JPH0216719Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案は、水洗便所内に設けられ同便所内空間
を有効に利用することのできる水洗便所用収納具
に関する。

〔従来技術〕

従来、便所内に設置される水洗便器において、
便器洗浄用のタンクは便器後方の室内壁面に取り
付けるか、または便器本体後部に設けたタンク受
座上に載置する構成となつている。

和風便器の場合は、タンクの取り付けられる奥
側の壁面に向かつて前かがみのしやがみ姿勢で用
便するため、便器の奥側には空間部を設け、タン
クは壁の隅角部にロータンクとして取り付けられ
るのが一般的な据付形態となつている。

これに対して、洋風便器の場合は壁を背にして
座るため、便器後方はタンクを取り付けるだけで
ありその周辺の空間は高層住宅のような所では給
排水管等が配管されているのみで、ほとんど無用
の空間となつている。通常、この空間には汚物入
れや便器の掃除具が置かれるのであるが空間を有
効に分割して充分利用することができず、外観も
悪いという問題がある。

その他、便所内にはトイレツトペーパーなどの
収納場所を設けることが望ましく、花や人形を飾
りたいため棚を設けるということがなされている
が、いずれも便器との一体感に欠け、使用勝手が
不良であつた。

このような問題に対し、便所内の空間の有効利
用や外観の向上を図つたものとして、たとえば、
特開昭50−7344号や実開昭56−159480号公報に記
載されたものがある。これらは、便器本体の背部
側に取り付けた洗浄水タンクを含めて収納するキ
ヤビネツト状の収納具を便所奥側の間口全体に備
えたものである。このような収納具を便所に据え
付けると、内部を品物の収納空間とすることもで
きるし洗浄水タンクも見えないので便所の環境も
快適なものとすることができる。

しかし、洗浄水タンクは一般にボールタツプ式
であり、フロート部分が何らかの原因で作動不良
となつたりする恐れがあるので、この機能部を点
検できる構造とすることが必要である。したがつ
て、洗浄水タンクの全体を収納具でカバーしてし
まうと機能部の保守点検ができず、収納具を分解
する必要があり、手間がかかる。また、洗浄水に
洗浄液や芳香液を注入して便器を清浄に保つこと
も近年盛んであり、従来構造のものではこれらの
液の注入には適していない。

〔考案の目的〕

そこで、本考案は、洗浄水タンクの機能部の保
守点検が収納具を分解しなくても簡単に行えるよ
うにすると共に洗浄液や芳香壁等の注入も支障な
く行えるようにすることを目的とする。

〔考案の構成〕

本考案の水洗便所用収納具は、以上の目的を達
成するために、洗浄水タンクを背部側に一体に取
り付けた洋式の水洗便器本体を、前記洗浄水タン
クが便所の奥部壁に面する姿勢として据え付け、
前記洗浄水タンクを納める天板及び前面パネルを
備えて便所の間口全体にキヤビネツト状に設ける
収納具であつて、前記洗浄水タンクを無蓋式とす
ると共に、内蔵したボールタツプに玉鎖を介して
連接する操作ハンドルを前記天板の前縁に設けた
前垂れ部に突き通して取り付け、更に前記天板は
前記洗浄水タンクのほぼ真上に位置する部分に点
検口を備えると共に、該点検口に蓋を開閉自在に
取り付けたことを特徴とする。

上記構成により、便所内奥部側に設置される洗
浄水タンクを含む領域は収納部として便所内空間
を有効に利用でき、しかも収納部品を隠蔽して外
観を良好とすることができる。

〔実施例〕

以下、図面に示す実施例に基いて本考案を説明
する。

第１図は第１実施例を示す一部切欠側面図、第
２図は同平面図、第３図は据付状態を示す斜視
図、第４図は前面パネルの斜視図である。

図中１は、便所Ｌの床面Ｆ上に載置固定される
便器本体で、後端側にタンク受座２を形成し、同
タンク受座２上に洗浄水タンク３を便所Ｌの奥部
壁Ｗに近接して連結している。

同洗浄水タンク３内は従来と同様に操作ハンド
ル４に連係する玉鎖５により開閉するフラツパ弁
Ｖを有し、タンク受座２下部の給水路６に連通
し、同給水路６から便鉢７及びリム８内の通水路
（図示せず）に洗浄水を供給することができる。

また、洗浄水タンク３は第１図に示すように無
蓋式であり、玉鎖５と後述する操作ハンドルとの
結び付けは収納具の天板を取り付けるときに同時
に行なう。

Ａは本考案に係る水洗便所用収納具であり、便
所Ｌ内の間口方向に立設される前面パネル９及び
同前面パネル９の上端に前縁を支持された天板１
０とにより、奥部壁Ｗと洗浄水タンク３の前面３
ａ間の空間を分割している。

前面パネル９及び天板１０は共に切断可能な素
材、例えば化粧合板、FRP、または人口大理石
等を用い、その基準巾寸法は便所Ｌの間口寸法、
即ち両側部壁面Ｗ−１，Ｗ−２間の距離よりやや
巾広く成形しておき、現場寸法に合わせて切断し
組立てることができるようにする。

第４図において、前面パネル９の下部中央には
便器本体１の給水路６域巾に略等しい嵌合孔１１
が切欠状に形成され、左右には観音開き式の開閉
扉１２を蝶番１３により開閉自在に取付けてい
る。

天板１０は前縁部分を下に曲げて前垂れ部と
し、この前垂れ部の正面から操作ハンドル４のス
ピンドル４ａを貫通させている。そして、天板１
０には無蓋式の洗浄水タンク３のほぼ真上の位置
に点検口１０ａを開け、更にこの点検口１０ａに
開閉自在な蓋１４が設けられている。

また、１５は内部に所要組込まれる棚板であ
り、洗浄水タンク３と両側部壁面Ｗ−１，Ｗ−２
間に設けることができる。

上記収納具Ａの取付施工は、まず棚板１５を一
般の建築金物２０又は桟木等により固定し、間口
寸法に合わせて両端を切断した前面パネル９の嵌
合孔１１を便器本体１の対応部に嵌入して立設す
る。この前面パネル９の取付においても建築金物
や桟木を利用して強固に固定しておく。

次に、予め操作ハンドル４を取付けるとともに
間口寸法を調整した天板１０を前面パネル９の上
位に同様に建築金物２０や桟木を利用して水平状
態に固定し、点検口１０ａから操作ハンドル４の
スピンドル４ａと玉鎖５を連結すれば据付けが完
了する。

上記収納具Ａの据付により奥部壁Ｗ側の洗浄水
タンク３域の空間が分割され、内部を物品の収納
部Ｂとして便所Ｌ内空間を有効に利用できる。ま
た、内部にトイレツトペーパー、掃除道具その他
の備品は外部に露出しないので外観を良くでき、
天板１０をカウンタとしてその上面に様々な装飾
品を置けば、便所Ｌ内を快適空間とすることがで
きる。

第５図は第２実施例を示す据付状態の斜視図
で、本例は前面パネル９を二分割体とし、両者を
突き合せてジヨイナー等と接続金具で連結すると
ともに下端を便器本体１にビス止めするようにし
たものである。

第６図は前面パネル９の分解斜視図で左右対称
に製作された分割パネル９ａ，９ｂの対向面側を
便所Ｌの間口寸法に合わせるとともに、嵌合孔１
１を形成可能なように同図の一点鎖線で示すよう
に切断する。次にジヨイナー３０とビス３１によ
り両分割パネル９ａ，９ｂを一体連結し、壁面Ｗ
−１，Ｗ−２に建築金物や桟木を用いて固定す
る。さらに便器本体１の下部には第５図で示すよ
うにパネル固定座１ａが形成され、同固定座１ａ
を挿通するビス１ｂによりパネル９ａ，９ｂを確
実に固定できる。

本例でも他の構成要素は前述の実施例と同様で
あり、便所Ｌ内空間を有効に利用できるとともに
外観を良好となすことができる。

第７図は収納部Ｂ内の棚構造の他の例を示すも
ので棚板１５を床面Ｆに取付金具４０により固定
された縦杆４１及び補助杆４２に一体連結するよ
うにしたものである。縦杆４１は木製でもＬ形鋼
等の金属材を使用することができ、棚板１５は例
えば合板等の切断可能なものとすれば、現場の便
所内間口寸法に応じて容易に据付けることができ
る。

収納部Ｂの形成に際しては、まず縦杆４１と補
助杆４２でフレームを構築するとともに棚板１５
を取付けた後、前面パネル９及び天板１０をビス
等で連結すれば容易に据付けを行なうことができ
る。

この棚板１５構造では、同棚板１５は縦杆４１
により支持されてその重量は全て床面に負荷され
るので、便所Ｌ内の壁構造が強度的に不十分な場
合でも支障なく据付施工することができる。

尚、本実施例では洗浄水タンクを便器本体の後
部において載置連結する密結タイプ型便器につい
て述べたが、壁面に洗浄水タンクを取り付ける構
成の場合でも本考案を適用することができる。

〔効果〕

以上に説明したように、本考案の水洗便所用収
納具においては、洗浄水タンクのボールタツプ等
の機能部の保守点検用として収納具の天板に点検
口を設けている。このため、従来のように収納具
の天板を外したりして洗浄水タンクの保守点検を
行なう必要がなく、簡単に取り扱え、洗浄液や芳
香液等の補充や交換等も容易に行える。また、ボ
ールタツプに連接する操作ハンドルを天板に設け
ているので、そのスピンドルと弁に結び付けた玉
鎖との接続も点検口を利用すれば簡単であり、施
工面の改善も可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１実施例を示す一部切欠側面図、第
２図は同平面図、第３図は据付状態を示す斜視
図、第４図は前面パネルを示す斜視図、第５図は
第２実施例を示す据付斜視図、第６図は同第２実
施例における前面パネルの分解斜視図、第７図は
棚板構造の他の例を示す斜視図である。 １……便器本体、３……洗浄水タンク、４……
操作ハンドル、９……前面パネル、９ａ，９ｂ…
…分割パネル、１０……天板、Ａ……収納具、Ｂ
……収納部、Ｆ……床面、Ｌ……便所、Ｗ……奥
部壁、Ｗ−１，Ｗ−２……側部壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗浄水タンクを背部側に一体に取り付けた洋式
   の水洗便器本体を、前記洗浄水タンクが便所の奥
   部壁に面する姿勢として据え付け、前記洗浄水タ
   ンクを納める天板及び前面パネルを備えて便所の
   間口全体にキヤビネツト状に設ける収納具であつ
   て、前記洗浄水タンクを無蓋式とすると共に、内
   蔵したボールタツプに玉鎖を介して連接する操作
   ハンドルを前記天板の前縁に設けた前垂れ部に突
   き通して取り付け、更に前記天板は前記洗浄水タ
   ンクのほぼ真上に位置する部分に点検口を備える
   と共に、該点検口に蓋を開閉自在に取り付けたこ
   とを特徴とする水洗便所用収納具。