JPH0232523Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、サイドメンバに取り付けられる自動
車用バンパの取付構造に関する。

〔考案の背景〕

従来、第１図に示すように、バンパ１はサイド
メンバ２の上面（又は下面）に取り付けられてい
るが、その取付構造は、バンパ１の浮き上りを防
止するためのブラケツト３をバンパアーム４に溶
接し、ブラケツト３を正面よりサイドメンバ２の
先端付近に取付ボルト５により固定するという構
造であつた。なお、第１図において、６はボデイ
である。

上記取付構造は、ブラケツト３とバンパアーム
４とが別付けとなつているため、ボルト締付面や
締付穴の精度が出ず、取付作業時に板厚の厚いブ
ラケツト３を変形させて取り付けていた。そのた
め取付作業能率が悪く、またコスト高となる欠点
があつた。

そこで最近では、第２図に示すように、サイド
メンバ２内にバンパアーム１１を挿入して固定す
るというバンパ１０の取付構造が採用されてお
り、その詳細を第３図及び第４図により説明す
る。

バンパリインホース本体１２の後面には、角筒
状のバンパアーム１１が、一端側のフランジ部１
３をバンパリインホース本体１２に溶接し、他端
側を後方に向けて突設している。バンパアーム１
１は、いずれも断面コの字状のバンパアームアツ
パ１４とバンパアームロア１５とを全体で角筒状
となるように重ね合わせることにより形成されて
おり、バンパアーム１１には、パイプ１６がその
両開口部１６ａ，１６ｂをバンパアーム１１の上
面と下面で覆うようにして固定されている。即
ち、バンパアーム１１の上面及び下面にはパイプ
１６の内径と略等しい径の穴１１ａ，１１ｂを穿
設し、この穴１１ａ，１１ｂの対向する内側周辺
にパイプの両開口部１６ａ，１６ｂを合わせるよ
うにして固定されている。

一方、サイドメンバ２には、バンパアーム１１
が挿入される角筒状の保持部１８が溶接されてお
り、該保持部１８の上面及び下面には、パイプ１
６の両開口部１６ａ，１６ｂと対応する位置に孔
１８ａ，１８ｂが形成されている。

そして、バンパアーム１１を保持部１８内に挿
入し、バンパアーム１１の穴１１ａ，１１ｂと保
持部１８の両穴１８ａ，１８ｂとを対向させた状
態にしてボルト１９を通し、ナツト２０で締付け
ることにより、バンパ１０は、サイドメンバ２に
固定される。

このように、バンパアーム１１が、従来のブラ
ケツト３とバンパアーム４とが一体化された構造
であるため、ボルト１９の締付面や締付穴の精度
が良好となり、該ボルト１９の締付けを円滑に行
なうことができ、バンパ１０の取付作業能率が向
上し、コストが低減する。

しかし、この取付構造にあつては、バンパアー
ム１１を保持部１８内に挿入したとき、その前後
方向の位置が定まらず、その位置を決めるための
作業が面倒であり、改善の余地があつた。

〔考案の目的〕

本考案は、上記事情に鑑みてなされたもので、
バンパをサイドメンバに取り付けるに際し、その
前後方向の位置決めを簡単に行なえるようにして
取付作業能率を良好にしたバンパの取付構造を提
供するのが目的である。

〔考案の概要〕

本考案は、上記目的を達成するために、バンパ
リインホース本体の後面に一端側が固定され他端
側が後方に突設しかつ前記他端側に同心の穴を穿
設し、この両穴間にパイプを設け、このパイプの
両開口部の端面が前記穴の内側周辺に固定された
筒状のバンパアームと、サイドメンバに固定され
前記バンパアームの両穴に対応する位置に穴が穿
設された筒状の保持部とを備え、該保持部の穴に
対応する位置に穴を設けかつ前方が開口したコの
字状の位置決め部材を前記保持部内に固定し、前
記位置決め部材内に前記バンパアームを挿入し、
前記位置決め部材の後端面に前記バンパアームの
後端面を当接させて該バンパアームの前後方向の
位置決めをし前記各部材の穴にボルトを通して前
記バンパアームを前記保持部に固定するように構
成されている。

上述の構成によると、バンパをサイドメンバに
取り付ける際、バンパアームの後端面が、位置決
め部材の後端面に当接してバンパアームの前後方
向の位置決めを行なうことができる。また位置決
め部材が、サイドメンバの断面変形を阻止する補
強材となる。

〔考案の実施例〕

以下、本考案を図面に示す実施例に基いて説明
する。なお、第５図から第７図において、第２図
から第４図に示すものと同一の部品には同一符号
を付してその説明を省略する。

保持部１８内に、該保持部１８の穴１８ａ，１
８ｂに対応する位置に穴２１ａ，２１ｂを設け、
かつ前方を開口して成るコの字状の位置決め部材
２１が挿入され固定されている。位置決め部材２
１には、バンパアーム１１が挿入され、その後端
面１１ａが位置決め部材２１の後端面２１ｃに当
接するか、わずかな隙間ａをもつて配置されたと
き、バンパアーム１１の穴１１ａ，１１ｂと位置
決め部材２１の穴２１ａ，２１ｂとが対応するよ
うに設定されている。そして、この状態で各穴に
ボルト１９を通し、ナツト２０で締付けることに
より、バンパ１０は、サイドメンバ２に固定され
る。

つぎに、本考案の実施例の作用を説明する。

バンパアーム１１を位置決め部材２１に挿入し
た際、バンパアーム１１の前後方向の位置は、該
バンパアーム１１の後端面１１ａを、位置決め部
材２１の後端面２１ｃに当接させるか、又はわず
かな隙間ａをもつて配置させることにより容易に
位置決めをすることができる。この場合、隙間ａ
は、各部品の寸法誤差を考慮して設定されたもの
で、これにより各部品の寸法に多少のばらつきが
あつてもボルト１９を各穴に円滑に通すことがで
き、バンパ１０をサイドメンバ２に容易に固定す
ることができる。

また、位置決め部材２１は、第７図に示すよう
に、サイドメンバ２内部にて断面変形を阻止する
補強板としての役目をも保有している。

〔考案の効果〕

上述のとおり、本考案によれば、バンパアーム
を保持部内に挿入したときにその前後方向の位置
は、位置決め部材を基準にすることにより容易に
位置決めすることができるから、バンパの取付作
業能率が向上する。また位置決め部材はサイドメ
ンバ内部にて断面変形を阻止する補強板としての
役目をも保有しており、エンジン、足まわり等か
らの振動、騒音を低減させる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例のバンパの取付構造を示す概略
側面図、第２図は他の従来例のバンパの取付構造
を示す概略側面図、第３図は第２図に示すものの
縦断面図、第４図は第３図に示すものの分解斜視
図、第５図から第７図は本考案の実施例に係り、
第５図はバンパの取付構造の縦断面図、第６図は
第５図に示すものの分解斜視図、第７図はサイド
メンバの保持部に固定された位置決め部材の状態
を示す縦断面図である。 ２……サイドメンバ、１０……バンパ、１１…
…バンパアーム、１１ａ……バンパアームの後端
面、１２……バンパリインホース本体、１６……
パイプ、１６ａ，１６ｂ……開口部、１８……保
持部、１８ａ，１８ｂ……保持部の穴、１９……
ボルト、２１……位置決め部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バンパリインホース本体の後面に一端側が固定
   され他端側が後方に突設しかつ前記他端側に同心
   の穴を穿設し、この両穴間にパイプを設け、この
   パイプの両開口部の端面が前記穴の内側周辺に固
   定された筒状のバンパアームと、サイドメンバに
   固定され前記バンパアームの両穴に対応する位置
   に穴が穿設された筒状の保持部とを備え、該保持
   部の穴に対応する位置に穴を設けかつ前方が開口
   したコの字状の位置決め部材を前記保持部内に固
   定し、前記位置決め部材内に前記バンパアームを
   挿入し、前記位置決め部材の後端面に前記バンパ
   アームの後端面を当接させて該バンパアームの前
   後方向の位置決めをし前記各部材の穴にボルトを
   通して前記バンパアームを前記保持部に固定する
   ように構成したことを特徴とするバンパの取付構
   造。