JPH0233447Y2

JPH0233447Y2 -

Info

Publication number: JPH0233447Y2
Application number: JP1984147534U
Authority: JP
Priority date: 1984-09-28
Filing date: 1984-09-28
Publication date: 1990-09-10
Also published as: JPS6160614U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、播種機における点播装置に関するも
のである。

（従来の技術）湛水土中直播機その他の播種機において、外周
に繰出用凹部を有する繰出ロールの回転により種
子タンク内の種子を繰出して播種するようにした
ものがある。

この種の播種機では、繰出ロール外周の凹部の
ピツチと回転速度で定まる繰出速度で種子が繰出
され、一応、間欠的な繰出しが可能であるが、繰
出ロールに摺接する調整ブラシ、バネ等で繰出量
を制限するようにしているため、同じ凹部内の種
子でも落下時にバラツキを生じ、播種は条播きに
近くなる。

そこで、繰出ロールの下方側にシヤツターを設
け、これの開閉動作で種子を点播するようにした
技術が、例えば特開昭55−88602号公報、実公昭
49−45541号公報、実公昭49−23057号公報、実公
昭44−6991号公報等において既に提案されてい
る。

（考案が解決しようとする課題）しかし、これはブラシ、バネ等を使用している
だけであるから、そのブラシやバネ部分での繰出
しに依然として不良落下等バラツキがあり、また
繰出ロールからシヤツターまでの間に或る程度の
間隔があるため、繰出された種子が落下してシヤ
ツター上に揃うまでには時間差を生じ、完全に種
子が揃わないままでシヤツターが開き、中にはシ
ヤツター開放時に直接落下するようなものもあ
り、点播性能に欠ける欠点があつた。

（課題を解決するための手段）本考案は、かかる従来の問題点を解決すること
を目的として提案されたものであつて、その具体
的手段として、外周に繰出用凹部１９を有する繰
出ロール１５の回転により種子タンク１１内の種
子Ａを繰出して播種するようにした播種機におい
て、凹部１９に入つた種子Ａを繰出位置Ｂ側まで
案内する案内板１６を繰出ロール１５に沿つて円
弧状に設け、前記繰出位置Ｂ側であつて案内板１
６の延長上に、その繰出ロール１５の繰出動作に
同期して開閉するシヤツター１７を、繰出ロール
１５に沿つて円弧状に設けたものである。

（作用）繰出ロール１５が回転すると、その凹部１９に
入つた種子Ａは案内板１６に案内されて繰出位置
Ｂへと繰出されて行き、繰出位置Ｂでは凹部１９
毎に分離された間欠的な繰出しができる。この種
子Ａは繰出位置Ｂ側にあるシヤツター１７上に落
下し、これで一旦受止めてから、その開放によつ
て下方に落下する。

この際、シヤツター１７は案内板１６の延長上
にあつて繰出ロール１５に沿う円弧形状であるた
め、繰出ロール１５の凹部１９から落下した各種
子Ａがシヤツター１７上に揃うまでの時間差は殆
んどなく、種子が完全に揃つた状態でシヤツター
１７を開くことができる。

（比較例）まず、本考案の比較例を説明すると、第３図は
湛水土中直播機を例示し、１はエンジン等を備え
た機体で、両側に伝動ケース２を介して駆動輪３
が設けられている。４は機体１から後方に突設さ
れた支持フレームで、後端側は上方側に弯曲して
ハンドル５が設けられている。６は主フロート
で、機体１の下方側に配置されている。７は伝動
ケースで、フレーム４に支軸８により支持されて
いる。伝動ケース７には左右に延びる上下一対の
ツールバー９，１０が設けられており、その上部
のツールバー９には左右一対の種子タンク１１及
び点播装置１２が設けられ、また下部のツールバ
ー１０には左右一対の播種フロート１３がリンク
１４を介して連結されている。

点播装置１２は繰出ロール１５、案内板１６、
シヤツター１７等から次のように構成されてい
る。

即ち、第１図及び第２図に示すように、繰出ロ
ール１５は伝動ケース７に軸架の駆動軸１８に結
合されると共に、種子タンク１１の下部に回転自
在に設けられており、この繰出ロール１５の外周
には、周方向等間隔おきに繰出用凹部１９が形成
されている。

なお繰出ロール１５の凹部１９は種子タンク１
１内の種子Ａが凹部１９内に入りやすく、かつ繰
出位置Ｂで落下しやすくなるように、回転方向前
方側の内壁面１９ａの傾斜角を小とし、後方側の
内壁面１９ｂの傾斜角を大としている。

種子タンク１１には繰出ロール１５の上方から
側方近傍まで延びる仕切板２０が設けられてお
り、従つて、繰出ロール１５は仕切板２０の下方
域で凹部１９に入つた種子Ａを回転に伴なつて持
上げるくみ上げ式となつている。

案内板１６は凹部１９に入つた種子Ａが不良落
下しないように繰出位置Ｂまで案内するためのも
のであり、繰出ロール１５の上方部から繰出位置
Ｂにわたつて該繰出ロール１５に沿つて円弧状に
設けられている。なお、この案内板１６は種子タ
ンク１１と一体であるが、別体であつても良い。

繰出ロール１５の下方側には繰出筒２１を介し
て播種シユート２２が接続されている。その繰出
筒２１内には繰出位置Ｂに可及的に近接するよう
にシヤツター１７が設けられている。このシヤツ
ター１７は繰出筒２１のロール回転方向側に設け
られたシヤツター軸２３により開閉自在に枢支さ
れている。そのシヤツター軸２３は外端にアーム
２４を有し、そのアーム２４の先端にはカム板２
５の凹凸状のカム部２６によつて操作される従動
ローラ２７が設けられている。そのカム板２５の
カム部２６は繰出ロール１５の凹部１９と同数あ
り、従つて、シヤツター１７は繰出ロール１５の
繰出動作に同期して開閉する。２８はアーム２４
をカム板２６側に付勢するバネである。

シヤツター１７は鉄板等の剛性板２９と、これ
に装着されたゴム板等の弾性板３０とから成り、
その弾性板３０の先端部には、幅方向に等間隔お
きに多数のスリツト３１が先端側から切込まれて
いる。カム板２５は駆動軸１８に固定されてい
る。なお播種フロート１３の下側には作溝器３
２、覆土部材３３等が設けられ、作溝器３２で形
成した溝に播種シユート２２から種子Ａを播くよ
うになつている。

上記構成において、播種時には繰出ロール１５
が矢印方向に回転し、その凹部１９に入つた種子
Ａを順次上方に持上げて行き、上端からは案内板
１６によつて保持案内しながら種子Ａを繰出して
行く。従つて、途中での種子Ａの不良落下がな
く、また種子Ａは下方側の繰出位置Ｂまで達する
と下方へと落下する。一方、繰出位置Ｂの下方近
接にシヤツター１７があり、繰出位置Ｂから落下
した種子Ａはシヤツター１７上に落下し集められ
る。そして、このシヤツター１７が繰出動作に同
期して、カム板２５によつて開閉操作されるの
で、シヤツター１７が開放すると同時に種子Ａは
播種シユート２２へと落下し、その播種シユート
２２を経て湛水土中の溝へと順次点播されるので
ある。

シヤツター１７は第１図の仮想線１７ａの如く
略水平状に設けても良い。

上記比較例のものでは、繰出ロールに沿う円弧
状の案内板１６を有することから、従来のものに
比べ繰出途中での種子の不良落下を防止できる。

しかし、繰出ロール１５の凹部１９から落下し
た種子Ａがシヤツター１７上に揃うまでに時間差
があるため、完全に種子が揃わないバラツキ状態
のままでシヤツター１７が開き、長い播種シユー
ト２２を落下する間にバラツキ状態が増幅され、
点播性能が充分でないという問題がある。

（実施例）本考案の実施例を第４図を参照して説明する。
なお、比較例と同様の部分は図中同一符号でのみ
示して説明は省略する。

第４図において、シヤツター軸２３は繰出ロー
ル１５の斜め下方（約45度近傍）に設けられ、こ
のシヤツター軸２３に、回転方向に向かつて傾斜
状にシヤツター１７が取付けられている。すなわ
ち、シヤツター１７は案内板１６の延長上にあ
り、繰出ロール１５に沿つた円弧状とされてい
る。

また一方、種子タンク１１の側部に枢軸３４に
よつて枢支された作動アーム３５が設けられ、こ
の作動アーム３５に、カム板２５が接当する従動
ロール３６が設けられている。そして、作動アー
ム３５とシヤツター軸２３側の開閉レバー３７と
の先端部同士が上下方向のロツド３８で連結され
ている。３９は作動アーム３５を下方に付勢する
バネである。これにより、繰出ロール１５の繰出
動作に同期してシヤツター１７が開閉する。

上記構成によれば、繰出ロール１５の凹部１９
から落下した種子Ａは、直ちにシヤツター１７上
に落下して揃い、その揃つた状態でシヤツター１
７を開くことで播種されるので、比較例のものに
比べ点播性能を向上させることができる。

しかも、シヤツター１７が斜め下方に傾斜状に
あり、しかも凹部１９の内壁面１９ａも種子Ａが
落下しやすい角度にあるため、シヤツター１７が
僅かに揺動すれば、種子Ａは一気に落下し、従つ
て、シヤツター１７の開放動作時の時間が短縮化
され、種子Ａの落下のバラツキは更に少なくな
り、点播性能は著しく向上する。

なお、実施例では、湛水土中直播機における場
合を例示しているため、長い播種シユート２２を
設けているが、他の播種機であれば、これは不要
か又は短尺のものでも十分である。

（考案の効果）本考案によれば、案内板を設けているので、繰
出ロールによる繰出途中に種子の不良落下がな
く、確実な間欠繰出しが可能である。また繰出位
置であつて案内板の延長上に、繰出ロールに沿う
円弧状のシヤツターを設け、これで繰出し直後の
種子を一旦受けてから落下させるようにしている
ので、シヤツター上に各種子が殆んど時間差なく
確実に揃うことになり、点播性能が向上し、その
実用的効果は非常に大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の比較例を示す要部の断面図、
第２図は同第１図の−矢視拡大図、第３図は
同全体の側面図、第４図は本考案の実施例を示す
要部の断面図である。１１……種子タンク、１２……点播装置、１５
……繰出ロール、１６……案内板、１７……シヤ
ツター、１９……繰出用凹部、Ａ……種子、Ｂ…
…繰出位置。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

外周に繰出用凹部１９を有する繰出ロール１５
の回転により種子タンク１１内の種子Ａを繰出し
て播種するようにした播種機において、凹部１９
に入つた種子Ａを繰出位置Ｂ側まで案内する案内
板１６を繰出ロール１５に沿つて円弧状に設け、
前記繰出位置Ｂ側であつて案内板１６の延長上
に、その繰出ロール１５の繰出動作に同期して開
閉するシヤツター１７を、繰出ロール１５に沿つ
て円弧状に設けたことを特徴とする播種機におけ
る点播装置。