JP2772433B2 - 自動車用バンパの取付構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本発明は、自動車用バンパの取付構造に関する。

b.従来の技術 従来、自動車用バンパの取付構造としては、第５図及
び第６図に示す如き構造のものが存在する。

ここで、第５図に示した取付構造は、バンパフェイシ
ャの内側に存在するバンパの強度部材であるバンパメン
バ101に、左右一対となるステー102を溶接等の手段によ
り固定し、該ステー102をボデー側のサイドメンバ103に
挿入し、その両者の側面接触位置において、ボルト・ナ
ット104によって固定した構造のものである。

また、第６図に示した取付構造は、上記バンパメンバ
101に固定されたステー102、及びボデー側のサイドメン
バ103の両者の先端部に、当接するフランジ面105、106
を各々形成し、該フランジ面105、106を突き合わせ、そ
の当接位置においてボルト・ナット104によって固定し
た構造のものである。

c.発明が解決しようとする課題 しかしながら、上述した第５図に示したバンパの取付
構造にあっては、該バンパに衝撃が作用した場合、その
衝撃荷重はステー102と、ボデー側のサイドメンバ103と
の締付け面に集中的に作用し、強度上不利なものであっ
た。

また、第６図に示した取付構造は、衝撃荷重を面で受
けるため、第５図に示した構造のものよりは、強度上有
利な構造とはなるが、その組付け時の位置合わせが難し
く、取付作業性が悪いものであった。

本発明は、上述した従来の自動車用バンパの取付構造
が有する課題に鑑みなされたものであって、その目的
は、取付作業性が良好で、しかも、強度的にも優れた自
動車用バンパの取付構造を提供することにある。

d.課題を解決するための手段 本発明は、上述した課題を解決するため、バンパの強
度部材であるバンパメンバに、左右一対のステーを固定
し、ボデー側の左右のサイドメンバ先端部にフランジを
設け、上記バンパメンバの左右のステーを上記左右のサ
イドメンバ先端部にそれぞれ挿入しつつ、前記バンパメ
ンバの背面を上記左右のサイドメンバのフランジに当接
させた自動車用バンパの取付構造において、上記サイド
メンバの内面部に嵌合する段部と上記バンパメンバの背
面に当接する平面部を上記フランジに形成し、該フラン
ジを上記サイドメンバの長手方向に直角に取付け、上記
フランジの中央付近を直角に前方に切り起こして、上記
バンパメンバを下方から１ら支持する支持部を該フラン
ジに一体的に形成し、上記支持部の切り起こしによっ
て、上記バンパメンバの左右のステーを挿入する開口部
を、上記左右のサイドメンバ先端部にそれぞれ形成した
構成としている。

e.作用 本発明は、バンパメンバに固定されたステーが、挿入
固定されるボデー側のサイドメンバ先端部に、バンパメ
ンバの背面に当接するフランジを形成したため、該バン
パに作用する衝撃荷重は、面接触するフランジ、及びス
テーとサイドメンバとの固定部に分散して作用するた
め、その強度が実質的に向上する。

また、本発明においては、サイドメンバ先端部にバン
パメンバの支持部を形成したため、バンパメンバの取付
け時においては、該支持部にバンパメンバを乗せること
ができ、その位置合わせが容易となると共に、取付け作
業が楽となる。

f.実施例 以下、本発明の実施例を添付図面に従って詳細に説明
する。

ここで、第１図は自動車の全体を示す斜視図であり、
図中１はボデー、２は該ボデー１の前方に固定されたフ
ロントバンパである。該フロントバンパ２はその表面を
覆うバンパフェイシャ３と、該バンパフェイシャ３内に
挿入された強度部材であるバンパメンバ４とから構成さ
れている。バンパメンバ４は、その左右に固定されたス
テー５を介してボデー側のサイドメンバ６に取付けられ
ている。

バンパメンバ４とサイドメンバ６との取付構造を、第
２図〜第４図に従って詳細に説明すると、ボデー側のサ
イドメンバ６の先端部には、前記バンパメンバ４の背面
に当接するフランジ７が溶接固定されている。フランジ
７には、サイドメンバ６に固定させる際、該サイドメン
バの内面部に嵌合する段部7aを有する。この段部7aによ
り、フランジ７をサイドメンバ６に対して容易に位置決
めすることができる。また、フランジ７は、バンパメン
バ４の背面に当接する平面部を有する。フランジ７は、
サイドメンバ６の長手方向に直角に取付けられる。さら
に、フランジ７を形成する部材の中央付近を直角に前方
に切り起こすことにより、バンパメンバ４を下方から支
持する支持部８が形成されている。該支持部８の中央付
近には、その前後方向に沿って補強のための凹部９が設
けられ、また、支持部８の切り起こしによってフランジ
７形成された開口部10は、後記するステー５の挿通孔と
なる。

一方、バンパメンバ４には、前記サイドメンバ６に対
応する位置に、左右で一対をなすステー５が溶接固定さ
れている。ステー５は断面略コ字形状で、その上面及び
一側面にボルト挿通孔11が設けられ、該ボルト挿通孔11
と合致する位置のサイドメンバ６の上面及び一側面に
も、ボルト挿通孔12が穿設されている。13は前記ステー
５とサイドメンバ６とを固定するボルト・ナットであ
る。

上述の如く構成されたバンパメンバ４を、サイドメン
バ６に取付けるにあたっては、まず、バンパメンバ４に
固定されたステー５を、ボデー側のサイドメンバ６の先
端部に存在する開口部10より挿入し、サイドメンバ６の
フランジ７をバンパメンバ４の背面に当接させる。この
場合、第３図に示すように、サイドメンバ６に設けた支
持部８は、バンパメンバ４を下方から支持することとな
る。

つぎに、挿入されたステー５及びサイドメンバ６の両
者に穿設されたボルト挿通孔11,12を合致させ、ボルト
・ナット13によって両者を固定する 本発明にかかる自動車用バンパの取付構造は、上述し
た如く、バンパメンバ４を取付けるサイドメンバ６の先
端部に、該バンパメンバ４の背面に当接するフランジ７
を設けたため、バンパに作用する衝撃荷重を面で受ける
ことができ、その強度を実質的に向上させることができ
る。

また、上記フランジ７を形成する部材の中央付近を直
角に前方に切り起こすことにより、バンパメンバ４を下
方から支持する支持部８を形成したため、該バンパメン
バ４の取付け時において、その位置合わせが容易となる
と共に、取付作業が楽となる。

以上、本発明の一実施例につき説明したが、本発明は
既述の実施例に限定されるものではなく、本発明の技術
的思想に基づいて、各種の変形及び変更が可能であるこ
とは当然である。

g.発明の効果 以上説明したように、本発明に係る自動車用バンパの
取付構造によれば、バンパの強度部材であるバンパメン
バに、左右一対のステーを固定し、ボデー側の左右のサ
イドメンバ先端部にフランジを設け、上記バンパメンバ
の左右のステーを上記左右のサイドメンバ先端部にそれ
ぞれ挿入しつつ、前記バンパメンバの背面を上記左右の
サイドメンバのフランジに当接させた自動車用バンパの
取付構造において、上記サイドメンバの内面部に嵌合す
る段部と上記バンパメンバの背面に当接する平面部を上
記フランジに形成し、該フランジを上記サイドメンバの
長手方向に直角に取付け、上記フランジの中央付近を直
角に前方に切り起こして、上記バンパメンバを下方から
支持する支持部を該フランジに一体的に形成し、上記支
持部の切り起こしによって、上記バンパメンバの左右の
ステーを挿入する開口部を、上記左右のサイドメンバ先
端部にそれぞれ形成した構成としているので、次のよう
な効果を得ることができる。

すなわち、本発明では、上記フランジを上記サイドメ
ンバ先端部に取付けて上記サイドメンバを構成するよう
にしたので、上記サイドメンバの構造が単純になり、上
記サイドメンバの製作が容易になる。しかも、上記フラ
ンジを上記サイドメンバに直角に取付けたことにより、
上記バンパに作用する衝撃荷重を上記フランジの平面部
で効果的に受け止めることができる。したがって、上記
ステーの両方の固定部分で上記衝撃荷重を分散すること
ができ、上記バンパメンバの強度を実質的に向上させる
ことができる。

また、上記支持部を上記フランジから切り起こして一
体的に形成したので、バンパメンバを支えるための余計
な部品が不要になり、コスト低減を図ることもできる。
しかも、上記フランジの前方に支持部を設けたことによ
り、上記バンパメンバの取付け時に、上記バンパメンバ
の上記サイドメンバに対する位置合わせが容易になるの
で、バンパの取付作業性を向上させることができる。

さらに、上記支持部で上記バンパメンバを受けて支持
する構成としているので、上記バンパメンバおよび上記
バンパの取付強度を向上させることができる。

さらにまた、上記サイドメンバの内面部に嵌合する段
部を上記フランジに設けたので、上記フランジを上記サ
イドメンバに溶着する際に、上記フランジを上記サイド
メンバに対して容易に位置決めすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本発明の実施例を示したものであっ
て、第１図は自動車の全体を示す斜視図、第２図はバン
パの取付構造を示す分解斜視図である。第３図はバンパ
の取付部を示す縦断面図、第４図はバンパの取付部を背
後から見た横断面図である。第５図及び第６図は従来の
バンパの取付構造を示す分解斜視図である。 １……ボデー、２……フロントバンパ、４……バンパメ
ンバ、５……ステー、６……サイドメンバ、７……フラ
ンジ、８……支持部、11,12……ボルト挿通孔、13……
ボルト・ナット。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】バンパの強度部材であるバンパメンバに、
   左右一対のステーを固定し、ボデー側の左右のサイドメ
   ンバ先端部にフランジを設け、上記バンパメンバの左右
   のステーを上記左右のサイドメンバ先端部にそれぞれ挿
   入しつつ、前記バンパメンバの背面を上記左右のサイド
   メンバのフランジに当接させた自動車用バンパの取付構
   造において、 上記サイドメンバの内面部に嵌合する段部と上記バンパ
   メンバの背面に当接する平面部を上記フランジに形成
   し、該フランジを上記サイドメンバの長手方向に直角に
   取付け、 上記フランジの中央付近を直角に前方に切り起こして、
   上記バンパメンバを下方から支持する支持部を該フラン
   ジに一体的に形成し、 上記支持部の切り起こしによって、上記バンパメンバの
   左右のステーを挿入する開口部を、上記左右のサイドメ
   ンバ先端部にそれぞれ形成したことを特徴とする自動車
   用バンパの取付構造。