JPH0216971Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 Ａ 考案の目的 (1) 産業上の利用分野 本考案は、自転車の操縦者が使用する自転車用
ヘルメツトに関し、特に、帽体の前後方向中央地
帯に、その内外を連通する多数の通気孔を帽体の
前後方向に配列して穿設し、これら通気孔を相互
に連通する通気溝を帽体内面に設けたものの改良
に関する。

(2) 従来の技術 かかる自転車用ヘルメツトは、例えば実開昭59
−33724号公報に開示されているように、既に知
られている。

(3) 考案が解決しようとする問題点 従来のかかるヘルメツトでは、通気孔を帽体の
前後方向中央地帯にしか設けていないため、それ
ら通気孔に流入する走行風は主に帽体内部の前後
方向中央部を通過することになり、その左右両側
部の換気性が劣る欠点がある。

本考案は、かかる事情に鑑みてなされたもの
で、帽体内部の前後方向中央部のみならず、その
左右両側部をも良好に換気し得る自転車用ヘルメ
ツトを提供することを目的とする。

Ｂ 考案の構成 (1) 問題点を解決するための手段 上記目的を達成するために、本考案は、帽体の
前壁にその内外を連通する左右一対の補助通気孔
を前後方向中央地帯を挟んで穿設し、帽体内面に
付設されるクツシヨン片により、帽体の左右側部
を通して補助通気孔及び最後部の前記通気孔間を
連通する溝を画成したことを特徴とする。

(2) 作 用 自転車の走行中、その操縦者が装着した本考案
のヘルメツトの帽体に当たる走行風は、帽体前半
側の通気孔に流入し、帽体内部中央の通気溝を通
過して帽体後半側の通気孔より流出すると共に、
補助通気孔にも流入し、帽体内面の左右両側部の
溝を通過して最後部の前記通気孔より流出し、こ
れによつて帽体内部全体が換気される。

また、帽体内面の左右両側部の溝はクツシヨン
片で画成されるので、クツシヨン片は該溝を流れ
る風に接触することができ、したがつてクツシヨ
ン片が操縦者の汗で湿つても、該溝を通過する風
によりそれを乾燥させることができる。

(3) 実施例 以下、図面により本考案の一実施例について説
明すると、第１図ないし第５図において、自転車
用ヘルメツトの帽体１は、硬質強化樹脂製の半球
状シエル２と、このシエル２の内面に密合された
発泡スチーロル製の衝撃吸収ライナ３とから構成
され、衝撃吸収ライナ３の内面適所にはウレタン
フオーム製のクツシヨン片４が接着される。また
シエル２の左右両側下部には顎ベルト５の上端が
リベツト６により固着される。

帽体１の前後方向中央地帯１ａには、その内外
を連通する多数の通気孔７₁〜７₆が前後方向に２
列穿設され、各列の通気孔７₁〜７₆と連通するよ
うに前後方向に延びる通気溝８が衝撃吸収ライナ
３の内面に２条設けられる。

各通気孔７₁〜７₆は長径を帽体１の左右方向に
向けた長円形をなしており、そのシエル２側の開
口縁には補強兼化粧環９が嵌着される。

第３図に明示するように、帽体１の前半側の通
気孔７₁〜７₃は前方上向き且つ互いに平行に、ま
た後半側の通気孔７₄〜７₆は後方上向き且つ互い
に平行にそれぞれ傾斜して形成されると共に、前
半側の通気孔７₁〜７₃と後半側の通気孔７₄〜７₆
とが90゜に近い鈍角をなすように配置される。而
して、前半側の通気孔７₁〜７₃は、帽体１の前傾
使用時に略水平となる（第６図参照）。

また、帽体１の外面には、２列の通気孔７₁〜
７₆を穿設された前後方向中央地帯１ａを挟んで
左右一対の凹溝１０が凹入形成され、これら凹溝
１０，１０の側壁によつて前後方向中央地帯１ａ
が補強される。

また、帽体１の前後方向中央地帯１ａの外面に
は、左右方向に延びる多数の矩形凹部１１，１１
…が帽体１の前後方向に配列して凹入形成され、
これら凹部１１，１１…の底面に２列の前記通気
孔７₁〜７₆は開口するように配列される。そし
て、上記凹部１１，１１…の側壁によつて前後方
向中央地帯は更に補強される。

更に、左右両凹溝１０，１０において帽体１に
は最前部の通気孔７₁，７₁と並んで前方に開口す
る補助通気孔１２，１２が穿設され、これら補助
通気孔１２，１２の外方開口端にも補強兼化粧環
９が嵌着され、またこれら補助通気孔１２，１２
の内端は、衝撃吸収ライナ３の左右両側部内面に
クツシヨン片４で画成された溝１３，１３を介し
て最後部の通気孔７₆，７₆に連通される。

次にこの実施例の作用について説明する。い
ま、自転車の操縦者Ｍが高速走行のために、第６
図のように前傾姿勢をとると、帽体１の前半側の
通気孔７₁〜７₃は略水平状態となり、後半側の通
気孔７₄〜７₆は上方に向つてやや後方へ傾斜した
状態となる。したがつて、帽体１の前面に当たる
走行風は前半側の通気孔７₁〜７₃に動圧を効果的
に及ぼし、また帽体１の後面に流れる走行風は後
半側の通気孔７₄〜７₆に負圧を効果的に与えるの
で、走行風が前半側の通気孔７₁〜７₃に大量に流
入し、帽体２中央部内面の通気溝８を経て後半側
の通気孔７₄〜７₆から外部に排出され、これによ
つて帽体１内をよく換気することができる。

これと同時に、補助通気孔１２からも走行風が
流入し、帽体１側部内面に溝１３を経て最後部の
通気孔７₆から外部に排出され、帽体１内の換気
を一層良好に行うことができる。

操縦者Ｍが前傾姿勢から体を起こすと、帽体１
は第３図のように水平状態になり、その前半側の
通気孔７₁〜７₃は前方上向きの傾斜状態に戻るの
で、これら通気孔７₁〜７₃へ作用する走行風の動
圧は減少し、その結果通気孔７₁〜７₃から帽体１
内への走行風の流入量が減少し、帽体１の換気は
適度に弱められる。

ところで、２列の通気孔７₁〜７₆列を穿設した
帽体１の前後方向中央地帯１ａは、その両端で帽
体１の前後方向に延びる一対の凹溝１０，１０
と、該地帯１ａ上で左右方向に延びる多数の凹部
１１，１１…の各側壁により、２方向に補強され
るので、２列の通気孔７₁〜７₆列を互いに近接配
置しても帽体１の強度を損じることもない。

また、帽体１内面の左右両側部の溝１３はクツ
シヨン片４で画成されるので、クツシヨン片４は
該溝１３を流れる風に接触することができ、した
がつてクツシヨン片４が操縦者Ｍの汗で湿つて
も、該溝１３を通過する風によりそれを乾燥さ
せ、クツシヨン片４の汗による不快感を解消する
ことができる。

Ｃ 考案の効果 以上のように本考案によれば、帽体の前壁にそ
の内外を連通する左右一対の補助通気孔を前後方
向中央地帯を挟んで穿設し、帽体内面の左右側部
を通る溝を介して補助通気孔及び最後部の通気孔
間を連通したので、走行風を帽体内部の中央部の
みならず左右両側部にも通過させ、それにより帽
体内部全体を良好に換気し、使用者に爽快感を与
えることができる。

しかも、帽体内面の左右両側部の溝は、帽体内
面に付設されるクツシヨン片により画成されるの
で、クツシヨン片が操縦者の汗で湿つても、該溝
を通過する風によりそれを乾燥させることがで
き、したがつて、クツシヨン片の汗による不快感
を解消することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案ヘルメツトの一実施例を示すもの
で、第１図は斜視図、第２図は正面図、第３図は
第２図の−線断面図（水平使用状態）、第４
図及び第５図は第３図の−線及び−線断
面図、第６図は前傾使用状態側面図である。 １……帽体、２……シエル、３……衝撃吸収ラ
イナ、４……クツシヨン片、７₁〜７₆……通気
孔、８……通気溝、１２……補助通気孔、１３…
…溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 帽体１の前後方向中央地帯１ａに、その内外を
   連通する多数の通気孔７₁〜７₆を帽体１の前後方
   向に配列して穿設し、これら通気孔７₁〜７₆を相
   互に連通する通気溝８を帽体１内面に設けた自転
   車用ヘルメツトにおいて、 帽体１の前壁にその内外を連通する左右一対の
   補助通気孔１２を前後方向中央地帯１ａを挟んで
   穿設し、帽体１内面に付設されるクツシヨン片４
   により、帽体１の左右側部を通して補助通気孔１
   ２及び最後部の前記通気孔７₆間を連通する溝１
   ３を画成したことを特徴とする、自転車用ヘルメ
   ツト。