告種別カウンタは、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。予告種別カウンタは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファ(予告種別カウンタバッファ)に予告種別カウンタの値が記憶される。
そして、当該予告情報格納処理において、保留情報記憶エリアに変動情報が格納されると、連続予告カウンタバッファ及び予告種別カウンタバッファに記憶されている連続予告カウンタの値及び予告種別カウンタの値が取得されることとなる。さらに、保留情報記憶エリアの各保留エリア及び実行エリアには、連続予告が導出されることが決定された場合にオンされる連続予告フラグがそれぞれ設けられている。
また、本実施形態では、ROM552に対し、連続予告を行うか否かの決定に際して参酌される予告当否判定テーブルと、連続予告の態様の決定に際して参酌される予告テーブルとが設けられている。予告当否判定テーブル及び予告テーブルはそれぞれ複数設けられており、変動情報に応じて、参酌される予告当否判定テーブル及び予告テーブルが選択される。
ステップS4105の後、ステップS4106では、連続予告を実行するか否かを決定する連続予告抽選処理を行う。本実施形態では、ステップS4106の連続予告抽選処理が特定演出決定処理を構成する。
尚、ステップS4106の連続予告抽選処理では、第1変動保留カウンタNdの値が「2」以上である場合に、第1保留情報記憶エリアに新たに記憶された連続予告カウンタの値に基づいて、大当たり種別やリーチ種別や遊技モードにそれぞれ対応する予告当否判定テーブルを参照し、連続予告を実行するか否かを決定する。さらに、連続予告を実行することが決定された場合には、第1保留情報記憶エリアに新たに記憶された予告種別カウンタの値に基づいて、大当たり種別やリーチ種別や遊技モードに対応する予告テーブルを参照し、連続予告を実行するか否かを決定する。加えて、第1保留情報記憶エリアの保留エリアのうち変動情報が記憶されている全ての保留エリアの連続予告フラグをオンにする。但し、実行エリアの連続予告フラグはオンにしない。
ステップS4106の後、ステップS4107において、装飾図柄表示装置42の左下部(保留表示エリア)において、変動表示が保留記憶されていることを示す保留アイコンを1つ追加表示するための保留アイコン設定処理を行ってから、本処理を終了する。保留アイコンの態様や見せ方(態様が途中で変化する等)等の表示パターンとしては複数パターン用意されている。さらに、保留アイコンの表示パターンと、大当たり状態発生への当選期待度(大当たり期待度)とが対応付けられており、保留アイコンの表示パターンによって大当たり期待度を示唆する(先読み保留予告演出を行う)ように構成されている。
つまり、保留アイコン設定処理では、保留アイコンの表示パターンを決定する際に用いられるアイコン抽選乱数カウンタの値(例えば、0〜199)を取得して、保留情報記憶エリアのうち対応する保留エリアの保留アイコン記憶エリアに記憶し、アイコン抽選乱数カウンタの値と、保留アイコンの表示パターンとの対応関係を記憶する保留アイコンパターン記憶テーブルを参照して、保留アイコン記憶エリアに記憶されたアイコン抽選乱数カウンタの値に基づいて、保留アイコンの表示パターンを決定する。保留アイコンパターン記憶テーブルは、大当たりを教示する変動情報に対応して参酌される大当たり用のものと、前後外れリーチになる変動情報に対応して参酌される前後外れ用のものと、前後外れ以外リーチになる変動情報に対応して参酌される前後以外外れ用のものと、それ以外(完全外れ)用のものとがあり、先発コマンド含まれる変動情報に応じて参照される保留アイコンパターン記憶テーブルが選択される。そして、装飾図柄表示装置42に表示されている保留アイコンのうち一番右側のものの右側に並ばせるようにして、決定された表示パターンの保留アイコンを表示させるといった処理が行われる。
但し、本実施形態では、保留アイコンは、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく第1変動表示、及び、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく第2変動表示のどちらに対応するものであるかが特定されないような共通の態様となっている。尚、第1保留表示装置46a及び第2保留表示装置46b(第1保留ランプ403及び第2保留ランプ404)の点灯態様の推移を確認していれば、どちらの始動入賞装置33a、33bへの遊技球の入球に基づく変動表示であるかの判断をすることは可能である。
また、ステップS4102で肯定判別された場合、すなわち、先発コマンドが第2始動入賞装置33bへの入球(第2特別変動保留エリアに記憶された変動情報)に対応するものであった場合には、ステップS4108に進み、第2保留情報記憶エリアに保留記憶されている変動情報の保留数をカウントする第2変動保留カウンタNeを1インクリメントする。
その後、ステップS4109では、先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たり種別の情報、小当たりか否かの情報、リーチ種別の情報等を、第2保留情報記憶エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに記憶する。続くステップS4110では、連続予告カウンタの値及び予告種別カウンタの値を取得し、当該カウンタ値を第2保留情報記憶エリアのうち上記ステップS4109にて変動情報を新たに記憶した保留エリアに記憶する。
ステップS4110の後、ステップS4111において、連続予告を実行するか否かを決定する連続予告抽選処理を行う。尚、ステップS4111の連続予告抽選処理は、ステップS4106の連続予告抽選処理を第2始動入賞装置33bへの入球に対応させるだけであり、説明は省略する。ステップS4111の後、ステップS4112において、保留アイコン設定処理を行ってから、本処理を終了する。
図32の説明に戻り、ステップS3903の後又はステップS3901で否定判別された場合には、ステップS3904へと移行し、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では2msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していればステップS3905へ移行し、一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、ステップS3914へと移行する。
ステップS3905では、各種カウンタの更新処理を実行する。サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図33に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタCOと、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU551内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。
大当たり時装飾図柄カウンタCOは、大当たり状態が発生する際に、装飾図柄表示装置42の変動停止時の図柄(大当たり図柄)を決定するものであり、本実施形態では、大当たり時装飾図柄カウンタCOとしては、9個(0〜8)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタCOは、0〜8の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり8)に達した後0に戻る構成となっている。
そして、主制御装置261から送信された図柄コマンドが確変大当たりに対応する図柄を停止させる旨を示す場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「1」(のゾロ目)、1であれば「2」(のゾロ目)という具合に、大当たり図柄の組合わせを決定する。この大当たり時装飾図柄カウンタCOはステップS3905のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、後述するようにサブ制御装置262が図柄コマンドを受信するタイミングでRAM553のカウンタ用バッファから読み出す。尚、本実施形態では大当たり時装飾図柄カウンタCOはRAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、図柄コマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
また、図柄コマンドが通常大当たりに対応する図柄を停止させる旨を示す場合、例えば、カウンタ値が0、1であれば「2」(のゾロ目)、2〜4であれば「4」(のゾロ目)、5、6であれば「6」(のゾロ目)、7、8であれば「8」(のゾロ目)という具合に、大当たり図柄の組合わせを決定する。
上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRは、当否抽選が外れとなったときに、上・中・下の図柄表示領域の各停止図柄の組合わせを決定するものであり、各列では9個の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に9個(0〜8)のカウンタ値が用意されている。上図柄カウンタCLにより上図柄表示領域の停止図柄が決定され、中図柄カウンタCMにより中図柄表示領域の停止図柄が決定され、下図柄カウンタCRにより下図柄表示領域の停止図柄が決定される。
本実施形態では、CPU551に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が上限値を超えた場合に8減算されて今回値が決定される。各図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ、及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、各図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。図34に示すように、ステップS4001では、上図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS4002では、中図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。なお、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において下図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップS4001で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において上図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップS4002で肯定判断されることになる。そして、上図柄カウンタCLの更新時期(ステップS4001がYES)であればステップS4003に進み、上図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄カウンタCMの更新時期(ステップS4002がYES)であればステップS4004に進み、中図柄カウンタCMを更新する。さらに、下図柄カウンタCRの更新時期(ステップS4001、S4002が共にNO)であればステップS4005に進み、下図柄カウンタCRを更新する。ステップS4003〜S4005の図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が上限値を超えた場合に8を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS4006では、上記更新した図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせがリーチ図柄の組合わせ(上図柄表示領域の図柄と下図柄表示領域の図柄とが同じ)になっているか否かを判別し、リーチ図柄の組合わせである場合(S4006がYES)、さらにステップS4007では、大当たり図柄の組合わせ(上下の図柄表示領域の図柄と中図柄表示領域の図柄とが同じ)であるか否かを判別する。ステップS4007で肯定判別された場合には、図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553に記憶することなく、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4007で否定判別された場合には、ステップS4008において、図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが前後外れ図柄の組合わせであるか否かを判別する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ図柄(前後外れリーチ)の組合わせである場合(S4008がYES)、ステップS4009に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外図柄(前後外れ以外リーチ)の組合わせである場合(S4008がNO)には、ステップS4010に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。
また、リーチ図柄以外の組合わせである場合(S4006がNO)、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが外れ図柄(完全外れ図柄)の組合わせになっているため、ステップS4011において、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の完全外れ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。
図32の説明に戻り、ステップS3906では保留処理を行う。以下、保留処理について図36を参照して説明する。
先ず、ステップS4201では、変動パターンコマンドを受信したか否か(変動パターンコマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。ステップS4201で肯定判別された場合には、ステップS4202において、第2変動保留カウンタNeの値が「0」よりも大きいか否かを判別する。当該ステップS4202で否定判別された場合、すなわち、第2変動表示の変動情報が保留記憶されていない場合には、ステップS4203に進み、第1変動保留カウンタNdの値を1減算する。
尚、上記のように、本実施形態では、第1変動表示よりも第2変動表示が優先的に消化され、第2変動表示が保留記憶されている場合には、第1変動表示が消化されることはない。すなわち、第2保留情報記憶エリアに第2変動表示の変動情報が保留記憶されている場合には、第1変動表示に対応する変動パターンコマンドは送られてこない。このため、本実施形態では、ステップS4202において、第2変動保留カウンタNeの値が「0」よりも大きいか否かを判別することで、当該変動パターンコマンドが第1変動表示及び第2変動表示のどちらの変動情報を有しているかを判別している。もちろん、変動パターンコマンドに対して第1変動表示及び第2変動表示のどちらの変動情報に対応しているかの情報を持たせ、変動パターンコマンドに基づいて、当該変動パターンコマンドが第1変動表示及び第2変動表示のどちらの変動情報を有しているかを判別してもよい。
ステップS4203の後、ステップS4204において、第1保留情報記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留情報記憶エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータ(連続予告フラグも含む)を実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップS4204の後、ステップS4207に移行する。
また、ステップS4202で肯定判別された場合、すなわち、第2変動表示の変動情報が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS4205において、第2変動保留カウンタNeの値を1減算する。
続くステップS4206では、第2保留情報記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2保留情報記憶エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップS4206の後、ステップS4207に移行する。尚、本実施形態では、保留情報記憶エリアの実行エリアは1つであり、第1保留情報記憶エリア及び第2保留情報記憶エリアに格納されているデータは、当該データに対応する変動表示が行われる際に、共通の実行エリアにシフトされることとなる。
ステップS4207では連続予告に使用される表示演出の種別を決定する予告設定処理が行われる。ステップS4207の予告設定処理では、保留情報記憶エリアの実行エリアの連続予告フラグ(ステップS4106の連続予告抽選処理参照)がオンであるか否かを判別し、否定判別された場合には、連続予告は行われないため、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、変動パターンコマンドの変動情報に基づき、大当たりか否か、大当たりの場合には種別は何か、大当たりではない場合には、リーチ種別は何か等を判別し、それぞれに対応するテーブルを参照して、連続予告の種別を決定する。ここで決定された種別の連続予告は、対応する変動表示に際して所期のタイミングで導出されることとなる。
ステップS4207の後、ステップS4208において、装飾図柄表示装置42に表示されている保留アイコンをシフトさせるための保留アイコンシフト処理を行う。尚、保留情報記憶エリアの各保留エリア、及び、実行エリアには、保留アイコンの種別を記憶する保留アイコン記憶エリアが設けられており、当該保留アイコンに関する情報についても、上記した保留情報記憶エリアのデータシフト処理にてシフトされるようになっている。当該保留アイコンシフト処理は、かかるデータシフトに応じて保留アイコンを再描画させるための処理であり、装飾図柄表示装置42では、変動表示が1つ消化される(実行される)毎に、最も左に位置していた保留アイコンが消去されるとともに、その右側に配置されていた保留アイコンが一つ左にシフトされる(表示場所が移動する)ようになっている。
ステップS4208の後、本処理を終了する。尚、本実施形態では、第2変動表示が第1変動表示よりも優先的に消化される構成であるため、複数回の第1変動表示に関して連続予告が行われる場合には、かかる第1変動表示の変動表示中に第2始動入賞装置33bへの入球があると、第2変動表示が前記複数回の第1変動表示の間に割り込んで、連続予告が途切れる場合がある。これに対し、本実施形態では、連続予告として使用される演出は、連続予告が行われない場合の通常の変動表示に際しても導出され得る表示演出(単独の変動表示を対象として導出され得る演出)が用いられる。このため、連続予告が途切れても、何ら違和感は生じない。
図32の説明に戻り、ステップS3907では表示設定処理を行う。ここでは、RAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。つまり、ここでは、装飾図柄表示装置42において表示する表示態様が決定されることとなる。例えば、変動パターンコマンド及び図柄コマンドを受信した場合、サブ制御装置262は、変動種別、変動時間、及び停止図柄等に基づいて、対応するテーブルを参照し、表示パターン等を決定する。そして、決定事項を表示コマンドとして表示制御装置45に出力する等の制御を行う。
尚、表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令に応じて描画処理を行い、装飾図柄表示装置42での装飾図柄の変動表示を開始する。なお、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、当該変動パターンに対応する変動時間が経過するまでの間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。
また、変動表示を開始させる際には、保留情報記憶エリアの実行エリアの連続予告フラグ(ステップS4105の連続予告抽選処理参照)がオンである場合に、変動パターンコマンドの変動情報に基づき、各状況に対応するテーブルを参照して、変動表示に導出させる連続予告の種別を決定したり、連続予告とは別の予告演出の導出を決定したり、演出ボタン125等の操作に対応する表示を行ったりする。さらに、当該ステップS3907の表示設定処理では、大当たり又は小当たり中の演出制御を行う処理(当たり表示処理)についても行われる。
ここで、ステップS3907の表示設定処理において行われる当たり表示処理について、図37を参照して説明する。先ず、ステップS4701では、主制御装置261から大当たり状態又は小当たり状態の開始を告げるオープニングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4701で肯定判別された場合には、ステップS4702において、残りのラウンド数を把握するためのラウンド把握カウンタに対し、オープニングコマンドに含まれる情報に基づいて、「16RS」であれば「16」を設定し、「8RS」、「8RN」であれば「8」を設定し、「2RS」、「2RN」、「小当たり」であれば「2」を設定する。
その後、ステップS4703において、出玉有り大当たりであれば8秒間のオープニング演出の設定(装飾図柄表示装置42の画像、スピーカSPの音声、各種ランプの点灯態様の設定)を行ってから、本処理を終了する。尚、サブ制御装置262には、大当たり種別と、残りラウンド数と、大当たり状態中の各種演出態様との対応関係を記憶するテーブル等が設けられており、当該テーブルを参照して対応する演出を選択し、それを実行させることとなる。
また、ステップS4701で否定判別された場合には、ステップS4704においてラウンドコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4704で肯定判別された場合、ステップS4705において、出玉有り大当たりであれば最大で30秒のラウンド中の演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップS4704で否定判別された場合、ステップS4706において、インターバルコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4706で肯定判別された場合、ステップS4707でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップS4708で出玉有り大当たりであれば4秒のインターバル中の演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップS4706で否定判別された場合、ステップS4709においてエンディングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4709で肯定判別された場合、ステップS4710でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップS4711で出玉有り大当たりであれば10秒のエンディング演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、出玉有り大当たり以外の大当たりや小当たりの場合には、オープニング期間(2秒)、ラウンド期間(0.4秒)、インターバル期間(1秒)、及び、エンディング期間(1秒)といった各期間に区切って演出を設定するのではなく、全期間を通じた演出(アナウンス等)が行われるような設定を行うこととしている。
ステップS4709で否定判別された場合、ステップS4712において当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4712で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4712で肯定判別された場合には、ステップS4713において、エンディング表示を直ちに終了させ、変動表示が行われる通常遊技状態の態様とする設定を行う。その後、本処理を終了する。
図32の説明に戻り、ステップS3907の後、ステップS3908において、複合表示装置ユニット40のサブ表示装置411(サブランプ417)の点灯制御を行うための処理(サブ表示装置設定処理)が行われる。ここで、サブ表示装置設定処理について、図38を参照して説明する。
先ず、ステップS7101では、主制御装置261から停止コマンドを受信したか否かを判別する。ステップS7101で否定判別された場合、ステップS7102においてサブ表示装置411の変動表示中(点灯するサブランプ417の切替表示中)であることを示すサブランプ変動フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS7102で否定判別された場合には、ステップS7103において、主制御装置261から変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS7103で肯定判別された場合、すなわち、変動パターンコマンドを受信した場合には、ステップS7104において、変動パターンコマンドに含まれる特別表示装置43a、43b(特図ランプ401、402)の変動情報を記憶する処理を行う。
続くステップS7105では、サブ表示装置411の変動表示を開始させるための処理(サブランプ417の変動開始処理)を行う。サブランプ417の変動開始処理では、特図ランプ401、402の変動情報に基づいて、サブランプ417の変動パターンを決定するとともに、本実施形態では、決定された変動パターンに応じたサブランプ417の態様を導出するようになっている。
複合表示装置ユニット40の表示態様について説明すると、例えば、第1特別表示装置43aの変動表示が行われる場合には、第1特図ランプ401と、その左右に配置されるサブランプ417とによって構成される縦2列×横7列に配列された14個のLED(以下、「第1変動表示用LED」とも称する)によって一連の点灯態様が導出されるようになっている。本実施形態では、図46(a)に示すように、点灯するLEDが時計回りに順次点灯するといった点灯(変動)パターンと、図46(b)に示すように、点灯するLEDが上列の左端から右端にかけて順次点灯した後、次に下列の左端から右端にかけて順次点灯し、再度、上列の左端から右端にかけて順次点灯するといった点灯(変動)パターンとがある。
但し、第1特別表示装置43aの変動表示において、第1特図ランプ401及びその左右に配置されるサブランプ417(第1変動表示用LED)のいずれかが点灯されるタイミングでは、少なくとも1つの第1特図ランプ401が点灯状態とされるように構成されることとする。つまり、本実施形態では、第1変動表示用LEDのうち2つが同時に点灯状態とされるように構成されており、両方の光の態様が同様に推移していくように(一方の光の態様が他方の光の態様を追いかけるように)構成されている上、第1変動表示用LEDのうちサブランプ417の1つが点灯している場合には、第1特図ランプ401も1つ点灯しているようになっている。尚、第1変動表示用LEDのうち第1特図ランプ401が2つ点灯し、サブランプ417が1つも点灯していない状態は発生する。
また、例えば、第2特別表示装置43bの変動表示が行われる場合には、第2特図ランプ402と、その左右に配置されるサブランプ417とによって構成される縦2列×横7列に配列された14個のLED(以下、「第2変動表示用LED」とも称する)によって一連の点灯態様が導出されるようになっている。当該第2特別表示装置43bの変動表示についても、第1特別表示装置43aの変動表示と同様に点灯制御されるように構成されている。
つまり、ステップS7105では、第1変動表示又は第2変動表示のどちらに対応するものであるかの判別と、第1特図ランプ401又は第2特図ランプ402の変動パターンが2つのうちどちらであるのかの判別を行うことで、変動表示が行われる場合にサブランプ417の点灯制御を行う際に参照されるサブランプ制御テーブルを選択することとしている。尚、第1変動表示又は第2変動表示のどちらに対応するものであるかを示す変動特定フラグを設け、ステップS7105で変動特定フラグの設定処理についても行われることとしてもよい。
尚、本実施形態では、主制御装置261の通常処理が4msec毎に行われ、サブ表示装置262の通常処理が2msec毎に行われるため、対応する第1特図ランプ401又は第2特図ランプ402に対して1回の信号が送られる間に、対応するサブランプ417に対して2回の信号が送られるように(サブランプ制御テーブルでは、同じ信号を2回ずつ繰り返しで出力指示するように)構成されている。
ステップS7105の後、ステップS7106において、サブランプ変動フラグをオン設定する。続くステップS7107では、被覆シャッタ441(第1シャッタ442及び第2シャッタ443)の配置を決定する被覆シャッタ位置設定処理を行う。被覆シャッタ441の配置パターンとしては、第1シャッタ442及び第2シャッタ443のうち、両方が被覆位置にあるパターンと、両方が露出位置にあるパターンと、第1シャッタ442が被覆位置にあり、第2シャッタ443が露出位置にあるパターンと、第1シャッタ442が露出位置にあり、第2シャッタ443が被覆位置にあるパターンとがある。また、本実施形態では、第1変動表示及び第2変動表示の最中は基本的に第1シャッタ442及び第2シャッタ443が露出位置とされており、当該ステップS7107で第1シャッタ442や第2シャッタ443が被覆位置に変位されることが決定された場合には、第1変動表示及び第2変動表示の停止表示に合わせて該当する第1シャッタ442や第2シャッタ443が被覆位置へと変位するように構成されている。
ステップS7107の後、ステップS7108において、サブランプ417の停止表示のパターンを決定する処理(サブランプの停止パターン設定処理)を実行する。上記のように、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bの停止態様は、第1特図ランプ401又は第2特図ランプ402の点灯パターン(点灯された特図ランプ401、402の組合わせ)によって、当選した各大当たり種別、又は、小当たりに当選したこと、或いは、外れであることのいずれかを教示するように構成されており、また、各項目を示す停止態様(点灯パターン)についても複数パターン用意されている。例えば、第1特別表示装置43aに関し、「16RS」に当選したことを示すパターンとしてパターン1〜パターン8の8パターン用意され、「8RS」に当選したことを示すパターンとしてパターン1〜パターン8の8パターン用意され、「2S」に当選したことを示すパターンとしてパターン1〜パターン8の8パターン用意され、「8RN」に当選したことを示すパターンとしてパターン1〜パターン8の8パターン用意され、「小当たり」に当選したことを示すパターンとしてパターン1〜パターン8の8パターン用意され、「外れ」を示すパターンとしてパターン1〜パターン32の32パターン用意されている。
つまり、変動パターンコマンドに含まれる特別表示装置43a、43bの変動情報には、第1特図ランプ401又は第2特図ランプ402の変動パターンが2つのうちどちらであるかの情報だけでなく、かかる第1特図ランプ401又は第2特図ランプ402の停止パターンの情報についても含まれている。
サブ制御装置262には、サブランプ417の停止パターンを決定する際に参照されるサブランプパターン決定テーブルが複数設けられている。さらに、例えば、第1特別表示装置の停止パターンが「16RS」に当選したことを示すパターン1〜パターン4の場合には第1サブランプパターン決定テーブルが参照され、第1特別表示装置の停止パターンが「16RS」に当選したことを示すパターン5〜パターン8の場合には第2サブランプパターン決定テーブルが参照され、第1特別表示装置の停止パターンが「外れ」であることを示すパターン1〜パターン8の場合には第1サブランプパターン決定テーブルが参照される等といった具合に、第1特別表示装置の停止パターンと、参照されるサブランプパターン決定テーブルとが対応付けられている。
そして、当該ステップS7108では、第1特図ランプ401又は第2特図ランプ402の停止パターンに応じて、参照するサブランプパターン決定テーブルを決定するとともに、かかるサブランプパターン決定テーブルを参照しつつ、サブランプ417の停止パターンを決定する際に使用されるサブランプパターン決定乱数カウンタの値を取得し、かかるサブランプパターン決定乱数カウンタの値に基づいて、サブランプ417の停止パターンを決定する。
尚、本実施形態では、被覆シャッタ441(第1シャッタ442及び第2シャッタ443)の配置を決定してから、サブランプ417の停止パターンを決定する(つまり、サブランプ417の停止パターンの決定に際して、点灯されるサブランプ417が被覆シャッタ441で隠されることのないように、被覆シャッタ441の配置を考慮する必要がある)ように構成されているが、例えば、サブランプ417の停止パターンを決定してから、被覆シャッタ441の配置を決定するように構成してもよい。
また、本実施形態では、第1変動表示用LED(第2変動表示用LED)の停止態様が同じように見えても、第1特図ランプ401(第2特図ランプ402)の停止パターンが異なっている場合がある。つまり、第1シャッタ442が被覆位置にあり、第2シャッタ443が露出位置にある図45(a)と、第1シャッタ442が露出位置にあり、第2シャッタ443が被覆位置にある図45(b)では、視認可能となっている第1変動表示用LEDのうち点灯状態とされているLEDの態様は同じ(第1変動表示用LEDのうち視認可能な範囲で、どちらも、一番左列の上下段、左から3列目の上段、左から4列目の下段、左から5列目の上段、及び、一番右列の上下段が点灯している)であるが、第1特図ランプ401の点灯の組合わせとしては異なっている。
従って、図45(a)に示される第1態様としての第1特図ランプ401の停止パターンは、第1の結果としての「8RS」に対応し、図45(b)に示される第2態様としての第1特図ランプ401の停止パターンは、第2の結果としての「8RN」に対応するといった具合に、当否抽選の異なる結果が教示されていても、複合表示装置ユニット40(第1特図ランプ401の各停止パターンと、サブランプ417の停止パターンとを組合わせた第1の複合態様、及び、第2の複合態様)を視認すると、一見同じような見た目になっているといった場合もある。つまり、特図ランプ401、402の点灯態様と、サブランプ417の点灯態様とを組合わせた複合態様の表示位置(点灯される特図ランプ401、402、及び、サブランプ417の組合わせ)は異なるが、表示態様(点灯されたLEDによって浮かび上がる形)としては同じ形のものを導出可能に構成されている。
尚、「8RS」及び「8RN」の大当たり状態における可変入賞装置43の開閉態様、すなわち、大当たりのラウンド数、及び、各ラウンドの終了条件は同じである。さらに、「8RS」に当選したことを教示、又は、示唆するための(「8RS」に当選したことを教示するための特別表示装置43a、43bの変動表示に対応する・同期して行われる)装飾図柄表示装置42の変動表示において、「8RS」に当選したことを教示するのではなく、「8RS」及び「8RN」のどちらかに当選したことを教示する(示唆する)ことが決定された場合の装飾図柄表示装置42の変動表示は、「8RN」に当選したことを教示する装飾図柄表示装置42の変動表示と同じである。加えて、「8RS」及び「8RN」のどちらであるのかが教示されていない状態で行われる大当たり状態の装飾図柄表示装置42での演出も基本的に同じである(大当たり状態中において、実際は「8RS」に当選していたことを教示する「格上げ演出」が行われ、かかる演出にて成功した、すなわち、「8RS」であることの教示が行われた場合には、それ以降は異なる態様となる)。尚、大当たり状態の終了時点でも「8RS」及び「8RN」のどちらであるのかが教示されていない場合に、その後の通常遊技における装飾図柄表示装置42の表示態様も同じであることとしてもよい。
ステップS7108の後、ステップS7109において、決定されたサブランプ417の停止パターンを記憶してから、本処理を終了する。
また、ステップS7101で肯定判別された場合、すなわち、主制御装置261から停止コマンドを受信した場合には、ステップS7110において、ステップS7108で決定され、ステップS7109で記憶された停止パターンでサブランプ417を停止表示させる停止表示処理を行う。これにより、主表示装置49の第1特図ランプ401又は第2特図ランプ402と、対応するサブランプ417とが同期して停止表示されることとなる。
ステップS7110の後、ステップS7111において、サブランプ変動フラグをオフし、ステップS7112において、教示中タイマの設定を行ってから、本処理を終了する。教示中タイマとは、主制御装置261において、特別表示装置43a、43bの変動表示の停止表示後に設定される変動インターバル期間をサブ制御装置262側で把握するためのものであり、ステップS7112では、変動インターバルの長さ(例えば、1秒)に相当する値が設定される。
また、ステップS7102で肯定判別された場合には、ステップS7113において、第1特別表示装置43a、又は、第2特別表示装置43bの変動表示に追従して行われるサブ表示装置411の変動表示を継続して行うための切替表示設定処理を行う。つまり、サブランプ制御テーブルのポインタを1つ先に移動させて、そこで指示される処理、すなわち、サブランプ417のうち該当するものを点灯させ、その他を消灯させる処理が行われる。ステップS7113の後、本処理を終了する。
また、ステップS7103で否定判別された場合には、ステップS7114において、教示中タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS7114で否定判別された場合には、ステップS7115で教示中タイマの値を1減算してから、本処理を終了する。一方、ステップS7114で肯定判別された場合には、ステップS7116において、サブ表示装置411の表示態様(サブランプ417の点灯パターン)を待機状態(第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bの変動表示が行われていない状態)に対応する表示態様とするための待機表示設定を行う。
例えば、図45に示すように、本実施形態では、第2特別表示装置43b(第1特別表示装置43a)の変動表示が行われていない状態では、第2特図ランプ402(第1特図ランプ401)側の待機表示として、第2特図ランプ402(第1特図ランプ401)のうち下列の一番右及び右から2番目が点灯した状態とされる。その一方で、第2特別表示装置43b(第1特別表示装置43a)の変動表示が行われていない状態では、サブランプ417側の待機表示として、サブランプ417のうち、変動表示の行われていない第2特別表示装置43b(第1特別表示装置43a)の左右に配置されるサブランプ417が消灯した状態とされる。
ステップS7116の後、ステップS7117において、被覆シャッタの位置をリセット(第1シャッタ442及び第2シャッタ443を露出位置に変位させる)してから、本処理を終了する。本実施形態では、サブ表示装置411がサブ表示手段を構成し、サブ表示装置411における切替表示が疑似表示に相当する。
図32の説明に戻り、ステップS3908の後、ステップS3909において、メニュー表示処理が行われる。本実施形態では、特別表示装置43a、43bの変動表示が行われていない状態で演出ボタン125を操作することでトップメニュー画面を開くことができるようになっている。トップメニュー画面には、「遊技履歴」や「音量設定」等の各種選択項目が表示され、演出ボタン125及び十字ボタン126の操作によって、適宜、選択決定を行うことができるようになっている。
続くステップS3910のランプ設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、ランプ・電飾類の点灯パターンを設定する。
ステップS3911の音声設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、スピーカSPの出力パターンを設定する。また、エラー発生の報知等、音声に関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップS3911で行われる。
ステップS3912では、客待ち演出(例えば装飾図柄表示装置42の変動表示が行われていない状態で所定時間が経過すると表示されるように設定されているデモ画面表示;省エネモード)の制御設定等その他の処理を行う。
ステップS3913では、上記ステップS3905〜S3912の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して表示コマンドを表示制御装置45に送信する。
2msec毎に行われるステップS3905〜S3913の処理が実行された後、又は、上記ステップS3904で否定判別された場合には、ステップS3914に移行し、RAM553に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する。尚、電源断の発生情報は、主制御装置261から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
電源断の発生情報が記憶されていない場合には、ステップS3915に進み、RAM553が破壊されているか否かが判別される。ここでRAM553が破壊されていなければ、ステップS3901の処理へ戻り、繰り返し通常処理が実行される。一方、RAM553が破壊されていれば、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
一方、ステップS3914で電源断の発生情報が記憶されると判別された場合、ステップS3916において電源断処理を実行する。電源断処理では、割り込み処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。電源断処理の実行後は、処理を無限ループする。
以上詳述したように、本実施形態では、主制御装置261によって制御され、当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われる特別表示装置43a、43b(特図ランプ401、402)の左右に隣接して、サブ制御装置262によって制御され、開始及び終了のタイミングが特別表示装置43a、43bの変動表示(特図ランプ401、402の切替表示)と同期する(当否抽選の結果に関与しない)変動表示が行われるサブ表示装置411(サブランプ417)が設けられている。
さらに、サブ表示装置411を構成するサブランプ417は、特別表示装置43a、43bを構成する特図ランプ401、402と同一製品のLEDを使用していることから、サブランプ417による表示は、特図ランプ401、402による表示と似たような表示態様となる。このため、特別表示装置43a、43b(特図ランプ401、402)及びサブ表示装置411(サブランプ417)による表示態様のうち特別表示装置43a、43b(特図ランプ401、402)の表示態様がどれなのかが分かり難くなり、ひいては、特別表示装置43a、43b(特図ランプ401、402)の停止表示のパターンを分かり難くする(一瞬での判断を難しくする)ことができる。
従って、例えば、特別表示装置43a、43bの停止表示のパターン(が教示している内容)を視認しつつ、かかる情報に基づいて効率的な遊技を行おうとする遊技者と、特別表示装置43a、43bの停止表示のパターン(が教示している内容)を把握していない遊技者、或いは、装飾図柄表示装置42等の演出を堪能したいがために、特別表示装置43a、43bをあえて視認しない遊技者との間の遊技結果の差(例えば、最終的に獲得する遊技球の差)を極力小さくすることができる。つまり、特別表示装置43a、43bの表示態様に即座に対応して遊技を行う遊技者が得をする分、相対的に、特別表示装置43a、43bを視認していない遊技者が損をしてしまうといった事態を抑制することができる。結果として、特別表示装置43a、43bの停止表示のパターンを把握し、特別表示装置43a、43bを視認していなければ損をしてしまうといった意識を抑制することができ、装飾図柄表示装置42の演出表示等を存分に堪能してもらうことができる。
また、特別表示装置43a、43bの停止表示を分かり難くするために、サブ制御装置262で制御されるサブ表示装置411(サブランプ417)によって変動表示を行うこととしている。従って、例えば、特別表示装置43a、43bの停止表示を分かり難くするために、主表示装置49の停止表示をより複雑なものとする(例えば、特図ランプ401、402の数を増やす、特図ランプ401、402の停止表示のパターンを増やす等)場合に比べ、主制御装置261の制御負担を軽減したり、主表示装置49の簡素化を図ったりすることができる。
加えて、サブ表示装置411(サブランプ417)は、主表示装置49(特別表示装置43a、43b)を挟むようにして主表示装置49の左右に設けられている上、各特別表示装置43a、43bを構成するそれぞれ上下2列の特図ランプ401、402の上列と下列とが左右にランプ1個分ずれて配置されるとともに、かかる特図ランプ401、402がずれることで形成されたスペースに対しても、サブランプ417が配置されるように構成されている。このため、特別表示装置43a、43bの表示態様と、サブ表示装置411の表示態様とがより入り組む格好となる。従って、特別表示装置43a、43bの表示態様とサブ表示装置411の表示態様とで構成される全体の表示態様のなかから特別表示装置43a、43bの表示態様を瞬時に(停止表示が表示されている間に)認識して、停止表示のパターンを把握することをより難しくすることができる。
また、主制御装置261からサブ制御装置262に対して特別表示装置43a、43bの変動パターンや停止パターンに関する情報を出力可能に構成され、サブ制御装置262は、かかる情報に基づいて、サブ表示装置411の変動パターンや停止パターンを決定することとしている。これにより、サブ表示装置411の表示態様を、特別表示装置43a、43bの表示態様に合わせることができる。本実施形態では、第1特図ランプ401、又は、第2特図ランプ402と、これに隣接するサブランプ417とで構成される14個のLEDが、所定の順番で点灯するように切替表示される変動表示が行われるとともに、当否抽選の結果(大当たり種別等)に応じて、サブ表示装置411の停止表示の複数のパターンの中から選択されるパターンの範囲がある程度限定される(絞られる)ようになっている。従って、サブ表示装置411の表示態様を、特別表示装置43a、43bの表示態様とより効果的に組合わせて、より思わせぶりな表示を導出したり、サブ表示装置411の停止態様を、特別表示装置43a、43bの停止態様と組合わせて、所定の意味のある表示が導出されるようにしたりすることができる。
さらに、本実施形態では、特別表示装置43a、43bの停止表示のパターン(特図ランプ401、402の点灯パターン)が異なるにもかかわらず、サブ表示装置411の停止表示のパターン(サブランプ417の点灯パターン)と組合わせると、同様の表示態様(形)になる(図45参照)といった場合が生じるように構成されている。特に、本実施形態では、特図ランプ401の点灯パターンが、それぞれ「8RS」であること、及び、「8RN」であることを教示しているにも関わらず、サブランプ417の点灯パターンと組合わさると、同様の表示態様とされてしまう場合があり、さらには、装飾図柄表示装置42における表示態様も同様とされる場合がある。この場合、装飾図柄表示装置42を視認しているだけでは、「8RS」、及び、「8RN」のどちらであるのかを把握することができず、把握するためには、主表示装置49の第1特別表示装置43a又は第2特別表示装置43b(第1特図ランプ401又は第2特図ランプ402)の停止パターンを把握するしかない。しかしながら、上記のように、複合表示装置ユニット40を視認しても、第1特別表示装置43a又は第2特別表示装置43bの停止パターンを瞬時に判断することは難しく、従って、「8RS」、及び、「8RN」のどちらであるのかを把握し難い。これにより、既に決定されている内容が教示されるタイミングを、極力、先延ばしにして、その間に、様々な演出を導出することができるとともに、特別表示装置43a、43bの停止表示をより分かり難くして、知識などに起因する不公平感を抑制し、装飾図柄表示装置42等における演出をより堪能してもらうといった作用効果がより一層奏されることとなる。
さらに、本実施形態では、サブ表示装置411(第1サブ表示装置411a及び第2サブ表示装置411b)のサブランプ417の一部(上下方向に並ぶ4個のサブランプ417)を覆う被覆位置と、当該サブ表示装置411のサブランプ417の前記一部を露出させる露出位置との間を変位可能な被覆シャッタ441(第1シャッタ442及び第2シャッタ443)が設けられている。そして、被覆シャッタ441の変位により、サブ表示装置411(サブランプ417)のうち視認可能となる視認範囲を変更し、特別表示装置43a、43bの表示態様とサブ表示装置411の表示態様とで構成される全体の表示態様を一変させることができる。また、例えば、図45(a)は、第1特図ランプ401及びその左右に配置されたサブランプ417のうち点灯するランプを図45(b)から1つずつ右にずらした態様とされているが、かかる発光態様の違いに応じて、被覆シャッタ441(第1シャッタ442及び第2シャッタ443)を変位させることで、点灯されていないサブランプ417から(余白)からパターンを推測されてしまうといった事態を抑制することができる。従って、特別表示装置43a、43bの表示態様を認識して、停止表示を把握することをより難しくすることができる。
加えて、特別表示装置43a、43b、及び、サブ表示装置411は、それぞれ複数のLEDの点灯態様を変化させることにより変動表示を行っていることから、例えば、特別表示装置43a、43b、及び、サブ表示装置411が、液晶表示装置で構成される場合に比べて制御の簡素化等が図られ、セグメント表示装置で構成される場合に比べて設計の自由度が向上する。また、特図ランプ401、402と、サブランプ417とは、上記のように入り組んで配置されているものの、全体としては、行列状に配置されており、意匠性の向上が図られるとともに、特図ランプ401、402と、サブランプ417との境界が分かり難くなるといった作用効果がより一層奏されることとなる。
また、主表示装置49及びサブ表示装置411は、主表示装置49及びサブ表示装置411に搭載された特図ランプ401、402等のLEDをそれぞれ挿入可能な複数の挿入孔422が形成された取付パネル421の後面側に対し、当該主表示装置49及びサブ表示装置411の基板の前面が当接状態で取付けられている。このため、取付パネル421によって、主表示装置49及びサブ表示装置411の基板の位置決めを行うことができる。従って、主表示装置49及びサブ表示装置411のLED、つまり、特図ランプ401、402と、その左右側方に配置されるサブランプ417とを同一平面上にずれなく設置することができ、例えば、ずれているような場合に比べ、特図ランプ401、402と、サブランプ417との区別を付け難くすることができる。
さらに、取付パネル421によって、主表示装置49の基板と、サブ表示装置411の基板との境目を分かり難くすることができる。従って、特図ランプ401、402と、サブランプ417との区別をより付け難くすることができる。
加えて、特図ランプ401、402とサブランプ417とは全体として行列状に配置され、第1変動表示及び第2変動表示では、規則的な点灯の態様を特図ランプ401、402及びサブランプ417の全体にまわしていく構成となっており、例えば、特図ランプ401、402だけで光をまわしたりする場合に比べて、第1及び第2変動表示の見た目が良くなる(自然になる)上、特図ランプ401、402と、サブランプ417との区切りを分かり難くすることができ、特別表示装置43a、43bの変動停止時には、特別表示装置43a、43bの停止表示を分かり難くするといった上記作用効果がより確実に奏されることとなる。
さらに、特別表示装置43a、43bの変動表示中において、特図ランプ401、402及びサブランプ417のうち少なくとも1つが点灯している状態においては、該当する(変動表示中の)特図ランプ401、402の少なくとも1つが点灯状態とされるように構成されている。これにより、特別表示装置43a、43bが変動表示中であることを確実に示すことができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態において、第1特別表示装置43a、第2特別表示装置43b、普通図柄表示装置41、第1保留表示装置46a、第2保留表示装置46b、普通保留表示装置44、及び、サブ表示装置411を構成するLEDの配置や数等は特に限定されるものではなく、適宜設計変更可能である。例えば、上記実施形態では、特図ランプ401、402やサブランプ417等がマトリクス状に配置されていたが、図48に示すように、放射状に配置されてもよい。また、特図ランプ401、402やサブランプ417等が等間隔で配置されているが、部分的に間隔が異なるように配置されてもよい(互いに近接していない部位が存在していてもよい)。さらに、複合表示装置ユニット40の構造(主表示装置49及びサブ表示装置411の取付構造等)については特に限定されるものではなく、適宜設計変更可能である。例えば、上記実施形態では、1枚の主表示装置49(制御基板)と、2枚のサブ表示装置411(制御基板)とが取付パネル421に取付けられているが、例えば、主表示装置49を複数の制御基板によって構成され、それらが取付パネル421にそれぞれ取付けられるように構成してもよい。また、例えば、上記実施形態では、主表示装置49及びサブ表示装置411が取付パネル421に取付けられているが、取付パネル421を省略して、主表示装置49及びサブ表示装置411をベース部材431に取付けることとしてもよい。尚、取付パネル421の形状や素材、色相等についても特に限定されるものではなく、例えば、取付パネル421を不透明樹脂で構成することとしてもよい。加えて、上記実施形態では、複合表示装置ユニット40が遊技盤30に取付けられているが、内枠12や前面枠セット14に取付けられるように構成してもよい。
また、複合表示装置ユニット40にまとめて設けられる表示装置についても特に限定されるものではなく、例えば、普通図柄表示装置41及び普通保留表示装置44は別の部材に設ける等、機種毎に適宜変更可能である。さらに、上記実施形態では、特別表示装置43a、43bやサブ表示装置411が複数のLEDによって構成されているが、別の表示装置によって構成してもよい。例えば、3つの同じセグメント表示装置を左右方向に並べて配置し、左から第1サブ表示装置、第1特別表示装置、第2サブ表示装置として構成するとともに、第1サブ表示装置を被覆可能な第1シャッタと、第2サブ表示装置を被覆可能な第2シャッタとを設けることとしてもよい。尚、当該構成を採用する場合、第1シャッタが被覆位置にあり、かつ、第2シャッタが露出位置にある場合において、第1特別表示装置で「1」を表示し、第2サブ表示装置で「3」を表示した場合と、第1シャッタが露出位置にあり、かつ、第2シャッタが被覆位置にある場合において、第1サブ表示装置で「1」を表示し、第1特別表示装置で「3」を表示した場合とでは、いずれも「13」という同じ数字が表示されることとなる。
加えて、例えば、特別表示装置43a、43bやサブ表示装置411を、液晶表示装置や、外周面に識別情報が付された回転体(リールや立方体等)等で構成することとしてもよい。
(b)また、上記実施形態では、サブ表示装置411のサブランプ417が付随的に設けられる対象として第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bが適用されているが、かかる構成に代えて、又は、加えて、例えば、図47に示すように、普通図柄表示装置41(普図ランプ405)に対応してサブランプ417を設け、普通図柄表示装置41の変動表示の開始時と停止時に、その旨が主制御装置261からサブ制御装置262に対して出力されるように構成し、普通図柄表示装置41(普図ランプ405)の変動表示と同期させてサブランプ417を点灯表示するように構成してもよい。さらに、普通保留表示装置44(普通保留ランプ406)に対応してサブランプ417を設け、普通保留表示装置44の点灯態様が変更されるタイミングで、その旨が主制御装置261からサブ制御装置262に出力されるように構成し、普通保留表示装置44の点灯態様の変更と同期させてサブランプ417を点灯表示するように構成してもよい。
これらの構成を採用する場合、普通図柄表示装置41の見た目によって入球サポート抽選が当選したか否かの判断をすることを難しくしたり、普通図柄表示装置41の変動表示がいくつ保留されているのかの判断に時間がかかるようにしたりすることができる。従って、複合表示装置ユニット40(普通図柄表示装置41)を視認して、第2始動入賞装置33b(羽根部材37)の開放タイミングを計り、遊技球を効率よく第2始動入賞装置33bに入球させるといった行為を難しくすることができ、かかる行為を行わない遊技者との間で(最終的に獲得する遊技球の数等に関して)格差がついてしまうといった事態を抑制することができる。
尚、当該構成を採用する場合、普通図柄表示装置41が主表示手段に相当し、普通保留表示装置44が保留表示手段に相当する。さらに、第1保留表示装置46a(第1保留ランプ403)や第2保留表示装置46b(第2保留ランプ404)に対応してサブランプ417を設けることとしてもよい。この場合、第1保留表示装置46a及び第2保留表示装置46bが保留表示手段に相当する。
(c)さらに、例えば、図47に示すように、第1特別表示装置43a、第2特別表示装置43b、普通図柄表示装置41、第1保留表示装置46a、第2保留表示装置46b、普通保留表示装置44、及び、サブ表示装置411のいずれかに隣接するようにして、サブ制御装置262によって制御され、装飾図柄表示装置42の変動表示と対応(連動)する装飾表示が行われる装飾手段、及び、装飾表示手段としての複数の装飾ランプ461(特図ランプ401、402等と同じ製品のLED)を設けることとしてもよい。つまり、第1変動表示中であれば、第1特図ランプ401及びその左右両側方のサブランプ417による変動表示(切替表示)が行われるとともに、装飾ランプ461が所定の順番通りに点灯する(例えば、左から右側へ順次点灯したり、左右両側方から中央側へ順次点灯したり、装飾図柄の変動停止直前には高速変動等の別の態様となったりする等)こととなる。
この場合、特別表示装置43a、43bの表示態様の瞬時の判別がより難しくなるとともに、特別表示装置43a、43bの周辺部を視認していても、装飾図柄表示装置42で派手な演出表示が行われた場合等において、かかる演出表示と対応する装飾ランプ461の表示の方に気を取られ易くなる。従って、特別表示装置43a、43bの停止表示を分かり難くするといった上記作用効果がより一層奏されることとなる。
尚、装飾ランプ461に代えて、又は、加えて、第1特別表示装置43a、第2特別表示装置43b、普通図柄表示装置41、第1保留表示装置46a、第2保留表示装置46b、普通保留表示装置44、及び、サブ表示装置411のいずれかに隣接するようにして、サブ制御装置262によって制御され、装飾図柄表示装置42の変動表示と対応(連動)して動作する装飾手段、及び、可動装飾手段としての可動役物を設けることとしてもよい。例えば、装飾ランプ461が設けられていた位置に対し、前部に所定の模様(例えば、花模様等)が付された可動役物を回転可能に設けることとしてもよい。また、例えば、上記実施形態の被覆シャッタ441(第1シャッタ442、第2シャッタ443)の前方において、主表示装置49及びサブ表示装置411を囲うようにして配置される略枠状の可動役物が設けられ、可動役物は左右一対のコ字型役物により構成され、各コ字型役物は、第1シャッタ442、第2シャッタ443と同様に、サブ表示装置411の一部を出没させるようにして左右にスライド可能に構成されるとともに、左右に振動したり、回動したりするように構成されることとしてもよい。
(d)上記実施形態では、サブランプ417の停止パターンの決定に際して、第1特図ランプ401又は第2特図ランプ402の停止パターンに基づいて、参照するサブランプパターン決定テーブルを決定し、かかるサブランプパターンを参照することで、複数のサブランプ417の停止パターンの中から1つを選択するといった具合に、第1特図ランプ401又は第2特図ランプ402の停止パターンに基づいて、サブランプ417の停止パターンの範囲を絞るといったような構成となっているが、特にかかる構成に限定されるものではない。例えば、第1特図ランプ401の停止パターンが特定の停止パターンである場合には、サブランプ417の停止パターンも1パターンで決定されるように構成してもよい。また、例えば、図45のような、主表示装置49の停止パターンは異なるものの、サブ表示装置411の停止パターンと組合わせると同じ態様となる(位置は異なるが同じ形になる)組合わせが別に存在するものとするか否かの抽選を行い、当選した場合にサブランプ417を該当の停止パターンとし、当選しなかった場合に、別の停止パターンのいずれかが選択されるように構成してもよい。
尚、特別表示装置43a、43b、普通図柄表示装置41、及び、サブ表示装置411の変動パターンや停止パターン等については特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。また、特別表示装置43a、43b、普通図柄表示装置41、及び、サブ表示装置411等は、複数のLEDによって構成される以外にも、セグメント表示装置、液晶表示装置、ドット表示装置、回転体表示装置、或いは、これらの組合わせによって構成されることとしてもよい。
さらに、上記実施形態では、液晶表示装置により構成される装飾図柄表示装置42が設けられているが、別の表示装置を採用してもよい。加えて、装飾図柄表示装置42を省略することも可能である。但し、主表示装置49の変動表示と並行して、複合表示装置ユニット40とは別に演出を行う手段(音声やランプの発光だけでも可)を備えることによって、演出性、遊技性の向上等を図ることができる。
(e)上記実施形態では、主制御装置261からサブ制御装置262に対して第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bの第1特図ランプ401又は第2特図ランプ402の停止パターンの情報を出力しているが、出力しなくてもよい。但し、出力することで、サブ表示装置411の発光態様や被覆シャッタ441の動作を特別表示装置43a、43bの発光態様に合わせることが可能となり、サブ表示装置411の表示態様で意図的に特別表示装置43a、43bの表示態様をより分かり難くしたり、或いは、特別表示装置43a、43bとサブ表示装置411とで意味のある表示をしたりすることができる。
尚、上記実施形態では、特別表示装置43a、43bの変動情報が、変動パターンコマンドに含まれるように構成されているが、変動パターンコマンドとは別に、変動パターンコマンドとほぼ同時に出力されるコマンドに含まれるように構成してもよい。
(f)上記実施形態において、少なくとも第2始動入賞装置33bの前方を覆う始動被覆手段としての装飾パネルを設け、かかる装飾パネルによって前方が覆われる被覆領域において、遊技領域を移動する遊技球が通過可能なゲート、又は、入球可能な入球装置を設けるとともに、ゲートを通過した遊技球を検知可能な通過検知手段、又は、入球装置に入球した遊技球を検知可能な入球検知手段を設ける構成とし、通過検知手段、又は、入球検知手段の検知が行われた場合に、装飾図柄表示装置42の保留表示エリアに対して保留アイコンを模した疑似保留アイコンを表示して、変動表示が保留されたのか否かの演出を導出するよう構成してもよい。
かかる構成を採用する場合には、保留表示手段としての第1保留表示装置46a(第1保留ランプ403)や第2保留表示装置45b(第2保留ランプ404)に隣接して、サブ表示手段としてのサブ表示装置411(サブランプ417)を設け、装飾図柄表示装置42において疑似保留アイコンが導出される場合に、対応するサブランプ417の点灯態様が変化するように構成してもよい。この場合、複合表示装置ユニット40を視認すれば一目で変動表示が保留されていないことが判別されてしまうといった事態を抑制することができる。
尚、装飾パネルは、第1始動入賞装置33aの前方を覆うように構成してもよいし、第1始動入賞装置33aと第2始動入賞装置33bとが比較的近くに配置される場合には、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bの両方を覆うように構成してもよい。また、本態様例では、ゲート又は入球装置が疑似入賞検知手段を構成し、疑似保留アイコンが疑似入賞態様に相当する。
加えて、疑似保留アイコンに関しては、興趣の低下を招くことを回避するべく、特別表示装置42a、43bの変動表示が1つも保留されていない状態では、疑似入賞検知手段の検知が行われたとしても導出されないように構成することが望ましい。また、疑似保留アイコンを最後まで保留アイコンとして勘違いすることに起因するトラブル発生を抑制するべく、疑似保留アイコンと、本当の保留アイコンとでは、態様が異なるように構成することが望ましい。さらに、保留アイコンが表示される場合であっても、その前段階として、疑似保留アイコンと同様の態様をなす前駆保留アイコンを先ず表示しておき、その後、かかる前駆保留アイコンが保留アイコンに変化するように構成することとしてもよい。この場合、疑似保留アイコンが表示されても、即座に保留アイコンではないと判断されてしまうといった事態を回避することができる。
(g)上記実施形態において、少なくともスルーゲート34の前方を覆うサポート被覆手段としての装飾パネルを設け、かかる装飾パネルによって前方が覆われる被覆領域において、遊技領域を移動する遊技球が通過可能なゲートを設けるとともに、ゲートを通過した遊技球を検知可能な通過検知手段を設ける構成とし、普通図柄表示装置41(普図ランプ405)及び普通保留装置44(普通保留ランプ406)のうち少なくとも普通図柄表示装置41に隣接して、通過検知手段の検知が行われた場合に(演出又は装飾のために)切替表示が行われる疑似変動表示手段を設けることとしてもよい。この場合、普通図柄表示装置41が停止表示されたのか否かや、普通図柄表示装置41の停止表示のパターンを分かり難くすることができ、結果として、複合表示装置ユニット40を視認することで第2始動入賞装置33b(羽根部材37)の開放タイミングを図るといった行為をより難しくすることができる。
尚、疑似変動表示手段は、サブ制御装置262に電気的に接続されるとともに、対応して設置される普通図柄表示装置41(及び普通保留表示装置44)の表示部(上記例では複数のLED)と同様の表示部(複数のLED)を備え、通過検知手段の検知が行われた場合に、サブ制御装置262によって、疑似変動表示手段の点灯態様(普通図柄表示装置41に対応するものについては変動パターン及び停止パターン)が決定される。
(h)上記実施形態では、被覆シャッタ441として、第1シャッタ442及び第2シャッタ443が設けられているが、被覆シャッタ441の数や配置等は特に限定されるものではなく、サブランプ417の配置等に応じて、機種毎に適宜変更可能である。但し、被覆シャッタ441を左右一対や上下一対といった具合に設けることで、露出するサブ表示装置411の面積を変えずに、被覆するサブランプ417を変える(露出するサブ表示装置411の部位も変わる)ことが可能となる。さらに、全てのサブランプ417を一度に覆うことのできるように被覆シャッタ441を構成してもよい。また、上記実施形態では、特別表示装置43a、43bの変動表示中は、第1シャッタ442及び第2シャッタ443が露出位置において維持されるように構成されているが、変動表示中においても、被覆シャッタ441が動作するように構成してもよい。さらに、被覆シャッタ441の構成としても特に限定されるものではなく、例えば、第1シャッタ442及び第2シャッタ443を回動変位させるように構成してもよいし、モータで変位させてもよいし、被覆シャッタ(被覆手段)として、導光板やハーフミラーを設置することとしてもよい。加えて、被覆シャッタ441の前面に発光手段を設けることとしてもよい。例えば、被覆シャッタ441の前面に対し、サブランプ417等と対応する配置で、サブランプ417等と同じLEDを設け、被覆シャッタ441が露出位置にある場合にも、点灯制御される(サブランプ417と同様の活用を図る場合には、サブ表示手段として構成される。)こととしてもよい。
尚、被覆シャッタ441(被覆手段)を省略することも可能である。また、被覆シャッタ441を省略する場合であっても、サブ表示装置411(サブランプ417)の点灯態様を適宜変更することによって、例えば、当否抽選における第1の結果(例えば、「16RS」に当選)を教示する主表示装置49の第1特別表示装置43a又は第2特別表示装置43b(第1特図ランプ401又は第2特図ランプ402)の第1態様と、サブランプ417の点灯態様とを組合わせた第1の複合態様と、当否抽選における第2の結果(例えば、「8RS」に当選)を教示する第1特図ランプ401又は第2特図ランプ402の第2態様と、サブランプ417の点灯態様とを組合わせた第2の複合態様とを同じ表示態様(表示される位置は異なるが、形は同じ)とすることができるように構成してもよい。この場合にも、主表示装置49の停止パターンを把握し難くするといった作用効果が奏される。
(i)上記実施形態では、特別表示装置43a、43bにおいて当否抽選の結果が表示されてから1秒が経過すると、次の変動表示が行われなくても(大当たり状態に移行したり、待機状態に移行したりした場合)変動インターバル期間の経過後(上記例では1秒後)に待機状態に対応する表示パターンに切替わるように構成されているが、次の変動表示が開始されるまでは、表示パターンが停止表示のまま維持されるように構成してもよい。
また、複合表示装置ユニット40において、遊技モードを教示する遊技モード教示装置を設けることとしてもよい。当該構成を採用する場合、遊技モード教示装置において、同一モードを示す表示態様が順番に切替表示されるように構成し、遊技モードの判別が比較的難しくなるように構成してもよい。
(j)上記実施形態において、主表示装置49及びサブ表示装置411のうち少なくとも一方が変位可能に構成されていることとしてもよい。例えば、主表示装置49の各種ランプに対して、サブ表示装置411のサブランプ417が上下方向に一列ずれたり、所定のサブランプ417が視認可能な位置と、視認不可能な位置との間を変化するように構成したりするように構成してもよい。この場合、主表示装置49の表示態様とサブ表示装置411の表示態様とで構成される全体の表示態様を一変させることができ、主表示装置49の表示態様を認識して、確定表示を把握することをより難しくすることができる。
(k)上記実施形態では、主表示装置49(第1特図ランプ401、第2特図ランプ402)に隣接してサブ表示装置411(サブランプ417)を設けることで、主表示装置49の停止パターンを把握し難くするように構成されているが、別の方法で、主表示装置49の停止パターンを把握し難くするよう構成してもよい。以下、態様例について、図49を参照して説明する。
(k−1)図49に示す複合表示種ニット40は、基本的に上記実施形態(図41等参照)と同様の構成を備えているが、取付パネル421と、被覆シャッタ441(第1シャッタ442、第2シャッタ443)との間に比較的大きな隙間が形成され、第1シャッタ442、及び、第2シャッタ443の各裏面(後面)に対して、主表示装置49及びサブ表示装置411に向けて光を照射可能な照射手段としての照射ランプ465(LED等)が取付けられている。本例では、照射ランプ465の光は、特図ランプ401、402、及び、サブランプ417に当たるようになっている。加えて、本実施形態の照射ランプ465の光の色は、特図ランプ401、402、及び、サブランプ417の光の色と同じとなっている(照射ランプ465は、特図ランプ401、402、及び、サブランプ417等と同じランプ(LED)が使用されている)。
また、主表示装置49及びサブ表示装置411は、取付パネル421の後面側にまとめて取付けられており、照射ランプ465の光は、特図ランプ401、402、及び、サブランプ417の周辺部である取付パネル421の前面にも照射されることとなる。本実施形態では、取付パネル421の前面がメッキ加工されており(図示略)、これにより、取付パネル421前面の光の反射率が(特図ランプ401、402、及び、サブランプ417のほぼ透明な表面よりも)高められている。
さらに、取付パネル421の前面のうち、特図ランプ401、402、及び、サブランプ417等を個別に挿入する挿入孔422の周辺部が、挿入孔422側に向けて後方傾斜するようにして漏斗状に形成されている。
また、照射ランプ465は、サブ制御装置262によって点灯制御され、サブ制御装置262は、主制御装置261から送信される特別表示装置43a、43bの停止パターンに関する情報である変動パターンコマンドに基づいて、サブ表示装置411(サブランプ417)の点灯態様や、照射ランプ465の照射態様を決定する。さらに、照射ランプ465は、少なくとも、第1特別表示装置43a、第2特別表示装置43bにおける特図ランプ401、402の変動表示の終了のタイミングの前後で態様変化するように構成されている。本実施形態では、照射ランプ465は、特図ランプ401、402の変動表示中は消灯し、特図ランプ401、402が所定の点灯態様で停止表示されてから、インターバル期間が経過するまでの間に点灯するといったパターンと、特図ランプ401、402の変動表示中はゆっくりと点滅し、特図ランプ401、402が所定の点灯態様で停止表示されてから、インターバル期間が経過するまでの間は素早く点滅するといったパターンとがある。
以上のように、本態様例では、特図ランプ401、402、サブランプ417、及び、その周辺部である取付パネル421の前面に照射ランプ465の光が照射されるようになっている。そして、特図ランプ401、402のうち、当否抽選の結果を教示するべく点灯しているものと、その周辺部との境界部を含む範囲に対して照射ランプ465の光が当たることで、両者間のコントラストを極力あいまいにしたり(ぼかしたり)、特図ランプ401、402に対して照射ランプ465の光が当たることで、現在、該当部位が点灯しているのか、或いは、消灯しているのかを分かり難くしたりすることができる。これにより、主表示装置49(特図ランプ401、402)の停止パターンを分かり難くする(一瞬での判断を難しくする)といった作用効果が奏されることとなる。
さらに、特図ランプ401、402と、サブランプ417との間の部位に光が照射されることによって、特図ランプ401、402とサブランプ417との境目がどこになるのかが認識し難くなる、ひいては、特図ランプ401、402の停止パターンが認識し難くなる。これにより、特図ランプ401、402の停止パターンを把握し、特図ランプ401、402を視認していなければ損をしてしまうといった意識を抑制するといった作用効果がより一層奏されることとなる。
また、本態様例では、特図ランプ401、402、及び、サブランプ417の周辺部である取付パネル421の前面がメッキ加工され、光の反射率が高められている。このため、照射ランプ465の光を照射することにより、特図ランプ401、402、及び、サブランプ417と、その周辺部との間の境界を極力あいまいにするといった作用効果がより一層奏されることとなる。
さらに、取付パネル421の前面のうち、特図ランプ401、402、及び、サブランプ417を挿入させるための挿入孔422の周辺部が、挿入孔422側に向けて後方に傾斜するように構成されている。これにより、取付パネル421の前面のうち特図ランプ401、402、及び、サブランプ417の周辺部が、主表示装置49及びサブ表示装置411の側方、かつ、前方(斜め前方)に配置される照射ランプ465側に傾斜する傾斜面を有することとなる。かかる傾斜面によって、照射ランプ465によって照射された斜め前方からの光を、効率的に前方(遊技者側)に反射させることができる。
加えて、(前方の遊技者側から見て)特図ランプ401、402、及び、サブランプ417の(前端部の)周辺部が、主表示装置49やサブ表示装置411の基板そのものではなく、取付パネル421によって構成されていることから、特図ランプ401、402、及び、サブランプ417の周辺部の加工を(上記のように反射率を高めたり、凹状に形成したりする等)比較的自由かつ容易に行うことができる。
また、照射ランプ465は、特別表示装置43a、43b(特図ランプ401、402)の変動表示の終了(停止表示)のタイミングの前後で態様変化するように構成されている。特に、特別表示装置43a、43bの停止表示後は、停止表示前よりも、照射ランプ465の態様が比較的派手になるように構成されている。これにより、主表示装置49(特図ランプ401、402)の停止パターンを把握され難くするといった上記作用効果がより一層奏されることとなる。
尚、照射ランプ465は、サブ制御装置262によって制御されるため、主制御装置261に照射ランプ465の制御を実行させる場合に比べ、主制御装置261の制御負担を減らしつつ、サブランプ417の表示態様と、照射ランプ465の照射状態とを確実に合わせることができる。また、サブ制御装置262は、主制御装置261から送信される変動パターンコマンドに基づいて、サブ表示装置411(サブランプ417)の点灯態様や、照射ランプ465の照射態様を決定する。このため、サブランプ417の点灯態様、及び、照射ランプ465の照射態様を、特図ランプ401、402の変動表示や停止パターンに合わせることができる。
また、照射ランプ465は、被覆シャッタ441の裏側に取付けられ、被覆シャッタ441とともに変位可能に構成されている。これにより、被覆シャッタ441の位置と、照射ランプ465による照射態様(照射される光の位置)との間の位置ずれを防止することができる。このため、例えば、図45(a)、(b)に示すように、第1特図ランプ401の点灯態様と、サブランプ417の点灯態様とによって構成される複合表示の表示態様としては同じものを、異なる表示位置において導出可能とする場合に、その表示位置が異なっていることを分かり難くするべく、第1シャッタ442、及び、第2シャッタ443を使用して、サブ表示装置411の表示部のうち使用されていない領域を被覆するといった構成を採用する場合、8つの第1特図ランプ401と、サブランプ417のうち第1特図ランプ401の左右両側方に配置される6つのサブランプ417とで構成される14個のLED群のうち、図45(a)の状態では、左側の2つ(縦×横;2×1)と、右側の4つ(縦×横;2×2)のLEDに対して照射ランプ465の光が照射されるのに対し、図45(b)の状態では、左側の4つ(縦×横;2×2)と、右側の2つ(縦×横;2×1)のLEDに対して照射ランプ465の光が照射されるといった具合に、照射ランプ465の光の態様が異なること等を回避することができる。従って、照射ランプ465の光の態様によって、被覆シャッタ441が変位したことが簡単に推測され、主表示装置49(特図ランプ401、402)の停止パターンを認識し易くなってしまうといった事態を抑制することができる。また、照射ランプ465自体が直接視認されることによって、意匠性の低下等を招くといった事態を回避することができる。
(k−2)上記態様例(k−1)では、取付パネル421の前面のうち、各挿入孔432の周縁部が、挿入孔432側に向けて後方傾斜するように構成されているが、特にかかる構成に限定されるものではない。例えば、取付パネル421の前面に対し、特図ランプ401、402やサブランプ417の前面視形状と同じような凹部又は突部を形成し、そこに照射ランプ465の光を当てるように構成してもよい。さらに、例えば、取付パネル421の前面をランダムに凹凸形成することとしてもよいし、上記実施形態のように、平坦状に形成してもよい。
さらに、上記態様例(k−1)において、照射ランプ465や、特図ランプ401、402、及び、サブランプ417等を三色LED等の複数の発光色を導出可能なランプで構成することとしてもよい。その場合、特図ランプ401、402の停止表示のタイミングにおいて、照射ランプ465が、対象とする特図ランプ401、402に向けて、対象とする特図ランプ401、402の発光色と同じ色の光を照射するように構成してもよい。
また、上記態様例(k−1)では、照射ランプ465が被覆シャッタ441の裏面に取付けられているが、特にかかる構成に限定されるものではなく、例えば、特図ランプ401、402、及び、サブランプ417に対して相対変位しないように、取付パネル421に取付けたり、複合表示装置ユニット40に隣接して照射ランプ465を備える照射台を設けたりしてもよいし、照射ランプ465が、取付部位に対して変位可能(所定の駆動手段の駆動力により、傾動可能、又は、回動可能)なように設けられていることとしてもよい。さらに、照射ランプ465は、遊技者から視認可能な位置に設けられてもよいし、視認不可能な位置に設けられてもよいし、被覆シャッタ441の位置によって見え隠れするように構成してもよい。
加えて、照射ランプ465は、光源から直接的に主表示装置49側に向けて光を照射しなくても、鏡等の反射手段で反射させて主表示装置49に光を照射するように構成することも可能である。また、上記態様例(k−1)では、特図ランプ401、402、及び、サブランプ417の周辺部である取付パネル421の前面をメッキ加工しているが、特にかかる構成に限定されるものではない。但し、照射ランプ465から光を照射することで、特図ランプ401、402、及び、サブランプ417と、その周辺部との間のコントラストを低減させるといった観点からすると、少なくとも取付パネル421の前面は、反射率の高い素材で構成されることが望ましい。反射率の高い素材としては、鏡のような反射角がほぼ一定のものでもよいし、白い板等のような反射角がばらばらのものであってもよい。
尚、図47や図48の装飾ランプ461の光が前方だけでなく、側方、すなわち、第1特図ランプ401、第2特図ランプ402、普図ランプ405、第1保留ランプ403、第2保留ランプ404、普通保留ランプ406、及び、サブランプ417や、その周辺部にも照射されるように構成してもよい。この場合、これらの各種ランプと、その周辺部との境界部を分かり難くするといった作用効果がより一層奏されることとなる。また、当該構成を採用する場合、装飾ランプ461が照射手段を構成する。
さらに、上記態様例(k−1)では特に言及していないが、「前後方向において、前記発光手段の前端部と、前記取付パネルの前面とがほぼ同じ位置とされていること」としてもよい。また、例えば、「前記発光手段の前端部が平面状に構成されていること」としてもよい。これらの構成を採用する場合、発光手段と、その周辺部との間の見た目の差を極力抑制するといった作用効果がより一層奏される。
加えて、上記態様例(k−1)では、照射ランプ465の光が、特図ランプ401、402、及び、サブランプ417やその周辺部に照射可能に構成されているが、特にかかる構成に限定されるものではなく、少なくとも特図ランプ401、402が設けられた特別表示装置43a、43bの前面側に向けて照射可能に構成されていればよい。例えば、保留ランプ403、404に並べてサブランプ417を設け、保留ランプ403、404の点灯態様に変化に応じて、サブランプ417の点灯態様も変化させる構成の場合には、保留ランプ403、404に照射ランプ465の光が照射されるように構成してもよいし、普図ランプ405の点灯態様に変化に応じて、サブランプ417の点灯態様も変化させる構成の場合には、普図ランプ405に照射ランプ465の光が照射されるように構成してもよい。
尚、サブ表示装置411とは別の方法で、主表示装置49の停止パターンを把握し難くするといった構成を備える場合には、サブ表示装置411を省略することも可能である。
(l)また、例えば、図50に示すように、主表示装置49の前方において、上下方向を回転軸線として回動可能に構成された回動ミラープレート471を設けるとともに、主表示装置49の左右両側方において、主表示装置49側から側方に向けて前方に傾斜して延びる左右一対の固定ミラープレート472、473を設けることとしてもよい。
そして、図50の実線で示すように、回動ミラープレート471が左前方に回動した場合には、主表示装置49(特図ランプ401、402)の態様が、回動ミラープレート471、及び、左固定ミラープレート472に反射して、前方から視認されるようになる。一方、図50の2点鎖線で示すように、回動ミラープレート471が右前方に回動した場合には、主表示装置49の態様が、回動ミラープレート471、及び、右固定ミラープレート473に反射して、前方から視認されるようになる。この場合、主表示装置49の表示位置を一瞬で別の位置に移す(切替える)ことができ、主表示装置49の停止パターンを把握し難くするといった作用効果が奏される。
また、図50に示す複合表示ユニット40には、固定ミラープレート472、473に隣接して、サブ表示手段、装飾手段、又は、照射手段としての固定側発光部475(LED等)が設けられるとともに、回動ミラープレート471(主表示装置49の反射態様と重ならない位置)において、サブ表示手段、装飾手段、又は、照射手段としての回動側発光部476(LED等)が設けられている。回動側発光部476から照射された光は、固定ミラープレート472、473に反射して、上記した特図ランプ401、402の光とともに、前方に照射される。さらに、固定側発光部475の光(回動ミラープレート471が回動した側の固定側発光部475が発光する)も、特図ランプ401、402、及び、回動側発光部476の光とともに、前方に照射されるようになっている。
加えて、回動ミラープレート471は、特図ランプ401、402の停止表示の直前で、回動変位するように構成されている。さらに、回動側発光部476についても、上記実施形態のサブランプ417のように、特図ランプ401、402の点灯態様の変化に合わせて点灯態様が変化するように構成されている。これにより、特図ランプ401、402の停止パターンを認識し難くするといった作用効果がより確実に奏されることとなる。
尚、回動ミラープレート471は、主表示装置49の前面(取付パネル421)と平行な正対位置でも停止するように構成されるとともに、回動ミラープレート471のうち特図ランプ401、402と対向する部位については、ビームスプリッターにより構成されるようにしてもよい。この場合、回動ミラープレート471を正対位置として、特図ランプ401、402の点灯態様を、回動ミラープレート471を透かして見るといったパターンを増やすことができる。
(m)上記実施形態では、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球に基づく変動表示よりも、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づく変動表示の方が優先して実行されるように構成されているが、第1始動入賞装置33a、及び、第2始動入賞装置33bのどちらへの入球に基づく変動表示であるかに関わらず、保留された順番通りに変動表示が消化されるように構成してもよい。また、上記実施形態では、装飾図柄表示装置42において、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bのどちらへの入球に基づく変動表示なのかを教示しない(保留アイコンを視認しただけでは把握できない)構成となっているが、どちらに対応する変動表示であるかが分かるように構成してもよい。
さらに、上記実施形態では、装飾図柄表示装置42において、特別表示装置43a、43bの変動表示の保留数の上限と同じ数の保留アイコンを表示可能に構成されているが、例えば、特別表示装置43a、43bの変動表示が合計で5つ以上保留されている場合であっても、装飾図柄表示装置42では保留アイコンが最大で4つまでしか表示されないように構成してもよい。また、保留アイコンを変動表示の保留数の上限と同じ数(上記例では8つ)だけ表示可能にする場合において、保留アイコンの表示スペース(保留表示エリア)の縮小化を図るべく、先に消化される4つの保留アイコンよりも、後に消化される4つの保留アイコンを小さく表示するように構成してもよい。また、後に消化される4つの保留アイコンの態様については、保留の数が把握可能な程度の簡略化されたような態様となるように構成してもよい。
(n)上記実施形態において大当たり確率や、大当たり種別の数や、各種大当たり種別の可変入賞装置32a、32bの開閉パターン等は特に限定されるものではなく、機種ごとに適宜設定可能である。さらに、上記実施形態では、当否抽選での当選確率が変動する構成となっているが、当選確率が変動せず(一定であり)、大当たり状態終了後に付与される高入球状態の期間(変動回数)が複数パターン用意されているパチンコ機に上記構成を適用してもよい。
また、上記実施形態において、始動入賞装置33a、33b、可変入賞装置32a、32b、スルーゲート34の数や配置等は特に限定されるものではなく、機種毎に設定可能である。さらに、上記実施形態では、第1始動入賞装置33aに遊技球が入球した場合に行われる当否抽選と、第2始動入賞装置33bに遊技球が入球した場合に行われる当否抽選とで別々のテーブルが参照され、大当たり種別の振分けが変化するように構成されているが、同じにしてもよい。
(o)上記実施形態では、主制御装置261にてメイン処理(図9参照)の後、通常処理(図10参照)を行う構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、メイン処理のステップS111の後に、上記実施形態で通常処理のステップS210〜ステップS219で行われていたカウンタ値の更新等の処理を行い、例えば、2msec毎に行われるタイマ割込み処理において、上記実施形態で通常処理のステップS201〜ステップS209で行われていた処理と、上記実施形態でNMI割込み処理として行われていたステップS401の処理とを行うこととしてもよい。尚、この場合のステップS401の処理としては、例えば、CPU501のNMI端子に停電監視回路542から停電信号SK1が出力されたか否かを判定し、停電信号SK1の出力が確認された場合に、停電の発生を示すフラグをオンにする構成が挙げられる。また、ステップS401の処理に関しては、上記実施形態と同様に、NMI割込み処理として別途行うこととしてもよい。
(p)上記実施形態では、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリアに対して大当たり状態が発生するか否かの情報が上書きされる構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアに対して当選乱数記憶エリアとは別に、大当たり状態が発生するか否かの情報を記憶する記憶エリアを設けることとしてもよいし、特別変動保留エリアとは別に、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアに個別に対応する記憶エリアを設け、当該記憶エリアに大当たり状態が発生するか否かの情報を記憶することとしてもよい。尚、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリアとは別に、大当たりの種別を記憶する記憶エリアを設けることとしてもよいし、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアとは別に、リーチ情報を記憶する記憶エリアを設けることとしてもよい。また、上記実施形態において、特別図柄の変動表示の開始時に、当否乱数カウンタC1の値が当選に対応する値であるか否か等を再度確認し、当該確認処理に応じた処理が行われるように構成してもよい。
(q)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。例えば、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定領域と、特定領域への入球を許容する開状態と、特定領域への入球を禁止する閉状態とに変化可能な可動手段(羽部材)とを具備する可変入球手段と、特定領域に入球した遊技球が入球可能な特定入球手段及び非特定入球手段と、特定入球手段に入球した遊技球を検知する特定入球検知手段(条件成立検出手段)と、特定領域の外部に設けられ、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特別始動手段と、特別始動手段に入球した遊技球を検知する特別始動検知手段と、可変入球手段の開閉制御を行う主制御手段とを備え、特定領域に遊技球が入球した場合には、当該遊技球が特定入球手段及び非特定入球手段のどちらに入球する場合であっても遊技者に所定数の遊技価値(遊技球)が付与され、主制御手段は、特別始動検知手段の検知に基づいて、可変入球手段を第1時間だけ1回又は複数回開状態とさせる小当たり状態、又は、可変入球手段を前記第1時間よりも長い第2時間開状態とさせる、又は、開状態とされた可変入賞手段に規定個数の遊技球が入球するまでを1ラウンドとして、これを規定回数繰り返す大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選を行い、当否抽選にて小当たりに当選した場合には小当たり状態を発生させ、当否抽選にて大当たりに当選した場合、及び、特定入球検知手段の検知があった場合には大当たり状態を発生させるといった遊技機に適用してもよい。加えて、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機、回胴式遊技機としてのスロットマシンや、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機などとして実施してもよい。
[付記]
上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
P.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球する等の所定の契機に基づいて、当たり状態を発生させるか否か等の抽選が行われるとともに、主表示手段にて抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている。
また、前記抽選の結果等の確定している事柄をそのまま教示する主表示手段等の主制御表示手段が設けられるとともに、前記確定している事柄を示唆するだけにとどまる場合もある演出表示手段が設けられるものも多い(例えば、特開2006−271480号公報参照)。当該演出表示手段では、確定している事柄をおおまかに示唆するだけとして、かかる確定している事柄の教示を先延ばしにする場合がある。これにより、演出の機会を増やし、遊技により抑揚等を付けて、演出性や遊技性の向上等を図ることができる。
ところで、前記抽選の結果等の確定している事柄を先に知り得ることで、遊技を有利に進められる場合もあり、この場合、主制御表示手段の表示態様を把握していて主制御表示手段を視認しながら遊技を行っている遊技者と、演出表示手段における演出を楽しむ等して主制御表示手段を視認していない遊技者等との間で、遊技結果に比較的大きな差(例えば、最終的に獲得する遊技価値の差等)が付いてしまうことが懸念される。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、主制御表示手段を視認して遊技する遊技者と、主制御表示手段を視認しない遊技者との間の遊技結果の差を抑制することのできる遊技機を提供することにある。
手段P−1.遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基づいて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
前記主制御手段からの信号に基づいて制御を実行可能なサブ制御手段とを備える遊技機であって、
前記主制御手段によって直接的に制御される主制御表示手段と、
(前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御され、前記主制御表示手段の表示に関連する演出表示が行われる演出表示手段と、)
前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御され、前記主制御表示手段と同期して表示が切替えられるサブ制御表示手段とを備え、
前記サブ制御表示手段は、前記主制御表示手段に隣接して配置されるとともに、前記主制御表示手段の表示部と同様の表示部を備えていることを特徴とする遊技機。
手段P−1によれば、主制御表示手段に隣接配置されたサブ制御表示手段において主制御表示手段の表示と同期する表示が行われる上、サブ制御表示手段は主制御表示手段と同様の表示部を備えている。このため、主制御表示手段及びサブ制御表示手段による表示態様のうち主制御表示手段の表示態様がどれなのかが分かり難くなり、ひいては、主制御表示手段で示される表示のパターン、さらには、主制御表示手段が、その表示によって教示している内容(対応付けられている事象等)を分かり難くする(一瞬での判断を難しくする)ことができる。従って、例えば、主制御表示手段を視認しつつ、かかる情報に基づいて効率的な遊技を行おうとする遊技者と、主制御表示手段の表示パターンを把握していない遊技者、或いは、演出表示手段等の確定表示と並行して行われる別の演出を堪能したいがために主制御表示手段をあえて視認しない遊技者等との間の遊技結果の差(例えば、最終的に獲得する遊技価値の差)を極力小さくすることができる。つまり、主制御表示手段の表示態様に即座に対応して遊技を行う遊技者が得をする分、相対的に、主制御表示手段を視認していない遊技者が損をしてしまうといった事態を抑制することができる。結果として、主制御表示手段の表示のパターンを把握し、主制御表示手段を視認していなければ損をしてしまうといった意識を抑制することができ、演出表示手段等の確定表示と並行して行われる別の表示等を存分に堪能してもらうことができる。
また、主制御表示手段の表示を分かり難くするために、サブ制御手段で制御されるサブ制御表示手段によって疑似表示を行うこととしている。従って、例えば、主制御表示手段の表示を分かり難くするために、主制御表示手段をより複雑なものとする場合に比べ、主制御手段の制御負担を軽減したり、主制御表示手段の簡素化を図ったりすることができる。
尚、特別遊技状態としては、例えば、パチンコ機における当たり状態だけではなく、当否抽選等の所定の抽選での当選確率が高まる状態や、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態とに状態変化する始動入球手段が開状態とされた状態等も含む趣旨である。
尚、主制御表示手段として「主制御手段によって直接的に制御され、当否抽選の結果を教示するための確定表示が行われる主表示手段」に具体化し、サブ制御表示手段として「サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御され、主表示手段の確定表示と同期する疑似表示が行われるサブ表示手段」に具体化する構成について、後述する手段A−1以下に記載する。また、主制御表示手段として「主制御手段によって直接的に制御され、保留記憶手段に記憶されている保留記憶の数を教示する保留表示手段」に具体化し、サブ制御表示手段として「サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御され、保留記憶手段に対して情報取得手段で取得された情報が記憶された場合に切替表示を実行可能なサブ表示手段」に具体化する構成について、後述する手段B−1以下に記載する。
手段P−2.前記主制御表示手段の表示部、及び、前記サブ制御表示手段の表示部のうち、一方の少なくとも一部が、他方に挟まれるようにして配置されていることを特徴とする手段P−1に記載の遊技機。
手段P−2によれば、主制御表示手段の表示態様と、サブ制御表示手段の表示態様とがより入り組む格好となる。従って、主制御表示手段の表示態様とサブ制御表示手段の表示態様とで構成される全体の表示態様のなかから主制御表示手段の表示態様を瞬時に認識することをより難しくすることができる。
手段P−3.前記主制御手段から前記サブ制御手段に対して前記主制御表示手段の表示に関する情報を出力可能に構成され、
前記サブ制御手段は、前記主制御表示手段の表示に関する情報に基づいて、前記サブ制御表示手段の表示を決定することを特徴とする手段P−1又はP−2に記載の遊技機。
手段P−3によれば、サブ制御表示手段の表示態様を、主制御表示手段の表示態様に合わせることができる。従って、サブ制御表示手段の表示態様を、主制御表示手段の表示態様とより効果的に組合わせて、より思わせぶりな表示を導出したり、サブ制御表示手段の停止態様を、主制御表示手段の停止態様と組合わせて、所定の意味のある表示が導出されるようにしたりすることができる。従って、主制御表示手段の表示のパターンをより分かり難くするといった作用効果がより一層奏されることとなる。
手段P−4.前記サブ制御表示手段の表示部の一部を覆う被覆位置と、当該サブ制御表示手段の表示部の前記一部を露出させる露出位置との間を変位可能な被覆手段を備えていることを特徴とする手段P−1乃至P−3のいずれかに記載の遊技機。
手段P−4によれば、被覆手段の変位により、サブ制御表示手段のうち視認可能となる視認範囲を変更し、主制御表示手段の表示態様とサブ制御表示手段の表示態様とで構成される全体の表示態様を一変させることができる。従って、主制御表示手段の表示態様を認識することをより難しくすることができる。
尚、主制御表示手段の表示部は被覆手段によって覆われることがないように構成する。また、「被覆手段を駆動させる被覆駆動手段を備え、被覆駆動手段は、サブ制御手段によって駆動制御されること」としてもよい。この場合、主制御手段に被覆駆動手段の制御を実行させる場合に比べ、主制御手段の制御負担を減らしつつ、サブ制御表示手段の表示態様と、被覆駆動手段の駆動状態とを確実に合わせることができる。
手段P−5.前記主制御表示手段及び前記サブ制御表示手段は、
前記被覆手段が前記露出位置にある場合において、前記サブ制御表示手段のうち少なくとも前記被覆位置にある前記被覆手段によって前方が覆われる範囲に設置されている表示部を使用しての表示態様と、前記主制御表示手段の表示態様とで構成される表示態様と同じものを、
前記被覆手段が前記被覆位置にある場合に、前記サブ制御表示手段のうち前記被覆手段によって被覆されている表示部を使用せずに導出可能に構成されていることを特徴とする手段P−4に記載の遊技機。
手段P−6.前記被覆手段は、前記サブ制御表示手段の表示部の一部を被覆可能な第1被覆手段と、前記サブ制御表示手段の表示部のうち前記第1被覆手段とは異なる部位を被覆可能な第2被覆手段とを備え、
前記主制御表示手段及び前記サブ制御表示手段は、
前記第1被覆手段が前記被覆位置にあり、かつ、前記第2被覆手段が前記露出位置にある場合において視認可能な前記サブ制御表示手段の表示態様と、前記主制御表示手段の表示態様とで構成される表示態様と同じものを、
前記第1被覆手段が前記露出位置にあり、かつ、前記第2被覆手段が前記被覆位置にある場合において視認可能な前記サブ制御表示手段の表示態様と、前記主制御表示手段の表示態様とで導出可能に構成されていることを特徴とする手段A−4又はP−5に記載の遊技機。
手段P−5、手段P−6の具体例としては、3つの同じセグメント表示装置を左右方向に並べて配置し、左から第1サブ制御表示手段、主制御表示手段、第2サブ制御表示手段として構成するとともに、第1サブ制御表示手段を被覆可能な第1被覆手段と、第2サブ制御表示手段を被覆可能な第2被覆手段とを設ける。そして、第1被覆手段が被覆位置にあり、かつ、第2被覆手段が露出位置にある場合において、主制御表示手段で「1」を表示し、第2サブ制御表示手段で「3」を表示した場合と、第1被覆手段が露出位置にあり、かつ、第2被覆手段が被覆位置にある場合において、第1制御サブ表示手段で「1」を表示し、主制御表示手段で「3」を表示した場合とでは、いずれも「13」という同じ数字が表示される。このように、主制御表示手段の表示(教示内容)は異なるが、サブ制御表示手段の表示と組み合わせると、全体として同じに見える態様を導出可能とすることで、主制御表示手段の表示を分かり難くするといった上記作用効果がより確実に奏されることとなる。尚、上記手段P−3の構成を採用することで、被覆手段の位置が異なっても、主制御表示手段及びサブ制御表示手段の表示部全体として同じ表示態様が導出されるといった現象を、偶然ではなく、狙って(ピンポイントで)導出させる、或いは、(対応付けするパターンをある程度限定することで)導出される可能性を高めることができる。
特に、手段P−6の構成を採用する場合、第1被覆手段及び第2被覆手段が同調して動作する(同じ向きに同じ距離を移動する)ことによって、遊技者から視認される主制御表示手段の表示部の面積と、サブ制御表示手段の表示部の面積とを足した面積を常に同じとすることができる。従って、例えば、かかる面積の相違から、主制御表示手段及びサブ制御表示手段による表示態様に対する識別方法を変えなければならないといった判断をされてしまうといった事態を回避することができる。
尚、手段P−6の第1被覆手段及び第2被覆手段のような関係を有する被覆手段の数は特に限定されるものではなく、例えば、主制御表示手段の上下左右に対してそれぞれ被覆手段を設けることとしてもよい。また、各第1被覆手段及び第2被覆手段についても、それぞれ1つの板状体で構成されるものに限定されず、例えば、複数の板状体で構成されるとともに、それぞれが駆動手段によって独立して動作可能に構成されていることとしてもよい。
手段P−7.前記主制御表示手段、及び、前記サブ制御表示手段は、それぞれ複数の発光手段が搭載された発光基板を備え、前記主制御表示手段の表示部、及び、前記サブ制御表示手段の表示部は、前記複数の発光手段により構成されていることを特徴とする手段P−1乃至P−6のいずれかに記載の遊技機。
手段P−7によれば、主制御表示手段及びサブ制御表示手段が、液晶表示装置で構成される場合に比べて制御の簡素化等が図られ、セグメント表示装置で構成される場合に比べて設計の自由度が向上する。尚、「前記主制御表示手段の前記発光手段と、前記サブ制御表示手段の前記発光手段とが、全体として行列状に配置されていること」としてもよい。この場合、意匠性の向上が図られる上、主制御表示手段と、サブ制御表示手段との境界が分かり難くなるといった作用効果がより一層奏されることとなる。
手段P−8.前記主制御表示手段、及び、前記サブ制御表示手段の表示部側には、前記主制御表示手段及び前記サブ制御表示手段の各前記発光手段を個別に挿入可能な挿入孔が形成された取付パネルが設けられ、
前記主制御表示手段、及び、前記サブ制御表示手段は、前記発光手段が前記挿入孔に挿入され、前記発光基板が前記取付パネルに当接状態で固定されていることを特徴とする手段P−7に記載の遊技機。
手段P−8によれば、取付パネルによって、主制御表示手段及びサブ制御表示手段の発光基板の位置決めを行うことができる。従って、主制御表示手段及びサブ制御表示手段の発光手段を同一平面上にずれなく設置することができ、例えば、ずれているような場合に比べ、主制御表示手段の発光手段と、サブ制御表示手段の発光手段との区別を付け難くすることができる。
また、取付パネルによって、主制御表示手段の発光基板と、サブ制御表示手段の発光基板との境目や、発光基板の表面を隠すことができる。従って、主制御表示手段の発光手段と、サブ制御表示手段の発光手段との区別をより付け難くしたり、意匠性の向上、利便性の向上等を図ったりすることができる。
手段P−9.前記主制御表示手段の複数の前記発光手段は行列状に配置され、
前記サブ制御表示手段の複数の前記発光手段は、前記主制御表示手段の前記発光手段の行列に続くようにして前記主制御表示手段の前記発光手段とともに行列状に配置され、
前記確定表示は、前記主制御表示手段の複数の前記発光手段のうち、点灯される前記発光手段の位置、又は、組合せが変更されることで変動表示を行うとともに、規定時間後に、前記主制御表示手段の複数の前記発光手段が、前記抽選の結果に対応付けられた組合わせで点灯されるように構成され、
前記主制御表示手段の変動表示中は、前記主制御表示手段及び前記サブ制御表示手段の複数の発光手段が、前記主制御表示手段及び前記サブ制御表示手段の複数の発光手段による全体の配列において規則的となるように点灯及び消灯を繰り返すことを特徴とする手段P−7又はP−8に記載の遊技機。
例えば、行列状に配置された主制御表示手段の複数の発光手段を規則的に順番に点灯させていくと、主制御表示手段の発光手段の並びは途切れるが、その代わりに、サブ制御表示手段の発光手段が並んでいるという場合に、当該サブ制御表示手段の発光手段を点灯させることで、規則的な点灯の態様を主制御表示手段及びサブ制御表示手段の全体にまわしていくことができる。従って、主制御表示手段の変動表示の見た目が良くなる(自然になる)上、主制御表示手段の発光手段と、サブ制御表示手段の発光手段との区切りを分かり難くすることができ、主制御表示手段の変動停止時には、主制御表示手段の表示を分かり難くするといった上記作用効果がより確実に奏されることとなる。
手段P−10.前記主制御表示手段の変動表示中において、前記主制御表示手段及び前記サブ制御表示手段の前記発光手段の少なくとも1つが点灯している状態においては、前記主制御表示手段の前記発光手段の少なくとも1つが点灯状態とされることを特徴とする手段P−9に記載の遊技機。
手段P−10によれば、主制御表示手段が変動表示中であることを確実に示すことができる。
手段P−11.前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御され、前記主制御表示手段の表示に関連する演出表示が行われる演出表示手段を備え、
前記主制御表示手段及び前記サブ制御表示手段のうち少なくとも一方に隣接して、前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御され、前記演出表示手段の前記演出表示と対応(連動)する装飾表示が行われる装飾表示手段を備えていることを特徴とする手段P−1乃至P−10のいずれかに記載の遊技機。
手段P−11によれば、主制御表示手段の表示態様の瞬時の判別がより難しくなるとともに、主制御表示手段の周辺部を視認していても、演出表示手段で派手な演出表示が行われた場合等において、かかる演出表示と対応する装飾表示の方に気を取られ易くなる。従って、主制御表示手段の表示を分かり難くするといった上記作用効果がより一層奏されることとなる。尚、「前記装飾表示手段は、前記主制御表示手段及び前記サブ制御表示手段の表示部と同じ表示部を有すること」としてもよい。
手段P−12.前記主制御表示手段及び前記サブ制御表示手段のうち少なくとも一方が変位可能に構成されていることを特徴とする手段P−1乃至P−11のいずれかに記載の遊技機。
手段P−12によれば、主制御表示手段の表示態様と、サブ制御表示手段の表示態様とで構成される全体の表示態様を一変させることができ、主制御表示手段の表示態様を認識することをより難しくすることができる。
A.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球する等の所定の契機に基づいて、当たり状態を発生させるか否か等の抽選が行われるとともに、主表示手段にて抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている。
また、主表示手段で行われる変動表示に対して追従的に行われ、前記抽選の結果を教示、又は、示唆するための演出用の変動表示が行われる演出表示手段が設けられるものも多い(例えば、特開2006−271480号公報参照)。当該演出表示手段では、主表示手段において抽選の結果が教示されたタイミングでも、かかる抽選の結果をおおまかに示唆するだけとして、かかる抽選の結果の教示を先延ばしにする場合がある。これにより、演出の機会を増やし、遊技により抑揚等を付けて、演出性や遊技性の向上等を図ることができる。
ところで、抽選の結果を先に知り得ることで、遊技を有利に進められる場合もあり、この場合、主表示手段の表示態様を把握していて主表示手段を視認しながら遊技を行っている遊技者と、演出表示手段における演出を楽しむ等して主表示手段を視認していない遊技者等との間で、遊技結果に比較的大きな差(例えば、最終的に獲得する遊技価値の差等)が付いてしまうことが懸念される。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、主表示手段を視認して遊技する遊技者と、主表示手段を視認しない遊技者との間の遊技結果の差を抑制することのできる遊技機を提供することにある。
手段A−1.遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基づいて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
前記主制御手段からの信号に基づいて制御を実行可能なサブ制御手段とを備える遊技機であって、
前記主制御手段によって直接的に制御され、前記当否抽選の結果を教示するための確定表示が行われる主表示手段と、
前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御され、前記当否抽選の結果を教示、又は、示唆するための演出表示が行われる演出表示手段と、
前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御され、開始及び終了のタイミングが前記主表示手段の前記確定表示と同期する疑似表示が行われるサブ表示手段とを備え、
前記サブ表示手段は、前記主表示手段に隣接して配置されるとともに、前記主表示手段の前記確定表示を行うための表示部と同様の表示部を備えていることを特徴とする遊技機。
手段A−1によれば、主表示手段に隣接配置されたサブ表示手段において主表示手段の確定表示と同期する(当否抽選の結果に関与しない)疑似表示が行われる上、サブ表示手段は主表示手段と同様の表示部を備えていることから、疑似表示は、確定表示と似たような表示態様となる。このため、主表示手段及びサブ表示手段による表示態様のうち主表示手段の表示態様がどれなのかが分かり難くなり、ひいては、主表示手段の確定表示のパターンを分かり難くする(一瞬での判断を難しくする)ことができる。従って、例えば、主表示手段の確定表示(が教示している内容)を視認しつつ、かかる情報に基づいて効率的な遊技を行おうとする遊技者と、主表示手段の確定表示を把握していない遊技者、或いは、演出表示手段等の演出を堪能したいがために主表示手段をあえて視認しない遊技者等との間の遊技結果の差(例えば、最終的に獲得する遊技価値の差)を極力小さくすることができる。つまり、主表示手段の表示態様に即座に対応して遊技を行う遊技者が得をする分、相対的に、主表示手段を視認していない遊技者が損をしてしまうといった事態を抑制することができる。結果として、主表示手段の確定表示のパターンを把握し、主表示手段を視認していなければ損をしてしまうといった意識を抑制することができ、演出表示手段の演出表示等を存分に堪能してもらうことができる。
また、主表示手段の確定表示を分かり難くするために、サブ制御手段で制御されるサブ表示手段によって疑似表示を行うこととしている。従って、例えば、主表示手段の確定表示を分かり難くするために、主表示手段の確定表示をより複雑なものとする場合に比べ、主制御手段の制御負担を軽減したり、主表示手段の簡素化を図ったりすることができる。
手段A−2.前記主表示手段の表示部、及び、前記サブ表示手段の表示部のうち、一方の少なくとも一部が、他方に挟まれるようにして配置されていることを特徴とする手段A−1に記載の遊技機。
手段A−2によれば、主表示手段の表示態様と、サブ表示手段の表示態様とがより入り組む格好となる。従って、主表示手段の表示態様とサブ表示手段の表示態様とで構成される全体の表示態様のなかから主表示手段の表示態様を瞬時に(確定表示が表示されている間に)認識して、確定表示を把握することをより難しくすることができる。
手段A−3.前記主制御手段から前記サブ制御手段に対して前記主表示手段の前記確定表示に関する情報を出力可能に構成され、
前記サブ制御手段は、前記主表示手段の前記確定表示に関する情報に基づいて、前記サブ表示手段の前記疑似表示を決定することを特徴とする手段A−1又はA−2に記載の遊技機。
手段A−3によれば、サブ表示手段の表示態様を、主表示手段の表示態様に合わせることができる。従って、サブ表示手段の表示態様を、主表示手段の表示態様とより効果的に組合わせて、より思わせぶりな表示を導出したり、サブ表示手段の停止態様を、主表示手段の停止態様と組合わせて、所定の意味のある表示が導出されるようにしたりすることができる。従って、主表示手段の確定表示のパターンをより分かり難くするといった作用効果がより一層奏されることとなる。
手段A−4.前記サブ表示手段の表示部の一部を覆う被覆位置と、当該サブ表示手段の表示部の前記一部を露出させる露出位置との間を変位可能な被覆手段を備えていることを特徴とする手段A−1乃至A−3のいずれかに記載の遊技機。
手段A−4によれば、被覆手段の変位により、サブ表示手段のうち視認可能となる視認範囲を変更し、主表示手段の表示態様とサブ表示手段の表示態様とで構成される全体の表示態様を一変させることができる。従って、主表示手段の表示態様を認識して、確定表示を把握することをより難しくすることができる。
尚、主表示手段の表示部は被覆手段によって覆われることがないように構成する。また、「被覆手段を駆動させる被覆駆動手段を備え、被覆駆動手段は、サブ制御手段によって駆動制御されること」としてもよい。この場合、主制御手段に被覆駆動手段の制御を実行させる場合に比べ、主制御手段の制御負担を減らしつつ、サブ表示手段の表示態様と、被覆駆動手段の駆動状態とを確実に合わせることができる。
手段A−5.前記主表示手段及び前記サブ表示手段は、
前記被覆手段が前記露出位置にある場合において、前記サブ表示手段のうち少なくとも前記被覆位置にある前記被覆手段によって前方が覆われる範囲に設置されている表示部を使用しての表示態様と、前記主表示手段の表示態様とで構成される表示態様と同じものを、
前記被覆手段が前記被覆位置にある場合に、前記サブ表示手段のうち前記被覆手段によって被覆されている表示部を使用せずに導出可能に構成されていることを特徴とする手段A−4に記載の遊技機。
手段A−6.前記被覆手段は、前記サブ表示手段の表示部の一部を被覆可能な第1被覆手段と、前記サブ表示手段の表示部のうち前記第1被覆手段とは異なる部位を被覆可能な第2被覆手段とを備え、
前記主表示手段及び前記サブ表示手段は、
前記第1被覆手段が前記被覆位置にあり、かつ、前記第2被覆手段が前記露出位置にある場合において視認可能な前記サブ表示手段の表示態様と、前記主表示手段の表示態様とで構成される表示態様と同じものを、
前記第1被覆手段が前記露出位置にあり、かつ、前記第2被覆手段が前記被覆位置にある場合において視認可能な前記サブ表示手段の表示態様と、前記主表示手段の表示態様とで導出可能に構成されていることを特徴とする手段A−4又はA−5に記載の遊技機。
手段A−5、手段A−6の具体例としては、3つの同じセグメント表示装置を左右方向に並べて配置し、左から第1サブ表示手段、主表示手段、第2サブ表示手段として構成するとともに、第1サブ表示手段を被覆可能な第1被覆手段と、第2サブ表示手段を被覆可能な第2被覆手段とを設ける。そして、第1被覆手段が被覆位置にあり、かつ、第2被覆手段が露出位置にある場合において、主表示手段で「1」を表示し、第2サブ表示手段で「3」を表示した場合と、第1被覆手段が露出位置にあり、かつ、第2被覆手段が被覆位置にある場合において、第1サブ表示手段で「1」を表示し、主表示手段で「3」を表示した場合とでは、いずれも「13」という同じ数字が表示される。このように、主表示手段の表示(教示内容)は異なるが、サブ表示手段の表示と組み合わせると、全体として同じに見える態様を導出可能とすることで、主表示手段の確定表示を分かり難くするといった上記作用効果がより確実に奏されることとなる。尚、上記手段A−3の構成を採用することで、被覆手段の位置が異なっても、主表示手段及びサブ表示手段の表示部全体として同じ表示態様が導出されるといった現象を、偶然ではなく、狙って(ピンポイントで)導出させる、或いは、(対応付けするパターンをある程度限定することで)導出される可能性を高めることができる。
特に、手段A−6の構成を採用する場合、第1被覆手段及び第2被覆手段が同調して動作する(同じ向きに同じ距離を移動する)ことによって、遊技者から視認される主表示手段の表示部の面積と、サブ表示手段の表示部の面積とを足した面積を常に同じとすることができる。従って、例えば、かかる面積の相違から、主表示手段及びサブ表示手段による表示態様に対する識別方法を変えなければならないといった判断をされてしまうといった事態を回避することができる。
尚、手段A−6の第1被覆手段及び第2被覆手段のような関係を有する被覆手段の数は特に限定されるものではなく、例えば、主表示手段の上下左右に対してそれぞれ被覆手段を設けることとしてもよい。また、各第1被覆手段及び第2被覆手段についても、それぞれ1つの板状体で構成されるものに限定されず、例えば、複数の板状体で構成されるとともに、それぞれが駆動手段によって独立して動作可能に構成されていることとしてもよい。
手段A−7.前記主表示手段、及び、前記サブ表示手段は、それぞれ複数の発光手段が搭載された発光基板を備え、前記主表示手段の表示部、及び、前記サブ表示手段の表示部は、前記複数の発光手段により構成されていることを特徴とする手段A−1乃至A−6のいずれかに記載の遊技機。
手段A−7によれば、主表示手段及びサブ表示手段が、液晶表示装置で構成される場合に比べて制御の簡素化等が図られ、セグメント表示装置で構成される場合に比べて設計の自由度が向上する。尚、「前記主表示手段の前記発光手段と、前記サブ表示手段の前記発光手段とが、全体として行列状に配置されていること」としてもよい。この場合、意匠性の向上が図られる上、主表示手段と、サブ表示手段との境界が分かり難くなるといった作用効果がより一層奏されることとなる。
手段A−8.前記主表示手段、及び、前記サブ表示手段の表示部側には、前記主表示手段及び前記サブ表示手段の各前記発光手段を個別に挿入可能な挿入孔が形成された取付パネルが設けられ、
前記主表示手段、及び、前記サブ表示手段は、前記発光手段が前記挿入孔に挿入され、前記発光基板が前記取付パネルに当接状態で固定されていることを特徴とする手段A−7に記載の遊技機。
手段A−8によれば、取付パネルによって、主表示手段及びサブ表示手段の発光基板の位置決めを行うことができる。従って、主表示手段及びサブ表示手段の発光手段を同一平面上にずれなく設置することができ、例えば、ずれているような場合に比べ、主表示手段の発光手段と、サブ表示手段の発光手段との区別を付け難くすることができる。
また、取付パネルによって、主表示手段の発光基板と、サブ表示手段の発光基板との境目や、発光基板の表面を隠すことができる。従って、主表示手段の発光手段と、サブ表示手段の発光手段との区別をより付け難くしたり、意匠性の向上、利便性の向上等を図ったりすることができる。
手段A−9.前記主表示手段の複数の前記発光手段は行列状に配置され、
前記サブ表示手段の複数の前記発光手段は、前記主表示手段の前記発光手段の行列に続くようにして前記主表示手段の前記発光手段とともに行列状に配置され、
前記確定表示は、前記主表示手段の複数の前記発光手段のうち、点灯される前記発光手段の位置、又は、組合せが変更されることで変動表示を行うとともに、規定時間後に、前記主表示手段の複数の前記発光手段が、前記抽選の結果に対応付けられた組合わせで点灯されるように構成され、
前記主表示手段の変動表示中は、前記主表示手段及び前記サブ表示手段の複数の発光手段が、前記主表示手段及び前記サブ表示手段の複数の発光手段による全体の配列において規則的となるように点灯及び消灯を繰り返すことを特徴とする手段A−7又はA−8に記載の遊技機。
例えば、行列状に配置された主表示手段の複数の発光手段を規則的に順番に点灯させていくと、主表示手段の発光手段の並びは途切れるが、その代わりに、サブ表示手段の発光手段が並んでいるという場合に、当該サブ表示手段の発光手段を点灯させることで、規則的な点灯の態様を主表示手段及びサブ表示手段の全体にまわしていくことができる。従って、主表示手段の変動表示の見た目が良くなる(自然になる)上、主表示手段の発光手段と、サブ表示手段の発光手段との区切りを分かり難くすることができ、主表示手段の変動停止時には、主表示手段の確定表示を分かり難くするといった上記作用効果がより確実に奏されることとなる。
手段A−10.前記主表示手段の変動表示中において、前記主表示手段及び前記サブ表示手段の前記発光手段の少なくとも1つが点灯している状態においては、前記主表示手段の前記発光手段の少なくとも1つが点灯状態とされることを特徴とする手段A−9に記載の遊技機。
手段A−10によれば、主表示手段が変動表示中であることを確実に示すことができる。
手段A−11.前記主表示手段及び前記サブ表示手段のうち少なくとも一方に隣接して、前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御され、前記演出表示手段の前記演出表示と対応(連動)する動作(装飾表示)が行われる装飾(表示)手段を備えていることを特徴とする手段A−1乃至A−10のいずれかに記載の遊技機。
手段A−11によれば、主表示手段の表示態様の瞬時の判別がより難しくなるとともに、主表示手段の周辺部を視認していても、演出表示手段で派手な演出表示が行われた場合等において、かかる演出表示と対応する装飾手段の動作の方に気を取られ易くなる。従って、主表示手段の確定表示を分かり難くするといった上記作用効果がより一層奏されることとなる。
尚、「前記装飾手段は、前記演出表示と対応する装飾表示が行われる装飾表示手段であって、前記装飾表示手段は、前記主表示手段及び前記サブ表示手段の表示部と同じ表示部を有すること」としてもよい。また、装飾手段として、装飾表示手段に代えて、又は、加えて、「前記主表示手段及び前記サブ表示手段のうち少なくとも一方に隣接して、前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御され、前記演出表示手段の前記演出表示と対応(連動)する動作が行われる可動装飾手段を備えていること」としてもよい。
手段A−12.前記装飾手段は、前記確定表示の終了のタイミングの前後で態様変化することを特徴とする手段A−11に記載の遊技機。
手段A−12によれば、確定表示の終了のタイミングで装飾手段の態様変化が生じることから、確定表示終了のタイミングで、装飾手段の方に視線を誘導し易くすることができる。従って、主表示手段の確定表示を把握され難くするといった上記作用効果がより一層奏されることとなる。
尚、装飾手段は、確定表示の終了のタイミングの前よりも、後の方が、見た目が派手になるように構成してもよい。装飾表示手段として、例えば、確定表示の終了前は点灯の変化がない(消えているものは消えたまま、点いているものは付いたまま)とし、終了後は、点灯と消灯とが目まぐるしく変化するように構成してもよい。さらに、例えば、確定表示の終了前は白色単色表示であるのに対し、終了後は様々な色の表示を行うように構成してもよい。また、可動装飾手段として、例えば、主表示手段及びサブ表示手段を囲うようにして枠状に構成されるとともに、確定表示の終了前は変位せず、終了後に変位するように構成してもよい。これらの構成を採用する場合、確定表示の終了のタイミングで装飾手段に興味を引くといった作用効果がより一層奏されることとなる。
手段A−13.前記主表示手段及び前記サブ表示手段のうち少なくとも一方が変位可能に構成されていることを特徴とする手段A−1乃至A−12のいずれかに記載の遊技機。
手段A−13によれば、主表示手段の表示態様とサブ表示手段の表示態様とで構成される全体の表示態様を一変させることができ、主表示手段の表示態様を認識して、確定表示を把握することをより難しくすることができる。
手段A−14.前記確定表示は、前記主表示手段において識別情報を変動表示させるとともに、当該識別情報を前記当否抽選の結果と対応付けされた態様で停止表示させることで行われ、
前記主表示手段では、前記識別情報の変動表示を停止表示させた後、当該識別情報の停止態様を規定時間維持するとともに、前記識別情報の変動表示の開始を禁止する変動インターバル期間が設定され、
前記変動インターバル期間の経過後に、前記識別情報の変動表示が開始されない場合には、前記識別情報が、当該識別情報の変動表示が行われていない状態に対応付けされた態様とされることを特徴とする手段A−1乃至A−13のいずれかに記載の遊技機。
手段A−14によれば、確定表示の停止態様(当否抽選の結果)をいつまでも表示しておくことで、確定表示を把握し難くするといった効果が薄れてしまうことを防止することができる。
B.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球する等の所定の契機に基づいて、当たり状態を発生させるか否か等の抽選が行われるとともに、主表示手段にて抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
また、主表示手段における変動表示中に遊技球が始動入球手段へ新たに入球した場合には、その分の変動表示は保留記憶され、現在行われている変動表示の後に行われるといった構成が知られている。さらに、変動表示の保留記憶の数を教示する保留表示手段が設けられているものも多い。
ところで、一般に、変動表示の保留記憶には上限が設定されており、上限を超える保留記憶はされない構成となっている。このため、変動表示の保留記憶が上限を超えないように遊技を行っている遊技者と、遊技球を発射させ続ける遊技者等との間で、遊技結果に比較的大きな差(例えば、最終的に獲得する遊技価値の差等)が付いてしまうことが懸念される。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、保留表示手段を視認して遊技する遊技者と、保留表示手段を視認しない遊技者との間の遊技結果の差を抑制することのできる遊技機を提供することにある。
手段B−1.遊技球を発射させる発射手段と、
遊技盤の前面側に設けられ、前記発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段へ入球した遊技球を検知する始動入球検知手段と、
前記始動入球検知手段の検知に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基づいて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
前記主制御手段からの信号に基づいて制御を実行可能なサブ制御手段とを備える遊技機において、
前記主制御手段によって直接的に制御され、前記当否抽選の結果を教示するための確定表示が行われる主表示手段と、
前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御され、前記当否抽選の結果を教示、又は、示唆するための演出表示が行われる演出表示手段と、
前記始動入球検知手段の検知が行われた場合に、前記当否抽選に用いられる情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得された情報を、所定数を上限として複数記憶可能な保留記憶手段とを備え、
前記主表示手段における前記確定表示の実行中(変動表示中)において、前記始動入球検知手段の検知が行われた場合には、当該検知に対応する前記確定表示が、実行中の前記確定表示の後に行われる構成であって、
前記主制御手段によって直接的に制御され、前記保留記憶手段に記憶されている保留記憶の数を教示する保留表示手段と、
前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御され、前記保留記憶手段に対して前記情報取得手段で取得された情報が記憶された場合に切替表示を実行可能なサブ表示手段とを備え、
前記サブ表示手段は、前記保留表示手段に隣接して配置されるとともに、前記保留表示手段の表示部と同様の表示部を備えていることを特徴とする遊技機。
手段B−1によれば、保留表示手段と同様にして、保留記憶手段に対して情報取得手段で取得された情報が記憶された場合に表示態様が変化するサブ表示装置が、保留表示手段に隣接して設けられているとともに、サブ表示手段は保留表示手段と同様の表示部を備えている。このため、保留表示手段及びサブ表示手段による表示態様のうち保留表示手段の表示態様がどれなのかが分かり難くなり、ひいては、保留表示手段の表示態様のパターンを分かり難くする(一瞬での判断を難しくする)ことができる。従って、当否抽選に用いられる情報が新たに保留記憶手段に記憶されたのか否か、或いは、保留記憶手段には、何回分の当否抽選に用いられる情報が記憶されているのか(保留記憶がいくつあるのか)を分かり難くすることができる。
これにより、保留表示手段の表示態様(が教示している保留記憶の数)を視認しつつ、かかる情報に基づいて効率的な遊技(保留記憶の上限に達した状態では遊技球を発射させない等)を行おうとする遊技者と、遊技球を発射させ続ける遊技者(例えば、保留表示手段の表示態様を把握していない遊技者、或いは、演出表示手段等の演出を堪能したいがために保留表示手段をあえて視認しない遊技者)等との間の遊技結果の差(例えば、最終的に獲得する遊技価値の差)を極力小さくすることができる。つまり、保留表示手段の表示態様に即座に対応して遊技を行う遊技者が得をする分、相対的に、保留表示手段を視認していない遊技者が損をしてしまうといった事態を抑制することができる。結果として、保留表示手段を随時確認しなければ損をしてしまうといった意識を抑制することができ、演出表示手段の演出表示等を存分に堪能してもらうことができる。
また、例えば、保留表示手段の保留表示を分かり難くするために、保留表示手段の保留表示をより複雑なものとする場合に比べ、主制御手段の制御負担を軽減したり、保留表示手段の簡素化を図ったりすることができる。
手段B−2.前記主表示手段の表示部、及び、前記サブ表示手段の表示部のうち、一方の少なくとも一部が、他方に挟まれるようにして配置されていることを特徴とする手段B−1に記載の遊技機。
手段B−2によれば、保留表示手段の表示態様と、サブ表示手段の表示態様とがより入り組む格好となる。従って、保留表示手段の表示態様とサブ表示手段の表示態様とで構成される全体の表示態様のなかから保留表示手段の表示態様を瞬時に認識して把握することをより難しくすることができる。
手段B−3.前記主制御手段から前記サブ制御手段に対して前記保留表示手段の表示態様に関する情報を出力可能に構成され、
前記サブ制御手段は、前記保留表示手段の表示態様に関する情報に基づいて、前記サブ表示手段の表示態様を決定することを特徴とする手段B−1又はB−2に記載の遊技機。
手段B−3によれば、サブ表示手段の表示態様を、保留表示手段の表示態様に合わせることができる。従って、サブ表示手段の表示態様を、保留表示手段の表示態様とより効果的に組合わせて、より思わせぶりな表示を導出したり、サブ表示手段の停止態様を、保留表示手段の停止態様と組合わせて、所定の意味のある表示が導出されるようにしたりすることができる。従って、保留表示手段の表示態様のパターンをより分かり難くするといった作用効果がより一層奏されることとなる。
手段B−4.前記サブ表示手段の表示部の一部を覆う被覆位置と、当該サブ表示手段の表示部の前記一部を露出させる露出位置との間を変位可能な被覆手段を備えていることを特徴とする手段B−1乃至B−3のいずれかに記載の遊技機。
手段B−4によれば、被覆手段の変位により、サブ表示手段のうち視認可能となる視認範囲を変更し、保留表示手段の表示態様とサブ表示手段の表示態様とで構成される全体の表示態様を一変させることができる。従って、保留表示手段の表示態様を認識して把握することをより難しくすることができる。
尚、保留表示手段の表示部は被覆手段によって覆われることがないように構成する。また、「被覆手段を駆動させる被覆駆動手段を備え、被覆駆動手段は、サブ制御手段によって駆動制御されること」としてもよい。この場合、主制御手段に被覆駆動手段の制御を実行させる場合に比べ、主制御手段の制御負担を減らしつつ、サブ表示手段の表示態様と、被覆駆動手段の駆動状態とを確実に合わせることができる。
手段B−5.前記保留表示手段及び前記サブ表示手段は、
前記被覆手段が前記露出位置にある場合において、前記サブ表示手段のうち少なくとも前記被覆位置にある前記被覆手段によって前方が覆われる範囲に設置されている表示部を使用しての表示態様と、前記保留表示手段の表示態様とで構成される表示態様と同じものを、
前記被覆手段が前記被覆位置にある場合に、前記サブ表示手段のうち前記被覆手段によって被覆されている表示部を使用せずに導出可能に構成されていることを特徴とする手段B−4に記載の遊技機。
手段B−6.前記被覆手段は、前記サブ表示手段の表示部の一部を被覆可能な第1被覆手段と、前記サブ表示手段の表示部のうち前記第1被覆手段とは異なる部位を被覆可能な第2被覆手段とを備え、
前記保留表示手段及び前記サブ表示手段は、
前記第1被覆手段が前記被覆位置にあり、かつ、前記第2被覆手段が前記露出位置にある場合において視認可能な前記サブ表示手段の表示態様と、前記保留表示手段の表示態様とで構成される表示態様と同じものを、
前記第1被覆手段が前記露出位置にあり、かつ、前記第2被覆手段が前記被覆位置にある場合において視認可能な前記サブ表示手段の表示態様と、前記保留表示手段の表示態様とで導出可能に構成されていることを特徴とする手段B−4又はB−5に記載の遊技機。
手段B−5、手段B−6によれば、保留表示手段の表示(教示内容)は異なるが、サブ表示手段の表示と組み合わせると、全体として同じに見える態様を導出可能とすることで、保留表示手段の表示態様を分かり難くするといった上記作用効果がより確実に奏されることとなる。尚、上記手段B−3の構成を採用することで、被覆手段の位置が異なっても、保留表示手段及びサブ表示手段の表示部全体として同じ表示態様が導出されるといった現象を、偶然ではなく、狙って(ピンポイントで)導出させる、或いは、(対応付けするパターンをある程度限定することで)導出される可能性を高めることができる。
特に、手段B−6の構成を採用する場合、第1被覆手段及び第2被覆手段が同調して動作する(同じ向きに同じ距離を移動する)ことによって、遊技者から視認される保留表示手段の表示部の面積と、サブ表示手段の表示部の面積とを足した面積を常に同じとすることができる。従って、例えば、かかる面積の相違から、保留表示手段及びサブ表示手段による表示態様に対する識別方法を変えなければならないといった判断をされてしまうといった事態を回避することができる。
尚、手段B−6の第1被覆手段及び第2被覆手段のような関係を有する被覆手段の数は特に限定されるものではなく、例えば、保留表示手段の上下左右に対してそれぞれ被覆手段を設けることとしてもよい。また、各第1被覆手段及び第2被覆手段についても、それぞれ1つの板状体で構成されるものに限定されず、例えば、複数の板状体で構成されるとともに、それぞれが駆動手段によって独立して動作可能に構成されていることとしてもよい。
手段B−7.前記保留表示手段、及び、前記サブ表示手段は、それぞれ複数の発光手段が搭載された発光基板を備え、前記保留表示手段の表示部、及び、前記サブ表示手段の表示部は、前記複数の発光手段により構成されていることを特徴とする手段B−1乃至B−6のいずれかに記載の遊技機。
手段B−7によれば、保留表示手段及びサブ表示手段が、液晶表示装置で構成される場合に比べて制御の簡素化等が図られ、セグメント表示装置で構成される場合に比べて設計の自由度が向上する。尚、「前記保留表示手段の前記発光手段と、前記サブ表示手段の前記発光手段とが、全体として行列状に配置されていること」としてもよい。この場合、意匠性の向上が図られる上、保留表示手段と、サブ表示手段との境界が分かり難くなるといった作用効果がより一層奏されることとなる。
手段B−8.前記保留表示手段、及び、前記サブ表示手段の表示部側には、前記保留表示手段及び前記サブ表示手段の各前記発光手段を個別に挿入可能な挿入孔が形成された取付パネルが設けられ、
前記保留表示手段、及び、前記サブ表示手段は、前記発光手段が前記挿入孔に挿入され、前記発光基板が前記取付パネルに当接状態で固定されていることを特徴とする手段B−7に記載の遊技機。
手段B−8によれば、取付パネルによって、保留表示手段及びサブ表示手段の発光基板の位置決めを行うことができる。従って、保留表示手段及びサブ表示手段の発光手段を同一平面上にずれなく設置することができ、例えば、ずれているような場合に比べ、保留表示手段の発光手段と、サブ表示手段の発光手段との区別を付け難くすることができる。
また、取付パネルによって、保留表示手段の発光基板と、サブ表示手段の発光基板との境目や、発光基板の表面を隠すことができる。を分かり難くすることができる。従って、保留表示手段の発光手段と、サブ表示手段の発光手段との区別をより付け難くしたり、意匠性の向上、利便性の向上等を図ったりすることができる。
手段B−9.前記保留表示手段及び前記サブ表示手段のうち少なくとも一方が変位可能に構成されていることを特徴とする手段B−1乃至B−8のいずれかに記載の遊技機。
手段B−9によれば、保留表示手段の表示態様とサブ表示手段の表示態様とで構成される全体の表示態様を一変させることができ、保留表示手段の表示態様を認識して、確定表示を把握することをより難しくすることができる。
手段B−10.前記遊技領域において前記遊技盤との間に遊技球が通過可能な距離を隔てて設けられ、少なくとも前記始動入球手段の前方を覆う始動被覆手段を備え、
前記遊技領域のうち前記始動被覆手段によって前方が覆われている被覆領域には、当該被覆領域を移動する遊技球を検知可能な疑似入賞検知手段が設けられ、
前記疑似入賞検知手段の検知に基づいて、前記始動入球検知手段の検知が行われたかのような疑似入賞態様を導出可能に構成されていることを特徴とする手段B−1乃至B−9のいずれかに記載の遊技機。
手段B−10によれば、始動被覆手段によって前方が覆われている被覆領域において、始動入球手段とともに、疑似入賞検知手段が設けられている。つまり、始動被覆手段が設けられることで、始動入球手段に遊技球が入球したか否かの視認性が比較的低下している構成において、疑似入賞検知手段の検知に基づいて、始動被覆手段裏面側の被覆領域に進入した遊技球が始動入球手段に入球したのかも知れないといった疑似入賞態様を導出する(例えば、始動入球手段と同じく被覆領域に設置された疑似入賞検知手段の検知に基づいて、始動入球検知手段の検知が行われた場合と同じようなリアクションを導出したり、導出した場合はそのリアクションが始動入球検知手段の検知によるものかを示唆したりする等を行う)ことができる。従って、始動入球手段に対する遊技球のアクションとして、「入球した」、「入球していない」の他に、「入球したのかもしれない」というパターンを追加することができ、演出機会及び演出の種類を増加させ、演出の多様化等を図ることができる。結果として、始動被覆手段を設けて遊技球が始動入球手段に入球するのか否かを分かり難くしたこと(始動入球手段に遊技球が入球したかの演出)の価値を飛躍的に高めることができ、興趣の向上を図ることができる。
また、上記手段B−1のように、保留表示手段の表示態様を瞬時に把握し難くするといった構成を具備することによって、疑似入賞態様を導出したとしても、保留表示手段を視認すれば、実際には保留記憶が増加していないこと(疑似入賞態様であること)を瞬時に把握されてしまうといった事態を抑制することができる。
尚、始動入球手段は1つでもよいし、複数でもよい。加えて、「始動被覆手段は遊技盤に取付けられていること」としてもよい。また、疑似入賞態様としては、所定の表示手段における表示態様や、音声出力手段による音声態様や、所定の発光手段による発光態様や、これらの組合わせ等が挙げられる。
C.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球する等の所定の契機に基づいて、当たり状態を発生させるか否か等の抽選が行われるとともに、主表示手段にて抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている。
また、主表示手段で行われる変動表示に対して追従的に行われ、前記抽選の結果を教示、又は、示唆するための演出用の変動表示が行われる演出表示手段が設けられるものも多い(例えば、特開2006−271480号公報参照)。当該演出表示手段では、主表示手段において抽選の結果が教示されたタイミングでも、かかる抽選の結果をおおまかに示唆するだけとして、かかる抽選の結果の教示を先延ばしにする場合がある。これにより、演出の機会を増やし、遊技により抑揚等を付けて、演出性や遊技性の向上等を図ることができる。
ところで、抽選の結果を先に知り得ることで、遊技を有利に進められる場合もあり、この場合、主表示手段の表示態様を把握していて主表示手段を視認しながら遊技を行っている遊技者と、演出表示手段における演出を楽しむ等して主表示手段を視認していない遊技者等との間で、遊技結果に比較的大きな差(例えば、最終的に獲得する遊技価値の差等)が付いてしまうことが懸念される。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、主表示手段を視認して遊技する遊技者と、主表示手段を視認しない遊技者との間の遊技結果の差を抑制することのできる遊技機を提供することにある。
手段C−1.遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基づいて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
前記主制御手段からの信号に基づいて制御を実行可能なサブ制御手段とを備える遊技機であって、
前記主制御手段によって直接的に制御され、前記当否抽選の結果を教示するための確定表示が行われる主表示手段と、
前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御され、開始及び終了のタイミングが前記主表示手段の前記確定表示と同期する疑似表示が行われるサブ表示手段とを備え、
前記サブ表示手段は、前記主表示手段に並んで配置されるとともに、前記主表示手段の前記確定表示を行うための表示部と同様の表示部を備え、
前記当否抽選における第1の結果を教示する前記主表示手段の前記確定表示の第1態様と、前記サブ表示手段の前記疑似表示の態様とを組合わせた第1の複合態様と、
前記当否抽選における前記第1の結果とは異なる第2の結果を教示する前記主表示手段の前記確定表示の前記第1態様とは異なる第2態様と、前記サブ表示手段の前記疑似表示の態様とを組合わせた第2の複合態様と
が同じ表示態様(表示される位置は異なるが、形は同じ)となるように、
前記サブ表示手段の前記疑似表示の態様を導出可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
手段C−1によれば、主表示手段に並んで配置されたサブ表示手段において主表示手段の確定表示と同期する(当否抽選の結果に関与しない)疑似表示が行われる上、サブ表示手段は主表示手段と同様の表示部を備えていることから、疑似表示は、確定表示と似たような表示態様となる。このため、主表示手段及びサブ表示手段による表示態様のうち主表示手段の表示態様がどれなのかが分かり難くなり、ひいては、主表示手段の確定表示のパターンを分かり難くする(一瞬での判断を難しくする)ことができる。従って、例えば、主表示手段の確定表示(が教示している内容)を視認しつつ、かかる情報に基づいて効率的な遊技を行おうとする遊技者と、主表示手段の確定表示を把握していない遊技者、或いは、確定表示と並行して行われる別の演出を堪能したいがために主表示手段をあえて視認しない遊技者等との間の遊技結果の差(例えば、最終的に獲得する遊技価値の差)を極力小さくすることができる。つまり、主表示手段の表示態様に即座に対応して遊技を行う遊技者が得をする分、相対的に、主表示手段を視認していない遊技者が損をしてしまうといった事態を抑制することができる。結果として、主表示手段の確定表示のパターンを把握し、主表示手段を視認していなければ損をしてしまうといった意識を抑制することができ、確定表示と並行して行われる別の演出等を存分に堪能してもらうことができる。
さらに、主表示手段の確定表示を分かり難くするために、サブ制御手段で制御されるサブ表示手段によって疑似表示を行うこととしている。従って、例えば、主表示手段の確定表示を分かり難くするために、主表示手段の確定表示をより複雑なものとする場合に比べ、主制御手段の制御負担を軽減したり、主表示手段の簡素化を図ったりすることができる。
また、手段C−1によれば、サブ表示手段の疑似表示の態様を適宜変更することによって、例えば、当否抽選における第1の結果を教示する主表示手段の確定表示の第1態様と、サブ表示手段の疑似表示の態様とを組合わせた第1の複合態様と、当否抽選における第1の結果とは異なる第2の結果を教示する主表示手段の確定表示の第2態様と、サブ表示手段の疑似表示の態様とを組合わせた第2の複合態様とを同じ表示態様(表示される位置は異なるが、形は同じ)とすることができるように構成されている。具体的に、例えば、3つの同じセグメント表示装置を左右方向に並べて配置し、左から第1サブ表示手段、主表示手段、第2サブ表示手段として構成する。そして、主表示手段で「1」(第1態様)を表示し、第2サブ表示手段で「3」を表示し、第1サブ表示手段は全消灯した場合と、第1サブ表示手段で「1」を表示し、主表示手段で「3」(第1態様)を表示し、第2サブ表示手段は全消灯した場合とでは、いずれも「13」(第1の複合態様、第2の複合態様)という同じ数字が表示される。このように、主表示手段の表示(教示内容)は異なるが、サブ表示手段の表示と組み合わせると、全体として同じに見える態様を導出可能とすることで、主表示手段の確定表示を分かり難くするといった上記作用効果がより確実に奏されることとなる。
尚、遊技機としてパチンコ機に具体化する場合、例えば、「前記第1の結果として第1特別遊技状態が付与され、前記第2の結果として、第2特別遊技状態が付与され、前記第1特別遊技状態、及び、前記第2特別遊技状態は、ラウンド数、各ラウンドの終了条件が同じである(前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御され、前記第1の結果、及び、前記第2の結果を示唆するための演出表示が行われる演出表示手段による前記演出表示も同じ)ものの、特別遊技状態の終了後に付与される遊技モードが異なるといった構成において、第1の複合態様と、第2の複合態様とが導出される(第1態様と、第2態様とは異なるが、疑似表示を組合わせることで、全体としての複合態様を同様の表示態様にする)こととしてもよい。この場合、特別遊技状態の終了後に付与される遊技モードを事前に把握するためには、第1態様と、第2態様とを把握するしかない。従って、第1態様と、第2態様とを把握し難くすることで、既に決定されている内容が教示されるタイミングを、極力、先延ばしにして、その間に、様々な演出を導出するといった作用効果がより効果的に奏されることとなる。
尚、「第1の複合態様と、第2の複合態様とが同じ表示態様となる」とは、主表示手段の確定表示の態様と、サブ表示手段の擬似表示の態様とを組合わせた複合態様に関して、同じ形を異なる位置で表示することができるといった趣旨である。
手段C−2.前記サブ表示手段の表示部の一部を覆う被覆位置と、当該サブ表示手段の表示部の前記一部を露出させる露出位置との間を変位可能な被覆手段を備えていることを特徴とする手段C−1に記載の遊技機。
手段C−2によれば、被覆手段の変位により、サブ表示手段のうち視認可能となる視認範囲を変更し、主表示手段の表示態様とサブ表示手段の表示態様とで構成される全体の表示態様を一変させることができる。従って、主表示手段の表示態様を認識して、確定表示を把握することをより難しくすることができる。
尚、主表示手段の表示部は被覆手段によって覆われることがないように構成することが望ましい。また、「被覆手段を駆動させる被覆駆動手段を備え、被覆駆動手段は、サブ制御手段によって駆動制御されること」としてもよい。この場合、主制御手段に被覆駆動手段の制御を実行させる場合に比べ、主制御手段の制御負担を減らしつつ、サブ表示手段の表示態様と、被覆駆動手段の駆動状態とを確実に合わせることができる。加えて、第1の複合態様又は第2の複合態様において、サブ表示手段の全体が被覆手段に覆われるように構成することも可能である。
手段C−3.前記第1の複合態様は、前記被覆手段が前記被覆位置にある場合に、前記サブ表示手段のうち前記被覆手段によって被覆されている表示部を使用せずに導出可能に構成され、
前記第2の複合態様は、前記被覆手段が前記露出位置にある場合に、前記サブ表示手段のうち少なくとも前記被覆位置にある前記被覆手段によって前方が覆われる範囲に設置されている表示部を使用して導出可能に構成されていることを特徴とする手段C−2に記載の遊技機。
手段C−4.前記被覆手段は、前記サブ表示手段の表示部の一部を被覆可能な第1被覆手段と、前記サブ表示手段の表示部のうち前記第1被覆手段とは異なる部位を被覆可能な第2被覆手段とを備え、
前記第1の複合態様は、前記第1被覆手段が前記被覆位置にあり、かつ、前記第2被覆手段が前記露出位置にある場合において視認可能な前記サブ表示手段の表示態様と、前記主表示手段の表示態様とによって構成され、
前記第2の複合態様は、前記第1被覆手段が前記露出位置にあり、かつ、前記第2被覆手段が前記被覆位置にある場合において視認可能な前記サブ表示手段の表示態様と、前記主表示手段の表示態様とによって構成されていることを特徴とする手段C−2又はC−3に記載の遊技機。
手段C−3、手段C−4によれば、使用しない領域を被覆手段で隠すことができ、例えば、主表示手段の確定表示と、サブ表示手段の疑似表示と組み合わせた複合態様の表示位置と、被覆手段の位置との相対的な位置関係が異なる(第1の複合態様は被覆手段に近い位置で表示されるのに対し、第2の複合態様は被覆手段から遠い位置で表示される、或いは、サブ表示手段のうち、第2の複合態様では使用される筈の領域が使用されていないことが丸見えとなっている等)ことに起因して、第1の複合態様、及び、第2の複合態様のどちらであるのかを把握され易くなってしまうといった事態を抑制することができる。
尚、手段C−3、手段C−4の具体例としては、3つの同じセグメント表示装置を左右方向に並べて配置し、左から第1サブ表示手段、主表示手段、第2サブ表示手段として構成するとともに、第1サブ表示手段を被覆可能な第1被覆手段と、第2サブ表示手段を被覆可能な第2被覆手段とを設ける。そして、第1被覆手段が被覆位置にあり、かつ、第2被覆手段が露出位置にある場合において、主表示手段で「1」を表示し、第2サブ表示手段で「3」を表示した場合と、第1被覆手段が露出位置にあり、かつ、第2被覆手段が被覆位置にある場合において、第1サブ表示手段で「1」を表示し、主表示手段で「3」を表示した場合とでは、いずれも「13」という同じ数字が表示されることとなる。
また、手段C−4の第1被覆手段及び第2被覆手段のような関係を有する被覆手段の数は特に限定されるものではなく、例えば、主表示手段の上下左右に対してそれぞれ被覆手段を設けることとしてもよい。また、各第1被覆手段及び第2被覆手段についても、それぞれ1つの板状体で構成されるものに限定されず、例えば、複数の板状体で構成されるとともに、それぞれが駆動手段によって独立して動作可能に構成されていることとしてもよい。
手段C−5.前記第1の複合態様が導出される第1表示状態と、前記第2の複合態様が導出される第2表示状態とにおいて、前記主表示手段、及び、前記サブ表示手段の表示部のうち視認可能な面積の和が同じ又はほぼ同じとなるように、前記被覆手段が変位可能に構成されていることを特徴とする手段C−4に記載の遊技機。
手段C−5によれば、例えば、第1被覆手段及び第2被覆手段が同調して動作する(同じ向きに同じ距離を移動する)こと等によって、第1表示状態及び第2表示状態のどちらでも、遊技者から視認される主表示手段の表示部の面積と、サブ表示手段の表示部の面積とを足した面積を(ほぼ)同じとすることができる。従って、例えば、かかる面積の相違から、主表示手段及びサブ表示手段による表示態様に対する識別方法を変えなければならないといった判断をされてしまうといった事態を回避することができる。
手段C−6.前記主制御手段から前記サブ制御手段に対して前記主表示手段の前記確定表示に関する情報を出力可能に構成され、
前記サブ制御手段は、前記主表示手段の前記確定表示に関する情報に基づいて、前記サブ表示手段の前記疑似表示を決定することを特徴とする手段C−1乃至C−5のいずれかに記載の遊技機。
手段C−6によれば、主表示手段の確定表示と、サブ表示手段の擬似表示とを組合わせた複合表示に関し、表示位置こそ異なるものの、表示態様については同一である複合表示が導出されるといった現象を、偶然ではなく、狙って(ピンポイントで)導出させる、或いは、(対応付けするパターンをある程度限定することで)導出される可能性を高めることができる。従って、主表示手段の確定表示のパターンをより分かり難くするといった作用効果がより確実に奏されるとともに、サブ表示手段の表示態様を、主表示手段の表示態様とより効果的に組合わせて演出性の向上等を図ることができる。
手段C−7.前記主表示手段、及び、前記サブ表示手段は、それぞれ複数の発光手段が搭載された発光基板を備え、前記主表示手段の表示部、及び、前記サブ表示手段の表示部は、前記複数の発光手段により構成されていることを特徴とする手段C−1乃至C−6のいずれかに記載の遊技機。
手段C−7によれば、主表示手段及びサブ表示手段が、液晶表示装置で構成される場合に比べて制御の簡素化等が図られ、セグメント表示装置で構成される場合に比べて設計の自由度が向上する。尚、「前記主表示手段の前記発光手段と、前記サブ表示手段の前記発光手段とが、全体として行列状に配置されていること」としてもよい。この場合、意匠性の向上が図られる上、主表示手段と、サブ表示手段との境界が分かり難くなるといった作用効果がより一層奏されることとなる。
手段C−8.前記主表示手段、及び、前記サブ表示手段の表示部側には、前記主表示手段及び前記サブ表示手段の各前記発光手段を個別に挿入可能な挿入孔が形成された取付パネルが設けられ、
前記主表示手段、及び、前記サブ表示手段は、前記発光手段が前記挿入孔に挿入され、前記発光基板が前記取付パネルに当接状態で固定されていることを特徴とする手段C−7に記載の遊技機。
手段C−8によれば、取付パネルによって、主表示手段及びサブ表示手段の発光基板の位置決めを行うことができる。従って、主表示手段及びサブ表示手段の発光手段を同一平面上にずれなく設置することができ、例えば、ずれているような場合に比べ、主表示手段の発光手段と、サブ表示手段の発光手段との区別を付け難くすることができる。
また、取付パネルによって、主表示手段の発光基板と、サブ表示手段の発光基板との境目や、発光基板の表面を隠すことができる。従って、主表示手段の発光手段と、サブ表示手段の発光手段との区別をより付け難くしたり、意匠性の向上、利便性の向上等を図ったりすることができる。
手段C−9.前記主表示手段の複数の前記発光手段は行列状に配置され、
前記サブ表示手段の複数の前記発光手段は、前記主表示手段の前記発光手段の行列に続くようにして前記主表示手段の前記発光手段とともに行列状に配置され、
前記確定表示は、前記主表示手段の複数の前記発光手段のうち、点灯される前記発光手段の位置、又は、組合せが変更されることで変動表示を行うとともに、規定時間後に、前記主表示手段の複数の前記発光手段が、前記抽選の結果に対応付けられた組合わせで点灯されるように構成され、
前記主表示手段の変動表示中は、前記主表示手段及び前記サブ表示手段の複数の発光手段が、前記主表示手段及び前記サブ表示手段の複数の発光手段による全体の配列において規則的となるように点灯及び消灯を繰り返すことを特徴とする手段C−7又はC−8に記載の遊技機。
例えば、行列状に配置された主表示手段の複数の発光手段を規則的に順番に点灯させていくと、主表示手段の発光手段の並びは途切れるが、その代わりに、サブ表示手段の発光手段が並んでいるという場合に、当該サブ表示手段の発光手段を点灯させることで、規則的な点灯の態様を主表示手段及びサブ表示手段の全体にまわしていくことができる。従って、主表示手段の変動表示の見た目が良くなる(自然になる)上、主表示手段の発光手段と、サブ表示手段の発光手段との区切りを分かり難くすることができ、主表示手段の変動停止時には、主表示手段の確定表示を分かり難くするといった上記作用効果がより確実に奏されることとなる。
手段C−10.前記主表示手段の変動表示中において、前記主表示手段及び前記サブ表示手段の前記発光手段の少なくとも1つが点灯している状態においては、前記主表示手段の前記発光手段の少なくとも1つが点灯状態とされることを特徴とする手段C−9に記載の遊技機。
手段C−10によれば、主表示手段が変動表示中であることを確実に示すことができる。
手段C−11.前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御され、前記当否抽選の結果を教示、又は、示唆するための演出表示が行われる演出表示手段と、
前記主表示手段及び前記サブ表示手段のうち少なくとも一方に隣接して、前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御され、前記演出表示手段の前記演出表示と対応(連動)する動作(装飾表示)が行われる装飾(表示)手段とを備えていることを特徴とする手段C−1乃至C−10のいずれかに記載の遊技機。
手段C−11によれば、主表示手段の表示態様の瞬時の判別がより難しくなるとともに、主表示手段の周辺部を視認していても、演出表示手段で派手な演出表示が行われた場合等において、かかる演出表示と対応する装飾手段の動作の方に気を取られ易くなる。従って、主表示手段の確定表示を分かり難くするといった上記作用効果がより一層奏されることとなる。
尚、上記手段C−5に対応して、「前記第1の複合態様が導出される第1表示状態と、前記第2の複合態様が導出される第2表示状態とにおいて、前記主表示手段、及び、前記サブ表示手段の表示部のうち視認可能な面積の和が同じ又はほぼ同じとなるように、前記被覆手段が変位することによって、前記装飾手段のうち視認可能な面積が同じ又はほぼ同じとなること」としてもよい。この場合、装飾手段の視認態様の変化によって、第1表示状態、及び、第2表示状態のどちらにあるのかが分かり易くなってしまうといった事態を防止することができる。
尚、「前記装飾手段は、前記演出表示と対応する装飾表示が行われる装飾表示手段であって、前記装飾表示手段は、前記主表示手段及び前記サブ表示手段の表示部と同じ表示部を有すること」としてもよい。また、装飾手段として、装飾表示手段に代えて、又は、加えて、「前記主表示手段及び前記サブ表示手段のうち少なくとも一方に隣接して、前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御され、前記演出表示手段の前記演出表示と対応(連動)する動作が行われる可動装飾手段を備えていること」としてもよい。
D.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球する等の所定の契機に基づいて、当たり状態を発生させるか否か等の抽選が行われるとともに、主表示手段にて抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている。
また、主表示手段で行われる変動表示に対して追従的に行われ、前記抽選の結果を教示、又は、示唆するための演出用の変動表示が行われる演出表示手段が設けられるものも多い(例えば、特開2006−271480号公報参照)。当該演出表示手段では、主表示手段において抽選の結果が教示されたタイミングでも、かかる抽選の結果をおおまかに示唆するだけとして、かかる抽選の結果の教示を先延ばしにする場合がある。これにより、演出の機会を増やし、遊技により抑揚等を付けて、演出性や遊技性の向上等を図ることができる。
ところで、抽選の結果を先に知り得ることで、遊技を有利に進められる場合もあり、この場合、主表示手段の表示態様を把握していて主表示手段を視認しながら遊技を行っている遊技者と、演出表示手段における演出を楽しむ等して主表示手段を視認していない遊技者等との間で、遊技結果に比較的大きな差(例えば、最終的に獲得する遊技価値の差等)が付いてしまうことが懸念される。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、主表示手段を視認して遊技する遊技者と、主表示手段を視認しない遊技者との間の遊技結果の差を抑制することのできる遊技機を提供することにある。
手段D−1.遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基づいて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
前記主制御手段からの信号に基づいて制御を実行可能なサブ制御手段とを備える遊技機であって、
前記主制御手段によって直接的に制御され、前記当否抽選の結果を教示するための確定表示が行われる主表示手段と、
前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御され、前記当否抽選の結果を教示、又は、示唆するための演出表示が行われる演出表示手段と、
前記主表示手段に向けて光を照射可能な照射手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
手段D−1によれば、主表示手段のうち確定表示を構成している部位と、その周辺部との境界部を含む範囲に照射手段の光を当てることで、両者間のコントラストを極力あいまいにしたり(ぼかしたり)、主表示手段のうち確定表示を構成し得る部位に照射手段の光を当てることで、現在、該当部位が確定表示を構成しているのか否か(何が表示されているのか、或いは、何も表示されていないのか)を分かり難くしたりすることができる。このため、主表示手段の確定表示のパターンを分かり難くする(一瞬での判断を難しくする)ことができる。従って、例えば、主表示手段の確定表示(が教示している内容)を視認しつつ、かかる情報に基づいて効率的な遊技を行おうとする遊技者と、主表示手段の確定表示を把握していない遊技者、或いは、主表示手段とは別の演出を堪能したいがために、主表示手段をあえて視認しない遊技者等との間の遊技結果の差(例えば、最終的に獲得する遊技価値の差)を極力小さくすることができる。つまり、主表示手段の表示態様に即座に対応して遊技を行う遊技者が得をする分、相対的に、主表示手段を視認していない遊技者が損をしてしまうといった事態を抑制することができる。結果として、主表示手段の確定表示のパターンを把握し、主表示手段を視認していなければ損をしてしまうといった意識を抑制することができ、主表示手段とは別の演出等を存分に堪能してもらうことができる。
手段D−2.前記主表示手段が複数の発光手段を備え、当該複数の発光手段により、前記確定表示を行う構成において、
前記発光手段の周辺部に対し、前記発光手段よりも反射率の高い素材が使用されていることを特徴とする手段D−1に記載の遊技機。
手段D−2によれば、照射手段の光を照射することにより、主表示手段のうち、確定表示において、確定表示を構成している部位と、その周辺部との間の境界を極力あいまいにするといった作用効果がより一層奏されることとなる。
手段D−3.前記主表示手段が複数の発光手段を備え、当該複数の発光手段により、前記確定表示を行うとともに、
前記照射手段が前記発光手段の斜め前方から前記発光手段に向けて光を照射する構成において、
前記発光手段の周辺部は、前記照射手段側に傾斜していることを特徴とする手段D−1又はD−2に記載の遊技機。
手段D−3によれば、照射手段によって照射された斜め前方からの光を、効率的に前方に反射させることができる。
手段D−4.前記主表示手段は、複数の前記発光手段が搭載された発光基板を備え、前記主表示手段の表示部は、前記複数の発光手段により構成され、
前記主表示手段の表示部側には、前記主表示手段の各前記発光手段を個別に挿入可能な挿入孔が形成された取付パネルが設けられ、
前記主表示手段は、前記発光手段が前記挿入孔に挿入され、前記発光基板が前記取付パネルに当接状態で固定されていることを特徴とする手段D−1乃至D−3のいずれかに記載の遊技機。
手段D−4によれば、前後方向において、発光手段の前端部と、発光手段の周辺部との位置の違いを極力小さくすることができ、発光手段と、発光手段の周辺部との境界部を分かり難くするといった上記作用効果がより効果的に奏される。さらに、発光手段(の前端部)の周辺部が取付パネルとされることによって、発光手段の周辺部の加工を(上記のように反射率を高めたり、凹状に形成したりする等)比較的自由かつ容易に行うことができる。
また、主表示手段が、液晶表示装置で構成される場合に比べて制御の簡素化等が図られ、セグメント表示装置で構成される場合に比べて設計の自由度が向上する。さらに、例えば、複数の発光基板を比較的近い位置に配置する場合(主表示手段の発光基板が複数でもよいし、主表示手段の発光基板と、主表示手段とは別の表示手段の発光基板とで複数でもよい)、それらをまとめて取付パネルの取付けることによって、かかる複数の発光基板の位置決めを行うことができる。従って、複数の発光手段を同一平面上にずれなく設置することができる。加えて、取付パネルによって、複数の発光基板の境目や、発光基板の表面を隠すことができる。従って、意匠性の向上、利便性の向上等を図ることができる。
手段D−5.前記照射手段は、前記確定表示の終了のタイミングの前後で態様変化することを特徴とする手段D−1乃至D−4のいずれかに記載の遊技機。
手段D−5によれば、確定表示の終了のタイミングで照射手段から光をより強く照射することで、主表示手段の確定表示を把握され難くするといった上記作用効果がより一層奏されることとなる。
尚、照射手段は、例えば、確定表示の終了のタイミングの前後で、消灯状態から点灯状態に切替わるように構成されてもよいし、確定表示の終了前は点灯の変化がない(消えているものは消えたまま、点いているものは付いたまま)とし、終了後は、点灯と消灯とが目まぐるしく変化するように構成してもよい。さらに、例えば、確定表示の終了前は白色単色表示であるのに対し、終了後は様々な色の表示を行うように構成してもよい。
手段D−6.前記サブ制御手段によって直接的、又は、間接的に制御され、開始及び終了のタイミングが前記主表示手段の前記確定表示と同期する疑似表示が行われるサブ表示手段を備え、
前記サブ表示手段は、前記主表示手段に並んで配置されるとともに、前記主表示手段の前記確定表示を行うための表示部と同様の表示部を備え、
前記照射手段は、前記主表示手段と、前記サブ表示手段との間の部位にも光を照射可能に構成されていることを特徴とする手段D−1乃至D−5のいずれかに記載の遊技機。
手段D−6によれば、主表示手段に隣接配置されたサブ表示手段において主表示手段の確定表示と同期する(当否抽選の結果に関与しない)疑似表示が行われる上、サブ表示手段は主表示手段と同様の表示部を備えていることから、疑似表示は、確定表示と似たような表示態様となる。このため、主表示手段及びサブ表示手段による表示態様のうち主表示手段の表示態様がどれなのかが分かり難くなり、ひいては、主表示手段の確定表示のパターンを分かり難くする(一瞬での判断を難しくする)ことができる。従って、主表示手段の確定表示のパターンを把握し、主表示手段を視認していなければ損をしてしまうといった意識を抑制するといった上記作用効果がより一層奏されることとなる。
また、主表示手段の確定表示を分かり難くするために、サブ制御手段で制御されるサブ表示手段によって疑似表示を行うこととしている。従って、例えば、主表示手段の確定表示を分かり難くするために、主表示手段の確定表示をより複雑なものとする場合に比べ、主制御手段の制御負担を軽減したり、主表示手段の簡素化を図ったりすることができる。
さらに、主表示手段と、サブ表示手段との間の部位に光が照射されることによって、主表示手段とサブ表示手段との境目がどこになるのかが認識し難くなる、ひいては、主表示手段の確定表示のパターンが認識し難くなる。これにより、主表示手段の確定表示のパターンを把握し、主表示手段を視認していなければ損をしてしまうといった意識を抑制するといった作用効果がより一層奏されることとなる。
尚、「前記照射手段は、前記サブ制御手段によって制御されること」としてもよい。この場合、主制御手段に照射手段の制御を実行させる場合に比べ、主制御手段の制御負担を減らしつつ、サブ表示手段の表示態様と、照射手段の照射状態とを確実に合わせることができる。また、「前記主制御手段から前記サブ制御手段に対して前記主表示手段の前記確定表示に関する情報を出力可能に構成され、前記サブ制御手段は、前記主表示手段の前記確定表示に関する情報に基づいて、前記サブ表示手段の前記疑似表示、及び、前記照射手段の照射態様を決定すること」としてもよい。この場合、サブ表示手段の表示態様、及び、照射手段の照射態様を、主表示手段の表示態様に合わせることができる。従って、サブ表示手段の表示態様、及び、照射手段の照射態様を、主表示手段の表示態様とより効果的に組合わせて、より思わせぶりな表示を導出したり、サブ表示手段の停止態様を、主表示手段の停止態様と組合わせて、所定の意味のある表示が導出されるようにしたりすることができる。
手段D−7.前記サブ表示手段の表示部の一部を覆う被覆位置と、当該サブ表示手段の表示部の前記一部を露出させる露出位置との間を変位可能な被覆手段を備え、
前記照射手段は、前記被覆手段の裏側に取付けられ、当該被覆手段とともに変位可能に構成されていることを特徴とする手段D−6に記載の遊技機。
手段D−7によれば、被覆手段の変位により、サブ表示手段のうち視認可能となる視認範囲を変更し、主表示手段の表示態様とサブ表示手段の表示態様とで構成される全体の表示態様を一変させることができる。従って、主表示手段の表示態様を認識して、確定表示を把握することをより難しくすることができる。
さらに、照射手段が被覆手段の裏側に取付けられていることによって、被覆手段の位置と、照射手段による照射態様との間の位置ずれを防止することができる。このため、例えば、主表示手段の確定表示と、サブ表示手段の擬似表示とによって構成される複合表示の表示態様としては同じものを、異なる表示位置において導出可能とする場合に、表示位置が、第1位置と、第2位置とで異なっていることを分かり難くするべく、複数の被覆手段を使用して、サブ表示手段の表示部のうち使用されていない領域を被覆するといった構成を採用する場合、第1位置では複合表示に照射手段に光が当たるのに、第2位置では複合表示に照射手段の光が当たらないといった事態を回避することができる。従って、照射手段の光の態様によって、被覆手段が変位したことが簡単に推測され、主表示手段の確定表示のパターンを認識し易くなってしまうといった事態を抑制することができる。また、照射手段自体が直接視認されることによって、意匠性の低下等を招くといった事態を回避することができる。
尚、「被覆手段を駆動させる被覆駆動手段を備え、被覆駆動手段は、サブ制御手段によって駆動制御されること」としてもよい。この場合、主制御手段に被覆駆動手段の制御を実行させる場合に比べ、主制御手段の制御負担を減らしつつ、サブ表示手段の表示態様と、被覆駆動手段の駆動状態とを確実に合わせることができる。また、「前記被覆手段は、前記サブ表示手段の表示部の一部を被覆可能な第1被覆手段と、前記サブ表示手段の表示部のうち前記第1被覆手段とは異なる部位を被覆可能な第2被覆手段とを備え、前記主表示手段及び前記サブ表示手段は、前記第1被覆手段が前記被覆位置にあり、かつ、前記第2被覆手段が前記露出位置にある場合において視認可能な前記サブ表示手段の表示態様と、前記主表示手段の表示態様とで構成される表示態様と同じものを、前記第1被覆手段が前記露出位置にあり、かつ、前記第2被覆手段が前記被覆位置にある場合において視認可能な前記サブ表示手段の表示態様と、前記主表示手段の表示態様とで導出可能に構成されていること」としてもよい。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
a.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞装置、可変入賞装置、始動入賞装置等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
b.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞装置、可変入賞装置、始動入賞装置等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
c.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
d.上記各手段における遊技機は、スロットマシン等の回胴式遊技機であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成した回胴式遊技機」が挙げられる。
e.上記各手段における遊技機は、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機(特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の遊技機)であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成し、さらに球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む取込手段と、前記球受皿に遊技球の払出しを行う払出手段とを備え、前記取込手段により遊技球が取り込まれることにより遊技の開始条件が成立するように構成した遊技機」が挙げられる。