以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する固定枠としての外枠11を備えており、この外枠11の一側部に遊技盤取付枠としての内枠12が開閉可能に支持されている。尚、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される遊技部材(釘や役物等)、前面枠としての前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。尚、前面枠セット14は、内枠12を介してではなく、外枠11に直接開放可能に支持されるように構成してもよい。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1、図2に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下「ハンドル18」と称する)が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段(可変抵抗器)が設けられている。そして、ハンドル18が右回りに回動操作されると、回動操作量に応じた強さで、後述する発射手段としての発射装置60によって遊技球が発射される。また、ハンドル18には、ハンドル18を握った右手の親指で押圧操作可能な発射禁止ボタン18aが設けられている。当該発射禁止ボタン18aを押圧した状態においては、ハンドル18を握っていたとしても、発射装置60による遊技球の発射が禁止される。このため、遊技球の発射を禁止しつつハンドル18の回動操作を行ったり、ハンドル18を握った状態で、一時的に遊技球の発射を止めたりすることができる。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射装置60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19上面には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
さらに、上皿19上面には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
加えて、上皿19上面には、LEDが内蔵された演出ボタン125及び十字ボタン126が設けられており、演出ボタン125や十字ボタン126を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、遊技状態の変化等に応じて発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12には、窓孔39の後側において、遊技盤30が樹脂ベース38の裏側に当接した状態で装着されている。従って、遊技盤30前面の略中央部分が窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60によって発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。さらに、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
次に、遊技盤30(遊技領域)の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、第1可変入賞装置32a、第2可変入賞装置32b、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33b、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35、可変表示手段としての第1特別表示装置43L及び第2特別表示装置43R、変動特定ランプ40等が配設されている。周知の通り、一般入賞口31、可変入賞装置32a、32B、始動入賞装置33a、33B等の各種入賞口に遊技球が入球(入賞)すると、各種検出スイッチにより検出され、上皿19又は下皿15へ所定数の賞球が払い出される。
本実施形態では、一般入賞口31への入球があった場合には10個、第1可変入賞装置32aへの入球があった場合には14個、第2可変入賞装置32bへの入球があった場合には13個、第1始動入賞装置33aへの入球があった場合には2個、第2始動入賞装置33bへの入球があった場合には1個の遊技球が払出されるように構成されている。また、遊技球が通過するだけで入球することのない(遊技盤30の裏面側に排出される)スルーゲート34に遊技球が通過しても、遊技球の払出しは行われない。
その他に、遊技盤30には、遊技領域の最下部に対応してアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
遊技領域の略中央部には、可変表示装置ユニット35が配設されている。可変表示装置ユニット35には、後述する装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。
センターフレーム47の左側部には入球口151が設けられており、該入球口151に入球した遊技球は、センターフレーム47の内部に形成されたワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される。ステージ153上に案内された遊技球は、ステージ153上を転動する等して、ステージ153上から前方の遊技領域に転落したり、ステージ153の中央に形成された前後に延びて遊技球を前方に案内する導出溝154に落下したりする。
さて、本実施形態では、センターフレーム47のステージ153の前面側には、前方に位置する遊技者に向けて赤外線を照射可能な透光部402と、透光部402から発せられ、遊技者の眼球で反射した光を検知する受光部403とを備える視線検知センサ401が設けられている。視線検知センサ401は、サブ制御装置262の入出力ポート554と電気的に接続され、サブ制御装置262は、受光部403の検知情報に基づいて、遊技者の目の位置及び視線角度を解析する機能(解析手段)を有している。本実施形態では、サブ制御装置262のかかる解析機能と、視線検知センサ401とによって視線検知手段が構成される。詳しくは後述するが、本実施形態では、視線検知センサ401の検知情報を利用した各種案内や演出等を行うようになっている。
可変表示装置ユニット35の下方位置には、第1始動入賞装置33aが配設されている。第1始動入賞装置33aは、遊技盤30の前面部から前方へ突出し、その上側に遊技球が常時入賞可能な入賞口が開口している。特に、上記ステージ153の導出溝154に案内される遊技球は、比較的高い確率で第1始動入賞装置33aに入球するように構成されている。尚、本実施形態の第1始動入賞装置33aには、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球し易さを変化させるような開閉部材は設けられていない。
第1始動入賞装置33aの下方位置には、第1可変入賞装置32aが配設されている。第1可変入賞装置32aは、通常、遊技球が入賞不能な閉状態になっており、対応する種別の大当たり状態等の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。尚、図示は省略するが、第1可変入賞装置32aは、遊技盤30の後方へと通じる大入賞口と、大入賞口を開閉する大入賞シャッタと、大入賞シャッタを動作させるための大入賞口用ソレノイドと、大入賞口に入球した遊技球を検出する第1カウントスイッチ223aとを備え、大入賞口用ソレノイドを駆動制御し、大入賞シャッタを開閉させることで、第1可変入賞装置32a(大入賞口)を閉状態と開状態とに切替えている。
以下、便宜上、遊技領域のうち、可変表示装置ユニット35の左側方に位置する領域を「左側方領域」といい、可変表示装置ユニット35の右側方に位置する領域を「右側方領域」という。また、左側方領域の下流側にあたり、第1始動入賞装置33aや第1可変入賞装置32aが配置される遊技盤30の左右方向略中央部よりも左側に位置する領域を「左下部領域」といい、右側方領域の下流側にあたり、遊技盤30の左右方向略中央部よりも右側に位置する領域を「右下部領域」という。
左下部領域の下部には、遊技領域の周縁部(内レール構成部51)に沿って斜めに所定間隔で3つの一般入賞口31が配設されている。各一般入賞口31は、遊技盤30の前面部から前方へ突出し、その上側に遊技球が常時入賞可能な入賞口が開口している。
右側方領域には、スルーゲート34が配置されている。スルーゲート34は、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。詳しくは後述するが、スルーゲート34は、当該スルーゲート34を通過する遊技球を検知可能なスルーゲートスイッチ225を備えている。当該スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検知された場合には、詳しくは後述する第2始動入賞装置33bを開状態とするか否かの入球サポート抽選が行われるとともに、普通図柄表示装置41にて当該入球サポート抽選の結果を教示するための変動表示が行われる。そして、入球サポート抽選にて当選した場合には、当該変動表示の終了後に第2始動入賞装置33bが規定時間だけ開状態とされる。
さらに、右側方領域におけるスルーゲート34の下流側には、第2可変入賞装置32bが配設されている。第2可変入賞装置32bは、通常、遊技球が入賞不能な閉状態となっており、対応する種別の大当たり状態の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。尚、図示は省略するが、第2可変入賞装置32bは、遊技盤30の後方へと通じる大入賞口と、大入賞口を開閉する大入賞シャッタと、大入賞シャッタを動作させるための大入賞口用ソレノイドと、大入賞口に入球した遊技球を検出する第2カウントスイッチ223bとを備え、大入賞口用ソレノイドを駆動制御し、大入賞シャッタを開閉させることで、第2可変入賞装置32b(大入賞口)を閉状態と開状態とに切替えている。
ちなみに、本実施形態の第1及び第2可変入賞装置32a、32bの大入賞シャッタは、大入賞口の下縁部に沿って大入賞シャッタの下縁部が回動可能に軸支されており、第1及び第2可変入賞装置32a、32bの閉状態では、大入賞シャッタが上下に延びて大入賞口を閉塞し、大入賞シャッタの前方を遊技球が通過可能な状態となる。一方、第1及び第2可変入賞装置32a、32bの開状態では、大入賞シャッタが前方に回動して前後に延び(上面が後方に向けて少し下方傾斜している)、大入賞口の前方に流下してきた遊技球を大入賞シャッタの裏面(上面)で受けて大入賞口へと案内するようになっている。
右下部領域において第2可変入賞装置32bの下流側には、第2始動入賞装置33bが配設されている。第2始動入賞装置33bは、遊技球が入球可能な第2始動入賞装置33bの入賞口(始動入賞口)の左右両側に隣接して、回動変位可能な一対の羽根部材37を備えており、一般的な電子チューリップと称される形状となっている。特に、本実施形態では、第2始動入賞装置33bの始動入賞口の直上方位置に遊技釘が配設されており、羽根部材37が上下に延びる閉姿勢とされている場合には、前記遊技釘と羽根部材37との間に遊技球が通過する余地はなく、第2始動入賞装置33bは、遊技球が始動入賞口に入球不可能な閉状態となっている。一方、羽根部材37が外側に開く開姿勢に変化することで、第2始動入賞装置33bは、遊技球が始動入賞口に入球可能な開状態となる。
また、本実施形態では、第2始動入賞装置33bの下流側、かつ、可変入賞装置33の上流側(右方)おいて、遊技領域を移動する遊技球が入球可能なアシスト入賞口48が設けられている。アシスト入賞口48に入球した遊技球をカウントするアシスト入賞検知スイッチ227によって遊技球が検知されると、上皿19若しくは下皿15に遊技球が3個払い出されるようになっている。
尚、詳しくは後述するが、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33bには、それぞれ入賞した遊技球を検知する条件成立検出手段としての第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bが設けられており、当該始動入賞スイッチ224a、224bにて遊技球が検知された場合には、大当たり状態等を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、後述する特別表示装置43L、43R(及び装飾図柄表示装置42)にて変動表示が行われる構成となっている。そして、当否抽選にて当選した場合には、第1可変入賞装置32a、又は、第2可変入賞装置32bが開放される大当たり状態等が付与される。
本実施形態では、当否抽選にて所定の確率で大当たりに当選する「低確率状態」と、当否抽選にて低確率状態よりも高確率で大当たりに当選する「高確率状態」とがある。さらに、第2始動入賞装置33bの羽根部材37が比較的頻繁に開放され、遊技球を第2始動入賞装置33bへ入球させ易くなる「高入球状態」と、羽根部材37がほとんど開位置とされず、遊技球を第2始動入賞装置33bへ入球させ難い「低入球状態」とがある。以下、低確率状態かつ低入球状態である状態を「通常モード」と称し、低確率状態かつ高入球状態である状態を「時間短縮モード」と称し、高確率状態かつ高入球状態である状態を「確変モード」と称し、高確率状態かつ低入球状態である状態を「潜確モード」と称する。
さらに、本実施形態では、通常モード、確変モード、及び、潜確モードは、大当たり状態が発生するまで継続されるのに対し、時間短縮モードは大当たり状態が発生しなくても特別表示装置43L、43R及び装飾図柄表示装置42における変動表示が予め設定された規定回数行われると終了し、通常モードに移行する構成となっている。
尚、確変モードや時間短縮モードにおいては、第2始動入賞装置33bの羽根部材37が比較的頻繁に開放されて入球し易くなっている一方で、第1始動入賞装置33aについては入球し易くなるわけではないことから、遊技者は、確変モードや時間短縮モードになると、右側方領域に向けて遊技球を発射させる(所謂、「右打ち」をする)こととなる。また、かかる右打ちのタイミングに際しては、装飾図柄表示装置42等において、右打ちを促すアナウンスが行われるようになっている。
本実施形態では、第1始動入賞装置33a(所謂、「へそ」)に遊技球が入球した場合に行われる当否抽選にて当選した場合と、第2始動入賞装置33b(所謂、「電子チューリップ、電チュー」)に遊技球が入球した場合に行われる当否抽選にて当選した場合とで、付与される当たりの種別が変化する(当たり状態の種別を決定する際に参照される種別判定テーブルが異なる)ように構成されている。
より具体的には、第1始動入賞装置33aへの入球に基づいて大当たり状態に当選した場合の大当たり種別としては、16ラウンド確変大当たり(以下「16RS」と言う)と、8ラウンド確変大当たり(以下「8RS」と言う)と、8ラウンド通常大当たり(以下「8RN」)と、2ラウンド確変大当たり(以下「2RS」と言う)とがある。「16RS」、「8RS」、「8RN」に関しては、第1可変入賞装置32aが30秒間開放されること、又は、第1可変入賞装置32aが開放されてから第1可変入賞装置32aに8個の遊技球が入球することを1ラウンドとして、「16RS」に関しては、それが16回繰り返され、「8RS」、「8RN」に関しては、それが8回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。一方、「2RS」に関しては、第1可変入賞装置32aが0.4秒間開放されることを1ラウンドとして、それが2回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。すなわち、「16RS」、「8RS」、「8RN」に関しては、大当たり状態中に大幅な遊技球の増加が見込める大当たり(所謂、「出玉有り大当たり」)であるものの、「2RS」は、遊技球の大幅な増加が見込めない大当たり(所謂、「出玉無し大当たり」)となっている。
また、「16RS」、「8RS」の大当たり状態終了後には「確変モード」が付与され、「2RS」の大当たり状態終了後には「潜確モード」が付与され、「8RN」の大当たり状態終了後には「時間短縮モード」(本例では、変動表示90回分)が付与される。つまり、「16RS」、「8RS」、「8RN」の大当たり状態終了後は、第2始動入賞装置33bが開状態とされ易い高入球状態となるため、遊技者は右側方領域に向けて遊技球を発射させることとなる。本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選において大当たりに当選した場合、5%の割合で「16RS」となり、55%の割合で「8RS」となり、30%の割合で「8RN」となり、10%の割合で「2RS」となる。
さらに、本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選において、小当たりに当選する場合がある。第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選において、小当たりした場合には、第1可変入賞装置32aが0.4秒間開放されることを1ラウンドとして、それが2回繰り返されてから、小当たり状態が終了する。つまり、第1可変入賞装置32aに関し、外見上は、「2RS」と同じである。但し、小当たり状態が発生する前と、発生した後とで遊技モードが変化することはない。すなわち、通常モードにおいて「2RS」に当選すると、潜確モードに移行するのであるが、小当たりに当選しても、通常モードが継続される。これにより、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選において、高確率状態が付与されない2ラウンド大当たり(2ラウンド通常大当たり)に当選するような振分けを行わなくても、第1可変入賞装置32aが短く2回開放されることで必ず高確率状態に移行してしまったことが分かってしまうといった事態を回避することができる。
その一方で、第2始動入賞装置33bへの入球に基づいて大当たり状態に当選した場合の大当たり種別としては、16ラウンド確変大当たりと、8ラウンド確変大当たりと、2ラウンド通常大当たり(以下「2RN」と言う)とがある。尚、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選にて当選した場合には、第1可変入賞装置32aではなく、第2可変入賞装置32bが開放される(本例では、ラウンド終了条件は同じであるが、可変入賞装置32a、32bにそれぞれ遊技球が入球した場合の払出個数(14個と13個)が異なる)こととなるものの、説明の便宜上、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選にて当選した場合の大当たりの種別についても、便宜上、同じ名称(「16RS」、「8RS」)を使用することとする。加えて、本実施形態では、第1可変入賞装置32aが開状態とされる大当たり状態のラウンド終了条件と、第2可変入賞装置32bが開状態とされる大当たり状態のラウンド終了条件とが同じである(8個の入賞、或いは、30秒の経過で1ラウンドとなる)が、異ならせること(例えば、ラウンド中の遊技球の入賞上限が8個と9個)としてもよい。
また、「2RS」に関しては、第2可変入賞装置32bが0.4秒間開放されることを1ラウンドとして、それが2回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。すなわち、「16RS」、「8RS」に関しては、大当たり状態中に大幅な遊技球の増加が見込めるものの、「2RN」は、遊技球の大幅な増加が見込めない大当たりとなっている。
また、「2RN」の大当たり状態終了後には「時間短縮モード」が付与される。本例では、「2RN」でも3つに分かれており、変動表示30回分の時間短縮モードが付与される「2RN30」と、変動表示60回分の時間短縮モードが付与される「2RN60」と、変動表示90回分の時間短縮モードが付与される「2RN90」とがある。本実施形態では、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選において大当たりに当選した場合、35%の割合で「16RS」となり、35%の割合で「8RS」となり、20%の割合で「2RN30」となり、5%の割合で「2RN60」となり、5%の割合で「2RN90」となる。
さらに、本実施形態では、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選において、小当たりに当選する場合がある。第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選において、小当たりした場合には、第2可変入賞装置32bが0.4秒間開放されることを1ラウンドとして、それが2回繰り返されてから、小当たり状態が終了する。つまり、第2可変入賞装置32bに関し、外見上は、「2RN」と同じである。但し、小当たり状態が発生する前と、発生した後とで遊技モードが変化することはない。すなわち、確変モード等の高確率状態は、基本的に「2RN」に当選することで低確率状態(時間短縮モード等)に移行するのであるが、確変モードで小当たりに当選しても、確変モードが継続される。これにより、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選において2ラウンド確変大当たり「2RS」に当選するような振分けを行わなくても、第2可変入賞装置32bが短く2回開放されることで必ず低確率状態に移行してしまったことが分かってしまうといった事態を回避することができる。
また、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選の結果を教示する第1特別表示装置43L、及び、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選の結果を教示する第2特別表示装置43Rは、それぞれ2つのセグメント表示装置により構成され、特別図柄としての記号、文字、及び、数字等を表示可能に構成されている。この特別表示装置43L、43Rは、遊技者から視認可能な位置(本例では遊技領域の左下部領域に隣接している遊技球が通過不能な位置)に設置されている。
そして、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球を契機として第1特別表示装置43Lにて特別図柄の切替表示(変動表示)が行われ、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球を契機として第2特別表示装置43Rにて特別図柄の切替表示(変動表示)が行われる構成となっている。尚、特別表示装置43L、43Rは、後述する主制御手段としての主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。
また、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて特別図柄の変動表示が行われた後、当該変動表示が停止したときの特別図柄により、当否抽選の結果、すなわち、「大当たり」、「小当たり」、又は、「外れ」であることが確定的に表示される。例えば、第1始動入賞装置33aに遊技球が入球すると、対応する第1特別表示装置43Lにて特別図柄(点灯するセグメントの組合わせ)が高速で(例えば4msec毎に)切替表示(変動表示)され、所定時間が経過すると、いずれかの特別図柄を停止表示(例えば数秒間停止)する。そして、例えば、当否抽選にて「大当たり」に当選した場合には、対応する特別図柄が変動停止時に表示され、大当たり状態が発生する。
さらに、特別表示装置43L、43Rにおいては、停止させる特別図柄によって、大当たり種別、すなわち、「16RS」、「8RS」、「8RN」、「2RS」、「2RN」のいずれであるかについても教示される。また、1つの大当たり種別を教示する特別表示装置43L、43Rの停止態様は1つではなく複数存在し、それらのいずれかが選択されて停止表示される。また、第1特別表示装置43L、第2特別表示装置43Rのどちらか一方において、変動表示又は決定表示が行われている場合には、他方が消灯状態とされており(「−」を表示しておいてもよい)、どちらにおいても変動表示及び決定表示が行われていない場合には、両方においてそれぞれ「−」が表示される。
また、第1又は第2特別表示装置43L、43Rの変動表示中に新たに遊技球が第1又は第2始動入賞装置33a、33bに入球した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では、第1始動入賞装置33aに入賞した遊技球、及び第2始動入賞装置33bに入賞した遊技球に対応して、それぞれ4回までの変動表示(合計8回の変動表示)が保留される。
さらに、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第1変動表示」と言う)の保留数は、第1特別表示装置43Lの上方に配設され、青色に発光可能な第1保留ランプ46aにて点灯表示され、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第2変動表示」と言う)の保留数は、第2特別表示装置43Rの上方に配設され、赤色に発光可能な第2保留ランプ46bにて点灯表示されるようになっている。保留ランプ46a、46bは、第1変動表示及び第2変動表示の各最大保留数と同じく4個ずつ設けられており、保留されている第1変動表示又は第2変動表示の数と同じ数だけ点灯する。当該保留ランプ46a、46bは、後述するサブ制御手段としてのサブ制御装置262によって表示内容が制御される。尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞ユニット33a、33bに入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。また、本実施形態では、始動入賞装置33a、33bへの遊技球の入球に基づく変動表示の保留数が、装飾図柄表示装置42においても表示される(変動表示が行われている際に画面下部に表示される)ようになっている。
尚、保留された変動表示は、基本的に、保留された順番で消化されるようになっているが、第1変動表示及び第2変動表示の両方が保留されている場合(保留ランプ46a、46bがそれぞれ1つ以上点灯している場合)には、第2変動表示が優先的に消化されるようになっている。すなわち、第2始動入賞装置33bへの入賞を契機とする第2変動表示が全て消化された状態でなければ、第1始動入賞装置33aへの入球を契機とする第1変動表示が行われない構成となっている。例えば、第1保留ランプ46aが1つ点灯している状態において、第2始動入賞装置33bに遊技球が入球し、第2保留ランプ46bが1つ点灯した場合、第1変動表示が後回しにされ、先に第2変動表示が行われることとなる。
変動特定ランプ40は、装飾図柄表示装置42にて行われている変動表示が第1始動入賞装置33a、及び、第2始動入賞装置33bのうちどちらの入球に対応するものであるか(第1変動表示又は第2変動表示のどちらであるか)を示すためのものであり、遊技者から視認可能な位置(本例ではセンターフレーム47のステージ153上方位置)に配置されている。変動特定ランプ40は、発光色が青色のLED及び発光色が赤色のLEDを備えており、装飾図柄表示装置42において第1変動表示が行われている場合には青色に発光し、第2変動表示が行われている場合には赤色に発光する。
可変表示装置ユニット35には、スルーゲート34の通過を契機として変動表示する普通図柄表示装置41(センターフレーム47のステージ153上方位置)と、第1及び第2特別表示装置43L、43Rによる変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球がスルーゲート34を通過した場合に、例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)する。そして、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合には、第2始動入賞装置33b(羽根部材37)が所定時間だけ開状態となる。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
また、普通図柄表示装置41における普通図柄の変動表示中に、新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される普通図柄の変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留される。加えて、普通図柄の変動表示の保留回数は、可変表示装置ユニット35に配設され、白色に発光可能な保留ランプ44によって点灯表示されるようになっている。保留ランプ44は、普通図柄の変動表示の各最大保留数と同じく4個ずつ設けられており、保留されている変動表示の数と同じ数だけ点灯する。
尚、高入球状態としては、例えば、(1)普通図柄表示装置41における変動表示時間が低入球状態時よりも短い状態、(2)第2始動入賞装置33bの一回の開放時間(規定時間)が低入球状態時に比べて長い状態、(3)第2始動入賞装置33bの一回の開放につき入球可能となる遊技球の規定個数が低入球状態時に比べて多い状態、(4)入球サポート抽選の当選一回当たりの第2始動入賞装置33bの開放回数が低入球状態時に比べて多い状態、(5)入球サポート抽選の当選確率が低入球状態時よりも高い状態とすることなどが挙げられる。本実施形態における高入球状態は、上記(1)、(2)、(5)の構成を採用している。勿論、これに限らず、「高サポートモード」として、構成(1)〜(5)のいずれか1つ、又は、これら構成(1)〜(5)の任意の組合せを採用してもよい。これにより、第2始動入賞装置33bに対し遊技球が頻繁に入賞しやすくなり、当否抽選の実行される回数が増えると共に、遊技者の持ち球の減少が抑制される球持ちのよい状態となる。
装飾図柄表示装置42は、液晶表示装置によって構成されており、識別情報としての装飾図柄を変動表示可能に構成されている。また、装飾図柄表示装置42は、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、当該決定に基づき、表示制御装置45によって表示が行われる。
装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中、下の3つの図柄表示領域が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の装飾図柄(例えば1〜9の数字が付された数字図柄)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)装飾図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて大当たり状態の発生が確定すると、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域において変動表示されている装飾図柄が、所定の有効ライン上に同一の装飾図柄が並ぶようにして停止表示され)、大当たり状態が開始される。
また、装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の装飾図柄が停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて所定の有効ライン上に同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。勿論、リーチ状態が発生したからといって必ずしも大当たりとなるわけではなく、外れる場合もある。
本実施形態では、リーチ状態が発生した後、中図柄表示領域において、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において停止表示された装飾図柄(リーチ図柄)と同じ装飾図柄が同じ有効ライン上に停止表示された場合(ゾロ目が停止表示された場合)に、大当たり状態が付与される。また、奇数のゾロ目の場合には、「16RS」又は「8RS」が発生し、偶数のゾロ目の場合には、「16RS」、「8RS」、又は「8RN」のいずれかが発生する。
ゾロ目以外の装飾図柄の組合わせは基本的に「外れ」を教示するものであるが、本実施形態では、大当たりであっても「2RS」、「2RN」については、装飾図柄がゾロ目の組合わせで停止表示されるのではなく、リーチ図柄となったものの外れとなる組合わせで停止表示される。加えて、「小当たり」についても、リーチ図柄となったものの外れとなる組合わせで停止表示される。
例えば、確変モードにおいては、遊技モードに対応する(滞在している遊技モードを示唆する)演出として、装飾図柄表示装置42において専用の確変ステージが表示されるが、「2RN」に当選して確変モードが終了した場合、或いは、「小当たり」に当選した場合には、かかる確変ステージが終了し、確変モードであるか否かの判別がつかない引き戻しステージが表示される。そして、「2RN」に当選していて、付与された時間短縮モードの期間も終了した場合には、かかる引き戻しステージを終了して、通常モードである(可能性が非常に高い)ことを示す通常ステージの表示を開始する。また、「小当たり」に当選していた場合には、「小当たり」の前後で遊技モードの変化がないことから、確変モードのままである。従って、引き戻しステージに移行するものの、大当たりし易く、さらには、時間短縮モードの最大限に相当する期間(特別図柄の変動表示90回分)を超えた場合には、確変モードであることを把握することができる。
尚、上記のように、特別表示装置43L、43Rにおける特別図柄の停止態様と大当たり種別との対応関係を把握しており、大当たり又は小当たりの発生を教示した特別図柄変動表示の停止態様を確認いていれば、どの種別の大当たりに当選したのかを判別することが可能である。加えて、第2始動入賞装置33bへの入球に基づいて行われる当否抽選で大当たりに当選した場合で、装飾図柄表示装置42においてゾロ目を表示する大当たり種別としては「16RS」と「8RS」しかない。このため、基本的に(保留されていた第1始動入賞装置33aへの入球に対応する変動表示が消化される場合を除く)確変モードや時間短縮モードにおいて装飾図柄表示装置42においてゾロ目で大当たりの教示が行われた場合には、確変モードの付与が確定する。
また、例えば、通常モードにおいては、遊技モードに対応する演出として、装飾図柄表示装置42において通常ステージが表示されるが、「2RS」に当選して確変モードに移行した場合、或いは、「小当たり」に当選した場合には、かかる通常ステージが終了し、確変モードであるか否かの判別がつかない前兆ステージが表示される。本実施形態では、この前兆ステージは、「小当たり」が移行契機であった場合、すなわち、通常モードに滞在している場合には、特別図柄の変動表示で、10回〜50回程度の期間で導出された後、通常ステージに戻るようになっている。その一方で、「2RS」が移行契機であった場合、すなわち、潜確モードに滞在している場合には、基本的に大当たりするまで前兆ステージとなっている。尚、前兆ステージから通常ステージに戻るか否かの抽選を行うこととしてもよいし、前兆ステージから通常ステージに戻った後、再び前兆ステージに移行するか否かの抽選(潜確モードであれば、前兆ステージに戻る確率を高くすることが望ましい)を行うこととしてもよい。加えて、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選において「8RN」に当選した場合、及び、「8RS」に当選したものの、その大当たり状態の終了までの間に確変モードが付与されることが教示されなかった場合には、大当たり状態終了後、引き戻しステージに移行する。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52の略先端部(図4の右上部)には、返しゴム54が取着されている。所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻されることとなる。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12の前面側に設けられた発射レール61とレールユニット50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、前面枠セット14の球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠セット14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、装飾図柄表示装置42における表示や音声等を用いて下皿15が満杯であることを教示するエラー報知の制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)エラー報知の状態が解除される。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32及び始動入賞ユニット33等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、遊技盤30には、一般入賞口31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入球した遊技球を検出する入球検出スイッチが設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、第1可変入賞装置32a、第2可変入賞装置32bには、第1カウントスイッチ223a、第2カウントスイッチ223bが設けられ、アシスト入賞口48にはアシスト入賞検知スイッチ227が設けられている。また、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33bには、第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bが設けられている。さらに、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、入賞口スイッチ221、第1カウントスイッチ223a、第2カウントスイッチ223b、アシスト入賞検知スイッチ227、及びスルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、入賞口スイッチ221等と、主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。これに対し、第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入球検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検出された場合を除く。)
この他、遊技盤30の裏面には、図示は省略するが、第1可変入賞装置32aや、第2可変入賞装置32bにて大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドが設けられ、第2始動入賞装置33bにて羽根部材37を開閉駆動する入賞口用ソレノイドが設けられている。また、裏枠セット215には、これらソレノイドと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板(図示略)も設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部端子板240が設けられている。
外部端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や確変モード等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91、92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313、及び、カードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
さて、本実施形態では、視線検知センサ401の検知情報を利用して各種案内や演出等を行う機能を有している。その1つ目として、手を使わずに欲しい情報を得る機能、例えば、表示手段としての装飾図柄表示装置42における表示態様等を切替える機能がある。より具体的に説明すると、図4に示すように、本実施形態では、内枠12の樹脂ベース38のうち、遊技領域の右方に隣接する部位の前面側には、各種ガイド項目がプリントされた情報手段としての案内プレート405a〜405eが、窓孔39に沿って、互いに所定距離を隔てて、複数個設けられている。案内プレート405a〜405eの遊技領域外周方向における幅(短手方向の幅)は10mm〜20mmとなっている。
本実施形態では、返しゴム54に隣接する部位に配置された案内プレート405aには、当該パチンコ機10の「スペック」が記載されている。その下の案内プレート405bには、「ストーリー」の文字等が記載されている。その下の案内プレート405cには、「ステージチェンジ」の文字等が記載されている。その下の案内プレート405dには、「時計」の文字等が記載されている。尚、「ストーリー」、「ステージチェンジ」、「時計」の案内プレート405b〜405dには、その項目名だけが記載されている。一方、「スペック」の案内プレート405aには、「スペック」という文字の他にも、低確率状態における大当たり確率、高確率状態における大当たり確率、高確率状態に振り分けられる割合、及び各種入賞装置に遊技球が入球した場合の賞球数(対応関係は不明)が記載されているが、「スペック」という項目名の文字だけは大きく、個別の情報を示す文字はかなり小さい。
これに対し、視線検知手段は、視線検知センサ401の検知情報と、予め記憶されている各案内プレート405a〜405eの位置情報とに基づいて、遊技者の視線の先に設置されている案内プレート405a〜405eの種別(各案内プレート405a〜405eに対応する情報)を判別可能に構成されている。これにより、遊技者の視線に基づいて、遊技者が何の情報を得ようとしているのかを判別することができ、対応して実行すべき処理を把握することができる。尚、視線検知センサ401の検知精度の向上を図るべく、視線検知センサ401の受光部403と、各案内プレート405a〜405eとを真っ直ぐに繋ぐ仮想直線上に各種入賞装置やスルーゲート34等の遊技者が興味を持って視認し得る部材を配置しないことが望ましい。
さらに、本実施形態では、視線検知センサ401によって、遊技者の視線が所定の案内プレート405a〜405eを2秒以上捉えている(留意している)ことが検知された場合には、装飾図柄表示装置42において、「スペック」、「ストーリー」、「ステージチェンジ」、「時計」のうち対応する表示を導出させるように構成されている。すなわち、「スペック」の案内プレート405aが選択された場合には、装飾図柄表示装置42において、低確率状態における大当たり確率、高確率状態における大当たり確率が表示されるとともに、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球に基づく当否抽選にて大当たりに当選した場合の大当たり種別の振分け、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づく当否抽選にて大当たりに当選した場合の大当たり種別の振分け、各入賞口、つまり、一般入賞口31、第1可変入賞装置32a、第2可変入賞装置32b、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33bに遊技球が入球した場合の賞球数(対応関係を明記)、各大当たり状態の説明(ラウンド数、1ラウンドの定義、大当たり状態終了後に移行する可能性のある遊技モード等)、各ステージの説明等が表示(ガイド表示)される。
但し、これらの情報が一度に表示されるのではなく、「スペック」が選択された場合、先ず、「低確率状態における大当たり確率」、「高確率状態における大当たり確率」、「高確率状態に振り分けられる割合」、「高確率状態に振り分けられる割合」の項目名及び数字が表示されるとともに、「大当たり種別の振分け詳細」、「賞球数の詳細」、「遊技説明」といったカーソルを移動させることで選択可能な項目が表示される。そして、選択項目を選択する(例えば、選択項目を2秒以上視認し続ける)ことで、対応するより詳細な情報が表示されることとなる。
また、「ストーリー」の案内プレート405bが選択された場合、装飾図柄表示装置42において「あらすじ」、各「キャラクタ」の選択項目が表示され、それぞれを選択する(例えば、選択項目を2秒以上視認し続ける)と、対応する詳細な情報が表示(ガイド表示)されることとなる。尚、あらすじや各キャラクタの説明が長い(1ページで収まらない)場合には、その画面を遊技者の操作に応じてスクロールさせて視認させるように構成されている。以上のような「スペック」や「ストーリー」のガイド表示では、案内プレート405a、405bの表面積には到底記しきれない程の情報(表示するとすれば非常に小さく見難くせざるを得なくなる文字数や図形等)を提供可能となっている。但し、視線検知センサ401の視線操作などで選択可能な装飾図柄表示装置42における選択肢が表示される画面(メニュー画面など)は、いずれも静止画面で表示され、項数が多い場合には、視線検知センサ401や十字ボタン126等の操作に応じてスクロール(スライド)するようになっている。
尚、選択決定を視線動作によっても行えるように構成してもよい。例えば、視線を右から左に動かすと右側の選択項目にカーソルが移動するように構成したり、ウインク(瞬くとの区別を図るべく片目をつぶる動作の方が望ましい)を行うことでカーソルが合わされた選択項目の入力を決定したりするように構成してもよい。
さらに、「ステージチェンジ」の案内プレート405cが選択された場合、装飾図柄表示装置42に表示されるステージを変更する処理を行う。すなわち、本実施形態では、変動表示が行われる状態においては、確変モードであることを示す「確変ステージ」、確変モード又は時間短縮モードであることを示す「引き戻しステージ」、潜確モードに滞在している可能性があることを示唆する「前兆ステージ」、これらのステージ以外の状態であることを示す「通常ステージ」のいずれかに滞在する。このうち、基本的に最も滞在時間の長くなる「通常ステージ」として、3つのステージが用意されている。そして、通常ステージの滞在時において、ステージチェンジが選択された場合には、通常ステージの3つのステージが順番に切替わるように構成されている。
加えて、「時計」の案内プレート405dが選択された場合、装飾図柄表示装置42において現在の時間が表示される。すなわち、本実施形態では、パチンコ機10の製造当初に日本標準時間に合わせられ、パチンコ機10の電源がオフされた状態でもパチンコ機10の待機電源で時刻を計測し続けるリアルタイムクロックが主制御装置261に設けられており、1分経過毎に、主制御装置261からサブ制御装置262に時間情報が出力されている。そして、「時計」の案内プレート405dが選択されると、サブ制御装置262の時間情報を記憶するエリアを参照して、装飾図柄表示装置42において時刻を表示するようになっている。
尚、本実施形態では、パチンコ機10と遊技機メーカーが運営するサーバとの間で遊技者が所有する携帯通信端末を介してデータのやりとりを行うモバイル連動遊技を実行可能に構成されている。つまり、メニュー画面からモバイル連動遊技に参加するための項目を選択すると、機種情報やサーバアドレス等を含む情報が携帯通信端末で読取り可能な2次元コードとして表示されるので、それを携帯通信端末で読取り、サーバにアクセスすることで、モバイル連動遊技に参加するための初回登録を行う。その後、サーバからパスワード(遊技者の特定情報等が含まれている)が発行されるため、そのパスワードを、パチンコ機10のメニュー画面からパスワード入力画面を開いて入力することで、(該当するパチンコ機に関して)今回の遊技に関する遊技情報(大当たり回数、変動表示回数等)がパチンコ機10において蓄積記憶される状態となる。そして、遊技(モバイル連動遊技)を終了する場合に、メニュー画面から、今回の遊技で蓄積された遊技情報を含む2次元コードが発行されるコード発行画面を開き、発行された2次元コードを携帯通信端末で読取ってサーバにアクセスすることで、本日の遊技情報が遊技者(携帯通信端末や登録ネーム)に対応付けられてサーバ側に送られ、サーバ側でも遊技情報が蓄積記憶される。
さらに、本実施形態では、遊技領域の左下部にも案内プレート405eが配置されており、当該案内プレート405eには、「キャンセル」の文字が記載されている。そして、装飾図柄表示装置42において「スペック」や「ストーリー」のガイド表示や時刻が表示された状態において、視線検知センサ401によって、遊技者の視線が「キャンセル」と記載された案内プレート405eを2秒以上捉えていることが検知された場合には、ガイド表示や時刻表示を終了させるように構成されている。
尚、当該遊技領域左下部に配置された案内プレート405eは、レール50(内レール51)の内周側に存在するが、遊技球が移動不可能な位置となっている。また、「キャンセル」の案内プレート405eは、その他の案内プレート405a〜405dから比較的離れて配置されており、これによって、遊技者が誤ってキャンセル入力を行ってしまうといった事態を抑制することができる。さらには、案内プレート405a〜405eは、遊技領域の外周に沿って配置されており、これによって、遊技者が遊技に際して注視する(視線が留まり易い)場所である装飾図柄表示装置42、ステージ153、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33b、第1可変入賞装置32a、及び、第2可変入賞装置32bから極力離間させ、案内プレート405a〜405eを視認しているか否かの判断精度の向上が図られている。尚、キャンセルの案内プレート405eを視認して2秒の経過する毎に1つ前の画面に戻る(ガイド表示の初期メニュー画面や時刻表示の場合には、通常の変動表示画面等に戻る)ように構成することも可能である。
また、本実施形態では、演出操作手段としての演出ボタン125及び十字ボタン126を操作することでも、視線による操作で開始されたガイド表示等の操作(進む・戻るの両方)を行うことができるとともに、ガイド表示等が表示されていない状態からガイド表示等を開始させることもできるように構成されている。例えば、演出ボタン125及び十字ボタン126を操作してガイド表示を開始させる場合には、先ず、演出ボタン125を押して、メインメニュー画面を開き、「スペック」、「ストーリー」、「ステージチェンジ」、「時計」のそれぞれに対応する選択項目に十字ボタン126でカーソルを合わせた状態で演出ボタン125を押すことで表示させることができる。
尚、メインメニュー画面では、大当たり等の「履歴」、本日の遊技球の発射総数と払出し総数との差の推移を示す「スランプグラフ」、モバイル連動遊技を開始させる際にパスワードを入力するパスワード入力画面に移行する「モバイル連動遊技を開始する」、モバイル連動遊技を終了させる際に装飾図柄表示装置42において携帯通信端末で読取り可能な2次元コードを表示するコード発行画面に移行する「モバイル連動遊技を終了する」、上記の「スペック」、「ストーリー」、「ステージチェンジ」、「時計」、詳細については後述する「設定」、及び、メインメニュー画面を閉じる「戻る」の選択項目が表示される。
尚、メインメニュー画面を表示しても「スペック」、「ストーリー」、「時計」の選択項目は表示されないように構成することも可能である。すなわち、視線による操作で「スペック」、「ストーリー」、「時計」を表示することは可能であるが、演出ボタン125や十字ボタン126による操作では「スペック」、「ストーリー」、「時計」を表示することができないように構成してもよい。また、メインメニュー画面から視線操作の説明を表示させることができるように構成してもよい。
視線検知センサ401を使用したサポート機能の2つ目として、情報手段としての装飾図柄表示装置42の画面上における操作をアシストする(簡単にする)機能を有している。すなわち、上でも少し触れたが、演出ボタン125を操作すると、メインメニュー画面が開かれるので、そのメインメニュー画面の選択項目を、十字ボタン126で選択操作すること(カーソルを合わせること)が可能となっているが、視線を選択項目に所定時間(例えば0.4秒)留めることでも選択操作(カーソルを合わせる)可能に構成されている。
また、選択項目事項を実行させるための決定入力操作については、視線を選択項目に所定時間(例えば2秒)留めることでも決定入力可能に構成されている。尚、当然、選択項目にカーソルを視線操作によって合わせた状態で、演出ボタン125を押圧操作しても、決定入力が行われるように構成されている。つまり、演出ボタン125を押してメニュー画面を開き、視線操作で所望とする選択項目にカーソルを合わせ、その状態で演出ボタン125を押して、選択項目に対応する動作を実行させる(例えば、対応する画面を開く)といったメニュー操作を行うことが可能となる。これにより、選択項目が多いと比較的煩わしい選択項目にカーソルを合わせる操作を比較的簡単かつ迅速に行うことが可能となる。
また、装飾図柄表示装置42における操作をアシストする機能の応用として、本実施形態では、視線検知センサ401を利用した各種視線演出が行われるようになっている。例えば、図40に示すように、装飾図柄表示装置42の表示画面において、4隅の近傍のいずれか(例えば右上)に魚群406が表示される演出があり、通常は、その魚群406を所定時間(例えば0.8秒程度)目で捉えると、魚群406が消えてしまう。チャンスパターンとして、魚群406を目で捉えると、魚群406の後を追うようにして装飾図柄表示装置42の画面が(あたかも水中メガネやカメラのレンズであるかのように)そちらの方に寄っていくかのような表示(例えば、最初に画面右上に魚群406が表示され、その後、そちらを見上げるようなイメージで、画面右上に表示されていた部分が画面中央に来るまでスライドするような表示)が行われる。更なるチャンスアップパターンとして、魚群406がこちらの方(画面手前側)に流れてくるといったものもある。
視線検知センサ401を使用したサポート機能の3つ目として、めったに導出されることのない特定演出としてのプレミアム演出を見逃してしまうといった事態を抑止する機能を有している。本実施形態では、装飾図柄表示装置42等において、めったに導出されることのない特定演出としてのプレミアム演出が導出される際に、視線検知手段によって、遊技者の視線が装飾図柄表示装置42に向いているか否かを判別する。ここで、向いている(装飾図柄表示装置42を見ている)と判別された場合には、装飾図柄表示装置42において、そのままの流れで(変動開始時に設定した内容通りに)プレミアム演出を導出させる。
一方、向いていない(装飾図柄表示装置42を見ていない)と判別された場合には、装飾図柄表示装置42においてプレミアム演出を導出させる前段階で、遊技者の注意を、当該装飾図柄表示装置42に引く(遊技者の視線を装飾図柄表示装置42に向けさせる)ための「プレ演出」を導出する。プレ演出として、例えば、スピーカSPから通常はあまり選択されない効果音、例えば、音量及び音程が次第に大きく高くなっていくような効果音を導出する。また、環状電飾部102でも、効果音に合わせて、環状電飾部102の光の態様を比較的大きく変化させる。このように、光と音とによって、遊技者に対し、これからパチンコ機10において特殊な何かが始まるのではないだろうかという認知をさせるようになっている。このように、プレ演出を行うことにより、よそ見をしていた遊技者は、パチンコ機10の正面を向いて装飾図柄表示装置42を確認することとなるため、その直後に行われるプレミアム演出を開始から視認することができるようになっている。
さらに、装飾図柄表示装置42では、通常はあまり選択されないエフェクト画像を重ねて使用する等して、通常ではない演出が導出されることを示唆する。つまり、電飾や音声などで装飾図柄表示装置42に目を移させることには成功したが、再度、視線を外されてしまうといった事態を抑止することができる。尚、プレ演出は、装飾図柄表示装置42や環状電飾部102等の演出用の部材で行われるものであり、プレ演出が行われる場合と、行われない場合とで、特別表示装置43L、43Rにおける特別図柄の変動表示の時間や内容が途中で変更されることはない。
視線検知センサ401を使用したサポート機能の4つ目として、演出をより長い期間堪能してもらうための機能を有している。本実施形態では、16RS以外の大当たり、又は、小当たりの教示に際し、遊技者の視線が、大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選、及び、大当たりした場合に大当たり種別を決定する種別抽選の結果を確定的に教示(表示)する結果教示手段としての特別表示装置43L、43Rに向いているか否かを判別する。ここで、向いていない(特別表示装置43L、43Rを視認していない)と判別された場合には、装飾図柄表示装置42において、特別表示装置43L、43Rにおける特別図柄の変動表示に合わせて行われる装飾図柄の変動表示をそのまま進行して停止表示させ、大当たり又は小当たりの示唆・教示を行う。
一方、向いている(特別表示装置43L、43Rを視認している)と判別された場合には、装飾図柄表示装置42において特別表示装置43L、43Rにおける特別図柄の変動表示に合わせて行われる装飾図柄の変動表示を停止表示させる前に、遊技者の視線を、当該装飾図柄表示装置42等の特別表示装置43L、43Rとは別の場所に移させる(遊技者の視線を特別表示装置43L、43Rから離す)ための「おとり演出」を導出する。おとり演出として、例えば、先ず装飾図柄表示装置42では演出ボタン125を操作する(連打する等)旨のアナウンス表示を行い、特別表示装置43L、43Rの停止表示のタイミングで装飾図柄表示装置42でも、「ボタン演出の結果」、すなわち、「特別表示装置43L、43Rにおける教示の内容」を示唆、又は、教示することとなる。また、環状電飾部102でも、装飾図柄表示装置42での演出に合わせて、環状電飾部102の発光部を構成するLEDを下側のものから上部中央のものへと順次輝度を最大にしていく(一旦明るくなったものはその流れが途切れるまで明るさを維持してもよいし、順番で次のLEDが明るくなった場合には暗くされるように構成してもよい)ような、遊技者の視線を、特別表示装置43L、43Rが配置されている遊技盤30の左下部から上方へと持っていくような光の演出を導出する。
さらに、スピーカSPからの音声でも、装飾図柄表示装置42や環状電飾部102等の演出と合わせて、効果音を適宜導出する。これにより、派手な効果音とともに、どこに変化が生じたのかといった興味を抱かせることができ、遊技者の視線を特別表示装置43L、43Rから逸らせさせることができる。
尚、おとり演出は、装飾図柄表示装置42や環状電飾部102等の演出用の部材で行われるものであり、おとり演出が行われる場合と、行われない場合とで、特別表示装置43L、43Rにおける特別図柄の変動表示の時間や内容が途中で変更されることはない。
視線検知センサ401を使用したサポート機能の5つ目として、遊技者の目の位置や視線の角度に基づいて、変位可能に設けられた部材の位置を変化させる(調節する)機能を有している。本実施形態では、図1に示すように、環状電飾部102のうち、パチンコ機10の上辺部に沿って配置される発光部(発光手段)である上発光部407(LED)が上下左右に回動可能に構成されている。当該上発光部407は指向性のある光を照射可能に構成されている。本実施形態では、上発光部407を連続的に変位駆動させるような演出があるが、視線検知センサ401の検知情報に基づいて、上発光部407が遊技者の目に向かないように(上発光部407から発せられる光の多くが遊技者の目に一度に入射しないように)、上発光部407の向きが調整されるようになっている。つまり、比較的長時間の遊技を行ったとしても、上発光部407の光で目が疲れてしまうといった事態を抑制することができる。尚、上発光部407は、通常、パチンコ機10の真っ直ぐ前方を向いている。
さらに、本実施形態では、図41に示すように、装飾図柄表示装置42の角度を変更可能に構成されている。つまり、装飾図柄表示装置42の両側面の下端部近傍部位から側方に突出する軸部411が設けられ、装飾図柄表示装置42を囲う図示しないケース体に形成された軸支部に軸支されている。また、装飾図柄表示装置42の側面の上端部近傍部位から側方に突出する円柱状の案内突起412が設けられ、当該案内突起412が、ケース体に形成され、前記軸部411を中心とする円弧状をなす案内スリット413に挿通されている。
さらに、装飾図柄表示装置42の上面には、上下に延びる長孔415が形成された動作片414が取付けられ、長孔415には、前後にスライド変位するスライド片416に設けられた円柱状の凸部417が挿通されている。加えて、スライド片416を前後にスライドさせる回動モータ418が設けられている。
そして、視線検知センサ401の検知情報に基づいて得られた遊技者の身体に関する情報(この場合は目の高さ位置、座高)と、現在の装飾図柄表示装置42の向きとを比較し、両者が対応しているか(釣り合っているか)否かを判別する対応判別処理を行う。つまり、遊技者の目の位置或いは視線角度と、装飾図柄表示装置42の角度とが対応付けられているテーブルを設け、かかるテーブルなどに基づいて、例えば、遊技者の目の位置が低い(座高が低い)と判別された場合には、図41(b)のように、装飾図柄表示装置42を前方に傾け、逆に、遊技者の目の位置が高いと判別された場合には、図41(c)に示すように、装飾図柄表示装置42を後方に傾けるように構成されている。このように、本実施形態では、遊技者の視線の装飾図柄表示装置42の表示画面への入射角度が垂直に近くなるように装飾図柄表示装置42を変位させるようになっている。本実施形態では、上発光部407及び装飾図柄表示装置42が可動情報手段を構成する。
また、遊技者の目と、装飾図柄表示装置42との間の距離が、適正な距離として予め定められた基準範囲よりも短いと判別された場合には、装飾図柄表示装置42における表示オブジェクト(例えば、装飾図柄)を通常よりも拡大表示するように構成されている。すなわち、視力があまり良くない、或いは、表示された表示オブジェクトへの執着が強いと思われる遊技者が遊技していると考えられる状況では、表示オブジェクトを大きく表示するようになっている。かかる構成に関しては、表示オブジェクト自体が可動情報手段を構成する。
尚、本実施形態では、遊技者の目の位置(座標)を記憶する記憶エリアと、目の位置の特定に使用されるタイマとが設けられ、遊技者の目が誤差の範囲内で規定時間(例えば、5秒)以上とどまっていると判別された場合に、その位置情報が前記記憶エリアに記憶され、かかる位置情報と、テーブルに記憶されている各値とが比較され、装飾図柄表示装置42に角度や表示オブジェクトの大きさ等が遊技者に見合っているかどうかの対応判別処理が行われるようになっている。これにより、遊技者が床にこぼれた遊技球を拾う、席を立つ、よそ見をする等といった動作をするたびに、装飾図柄表示装置42の変位制御等が行われるといった事態を回避することができる。
尚、装飾図柄表示装置42と遊技者の目との間の距離が基準範囲よりも短い状態から、基準範囲内に収まる状態へと戻った場合、又は、装飾図柄表示装置42における表示オブジェクトが最大限拡大された場合には、装飾図柄表示装置42における表示オブジェクトの大きさの拡大が止まる。さらに、装飾図柄表示装置42における表示オブジェクトが通常よりも拡大されて表示されている状態において、装飾図柄表示装置42と遊技者の目との間の距離が基準範囲よりも長いと判別された場合には、装飾図柄表示装置42における表示オブジェクトを通常の大きさに戻るように縮小させていくよう構成されている。これらの構成を採用することで、その遊技者にとって見易い表示オブジェクトの大きさとなるまで調節を行うことができる。
さらに、装飾図柄表示装置42における表示オブジェクトの大きさが通常の大きさである状態において、遊技者の目と、装飾図柄表示装置42との間の距離が基準範囲よりも長いと判別された場合(遊技者がのけ反る等した場合)には、装飾図柄表示装置42の位置(角度)を変更するように構成されている。つまり、パチンコ機10が設置された遊技ホール等の照明等の都合(ガラスユニット137への反射等)で装飾図柄表示装置42の表示を視認し難いような状況が考えられる場合には、装飾図柄表示装置42の位置を調整することで、装飾図柄表示装置42を比較的見易くすることができる。また、装飾図柄表示装置42と遊技者の目との間の距離が基準範囲よりも長い状態から、基準範囲内に収まる状態へと戻った場合には、装飾図柄表示装置42の変位が止まる。本実施形態における本調整は、遊技者の目の位置に応じて行われる装飾図柄表示装置42の角度調整よりも優先されるように構成されている。
加えて、装飾図柄表示装置42において、文字によるアナウンス表示として、登場キャラクタのセリフとして吹き出し表示や、遊技案内や遊技状況の示唆等を行うための字幕表示(テロップ)を導出している状態において、視線検知センサ401の検知情報に基づいて、遊技者の視線の移動速度が基準速度よりも遅いと判別された場合には、アナウンス表示の時間を長くするように構成されている。例えば、遊技者の目がアナウンス表示の最後の文字の付近に位置しているかどうかを検知して、そのことを記憶する読み終わりフラグを設け、アナウンス表示の表示終了予定時間に達した場合に読み終わりフラグがオン設定されているか否かを判別し、オンされていればアナウンス表示を終了させ(読み終わりフラグはオフする)、オンされていなければ、タイマに延長時間(状況に応じて師匠のない範囲で、例えば、2秒程度)を再設定するように構成してもよい。尚、かかる構成に関しては、アナウンス表示自体が可動情報手段を構成する。
また、例えば、アナウンス表示としてスクロール表示を開始してから所定時間経過したが、遊技者の視点位置から判断すると、通常の読み進めるペースとして設定された速度よりも遅いため、スクロール表示の移動速度を遅くするように構成してもよい。但し、変動表示中等のように実行が許される時間に制限がある場合には、延長や再延長ができない場合もある。
さらに、視線検知センサ401の検知情報に基づいて、遊技者が瞼を閉じている時間を計測し、単位時間当たりの遊技者の瞼を閉じている時間が規定時間以上となった場合(例えば、単位時間として1分間を計るタイマと、遊技者が瞼を閉じている時間を計るタイマとを設け、1分間当たりで8秒以上、遊技者が瞼を閉じていると判別された場合)には、環状電飾部102の上発光部407の向きを環状電飾部102の外周側に向けるとともに、その他の各種電飾等の輝度を低下させ、眩しさを低減させるようになっている。また、単位時間当たりの遊技者の瞼を閉じている時間が前記規定時間よりも多い特定時間以上(例えば、1分間当たりで15秒以上)となった場合には、装飾図柄表示装置42において、「適度な休憩をしましょう」等のアナウンス表示(字幕表示)が行われる。
また、本実施形態では、視線検知センサ401を利用した各種機能を遊技者の意思で無効にすることができるように構成されている。さらに、本実施形態では、演出ボタン125及び十字ボタン126の操作でも、上発光部407や装飾図柄表示装置42の位置調節を行うことができるように構成されている。すなわち、メインメニュー画面の「設定」の項目を選択すると「設定画面」が表示される。当該設定画面では、「視線操作の有効・無効の切替え」、「目の位置及び視線角度に基づく上発光部407及び装飾図柄表示装置42の自動位置調節機能の有効・無効の切替え」、「上発光部の位置調節」、「装飾図柄表示装置の位置調節」、「上発光部407を初期位置に戻す」、「装飾図柄表示装置42を初期位置に戻す」設定が行えるようになっている。上発光部407や装飾図柄表示装置42の位置調節では十字ボタン126を押圧操作して角度を調節することとなる。また、例えば、上発光部407及び装飾図柄表示装置42の位置(向き)が自分好みとなったところで自動位置調節機能を無効とすることで、上発光部407及び装飾図柄表示装置42をその位置でキープすることができ、関係のない動き(トイレ等のために席を立つ、伸びをする等)で無用に上発光部407及び装飾図柄表示装置42が変位してしまうといった事態を回避することができる。本実施形態では、視線検知センサ401を利用した各種機能を遊技者の意思で無効にすることのできる機能がロック手段を構成する。
尚、本実施形態では、モバイル連動遊技の終了に際して発行される2次元コードには、遊技情報とともに、上発光部407や装飾図柄表示装置42の位置情報(姿勢・向き)が含まれ、モバイル連動遊技の開始に際して、前記位置情報が含まれるパスワードが入力されることで、前記位置情報に基づいて上発光部407や装飾図柄表示装置42の位置が変更されるように構成されている。つまり、モバイル連動遊技を行うことで、上発光部407及び装飾図柄表示装置42が自分好みの位置(向き)になるように自動的に変位することとなる。また、視線検知センサ401を利用した各種機能に関する設定についても、モバイル連動遊技の2次元コードに含まれるように構成してもよい。この場合、次回の遊技をスムースに開始することが可能となる上、遊技機メーカー側で、遊技者がどのような設定を行っているのかのマーケティングを行うことができる。
ここで、視線検知センサ401を利用した演出例について、図42〜図44を参照して説明する。図43に示すように、情報手段及び表示手段としての装飾図柄表示装置42において、リーチ状態が発生した場合(最終的に大当たり又は前後外れリーチとなる場合)、群れから離れてしまった魚を群れに戻すために魚群を探すという内容の演出が導出される場合がある。図43のタイトル及び説明文にもある通り、装飾図柄表示装置42において表示される魚Yは、十字ボタン126又は視線による操作によって動作させることができるようになっている。
視線による操作について説明すると、図44に示すように、所定時間毎に、視線検知センサ401の検知情報に基づいて遊技者の視点位置Zを把握し、装飾図柄表示装置42において表示されている魚Yを、視点位置Z側に所定距離移動させるような表示を行う。そして、予め演出が発生するポイントまで魚Yが移動したような表示が行われた場合に、変動表示の結果を示唆・教示するような演出(見つけることができれば大当たり)を導出する。尚、視点位置Zは、視線検知センサ401で視線を追える範囲であれば、装飾図柄表示装置42の範囲よりも外側でも構わない。本実施形態では、図43、図44に示す演出が「特定演出」、「特定情報」を構成する。また、当該特定演出中は、装飾図柄の変動表示が装飾図柄表示装置42の右下部で小さく表示されるようになっている。
さて、本実施形態では、上記演出(特定演出)が行われる場合に、当該特定演出の開始に先立って、遊技者が装飾図柄表示装置42を視認していることを判別するための処理を行うように構成されている。
より具体的には、図42に示すように、リーチ状態が発生する前段階で、装飾図柄表示装置42において魚Xが表示される先導演出が導出されるようになっている。魚Xは、例えば、装飾図柄表示装置42の右下部に出現し、装飾図柄表示装置42の左上部に向けて斜め上方に移動するように変位表示される。また、この魚Xは、上記した特定演出中に表示される魚Yのように遊技者の操作で動かすことはできない。
そして、魚Xが装飾図柄表示装置42の左上部にまで至り、魚Xが表示画面から消える(先導演出が終わる)と同時に、装飾図柄表示装置42の表示が、図43に示す特定演出の開始画面に切替わる。特に、本実施形態では、魚Xの表示が消えた位置と、特定演出のタイトルの頭文字の位置とがほぼ同じとなっている。尚、本実施形態では、魚Xが視点マーカー及び特定オブジェクトに相当し、魚Xを変位表示させる処理がマーカー変位処理を構成し、かかる処理を行うサブ制御装置262及び表示制御装置45が先導制御手段を構成する。さらに、本実施形態では、魚Xの表示が行われる場合には、当該魚Xを目立たせるべく、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示が、特定演出中と同様に画面右下部に縮小表示されるように構成されているが、普通に装飾図柄の変動表示が行われている手前側を魚Xが移動していくような態様としてもよい。
また、魚Xが表示されている期間中、視線検知センサ401の検知情報に基づいて、遊技者が魚Xを視認しているか否か(魚Xを目で追っているか否か)を判別する処理が行われる。本実施形態では、遊技者が魚Xを視認している時間の計測に使用される追視タイマが設けられており、合計で0.5秒以上の視認が確認された場合に、遊技者が魚Xを視認していると判別されることとなる。ここで、遊技者が魚Xを視認していると判別された場合、リーチ状態の発生に伴う音声出力及び表示(その他の演出が選択された場合には、一般にリーチ状態発生のタイミングで「リーチ」という音声が導出されるとともに、装飾図柄表示装置42において「リーチ」という文字が表示される)が行われることなく、特定演出に移行する。
その一方で、遊技者が魚Xを視認していないと判別された場合には、リーチ状態の発生を教示する「リーチ」という音声が、特定演出の導出に先立って、魚Xがもうすぐ消えるという段階で導出される。特に、特定演出の開始に際して導出される「リーチ」という音声は、その他の状況で導出される「リーチ」という音声よりも特徴的なもの(例えば、キーが高い、音量が大きい、長い、大げさである等)となっている。このため、装飾図柄表示装置42を見ていなかった遊技者は、今から何かが始まるのではないかと期待して、装飾図柄表示装置42を視認する可能性が高くなる。
また、本実施形態では、遊技者が魚Xを視認しているか否かの判別に基づいた「リーチ」の音声出力が導出されてもされなくても、変動表示全体としての時間、及び、特定演出の時間は同じ長さとなっている。特に、特定演出の内容は全く同一となっている。加えて、魚Xが表示されている期間中、視線検知センサ401の検知情報に基づいて、遊技者が片目をつぶったり、まばたきしたりしたことを検知した場合に、抽選及びテーブルを用いた振分けに基づいて、装飾図柄表示装置42や各種電飾や音声等で対応する演出(例えば、魚Xが1回転する、魚Xが大きく膨れる、背景に別のキャラクタが登場する等)が導出されるように構成されている。
尚、遊技者が魚Xを視認しているか否かを判別する処理が視線確認処理を構成し、かかる処理を行うサブ制御装置262が視線確認手段を構成する。また、「リーチ」という音声がプレ演出に相当し、プレ演出を導出させるサブ制御装置262等の機能がプレ演出導出手段を構成する。加えて、特定演出のタイトル及び説明文を遊技者が読み終えたか否かを視線検知センサ401による検知情報に基づいて判別し、読み終えたと判別された場合には、予め定められた基準時間で特定演出のタイトル及び説明文を消去して特定演出の表示に移行し、読み終えていないと判別された場合には、特定演出のタイトル及び説明文の表示を上限まで引き延ばせるように構成してもよい。かかる構成を採用する場合、あえて特定演出のタイトル及び説明文を読まない遊技者が存在することを想定して、前記基準時間が過ぎた場合には、特定演出のタイトル及び説明文が引き続き表示されている場合であっても、魚Yの操作が行えるように構成することが望ましい。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御手段としての主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43L、43R、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43L、43R、及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223a,223b、始動入賞スイッチ224a,224b、スルーゲートスイッチ225、ハンドル18の各種スイッチ等の各種検出スイッチや、各種基板、可変入賞装置32を開閉させるためのソレノイド等の各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御手段としてのサブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、保留ランプ46a、46b、演出ボタン125、十字ボタン126、各種電飾部及びランプ102〜104、視線検知センサ401、装飾図柄表示装置42を前後に傾動させる回動モータ418、及び、環状電飾部102の上発光部407を変位させる図示しない駆動機構が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに当選したことを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43L、43R(における特別図柄)の変動表示に合わせて、演出表示として(装飾図柄の)変動表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射禁止ボタン18a(図1参照)が操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施形態では、主制御手段としての主制御装置261に設けられたCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選を行うこととしている。具体的には、図8に示すように、大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選に使用する当否乱数生成手段としての当否乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定(種別抽選)に使用する種別決定カウンタC2と、装飾図柄表示装置42においてリーチ状態を発生させるか否かの決定に使用する変動選択カウンタC3と、当否乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、第1及び第2特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)の変動表示時間の決定等に使用する第1変動種別カウンタCS1、第2変動種別カウンタCS2と、普通図柄表示装置41の抽選(入球サポート抽選)に使用する普通図柄乱数カウンタC4とを用いることとしている。なお、変動選択カウンタC3は、装飾図柄表示装置42を外れ変動させる際のリーチ種別の抽選にも使用される。また、変動種別カウンタCS1、CS2は、装飾図柄表示装置42の変動パターン選択(演出パターン選択)にも使用される。詳しくは、決定された変動パターンにより、特別表示装置43L、43Rの変動時間が決定されるとともに、装飾図柄表示装置42における変動態様及び変動時間すなわち演出パターンが決定される。
カウンタC1、C2、C3、CINI、CS1、CS2、C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び、変動選択カウンタC3の各値が記憶される保留記憶エリアとしての特別変動保留エリアと、普通図柄乱数カウンタC4の値が記憶される普通変動保留エリアとが設けられている。普通変動保留エリアは、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)とを備えている。普通変動保留エリアの各保留エリアには、スルーゲート34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタC4の値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、普通図柄表示装置41における変動表示を4回まで保留可能としている。
また、特別変動保留エリアは、それぞれ4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)を備える第1特別変動保留エリア及び第2特別変動記憶エリアと、1つの実行エリアとを備えている。第1特別変動保留エリアの各保留エリアには、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入賞履歴に合わせて、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。第2特別変動保留エリアの各保留エリアには、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、特別表示装置43L、43Rにおける変動表示をそれぞれ4回まで保留可能としている。
各カウンタについて詳しく説明すると、当否乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり599)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、当否乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が当該当否乱数カウンタC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、当否乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜599)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、当否乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、当否乱数カウンタC1の値が当否乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、当否乱数カウンタバッファに格納されている当否乱数カウンタC1の値が、特別変動保留エリアに格納される。
また、本実施形態では、低確率状態(通常モード、時間短縮モード)であれば大当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は2つで、その値は「7、307」であり、高確率状態(確変モード、潜確モード)であれば大当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は20で、その値は「7〜16、307〜316」である。本実施形態では、ROM502に対し、当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応するか否かの判定を行う際に参照される当選値記憶手段としての当否判定テーブルが2つ設けられており、「7、307」を大当たり値として記憶した第1当否判定テーブルと、「8〜16、308〜316」を大当たり値として記憶した第2当否判定テーブルとがある。
さらに、本実施形態では、当否乱数カウンタC1を利用して、大当たりに当選しなかった場合に、小当たりに当選したか否かの抽選が行われるようになっている。低確率状態(通常モード、時間短縮モード)であれば小当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は1つで、その値は「404」であり、高確率状態(確変モード、潜確モード)であれば小当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は10で、その値は「404〜413」である。尚、小当たりの当否判別には、「404」を当選値として記憶する第1小当たり判定テーブルと、「405〜413」を当選値として記憶する第2小当たり判定テーブルとが参照される。
尚、通常モードにおいては、当否抽選にて大当たりに当選する確率(大当たり確率)が1/300であり、小当たりに当選する確率(小当たり確率)が1/600であり、入球サポート抽選の結果を教示するための普通図柄表示装置41における変動時間が8秒であり、また、入球サポート抽選にて当選した場合に、第2始動入賞装置33bが0.4秒間開放される。
確変モードにおいては、大当たり確率が1/30であり、小当たり確率が1/60であり、通常モードに比べて大当たりや小当たりし易くなる。また、確変モードにおいては、入球サポート抽選に基づく普通図柄表示装置41の変動時間が0.4秒であり、通常モードに比べて短くなる上、入球サポート抽選にて当選した場合、第2始動入賞装置33bが3回開放されるとともに、各開放時間が4秒間となる(4秒間の開放が0.4秒の閉鎖期間を挟みつつ3回繰り返される)。つまり、確変モードでは、通常モードに比べ、普通図柄表示装置41における変動時間が短くなる上、入球サポート抽選の当選1回あたりの第2始動入賞装置33bの開放時間が長くなるとともに、開放回数が多くなる。これによって、第2始動入賞装置33bが開状態となっている時間帯が長くなるため、第2始動入賞装置33bに対して遊技球が頻繁に入球するようになり(高入球状態となり)、当否抽選が連続してなされると共に、玉持ちのよい状態となる。尚、高入球状態においては、普通図柄表示装置41において「○」図柄が停止表示される確率(入球サポート抽選の当選確率)を通常モード時よりも高くすることとしてもよい。
時間短縮モードにおいては、大当たり確率が1/300であり、小当たり確率が1/600である。また、時間短縮モードにおいては、入球サポート抽選に基づく普通図柄表示装置41の変動時間が0.4秒であり、入球サポート抽選にて当選した場合、第2始動入賞装置33bが3回開放されるとともに、各開放時間が4秒間となる。すなわち、時間短縮モードは、大当たり確率が通常モード時と同じ低確率ではあるが、第2始動入賞装置33bの動作だけを見ると、確変モードと同じである。本実施形態では、「8RN」、又は、「2RN」の大当たり状態終了後に、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて合計で規定回数の変動表示(「8RN」の後は一律90回となり、「2RN」は30回の場合(「2RN30」)と、60回の場合(「2RN60」)と、90回の場合(「2RN90」)とがある)にわたって時間短縮モードが設定される。また、時間短縮モードは、大当たり状態が発生しなくても、特別表示装置43L、43Rにて規定回数の変動表示が行われた時点で終了し、その後、通常モードに移行する。
潜確モードにおいては、大当たり確率が1/30であり、小当たり確率が1/60である。また、潜確モードにおいては、普通図柄表示装置41の変動時間が8秒であり、入球サポート抽選にて当選した場合、第2始動入賞装置33bが0.4秒間1回だけ開放される。すなわち、潜確モードは、大当たり確率が確変モード時と同じ高確率ではあるが、第2始動入賞装置33bの動作だけを見ると、通常モードと同じである。本実施形態では、「2RS」の大当たり状態終了後に潜確モードとなり、少なくとも大当たり状態が発生するまで継続する。尚、本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選にて当選した場合には、「2RN」に当選するという割り振りがないため、潜確モードがひっそりと終ってしまうといった事態が回避される(出玉有りの大当たりに当選するまで継続される)。
種別決定カウンタC2は、例えば0〜19の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり19)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。また、ROM502には、種別決定カウンタC2の値がいずれの大当たり種別に対応するかの判定を行う際に参照される第1種別判定テーブル(第1始動入賞装置33aに対応)、第2種別判定テーブル(第2始動入賞装置33bに対応)が設けられている。そして、当否抽選にて大当たりに当選した場合に、種別決定カウンタC2の値に基づいて付与される大当たり状態の種別の種別が決定され(種別抽選が行われ)、決定された種別の大当たり状態が付与されることとなる。
尚、種別決定カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、種別決定カウンタC2の値が種別決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、種別決定カウンタバッファに格納されている種別決定カウンタC2の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
変動選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、装飾図柄に関してリーチ状態が発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ状態が発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ状態が発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。本実施形態では、ROM502に対し、変動選択カウンタC3の値とリーチ種別との対応関係を記憶しているリーチ判定テーブルが設けられている。リーチ判定テーブルには「0〜238」の値が記憶され、C3=0,1が前後外れリーチに対応し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに対応し、C3=22〜238が完全外れに対応する構成となっている。
変動選択カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、変動選択カウンタバッファに変動選択カウンタC3の値が格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、変動選択カウンタバッファに格納されている変動選択カウンタC3の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1、CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜59の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり59)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜37の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり37)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。例えば、第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、装飾図柄のリーチパターンやその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本例では中図柄)が停止するまでの経過時間などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1、CS2を組合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄とを組合わせて同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
また、変動種別カウンタCS1、CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1、CS2のバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1、CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり99に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかのスルーゲート34を通過した時に普通図柄乱数カウンタC4の値が取得される。低入球状態の際の当選となる乱数の値の数は1つであり、その範囲は「1」である。一方、高入球状態の際の当選となる乱数の値の数は99であり、その範囲は「1〜99」である。そして、当選となる普通図柄乱数カウンタC4の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、当選に対応する図柄(本例では「○」)が停止表示され、第2始動入賞口473がそのときの遊技モードに応じたパターンで開放される。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を、フローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図11は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。先ずステップS301では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。一方、検出情報がない場合には、そのまま次の処理に移行する。
尚、各種入賞スイッチの検知情報があった場合、対応する賞球カウンタの値を加算する。また、後述する通常処理の外部出力処理において、各賞球カウンタの値に基づく賞球コマンドが払出制御装置311へ出力され、賞球コマンドに基づいて賞球が付与される(遊技球が払出される)。さらに、この賞球コマンドの出力に際して、各賞球カウンタの値がリセットされる。
ステップS302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では599)に達した際0にクリアする。
また、ステップS303では乱数更新処理を実行する。具体的には、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、及び普通図柄乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、599、19、238、99)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1、C2、C3、C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS304では、始動入賞ユニット33への入賞に伴う始動入賞処理を実行し、ステップS305では、スルーゲート34への遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する。その後、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップS304の始動入賞処理について図13のフローチャートを参照して説明する。尚、RAM503には、第1始動入賞装置33aへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする第1保留カウンタNa、第2始動入賞装置33bへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする第2保留カウンタNbが設けられている。
また、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアには、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリア、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリア、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアが設けられている。本実施形態では、当否乱数記憶エリアは、2バイトを使用して当否乱数カウンタC1の値を記憶している。また、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリアはそれぞれ1バイトを使用して、種別決定カウンタC2の値、変動選択カウンタC3の値を記憶している。
さらに、特別変動保留エリアの実行エリアには、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく変動表示(第1変動表示)であるのか、或いは、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく変動表示(第2変動表示)であるのかを示す情報が記憶される変動記憶エリアが設けられている。以下、「変動記憶エリアに第1変動表示であることを示す情報が記憶されること」を「第1変動フラグがオン設定される」とも称し、「変動記憶エリアに第2変動表示であることを示す情報が記憶されること」を「第2変動フラグがオン設定される」とも称する。
先ず、ステップS501では、遊技球が第2始動入賞装置33bに入賞したか否かを第2始動入賞スイッチ224bの検知情報により判別する。当該ステップS501で肯定判別された場合、ステップS502において、第2保留カウンタNbの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。ステップS501又はS502で否定判別された場合には、ステップS509に移行する。一方、ステップS502で肯定判別された場合には、ステップS503に進み、第2保留カウンタNbを1インクメントする。
続くステップS504では、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値(当否乱数カウンタバッファ、種別決定カウンタバッファ、及び変動選択カウンタバッファに記憶されている各値)を、特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリア(当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア)に格納する。ステップS504の後、ステップS505に移行する。
ステップS505では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が大当たりや小当たりに対応する値であるか否かを判別する当否判定処理を行う。尚、当否判定処理の詳細については後述する。
続くステップS506では、ステップS505で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たりの種別を判別する種別判定処理を行う。尚、種別判定処理の詳細については後述する。
続くステップS507では、ステップS505で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値に基づいて、外れ変動時のリーチの種別を判別するリーチ判定処理を行う。尚、リーチ判定処理の詳細については後述する。
ここで、ステップS505の当否判定処理の詳細について、図14を参照して説明する。
先ず、ステップS5101では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が、第1当否判定テーブルに記憶された値である「7」、「307」のどちらかと一致するか否かを判別する。ちなみに、「7」、「307」は、低確率状態でも、高確率状態でも大当たりとなる値である。
尚、図14では便宜上、当該ステップS5101の処理を簡略化して記載しているが、実際には、当否乱数カウンタC1の値が「7」であるか否かを判別するとともに、当該判別で否定判別された場合には、当否乱数カウンタC1の値が「307」であるか否かを判別し、これらどちらかの判別で肯定判別された場合に、当該ステップS5101で肯定判別され、どちらの判別においても否定判別された場合に、当該ステップS5101で否定判別されることとなる。
ステップS5101で肯定判別された場合には、ステップS5102において第1当否フラグをオンにした後、本処理を終了する。尚、本実施形態では、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリアの他に、別途当否フラグを設けているわけではなく、当否乱数記憶エリアに大当たり状態が発生するか否かの情報を記憶する(上書きする)構成となっている。上記のように、当否乱数記憶エリアは2バイトを使用しており、当該ステップS5102では、当否乱数記憶エリアに対して例えば「1010101010101010」が設定される。尚、本実施形態では、便宜上、当否乱数記憶エリアに対して当該設定がなされることを、第1当否フラグをオンにすると称して説明する。
ステップS5101で否定判別された場合には、ステップS5103において、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が第2当否判定テーブルに記憶された値である「8〜16、308〜316」のいずれかであるか否かを判別する。ちなみに、「8〜16、308〜316」は、確変モードでのみ大当たりとなる値である。尚、当該判別処理に際しても、実際には、上記のように当否乱数カウンタC1の値と大当たりに対応する各値とが一致するか否かを1つずつ判別する。
当該ステップS5103で肯定判別された場合には、ステップS5104において第2当否フラグをオンにした後、本処理を終了する。尚、ここで第2当否フラグをオンにするとあるのは、当否乱数記憶エリアに対して例えば「1100110011001100」が設定されることを意味する。
一方、ステップS5103で否定判別された場合、すなわち、高確率状態でも「外れ」となる場合には、ステップS5105において、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が、第1小当たり判定テーブルに記憶された値である「404」と一致するか否かを判別する。ちなみに、「404」は、低確率状態でも、高確率状態でも小当たりとなる値である。
ステップS5105で肯定判別された場合には、ステップS5106において第1小当たりフラグをオンにした後、本処理を終了する。尚、本実施形態では、小当たり状態が発生するか否かの情報についても当否乱数記憶エリアに記憶する(上書きする)構成となっている。
ステップS5105で否定判別された場合には、ステップS5107において、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が第2小当たり判定テーブルに記憶された値である「405〜413」のいずれかであるか否かを判別する。ちなみに、「405〜413」は、高確率状態でのみ大当たりとなる値である。ステップS5107で肯定判別された場合には、ステップS5108において第2小当たりフラグをオンにした後、本処理を終了する。一方、ステップS5107で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
尚、上記のように、本実施形態では、当否に関わる情報が2バイトを使用して記憶されるため、例えば、ノイズが生じた場合に当否フラグ(当否乱数記憶エリアの記憶内容)が書き換えられ、当選ではないのに大当たり状態が発生したり、当選なのに大当たり状態が発生しなかったりするといった事態を防止することができる。また、当否判定処理において当否乱数記憶エリアに設定されるパターン(「1」、「0」の組合わせ)は、当否乱数カウンタC1の値を当否乱数記憶エリアに記憶する際には使用されないパターンである。
尚、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリアの他に、別途当否フラグを設ける等して、この時点では当否乱数カウンタC1の値を記憶したままにしておき、後述の変動表示の開始に際して行われる変動表示設定処理において、当否乱数カウンタC1の値に基づいて、対応するテーブルを参照し、当否を判定するように構成してもよい。また、大当たり判定に使用される当否乱数カウンタC1とは別に、小当たり用の乱数カウンタを設けることとしてもよい。
次に、ステップS506の第2種別判定処理について、図16を参照して説明する。先ず、ステップS5401では、直前に行われた当否判定処理にて、第1又は第2当否フラグがオン設定されたか否かを判別する。ステップS5401で否定判別された(大当たり状態の発生する可能性がない)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5401で肯定判別された(大当たり状態の発生する可能性がある)場合には、ステップS5402において、第2種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が、「16RS」に対応する値「0」と一致するか否かを判別する。ステップS5402で肯定判別された場合には、ステップS5403において16RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリアの他に、別途16RSフラグ等を設けているわけではなく、当選種別乱数記憶エリアに「16RS」等である旨の情報を記憶する(上書きする)構成となっている。上記のように、当選種別乱数記憶エリアは1バイトを使用しており、当該ステップS5403では、当選種別乱数記憶エリアに対して例えば「10101010」が設定される。本実施形態では、便宜上、当選種別乱数記憶エリアに対して「16RS」等の大当たり種別を示すパターンが設定されることを、大当たり種別を示すフラグ(16RSフラグ等)をオンにすることと称して説明する。尚、種別判定処理において当選種別乱数記憶エリアに設定されるパターン(「1」、「0」の組合わせ)は、種別決定カウンタC2の値を当選種別乱数記憶エリアに記憶する際には使用されないパターンである。
一方、ステップS5402で否定判別された場合には、ステップS5404において、第2種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「8RS」に対応する値「7〜13」のいずれかと一致するか否かを判別する。ステップS5404で肯定判別された場合には、ステップS5405において、8RSフラグをオン(当選種別乱数記憶エリアに対して例えば「00011111」を設定)にしてから、本処理を終了する。
また、ステップS5404で否定判別された場合には、ステップS5406において、第2種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「2RN30」に対応する値「14〜17」のいずれかと一致するか否かを判別する。ステップS5406で肯定判別された場合には、ステップS5407において、2RN30フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
また、ステップS5406で否定判別された場合には、ステップS5408において、第2種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「2RN60」に対応する値「18」と一致するか否かを判別する。ステップS5408で肯定判別された場合には、ステップS5409において、2RN60フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5408で否定判別された場合には、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「2RN90」に対応する値「19」であることから、ステップS5410において、2RN90フラグをオンにしてから、本処理を終了する。尚、種別判別処理では、大当たり種別を判別できればよく、例えば、当選に対応する乱数値の個数が多い「16RS」に対応する値と、取得した乱数値とが一致するかの判別に代えて、「2RN90」に対応する値と、取得した乱数値とが一致するかの判別を行うように構成してもよい。
次に、ステップS507のリーチ判定処理について、図17を参照して説明する。
先ず、ステップS5301では、直前に行われた当否判定処理にて、第1当否フラグが設定されたか否かを判別する。ステップS5301で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態及び高確率状態のどちらにおいても大当たりとなる(必ず大当たり状態が発生する)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5301で否定判別された場合、すなわち、少なくとも低確率状態においては大当たり状態が発生しない(外れとなる可能性がある)場合には、ステップS5302において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れリーチ」に対応する値「0、1」のどちらかと一致するか否かを判別する。ステップS5302で肯定判別された場合には、ステップS5303において、前後外れリーチの発生を示す前後フラグをオンにした後、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアの他に、別途前後フラグを設けているわけではなく、リーチ乱数記憶エリアに「前後はずれリーチ」である旨の情報を記憶する(上書きする)構成となっている。上記のように、リーチ乱数記憶エリアは1バイトを使用しており、当該ステップS5303では、リーチ乱数記憶エリアに対して例えば「10101010」が設定される。尚、本実施形態では、便宜上、リーチ乱数記憶エリアに対して当該設定がなされることを、前後フラグをオンにすることと称して説明する。
一方、ステップS5302で否定判別された場合には、ステップS5304において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れ以外リーチ」に対応する値「2〜21」のいずれかと一致するか否かを判別する。当該ステップS5304で肯定判別された場合には、ステップS5305において前後以外フラグをオンにした後、本処理を終了する。尚、ここで前後以外フラグをオンにするとあるのは、リーチ乱数記憶エリアに対して例えば「11001100」が設定されることを意味する。
また、ステップS5304で否定判別された場合、すなわち、リーチ状態を経ることなく変動表示が終了する「完全外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。尚、リーチ判定処理においてリーチ乱数記憶エリアに設定されるパターン(「1」、「0」の組合わせ)は、変動選択カウンタC3の値をリーチ乱数記憶エリアに記憶する際には使用されないパターンである。
図13の説明に戻り、ステップS507に続くステップS508では、先発コマンドの設定処理を行う。尚、先発コマンドには、保留記憶された変動情報(変動表示の内容を決定するために使用される所定情報)が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bのどちらの入球を契機とするものかを示す情報とともに、当否判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理の結果を示す情報が含まれ、次回の外部出力処理(ステップS201参照)にてサブ制御装置262に出力される。
ステップS508の処理の後、又は、ステップS501、或いはステップS502で否定判別された場合には、ステップS509において、遊技球が第1始動入賞装置33に入賞したか否かを第1始動入賞スイッチ224aの検知情報により判別する。当該ステップS509で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、ステップS510において、第1始動入賞装置33aへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする第1保留カウンタNaの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。当該ステップS510で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS510で肯定判別された場合には、ステップS511に進み、第1保留カウンタNaを1インクメントする。
続くステップS512では、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3の各値を、特別変動保留エリアの空いている保留エリア(当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア)に格納する。ステップS512の後、ステップS513に移行する。
ステップS513では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判別する当否判定処理を行う。当否判定処理の詳細については既に上述している。
続くステップS514では、ステップS513で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別を判別する第1種別判定処理を行う。本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選にて大当たりに当選した場合と、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選にて大当たりに当選した場合とで、付与される大当たり種別の振分けが異なっている。
ここで、ステップS514の第1種別判定処理について、図15を参照して説明する。先ず、ステップS5201では、直前に行われた当否判定処理にて、第1又は第2当否フラグがオン設定されたか否かを判別する。ステップS5201で否定判別された(大当たり状態の発生する可能性がない)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5201で肯定判別された(大当たり状態の発生する可能性がある)場合には、ステップS5202において、第1種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が、「16RS」に対応する値「0」と一致するか否かを判別する。ステップS5202で肯定判別された場合には、ステップS5203において16RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5202で否定判別された場合には、ステップS5204において、第1種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「8RN」に対応する値「12〜17」のいずれかと一致するか否かを判別する。ステップS5204で肯定判別された場合には、ステップS5205において、8RNフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
また、ステップS5204で否定判別された場合には、ステップS5206において、第1種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が「2RS」に対応する値「18、19」のどちらかと一致するか否かを判別する。ステップS5206で肯定判別された場合には、ステップS5207において、2RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。一方、ステップS5206で否定判別された場合には、ステップS5208において8RSフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
図13の説明に戻り、ステップS514に続くステップS515では、ステップS513で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値に基づいて、リーチの種別を判別するリーチ判定処理を行う。リーチ判定処理の詳細については既に上述している。
ステップS515の後、ステップS516において、先発コマンドの設定処理を行い、本処理を終了する。尚、本実施形態では、第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに遊技球が入球すると、当否乱数カウンタC1の値等が直接特別変動保留エリアに記憶され、その後、当否判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理が実行される構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、当否乱数カウンタC1の値等を取得した際にこれらのカウンタ値を一時的に記憶する仮記憶エリア(作業エリア)を設け、当該仮記憶エリアに記憶された情報に関し、当否判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理を実行した後、対応する特別変動保留エリアの保留エリアに記憶する構成を採用してもよい。
尚、ステップS504、ステップS512の当否乱数カウンタC1の値を抽出する処理が判別値抽出処理を構成し、同じくステップS504、ステップS512の抽出した当否乱数カウンタC1の値を特別変動保留エリアに記憶する処理が判別値格納処理を構成する。また、ステップS505、ステップS513(ステップS5101、ステップS5103、ステップS5105、ステップS5107)の当否乱数カウンタC1の値が当選に対応する値であるか否かを判別する処理が第1当否判別処理を構成し、その判別結果を記憶する(対応フラグをセットする)ステップS5102、ステップS5104、ステップS5106、ステップS5108の処理が結果記憶処理を構成する。
次に、ステップS305のスルーゲート通過処理について図18のフローチャートを参照して説明する。ステップS601では、遊技球がスルーゲート34を通過したか否かをスルーゲートスイッチ225の検出情報により判別する。ステップS601で否定判別された場合、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS601にて肯定判別された場合、すなわち、遊技球がスルーゲート34を通過したと判別されると、ステップS602において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の保留数をカウントする普通保留カウンタNcの値が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS602で肯定判別された場合、すなわち、スルーゲート34への遊技球の通過が確認され、且つ、普通保留カウンタNcの値<4であることを条件にステップS603に進み、普通保留カウンタNcを1インクリメントする。
また、続くステップS604では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタC4の値を、RAM503の普通変動保留エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、スルーゲート通過処理を終了する。
図12は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS401において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図12のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図9のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS102では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS103では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS112へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS104で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS112へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS105でRAM判定値を算出し、続くステップS106では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS112へ移行する。
ステップS112の処理では、サブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS113等)に移行する。つまり、ステップS113ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS114ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップS103:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS107では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS108では、電源断の発生情報をクリアする。
ステップS109では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信する。ステップS110では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図10のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S211の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS212,ステップS213のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップS201では、前回の通常処理で更新された特別表示装置43L、43Rや始動入賞ユニット33等の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信したりする外部出力処理を実行する。
例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンド、図柄コマンド等をサブ制御装置262に送信する。つまり、変動パターンコマンドや図柄コマンドは、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて行われる表示に合わせた表示演出を装飾図柄表示装置42にて行わせるためにサブ制御装置262に出力されるコマンドである。これに対し、変動パターンコマンド、図柄コマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の変動態様(変動時間や演出態様など)を決定し、該変動態様を装飾図柄表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
便宜上、ここで変動パターンコマンド等について説明する。変動パターンコマンドには、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチといった装飾図柄の変動種別を特定する情報が含まれている。尚、変動パターンコマンド等についても本来2バイトの2進数(保留情報コマンドと同様の出力方法)であるが、便宜上4ビット毎の16進数で示す。本実施形態では、例えば通常モード及び潜確モード時には「FF10」、「FF11」、「FF12」、「FF13」、「FF14」、「FF15」、「FF16」のうちのいずれかが変動パターンコマンドとして設定される。また、確変モード時及び時間短縮モード時には、「FD10」、「FD11」、「FD12」、「FD13」、「FD14」、「FD15」、「FD16」が設定される。一方、サブ制御装置262には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動種別との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドに基づいて、変動表示の演出パターン等を決定し、表示制御装置45や音声等の制御を行う。
以下、装飾図柄の変動種別、及び、変動種別と変動パターンコマンドとの対応関係について説明する。
ノーマルリーチは、装飾図柄の変動以外には特段の演出表示がされないリーチパターンである。そして、ノーマルリーチに対応する変動パターンコマンドにはモードに応じて「FF11」又は「FD11」が設定される。尚、確変モード時及び時間短縮モード時においては、各種リーチとなる場合においても、通常モード及び潜確モード時に比べ、変動表示時間が短縮されている。例えば、ノーマルリーチが導出される変動表示時間は、通常モード及び潜確モード時には「15秒」、確変モード時及び時間短縮モード時には「10秒」となっている。
スーパーリーチは、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、装飾図柄表示装置42にキャラクタ等が表示され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態では、スーパーリーチとして、スーパーリーチSR1、SR2、SR3の3種類が用意されており、スーパーリーチの種別毎に変動表示時間が異なっている。そして、スーパーリーチSR1ならば「FF12」又は「FD12」が変動パターンコマンドに設定され、スーパーリーチSR2ならば「FF13」又は「FD13」が設定され、スーパーリーチSR3ならば「FF14」又は「FD14」が設定される。
プレミアムリーチは、大当たり状態が発生する際にのみ導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態のプレミアムリーチには、プレミアムリーチPR1、PR2の2種類が用意されており、プレミアムリーチの種別毎に変動表示時間が異なっている。そして、プレミアムリーチPR1ならば「FF15」又は「FD15」が変動パターンコマンドに設定される。プレミアムリーチPR2ならば「FF16」又は「FD16」が設定される。
加えて、いずれのリーチ状態にもならない「完全外れ」に対応する変動パターンコマンドにはモードに応じて「FF10」又は「FD10」が変動パターンコマンドに設定される。本実施形態では、完全外れとなる変動表示時間は通常モード及び潜確モード時「10秒」、確変モード及び時間短縮モード時「6秒」に設定されている。
また、サブ制御装置262は、図柄コマンドに基づき停止図柄(停止図柄の組合わせ)を決定して、変動時間経過後に表示する。図柄コマンドは、サブ制御装置262に停止図柄を決定させるコマンドであり、確変大当たり図柄の組合わせ、通常大当たり図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせという5つの区分を指定するものである。これらの区分は、例えば、「AA11」、「AA12」、「AA13」、「AA14」、「AA15」で示され、この内のいずれかが図柄コマンドとして設定される。一方、サブ制御装置262には、これらのコマンドと停止図柄との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに対応する図柄の組合わせを停止表示する。
以下、停止図柄の区分、及び、停止図柄と図柄コマンドとの対応関係について説明する。遊技球の増加が望める確変大当たり(「16RS」及び「8RS」のこと。以下、「出玉有り確変大当たり」とも称する)に当選した場合、或いは、遊技球の増加が望める通常大当たり(「8RN」のこと。以下、「出玉有り通常大当たり」とも称する)に当選した場合には、装飾図柄表示装置42において、数字柄の付された装飾図柄がゾロ目となる組合わせで停止表示されることとなる。本実施形態では、「出玉有り確変大当たり」の場合には、1,3,5,7,9のいずれかの奇数のゾロ目からなる装飾図柄の組合わせである確変大当たり図柄、又は、2,4,6,8のいずれかの偶数のゾロ目からなる装飾図柄の組合わせである通常大当たり図柄のどちらかの組合せで変動表示が停止表示され、「出玉有り通常大当たり」の場合には、通常大当たり図柄の組合わせで変動表示が停止表示されることとなる。
そして、出玉有り確変大当たりの場合には図柄コマンドに「AA11」が設定され、出玉有り通常大当たりの場合には図柄コマンドに「AA12」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに「AA11」が設定されている場合、1〜9のいずれかのゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定し、「AA12」が設定されている場合、2,4,6,8のいずれかのゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
前後外れ図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものであり、前後外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「AA13」が設定される。本実施形態では、「2RS」、「2RN」、及び、「小当たり」に対応する停止態様についても、前後外れ図柄の組合わせとなる。前後外れ以外図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものであり、前後外れ以外図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「AA14」が設定される。完全外れ図柄の組合わせは、リーチすら発生しない「完全外れ」に対応するものであり、完全外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「AA15」が設定される。本実施形態では、装飾図柄表示装置42にて前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせが停止表示された場合、「外れ」となる。
なお、詳しくは後述するが、図柄コマンドに「AA13」〜「AA15」が設定されている場合、サブ制御装置262は、対応するRAM553のカウンタ用バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。尚、本実施形態では、外れ用の図柄コマンドに「AA13」〜「AA15」の3つのコマンドを用意しているが、これに限らず、例えば外れ用の図柄コマンドが1種類だけであって、サブ制御装置262で装飾図柄の組合わせを決定する構成としてもよい。
図10の説明に戻り、ステップS202では、変動種別カウンタCS1、CS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタCS1、CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では59、37)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1、CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップS204では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
その後、ステップS205では、特別表示制御処理を実行する。この処理では、第1及び第2特別表示装置43L、43Rに関する制御が行われると共に、大当たりの判定や特別表示装置43L、43R及び装飾図柄表示装置42における変動表示の設定などが行われる。この特別表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS206では、第1可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、第1可変入賞装置32aに関する制御が行われる。本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選にて当選した場合に、第1可変入賞装置32aが開放される大当たり状態又は小当たり状態が導出されるようになっている。この第1可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS207では、第2可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、第2可変入賞装置32bに関する制御が行われる。本実施形態では、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選にて当選した場合に、第2可変入賞装置32bが開放される大当たり状態又は小当たり状態が導出されるようになっている。この第2可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS208では、普通表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41に関する制御が行われる。この普通表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS209では、始動入賞装置制御処理を実行する。この処理では、始動入賞ユニット33に関する制御が行われる。この始動入賞装置制御処理の詳細は後述する。
その後は、ステップS210において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS211で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1、CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS212、ステップS213)。
つまり、ステップS212では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では599)に達した際0にクリアする。
また、ステップS213では、変動種別カウンタCS1、CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1、CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本例では59、37)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1、CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S210の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち当否乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1、CS2についてもランダムに更新することができる。
また、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップS210:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS214以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS214において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS215において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS216において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。
その後、ステップS217において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS218でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS219でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS210の処理は、ステップS201〜S209で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS212、S213の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS214)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップS205の特別表示制御処理について図19のフローチャートを参照して説明する。先ず、ステップS801では、詳しくは後述する当たり状況記憶エリアを参照し、今現在、大当たり状態又は小当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。尚、大当たり状態中には、特定表示装置43L、43Rにおいて大当たりに対応する表示態様が停止表示されてから第1又は第2可変入賞装置32a、32bが開放されるまでの間のオープニング期間と、第1又は第2可変入賞装置32a、32bが開状態とされるラウンド期間と、第1又は第2可変入賞装置32a、32bが閉状態とされるインターバル期間と、最終ラウンドの後、特別表示装置43L、43Rの変動表示が開始可能となるまでのエンディング期間とがある。小当たり状態中には、特別表示装置43L、43Rにおいて小当たりに対応する表示態様が停止表示されてから第1又は第2可変入賞装置32a、32bが開放されるまでの間のオープニング期間と、第1又は第2可変入賞装置32a、32bが開状態とされるラウンド期間と、第1又は第2可変入賞装置32a、32bが閉状態とされるインターバル期間と、最終ラウンドの後、特別表示装置43L、43Rの変動表示が開始可能となるまでのエンディング期間とがある。
本実施形態の当たり状況記憶エリアは、大当たり状態や小当たり状態以外の状態のときには「0」が記憶されており、大当たり状態や小当たり状態においては、オープニング期間及びインターバル期間のときに「1」、ラウンド期間のときに「2」、エンディング期間のときに「3」が記憶されている。すなわち、当該ステップS801では、当たり状況記憶エリアに「0」が記憶されているか否かを判別して、大当たり状態中や小当たり状態中であるか否かを判別する。尚、当たり状況記憶エリアに「0」〜「3」等の数値が記憶されているとあるのは便宜上のことで、実際には当たり状況記憶エリアは2バイトを使用している。
ステップS801で否定判別された場合、すなわち大当たり状態又は小当たり状態中である場合には、そのまま本処理を終了する、一方、ステップS801で肯定判別された場合には、ステップS802において、詳しくは後述する特図表示中フラグの設定状況を見て、第1又は第2特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)にて変動表示中であるか否かを判別する。詳しくは、特図表示中フラグがオン状態の場合には変動表示中とみなされ、特図表示中フラグがオフ状態の場合には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。尚、詳しくは後述するが、特図表示中フラグは、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示を開始する際にオンにされ、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示が停止表示される際にオフにされる。
そして、ステップS802で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態又は小当たり状態中でなくさらに変動表示中でもない場合には、ステップS803に進み、第2始動入賞装置33bへの入球を契機とする変動表示(第2変動表示)の保留数をカウントする第2保留カウンタNbの値が0よりも大きいか否かを判別する。
ステップS803で肯定判別された場合、すなわち、第2変動表示が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS804において、第2保留カウンタNbから1を減算する。尚、本実施形態では、ステップS803の判別処理により、第2変動表示が保留記憶されている場合には、第1変動表示を実行することなく第2変動表示を実行することとなる。つまり、第2変動表示よりも第1変動表示の方が早くに保留記憶された場合であっても、第2変動表示を優先して消化する(第1変動表示を後回しにする)構成となっている。
続くステップS805では、第2特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2特別変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップS805の後、ステップS806において、変動特定ランプ40を赤色に発光させる処理を行う。その後、ステップS807において、詳しくは後述する変動表示設定処理を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS803で否定判定された場合、すなわち、第2変動表示が1つも保留記憶されていない場合には、ステップS808において、第1始動入賞装置33aへの入球を契機とする変動表示(第1変動表示)の保留数をカウントする第1保留カウンタNaが0よりも大きいか否かを判別する。当該ステップS808で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS808で肯定判別された場合には、ステップS809において、第1保留カウンタNaから1を減算する。続くステップS810では、第1特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1特別変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップS810の後、ステップS811において、変動特定ランプ40を青色に発光させる処理を行う。その後、ステップS807において変動表示設定処理を行ってから、本処理を終了する。尚、本実施形態では、特別変動保留エリアの実行エリアは1つであり、第1特別変動保留エリア及び第2特別変動保留エリアに格納されているデータは、当該データに基づく変動表示を行う際に、共通の実行エリアにシフトされることとなる。
ここで、ステップS807の変動表示設定処理の詳細について、図20を参照して説明する。
先ず、ステップS901では、詳しくは後述するモード記憶エリアを参照し、高確率状態(確変モード又は潜確モード)であるか否かを判別する。尚、モード記憶エリアには、遊技モードを判別するための判別情報が記憶されている。本実施形態では、モード記憶エリアには、「11」、「12」、「21」、「22」のいずれかの値が記憶されており、「11」は通常モードに対応し、「12」は時間短縮モードに対応し、「21」は確変モードに対応し、「22」は潜確モードに対応している。つまり、当該ステップS901では、モード記憶エリアに「21」又は「22」が記憶されているか否かを判別することで、高確率状態であるか否かを判別している。
ステップS901で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態(確変モード、潜確モード)である場合には、ステップS902において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌して、第1又は第2当否フラグ(図14の当否判定処理参照)のどちらかがオン設定されているか否かを判別する。当該ステップS902で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態において当否抽選にて大当たりに当選したと判別された場合には、ステップS904に移行する。
また、ステップS901で否定判別された場合、すなわち低確率状態(通常モード、時間短縮モード)である場合には、ステップS903において、当否乱数記憶エリアを参酌し、第1当否フラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS903で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態において当否抽選にて大当たりに当選したと判別された場合には、ステップS904に移行する。
ステップS904では、大当たり状態の発生を確定させたことを示す大当たり確定フラグをオン設定する。尚、本実施形態では、当否乱数記憶エリアに対して、大当たり状態の発生を確定させたことに対応する値を記憶させることを、大当たり確定フラグをオン設定することと称している。
続くステップS905では、特別変動保留エリアの実行エリアの変動記憶エリアを参酌して、第2変動フラグがオン設定されているか否か、すなわち、この度行われる変動表示が、第2始動入賞装置33bへの入球を契機とする当否抽選の結果を教示するための第2変動表示であるか否かを判別する。ステップS905で肯定判別された場合には、ステップS906において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌して、16RSフラグ(図15、図16の種別判定処理参照)がオン設定されている否かを判別する。
ステップS906で肯定判別された場合、すなわち「16RS」である場合には、ステップS907にて16RSパターン設定処理(変動パターンコマンド及び図柄コマンドを設定する処理)を行う。16RSパターン設定処理は、「16RS」の発生を教示するための変動表示を実行させるための処理であり、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1、CS2の値に基づいて、特別表示装置43L、43Rや装飾図柄表示装置42の変動パターン(変動表示時間、演出パターン等)を決定し、当該決定や各種フラグ等に基づいて、変動パターンコマンド及び図柄コマンドの設定等を行う。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。ステップS907の後、後述するステップS931に移行する。
また、ステップS906で否定判別された場合には、ステップS908において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌して、8RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS908で肯定判別された場合、すなわち「8RS」である場合には、ステップS909にて8RSパターン設定処理を行う。ステップS909の後、ステップS931に移行する。
一方、ステップS908で否定判別された場合には、ステップS910において、2RN30フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS910で肯定判別された場合には、ステップS911において2RN30パターン設定処理を行う。ステップS911の後、ステップS931に移行する。
さらに、ステップS910で否定判別された場合には、ステップS912において、2RN60フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS912で肯定判別された場合には、ステップS913において2RN60パターン設定処理を行う。ステップS913の後、ステップS931に移行する。
加えて、ステップS912で否定判別された場合、すなわち、2RN90フラグがオン設定されている場合には、ステップS914において2RN90パターン設定処理を行う。ステップS914の後、ステップS931に移行する。
また、ステップS905で否定判別された場合、すなわち、この度行われる変動表示が、第1始動入賞装置33aへの入球を契機とする当否抽選の結果を教示するための第1変動表示である場合には、ステップS915において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌して、16RSフラグがオン設定されている否かを判別する。
ステップS915で肯定判別された場合には、ステップS916にて16RSパターン設定処理を行う。ステップS916の後、後述するステップS931に移行する。
また、ステップS915で否定判別された場合には、ステップS917において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌して、8RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS917で肯定判別された場合、すなわち「8RS」である場合には、ステップS918にて8RSパターン設定処理を行う。ステップS918の後、ステップS931に移行する。
一方、ステップS917で否定判別された場合には、ステップS919において、8RNフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS919で肯定判別された場合には、ステップS920において8RNパターン設定処理を行う。ステップS920の後、ステップS931に移行する。
さらに、ステップS919で否定判別された場合、すなわち、2RSフラグがオン設定されている場合には、ステップS921において2RSパターン設定処理を行う。ステップS921の後、ステップS931に移行する。
また、ステップS902で否定判別された場合、すなわち、高確率状態において大当たりに当選しなかった場合には、ステップS922において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌し、第1又は第2小当たりフラグがオン設定されているか否かを判別する。当該ステップS922で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態において当否抽選にて小当たりに当選したと判別された場合には、ステップS923において、小当たり状態の発生を確定させたことを示す小当たり確定フラグをオン設定する。尚、本実施形態では、当否乱数記憶エリアに対して、小当たり状態の発生を確定させたことに対応する値を記憶させることを、小当たり確定フラグをオン設定することと称している。その後、ステップS924において、小当たりパターン設定処理を行ってから、ステップS931に移行する。
また、ステップS903で否定判別された場合、すなわち、低確率状態において大当たりに当選しなかった場合には、ステップS925において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌し、第1小当たりフラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS925で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態において当否抽選にて小当たりに当選したと判別された場合には、ステップS923にて小当たり確定フラグをオン設定し、ステップS924にて小当たりパターン設定処理を行ってから、ステップS931に移行する。
一方、ステップS922又はステップS925で否定判別された場合、すなわち、大当たりでも小当たりでもない場合には、ステップS926において、特別変動保留エリアの実行エリアのリーチ乱数記憶エリアを参酌し、前後フラグ(図17のリーチ判定処理参照)がオンであるか否かを判別する。ステップS926で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れリーチ」である場合には、ステップS927にて前後リーチパターン設定処理を行った後、ステップS931へ移行する。
また、ステップS926で否定判別された場合には、ステップS928において、特別変動保留エリアの実行エリアのリーチ乱数記憶エリアを参酌し、前後以外フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS928で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れ以外リーチ」である場合には、ステップS929にて前後以外リーチパターン設定処理を行った後、ステップS931へ移行する。
また、ステップS928で否定判別された場合には、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップS930において外れ変動パターン設定処理を行った後、ステップS931に移行する。
ステップS931では、特別表示装置43L、43Rにて変動表示中であるか否かを示す特図表示中フラグをオン設定する。これにより、特別表示装置43L、43Rにおいて切替表示(変動表示)を行う条件が成立したことが示される。続くステップS932では、特別表示装置43L、43Rにおける変動時間(変動表示の残余時間)を計測する特図表示タイマの設定処理を行う。当該特図表示タイマは、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。
尚、本実施形態における特別表示装置43L、43Rの変動表示時間は、上記変動種別カウンタCS1、CS2により選出される変動パターンに対応した値が設定される。このような特図表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し切替表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、特別表示装置43L、43Rにおいて切替表示(変動表示)が開始される。また、変動パターンコマンド及び図柄コマンドを受信したサブ制御装置262は、特別表示装置43L、43Rの変動開始と同時に、変動パターンコマンドに基づいて装飾図柄表示装置42において変動表示を開始させ、特別表示装置43L、43Rの停止表示と同時に、図柄コマンドに基づいた図柄の組み合わせにて装飾図柄表示装置42における変動表示を停止表示させる。ステップS932の終了後、変動表示設定処理を終了する。
尚、本実施形態では、始動入賞処理において、ステップS504、S512の当否乱数カウンタC1の値を取得して特別変動保留エリアに記憶する処理と、ステップS505、513の当否判定処理と、変動表示設定処理において、当否フラグ及び小当たりフラグと、そのときの状況とに基づいて当否を判別するステップS901〜ステップS903、ステップS922、ステップS925の処理等とによって当否抽選が構成される。また、ステップS901〜S903、S922、S925の処理等によって第2当否判別処理が構成され、ステップS907、ステップS909、ステップS911、ステップS913、ステップS914、ステップS916、ステップS918、ステップS920、ステップS921、ステップS927、ステップS929、ステップS930の処理等によって変動表示設定処理が構成される。
図19の説明に戻り、ステップS802で肯定判別された場合、すなわち変動表示中である場合には、ステップS812に進み、特図表示タイマの減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に特図表示タイマの値が4msec分ずつ減算されていく。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には、特図表示タイマに対して「2500」が設定され、4msec毎に1減算される。
続いてステップS813に進み、上記減算後の特図表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち特図表示タイマの値が「0」となった時にステップS813が肯定判別される。
ステップS813で否定判別された場合には、ステップS817において、特別表示装置43L、43Rの切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、特別表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に特別表示装置43L、43Rの切替表示(変動表示)が実現される。
一方、ステップS813で肯定判別された場合には、ステップS814において特図表示中フラグをオフし、ステップS815において特別表示装置43L、43Rにて停止表示を行うための停止表示設定を行う。この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、42Rに対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、各大当たり種別や外れ等に対応する停止態様で停止表示させる。また、サブ制御装置262にも装飾図柄表示装置42の停止表示を行う旨の制御信号が出力される。これにより、特別表示装置43L、42R及び装飾図柄表示装置42の停止タイミングの同期が確実に図られる。但し、装飾図柄表示装置42の停止態様については変動表示の開始時に出力された図柄コマンドや変動パターンコマンドによって既にサブ制御装置262で決定されているため、再度装飾図柄表示装置42の停止態様に関する情報を付加する必要はない。また、繰り返しとなるが、このような特別表示装置43L、43Rによる停止表示が主となる表示であり、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の表示はあくまでも補助的なもの(演出用)となっている。
続いて、ステップS816において、当たり状態の初期設定や時間短縮モードの期間を計るための判別情報設定処理を行った後、本処理を終了する。ここで、判別情報設定処理について、図21を参照して説明する。
先ず、ステップS1001において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参照し、大当たり確定フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1001で肯定判別された場合には、ステップS1002において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌し、16RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1002で肯定判別された場合、ステップS1003において、大当たり状態中に実行されるラウンドの回数(可変入賞装置32の開放回数)を判別するためのラウンド数カウンタに「16」を設定する。一方、ステップS1002で否定判別された場合には、ステップS1004において、2RSフラグ又は2RNフラグ(2RN30、2RN60、2RN90)がオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1004で否定判別された場合、すなわち、8RSフラグ又は8RNフラグがオン設定されている場合には、ステップS1005において、ラウンド数カウンタに「8」を設定する。ステップS1003、又は、ステップS1005の後、ステップS1006に移行する。
ステップS1006では、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。続くステップS1007では、当たり状態中の制御(第1及び第2可変入賞装置32a、32bの開閉制御)に用いられる特別可変タイマに対して、例えば8秒のオープニング期間に対応する値「2000」を設定する。続いて、ステップS1008では、第1及び第2可変入賞装置32a、32bに入球した遊技球の数をカウントするための入賞カウンタに対して、1ラウンドあたりの最大入球個数である8個を示す「8」を設定する。尚、入賞カウンタの値は、タイマ割込み処理のスイッチ読み込み処理(図11参照)に際して、第1及び第2可変入賞装置32a、32bへの入球があったか否かを第1及び第2カウントスイッチ223a、223bの検知情報により判別し、第1及び第2可変入賞装置32a、32bへの入球があったと判別されると1減算される。
それから、ステップS1009では、サブ制御装置262に対して当たり状態の開始を伝えるためのオープニングコマンドを設定する。当該オープニングコマンドには、当たり種別の情報等が含まれ、サブ制御装置262でも当たり状態の全ラウンド数等が把握できるようになっている。ステップS1009の後、本処理を終了する。
尚、大当たり状態において見た目の大当たり種別の昇格の演出等(例えば、装飾図柄表示装置42で偶数のゾロ目が停止表示された場合に、直後の大当たり状態中において「8RS」又は「16RS」に当選したことを教示したり、装飾図柄表示装置42で奇数のゾロ目が停止表示された場合に、直後の大当たり状態中において「16RS」に当選したことを教示したりする)を行うこととしてもよい。
また、ステップS1001で否定判別された場合、すなわち、大当たりではないと判別された場合には、ステップS1010へ移行する。ステップS1010では、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌し、小当たり確定フラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1010で肯定判別された(小当たりである)場合、又は、ステップS1004で肯定判別された(「2RS」又は「2RN」である)場合には、ステップS1011において、ラウンド数カウンタに「2」を設定する。ステップS1011の後、ステップS1012では、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。続くステップS1013において、特別可変タイマに対して、例えば2秒のオープニング期間に対応する値「5000」を設定し、ステップS1014において、入賞カウンタに対して「8」を設定し、ステップS1015において、オープニングコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、大当たり及び小当たりのどちらでもなくて、ステップS1010にて否定判別された場合には、ステップS1016において、モード記憶エリアに「12」が記憶されているか否か、すなわち、時間短縮モードであるか否かを判別する。ステップS1016で否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1016で肯定判別された場合には、ステップS1017において、時間短縮モードの継続期間を計測するため変動回数カウンタの値を1減算する。詳しくは後述するが、本実施形態では、「8RN」、「2RN30」、「2RN60」、「2RN90」の大当たり状態終了時において、それぞれ変動回数カウンタに対し、時間短縮モードの期間に相当する変動表示の回数が設定され、特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)の変動表示が1回行われる毎に当該ステップS1010において1減算される。
続くステップS1018では、変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1018で否定判別された場合、すなわち、当たり状態の終了度に、時間短縮モードの期間として設定された規定回数分の特別表示装置43L、43R(装飾図柄表示装置42)の変動表示が未だ行われていない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1018で肯定判別された場合には、ステップS1019において、モード記憶エリアに対し、通常モードであることを示す「11」を設定する。すなわち、特別表示装置43L、43Rにおいて変動表示が規定回数行われた時点で時間短縮モードが終了し、通常モードへと移行するようになっている。当該ステップS1019の後、ステップS1020において、サブ制御装置262に対して時間短縮モードの終了を知らせる時短終了コマンドの設定を行ってから、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、小当たり状態の初期設定を行う処理と、2RS及び2RNの大当たり状態の初期設定を行う処理とが共通化されているが、別々に行うこととしてもよい。
次に、上記ステップS206の第1可変入賞装置32aを開閉させるための第1可変入賞装置制御処理について図22のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS1201では、当たり状況記憶エリアに設定されている値が「0」であるか否かを判別することで、大当たり状態及び小当たり以外の状態であるか否かを判別する。ステップS1201で肯定判別された場合、すなわち、大当たり状態や小当たり状態ではない場合には、そのまま本処理を終了する。ちなみに、大当たり状態や小当たり状態の開始時にあっては、上記判別情報設定処理にて当たり状況記憶エリアに「1」が設定されている。
一方、ステップS1201で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態又は小当たり状態中である場合(当たり状況記憶エリアに「1」〜「3」のいずれかが設定されている場合)にはステップS1202において、特別変動保留エリアの実行エリアにおいて第1変動フラグがオンされているか否かを判別する。ステップS1202で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1202で肯定判別された場合には、ステップS1203に移行し、特別可変タイマの値を1減算する。ちなみに、大当たり状態や小当たり状態の開始時にあっては、判別情報設定処理にて特別可変タイマに「2000」又は「500」が設定されている。
続くステップS1204では、特別可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1204で肯定判別された場合には、ステップS1205において、当たり状況記憶エリアにおいて「1」が設定されているか否かを判別する。
ステップS1205で肯定判別された場合には、ステップS1206において、当たり状況記憶エリアに対して「2」を設定する。続くステップS1207では、出玉有り大当たりであるか否かを判別する。ここでは、第1始動入賞装置33aへの入球を契機として行われる当否抽選にて当選した場合に付与され得る出玉有り大当たりである「16RS」、「8RS」、「8RN」のいずれかであるか否か(「2RS」以外であるか否か)が判別される。
ステップS1207で肯定判別された場合には、ステップS1208において、特別可変タイマに対して、第1可変入賞装置32aの開状態を維持する時間(30秒)に対応する値「7500」を設定する。一方、ステップS1207で否定判別された場合には、ステップS1209において、特別可変タイマに対して、第1可変入賞装置32aの開状態を維持する時間(0.4秒)に対応する値「100」を設定する。
ステップS1208、又は、ステップS1209の後、ステップS1210では、第1可変入賞装置32aを開状態とさせる処理を行い、ステップS1211では、サブ制御装置262に対してラウンドを開始する旨の情報を伝えるラウンドコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1205で否定判別された場合には、ステップS1212において当たり状況記憶エリアにおいて「3」が設定されているか否かを判別する。尚、詳しくは後述するが、大当たり状態又は小当たり状態における全ラウンドが終了し、エンディング期間が開始される際に、当たり状況記憶エリアに対して「3」が設定されることとなる。ステップS1212で否定判別された場合、すなわち、未だ大当たり状態又は小当たり状態を終了させる時期ではない場合には、ステップS1213においてラウンド数カウンタの値を1減算する。
続くステップS1214では、ラウンド数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1214で否定判別された場合、すなわち、未だ実行するべきラウンドが残されている場合には、ステップS1215に移行し、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。その後、ステップS1216において、出玉有り大当たりであるか否かを判別する。
ステップS1216で肯定判別された場合には、ステップS1217において、特別可変タイマに対してインターバルの時間(4秒)に対応する値「1000」を設定する。一方、ステップS1216で否定判別された場合には、ステップS1218において、特別可変タイマに対してインターバルの時間(1秒)に対応する値「250」を設定する。
ステップS1217、又は、ステップS1218の後、ステップS1219において、入賞カウンタに対して「8」を設定する。さらに、ステップS1220において、第1可変入賞装置32aを閉状態とさせる処理を行い、ステップS1221において、サブ制御装置262に対してインターバルを開始する旨の情報を伝えるインターバルコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1204で否定判別された場合、すなわち、第1可変入賞装置32aの開状態又は閉状態を維持するべき時間(開放時間又は閉鎖時間)が残っている場合には、ステップS1222に移行し、第1可変入賞装置32aへの入球個数を計測する入賞カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。尚、入賞カウンタには、大当たり状態又は小当たり状態の開始時及びインターバルの開始時において、1回のラウンドあたりの入賞数の上限(規定個数)である「8」が設定される。そして、第1可変入賞装置32aに遊技球が1つ入球する毎に1減算される。
ステップS1222で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1222で肯定判別された場合、すなわち、ラウンドの設定期間の経過を待たずにラウンドの終了契機が訪れた場合には、上記ステップS1213に移行する。これにより、1回のラウンド中に可変入賞装置32に対して遊技球が8個入球した場合には、開放期間30秒が経過していなくてもその時点で速やかにラウンドが終了することとなる。
また、ステップS1214で肯定判別された場合、すなわち、大当たり状態又は小当たり状態における全ラウンドが消化された場合には、ステップS1223に移行し、当たり状況記憶エリアに対して「3」を設定する。ステップS1223の後、ステップS1224において、出玉有り大当たりであるか否かを判別する。ステップS1224で肯定判別された場合には、ステップS1225において、特別可変タイマに対してエンディングの時間(10秒)に対応する値「2500」を設定する。一方、ステップS1224で否定判別された場合には、ステップS1226において、特別可変タイマに対してエンディングの時間(1秒)に対応する値「250」を設定する。
ステップS1225、又は、ステップS1226の後、ステップS1227において、入賞カウンタに対して「7」を設定する。尚、ステップS1222で肯定判別された後の流れでステップS1223以降のエンディングを設定する処理が行われる場合、入賞カウンタの値は「0」になっている。そして、エンディング期間の開始時に入賞カウンタの値をそのまま「0」にしておくと、4msec後の第1可変入賞装置制御処理において、いきなりステップS1222で肯定判別されてしまい、エンディング期間を全うさせることができない。このため、ステップS1227で入賞カウンタに対して「0」以外の仮の数値(本例では「7」)を入れておくことで、エンディング期間を全うさせるようになっている。勿論、別の方法で、エンディング期間を全うさせるように構成してもよい。
ステップS1227の後、ステップS1228では、第1可変入賞装置32aを閉状態とさせる処理を行い、続くステップS1229では、サブ制御装置262に対してエンディングを開始する旨の情報を伝えるエンディングコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップS1212で肯定判別された場合、すなわち、エンディング期間が終了して大当たり状態を終了させる時期が到来した場合には、ステップS1230に移行し、終了設定処理を行う。終了設定処理では、モード記憶エリアの設定や変動回数カウンタの設定が行われる。
ここで、終了設定処理について、図23を参照して説明する。先ず、ステップS1401では、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌し、小当たり確定フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1401で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1401で否定判別された場合には、ステップS1402において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参照し、8RNフラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1402で肯定判別された場合には、ステップS1403において、モード記憶エリアに時間短縮モードに対応する値「12」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に時間短縮モードが付与されることとなる。
続くステップS1404では、変動回数カウンタに対して「90」を設定する。尚、変動回数カウンタとは、モード記憶エリアに「12」が設定される際、すなわち、時間短縮モードが開始される際に時間短縮モードの期間として設定される規定回数分の変動表示が全うされたことを把握するためのものである。ステップS1404の後、本処理を終了する。
また、ステップS1402で否定判別された場合、ステップS1405において、実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参照し、2RN90フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1405で肯定判別された場合、8RNフラグがオン設定されている場合と同様に、ステップS1403に移行する。
一方、ステップS1405で否定判別された場合には、ステップS1406において、2RN60フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1406で肯定判別された場合には、ステップS1407において、モード記憶エリアに「12」を設定し、ステップS1408において、変動回数カウンタに対して「60」を設定してから、本処理を終了する。
さらに、ステップS1406で否定判別された場合には、ステップS1409において、2RN30フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1409で肯定判別された場合には、ステップS1410において、モード記憶エリアに「12」を設定し、ステップS1411において、変動回数カウンタに対して「30」を設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS1409で否定判別された場合には、ステップS1412において、2RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1412で肯定判別された場合には、ステップS1413において、モード記憶エリアに「22」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に潜確モードが付与されることとなる。その後、本処理を終了する。
一方、ステップS1412で否定判別された場合には、ステップS1414において、モード記憶エリアに「21」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に確変モードが付与されることとなる。その後、本処理を終了する。
図22の説明に戻り、ステップS1230の後、ステップS1231において、当たり状況記憶エリアに対して大当たり状態及び小当たり状態ではないことを示す「0」を設定する。その後、ステップS1232において、サブ制御装置262に対して大当たり状態又は小当たり状態を終了する旨の情報を伝える当たり終了コマンドを設定してから、本処理を終了する。尚、当たり終了コマンドには、上記終了設定処理で設定された遊技モードや変動回数カウンタの回数情報等が含まれている。
尚、通常処理(図10参照)のステップS207の第2可変入賞装置制御処理は、基本的に、第1可変入賞装置制御処理に対し、開閉制御の対象が第2可変入賞装置32bになり、第2変動フラグがオン設定されている場合に実行され、出玉有り大当たりであるか否かの判別に際して16RS又は8RSであるか否かを判別する点が異なるだけであるので、その説明を省略する。
次に、前記ステップS208の普通表示制御処理について図24のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS2101では、普通図柄表示装置41にて変動表示中であるか否かを示す普図表示中フラグがオンであるか否かを判別する。尚、普図表示中フラグがオンである場合には普通図柄表示装置41において変動表示中であるとみなされる。
ステップS2101で否定判別された場合には、ステップS2102に進み、普通保留カウンタNcの値が0よりも大きいか否かを判別する。このとき、普通保留カウンタNcの値が0である場合には、そのまま本処理を終了する。
また、ステップS2102で否定判別された場合、すなわち、普通図柄の変動表示が1つも保留されていない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS2102で肯定判別された場合には、ステップS2103において、普通保留カウンタNcから1を減算する。
続くステップS2104では、普通変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、普通変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS2105では、普通図柄表示装置41における普通図柄の変動表示を設定し、開始させるための普図変動設定処理を実行する。
ここで、普図変動設定処理について、図25を参照して、説明する。先ず、ステップS2301では、普通図柄表示装置41における普通図柄の変動表示中であることを示す普図表示中フラグをオン設定する。続くステップS2302では、当たり状況記憶エリアを参照し、「0」が記憶されているか否か、すなわち、今現在、大当たり状態又は小当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。ステップS3202で肯定判別された場合、つまり、大当たり状態でも小当たり状態でもない場合には、ステップS2303において、モード記憶エリアに対し「12」、又は、「21」の値が記憶されているか否か、すなわち、高入球状態(時間短縮モード又は確変モード)であるか否かを判別する。
ステップS2303で肯定判別された場合には、ステップS2304において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する普図表示タイマに対し、普通図柄の変動表示時間を0.4秒にするべく「100」を設定する。
その後、ステップS2305において、普通変動保留エリアの実行エリアの普通図柄乱数カウンタC4が「0」であるか否かを判別する。尚、高入球状態では、「0〜99」の範囲の値を取る普通図柄乱数カウンタC4の値が「1〜99」の場合に当選となる。
ステップS2305で否定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bを開状態とするか否かの入球サポート抽選に当選した場合には、ステップS2306において、入球サポート抽選に当選したことを示す入球サポートフラグをオン設定する。ステップS2306の後、又は、ステップS2305で肯定判別された場合には、本処理を終了する。
また、ステップS2302、又は、ステップS2303で否定判別された場合、つまり、大当たり状態、小当たり状態、又は、低入球状態にある場合には、ステップS2307において、普図表示タイマに対し、普通図柄の変動表示時間を8秒にするために「2000」を設定する。さらに、ステップS2308において、普通変動保留エリアの実行エリアの普通図柄乱数カウンタC4が「1」であるか否かを判別する。尚、低入球状態では、「0〜99」の範囲の値を取る普通図柄乱数カウンタC4の値が「1」の場合に当選となる。
ステップS2308で肯定判別された場合、すなわち、入球サポート抽選に当選した場合には、ステップS2309において、入球サポート抽選に当選したことを示す入球サポートフラグをオン設定する。ステップS2309の後、又は、ステップS2308で否定判別された場合には、本処理を終了する。
図24の説明に戻り、ステップS2105の後、本処理を終了する。尚、普図変動設定処理における設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し変動表示を開始する旨の制御信号が出力された場合には、普通図柄表示装置41において変動表示が開始される。上述したように普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を表示するように構成されており、表示されているのが「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え(変動)表示する。
また、ステップS2101で肯定判別された場合、すなわち、普通図柄表示装置41にて変動表示中である場合には、ステップS2106に進み、普図表示タイマを減算する処理を行う。この処理が1回行われる毎に普図表示タイマのカウント値が1減算される。
続いてステップS2107に進み、普図表示タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち、変動時間が経過したか否かを判別する。ステップS2107で肯定判別された場合には、ステップS2108において普図表示中フラグをオフし、ステップS2109において普通図柄表示装置41にて停止表示を行うための普図停止表示設定を行う。そして、この普図停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、当選である場合(入球サポートフラグがオン設定されている場合)には「○」図柄(当選図柄)を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、外れである場合には「×」図柄を停止表示させる。
続いてステップS2110に進み、普図判別情報設定処理を行い、本処理を終了する。ここで、普図判別情報設定処理について、図26を参照して説明する。
先ず、ステップS2401では、入球サポートフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS2401で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS2401で肯定判別された場合には、ステップS2402において、第2始動入賞装置33bが開状態中であるか否かを判別するための普通可変フラグをオン設定する。
尚、普通可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、第2始動入賞装置33bに対し各種制御信号が出力される。普通可変フラグがオンの場合には第2始動入賞装置33bが開状態となる。一方、普通可変フラグがオフの場合には第2始動入賞装置33bが閉状態となる。
続くステップS2403では、モード記憶エリアにおいて「12、21」のどちらかが記憶されているか否か、すなわち、高入球状態であるか否かを判別する。ステップS2403で肯定判別された場合には、ステップS2404において、第2始動入賞装置33bの開放時間(残余時間)を計測するための普通可変タイマに対し、第2始動入賞装置33bの開放時間を4秒にするべく「1000」を設定する。
さらに、ステップS2405では、第2始動入賞装置33bを開放させる回数(残り回数)を計数する開放回数カウンタに対し、第2始動入賞装置33bを3回開放させるべく「3」を設定する。ステップS2405の後、本処理を終了する。
また、ステップS2403で否定判別された場合、すなわち、低入球状態にある場合には、ステップS2406において、普通可変タイマに対し、第2始動入賞装置33bの開放時間を0.4秒にするべく「100」を設定する。続く、ステップS2407では、開放回数カウンタに対し、第2始動入賞装置33bを1回開放させるべく「1」を設定する。ステップS2407の後、本処理を終了する。
図24の説明に戻り、ステップS2107で否定判別された場合には、ステップS2111において、普通図柄表示装置41の切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯が「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。これによって、普通表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に普通図柄表示装置41の切換表示(変動表示)が実現される。
次に上記ステップS209の始動入賞装置制御処理について図27のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS2201では、入球サポートフラグがオンであるか否かを判別する。ステップS2201で否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。一方、ステップS2201で肯定判別された場合には、ステップS2202において、普図表示中フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS2202で肯定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bを開状態とすることは決定されているが、未だ対応する普通図柄の変動表示が行われており、開状態とするタイミングに至っていない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2202で否定判別された場合には、ステップS2203において、普通可変タイマの値を1減算する。続くステップS2204では、普通可変フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS2204で肯定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bが開状態である場合には、ステップS2205において、普通可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2205で否定判別された場合、すなわち、予め規定された第2始動入賞装置33bの開放時間が未だ経過していない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2205で肯定判別された場合には、ステップS2206に移行し、普通可変フラグをオフする。続くステップS2207では、開放回数カウンタの値を1減算する。その後、ステップS2208において、開放回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2208で肯定判別された場合には、ステップS2209において入球サポートフラグをオフしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS2209で否定判別された場合、すなわち、当選した入球サポート抽選が確変モード又は時間短縮モードで行われたものであって、それに基づいて第2始動入賞装置33bが3回開放されるうちの残り回数がある場合には、ステップS2210で普通可変タイマに対してインターバル時間に相当する値(例えば「100」)を設定する。ステップS2210のあと、本処理を終了する。
また、ステップS2204で否定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bが3回開放される間のインターバル期間(第2始動入賞装置33bは閉状態)である場合には、ステップS2211に移行し、普通可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2211で否定判別された場合、すなわち、未だインターバル期間が経過していない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2211で肯定判別された場合には、ステップS2212で普通可変フラグをオンし、ステップS2213で普通可変タイマに対して開放時間に相当する値(本例では「1000」)を設定してから、本処理を終了する。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図28を参照して受信割込み処理を説明し、その後図29を参照してメイン処理を説明する。
図28は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図30に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図29を参照して説明する。図29は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップS3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS3107でRAM判定値を算出し、続くステップS3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップS3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS3114では、割込みを許可する。
ステップS3114で割込みが許可された後は、ステップS3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図30のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップS3201)。このコマンド判定処理について図31を参照して以下に説明する。
図31は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップS3124,S3201)では、まず、ステップS3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図28参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS3301においてコマンド受信フラグがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS3301でコマンド受信フラグがオンと判別されれば、ステップS3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS3302〜ステップS3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS3304〜ステップS3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS3305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS3306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS3308)と、RAM513の初期値設定(ステップS3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS3304:NO、ステップS3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS3305:NO、ステップS3306:YES)、ステップS3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、当該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図30のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS3202において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS3202で肯定判別されれば、ステップS3203で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップS3204で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS3205では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS3206では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS3207では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判別し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップS3208で払出個数設定処理を行い、ステップS3209においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS3210においてモータ駆動処理を行う。
ステップS3211では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS3212では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
次に、サブ制御装置262の通常処理ついて図32を参照しつつ説明する。先ずステップS3901では、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認し、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されているか否かを判別する。
コマンドが受信されている場合には、ステップS3902においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
続くステップS3903では、主制御装置261から出力された先発コマンドの情報を、RAM553に設けられた保留情報記憶エリアに格納する保留情報格納処理を行う。尚、先発コマンドには、上記のように、上入賞口33a又は下入賞口33bのどちらの入球を契機とする変動表示であるかを示す情報、大当たりに対応する変動情報であるかを示す情報、大当たり種別を示す情報、リーチの種別を示す情報が含まれる。
保留情報格納エリアは、主制御装置261の特別変動保留エリアと同様に、それぞれ4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)を備える第1保留情報格納エリア及び第2保留情報格納エリアと、1つの実行エリアとを備えている。第1保留情報格納エリアには、第1変動表示(第1特別変動保留エリアに記憶された情報)に基づく先発コマンドの受信履歴に合わせて、大当たりか否かの情報、大当たり種別、小当たりか否かの情報、及びリーチ種別等の変動表示に関する情報(変動情報)が時系列的に格納される。また、第2保留情報格納エリアには、第2変動表示(第2特別変動保留エリアに記憶された情報)に基づく先発コマンドの受信履歴に合わせて、変動情報が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、第1始動入賞装置33aへの入球を契機とする第1変動表示に関する変動情報、及び、第2始動入賞装置33bへの入球を契機とする第2変動表示に関する変動情報をそれぞれ4つ保留記憶することができる。結果的に、主制御装置261の第1及び第2特別変動保留エリアの実行エリアだけでなく、保留エリアに記憶された変動情報についても、サブ制御装置262において把握することが可能となっている。
以下、保留情報格納処理について、図35を参照して説明する。先ず、ステップS4101では、先発コマンドを受信したか否か(先発コマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。当該ステップS4101で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4101で肯定判別された場合には、ステップS4102において先発コマンドが第2始動入賞装置33bへの入球(第2特別変動保留エリアに記憶された変動情報)に対応するものであるか否かを判別する。ここで否定判別された場合、すなわち、先発コマンドが第1始動入賞装置33aの入球(第1特別変動保留エリアに記憶された変動情報)に対応するものであった場合には、ステップS4103において、第1保留情報格納エリアに保留記憶されている変動情報の保留数をカウントする第1変動保留カウンタNdを1インクメントする。
続くステップS4104では、先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たり種別の情報、小当たりか否かの情報、リーチ種別の情報等を、第1保留情報格納エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに記憶する。
また、続くステップS4105では、予告情報格納処理を行う。すなわち、本実施形態では、連続する複数の変動表示において互いに関連する演出表示を意図的に導出する(所謂、「連続予告」が行われる)場合がある。ここでは、連続予告を行うか否かを決定するための連続予告カウンタの値、及び、連続予告の種別を決定するための予告種別カウンタの値を取得し、当該カウンタ値を第1保留情報格納エリアのうち上記ステップS4104にて変動情報を新たに記憶した保留エリアに記憶する。
連続予告カウンタは、例えば0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり49)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。連続予告カウンタは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファ(連続予告カウンタバッファ)に連続予告カウンタの値が記憶される。
予告種別カウンタは、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。予告種別カウンタは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファ(予告種別カウンタバッファ)に予告種別カウンタの値が記憶される。
そして、当該予告情報格納処理において、保留情報格納エリアに変動情報が格納されると、連続予告カウンタバッファ及び予告種別カウンタバッファに記憶されている連続予告カウンタの値及び予告種別カウンタの値が取得されることとなる。さらに、保留情報格納エリアの各保留エリア及び実行エリアには、連続予告が導出されることが決定された場合にオンされる連続予告フラグがそれぞれ設けられている。
また、本実施形態では、ROM552に対し、連続予告を行うか否かの決定に際して参酌される予告当否判定テーブルと、連続予告の態様の決定に際して参酌される予告テーブルとが設けられている。予告当否判定テーブル及び予告テーブルはそれぞれ複数設けられており、変動情報に応じて、参酌される予告当否判定テーブル及び予告テーブルが選択される。
ステップS4105の後、ステップS4106において、消灯状態にある第1保留ランプ46aのうちの1つ(例えば、4つある第1保留ランプ46aのなかで消えているもののうち一番左側のもの)を点灯状態とする。本実施形態の第1保留ランプ46aは青色に発光する。続くステップS4107では、連続予告を実行するか否かを決定する連続予告抽選処理を行い、その後、本処理を終了する。本実施形態では、ステップS4107の連続予告抽選処理が特定演出決定処理を構成する。
尚、ステップS4107の連続予告抽選処理では、第1変動保留カウンタNdの値が「2」以上である場合に、第1保留情報記憶エリアに新たに記憶された連続予告カウンタの値に基づいて、大当たり種別やリーチ種別や遊技モードにそれぞれ対応する予告当否判定テーブルを参照し、連続予告を実行するか否かを決定する。さらに、連続予告を実行することが決定された場合には、第1保留情報記憶エリアに新たに記憶された予告種別カウンタの値に基づいて、大当たり種別やリーチ種別や遊技モードに対応する予告テーブルを参照し、連続予告を実行するか否かを決定する。加えて、第1保留情報記憶エリアの保留エリアのうち変動情報が記憶されている全ての保留エリアの連続予告フラグをオンにする。但し、実行エリアの連続予告フラグはオンにしない。
また、ステップS4102で否定判別された場合、すなわち、先発コマンドが第2始動入賞装置33bへの入球(第2特別変動保留エリアに記憶された変動情報)に対応するものであった場合には、ステップS4108に進み、第2保留情報格納エリアに保留記憶されている変動情報の保留数をカウントする第2変動保留カウンタNeを1インクリメントする。
その後、ステップS4109では、先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たり種別の情報、小当たりか否かの情報、リーチ種別の情報等を、第2保留情報格納エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに記憶する。続くステップS4110では、連続予告カウンタの値及び予告種別カウンタの値を取得し、当該カウンタ値を第2保留情報格納エリアのうち上記ステップS4109にて変動情報を新たに記憶した保留エリアに記憶する。
ステップS4110の後、ステップS4111において、消灯状態にある第2保留ランプ46bのうちの1つ(例えば、4つある第2ランプ46bのなかで消えているもののうち一番左側のもの)を点灯状態とする。本実施形態の第2保留ランプ46bは赤色に発光する。続くステップS4112では、連続予告を実行するか否かを決定する連続予告抽選処理を行い、本処理を終了する。尚、ステップS4112の連続予告抽選処理は、ステップS4107の連続予告抽選処理を第2始動入賞装置33bへの入球に対応させるだけであり、説明は省略する。
図32の説明に戻り、ステップS3903の後又はステップS3901で否定判別された場合には、ステップS3904へと移行し、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では2msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していればステップS3905へ移行し、一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、ステップS3912へと移行する。
ステップS3905では、各種カウンタの更新処理を実行する。サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図33に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタCOと、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU551内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。
大当たり時装飾図柄カウンタCOは、大当たり状態が発生する際に、装飾図柄表示装置42の変動停止時の図柄(大当たり図柄)を決定するものであり、本実施形態では、大当たり時装飾図柄カウンタCOとしては、9個(0〜8)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタCOは、0〜8の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり8)に達した後0に戻る構成となっている。
そして、主制御装置261から送信された図柄コマンドが確変大当たりに対応する図柄を停止させる旨を示す「AA11」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「1」(のゾロ目)、1であれば「2」(のゾロ目)という具合に、大当たり図柄の組合わせを決定する。この大当たり時装飾図柄カウンタCOはステップS3905のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、後述するようにサブ制御装置262が図柄コマンドを受信するタイミングでRAM553のカウンタ用バッファから読み出す。尚、本実施形態では大当たり時装飾図柄カウンタCOはRAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、図柄コマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
また、図柄コマンドが通常大当たりに対応する図柄を停止させる旨を示す「AA12」である場合、例えば、カウンタ値が0、1であれば「2」(のゾロ目)、2〜4であれば「4」(のゾロ目)、5、6であれば「6」(のゾロ目)、7、8であれば「8」(のゾロ目)という具合に、大当たり図柄の組合わせを決定する。
上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRは、当否抽選が外れとなったときに、上・中・下の図柄表示領域の各停止図柄の組合わせを決定するものであり、各列では9個の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に9個(0〜8)のカウンタ値が用意されている。上図柄カウンタCLにより上図柄表示領域の停止図柄が決定され、中図柄カウンタCMにより中図柄表示領域の停止図柄が決定され、下図柄カウンタCRにより下図柄表示領域の停止図柄が決定される。
本実施形態では、CPU551に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が上限値を超えた場合に8減算されて今回値が決定される。各図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ、及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、各図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。図34に示すように、ステップS4001では、上図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS4002では、中図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。なお、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において下図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップS4001で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において上図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップS4002で肯定判断されることになる。そして、上図柄カウンタCLの更新時期(ステップS4001がYES)であればステップS4003に進み、上図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄カウンタCMの更新時期(ステップS4002がYES)であればステップS4004に進み、中図柄カウンタCMを更新する。さらに、下図柄カウンタCRの更新時期(ステップS4001、S4002が共にNO)であればステップS4005に進み、下図柄カウンタCRを更新する。ステップS4003〜S4005の図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が上限値を超えた場合に8を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS4006では、上記更新した図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせがリーチ図柄の組合わせ(上図柄表示領域の図柄と下図柄表示領域の図柄とが同じ)になっているか否かを判別し、リーチ図柄の組合わせである場合(S4006がYES)、さらにステップS4007では、大当たり図柄の組合わせ(上下の図柄表示領域の図柄と中図柄表示領域の図柄とが同じ)であるか否かを判別する。ステップS4007で肯定判別された場合には、図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553に記憶することなく、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4007で否定判別された場合には、ステップS4008において、図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが前後外れ図柄の組合わせであるか否かを判別する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ図柄(前後外れリーチ)の組合わせである場合(S4008がYES)、ステップS4009に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外図柄(前後外れ以外リーチ)の組合わせである場合(S4008がNO)には、ステップS4010に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。
また、リーチ図柄以外の組合わせである場合(S4006がNO)、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが外れ図柄(完全外れ図柄)の組合わせになっているため、ステップS4011において、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の完全外れ図柄バッファに格納して、本処理を修了する。
図32の説明に戻り、ステップS3906では保留処理を行う。以下、保留処理について図36を参照して説明する。
先ず、ステップS4201では、変動パターンコマンドを受信したか否か(変動パターンコマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。ステップS4201で肯定判別された場合には、ステップS4202において、第2変動保留カウンタNeの値が「0」よりも大きいか否かを判別する。当該ステップS4202で否定判別された場合、すなわち、第2変動表示の変動情報が保留記憶されていない場合には、ステップS4203に進み、第1変動保留カウンタNdの値を1減算する。
尚、上記のように、本実施形態では、第1変動表示よりも第2変動表示が優先的に消化され、第2変動表示が保留記憶されている場合には、第1変動表示が消化されることはない。すなわち、第2保留情報格納エリアに第2変動表示の変動情報が保留記憶されている場合には、第1変動表示に対応する変動パターンコマンドは送られてこない。このため、本実施形態では、ステップS4202において、第2変動保留カウンタNeの値が「0」よりも大きいか否かを判別することで、当該変動パターンコマンドが第1変動表示及び第2変動表示のどちらの変動情報を有しているかを判別している。もちろん、変動パターンコマンドに対して第1変動表示及び第2変動表示のどちらの変動情報に対応しているかの情報を持たせ、変動パターンコマンドに基づいて、当該変動パターンコマンドが第1変動表示及び第2変動表示のどちらの変動情報を有しているかを判別してもよい。
ステップS4203の後、ステップS4204において、第1保留情報格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留情報格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータ(連続予告フラグも含む)を実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS4205では、点灯状態にある第1保留ランプ46aのうちの1つ(例えば、点灯している第1保留ランプ46aのうち一番右側のもの)を消灯状態とする。ステップS4205の後、ステップS4209に移行する。
また、ステップS4202で肯定判別された場合、すなわち、第2変動表示の変動情報が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS4206において、第2変動保留カウンタNeの値を1減算する。
続くステップS4207では、第2保留情報格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2保留情報格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。尚、本実施形態では、保留情報格納エリアの実行エリアは1つであり、第1保留情報格納エリア及び第2保留情報格納エリアに格納されているデータは、当該データに対応する変動表示が行われる際に、共通の実行エリアにシフトされることとなる。
続くステップS4208では、点灯状態にある第2保留ランプ46bのうちの1つ(例えば、点灯している第2保留ランプ46bのうち一番右側のもの)を消灯状態とする。ステップS4208の後、ステップS4209に移行する。
ステップS4209では連続予告に使用される表示演出の種別を決定する予告設定処理が行われる。ステップS4209の予告設定処理では、保留情報格納エリアの実行エリアの連続予告フラグ(ステップS4107の連続予告抽選処理参照)がオンであるか否かを判別し、否定判別された場合には、連続予告は行われないため、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、変動パターンコマンドの変動情報に基づき、大当たりか否か、大当たりの場合には種別は何か、大当たりではない場合には、リーチ種別は何か等を判別し、それぞれに対応するテーブルを参照して、連続予告の種別を決定する。ここで決定された種別の連続予告は、対応する変動表示に際して所期のタイミングで導出されることとなる。ステップS4209の後、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、第2変動表示が第1変動表示よりも優先的に消化される構成であるため、複数回の第1変動表示に関して連続予告が行われる場合には、かかる第1変動表示の変動表示中に第2始動入賞装置33bへの入球があると、第2変動表示が前記複数回の第1変動表示の間に割り込んで、連続予告が途切れる場合がある。これに対し、本実施形態では、連続予告として使用される演出は、連続予告が行われない場合の通常の変動表示に際しても導出され得る表示演出(単独の変動表示を対象として導出され得る演出)が用いられる。このため、連続予告が途切れても、何ら違和感は生じない。
図32の説明に戻り、ステップS3907では表示設定処理を行う。ここでは、RAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。つまり、ここでは、装飾図柄表示装置42において表示する表示態様が決定されることとなる。例えば、変動パターンコマンド及び図柄コマンドを受信した場合、サブ制御装置262は、変動種別、変動時間、及び停止図柄等に基づいて、対応するテーブルを参照し、表示パターン等を決定する。そして、決定事項を表示コマンドとして表示制御装置45に出力する等の制御を行う。
尚、表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令に応じて描画処理を行い、装飾図柄表示装置42での装飾図柄の変動表示を開始する。なお、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、当該変動パターンに対応する変動時間が経過するまでの間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。
また、変動表示を開始させる際には、保留情報記憶エリアの実行エリアの連続予告フラグ(ステップS4105の連続予告抽選処理参照)がオンである場合に、変動パターンコマンドの変動情報に基づき、各状況に対応するテーブルを参照して、変動表示に導出させる連続予告の種別を決定したり、連続予告とは別の予告演出の導出を決定したり、演出ボタン125等の操作に対応する表示を行ったりする。さらに、当該ステップS3907の表示設定処理では、大当たり又は小当たり中の演出制御を行う処理(当たり表示処理)についても行われるが、これについては後述する。
ステップS3908のランプ設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、ランプ・電飾類の点灯パターンを設定する。
ステップS3909の音声設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、スピーカSPの出力パターンを設定する。また、エラー発生の報知等、音声に関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップS3909で行われる。
ステップS3910では、客待ち演出(例えば装飾図柄表示装置42の変動表示が行われていない状態で所定時間が経過すると表示されるように設定されているデモ画面表示;省エネモード)の制御設定等その他の処理を行う。
ステップ3911では、上記ステップS3905〜3910の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して表示コマンドを表示制御装置45に送信する。
2msec毎に行われるステップS3905〜S3911の処理が実行された後、又は、上記ステップS3904で否定判別された場合には、ステップS3912に移行し、RAM553に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する。尚、電源断の発生情報は、主制御装置261から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
電源断の発生情報が記憶されていない場合には、ステップS3913に進み、RAM553が破壊されているか否かが判別される。ここでRAM553が破壊されていなければ、ステップS3901の処理へ戻り、繰り返し通常処理が実行される。一方、RAM553が破壊されていれば、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
一方、ステップS3912で電源断の発生情報が記憶されると判別された場合、ステップS3914において電源断処理を実行する。電源断処理では、割り込み処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。電源断処理の実行後は、処理を無限ループする。
次に、ステップS3907の表示設定処理において行われる当たり表示処理について、図37を参照して説明する。
先ず、ステップS4701では、主制御装置261から大当たり状態又は小当たり状態の開始を告げるオープニングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4701で肯定判別された場合には、ステップS4702において、残りのラウンド数を把握するためのラウンド把握カウンタに対し、オープニングコマンドに含まれる情報に基づいて、「16RS」であれば「16」を設定し、「8RS」、「8RN」であれば「8」を設定し、「2RS」、「2RN」、「小当たり」であれば「2」を設定する。
その後、ステップS4703において、出玉有り大当たりであれば8秒間のオープニング演出の設定(装飾図柄表示装置42の画像、スピーカSPの音声、各種ランプの点灯態様の設定)を行ってから、本処理を終了する。尚、サブ制御装置262には、大当たり種別と、残りラウンド数と、大当たり状態中の各種演出態様との対応関係を記憶するテーブル等が設けられており、当該テーブルを参照して対応する演出を選択し、それを実行させることとなる。
また、ステップS4701で否定判別された場合には、ステップS4704においてインターバルコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4704で肯定判別された場合、ステップS4705において、出玉有り大当たりであれば最大で30秒のラウンド中の演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップS4704で否定判別された場合、ステップS4706において、インターバルコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4706で肯定判別された場合、ステップS4707でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップS4708で出玉有り大当たりであれば4秒のインターバル中の演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップS4706で否定判別された場合、ステップS4709においてエンディングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4709で肯定判別された場合、ステップS4710でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップS4711で出玉有り大当たりであれば10秒のエンディング演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、出玉有り大当たり以外の大当たりや小当たりの場合には、オープニング期間(2秒)、ラウンド期間(0.4秒)、インターバル期間(1秒)、及び、エンディング期間(1秒)といった各期間に区切って演出を設定するのではなく、全期間を通じた演出(アナウンス等)が行われるような設定を行うこととしている。
ステップS4709で否定判別された場合、ステップS4712において当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4712で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4712で肯定判別された場合には、ステップS4713において、エンディング表示を直ちに終了させ、変動表示が行われる通常遊技状態の態様とする設定を行う。その後、本処理を終了する。
さて、本実施形態では、案内プレート405a〜405eを規定時間以上視認し続けた場合に、各案内プレート405a〜405eに対応する情報を装飾図柄表示装置42において表示するように構成されている。ここで、各案内プレート405a〜405eに対応する情報を表示させるために行われる処理について説明する。
先ず、図38を参照して、サブ制御装置262で定期的に(例えば1msec周期で)行われるタイマ割込み処理において実行されることとなる視線特定処理について説明する。
ステップS4801では、デモ画面表示中であるか否かを判別する。尚、デモ画面表示とは、変動表示が行われなくなってから所定時間後に開始される省エネモード中に装飾図柄表示装置42において表示される画面のことであり、表示が簡素化される(表示オブジェクトの動きが小さくなる、或いは、動かなくなる。表示オブジェクトの数が減る等)とともに、輝度が低下する。
ステップS4801で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。つまり、省電力化等を図るためのデモ画面表示中では、遊技者がどこを視認しているかを確認するための処理を行わないようになっている。
ステップS4801で否定判別された場合には、ステップS4802において、後述する各種準備フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS4802において否定判別された場合、ステップS4803において、視線検知センサ401の検知情報に基づいて、遊技者が「スペック」の案内プレート405aを視認しているか否かを判別する。ステップS4803で肯定判別された場合には、ステップS4804に移行して、「スペック準備フラグ」をオン設定する。その後、ステップS4814において、遊技者が各案内プレート405a〜405eを規定時間(本例では2秒)以上視認し続けているか否かの判別に使用される視線タイマに対して規定時間に相当する値をセットしてから、本処理を終了する。
ステップS4803で否定判別された場合には、ステップS4805において、視線検知センサ401の検知情報に基づいて、遊技者が「ストーリー」の案内プレート405bを視認しているか否かを判別する。ステップS4805で肯定判別された場合には、ステップS4806に移行して、「ストーリー準備フラグ」をオン設定する。その後、ステップS4814において視線タイマをセットしてから、本処理を終了する。
ステップS4805で否定判別された場合には、ステップS4807において、視線検知センサ401の検知情報に基づいて、遊技者が「ステージチェンジ」の案内プレート405cを視認しているか否かを判別する。ステップS4807で肯定判別された場合には、ステップS4808に移行して、変動表示中(リーチ状態を除く)、又は、変動待機状態(変動表示が行われなくなってからデモ画面表示が開始されるまでの間の状態)であるか否かを判別する。尚、本実施形態では、ステージを遊技者の操作によって変更可能な通常ステージであることが前提となる(その判別も合わせて行っている)。
ステップS4808で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4808で肯定判別された場合には、ステップS4809に移行して、「ステージチェンジ準備フラグ」をオン設定する。その後、ステップS4814において視線タイマをセットしてから、本処理を終了する。
ステップS4807で否定判別された場合には、ステップS4810において、視線検知センサ401の検知情報に基づいて、遊技者が「時計」の案内プレート405dを視認しているか否かを判別する。ステップS4810で肯定判別された場合には、ステップS4811に移行して、「時計準備フラグ」をオン設定する。その後、ステップS4814において視線タイマをセットしてから、本処理を終了する。
ステップS4810で否定判別された場合には、ステップS4812において、視線検知センサ401の検知情報に基づいて、遊技者が「キャンセル」の案内プレート405eを視認しているか否かを判別する。ステップS4812で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4812で肯定判別された場合には、ステップS4813に移行して、「キャンセル準備フラグ」をオン設定する。その後、ステップS4814において視線タイマをセットしてから、本処理を終了する。
また、ステップS4802で肯定判別された場合、すなわち、各種準備フラグのいずれかがオン設定された場合には、ステップS4815において、視線機能無効フラグがオン設定されているか否かを判別する。視線機能無効フラグは、演出ボタン125及び十字ボタン126の操作を行う等して、メインメニュー画面から設定画面を開いて、視線検知センサ401を利用した各種機能を無効にするといった趣旨の選択項目を選んで決定した場合にオン設定される。
ステップS4815で肯定判別された場合には、ステップS4816において、視線検知センサ401を利用した各種機能が無効とされる状態になっている旨、及び、無効状態を解除するための操作方法等を装飾図柄表示装置42において表示するための処理を行う。続くステップS4817では、オン設定されている準備フラグをオフし、ステップS4818において視線タイマをリセットした後、本処理を終了する。
一方、ステップS4815で否定判別された場合、ステップS4819において、視線検知センサ401の検知情報に基づいて、オン設定された準備フラグの対象とされている案内プレート405a〜405eから遊技者の視線が外れたか否かを判別する。当該ステップS4819で肯定判別された場合には、ステップS4817でオン設定されている準備フラグをオフし、ステップS4818で視線タイマをリセットしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS4819で否定判別された場合には、ステップS4820において、視線タイマの値が0になったか否か、すなわち、規定時間である2秒が経過したか否かを判別する。ステップS4820で否定判別された場合には、ステップS4821において視線タイマの値を1減算してから、本処理を終了する。
ステップS4820において肯定判別された場合には、ステップS4822において、オン設定されている準備フラグに対応する視線ガイドフラグをオン設定する。つまり、スペック準備フラグ、ストーリー準備フラグ、ステージチェンジ準備フラグ、時計準備フラグ、キャンセル準備フラグにそれぞれ対応して、スペック視線ガイドフラグ、ストーリー視線ガイドフラグ、ステージチェンジ視線ガイドフラグ、時計視線ガイドフラグ、キャンセル視線ガイドフラグが設けられており、対応する視線ガイドフラグがオンされる。
続いて、ステップS4823では、オン設定されている準備フラグをオフにして、ステップS4824では、視線タイマのリセットを行う。
さらに、ステップS4825では、特定表示中であるか否かの判別を行う。ここで、「特定表示中」とは、変動表示中のリーチ状態発生から変動表示終了までの期間、大当たり状態のオープニング及びエンディング、大当たり状態中の昇格演出(いずれの種別の大当たり状態かを教示していない状態で突入した大当たり状態中に、実は確変大当たりであるといったことを教示する等)、エラー表示(復電時等の復帰状態における表示等を含む)を含む趣旨である。
ステップS4825で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4825で肯定判別された場合には、ステップS4826において、遊技者が規定時間視認し続けた案内プレート405a〜405eに対応する情報を装飾図柄表示装置42において表示する(ガイド表示する)ことの受付が完了したことを示す表示を装飾図柄表示装置42において表示させる処理を行ってから、本処理を終了する。すなわち、詳しくは後述するが、上記特定表示中においては、当該特定表示を優先させるべく、案内プレート405a〜405eに対応する情報を装飾図柄表示装置42において表示しないようになっている。
但し、特定表示中においても、各案内プレート405a〜405eを視認することで、各準備フラグや各視線ガイドフラグのオン設定、視線タイマの更新等は行われる。特に、視線ガイドフラグがオン設定されている場合には、特定表示の終了後に、規定時間視認されたと判別された案内プレート405a〜405eに対応する情報の表示(ガイド表示)を行うため、ステップS4826では、その旨を伝える表示(例えば、装飾図柄表示装置42の下部に表示)の設定が行われる。
次に、上記サブ制御装置262の通常処理において行われる(例えば、ステップS3907の表示設定処理の一環として行われる)視線確認処理について、図39を参照して説明する。
先ず、ステップS4901では、特定表示中であるか否かを判別する。尚、上記のように、「特別表示中」には、変動表示中のリーチ状態発生から変動表示終了までの期間、大当たり状態のオープニング及びエンディング、大当たり状態中の昇格演出、エラー表示(復帰表示等を含む)が含まれる。ステップS4901で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4901で否定判別された場合には、ステップS4902において、スペック視線ガイドフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS4902で肯定判別された場合には、ステップS4906において、表示制御装置45に対して、対応するガイド表示(大当たり確率、小当たり確率、確変突入率等のスペック)を導出させるためのコマンドを設定する。ステップS4906の後、ステップS4907において、オン設定されている視線ガイドフラグ(スペック視線ガイドフラグ)をオフしてから、本処理を終了する。
ステップS4902で否定判別された場合には、ステップS4903において、ストーリー視線ガイドフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS4903で肯定判別された場合には、ステップS4906において、表示制御装置45に対して、対応するガイド表示(モチーフとされたストーリーや登場キャラクタの紹介等)を導出させるためのコマンドを設定し、ステップS4907において、オン設定されている視線ガイドフラグ(ストーリー視線ガイドフラグ)をオフしてから、本処理を終了する。
ステップS4903で否定判別された場合には、ステップS4904において、ステージチェンジ視線ガイドフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS4904で肯定判別された場合には、ステップS4906において、表示制御装置45に対して、対応するガイド表示(ステージを順繰りに変更)を導出させるためのコマンドを設定し、ステップS4907において、オン設定されている視線ガイドフラグ(ステージチェンジ視線ガイドフラグ)をオフしてから、本処理を終了する。
ステップS4904で否定判別された場合には、ステップS4905において、時計視線ガイドフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS4905で肯定判別された場合には、ステップS4906において、表示制御装置45に対して、対応するガイド表示(現在の時刻を表示)を導出させるためのコマンドを設定し、ステップS4907において、オン設定されている視線ガイドフラグ(時計視線ガイドフラグ)をオフしてから、本処理を終了する。
ステップS4905で否定判別された場合、ステップS4908において、キャンセル視線ガイドフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS4908において否定判別された場合には本処理を終了する。
一方、ステップS4908において肯定判別された場合には、ステップS4909に移行して、表示制御装置45に対して、状況に応じたキャンセル処理を実行させるためのコマンドを設定してから、本処理を終了する。例えば、各種ガイド表示が行われている状態であれば、当該ガイド表示を終了させる処理が実行されることとなる。尚、各種視線ガイド表示は、演出ボタン125及び十字ボタン126の操作によっても終了させる(消去する)ことができるようになっている。
以上詳述したように、本実施形態によれば、パチンコ機10の前方に位置する遊技者に向けて赤外線を照射可能な透光部402と、透光部402から発せられ、遊技者の眼球で反射した赤外線を検知する受光部403とを備える視線検知センサ401の検知情報に基づいて、遊技者の目の位置及び視線角度を把握可能に構成されている。このため、遊技者がどこを見ているのか、すなわち、遊技者が何の情報を得ようとしているのか、或いは、遊技者がどのような操作をしようとしているのかをパチンコ機10側で判別することができる。このため、例えば、遊技者が手を動かさなくても、遊技者の視線を検知して、対応する処理を実行したりすることができる。従って、手入力操作だけでは大変な操作であっても、視線による操作を併用することで、各種操作が比較的簡単になる。これにより、操作に際しての利便性が飛躍的に向上し、例えば、各種設定を行いたいが、操作が面倒なので諦めているといった遊技者でも、操作してみようという気を起こさせ、機能を十分に活用し、遊技を堪能してもらうことができる。結果として、操作の複雑化を抑制しつつ、比較的多くの情報を遊技者に提供することができる。
また、全く手を動かさなくても、遊技のメニュー操作等を行うこともできる。このため、例えば、飲料や携帯通信端末等を手に持っている状態での急な選択も可能となったり、手をけがしている等の極力手を使用したくない状況での選択も可能となったりする。従って、手の使用が差し控えられるような状況でも、遜色ない操作性を実現することができ、利便性の向上等を図ることができる。さらに、所定の選択・決定行為を恥ずかしいと思っている遊技者でも、こっそりと、かつ、それ程手間取らずに選択・決定することができる。従って、恥ずかしがり屋や面倒くさがり屋の遊技者でも十分に遊技を満喫することができる。
本実施形態では、遊技領域の外周縁に沿って複数の案内プレート405a〜405eが互いに所定間隔を隔てて設けられており、案内プレート405a〜405eを2秒以上視認し続けると、装飾図柄表示装置42において、当該案内プレート405a〜405eに対応する表示が行われるようになっている。つまり、案内プレート405a〜405eは、遊技領域の外周方向における幅が10mm〜20mmであり、その表面で情報を表示しようとすると文字等が小さくなる上、情報量も限定されてしまう。しかも、案内プレート405a〜405eは、遊技領域の外周縁といった比較的視認し難い位置に配置されているため、案内プレート405a〜405eで表示される情報は読み難くなりがちである。
この点、本実施形態では、遊技者が視認している案内プレート405a〜405eに対応する情報を、遊技領域(遊技盤30)の中央といった非常に視認し易い位置に設けられている装飾図柄表示装置42において、比較的大きく、かつ、より詳しく表示することができる。従って、例えば、多くの情報が記された案内プレートを設けるような場合にパチンコ機10前面側のスペースを案内プレート等の設置に潰してしまうことを抑制しつつ、より多くの情報を、それ程の操作性の複雑化を招くこともなく、遊技者に提供することができる。
また、案内プレート405a〜405eとしても、項目名だけを記載しておけば、詳細は装飾図柄表示装置42において見易く表示することができることから、案内プレート405a〜405e自体の態様についても、本体の外形状は極力小さくする一方で、その情報表示は(例えば、情報を項目名に限定することで)極力大きく、かつ、分かり易く構成することができる。従って、案内プレート405a〜405eの情報が小さくて見えない、或いは、パチンコ機10が設置された遊技ホールの照明が反射する等の都合で案内プレート405a〜405eの情報が見えない等の事態を回避し、見易い態様で情報を提供することができる。
さらに、案内プレート405a〜405e自体の外寸を小さくすることで、その他の部材の設置の妨げになったり、装飾との不調和による意匠性の低下を招いたりするといったような不具合を抑制しつつ、案内プレート405a〜405eの数(情報の項目数)を増やすこともでき、より多くの情報を、それ程の操作性の複雑化を招くことなく提供することが可能となる。
尚、遊技者の視線に応じた装飾図柄表示装置42における表示態様の切替えは、遊技者の視線が、案内プレート405a〜405eに対して2秒以上継続して留意したと判別された場合に実行される。このため、意図せずに(例えば、視線を移動させている最中で)装飾図柄表示装置42における表示態様が切替わってしまったという事態を抑制することができる。
また、本実施形態では、装飾図柄表示装置42において、導出される確率が低く設定されているプレミアム演出が導出される場合に、視線検知センサ401の検知情報に基づいて、遊技者の視線が当該装飾図柄表示装置42に向いているか否かを判別し、向いていると判別された場合には、そのままの流れで(変動開始時に設定した内容通りに)プレミアム演出を導出し、向いていないと判別された場合には、プレミアム演出を導出する前に、プレ演出を導出するように構成されている。つまり、プレミアム演出が導出される場合に、遊技者がよそ見をしていて装飾図柄表示装置42を見ていなかった場合には、プレミアム演出が導出される前にプレ演出を導出することで、遊技者に対してパチンコ機10への注意を喚起することができる。このため、プレミアム演出を視認することを望んでいたのにもかかわらず、プレミアム演出が導出されるタイミングでよそ見をしてしまっていて、少なくともプレミアム演出の冒頭部分を見逃してしまうといった事態を防止することができる。従って、遊技者に悔しい思いをさせてしまい、興趣の低下に繋がってしまうといった事態を防止することができる。
また、本実施形態では、大当たりに当選したか否か等の当否抽選の結果は特別表示装置43L、43Rにおける特別図柄の変動表示の停止態様によって確定的に教示されることとなる(大当たりの当選、小当たりの当選、又は、外れのいずれに該当するかが分かる上、大当たりに当選した場合には大当たりの種別も分かる)。さらに、当該特別表示装置43L、43Rの変動表示に合わせて、装飾図柄表示装置42等において、当否抽選の結果がどうなのかを示唆・教示する演出(装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示等)が行われている。装飾図柄表示装置42では、特別図柄の変動表示の停止と同時に、装飾図柄の変動表示を停止表示させるが、装飾図柄の停止態様では、必ずしも特別図柄の停止態様と同一のことを教示するわけではなく、それよりも広い範囲のことを教示する場合(例えば、装飾図柄の停止態様では、大当たりに当選したことは分かるが大当たり種別までは分からない、或いは、2RN、2RS、及び、小当たりのうちのいずれに当選したのか分からない等)がある。さらに、特別図柄及び装飾図柄の停止表示後(例えば、大当たり状態中)、装飾図柄表示装置42等において、装飾図柄表示装置42の装飾図柄の停止態様で完全には教示されていない事項についての教示を行う演出(例えば、装飾図柄を偶数のゾロ目で停止表示した後の大当たり状態中に実は大当たり後に確変モードが付与される確変大当たりであることを教示する演出)を導出する場合がある。
但し、当然、特別表示装置43L、43Rの停止態様(が意味する当否抽選結果)を確認していれば、特別図柄の停止表示よりも後のタイミングで、装飾図柄表示装置42等において当否抽選の結果がどうなのかを示唆・教示する演出がいくら派手に行われたとしても、その結果が知れているため、盛り上がりに欠け、ほぼ無意味なものとなる。従って、かかる観点からすると、特別表示装置43L、43R以外の装飾図柄表示装置42等において当否抽選の結果がどうなのかを示唆・教示する演出は、特別表示装置43L、43Rの結果教示(特別図柄の停止表示)よりも前のタイミングに限定されることとなる。
これに対し、本実施形態では、特別表示装置43L、43Rにおいて特別図柄が停止表示される場合に、遊技者が特別表示装置43L、43Rを視認していると判別された場合には、特別図柄が停止表示される前に、装飾図柄表示装置42、スピーカSP、各種電飾等によって、遊技者の注意を特別表示装置43L、43Rとは別の場所に引くためのおとり演出を導出可能に構成されている。このため、おとり演出に乗じて、特別表示装置43L、43Rから視線を外し、特別図柄の停止態様をあえて確認しないことによって、特別図柄の停止表示よりも後のタイミングで、装飾図柄表示装置42等で当否抽選の結果がどうだったのかを示す演出が行われた場合、かかる演出に一喜一憂し、遊技をより堪能することができる。従って、当否抽選の結果に関する演出を行うことのできる時間や機会を多くすることができ、演出性のより一層の向上を図ることができる。
加えて、本実施形態では、視線の動作で行うことのできる操作と同じ操作を演出ボタン125及び十字ボタン126でも操作可能に構成されている。このため、例えば、視線での操作がどうしても上手くいかない、視線での操作方法がよく分からなくない、或いは、途中で混乱してしまった等といった事態でも、演出ボタン125及び十字ボタン126を操作して、例えば、視線操作である程度まで進めた装飾図柄表示装置42の態様(所定の操作画面)を1つ前の態様や変動表示の態様に戻す等することができる。つまり、例えば、視線での操作を行って装飾図柄表示装置42の表示態様を切替えたが、それ以降の操作が上手くいかず行き詰ってしまった上に戻し方もよく分からない、又は、現在の装飾図柄表示装置42の表示態様を早く元に戻したいというような状況になった場合に、手入力操作の方が分かり易く、素早い対応を取ることができ、目的の操作入力を完了させるまで、遊技者自身で十分に対処することができる。特に、遊技者が焦っているような心境になっているような場合には、かかる作用効果がより顕著なものとなる。また、視線での操作は遊技者の分かる範囲で、或いは、使い勝手が良い範囲で利用し、その他の場面では演出ボタン125及び十字ボタン126で手入力するといった具合に、利便性の向上、操作に対する安心感の向上等を図ることができる。
さらに、操作方法が2通りあることで、急遽どちらか一方に不具合(例えば、視線検知センサ401の故障等)が生じたとしても、他方で対処することも可能となり、(修理を行う前の状態でも)操作に応じて行われる演出が堪能できなくなってしまう、入力操作ができないことで不都合が生じてしまう等といった事態を回避することができる。
尚、当初、演出ボタン125及び十字ボタン126の操作に基づいて切替えられた装飾図柄表示装置42の表示態様(所定の操作画面)を、視認の動作による操作(視線検知センサ401の検知情報に基づく入力操作)によって戻すことができるように構成されている。すなわち、選択項目の表示画面でキャンセル操作を行うといった機会は結構あるものの、キャンセル操作は、十字ボタン126の操作でカーソルをキャンセルの項目に合わせてから、演出ボタン125を押して選択を確定させるといった具合に比較的面倒であった。特に選択項目が多い場合には、より顕著なものとなる。この点、例えば、メニュー操作にあたって、手入力操作に併せて、視線動作でのカーセル移動や入力を可能とすることによって、操作方法が1通りしかないような場合に比べ、操作に際しての利便性や使い易さの向上等を図ることができる。尚、将来的に、視線操作システムが定着していけば、視線操作を前提として、ボタン操作の簡略化を図る(所定の入力に必要な操作数を減らす等)ことも可能になる。
また、本実施形態では、視線検知センサ401を利用した各種機能を遊技者の意思で無効にすることができるように構成されている。このため、視線での操作がどうにも上手くいかない遊技者に対応して、視線の動作で意図しない入力がなされ、ストレスが溜まってしまうことを回避することができる。従って、視線での操作が苦手な遊技者でも快適に遊技を行うことができる。
加えて、装飾図柄表示装置42において表示され、視線検知センサ401による検知に基づいた視線操作で選択可能な選択肢を表示する画面では、選択肢を静止画で表示するようになっている。このため、例えば、選択肢が勝手に順番に表示される、或いは、選択肢を選ぶカーソルが勝手に順番に移動する場合、選択肢が切替わるタイミングでの選択操作がなされると、意図していない選択肢に決定されてしまうといった事態も生じ得るが、選択肢が静止画で表示されることで、かかる不具合を払拭することができる。また、複数の選択肢の中から手入力で選択肢を選択する際のカーソルを動かす操作は比較的面倒であったが、視線での操作によれば、選択肢を(規定時間)直視するだけで済み、操作性の向上を図ることができる。尚、選択肢の選択を視線で行い、決定を手入力で行った場合、選択肢の決定までに選択肢を直視していなければならない時間をカットすることができ、より一層の利便性の向上、決定までにかかる時間の短縮等を図ることができる。
また、本実施形態では、視線検知センサ401の検知情報に基づいて得られた遊技者の目の位置及び視線角度の情報に応じて、可変部に沿って左右に延びる回転軸を中心に回動可能に構成された装飾図柄表示装置42の角度や、環状電飾部102の上発光部407の角度を変更可能に構成されている。このため、視線検知センサ401の検知情報、すなわち、遊技者の目の位置等に応じて、装飾図柄表示装置42及び上発光部407を再配置することができる。より具体的には、遊技者の視線が装飾図柄表示装置42の表示画面に対して極力垂直に近くなるような角度で入射するように、目の位置(座高)が低い遊技者に対しては装飾図柄表示装置42が若干下向きになり、目の位置(座高)が高い遊技者に対しては装飾図柄表示装置42が若干上向きになるように構成されている。さらに、指向性を有する光を照射可能な上発光部407が極力遊技者の目の方を向かないように構成されている。従って、個々の遊技者の体格に応じた装飾図柄表示装置42及び上発光部407の角度調整を行うことができ、装飾図柄表示装置42の見易さや環状電飾部102の眩しさ等に関して快適な遊技環境作りを行うことができる。また、遊技者の手を煩わせることなく自動で装飾図柄表示装置42等の位置調整が行われることから、遊技者の手間を省き、遊技へスムースに取り掛かることができるとともに、面倒くさがり屋の遊技者でも装飾図柄表示装置42等の位置調整機能の恩恵を確実に受けることができる。
さらに、装飾図柄表示装置42と、遊技者の目との間の距離が、適正な距離として予め定められた基準範囲よりも短いと判別された場合、すなわち、視力があまり良くない、又は、表示オブジェクトへの興味が強いと考えられる遊技者が遊技している場合には、装飾図柄表示装置42における表示オブジェクト(装飾図柄等)を通常よりも大きく表示するように構成されている。従って、遊技者の要望に応える格好で、表示オブジェクトをより見易くすることができ、表示オブジェクト(の細部等)が小さくて見え難いといった事態を回避するとともに、表示オブジェクトをもっとよく見たいという期待にも応えることができる。
加えて、装飾図柄表示装置42と遊技者の目との間の距離が前記基準範囲よりも短い状態から、前記基準範囲内に収まる状態へと戻った場合には、装飾図柄表示装置42における表示オブジェクトの大きさの拡大が止まり、装飾図柄表示装置42における表示オブジェクトが通常よりも拡大されて表示されている状態において、装飾図柄表示装置42と遊技者の目との間の距離が前記基準範囲よりも長いと判別された場合には、装飾図柄表示装置42における表示オブジェクトを通常よりも通常の大きさに戻るように次第に縮小表示するようになっている。このため、遊技者は、自身にとって見易い表示オブジェクトの大きさとなるまで調節を行うことができる。
さらに、装飾図柄表示装置42における表示オブジェクトが拡大されておらず、通常の大きさで表示されている状態において、装飾図柄表示装置42と遊技者の目との間の距離が前記基準範囲よりも長いと判別された場合、すなわち、パチンコ機10が設置された遊技ホール等の照明がガラスユニット137に発射する等の都合で装飾図柄表示装置42の表示を視認し難いような状況が考えられる場合には、装飾図柄表示装置42の角度を調整する(本例では目の位置に基づく装飾図柄表示装置42の角度調整よりも優先される)ことで、装飾図柄表示装置42を比較的見易くすることができる。
加えて、装飾図柄表示装置42において文字によるアナウンス表示が行われている状態において、視線検知センサ401の検知情報に基づいて、遊技者の視線の移動速度が基準速度よりも遅いと判別された場合には、アナウンス表示の時間を長くするように構成されている。このため、文字を読むのが遅いことが考えられる遊技者に対してはアナウンス表示を比較的長く表示する(例えば、表示手段において文字が画面左側から右側へと流れるような場合にはその移動速度を遅くする等)ことで、時間が足りなくてアナウンス表示を読み切れなかったという事態を抑制することができる。
また、視線検知センサ401の検知情報に基づいて、遊技者が瞼を閉じている時間を計測し、単位時間当たりの遊技者の瞼を閉じている時間が規定時間以上(例えば、1分間当たりで8秒以上)となった場合には、環状電飾部102の上発光部407の向きを環状電飾部102の外周側に向けるとともに、その他の各種電飾等の輝度を低下させ、眩しさを低減させるようになっている。さらに、単位時間当たりの遊技者の瞼を閉じている時間が前記規定時間よりも多い特定時間以上(例えば、1分間当たりで15秒以上)となった場合には、装飾図柄表示装置42において、「適度な休憩をしましょう」等のアナウンス表示(字幕表示)が行われるようになっている。このため、遊技者の目が疲れてきたと考えられる場合には、環状電飾部102の等の位置(光の向き)等を調整することで、各種電飾による眩しさを回避することができる。従って、目への負担を抑制しつつ、遊技状況を比較的見易くすることができる。
加えて、上記のように、遊技者に操作により視線検知センサ401の検知に基づく操作が無効とされることによって、視線検知センサ401の検知に基づく装飾図柄表示装置42や環状電飾部102の上発光部407の角度調整が行われない状態となる。これにより、遊技者の体格に応じて装飾図柄表示装置42や上発光部407を変位させる等といった機能が遊技者に合わない(嬉しくない)場合、その遊技者はかかる機能を拒否することができる。従って、視線検知センサ401に関する機能が必ず発動してしまうことを回避することができ、視線検知センサ401に関する機能を快く思わない遊技者でも快適に遊技を行うことができる。
また、視線検知センサ401に関する機能を利用する遊技者に関し、装飾図柄表示装置42や上発光部407の角度が自分にとって最良の設定であると思った状態で無効状態に切替えることで、その設定を維持することも可能となる。従って、例えば、席を離れた、又は、伸びをしただけで、装飾図柄表示装置42や上発光部407が変位してしまう等といった事態をより確実に回避することができる。
さらに、本実施形態では、装飾図柄表示装置42の角度調節や上発光部407の向きの調節を演出ボタン125及び十字ボタン126でも実行可能に構成されている。このため、視線検知センサ401の検知情報に基づいたパチンコ機10側で勝手に行われる装飾図柄表示装置42や上発光部407の調節が自分には合わないと思った遊技者でも、演出ボタン125及び十字ボタン126を操作して、装飾図柄表示装置42や上発光部407を自分好みの姿勢となるまで動かすこともでき、比較的快適に遊技を行ってもらうことができる。
また、モバイル連動遊技の終了に際して発行される2次元コードには、遊技情報とともに、上発光部407や装飾図柄表示装置42の位置情報(姿勢・向き)が含まれ、モバイル連動遊技の開始に際して、前記位置情報が含まれるパスワードが入力されることで、前記位置情報に基づいて上発光部407や装飾図柄表示装置42の位置が変更される。つまり、モバイル連動遊技を行うことで、上発光部407及び装飾図柄表示装置42が自分好みの位置(向き)になるように自動的に変位することとなる。このため、モバイル連動遊技を行っていれば、上発光部407や装飾図柄表示装置42の位置合わせを毎回行う手間が省け、操作性の向上等を図ることができる。また、モバイル連動遊技に参加することでの特典が増え、モバイル連動遊技への参加意欲の向上を図ることができる。
また、本実施形態によれば、装飾図柄表示装置42において特定演出(遊技者の視線操作で魚Yを動作させることのできる演出)が導出される場合に、特定演出の開始に先立って、装飾図柄表示装置42で魚Xを変位表示させる先導演出が導出されるとともに、視線検知センサ401の検知情報に基づいて、当該変位している魚Xを遊技者が視認しているか否かを判別することとしている。このため、装飾図柄表示装置42において特定演出が導出される前段階で、遊技者が装飾図柄表示装置42を視認しているか否かを把握することができる。
特に、魚Xは装飾図柄表示装置42の画面上を変位しているため、例えば、遊技者が装飾図柄表示装置42の方を見ているようだがぼんやりとしていて視点が合っていなかったり、遊技者の顔と装飾図柄表示装置42との間に位置させた遊技者所有の携帯通信端末を視認していたりする場合等の遊技者が装飾図柄表示装置42を見ているようで見ていない状況まで含めて、見ていない状態であるとしてはっきりと区別することができる。従って、特定演出を導出する場合において、遊技者が装飾図柄表示装置42における特定演出を視認する状態であるか否かを確実に把握することができ、その結果に応じて特定演出の導出に関して異なる制御を行う等、特定演出の導出に関して、より好適な(効果的な)処理を行うことができる。
本実施形態では、遊技者が魚Xを視認していないと判別された場合には、特定演出の開始に先立って、遊技者の注意を引くべく(比較的派手な形で)「リーチ」という音声等が導出されるプレ演出が行われるようになっている。このため、遊技者に対して何かが起きるのではないかという期待感を付与し、装飾図柄表示装置42を視認させるといった可能性を高めることができる。特に、音声を伴うものであることから、例えば、遊技者が後や下を向いている等してパチンコ機10が全く視界に入っていない状態(所定の発光手段を発光させても遊技者の目に届き難い状況)でも、当該よそ見をしていた遊技者をパチンコ機10側に振り向かせることが可能となる。従って、特定演出を冒頭から十分に堪能してもらう可能性を飛躍的に高めることができる。
その一方で、遊技者が魚Xを視認していると判別された場合、すなわち、遊技者が視線をそのままにしていれば自然と特定演出を冒頭から視認できる状態にある場合には、特定演出が開始される段階に至ってもリーチ状態の発生に伴う「リーチ」という音声出力等(プレ演出)が行われないように構成されている。このため、比較的スムースに特定演出に移行することができ、プレ演出が特定演出に至るまでの一連の流れを阻害してしまうといった事態を確実に回避することができる。加えて、プレ演出を行う機会を低減させることができ、制御の簡素化等を図ることができる。
さらに、先導演出の魚Xは、先導演出の終了まで表示され、先導演出の終了後、特定演出に切替わるように構成されているとともに、魚Xが画面上から消える位置と、特定演出におけるタイトルの頭文字が表示される位置とが同じ位置となっている。このため、遊技者が特定演出に先立って行われる先導演出において魚Xの動作表示を目で追っている場合、遊技者が装飾図柄表示装置42を確実に視認しているということをパチンコ機10側で確実に把握することができるとともに、遊技者の視線を、特定演出の開始にあたって視認していることが望ましい位置へと案内することもできる。従って、遊技者は、先導演出の終わりから視線を動かすことなく、スムースに特定演出に移入することができる。結果として、特定演出をスムースに進行させることができ、遊技性や演出性の向上等を図ることができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、案内プレート405a〜405eや装飾図柄表示装置42で表示される選択項目及び演出表示オブジェクトを規定時間以上視認し続けることで、対応する処理が行われるように構成されているが、視認することで対応する処理が行われる対象(視認操作対象)は特にこれらに限定されるものではない。例えば、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33b、第1可変入賞装置32a、第2可変入賞装置32b、スルーゲート34、アシスト入賞口48等(の座標)を視認操作対象に加え、視認していることを把握可能に構成してもよい。そして、通常の遊技状態においてそれらへの視認が確認された場合には、それぞれに関する説明を装飾図柄表示装置42において表示するように構成してもよい。また、パチンコ機10の前面側の所定部位を(特定の状態で)所定時間見つめると特定の現象を生じさせるように構成してもよい。例えば、前兆ステージや引き戻しステージにおいて内部的に高確率状態である場合に特定の視認操作対象に対する視線検知センサ401の検知に基づいて環状電飾部102の発光態様を変化させるか否かの抽選を行い、当選した場合に環状電飾部102の発光態様を変化させる、複数箇所に配置された視認操作対象を特定の順序で視認すると装飾図柄表示装置42において隠れキャラが登場する、視線操作を利用したゲームを行い(例えば、所定のキャラクタを探す、光った部位を素早く見る等)その成績に応じて通常ステージや前兆ステージの1つとしてシークレットステージに移行する等するように構成してもよい。
さらに、視認操作対象と、それを見つめることに応じて行われる処理との対応関係についても機種毎に適宜設定することができる。例えば、パチンコ機10がタイアップものであって版権元を示す版権シールが付着されている場合、版権シールを見つめることで、関連する情報(ストーリーやキャラクタ紹介等)が装飾図柄表示装置42で表示されたり、対応する音声が導出されたりするように構成してもよい。また、例えば、出玉有りの大当たり状態の発生が確定した場合に発光する可能性のある告知ランプを設け、当該告知ランプをよく見る遊技者に対しては、告知ランプが光る演出が選択される割合を増やすように構成してもよい。加えて、告知ランプを光らせるタイミングとして、告知ランプを見たら光らせるパターンや、告知ランプから目を離したら光る等のパターンを用意してもよい。さらに、装飾図柄表示装置42等で行われる予告演出に関し、装飾図柄表示装置42への視線を検知した場合には導出する一方で、視認が検知されない間は導出しないといった構成としてもよい。逆に、装飾図柄表示装置42への視認を検知している間は予告演出を導出せず、視線を外した場合に予告演出を導出するといった構成を採用してもよい。また、別途設けたパネルや遊技盤30前面のセル画等にキャラクタや乗り物や道具等を視認操作対象として描き、視認に対応した表示(演出)が選択され易くなるように構成してもよい。
加えて、装飾図柄表示装置42において、時間短縮モードの残り回数、変動表示の保留数、文字等での各種案内や演出等が表示される場合に、視線操作でこれらの表示位置を変更可能に構成してもよい。例えば、画面下部にある保留数を示す表示を3秒ほど見つめることで移動が許容される状態とし、視線を動かしてかかる表示を移動させてから、移動先で視線を2秒ほど留めることで、移動が完了するように構成してもよい。
尚、案内プレート405a〜405eの配置や対応付けられる内容については特に限定されるものではないが、配置としては、装飾図柄表示装置42や始動入賞装置33a、33b、可変入賞装置32a、32b等の遊技者が注視しそうな場所から極力離間させることや、案内プレート405a〜405e同士を極力離間させることが望ましい。また、案内プレート405a〜405eを規定時間以上視認し続けることにより、対応する情報を装飾図柄表示装置42に表示させることのできる状態は機種毎に適宜決定することができる。例えば、スペックに関してはデモ画面のみ有効とし、ステージチェンジに関しては、リーチ状態ではない変動表示中、或いは、変動表示中、当たり状態中、デモ画面表示中以外の状態(変動表示が途切れたがデモ画面表示が未だ開始されていない状態)のみ有効とし、ストーリーに関しては、遊技者の携帯通信端末を介してパチンコ機10とサーバとの間で情報のやりとりを行うモバイル連動遊技を行うべく、遊技者を特定するための情報をパチンコ機10に入力した状態でのみ有効とする等としてもよい。また、状態に応じて、案内プレート405a〜405eを視認しても、対応する準備フラグがオン設定されない、或いは、準備フラグや視線ガイドフラグがオフされる構成とした場合には、対応する準備フラグをオン設定しない、或いは、準備フラグや視線ガイドフラグをオフする処理が行われた場合に、いつならばいいのかの案内表示(例えば、デモ画面表示でスペックを表示することができます)を行うように構成してもよい。
(b)上記実施形態では、視認操作では、基本的に装飾図柄表示装置42の表示態様を切替えや、装飾図柄表示装置42及び上発光部407の位置調節等の演出に関する操作を行う構成となっているが、特にかかる構成に限定されるものではない。例えば、遊技者が規定時間視認し続けることで、上皿19に貯留されている遊技球を下皿15へ移すような動作が自動で行われることとなる視認領域を設けることとしてもよい。その他にも、遊技球の貸し出し操作、遊技球等の遊技価値の残高を記憶する携帯式記憶手段(遊技カードや遊技コイン等)の返却操作等を視認操作で行えるように構成してもよい。
また、スピーカSPを姿勢変化可能に設け、視線検知センサ401の検知情報に基づいて、例えば、スピーカSPを遊技者(の耳)側に向かうように変位させ、音声を効率よく遊技者に届けるように構成してもよい。加えて、遊技ホールではパチンコ機10の上方(所謂、島設備)に設置されている店員呼出ボタンを押圧操作しなくても店員に来てもらうことができるように、パチンコ機10に「店員呼出」と表示された案内プレート405を設け、これへの視認が確認された場合に、外部端子板240へ対応する信号を出力するように構成してもよい。
(c)上記実施形態では、視線操作の決定入力条件として、視線を継続して2秒間以上留めることと定められているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、機種毎に適宜設定可能である。例えば、同一の案内プレート405a〜405eを視認しつつ、瞬きを2度行った場合に決定入力がなされるように構成してもよい。この場合、視線操作の途中で演出ボタン125の操作を行うような場合と同様にして、選択決定をより迅速に進めることができる。また、視線操作の入力決定がなされるまで(案内プレート405a〜405eを継続して視認することで装飾図柄表示装置42における表示態様の切替えが実行される)の規定時間を遊技者が設定可能に構成してもよい。この場合、自分の感覚で視線での操作を行っていくことができ、利便性の向上を図ることができる。
(d)上記実施形態において、視線検知センサ401を利用した演出についても、機種毎に適宜設定可能である。例えば、装飾図柄表示装置42に表示されたキャラクタを相手に「あっち向いてホイ」を行うこととしてもよい。また、装飾図柄表示装置42に表示され、パラシュートを付けて落下しているキャラクタを視線操作で着地点まで誘導するようなゲームや、装飾図柄表示装置42において視線操作で地面を掘って埋まっている宝を探すゲーム、「大岩を動かせ」というタイトルで視線操作で大岩を動かせたら成功という演出、「一枚取れ」というタイトルでトランプを一枚取ってポーカーの成立役を対戦相手と競うという演出、「投げろ」というタイトルで視線を右から左に動かして円盤を投げる演出、「突き刺せ」というタイトルで顔を前方に移動させて飛んでくる林檎にフォークを突き刺す演出等を行うこととしてもよい。
尚、演出に際しては、目の動きと、装飾図柄表示装置42における表示態様の変化とをほぼ完全に一致させてしまうと、表示態様が急激に変化してしまったり、ちらつきが生じたりして、視認し難くなったり、位置合わせが難しくなったりしてしまうことが懸念されるため、例えば、移動前の位置から目線のある最終目的地に向けて表示態様が視線の動作よりもゆっくりと移動していくように構成することとしてもよい。また、遊技者の視線の基準位置をより確実に把握し、より精度の高い視線操作や視線演出を可能とするべく、遊技を開始する際(例えば、モバイル連動遊技の初回登録に際して行っておけば毎回設定する必要はない)に、遊技者の視線の基準位置の設定登録を行うように構成してもよい。
加えて、パチンコ機10に搭載されている各種電飾や表示装置等において、遊技者の視点があるところで演出が起こり易いように構成してもよい。例えば、演出ボタン125を利用した演出が好きな遊技者が演出ボタン125を視認している状態において、所定の教示を行うタイミングが到来した場合には、演出ボタン125を利用した演出が行われる(演出ボタン125の操作を促す表示が行われたり、演出ボタン125に内蔵された発光手段の発光色が変化したりする等)ように構成してもよい。また、同様に、ハンドル18を視認していた場合にはハンドル18の態様を変化(内蔵の発光手段の発光色を変える等)させたり、発光した場合には大当たり状態の発生が確定する発光手段を視認していた場合にはかかる発光手段を発光させたりしてもよい。尚、遊技者の視認が確認されているため、一瞬光らせる等の些細な変化でも気付いてもらう可能性が高く、上手く取り入れることで、演出の幅を大いに広げることができる。
(e)上記実施形態において、所定の形状を模し、演出等に用いられる可動役物(例えば、全体又は大部分がセンターフレーム47の裏側に隠れる収納位置と、装飾図柄表示装置42の前方に飛び出す飛び出し位置との間を変位可能な可動役物)を設け、視線検知センサ401の検知情報に基づいて、遊技者の体格(目の位置)に応じて、可動役物の配置(飛び出し位置や収納位置)が変更されるように構成してもよい。すなわち、例えば、可動役物と装飾図柄表示装置42における表示態様とが一体となって行う演出において、所定の遊技者の目の位置からでは、可動役物が装飾図柄表示装置42の重要な表示部分に被ってしまい、演出がいまひとつ分かり難くなってしまうといった事態を回避することができる。
また、視線検知センサ401を利用した演出に可動役物を使用してもよい。例えば、1又は複数の可動役物を設け、所定の抽選及びテーブル振分けに基づいて動作の対象とされた可動役物を遊技者が視認したことが視線検知センサ401によって検知された場合に、当該可動役物を動作させるといった演出を行うように構成してもよい。
(f)上記実施形態では、演出ボタン125及び十字ボタン126の操作で行える内容と、視認操作で行える内容とがほぼ同じとなっているが、役割に違いがあってもよい。例えば、演出ボタン125及び十字ボタン126を用いてでは、装飾図柄表示装置42において、パチンコ機10の「スペック」、「ストーリー」、「時計」の表示を導出させることができない(表示後の選択は可能)ように構成してもよい。尚、視線操作でもメインメニュー画面を開くことができるように、「メインメニュー」と記載された案内プレート405を設けてもよい。
また、例えば、視線操作によって装飾図柄表示装置42において「スペック」、「ストーリー」、「時計」の表示が行われている状態において、演出ボタン125を1回押すだけで、かかる表示が即座に消えて、装飾図柄表示装置42の視認態様が元に戻るように構成してもよい。さらに、例えば、演出ボタン125及び十字ボタン126を用いた手入力操作、及び、視認操作のうち一方の操作によってメインメニュー画面から複数のメニュー画面を介して表示されるに至ったメニュー画面(そのまま一方の操作によって通常画面に戻すには何回か別のメニュー画面を介在させる必要があるメニュー画面)を、他方の(キャンセル)操作で一気にメニュー画面を終了させて通常画面に戻せるように構成してもよい。つまり、操作方法が2通りあることから、段階を踏んだキャンセル操作とは別に、いくつかの段階を飛び越えるようにして一気に元に戻すキャンセルが行われるように構成したり、キャンセル操作自体を簡略化したものにしたりすることができる。従って、より一層の利便性の向上等を図ることができる。
尚、パチンコ機10のその他の調節機能についても視線によって調節操作できるように構成してもよい。例えば、電飾等の発光手段の輝度や音量を調節可能に構成され、例えば、左目を閉じる、顔や視線を上に向ける等すると上側への調節となり、右目と閉じる、顔や視線を下に向ける等すると下側への調節となるように構成してもよい。
(g)上記実施形態において、遊技者が個人的にプレ演出の対象の設定を行えるように構成してもよい。この場合、興味のない演出に際してもプレ演出が導出される、或いは、興味のある演出に際してプレ演出が導出されないことを回避することができ、利便性の向上を図ることができる。また、パチンコ機10と、遊技機メーカー等の運営するサーバとの間で、遊技者の所持する携帯通信端末を介して情報のやりとりを行うモバイル連動遊技を行う特典として、前記プレ演出の対象の設定を行えるように構成してもよい。この場合、モバイル連動遊技を行う特典として、キャラクタのコスチュームなどを変更する等の一般的な機能ではなく、一風変わった特典が付与されることで、モバイル連動遊技への参加意欲をより向上させることができる。
(h)上記実施形態において、遊技者が個人的に視線検知センサ401を利用した各種機能の有効・無効の設定を各機能毎(全項目でなくてもよい)に行えるように構成してもよい。また、視線検知センサ401を利用した各種機能の有効・無効の設定に関し、予め設定された(ROMに記憶された)幾つかのお勧めの設定の中から遊技者が選択するように構成してもよい。
尚、上記実施形態において、視線検知センサ401を利用した各種機能を無効状態とした場合に、装飾図柄表示装置42や上発光部407が全て基準位置に戻るように、或いは、これと同じ操作(オールクリア)をメニュー操作等で可能なように構成してもよい。
(i)上記実施形態では、装飾図柄表示装置42や環状電飾部102の上発光部407が傾動するように構成されているが、変位に関する構成については特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜変更可能である。例えば、装飾図柄表示装置42の画面中央部と、遊技者の目の位置とが、極力同じ高さ位置となるように、装飾図柄表示装置42を上下に変位可能に構成してもよい。
(j)上記実施形態において大当たり確率や、大当たり種別の数や、各種大当たり種別の可変入賞装置32a、32bの開閉パターン等は特に限定されるものではなく、機種ごとに適宜設定可能である。さらに、上記実施形態では、当否抽選での当選確率が変動する構成となっているが、当選確率が変動せず(一定であり)、大当たり状態終了後に付与される高入球状態の期間(変動回数)が複数パターン用意されているパチンコ機に上記構成を適用してもよい。
また、上記実施形態において、始動入賞装置33a、33b、可変入賞装置32a、32b、スルーゲート34の数や配置等は特に限定されるものではなく、機種毎に設定可能である。さらに、上記実施形態では、第1始動入賞装置33aに遊技球が入球した場合に行われる当否抽選と、第2始動入賞装置33bに遊技球が入球した場合に行われる当否抽選とで別々のテーブルが参照され、大当たり種別の振分けが変化するように構成されているが、同じにしてもよい。
(k)上記実施形態では、既に保留されている第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球に基づく変動表示(第1変動表示)よりも後に保留された第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づく変動表示(第2変動表示)が、前記第1変動表示よりも先に消化されるといった具合に、保留された順番を前後するようにして、第2変動表示が優先的に消化されるよう構成されているが、第1変動表示であるか、第2変動表示であるかに関係なく、保留された順番通りに消化されるように構成してもよい。
(l)上記実施形態では、主制御装置261にてメイン処理(図9参照)の後、通常処理(図10参照)を行う構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、メイン処理のステップS111の後に、上記実施形態で通常処理のステップS210〜ステップS219で行われていたカウンタ値の更新等の処理を行い、例えば、2msec毎に行われるタイマ割込み処理において、上記実施形態で通常処理のステップS201〜ステップS209で行われていた処理と、上記実施形態でNMI割込み処理として行われていたステップS401の処理とを行うこととしてもよい。尚、この場合のステップS401の処理としては、例えば、CPU501のNMI端子に停電監視回路542から停電信号SK1が出力されたか否かを判定し、停電信号SK1の出力が確認された場合に、停電の発生を示すフラグをオンにする構成が挙げられる。また、ステップS401の処理に関しては、上記実施形態と同様に、NMI割込み処理として別途行うこととしてもよい。
(m)上記実施形態では、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリアに対して大当たり状態が発生するか否かの情報が上書きされる構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアに対して当選乱数記憶エリアとは別に、大当たり状態が発生するか否かの情報を記憶する記憶エリアを設けることとしてもよいし、特別変動保留エリアとは別に、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアに個別に対応する記憶エリアを設け、当該記憶エリアに大当たり状態が発生するか否かの情報を記憶することとしてもよい。尚、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリアとは別に、大当たりの種別を記憶する記憶エリアを設けることとしてもよいし、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアとは別に、リーチ情報を記憶する記憶エリアを設けることとしてもよい。また、上記実施形態において、特別図柄の変動表示の開始時に、当否乱数カウンタC1の値が当選に対応する値であるか否か等を再度確認し、当該確認処理に応じた処理が行われるように構成してもよい。
(n)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。例えば、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定領域と、特定領域への入球を許容する開状態と、特定領域への入球を禁止する閉状態とに変化可能な可動手段(羽部材)とを具備する可変入球手段と、特定領域に入球した遊技球が入球可能な特定入球手段及び非特定入球手段と、特定入球手段に入球した遊技球を検知する特定入球検知手段(条件成立検出手段)と、特定領域の外部に設けられ、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特別始動手段と、特別始動手段に入球した遊技球を検知する特別始動検知手段と、可変入球手段の開閉制御を行う主制御手段とを備え、特定領域に遊技球が入球した場合には、当該遊技球が特定入球手段及び非特定入球手段のどちらに入球する場合であっても遊技者に所定数の遊技価値(遊技球)が付与され、主制御手段は、特別始動検知手段の検知に基づいて、可変入球手段を第1時間だけ1回又は複数回開状態とさせる小当たり状態、又は、可変入球手段を前記第1時間よりも長い第2時間開状態とさせる、又は、開状態とされた可変入賞手段に規定個数の遊技球が入球するまでを1ラウンドとして、これを規定回数繰り返す大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選を行い、当否抽選にて小当たりに当選した場合には小当たり状態を発生させ、当否抽選にて大当たりに当選した場合、及び、特定入球検知手段の検知があった場合には大当たり状態を発生させるといった遊技機に適用してもよい。加えて、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機、回胴式遊技機としてのスロットマシンや、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機などとして実施してもよい。
例えば、スロットマシンにおいて、目力でリールの挙動が変化する(止まっているかのように見えたり、視認対象としているリール図柄が前方に露出した時に回転速度が遅くなったりする等)かのように構成してもよい。また、演出として、スタートレバーが操作されて左・中・右の3つのリールが回転したが、どのストップボタンを押してもリールが停止しない無効状態(所謂フリーズ状態)とし、液晶表示装置において、「ストップボタンの押し順を当てろ」といったアナウンスが行われるとともに、「リールを見極めろ」というアナウンスが行われ、スタートレバー操作に基づいて選択決定された内容と、遊技者の視線とに基づいて、リールのバックライトの発光具合を変化させる等してリールを態様変化させることで、正解となる押し順の示唆、或いは、教示が行われ、そのアナウンスの後にストップボタンを有効状態とするように構成してもよい。加えて、両目をつぶってから開くことで、リールが所定の態様で疑似停止状態(フリーズ状態)とされるような演出を行うこととしてもよい。
(o)上記実施形態では、特定演出及び特定情報として、装飾図柄表示装置42において遊技者の視線操作で魚Yを移動させることのできる演出に具体化され、当該特定演出に先立って行われる先導演出として、魚Xが移動する表示に具体化され、特定演出に関連するプレ演出として、「リーチ」という音声出力に具体化されているが、特にかかる構成に限定されるものではない。
例えば、装飾図柄表示装置42における特定演出の導出に先立って装飾図柄表示装置42を遊技者が視認していないという判別が行われた場合と、視認しているという判別が行われた場合とで、特定演出の内容が必ず異なる、或いは、特定演出として選択され得る内容に差異が生じる場合があるように構成してもよい。つまり、例えば、装飾図柄表示装置42における特定演出を遊技者に見てもらいたいということであれば、遊技者が装飾図柄表示装置42を視認していないと判別された場合に、特定演出自体によって遊技者に特定演出の発生を教示するべく、比較的派手な特定演出しか選択されず、一方、視認していると判別された場合には、派手なものから地味なものまで多様な特定演出が選択され得るように構成してもよい。つまり、視認されていることを前提としたバリエーション豊富な教示方法(演出)を設定することができる。
また、特定演出及び特定情報の対象についても特に限定されるものではない。例えば、めったに導出されることのないプレミアム演出や、冒頭部分に比較的重要な情報が付加されているような演出や、全体の長さが短いカットイン演出等を特定演出としてもよい。すなわち、遊技者がよそ見をしていて所定の演出の冒頭などを見逃すといったことはよくあるが、それでも、かかる演出が導出され難いものであり、遊技者が前々から見たいと思っていた演出であったり、或いは、冒頭から視認していないと堪能しきれない(例えば、途中からでは分かり難かったり、演出時間が一瞬であったり等する)演出であったりする場合には、興趣の低下を招くおそれもある。
これに対し、上記実施形態のように、特定演出が導出される場合に、遊技者がよそ見等をしていて装飾図柄表示装置42を視認していないと判別されるような場合には、特定演出に先立って、遊技者の注意を引くための演出(プレ演出)を導出することとすれば、遊技者に装飾図柄表示装置42を見てもらうきっかけを付与する(動機づけを行う)ことができる。このため、特定演出(例えば、確変モードで16RSに当選した場合の一部で導出される可能性のあるアニメーション)を視認することを望んでいたのにもかかわらず、特定演出が導出されるタイミングでよそ見をしてしまっていて、特定演出の冒頭部分を見逃してしまうといった事態を防止することができる。従って、遊技者に悔しい思いをさせてしまい、興趣の低下に繋がってしまうといった事態を防止することができる。
(p)また、先導演出において魚Xを視認していると判別される条件(上記実施形態では合計で0.5秒以上視認している場合に肯定判別される)としても特に限定されるものではなく、機種や演出毎に適宜設定されるものである。例えば、先導演出の終了の時点で魚Xを視認していれば(全体の視認秒数は関係なく)視認しているものと判別されてプレ演出が導出されないように構成してもよいし、魚Xを視認しているか否かの判別だけでなく、さらに詳細に、例えば、先導演出の開始当初は魚Xを視認していたものの途中で目を離した等の判別を行えるように構成し、対応演出等(先導演出やプレ演出等)のバリエーションを増加させることとしてもよい。
(q)特定演出及び特定情報が行われる情報手段の対象や、視点マーカーの構成についても特に限定されるものではない。例えば、結果教示手段としての特別表示装置43L、43Rを情報手段としてもよい。さらには、特別表示装置43L、43Rの近傍において、視点マーカーとしての可動役物を設け、特別表示装置43L、43Rにおいて、特定情報としての当否抽選の結果が教示される場合に、視線検知センサ401の検知情報に基づいて、遊技者が前記可動役物を視認しているか否かを判別するように構成してもよい。
そして、視認されていないと判別された場合には、そのまま予定通りに演出手段としての装飾図柄表示装置42、音声、各種電飾等による演出を行い、特別表示装置43L、43Rにおいて当否抽選の結果を表示する。その一方で、視認されていると判別された場合には、特別表示装置43L、43Rにおける当否抽選の結果の表示(停止表示)に先立って、装飾図柄表示装置42、音声、各種電飾等によって、遊技者の注目を特別表示装置43L、43Rから逸らすためのおとり演出が導出されるように構成してもよい。
つまり、パチンコ機10では、演出性の向上を図るべく、特別表示装置43L、43R以外の装飾図柄表示装置42等においても、当否抽選の結果がどうなのかを示唆・教示する演出が行われている。特別表示装置43L、43Rでは、当然、当否抽選の結果そのものが教示されるため、特別表示装置43L、43Rの変動表示の停止態様(結果教示)を確認していれば、当該結果教示よりも後のタイミングで、特別表示装置43L、43R以外の装飾図柄表示装置42等において当否抽選の結果がどうなのかを示唆・教示する演出がいくら派手に行われたとしても、結果が知れているため、盛り上がりに欠け、ほぼ無意味なものとなる。従って、かかる観点からすると、特別表示装置43L、43R以外の装飾図柄表示装置42等において当否抽選の結果がどうなのかを示唆・教示する演出は、特別表示装置43L、43Rの結果教示よりも前のタイミングに限定されることとなる。
これに対し、上記態様例では、特別表示装置43L、43Rにおいて結果教示が行われる場合に、遊技者が特別表示装置43L、43Rの近傍に設けられた可動役物を視認していると判別された場合には、特別表示装置43L、43Rでの結果教示が行われる前に、遊技者の注意を遊技領域の左側方領域の外周側にある特別表示装置43L、43Rから別の場所(遊技盤30中央の装飾図柄表示装置42等。さらに、装飾図柄表示装置42のなかでも右側におとり演出用の表示が行われるとより好ましい。)に引くためのおとり演出を導出可能に構成されている。このため、おとり演出に乗じて、特別表示装置43L、43Rから視線を外し、結果教示をあえて確認しないことによって、結果教示よりも後のタイミングで、当否抽選の結果がどうだったのかを示す演出が行われた場合に、かかる演出に一喜一憂し、遊技をより堪能することができる。従って、当否抽選の結果に関する演出を行うことのできる時間や機会を多くすることができ、演出性のより一層の向上を図ることができる。
尚、特別表示装置43L、43Rで結果を把握しなくても、しばらくすれば、別の方法でその結果が教示される、或いは、実際に結果に対応した状態となり、実質的な損失等が発生しない構成を前提としている。さらに、情報手段として、液晶表示装置やセグメント表示装置以外の表示装置(EL表示装置、マトリクス表示装置、リールや球状体等の可動体の表面に識別情報を付したもの、三色LED、複数の発光手段の組合わせ・集合体等)に適用することも可能である。
(r)また、プレ演出としても特に限定されるものではないが、少なくとも音声(例えば、別条件では導出されない、又は、導出され難い効果音等)を伴うものであることが望ましい。この場合、例えば、遊技者が後や下を向いている等してパチンコ機10が全く視界に入っていない状態(所定の発光手段を発光させても遊技者の目に届き難い状況)でも、遊技者の注意をパチンコ機10に向かせることが可能となる。尚、装飾図柄表示装置42を見てくださいなどとアナウンスしてもよい。
さらに、プレ演出は、特定演出が導出される情報手段(上記実施形態では装飾図柄表示装置42)においてが行われることが望ましい。すなわち、情報手段においてプレ演出を視認していれば、そのまま特定演出が開始されることとなるため、特定演出を開始から確実に視認することができる。また、例えば、プレ演出が導出される方が派手だからそっちの方が良いとされてしまうと、わざとよそ見する遊技者が出る等して本末転倒になってしまうことが懸念されるため、プレ演出は音声だけの態様にするとか、少なくとも情報手段ではプレ演出の導出の有無にかかわらず同じ態様とするとかして、プレ演出自体にはあまり魅力がないように構成することが望ましい。或いは、特定演出に先立って装飾図柄表示装置42を視認していると判別された場合には、特定演出において特典映像が見られる等の特典が付与されるように構成することが望ましい。
尚、特定演出に先立って装飾図柄表示装置42を視認していないと判別された場合に、特定演出の導出自体を中止してしまうことも考えられるが、その場合、例えば、めったに導出されることのない特定演出がさらに導出されることのないものになってしまったり、遊技者が見たかった特定演出が冒頭だけでなく全く見ることができなくなってしまったりする等して本末転倒となる上、特定演出の導出用に確保されていた時間を他の演出等で穴埋めすることも難しい。従って、装飾図柄表示装置42を視認しているか否かの結果に関わらず特定演出は導出される構成とすることが望ましい。また、プレ演出を行うべく、特定演出を導出するまでの時間を遅らせたり、特定演出を行う時間を短くしたりする場合には制御の複雑化を招くことが懸念されるため、プレ演出は、先導演出が行われる期間に(先導演出に重ねて)行われることが望ましい。
(s)上記実施形態において、入力手段としての演出ボタン125及び十字ボタン126の操作によって、装飾図柄表示装置42等において導出される演出のなかから「特定演出」とする演出を設定可能に構成されていることとしてもよい。この場合、遊技者が見たい演出を確実に冒頭から見られるようにするとともに、遊技者がそれほど見たくもない演出に関して、先導演出やプレ演出が行われてしまうことを回避することができる。
尚、モバイル連動遊技を行う遊技者であれば、かかる設定をサーバのウェブページで行い(その設定は記憶される)、かかる設定内容を含むパスワードをパチンコ機10に入力することで適用されるように構成してもよい。この場合、利便性の向上等を図ることができる。また、モバイル連動遊技を行う特典として、特定演出やプレ演出の対象の設定を行えるように構成してもよい。この場合、モバイル連動遊技を行う特典として、キャラクタのコスチュームなどを変更する等の一般的な機能ではなく、一風変わった特典が付与されることで、モバイル連動遊技への参加意欲をより向上させることができる。
(t)上記実施形態において、連続演出として複数の変動表示にわたって関連する一連の演出表示(連続予告)が行われる変動表示において特定演出(魚Yを視線操作で動かすことのできる演出)を導出可能に構成してもよい。この場合、連続予告が行われる変動表示のうち少なくとも特定情報が導出される変動表示において、先導演出(魚Xが変位する演出)及び視線の確認が実行されることとし、さらに、連続予告が行われる変動表示のうち特定演出が導出される変動表示よりも前に行われる変動表示において、先導演出及び視線の確認を実行可能に構成されていることとしてもよい。
この場合、先導演出の魚Xの動作表示自体を、後続の変動表示に際して特定演出が導出されるかもしれないといったことを示唆する演出として利用することができる。また、より早い段階から魚Xを注視してもらう(動いていることに気付いてもらう)ことができ、特定演出が導出される回の変動表示における魚Xの動作を視認してもらう可能性をより高めることができる。尚、特定演出が行われる変動表示を跨ぐ(先の変動表示の終了時に途切れることなく、後の変動表示の開始時に引き続き導出される)ようにして、魚Xを動作させてもよい。この場合、連続性をより強めるとともに、後続の変動表示の魚Xへの興味をより強めることができる。
(u)モバイル連動遊技を行う場合に、視線検知センサ401の検知情報に基づいて、遊技者が所定ポイントを視認している時間や、所定の演出を視認している時間等の統計を取ることができるように構成してもよい。例えば、装飾図柄表示装置42を視認している時間を計るタイマ、第1始動入賞装置33aを視認している時間を計るタイマ、第2始動入賞装置33bを視認している時間を計るタイマ、第1可変入賞装置32aを視認している時間を計るタイマ、第2可変入賞装置32bを視認している時間を計るタイマ、右側のスルーゲート34を視認している時間を計るタイマ、所定の発光手段を視認している時間を計るタイマ、演出A中に装飾図柄表示装置42を視認している時間を計るタイマ、演出B中に装飾図柄表示装置42を視認している時間を計るタイマ等を設け、各種計測時間が、遊技モードの滞在時間や対応演出の導出回数等と合わせて、遊技者の遊技情報とともに、サーバに送られるように構成してもよい。この場合、遊技釘や各種遊技部材の配置や機能などが上手くいっているかや、魅力ある演出が提供できたのか等を遊技機メーカー側で把握することができる。
[付記]
上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
A.従来、遊技機の一種として、例えばパチンコ機等が知られている。パチンコ機には遊技盤が設けられるとともに、その前方には、発射装置によって発射された遊技球が案内される遊技領域が形成されている。また、遊技機の前面側には、遊技性の向上や装飾性の向上等を図るべく、入賞装置等の各種遊技部材や、LED等の各種装飾部材等が多数設けられている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
ところで、近年、遊技機の多機能化等に起因して、所望とする入力操作を行うまでの操作回数が増えたりしてしまうことが懸念される。
また、遊技機のうち遊技者から視認される前面側には、遊技者に対してその遊技機に関する情報等を教示する情報手段が配設されているが、近年の遊技部材等の増加や大型化等に起因して、情報手段が淘汰されて情報量が少なくなったり、情報手段の情報の記載が小さすぎて視認し難くなってしまったり、所望とする情報手段を探し難くなったりすることが懸念される。当然、情報手段を無理やり遊技盤等に増設しようとしても、遊技部材の設置の妨げになったり、遊技球の流下経路が狭められて遊技球の動きが単調なものとなったり、装飾との不調和による意匠性の低下を招いたりすることが懸念される。
尚、かかる課題は、パチンコ機に限られるものではなく、スロットマシン等の他の遊技機にも該当する問題である。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、操作の利便性の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段A−1.所定の情報が教示(表示)される情報手段を備えた遊技機において、
前方に位置する遊技者に向けて光(赤外線)を照射可能な投光部と、前記投光部から発せられ、遊技者の眼球で反射した光を検知する受光部と、前記受光部の検知情報に基づいて、遊技者の目の位置及び視線角度を解析する解析手段とを具備する視線検知手段を備えていることを特徴とする遊技機。
手段A−1によれば、遊技者がどこを見ているのか、すなわち、遊技者が何の情報を得ようとしているのか、或いは、遊技者がどのような操作をしようとしているのかを遊技機側で判別することができる。このため、例えば、遊技者が手を動かさなくても、遊技者の視線を検知して、対応する処理を実行したりすることができる。従って、手入力操作だけでは大変な操作であっても、視線による操作を併用することで、各種操作が比較的簡単になる。これにより、操作に際しての利便性が飛躍的に向上し、例えば、各種設定を行いたいが、操作が面倒なので諦めているといった遊技者でも、操作してみようという気を起こさせ、機能を十分に活用し、遊技を堪能してもらうことができる。結果として、操作の複雑化を抑制しつつ、比較的多くの情報を遊技者に提供することができる。
また、全く手を動かさなくても、遊技のメニュー操作等を行えるように構成することで、例えば、飲料や携帯通信端末等を手に持っている状態での急な選択も可能となったり、手をけがしている等の極力手を使用したくない状況での選択も可能となったりする。従って、手の使用が差し控えられるような状況でも、遜色ない操作性を実現することができ、利便性の向上等を図ることができる。さらに、所定の選択・決定行為を恥ずかしいと思っている遊技者でも、こっそりと、かつ、それ程手間取らずに選択・決定することができる。従って、恥ずかしがり屋や面倒くさがり屋の遊技者でも十分に遊技を満喫することができる。
尚、情報手段は、表示内容を変更可能な表示装置であってもよいし、所定の情報がプリントされた表示オブジェクトであってもよい。さらに、情報手段は、遊技者が遊技中に常に視認するものではないが、必要に応じて確認するようなものであってもよいし、遊技の大半は視認しているともいえる表示装置において、所定の状態において表示される画像オブジェクトであってもよい。
手段A−2.前記視線検知手段は、遊技者の視線の先に設置されている前記情報手段(に対応して設定されている情報)を判別可能に構成され、
所定の演出表示が行われる表示手段と、
前記表示手段の表示制御を行う表示制御手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記視線検知手段によって視認されているとされた前記情報手段に応じて、前記表示手段における表示態様を切替可能に構成されていることを特徴とする手段A−1に記載の遊技機。
手段A−2によれば、遊技者の視線に基づいて、遊技者が何の情報を得ようとしているのかを判別し、その情報を表示手段で表示することができる。従って、例えば、遊技者から視認し難い位置に配置されている情報手段を遊技者が視認していることを判別して、比較的見易い位置に配置されている表示手段において、対応する情報を、視認し易い位置で、比較的大きく、より詳しく表示することができる。従って、遊技機前面側のスペースを情報手段の設置に潰してしまうことを抑制しつつ、より多くの情報を、それ程の操作性の複雑化を招くこともなく、遊技者に提供できる構成とすることができる。
また、情報手段としても、項目名だけを記載しておけば、詳細は表示手段において見易く表示することができることから、情報手段自体の態様についても、本体の外形状は極力小さくする一方で、その情報表示は(情報を限定することで)極力大きく、かつ、分かり易く構成することができる。従って、情報手段の情報が小さくて見えない、或いは、遊技機が設置された遊技ホールの照明が反射する等の都合で情報手段の情報が見えない等の事態を回避し、見易い態様で情報を提供することができる。
さらに、情報手段自体の外寸を小さくすることで、その他の部材の設置の妨げになったり、装飾との不調和による意匠性の低下を招いたりするといったような不具合を抑制しつつ、情報手段の数(情報の項目数)を増やすこともでき、より多くの情報を、それ程の操作性の複雑化を招くことなく提供することが可能となる。
尚、「遊技者の視線に応じた前記表示手段における表示態様の切替えは、遊技者の視線が、特定の部材に対して規定時間以上継続して留意したと判別された場合に実行されるよう構成されていること」としてもよい。この場合、意図せずに表示手段における表示態様が切替わってしまったという事態を抑制することができる。さらに、「特定の部材を継続して視認することで前記表示手段における表示態様の切替えが実行されることとなる前記規定時間は、遊技者が設定可能に構成されていること」としてもよい。この場合、自分の感覚で視線での操作を行っていくことができ、利便性の向上を図ることができる。
手段A−3.前記表示手段において特定演出が導出される場合に、前記視線検知手段によって、遊技者の視線が当該表示手段に向いているか否かを判別し、
向いていないと判別された場合には、前記特定演出を導出する前に、遊技者に対して(遊技機における演出への)注意を喚起させるためのプレ演出を導出することを特徴とする手段A−2に記載の遊技機。
遊技者がよそ見をしていて所定の演出の冒頭などを見逃すといったことはよくあるが、それでも、かかる演出が導出され難いものであり、遊技者が前々から見たいと思っていた演出であったり、或いは、冒頭から視認していないと堪能しきれない(例えば途中からでは分かり難い等する)演出であったりする場合には、興趣の低下を招くおそれもある。
これに対し、手段A−3によれば、表示手段において特定演出が導出される場合に、遊技者がよそ見をしていて表示手段を見ていなかった場合には、特定演出が導出される前に、遊技者に注意を喚起するためのプレ演出を導出することができる。このため、特定演出を視認することを望んでいたのにもかかわらず、特定演出が導出されるタイミングでよそ見をしてしまっていて、少なくとも特定演出の冒頭部分を見逃してしまうといった事態を防止することができる。従って、遊技者に悔しい思いをさせてしまい、興趣の低下に繋がってしまうといった事態を防止することができる。特に、特定演出がめったに導出されないレアなものであったり、(冒頭部分に)比較的重要な情報が付加されていたりするような場合には、かかる作用効果が一層顕著なものとなる。結果として、特定演出を遊技者により一層堪能してもらうことができる。
尚、プレ演出としては、先ず、音声(効果音)を伴うものであることが望ましい。この場合、例えば、遊技者が後や下を向いている等して遊技機が全く視界に入っていない状態(所定の発光手段を発光させても遊技者の目に届き難い状況)でも、遊技者の注意を遊技機に向かせることが可能となる。さらには、前記特定演出が導出される表示手段においてプレ演出が行われることが望ましい。すなわち、表示手段においてプレ演出を視認していれば、そのまま特定演出が開始されることとなるため、特定演出を開始から確実に視認することができる。
手段A−4.遊技者が個人的に前記プレ演出の対象とする前記特定演出の選択設定を実行可能に構成されていることを特徴とする手段A−3に記載の遊技機。
手段A−4によれば、興味のない演出に際してもプレ演出が導出される、或いは、興味のある演出に際してプレ演出が導出されないことを回避することができ、利便性の向上を図ることができる。また、遊技機と、遊技機メーカー等の運営するサーバとの間で、遊技者の所持する携帯通信端末を介して情報のやりとりを行うモバイル連動遊技を行う特典として、前記プレ演出の対象の設定を行えるように構成してもよい。この場合、モバイル連動遊技を行う特典として、キャラクタのコスチュームなどを変更する等の一般的な機能ではなく、一風変わった特典が付与されることで、モバイル連動遊技への参加意欲をより向上させることができる。
手段A−5.所定の抽選の結果を教示する結果教示手段を備え、
前記結果教示手段において前記抽選の結果が教示される場合に、前記視線検知手段によって、遊技者の視線が当該結果教示手段に向いているか否かを判別し、
向いていないと判別された場合には、そのまま前記抽選の結果を導出し、
向いていると判別された場合には、前記抽選の結果を導出する前に、前記結果教示手段以外の部材により(少なくとも前記表示手段において)、遊技者の注目を前記結果教示手段から逸らすためのおとり演出を導出することを特徴とする手段A−2乃至A−4のいずれかに記載の遊技機。
一般に、遊技機では、演出性の向上を図るべく、結果教示手段以外の表示手段等においても、抽選の結果がどうなのかを示唆・教示する演出が行われている。結果教示手段では、当然、抽選の結果が教示されるため、結果教示手段の結果教示を確認していれば、結果教示よりも後のタイミングで、結果教示手段以外の表示手段等において抽選の結果がどうなのかを示唆・教示する演出がいくら派手に行われたとしても、結果が知れているため、盛り上がりに欠け、ほぼ無意味なものとなる。従って、かかる観点からすると、結果教示手段以外の表示手段等において抽選の結果がどうなのかを示唆・教示する演出は、結果教示手段の結果教示よりも前のタイミングに限定されることとなる。
これに対し、本手段A−5では、結果教示手段において結果教示が行われる場合に、遊技者が結果教示手段を視認していると判別された場合には、結果教示が行われる前に、遊技者の注意を別の場所に引くためのおとり演出を導出可能に構成されている。このため、おとり演出に乗じて、結果教示手段から視線を外し、結果教示をあえて確認しないことによって、結果教示よりも後のタイミングで、抽選の結果がどうだったのかを示す演出が行われた場合、かかる演出に一喜一憂し、遊技をより堪能することができる。従って、抽選の結果に関する演出を行うことのできる時間や機会を多くすることができ、演出性のより一層の向上を図ることができる。
尚、本手段では、結果教示手段で結果を把握しなくても、しばらくすれば、別の方法でその結果が教示される、或いは、実際に結果に対応した状態となり、実質的な損失等が発生しない構成を前提としている。
手段A−6.遊技者の操作可能な位置に設けられ、操作に応じて前記表示手段における表示態様を切替可能とする演出操作手段を備え、
前記視線検知手段による検知情報に基づいて切替えられた前記表示手段の表示態様を、前記演出操作手段の操作によって戻すことができるように構成されていることを特徴とする手段A−2乃至A−5のいずれかに記載の遊技機。
手段A−6によれば、視線での操作がどうしても上手くいかない、視線での操作方法がよく分からなくない、或いは、途中で混乱してしまった等といった事態でも、演出操作手段を操作して、表示手段の態様を元に戻すことができる。つまり、例えば、視線での操作を行って表示手段の表示態様を切替えたが、それ以降の操作が上手くいかず行き詰ってしまった上に戻し方もよく分からない、又は、現在の表示手段の表示態様を早く元に戻したいというような状況になった場合に、手入力操作の方が分かり易く、素早い対応を取ることができる。特に、遊技者が焦っているような心境になっているような場合には、かかる作用効果がより顕著なものとなる。
また、「前記視線検知手段による検知情報に基づいて切替えられる前記表示手段の表示態様を、前記演出操作手段の操作でも切替可能」とすることによって、視線での操作がどうしても上手くいかない、視線での操作方法がよく分からなくない、或いは、途中で混乱してしまった等といった事態でも、演出操作手段での操作で、目的の操作入力を完了させるまで、遊技者自身で十分に対処することができる。従って、視線での操作は遊技者の分かる範囲で、或いは、使い勝手が良い範囲で利用し、その他の場面では演出操作手段で手入力するといった具合に、利便性の向上、操作に対する安心感の向上等を図ることができる。
さらに、操作方法が2通りあることで、急遽どちらか一方に不具合が生じたとしても、他方で対処することも可能となり、(修理を行う前の状態でも)操作に応じて行われる演出が堪能できなくなってしまう、入力操作ができないことで不都合が生じてしまう等といった事態を回避することができる。
尚、「前記演出操作手段の操作に基づいて切替えられた前記表示手段の表示態様を、前記視線検知手段の検知情報によって戻すことができるように構成されていること」としてもよい。すなわち、選択項目の表示画面でキャンセル操作を行うといった機会は結構あるものの、キャンセル操作は、カーソルをキャンセルの項目に合わせる(選択する)操作を行ってから、入力する(選択を確定させる、決定をする)操作を行うといった具合に比較的面倒であった。この点、例えば、メニュー操作にあたって、手入力操作に併せて、視線動作でのカーセル移動や入力を可能とすることによって、操作方法が1通りしかないような場合に比べ、操作に際しての利便性や使い易さの向上等を図ることができる。さらに、演出操作手段での手入力操作、及び、視線による操作のうち一方の操作を主体としてメニュー操作等を行っている場合においてキャンセル操作を行う場合に、他方の操作によるキャンセル操作を簡略化させることも可能となる。つまり、操作方法が2通りあることから、段階を踏んだキャンセル操作とは別に、いくつかの段階を飛び越えるようにして一気に元に戻すキャンセルが行われるように構成したり、キャンセル操作自体を簡略化したものにしたりすることができる。従って、より一層の利便性の向上等を図ることができる。
手段A−7.前記視線検知手段の検知に基づく操作を許容する有効状態と、禁止する無効状態との間で切替えるロック手段を備え、
遊技者による所定の操作に応じて、前記ロック手段による切替えを実行可能に構成されていることを特徴とする手段A−1乃至A−6のいずれかに記載の遊技機。
手段A−7によれば、視線での操作がどうにも上手くいかない遊技者に対応して、視線の動作で意図しない入力がなされ、ストレスが溜まってしまうことを回避するべく、視線検知手段の機能を無効とすることができる。従って、視線での操作が苦手な遊技者でも快適に遊技を行うことができる。
尚、「ロック手段は、前記視線検知手段の機能を無効とする状況に差異が生じるような複数レベルの設定がなされ、遊技者が当該ロックレベルを選択可能に構成されていること」としてもよい。この場合、利便性の向上をより一層図ることができる。
手段A−8.前記視認検知手段による検知に基づいた視線操作で選択可能な選択肢を表示する画面では、選択肢を静止画で表示することを特徴とする手段A−1乃至A−7のいずれかに記載の遊技機。
手段A−8によれば、例えば、選択肢が勝手に順番に表示される、或いは、選択肢を選ぶカーソルが勝手に順番に移動する場合、選択肢が切替わるタイミングでの選択操作がなされると、意図していない選択肢に決定されてしまうといった事態も生じ得るが、選択肢が静止画で表示されることで、かかる不具合を払拭することができる。また、複数の選択肢の中から手入力で選択肢を選択する際のカーソルを動かす操作は比較的面倒であったが、視線での操作によれば、選択肢を(規定時間)直視するだけで済み、操作性の向上を図ることができる。尚、選択肢の選択を視線で行い、決定を手入力で行った場合、選択肢の決定までに選択肢を直視していなければならない時間をカットすることができ、より一層の利便性の向上、決定までにかかる時間の短縮等を図ることができる。
B.従来、遊技機の一種として、例えばパチンコ機等が知られている。パチンコ機には遊技盤が設けられるとともに、その前方には、発射装置によって発射された遊技球が案内される遊技領域が形成されている。また、遊技機の前面側には、遊技性の向上や装飾性の向上等を図るべく、入賞装置等の各種遊技部材や、LED等の各種装飾部材等が多数設けられている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
ところで、パチンコ機等を遊技する遊技者には、当然、遊技者毎の体格差があり、体格によっては、遊技の進行に際して、(遊技の内容に関係なく、)居心地が何となく良くないと思わせてしまうことが懸念される。
尚、かかる課題は、パチンコ機に限られるものではなく、スロットマシン等の他の遊技機にも該当する問題である。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、居心地に悪影響のある要素を低減させることのできる遊技機を提供することにある。
手段B−1.所定の情報を教示可能に構成されるとともに、変位又は変形可能に構成された可動情報手段を備えた遊技機において、
前方に位置する遊技者に向けて光(赤外線)を照射可能な投光部と、前記投光部から発せられ、遊技者の眼球で反射した光を検知する受光部と、前記受光部の検知情報に基づいて、遊技者の目の位置及び視線角度を解析する解析手段とを具備する視線検知手段を備え、
前記視線検知手段の検知情報に基づいて得られた遊技者の身体に関する情報と、現在の前記可動情報手段の状態とが対応しているか否かを判別する対応判別処理を行い、対応していないと判別された場合に前記可動情報手段の状態を変更可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
手段B−1によれば、視線検知手段の検知情報から遊技者の身体に関する情報を得ることができる。例えば、遊技者の目の位置に基づいて、遊技者の身長(座高)を推し量ることができ、それに応じて、可動情報手段を再配置することができる。従って、個々の遊技者に応じた可動情報手段の位置調整等を行うことができ、可動情報手段による影響の範囲内で可能な限りの快適な遊技環境作りを行うことができる。また、遊技者の手を煩わせることなく自動で可動情報手段の位置調整等が行われることから、遊技者の手間を省き、遊技へスムースに取り掛かることができるとともに、面倒くさがり屋の遊技者でも可動情報手段の位置調整機能等の恩恵を確実に受けることができる。
手段B−2.前記可動情報手段として、所定の演出表示を行う表示手段を備え、
前記視線検知手段の検知情報に基づく遊技者の目の高さに関する情報に応じて、前記表示手段の位置を変更可能に構成されていることを特徴とする手段B−1に記載の遊技機。
手段B−2によれば、可動情報手段としての表示手段自体の位置を変更可能であることから、遊技者の体格に応じて表示手段の位置を調節し、表示手段が遊技者から見え難い等といった事態を抑止することができる。従って、遊技者にとって表示手段が見易くなり、快適に遊技を行ってもらうことができる。
尚、遊技者の視線の表示手段の表示画面への入射角度が垂直に近くなるように表示手段を変位させることとしてもよい。また、検知された遊技者の目の位置から視認可能な表示手段の表示部の面積が最大となるように表示手段を変位させることとしてもよい。さらに、遊技者の目の高さ位置と、表示手段の表示部の中央の高さ位置とが近くなるように表示手段を変位させることとしてもよい。
手段B−3.所定の演出表示を行う表示手段を備え、
前記表示手段と、遊技者の目との間の距離の変化に応じて、前記表示手段における前記可動情報手段としての表示オブジェクトの大きさを変更可能に構成され、
前記表示手段と遊技者の目との間の距離が(適正な距離として予め定められた)基準範囲よりも短いと判別された場合には、前記表示手段における表示オブジェクトを通常よりも大きく表示することを特徴とする手段B−1又は手段B−2に記載の遊技機。
手段B−3によれば、表示手段と遊技者の目との間の距離が近ければ、表示手段の表示オブジェクトを大きく表示するといった具合に、遊技者の視力や表示オブジェクトへの執着に応じて、表示オブジェクトの大きさを変えることができる。従って、遊技者の要望に応える格好で、表示手段での表示オブジェクトをより見易くすることができ、表示オブジェクト(の細部等)が小さくて見え難いといった事態を回避するとともに、表示オブジェクトをもっとよく見たいという期待にも応えることができる。
尚、「前記表示手段と遊技者の目との間の距離が前記基準範囲よりも短い状態から、前記基準範囲内に収まる状態へと戻った場合、又は、前記表示手段における表示オブジェクトが最大限拡大された場合に、前記表示手段における表示オブジェクトの大きさの拡大が止まること」としてもよい。さらに、「前記表示手段における表示オブジェクトが通常よりも拡大されて表示されている状態において、前記表示手段と遊技者の目との間の距離が前記基準範囲よりも長いと判別された場合には、前記表示手段における表示オブジェクトを通常よりも通常の大きさに戻るように小さく表示すること」としてもよい。これらの構成を採用することで、その遊技者にとって見易い表示オブジェクトの大きさとなるまで調節を行うことができる。
手段B−4.所定の演出表示を行う表示手段を備え、
前記表示手段において文字による前記可動情報手段としてのアナウンス表示が行われている状態において、
前記視線検知手段の検知情報に基づいて、遊技者の視線の移動速度が基準速度よりも遅いと判別された場合には、前記アナウンス表示の時間を長くすることを特徴とする手段B−1乃至B−3のいずれかに記載の遊技機。
手段B−4によれば、文字を読むのが遅いことが考えられる遊技者に対してはアナウンス表示を比較的長く表示する(例えば、表示手段において文字が画面左側から右側へと流れるような場合にはその移動速度を遅くする等)ことで、時間が足りなくてアナウンス表示を読み切れなかったという事態を抑制することができる。
手段B−5.前記可動情報手段として複数の発光手段を備え、
単位時間当たりの遊技者の瞼を閉じている時間が規定時間以上となった場合には、前記可動情報手段を構成する複数の発光手段の位置を、当該発光手段から発せられた光のうち遊技者の目に向かう光の量が低減するように変更することを特徴とする手段B−1乃至B−4のいずれかに記載の遊技機。
手段B−5によれば、目が疲れてきたと考えられる場合には、発光手段の位置(光の向き)を調整することで、発光手段による眩しさを回避することができる。従って、目への負担を抑制しつつ、遊技状況を比較的見易くすることができる。
尚、「単位時間当たりの遊技者の瞼を閉じている時間が規定時間以上となった場合には、前記発光手段の輝度を低下させること」としてもよい。この場合にも、眩しさを低減させることができる。また、「適度な休憩をしましょう」等のアナウンスを行うこととしてもよい。
手段B−6.前記可動情報手段の変位を許容する有効状態と、禁止する無効状態との間で切替えるロック手段を備え、
遊技者による所定の操作に応じて、前記ロック手段による切替えを実行可能に構成されていることを特徴とする手段B−1乃至B−5のいずれかに記載の遊技機。
手段B−6によれば、遊技者の体格に応じて可動情報手段を変位させる等といった視線検知手段に関する機能が遊技者に合わない(嬉しくない)場合、その遊技者はかかる機能を拒否することができる。従って、視線検知手段に関する機能が必ず発動してしまうことを回避することができ、視線検知手段に関する機能を快く思わない遊技者でも快適に遊技を行うことができる。
また、視線検知手段に関する機能を利用する遊技者に関し、自分にとって最良の設定であると思った状態で無効状態に切替えることで、その設定を維持することも可能となる。従って、例えば、席を離れた、又は、伸びをしただけで、可動情報手段が変位してしまう等といった事態をより確実に回避することができる。
尚、「前記無効状態とすることで、前記可動情報手段が基準位置に戻るように構成されていること」としてもよい。
手段B−7.遊技者の操作可能な位置に設けられ、操作に応じて所定の演出態様を切替可能とする演出操作手段を備え、
前記視線検知手段による検知情報に基づいて切替えられた前記可動情報手段の位置を、前記演出操作手段の操作によって変更することができるように構成されていることを特徴とする手段B−1乃至B−6のいずれかに記載の遊技機。
手段B−7によれば、視線検知手段の検知情報に基づいた遊技機側で勝手に行われる可動情報手段の位置調節が自分には合わないと思った遊技者でも、演出操作手段を操作して、可動情報手段の位置を自分好みの位置となるまで動かすこともでき、比較的快適に遊技を行ってもらうことができる。
手段B−8.遊技者の所有する携帯通信端末を介してサーバとの間で情報のやりとりを行うモバイル連動遊技を実行可能な構成において、
モバイル連動遊技を開始する際に遊技者の特定情報が入力されることで、当該特定情報に応じた処理を行うとともに、今回の遊技に関する遊技情報を蓄積記憶する状態とし、
モバイル連動遊技を終了する際に、蓄積記憶された前記遊技情報を携帯通信端末で受け取り可能な形で出力する構成であって、
モバイル連動遊技の終了に際して、前記遊技情報とともに、前記可動情報手段の位置情報を出力し、
モバイル連動遊技の開始に際して、前記特定情報に含まれる遊技者個人の前記可動情報手段の位置情報に基づいて、前記可動情報手段の位置を変更することを特徴とする手段B−1乃至B−7のいずれかに記載の遊技機。
手段B−8によれば、(モバイル連動遊技を行っていれば)可動情報手段の位置合わせを毎回行う手間が省け、操作性の向上等を図ることができる。
手段B−9.遊技者の目の位置(座標)を記憶する記憶エリアと、
遊技者の目の位置と、前記可動情報手段の状態との対応関係を記憶するテーブルと、
目の位置の特定に使用されるタイマとを備え、
遊技者の目が誤差の範囲内で規定時間以上とどまっていると判別された場合に、その位置情報が前記記憶エリアに記憶され、かかる位置情報と、前記テーブルに記憶されている各値とが比較されることで、前記対応判別処理が行われることを特徴とする手段B−1乃至B−8のいずれかに記載の遊技機。
手段B−9によれば、遊技者が床にこぼれた遊技球を拾う、席を立つ、よそ見をする等といった動作をするたびに、可動情報手段の変位制御等が行われるといった事態を回避することができる。
C.従来、遊技機の一種として、例えばパチンコ機やスロットマシン等が知られている。遊技機には、遊技性の向上や装飾性の向上等を図るべく、各種抽選の結果を教示するための表示手段、演出や各種アナウンス等に使用される音声出力手段、及び、発光手段等が設けられている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
ところで、特定情報を導出する場合において、遊技者が特定情報を得ることのできる状況にあるか否かを把握することができれば、特定情報の導出に関して、より好適な(適切な)処理を行うことが可能になる。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、特定情報の導出に関して、より好適な処理を行うことのできる遊技機を提供することにある。
手段C−1.所定の情報が導出(表示)される情報手段を備えた遊技機において、
前方に位置する遊技者に向けて光(赤外線)を照射可能な投光部と、前記投光部から発せられ、遊技者の眼球で反射した光を検知する受光部と、前記受光部の検知情報に基づいて、遊技者の目の位置及び視線角度を解析する解析手段とを具備する視線検知手段を備え、
前記情報手段又はその近傍において変位可能に構成された視点マーカーが設けられ、
前記情報手段において特定情報が導出される場合に、当該特定情報の導出に先立って、前記視点マーカーを変位させるマーカー変位処理を行う先導制御手段と、
前記マーカー変位処理が行われている場合に、前記視線検知手段の検知情報に基づいて、遊技者が前記視点マーカーを視認している(目で追っている)か否かを判別する視線確認処理を行う視線確認手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
手段C−1によれば、情報手段において特定情報が導出される場合に、情報手段又はその近傍で視点マーカーを変位させるとともに、当該変位している視点マーカーを遊技者が視認しているか否かについて、視線検知手段による検知情報に基づいて判別することとしている。このため、情報手段において特定情報が導出される前段階で、遊技者が情報手段又はその近傍を視認しているか否かを把握することができる。
特に、視点マーカーが変位しているため、例えば、遊技者が情報手段の方を見ているようだがぼんやりとしていて視点が合っていなかったり、遊技者の顔と情報手段との間に位置させた遊技者所有の携帯通信端末を視認していたりする場合等の遊技者が情報手段を見ているようで見ていない状況まで含めて、見ていない状態であるとしてはっきりと区別することができる。従って、情報手段で特定情報を導出する場合において、遊技者が情報手段における特定情報を視認する状態であるか否かを確実に把握することができ、その結果に応じて特定情報の導出に関して異なる制御を行う等、特定情報の導出に関して、より好適な(効果的な)処理を行うことができる。
例えば、特定情報が遊技者にとって有利な特別遊技状態の発生を教示する特定演出として構成される場合において、遊技者が視点マーカーを視認していないと判別された場合には、特定演出自体によって遊技者に特定演出の発生を教示するべく、比較的派手な特定演出しか選択されず、一方、視認していると判別された場合には、派手なものから地味なものまで多様な特定演出が選択され得るように構成してもよい。つまり、視認されていることを前提としたバリエーション豊富な教示方法(演出)を設定することができる。
手段C−2.所定の演出表示が行われる前記情報手段としての表示手段を備え、
前記先導制御手段は、前記表示手段において前記特定情報としての特定演出が導出される場合に、前記マーカー変位処理として、前記表示手段において表示される前記移動マーカーとしての特定オブジェクトを動作表示させることで行われる先導演出を導出可能に構成され、
前記特定オブジェクトは前記先導演出の終了まで表示され、前記先導演出の終了後、前記特定演出に切替わることを特徴とする手段C−1に記載の遊技機。
手段C−2によれば、遊技者が特定演出に先立って行われる先導演出において特定オブジェクトの動作表示を目で追っている場合、遊技者が表示手段を確実に視認しているということを遊技機側で確実に把握することができるとともに、遊技者の視線を、特定演出の開始にあたって視認していることが望ましい位置へと案内することもできる。つまり、先導演出において特定オブジェクトが特定演出の開始にあたって視認していることが望ましい位置まで移動するように構成する(視線を誘導する)ことで、遊技者は、先導演出の終わりから視線を動かすことなく、スムースに特定演出に移入することができる。例えば、「特定演出の開始にあたって視認していることが望ましい位置」としては、「特定演出のタイトル」が表示される位置や、「特定演出の説明」が表示される位置等が挙げられる。また、例えば、特定演出として、遊技者の視線で(視線検知手段の検知情報を利用して)各種選択決定を行うことのできる視線対応演出が導出される場合に、「視線対応演出のスタート地点」として好ましい位置に遊技者の視線を誘導するように構成することもできる。従って、特定演出をスムースに進行させることができ、遊技性や演出性の向上等を図ることができる。
手段C−3.前記視線確認処理によって遊技者が前記視点マーカーを視認していないと判別された場合に、前記特定情報の導出に先立って、少なくとも音声出力を伴う(遊技者の注意を引くための)プレ演出を導出させるプレ演出導出手段を備えていることを特徴とする手段C−1又はC−2に記載の遊技機。
遊技者がよそ見をしていて所定の演出の冒頭などを見逃すといったことはよくあるが、それでも、かかる演出が導出され難いものであり、遊技者が前々から見たいと思っていた演出であったり、或いは、冒頭から視認していないと堪能しきれない(例えば、途中からでは分かり難かったり、演出時間が一瞬であったり等する)演出であったりする場合には、興趣の低下を招くおそれもある。
これに対し、手段C−3によれば、特定情報(特定演出)が導出される場合に、遊技者がよそ見をしていて情報手段(表示手段)を見ていなかった場合には、特定情報が導出される前にプレ演出を導出して、遊技者に注意を喚起し、特定情報を見てもらうきっかけを付与することができる。このため、特定情報を視認することを望んでいたのにもかかわらず、特定情報が導出されるタイミングでよそ見をしてしまっていて、少なくとも特定情報の開始の瞬間(特定演出の冒頭部分)等を見逃してしまうといった事態を防止することができる。従って、遊技者に悔しい思いをさせてしまい、興趣の低下に繋がってしまうといった事態を防止することができる。特に、特定情報がめったに導出されないレアなものであったり、(冒頭部分に)比較的重要な情報が付加されていたりするような場合には、かかる作用効果が一層顕著なものとなる。
また、プレ演出は、音声(例えば、別条件では導出されない、又は、導出され難い効果音等)を伴うものであるため、例えば、遊技者が後や下を向いている等して遊技機が全く視界に入っていない状態(所定の発光手段を発光させても遊技者の目に届き難い状況)でも、遊技者の注意を遊技機に向かせることが可能となる。
また、遊技者が視線をそのままにしていれば自然と特定情報を開始の瞬間(特定演出の冒頭部分)から視認できる状態では、プレ演出を導出することなく、そのまま特定情報を導出することができる。従って、比較的スムースに特定情報に移行することができ、プレ演出が特定情報に至るまでの一連の流れを阻害してしまうといった事態を確実に回避することができる。加えて、プレ演出を行う機会を低減させることができ、制御の簡素化等を図ることができる。
尚、前記特定情報が導出される情報手段においてプレ演出が行われることが望ましい。すなわち、情報手段においてプレ演出を視認していれば、そのまま特定情報が開始されることとなるため、特定情報を開始から確実に視認することができる。また、例えば、プレ演出が導出される方が派手だからそっちの方が良いとされてしまうと、わざとよそ見する遊技者が出る等して本末転倒になってしまうことが懸念されるため、プレ演出は音声だけの態様にするとか、少なくとも表示手段ではプレ演出の導出の有無にかかわらず同じ態様とするとかして、プレ演出自体にはあまり魅力がないように構成することが望ましい。或いは、視線確認処理によって遊技者が視点マーカーを視認していると判別された場合には、特典映像が見られる等の特典が付与されるように構成することが望ましい。
尚、前記視線確認処理によって遊技者が前記視点マーカーを視認していないと判別された場合に、前記特定情報の導出を中止してしまうことも考えられるが、その場合、例えば、めったに導出されることのない特定情報がさらに導出されることのないものになってしまったり、遊技者が見たかった特定情報(特定演出)が冒頭だけでなく全く見ることができなくなってしまったりする等して本末転倒となる上、特定情報の導出用に確保されていた時間を他の演出等で穴埋めすることも難しい。従って、視線確認処理の結果に関わらず特定情報は導出される構成とすることが望ましい。また、プレ演出を行うべく、特定情報を導出するまでの時間を遅らせたり、特定情報を行う時間を短くしたりする場合には制御の複雑化を招くことが懸念されるため、プレ演出は、先導演出が行われる期間に(先導演出に重ねて)行われることが望ましい。
手段C−4.遊技者によって所定の情報を入力可能とする入力手段を備え、
前記入力手段への入力情報に基づいて、前記情報手段において導出される情報のなかから前記特定情報とする情報を設定可能に構成されていることを特徴とする手段C−1乃至C−3のいずれかに記載の遊技機。
手段C−4によれば、遊技者が見たい情報を確実に冒頭から見られるようにするとともに、遊技者がそれほど見たくもない情報に関して、視点マーカーが変位するマーカー変位処理が行われてしまう(先導演出が行われてしまう)ことを回避することができる。
尚、C−3に対応して、「遊技者によって所定の情報を入力可能とする入力手段を備え、前記入力手段への入力情報に基づいて、前記特定情報のなかから前記プレ演出の導出対象とする前記特定情報を設定可能に構成されていること」としてもよい。この場合、興味のない情報の導出に際してもプレ演出が導出される、或いは、興味のある情報の導出に際してプレ演出が導出されないことを回避することができ、利便性の向上を図ることができる。
尚、遊技機と、遊技機メーカー等の運営するサーバとの間で、遊技者の所持する携帯通信端末を介して情報のやりとりを行うモバイル連動遊技を行う特典として、前記特定演出や、前記プレ演出の対象の設定を行えるように構成してもよい。この場合、モバイル連動遊技を行う特典として、キャラクタのコスチュームなどを変更する等の一般的な機能ではなく、一風変わった特典が付与されることで、モバイル連動遊技への参加意欲をより向上させることができる。
手段C−5.所定の抽選の結果を教示する前記情報手段としての結果教示手段と、
前記結果教示手段から離間した位置に設けられ、所定の演出態様を導出可能な演出手段(表示手段等)とを備え、
前記結果教示手段において前記特定情報としての前記抽選の結果が教示される場合に、前記視線検知手段の検知情報に基づいて、遊技者が前記結果教示手段又はその近傍に設けられた前記視点マーカーを視認しているか否かが判別され、
視認されていると判別された場合には、前記結果教示手段における前記抽選の結果の導出に先立って、前記演出手段において、遊技者の注目を前記結果教示手段から逸らすためのおとり演出が導出されることを特徴とする手段C−1乃至C−4のいずれかに記載の遊技機。
一般に、遊技機では、演出性の向上を図るべく、結果教示手段以外の表示手段等においても、抽選の結果がどうなのかを示唆・教示する演出が行われている。結果教示手段では、当然、抽選の結果そのものが教示されるため、結果教示手段の結果教示を確認していれば、結果教示よりも後のタイミングで、結果教示手段以外の表示手段等において抽選の結果がどうなのかを示唆・教示する演出がいくら派手に行われたとしても、結果が知れているため、盛り上がりに欠け、ほぼ無意味なものとなる。従って、かかる観点からすると、結果教示手段以外の表示手段等において抽選の結果がどうなのかを示唆・教示する演出は、結果教示手段の結果教示よりも前のタイミングに限定されることとなる。
これに対し、本手段C−5では、結果教示手段において結果教示が行われる場合に、遊技者が結果教示手段又はその近傍を視認していると判別された場合には、結果教示が行われる前に、遊技者の注意を別の場所(結果教示手段から離間した位置に設けられた演出手段)に引くためのおとり演出を導出可能に構成されている。このため、おとり演出に乗じて、結果教示手段から視線を外し、結果教示をあえて確認しないことによって、結果教示よりも後のタイミングで、抽選の結果がどうだったのかを示す演出が行われた場合に、かかる演出に一喜一憂し、遊技をより堪能することができる。従って、抽選の結果に関する演出を行うことのできる時間や機会を多くすることができ、演出性のより一層の向上を図ることができる。
尚、本手段では、結果教示手段で結果を把握しなくても、しばらくすれば、別の方法でその結果が教示される、或いは、実際に結果に対応した状態となり、実質的な損失等が発生しない構成を前提としている。
手段C−6.所定条件が成立したことを検出する条件成立検出手段と、
前記条件成立検出手段の検出に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選にて当選した場合に特別遊技状態を発生させる主制御手段と、
前記当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われる可変表示手段とを備える構成であって、
前記当否抽選に用いられる当否乱数生成手段と、
前記当否抽選にて当選する値として、前記当否乱数生成手段で生成され得る値のうち予め定められた値を記憶する当選値記憶手段と、
前記可変表示手段における変動表示の内容を決定するために使用される所定情報を記憶可能な複数の保留エリアを有する保留記憶エリアとを備え、
前記条件成立検出手段の検出に基づいて、前記当否乱数生成手段の値を抽出する判別値抽出処理と、
前記判別値抽出処理にて抽出された前記当否乱数生成手段の値を、前記保留記憶エリアのいずれかの保留エリアに記憶する判別値格納処理と、
前記判別値抽出処理にて抽出された前記当否乱数生成手段の値が、前記当選値記憶手段に記憶されている値と一致するか否かを判別する第1当否判別処理と、
前記第1当否判別処理の結果を記憶する結果記憶処理と、
前記第1当否判別処理の結果に基づいて、複数回の変動表示での連続演出を実行するか否かを決定する特定演出決定処理と、
前記可変表示手段における変動表示の実行に先立って、特別遊技状態を発生させるか否かを決定する第2当否判別処理と、
前記第2当否判別処理の結果に基づいて、変動表示の設定を行う変動表示設定処理とを実行可能であり、
前記連続演出が行われる変動表示において前記特定情報を導出可能に構成され、
前記連続演出が行われる変動表示のうち少なくとも前記特定情報が導出される変動表示において、前記先導制御手段による前記マーカー変位処理、及び、前記視線確認手段による前記視線確認処理が実行され、
前記連続演出が行われる変動表示のうち前記特定情報が導出される変動表示よりも前に行われる変動表示において、前記先導制御手段による前記マーカー変位処理、及び、前記視線確認手段による前記視線確認処理を実行可能に構成されていることを特徴とする手段C−1乃至C−5のいずれかに記載の遊技機。
手段C−6によれば、視点マーカーの変位自体を、後続の変動表示に際して特定情報が導出されるかもしれないといったことを示唆する演出として利用することができる。また、より早い段階から視点マーカーを注視してもらう(動いていることに気付いてもらう)ことができ、特定情報が導出される回の変動表示における視点マーカーの動作を視認してもらう可能性をより高めることができる。尚、特定演出が行われる変動表示を跨ぐ(先の変動表示の終了時に途切れることなく、後の変動表示の開始時に引き続き導出される)ようにして、視点マーカーを動作させてもよい。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
a.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
b.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
c.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
d.上記各手段における遊技機は、スロットマシン等の回胴式遊技機であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成した回胴式遊技機」が挙げられる。
e.上記各手段における遊技機は、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機(特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の遊技機)であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成し、さらに球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む取込手段と、前記球受皿に遊技球の払出しを行う払出手段とを備え、前記取込手段により遊技球が取り込まれることにより遊技の開始条件が成立するように構成した遊技機」が挙げられる。