JP3975338B2 - 便器の扉付きキャビネット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、便器本体の後部上面に載置される洗浄タンクをカバーするキャビネットの側面板と、壁面との間に収納空間を設けてこれを開閉できるようにした便器の扉付きキャビネットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、便器本体の後部上面に載置される洗浄タンクのカバーの技術として、図4に示すものがある。この従来技術は、便器本体1の後部上面に載置される洗浄タンク2を覆うキャビネット3を箱状に形成し、便器本体1と洗浄タンク2を組み付けた後、洗浄タンク2の上方からこれに被せて施工している。そして、該キャビネット3とトイレ室壁面4との間には収納用のキャビネット5を配設するようにしている。これにより、洗浄タンク2を隠蔽することが可能であり、外観上の見栄えが良くなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記先願技術にあっては、洗浄タンク2を覆うキャビネット3と、収納用のキャビネット5とが予めボックス状に形成したものであるため、工場から出荷して施工現場までへの搬送過程において、多くのスペースを必要とし、しかも嵩高いので取扱いがしづらく、搬送作業に手間取るという欠点があった。
【0004】
またトイレ室の横幅寸法は、建物の間取りや現場において異なる。そのため、キャビネット3の両側面板3Aとの間に収納キャビネット等を配設する場合には、予め現場の寸法に合わせた収納キャビネット5の大きさに製造するか、若しくは寸法の異なる収納キャビネットを複数種類準備しておき、選択して現場寸法に合わせるようにしていた。ところが、この場合であっても、収納キャビネットと壁面との間に隙間が形成されることは避けられず、埃やゴミなどが堆積し、清掃もしづらいという欠点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は従来の前記課題に鑑みてこれを改良除去したものであって、キャビネットの構成部材を独立して単体で取り扱うことができ、しかも、壁面との隙間を無くすべく寸法調整のできる技術を提供せんとするものである。
【0006】
前記課題を解決するために本発明が採用した請求項1の手段は、便器本体の後部上面に載置される洗浄タンクをカバーするキャビネットであって、キャビネットの左右の側面板とトイレ室左右の壁面との間に、これら側面板と壁面で直接挟んだ左右の収納空間を形成し、左の側面板に左の収納空間を開閉する一個の左の扉を直接取り付けると共に、右の側面板に右の収納空間を開閉する一個の右の扉を直接取り付け、各扉は、固定板と固定板に重ねた可動板とから成り、可動板に形成した長孔を介してビスを緩めて可動板を固定板に対して進退させ、キャビネット側面板と壁面との間の寸法に応じて扉全体の幅調整ができるようにして、その寸法を対応する収納空間の大きさに合わせて収納空間を隠蔽するようにしたことを特徴とする便器の扉付きキャビネットである。
洗浄タンクをカバーするキャビネットの左右側面板と壁面との間に、それぞれ収納空間を設けてこれを扉で開閉して収納空間を隠蔽することで、収納空間を箱状のキャビネットで構成する従来技術に比較して扉の寸法を収納空間の大きさに合わせることが容易であり、壁面との間に隙間が形成されることはない。
また、固定板に重ねた可動板の位置を調整して扉寸法を収納空間の幅寸法に容易に合わせることができ、壁面との間に隙間が形成されることはない。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の構成を図面に示す発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りである。図1及び図2は本発明の第1の実施の形態に係るものであり、図1はトイレ室内へ組み込んだ状態を示すキャビネット6の正面図、図2の図(A)はキャビネット6の天板を取り除いた状態の平面図、図(B)は背板と左右の側面板との関係を示す背面側から見た斜視図、図(C)は扉の部分拡大横断面図である。同図に示す如く、この実施の形態のキャビネット6は、背板7と、左右の側面板8A,8Bと、前面板9と、天板10とからなる。
【0010】
背板7は、図2の図(A)及び図(B)に示すように、トイレ室の背面側の壁面11Aの間柱12若しくは横桟等があればこれらの建物躯体の骨組みに固定される。そして、この背板7に対して左右の側面板8A,8Bがビス13等により固定される。固定の順序としては、背板7に左右の側面板8A,8Bを取り付けた後、背板7を建物躯体側へビス13等により固定するようにすればよい。左右の側面板8A,8Bの下端側は、L型金具等を用いて床に固定すればよい。なお、左右の側面板8A,8Bの背面壁11A側の下部には、配管スペース又は幅木用の逃がし8Cが切欠き形成されている。更に、左右の側面板8A,8Bの上部壁面よりには、壁面11Aへ既に設置してある横桟若しくは補強材などの逃がし8Dが形成されている。
【0011】
前面板9は、上下に分割され、更に下部側が左右に分割されており、上部分割片9Aと、下部左側分割片9Bと、下部右側分割片9Cとから成る。上下に分割する位置は、便器本体15のリム通水路16の下方側にしている。これは、上下の分割ラインHが便器本体15の上面よりも低い位置に形成され、安定した印象を与えるからである。また前面板9の上下の分割片9A〜9Cを、便器本体15の形状に沿わせるように製作することが容易となるからである。
【0012】
上部分割片9Aの場合は、便器本体15の後部上面に上方から跨がることのできるようにコ字状の突出部17A,17Bを形成し、矩形状の切欠き18を設ければよい。また下部側の左右の分割片9B及び9Cについては、内側端面をそれぞれ便器本体15の左右側面形状に倣った形状にすればよく、リム通水路16の下方側の凹部に対応する位置には、該凹部に向かって突出する凸部19A,19Bが形成されている。これにより、便器本体15の左右側面のそれぞれについて独立して製作できるので、その作業が極めて容易である。これらの各分割片9A〜9Cは、左右の側面板8A,8Bの木口にダボ嵌合方式又はビスなどにより固定されている。
【0013】
また下部側の分割片9B及び9Cの内側縁には、可撓性を有する緩衝材(図示せず)が取り付けられており、便器本体15の外周面との間に隙間が形成されないようになされている。なお、天板10には、洗浄タンク21の手洗い吐水管22を含めた手洗い吐水部を外部へ導出するための開口が形成されている。
【0014】
またキャビネット6の左右には、それぞれ壁面11B,11Cとの間に形成された収納空間A及びBを開閉するための開閉扉24及び25が設けられている。なお、前記天板10は、キャビネット6と、収納空間A及びBを含めた左右の開閉扉24及び25の全体に被さるように一体的に形成されている。左右の開閉扉24,25はそれぞれ固定板24A,25Aと可動板24B,25Bとを備えており、可動板24B,25Bを固定板24A,25Aに対して移動させて、左右の壁面11A,11Bまでの寸法に合わせることができるようになされている。寸法調整は、図2の図(C)に示すように、可動板24B,25Bに長孔26を形成し、ビス27を緩めて可動板24B,25Bを固定板24A,25Aに対して進退させることにより行っている。開閉扉24及び25の開閉は、キャビネットの側面板8A,8Bに取り付けたヒンジ28を介して行うようになされている。開閉扉24及び25を開閉することにより、収納空間A及びBに物を収納したり、取り出したりできるようになっている。
【0015】
図3は、本発明外の第2の実施の形態に係るキャビネット29の正面図である。同図に示す如く、この実施の形態にあっては、収納空間A及びBを開閉するための開閉扉30及び31を、それぞれ一枚の板で構成している。一枚の板であれば、現場において、寸法に合わせた切断が容易である。なお、切断端面には、端面を覆う化粧材を嵌合装着すればよい。その他の構成並びに作用効果は、前記第1の実施の形態の場合と同じである。
【0016】
ところで、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、適宜の変更が可能である。例えば、開閉扉24,25の前面側には、把手32を設けるようにしてもよく、また押す度に、開と閉とを繰り返す把手のいらないマグネット式の開閉扉であってもよい。更に、天板10から手洗い吐水部が突出することのない便器の場合には、天板10の上面全面をカウンターとして利用することも可能である。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のキャビネットは、便器本体の後部上面に載置される洗浄タンクをカバーするキャビネットであって、キャビネットの左右の側面板と壁面との間に、キャビネットの側面板とトイレ室の壁面で直接挟んだ左右の収納空間を形成し、左右の側面板の各々に対応する収納空間を開閉する一個の扉を直接取り付け、各扉が、固定板と固定板に重ねた可動板とから成り、可動板に形成した長孔を介してビスを緩めて可動板を固定板に対して進退させ、キャビネット側面板と壁面との間の寸法に応じて扉全体の幅調整をできるようにして、その寸法を対応する収納空間の大きさに合わせて収納空間を隠蔽するようにしてあるので、可動板の位置を調整して扉寸法を収納空間の幅寸法に容易に合わせることができ、収納空間を箱状のキャビネットで構成する従来技術に比較して扉の寸法を収納空間の大きさに合わせることが容易であり、壁面との間に隙間が形成されることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るキャビネットを、トイレ室内へ組み込んだ状態の正面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るものであり、図(A)はキャビネットの天板を取り除いた状態の平面図、図(B)は背板と左右の側面板との関係を示す背面側から見た斜視図、図(C)は扉の部分拡大横断面図である。
【図3】本発明外の第2の実施の形態に係るキャビネットの天板を取り除いた状態の平面図である。
【図4】従来技術に係る便器本体へ取り付けたキャビネットの斜視図である。
【符号の説明】
6…キャビネット、7…背板、8A,8B…側面板、8C…幅木逃がし、8D…補強材逃がし、9…前面板、10…天板、11A…トイレ室背面壁面、11B,11C…トイレ室左右の壁面、12…間柱、13…ビス、15…便器本体、21…洗浄タンク、24,25…開閉扉、24A,25A…固定板、24B,25B…可動板、26…長孔、27…ビス、28…ヒンジ
Claims (1)
- 便器本体の後部上面に載置される洗浄タンクをカバーするキャビネットであって、キャビネットの左右の側面板とトイレ室左右の壁面との間に、これら側面板と壁面で直接挟んだ左右の収納空間を形成し、左の側面板に左の収納空間を開閉する一個の左の扉を直接取り付けると共に、右の側面板に右の収納空間を開閉する一個の右の扉を直接取り付け、各扉は、固定板と固定板に重ねた可動板とから成り、可動板に形成した長孔を介してビスを緩めて可動板を固定板に対して進退させ、キャビネット側面板と壁面との間の寸法に応じて扉全体の幅調整ができるようにして、その寸法を対応する収納空間の大きさに合わせて収納空間を隠蔽するようにしたことを特徴とする便器の扉付きキャビネット。
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Country Status (1)
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- 2002-05-08 JP JP2002132460A patent/JP3975338B2/ja not_active Expired - Lifetime
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