JP4114042B2 - 間口調整用カウンター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、便器本体の後部上面に載置される洗浄タンクをカバーするキャビネットや洗面所等に設けられるカウンターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、便器本体の後部上面に載置される洗浄タンクをカバーするキャビネットのカウンターの技術として、図5及び図6に示すものがある。この従来技術は、便器本体1の後部上面に載置される洗浄タンク2を覆うキャビネット3を箱状に形成し、便器本体1と洗浄タンク2を組み付けた後、洗浄タンク2の上方からこれに被せて施工している。そして、該キャビネット3の上面側開口4にカウンター5を配設している。
【0003】
カウンター5は、端部側に切断用の溝6が複数個設けられている。これは、トイレ室内の間口寸法に応じた溝6の位置で溝6に沿ってカウンター5を切断することにより、カウンター5の長さ寸法をトイレ室内の間口寸法に合わせるように調整するためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来技術にあっては、複数個の溝6が並列して連続的に設けられているために、強度上の問題があり、曲げ応力等が作用すると容易に破断されるという問題があった。また正面側から溝6の端面が見え、見栄えが極めて悪いという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は従来の前記課題に鑑みてこれを改良除去したものであって、強度上の問題がなく、また間口調整のための切断作業が容易に行えるカウンターを提供せんとするものである。
【0006】
前記課題を解決するために本発明が採用した請求項1の手段は、カウンターの長手方向端部に設けた開口調整範囲の裏面に、長手方向へ伸びる凹条を短手方向の全幅にわたり複数形成し、凹条どうしの間及び前後両端に強度を確保するためのリブを形成し、凹条の幅寸法をリブの幅寸法よりも大きく形成したことを特徴とする間口調整用カウンターである。
凹条が長手方向へ伸びるものであり、各凹条の範囲内において、カウンターを凹条とクロスする短手方向で切断することにより、現場における切断作業が極めて容易であり、建物室内の間口寸法にカウンターの長さ寸法を合わせることが容易である。しかも、凹条どうしの間にリブが形成されているため、当該凹条部分の強度を確保することができ、曲げ応力等によって簡単に破断するというようなことはない。
【0007】
本発明が採用した請求項2の手段は、カウンターの長手方向端部に設けた開口調整範囲に、カウンター端面に開口し長手方向へ伸びる空洞を短手方向の全幅にわたり複数形成し、空洞どうしの間及び前後両端にリブが形成され、当該リブはカウンターの表面側の厚み部分から裏面側の厚み部分まで連続しており、空洞の幅寸法をリブの幅寸法よりも大きく形成したことを特徴とする間口調整用カウンターである。
この請求項2の発明では、空洞部の分だけカウンターの切断作業時の負担が軽減されるので、現場における切断作業が極めて容易であり、やはり建物室内の間口寸法にカウンターの長さ寸法を合わせることが容易である。しかも、空洞部どうしの間には、カウンターの表面側の厚み部分から裏面側の厚み部分まで連続するリブが形成されており、空洞部の介在する領域におけるカウンターの十分な強度を確保することができるので、曲げ応力等によってカウンターが簡単に破断するというようなことはない。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の構成を図面に示す発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りである。図1乃至図3は本発明の第1の実施の形態に係るものであり、図1はトイレ室内へ組み込んだ状態を示すキャビネット7の正面図、図2の図(A)はキャビネット7のカウンター8を取り除いた状態の平面図、図(B)は背板9と左右の側面板10A,10Bとの関係を示す背面側から見た斜視図、図(C)は扉11の部分拡大横断面図である。同図に示す如く、この実施の形態のキャビネット7は、背板9と、左右の側面板10A,10Bと、前面板12と、カウンター8とからなる。
【0009】
背板9は、図2の図(A)及び図(B)に示すように、トイレ室の背面側の壁面13Aの間柱14若しくは横桟等があればこれらの建物躯体の骨組みに固定される。そして、この背板9に対して左右の側面板10A,10Bがビス15等により固定される。固定の順序としては、背板9に左右の側面板10A,10Bを取り付けた後、背板9を建物躯体側へビス15等により固定するようにすればよい。左右の側面板10A,10Bの下端側は、L型金具等を用いて床に固定すればよい。なお、左右の側面板10A,10Bの背面壁13A側の下部には、配管スペース又は幅木用の逃がし10Cが切欠き形成されている。更に、左右の側面板10A,10Bの上部壁面よりには、壁面13Aへ既に設置してある横桟若しくは補強材などの逃がし10Dが形成されている。
【0010】
前面板12は、上下に分割され、更に下部側が左右に分割されており、上部分割片12Aと、下部左側分割片12Bと、下部右側分割片12Cとから成る。上下に分割する位置は、便器本体16のリム通水路17の下方側にしている。これは、上下の分割ラインHが便器本体16の上面よりも低い位置に形成され、安定した印象を与えるからである。また別な前面板12の上下の分割片12A〜12Cを、便器本体16の形状に沿わせるように製作することが容易となるからである。
【0011】
上部分割片12Aの場合は、便器本体16の後部上面に上方から跨がることのできるようにコ字状の突出部18A,18Bを形成し、矩形状の切欠き19を設ければよい。また下部側の左右の分割片12B及び12Cについては、内側端面をそれぞれ便器本体16の左右側面形状に倣った形状にすればよく、リム通水路17の下方側の凹部に対応する位置には、該凹部に向かって突出する凸部20A,20Bが形成されている。これにより、便器本体15の左右側面のそれぞれについて独立して製作できるので、その作業が極めて容易である。これらの各分割片12A〜12Cは、左右の側面板10A,10Bの木口にダボ嵌合方式又はビスなどにより固定されている。
【0012】
また下部側の分割片12B及び12Cの内側縁には、可撓性を有する緩衝材(図示せず)が取り付けられており、便器本体16の外周面との間に隙間が形成されないようになされている。
【0013】
またキャビネット7の左右には、それぞれ壁面13B,13Cとの間に形成された収納空間A及びBを開閉するための開閉扉11が設けられている。左右の開閉扉11,11は、それぞれ固定板11Aと可動板11Bとを備えており、可動板11Bを固定板11Aに対して移動させて、左右の壁面13A,13Bまでの寸法に合わせることができるようになされている。寸法調整は、図2の図(C)に示すように、可動板11Bに長孔21を形成し、ビス22を緩めて可動板11Bを固定板11Aに対して進退させることにより行っている。開閉扉11の開閉は、キャビネットの側面板10A,10Bに取り付けたヒンジ23を介して行うようになされている。開閉扉11,11を開閉することにより、収納空間A及びBに物を収納したり、取り出したりできるようになっている。
【0014】
ところで、カウンター8は、図1に示すように、キャビネット7と、収納空間A及びBを含めた左右の開閉扉11,11の全体に被さるように一体的に形成されている。またカウンター8は、図1及び図3に示すように、洗浄タンク24の手洗い吐水管25を含めた手洗い鉢部26を外部へ導出するための開口27が形成されている。更に図3に示す如く、カウンター8の長手方向の端部裏面には、長手方向へ伸びる凹条28が短手方向の全幅にわたり複数形成されており、凹条28どうしの間に強度を確保するためのリブ29が形成されている。図3に示すとおり、凹条28の幅寸法は、リブ29の幅寸法よりも大きく形成されている。
【0015】
凹条28は、トイレ室内の間口寸法に対処するためのものである。すなわち、凹条28が設けられている開口調整範囲内において、カウンター8をトイレ室内の間口寸法に合わせて凹条28とクロスする短手方向で切断することにより、建物室内の間口寸法にカウンター8の長さ寸法を合わせることが容易である。しかも、凹条28の空間の分だけ現場における切断作業が不要となり、切断作業が極めて容易である。一方、凹条28どうしの間及び前後の両端には、リブ29が形成されているため、当該凹条28が設けられている部分の強度を確保することができ、曲げ応力等によって簡単に破断するというようなことはない。
【0016】
図4は、本発明の第2の実施の形態に係るカウンター30の部分断面斜視図である。同図に示す如く、この実施の形態にあっては、カウンター30の長手方向端面に開口し長手方向へ伸びる空洞31を短手方向の全幅にわたり複数形成している。空洞31どうしの間及び両端側には、やはりリブ32が形成されている。図4に示すとおり、空洞31の幅寸法は、リブ32の幅寸法よりも大きく形成されている。空洞31が設けられている開口調整範囲内において、カウンター30をトイレ室内の間口寸法に合わせて空洞31とクロスする短手方向で切断することにより、建物室内の間口寸法にカウンター30の長さ寸法を合わせることが容易である。しかも、空洞30の空間の分だけ現場における切断作業が不要となり、切断作業が極めて容易である。一方、空洞30どうしの間及び前後の両端には、カウンター30の表面側の厚み部分33から裏面側の厚み部分34まで連続するリブ32が形成されているため、当該空洞30が設けられている部分の強度を確保することができ、曲げ応力等によって簡単に破断するというようなことはない。
【0017】
ところで、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、適宜の変更が可能である。例えば、カウンターは、トイレ室に設置される便器本体の洗浄タンクをカバーするキャビネットのものに限られず、洗面所のカウンターやその他の通常の棚のように間口寸法に合わせる必要のある箇所に用いられるものであれば、同様に適用可能である。またカウンターの長手方向端面に設けた凹条及び空洞は、カウンターの片方の端面に設けた場合のみを説明したが、両端に設けてもよい。この場合は、間口調整範囲が倍になるという利点がある。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように本発明にあっては、カウンターの長手方向端部裏面に、長手方向へ伸びる凹条を複数形成し、凹条どうしの間に強度を確保するためのリブを形成したから、各凹条の範囲内において、カウンターを凹条とクロスする方向で切断することにより、現場における切断作業が極めて容易であり、建物室内の間口寸法にカウンターの長さ寸法を合わせることが容易である。しかも、凹条どうしの間にリブが形成されているため、当該凹条部分の強度を確保することができ、曲げ応力等によって簡単に破断するというようなこともない。
【0019】
また本発明にあっては、カウンターの長手方向端面に、長手方向へ伸びる空洞を複数形成している。この空洞部の構成であっても、前記凹条と同一の作用効果を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るキャビネットを、トイレ室内へ組み込んだ状態の正面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るものであり、図(A)はキャビネットの天板を取り除いた状態の平面図、図(B)は背板と左右の側面板との関係を示す背面側から見た斜視図、図(C)は扉の部分拡大横断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るカウンターの端部裏面形状を示す部分斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るカウンターの端部裏面形状を示す部分断面斜視図である。
【図5】従来のトイレ室に設置された便器及びその洗浄タンクカバー用のキャビネットに設けられるカウンターの全体を示す斜視図である。
【図6】従来の洗浄タンクのキャビネットに設けられるカウンターを拡大して示す斜視図である。
【符号の説明】
7…キャビネット、8…カウンター、16…便器本体、24…洗浄タンク、28…凹条、29…リブ、30…カウンター、31…空洞、32…リブ
Claims (2)
- カウンターの長手方向端部に設けた開口調整範囲の裏面に、長手方向へ伸びる凹条を短手方向の全幅にわたり複数形成し、凹条どうしの間及び前後両端に強度を確保するためのリブを形成し、凹条の幅寸法をリブの幅寸法よりも大きく形成したことを特徴とする間口調整用カウンター。
- カウンターの長手方向端部に設けた開口調整範囲に、カウンター端面に開口し長手方向へ伸びる空洞を短手方向の全幅にわたり複数形成し、空洞どうしの間及び前後両端にリブが形成され、当該リブはカウンターの表面側の厚み部分から裏面側の厚み部分まで連続しており、空洞の幅寸法をリブの幅寸法よりも大きく形成したことを特徴とする間口調整用カウンター。
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