JP3199985B2 - 自動車のフロントボデー構造 - Google Patents

自動車のフロントボデー構造

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JP3199985B2 JP20184095A JP20184095A JP3199985B2 JP 3199985 B2 JP3199985 B2 JP 3199985B2 JP 20184095 A JP20184095 A JP 20184095A JP 20184095 A JP20184095 A JP 20184095A JP 3199985 B2 JP3199985 B2 JP 3199985B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のフロント
ボデー構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車のボデー前部には図5で示すよう
に、ボデー前部に設けられているラジエータサポート1
の下部前面に車幅方向に延在するフロントクロスメンバ
2が固設されている。
【0003】図5のD矢視部におけるラジエータサポー
ト1の下部前面とフロントクロスメンバ2の結合構造は
図6及び図7で示すように、ラジエータサポート1の下
部前面に固設された車幅方向に延在するフロントクロス
メンバ2と、このフロントクロスメンバ2の両端部内で
前記ラジエータサポート1の下部前面に溶接され、ファ
ーストマウンティング3と入力軸を介して連結している
ボデーマウントリィンフォース6と、前記フロントクロ
スメンバ2の両端とラジエータサポート1とを結合した
マウンティグブラケット7とから構成されている。尚、
符号5はエプロン,8は入力軸(連結ボルト)の挿通穴
を示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構造では、
ファーストマウンティング3からの入力はフロントクロ
スメンバ2とボデーマウントリィンフォース6を経由し
てフロントクロスメンバ2とラジエータサポート1との
溶接面2aとボデーマウントリィンフォース6とラジエ
ータサポート1との溶接面6aに入力される。この入力
は入力軸(連結ボルト)と溶接面2a,6aとのオフセ
ット量Lのため、溶接面であるスポット溶接の打点に剥
離方向にモーメント荷重が作用することになる。これに
対処するためにマウンティグブラケット7によってラジ
エータサポート1とフロントクロスメンバ2とを連結し
補強していた。
【0005】本発明の目的は、上記の問題点に鑑み、ラ
ジエータサポートとフロントクロスメンバとの溶接部に
作用するモーメントを小さくした自動車のフロントボデ
ー構造を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の構成要旨は、ボデー前部に設けられている
ラジエータサポートの下部前面に溶接された車幅方向に
延在するフロントクロスメンバと、このフロントクロス
メンバの両端部内で前記ラジエータサポートの下部前面
に溶接され、ファーストマウンティングと入力軸を介し
て連結しているボデーマウントリィンフォースとから構
成されたフロントボデー構造において、前記ラジエータ
サポート下部前面の前記フロントクロスメンバの両端部
の溶接面にビードを形成し、フロントクロスメンバを前
記ラジエータサポート下部前面とビード面とに渡って溶
接し、前記ラジエータサポートのビードの近傍に前記ボ
デーマウントリィンフォースを設け、このボデーマウン
トリィンフォースとファーストマウンティングとを入力
軸を介して連結したことを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、図1及び図2で示すよ
うに、ボデー前部に設けられているラジエータサポート
1の下部前面1aのフロントクロスメンバ2の両端部の
溶接面に後方へ凹曲した凹ビード9aを形成し、フロン
トクロスメンバ2の溶接面2aを前記ラジエータサポー
ト1の下部前面1aと凹ビード9aの凹曲面とに渡って
結合し、ボデーマウントリィンフォース6を前記凹ビー
ド9aの凹部内で溶接面6aによって凹ビード9aに溶
接した構成である。
【0008】また、ボデーマウントリィンフォース6は
図3で示すように、挿通穴8に挿通した連結ボルト10
(入力軸)を介してファーストマウンティング3と連結
されている。尚、図3の符号11はカラーを示す。
【0009】本発明は上記の構成により、ラジエータサ
ポート1の下部前面1aのフロントクロスメンバ2の両
端部の溶接面に形成した凹ビード9aの凹曲面とラジエ
ータサポート1の下部前面1aとに渡ってフロントクロ
スメンバ2の両端部の溶接面2aを溶接したことによ
り、ラジエータサポート1に対するフロントクロスメン
バ2の両端部の結合面積が前記凹ビード9aの傾斜面に
よって増加し、これにより、スポット熔接打点数の増加
と、ファーストマウンティング3から連結ボルト10
(入力軸)とフロントクロスメンバ2の両端部の溶接面
2a及びボデーマウントリィンフォース6の溶接面6a
とのオフセット量の減少によるスポット熔接打点への剥
離方向のモーメントを減少させることができ、溶接部の
強度が向上する。
【0010】
【実施例】前記ボデーマウントリィンフォース6とファ
ーストマウンティング3とを連結する連結ボルト10の
軸心を図2及び図3で示すように、ラジエータサポート
1の下部前面1aと同一線上1bに位置する。
【0011】上記ボデーマウントリィンフォース6とフ
ァーストマウティング3とを連結する連結ボルト10の
軸心をラジエータサポート1の下部前面1aと同一線上
1bに位置することにより、溶接打点への入力である前
記剥離方向のモーメントはこの下部前面1aの打点にお
いて剪断方向となり溶接打点の強度を充分活かすことが
でき、前記のフロントクロスメンバ2の両端部の溶接部
の強度が増大する作用に加えて、ファーストマウンティ
ング3からの連結ボルト10及びボデーマウントリィン
フォース6を介してフロントクロスメンバ2への入力が
ラジエータサポート1に下部前面1aと凹ビード9aの
傾斜面との溶接面に渡って応力が分散され、ラジエータ
サポート1とフロントクロスメンバ2とのスポット溶接
による溶接部に作用するモーメントが小さくなり、フロ
ントクロスメンバ2とラジエータサポート1とのスポッ
ト溶接部の剥離を防止する。
【0012】また、ビードは前記のように後方へ凹曲し
た凹ビード9aに限定されるものではなく図4に示すよ
うに、前方へ凸曲した凸ビード9bでも前述と同様なス
ポット熔接打点数の増加と剥離方向が剪断方向に入力を
変えることにより溶接部の強度向上が得られる。
【0013】この凸ビード9bの場合、ボデーマウント
リィンフォース6とファーストマウンティング3とを連
結する連結ボルト10の軸心を凸ビード9bの凸面と同
一線上1cに位置することにより、前記凹ビード9aに
よるラジエータサポート1の下部前面1aと同一線上1
bに位置した場合と同様にラジエータサポート1とフロ
ントクロスメンバ2とのスポット溶接による溶接部に作
用するモーメントが小さくなり、フロントクロスメンバ
2とラジエータサポート1とのスポット溶接部の剥離を
防止する。
【0014】
【発明の効果】以上のように本発明は、ラジエータサポ
ートの下部前面のフロントクロスメンバの両端部の溶接
面にビードを形成し、フロントクロスメンバをラジエー
タサポートの下部前面とビードとに渡って溶接した構造
であるから、ラジエータサポートとフロントクロスメン
バとのスポット溶接による溶接部に作用するモーメント
が小さくなり、フロントクロスメンバとラジエータサポ
ートとのスポット溶接部の剥離を防止することができ、
従来のマウンティグブラケットの部品と、その結合作業
工程を不要にするためコストの低減が図られる。
【0015】また、ボデーマウントリィンフォースとフ
ァーストマウンティングとを連結する連結ボルトの軸心
を凹ビートにおいてはラジエータサポートの下部前面と
同一線上に、また、凸ビードにおいては凸ビードの凸面
と同一線上に位置することにより、前記フロントクロス
メンバとラジエータサポートとのスポット溶接部の剥離
を防止する効果がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要部斜視図
【図2】図1のA−A線断面図
【図3】図2のB−B線拡大断面図
【図4】本発明の他の実施例を示す断面図
【図5】自動車のフロントボデー構造を示す斜視図
【図6】図5のD矢視部における従来構造の斜視図
【図7】図6のC−C線断面図
【符号の説明】
1 ラジエータサポート 1a ラジエータサポートの下部前面 1b ラジエータサポートの下部前面と同一線上 1c 凸ビードの凸面と同一線上 2 フロントクロスメンバ 2a 溶接面(フロントクロスメンバの) 3 ファーストマウンティング 6 ボデーマウントリィンフォース 6a 溶接面(ボデーマウントリィンフォースの) 8 挿通穴(連結ボルトの) 9a 凹ビード 9b 凸ビード 10 連結ボルト(入力軸)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 25/08 B62D 25/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボデー前部に設けられているラジエータ
    サポートの下部前面に溶接された車幅方向に延在するフ
    ロントクロスメンバと、このフロントクロスメンバの両
    端部内で前記ラジエータサポートの下部前面に溶接さ
    れ、ファーストマウンティングと入力軸を介して連結し
    ているボデーマウントリィンフォースとから構成された
    フロントボデー構造において、 前記ラジエータサポート下部前面の前記フロントクロス
    メンバの両端部の溶接面にビードを形成し、 フロントクロスメンバを前記ラジエータサポート下部前
    面とビード面とに渡って溶接し、 前記ラジエータサポートのビードの近傍に前記ボデーマ
    ウントリィンフォースを設け、このボデーマウントリィ
    ンフォースとファーストマウンティングとを入力軸を介
    して連結したことを特徴とする自動車のフロントボデー
    構造。
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