JPH02141529A - 表面性状に優れた深絞り用熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

表面性状に優れた深絞り用熱延鋼板の製造方法

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JPH02141529A
JPH02141529A JP29227088A JP29227088A JPH02141529A JP H02141529 A JPH02141529 A JP H02141529A JP 29227088 A JP29227088 A JP 29227088A JP 29227088 A JP29227088 A JP 29227088A JP H02141529 A JPH02141529 A JP H02141529A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、自動車用鋼板等に使用される深絞り性に優
れた熱延鋼板の製造方法に関するものである。
(従来の技術) 自動車用鋼板等に使用される深絞り用薄鋼板は、その特
性として高いランクフォード値(r値)と高い延性(E
2)を有すること、そしてとくに自動車用外板に使用さ
れる場合には、鋼板表面欠陥等のない優れた表面性状で
あることが要求される。
このような深絞り用鋼板は、Ar+変態点以上で熱間圧
延を終了した後、冷間圧延により最終板厚の薄板とし、
しかる後再結晶焼鈍を施して製造する冷延鋼板が一般に
使用されていた。ところで近年、低コスト化を目的とし
て、従来冷延鋼板を使用していた部材を熱延鋼板で代替
しようとする要求が高まってきた。
ここに従来の加工用熱延鋼板は、加工性、特に延性を確
保するため、未再結晶フェライト組織ができるのをさけ
、Ar3変態点以上で圧延を終了していた。そのため、
一般にはT→α変態時に集合組織がランダム化するため
、深絞り性は冷延鋼板に比べて著しく劣っていた。
深絞り性に優れた熱延鋼板の製造方法はいくつか開示さ
れている。例えば特開昭59−226149号公報では
、C: 0.002 i1t%(以下単に%で示す)、
Si : 0.02%、Mn : 0.23%、P :
 0.009%、S:0、008%、A1 : 0.0
25%、N : 0.0021%、Ti:0.10%の
低炭素A1キルド鋼を500〜900℃で潤滑を施しつ
つ76%の圧延にて1.6IIIIl]板厚の鋼帯とす
ることにより、r =1.21程度の特性を有する薄鋼
板の製造例が示されている。また特開昭62−1925
39号公報では、C: o、oos%、Si : 0.
04%、Mn : 1.53%、P:0.015%、S
:0.004%、Ti : 0.068%、Nb : 
0.024%の低炭素Alキルド鋼をAr+〜Ars 
+150℃で92%の圧延を施すことにより、r =1
.41程度の特性を有する薄鋼板の製造例が示されてい
る。
(発明が解決しようとする課題) ところで前記した特開昭59−226149号公報記載
の方法においては、焼鈍処理を施さないものについては
、得られるr値は高々1.21と低いものである。さら
に熱延後再結晶焼鈍を施しても、得られるr値は高々1
.51であり、深絞り性を十分に満たしているとは言い
難く、しかも0.10%という多量のTiを添加してい
るため表面性状の劣化は免れ得ない。また特開昭62−
192539号公報記載の方法においては、T域にて熱
延を終了し、その後のT→α変態による変態集合組織を
利用しているため、必然的にr値の異方性が大きくなり
、Δr=−1,2と非常に大きく、さらに得られるr値
にも限度があり、高々1.41と深絞り性を十分に満た
しているとは言い難い。
この発明は、鋼成分と圧延条件を適切に規制することに
より、冷延工程あるいは冷延−焼鈍工程を省略して、従
来の冷延鋼板と遜色のない深絞り性を有する表面性状の
優れた薄鋼板の製造法を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) この発明の基礎となった研究結果からまず述べる。C:
 0.001〜0.008%、Si : 0.01%、
hn:0.1〜0.4%、P : 0.008〜0.0
15%、S : 0.002〜0.02%、 N  :
  0.001〜0.008  %、 Ti:O〜0.
1%を含有する鋼を1150℃で加熱−均熱後、粗圧延
を行い、引き続き全圧下率=90%の仕上圧延を行った
。この時、仕上圧延開始温度を調整することにより、熱
延仕上温度を700℃と一定にした。そして引き続き7
00℃−1hrの巻取自己焼鈍処理を施した。
なお、仕上圧延は潤滑圧延とした。
熱延板のr値におよぼす鋼成分の影響を第1図に示す。
r値は鋼成分に強く依存し、2 X 10− 4≦Ti
/48(C/12 + N/14 + S/32)とす
ることにより著しく向上した。
また、C: o、ooi 〜o、ooa%、Si : 
0.01%、Mn=0.1〜0.4%、p : o、o
os〜0.015%、S : 0.002〜0.02%
、N : 0.001〜0.008%、Ti : 0.
02〜0゜1%、Nb:0〜0.05%でかつTi/4
8  (C/12 +N/14+S/32)= 3X1
0−’〜9X10−’になる組成の鋼を1150”Cで
加熱−均熱後、粗圧延を行い、引き続き全圧下率:90
%の仕上圧延を行った。この時、仕上圧延開始温度を調
整することにより、熱延仕上温度を700℃と一定にし
た。そして引き続き、700℃1hrの巻取自己焼鈍処
理を施した。なお、仕上圧延は潤滑圧延とした。
熱延板のr値およびEI!、におよぼす鋼成分の影響を
図2に示す。r値およびEffiは鋼成分に強く依存し
、0.015%≦Nb≦0.040%とすることにより
著しく向上した。
また、C: 0.002%、Si : 0.01%、M
n:0.1%、P:0.01%、S : 0.008%
、N : 0.002%、Ti:0.052%、Nb 
: 0.025%になる組成の鋼を1150℃で加熱−
均熱後、粗圧延を行い、引き続き全圧下率:90%の仕
上圧延を行った。この時、粗圧延開始温度を調整するこ
とにより、粗圧延終了温度(1?DT)を880℃〜1
060℃と変化させた。仕上圧延は仕上圧延開始温度を
調整することにより、熱延仕上温度を700℃と一定に
した。引き続き700℃−1hrの巻取自己焼鈍処理を
施した。なお、仕上圧延は潤滑圧延とした。
熱延板のr値におよぼす粗圧延終了温度の影響を第3図
に示す。r値はRDTに強く依存し、ROT≦950℃
とすることにより著しく向上した。
また、C: 0.002%、Si : 0.01%、M
n : 0.1%、P:0.01%、S F 0.01
0%、N : 0.002%、Ti:0.050%、N
b : 0.022%の組成になる鋼を1150℃で加
熱−均熱後、粗圧延を行い、引き続き全圧下率:90%
の仕上圧延を行った。この時、仕上圧延開始温度を調整
することにより、熱延仕上温度を680〜750℃と変
化させた。そして引き続き650〜750℃の温度域で
lhrの巻取焼鈍処理を施した。
なお仕上圧延は潤滑圧延とした。熱延板のr値におよぼ
す巻取り温度の影響を第4図に示す。r値は(PDT)
 −(CT)に依存し、(FDT) −(CT)510
0℃とすることにより著しく向上した。
本発明者らは以上の実験結果をもとに、その後研究を重
ねた結果、以下のように鋼の成分組成および製造条件を
規制することにより、表面性状および深絞り性に優れた
熱延鋼板が製造可能となることを見いだした。その要旨
は、 1、 C: 0.008wt%以下、Si : 0.5
 wt%以下、Mn : 0.4wt%以下、 P :
 0.15wt%以下、s:o、o22重丸以下、八I
: 0.010〜0.10賀t%、N : 0.008
wt%以下およびJib : 0.015〜0.04w
t%、を含有しかつC,N、Sの量とTiの添加量とが
、2X10−4≦Ti/48  (C/12+N/14
+S/32)≦l0XIO−’ を満足する鋼を、950 ’C以下Ar3変態点以上の
温度域で粗圧延した後、Ar3変態点以下600℃以上
の温度域で潤滑しつつ、合計圧下率が80%以上の1 
〇− 仕上圧延を施し、次いで熱延仕上温度(FDT)と巻取
り温度(CT)とが、 (FDT) −(CT)5100℃かつ(CT)≧60
0℃になる関係を満たす条件下で巻取ることを特徴とす
る、表面性状に優れた深絞り用熱延鋼板の製造方法。
2、C: 0.008智t%以下、Si : 0.5 
wt%t%、Mn : 0.4wt%以下、 P : 
0.15wt%以下、S : 0.02wt%以下、A
l : 0.010〜0.10wt%、N : 0.0
08騙t%以下、Nb : 0.015〜0.04−t
%およびB : 0.0001〜0.0010wt%ヲ
含有しかつC,N、Sの量とTiの添加量とが、2X1
0−’≦Ti/48− (C/12 + N/14 +
 S/32)≦10X10−’ を満足する鋼を、950℃以下Arz変態点以上の温度
域で粗圧延した後、Ar3変態点以下600℃以上の温
度域で潤滑しつつ、合計圧下率が80%以上の仕上圧延
を施し、次いで熱延仕上温度(FDT)と巻取り温度(
CT)とが、 (FDT) −(CT)5100℃かつ(CT)260
0℃になる関係を満たす条件下で巻取ることを特徴とす
る、表面性状に優れた深絞り用熱延鋼板の製造方法。
3、 C: 0.002wt%以下、Si : 0.5
 wt%t%、Mn : O,ht%t%、 P :0
.15wt%以下、S : 0.02wt%以下、Al
 : 0.010〜0.10wt%、N : 0.00
8i%以下およびNb : 0.015〜0.04賀t
%を含有しかつC,N、Sの量とTiの添加量とが、2
X10−’≦Ti/48− (C/12+N/14+S
/32)≦l0XIO−’ を満足する鋼を、950℃以下Ar+変態点以上の温度
域で粗圧延した後、Ar3変態点以下500℃以上の温
度域で潤滑しつつ、合計圧下率が80%以上の仕上圧延
を施し、次いで再結晶焼鈍を行うことを特徴とする、表
面性状に優れた深絞り用熱延鋼板の製造方法。
4、 C: 0.008wt%以下、Si : 0.5
 wt%t%、Mn : 0.4wt%以下、 P :
 0.15wt%以下、S : 0.02wt%以下、
Al : 0.010〜0.10iyt%、N : 0
.008d%以下、Nb : 0.015〜0.04賀
t%およびB : O,0O01〜O,0OLOyt%
を含有しかつC,N、  Sの量とTiの添加量とが、
2X10−’≦Ti/48− (C/12+N/14+
S/32)≦10 X 10− ’ を満足する鋼を、950℃以下Ar+変態点以上の温度
域で粗圧延した後、Ar3変態点以下500℃以上の温
度域で潤滑しつつ、合計圧下率が80%以上の仕上げ圧
延を施し、次いで再結晶焼鈍を行うことを特徴とする、
表面性状に優れた深絞り用熱延鋼板の製造方法。
(作 用) 以下、この発明について詳細に説明する。
(1)鋼成分 この発明においては鋼成分は重要であり、C: o、o
oa%以下、Si : 0.5%以下、Mn : 0.
4%以下、 p:o、ts%以下、S : 0.02%
以下、 Al : 0.010〜0.10%、N : 
0.008%以下、Nb : 0.015〜0.04%
、で、かっC,N、Sの量とTiの添加量は2X10−
’≦Ti/48−(C/12十N/14+S/32)≦
10X10−’ でなければならない。さらに、耐2次加工脆性およびr
値の異方性の改善のために B : 0.0001〜0.0010%添加する必要が
ある。
鋼成分が上記の条件を満たさなければ、優れた深絞り性
を得ることができない。以下、各々の成分についての限
定理由を説明する。
(a)  C: 0.008%以下 Cは少なければ少ないほど深絞り性が向上するので好ま
しいが、その含有量が0.008%以下ではさほど悪影
響をおよぼさないので0.008%以下に限定した。
(b)  Si : 0.5%以下 Siは鋼を強化する作用があり、所望の強度に応じて必
要量添加されるが、その添加量が0.5%を越えると深
絞り性に悪影響をおよぼすので0.5%以下に限定した
(c)  Mn : 0.4%以下 Mnは鋼を強化する作用があり、所望の強度に応じて必
要量添加されるが、その添加量が0.4%を越えると深
絞り性に悪影響をおよぼすので0.4%以下に限定した
(d)  P:0.15%以下 Pは鋼を強化する作用があり、所望の強度に応じて必要
量添加されるが、その添加量が0.15%を越えると深
絞り性に悪影響をおよぼすので0.15%以下に限定し
た。
(e)  S : 0.02%以下 Sは少なければ少ないほど深絞り性が向上するので好ま
しいが、その含有量が0.02%以下ではさほど悪影響
をおよぼさないので0.02%以下に限定した。
(f)  Al F 0.010〜0.10%Alは脱
酸を行い、炭窒化物形成元素の歩留向上のために必要に
応じて添加されるが、0.010%以下だと添加効果が
なく、一方0.10%を越えて添加してもより一層の脱
酸効果は得られないため、0.010〜0.10%に限
定した。
(→ N : 0.008%以下 Nは少なければ少ないほど深絞り性が向上するので好ま
しいが、その含有量がo、oos%以下ではさほど悪影
響をおよぼさないので0.008%以下に限定した。
Q′l)  2 Xl0−’≦Ti/48− (C/1
2+N/14+S/32)≦l0XIO−’ Tiは炭窒化物形成元素であり、鋼中の固溶(C。
N)を低減させ、深絞り性に有利な(111)方位を優
先的に形成させるために添加される。その添加量が2x
lO−’>Ti/48  (c/12+N/14+S/
32) T:は鋼中の固溶(C,N)が多量に存在する
ため深絞り性が劣り、一方Ti/4B −(C/12十
N/14) >l0X10−4では、Tiの介在物に起
因する多数の表面欠陥が生成し、その結果最終製品の鋼
板表面性状が悪くなる。そコT: T iは2 X 1
0− 4≦Ti/48  (C/12十N/14+S/
32)≦l0XIO−’を満足する範囲で添加すること
とした。
(i)  Nb : 0.015〜0.040%Nbは
炭化物形成元素であるが、この発明では鋼中の固溶(C
,N)がTiにより析出固定されているため、Nbは固
溶状態にある。この発明のごとく高温域での圧延におい
ては、圧延時に導入される加工ひずみは冷間圧延時に比
べて蓄積しにくいが固溶Nbが存在すると、加工ひずみ
が蓄積されやすい。そしてその添加量が0.015%未
満ではその効果がなく、一方、0.040%を超えて添
加すると、延性の低下につながるので0.015〜0.
040%に限定した。また、Nb添加は圧延前組織の微
細化にを効である。すなわち、たとえ鋼中の固溶(C,
N)がな(ても、仕上圧延前組織が粗大であると、圧延
時に導入されるひずみが蓄積されないため(111)方
位が形成されにくくなるが、仕上圧延前組織が微細であ
ると、ひずみが蓄積されやすくなり、その結果(111
)方位が優先的に形成され、深絞り性が向上する。
(j)  B : 0.0001〜0.0010%Bは
耐2次加工脆性の改善に有効であるとともに、r値の異
方性の改善にも有効である。すなわち、NbとBが共存
した場合には、Nb添加材に比べて結晶粒が微細になり
、その結果、r値の異方性(Δr)が小さくなる。その
添加量が0.0001%未満では効果がなく、一方、o
、ooio%を越えると深絞り性が劣化するので0.0
001〜0.0010%に限定した。
(2)圧延工程 圧延工程はこの発明において重要であり、粗圧延を95
0℃以下Ar3変態点以上の温度域で終了した後、Ar
t変態点以下600℃以上の温度域で潤滑を施しつつ、
合計圧下率が80%以上で、かつ熱延仕上温度(FDT
)と巻取り温度(CT)とが、(F[lT) −(CT
)6100℃かつ(CT)≧600 ”Cなる関係を満
たす条件下で圧延を行うか、あるいは粗圧延を950℃
以下Ar+変態点以上の温度域で終了した後、Arz変
態点以下500℃以上の温度域で潤滑を施しつつ、合計
圧下率が80%以上の圧延を施した後、再結晶焼鈍を行
う必要がある。
粗圧延を950℃以上の温度域にて終了した場合には、
粗圧延後すなわち仕上圧延前の組織が粗大となるため、
仕上圧延時に導入されるひずみが蓄積されにくくなり、
その結果(111)方位が形成されにくくなる。また、
Ar3変態点未満の温度域にて終了した場合には、粗圧
延時に(100)方位が形成されるため、深絞り性が劣
化する。一方、950℃以下Ar3変態点以上の温度域
にて粗圧延を終了した場合には、仕上圧延前組織が微細
になるため、仕上圧延時に導入されるひずみが蓄積され
やすくなり、その結果(111)方位が優先的に形成さ
れ、深絞り性が向上する。なお、粗圧延時の圧下率は、
組織微細化のため50%以上が望ましい。
また、仕上圧延をAr+変態点以上の温度域にて終了す
ると、γ→α変態により集合組織がランダム化し、優れ
た深絞り性が得られない。一方、仕上温度を500℃以
下に下げても、より一層の深絞り性の向上は望めず、圧
延荷重が増大するのみであるので、圧延温度をAr、変
態点以下500℃以上とした。
また、仕上圧延時の合計圧下率を80%以上にしないと
、圧延時に(111)方位が形成されないため、深絞り
性が劣る。
さらに、仕上圧延時に潤滑圧延を行わないと、ロールと
鋼板との間の摩擦力により、鋼板表層部に付加的剪断力
が働き、その結果、鋼板表層部に深絞り性に好ましくな
い(110)方位が優先的に形成されるために、深絞り
性が劣化する。そのため、潤滑圧延は必要である。
なお、圧延後再結晶焼鈍を施さない巻取り自己焼鈍材で
は、巻取り温度が600 ’C以上でないと再結晶が完
了しないため、CT≧600℃とした。また、深絞り性
の向上には圧延温度は低い方が、また巻取り温度は高い
方が有利である。そのため、熱延仕上温度(FDT)と
巻取り温度(CT)とが(FDT) −(CT)510
0℃を満たす条件下で圧延を施す必要がある。
なお、熱間圧延後、再結晶焼鈍を施すものについては、
巻取り自己焼鈍は必要ないため、熱延終了温度を500
℃以上とし、さらに、巻取り温度も低温でよい。
熱延後の再結晶焼鈍は、連続焼鈍あるいは箱型焼鈍のど
ちらでもよい。焼鈍温度は、550〜950℃の範囲が
適する。また加熱速度も10℃/hr〜50℃/Sの範
囲でよい。
(実施例) 表1に示す組成になる鋼スラブを1150℃で加熱均熱
後、950℃−Ar1変態点の温度域で圧下率80%の
粗圧延を行い引き続き仕上圧延にて厚さ1.2mmの熱
延板とした。この時の粗圧延終了温度(RDT) 、仕
上圧延終了温度(FDT) 、Ar3変態点以下600
℃以上の温度域での圧下率、巻取り温度(CT)および
潤滑の有無および酸洗後の熱延板の材料特性を表2に併
せて示す。
なお引張特性はJIS 5号引張試験片を使用して測定
し、r値は15%引張予ひずみを与えた後、3点法にて
測定し、L方向(圧延方向)、D方向(圧延方向に45
°方向)およびC方向(圧延方向に90°方向)の平均
値および異方性 r= (rt +2 rt+ +rc ) /4、Δr
= (rt −2rD +rc ) /2として求めた
。また耐2次加工脆性の評価としては、限界絞り比3.
8にて加工した円筒型サンプルを一50℃に冷却した後
、圧潰試験を行い、晩性割れの発生の有無にて評価し、
鋼板表面性状については、最終製品1コイル(20トン
)中の表面欠陥(通常の冷延鋼板で言われている表面き
ず等のことを意味する)数で判断し、表面欠陥数が3個
未満のものを表面性状が優れているとした。
タ ※ 立 り 心 セ この発明に従って製造した熱延鋼板は、比較例に比べて
優れた表面性状、深絞り性および耐2次加工脆性を有す
ることが分かる。
また、表1に示す組成になる鋼スラブを1150℃にて
加熱−均熱後、上記と同様の粗圧延を行った後、仕上圧
延を行った。この時の粗圧延終了温度(RDT) 、仕
上圧延終了温度(FDT) 、Ar3変態点以下500
℃以上の温度域での圧下率、巻取温り温度(CT)およ
び潤滑の有無を表3に示す。熱延板は酸洗後、No、1
2〜17については830 ”C,60sの急速加熱焼
鈍を、又No、18〜22については750℃+  5
hrの箱型焼鈍を施した。
焼鈍後の熱延板の材料特性を表3に併せて示す。
この発明によって製造した熱延鋼板は、比較例に比べて
優れた表面性状、深絞り性および耐2次加工脆性を有す
ることが分かる。
(発明の効果) この発明によれば、冷延工程あるいは冷延−焼鈍工程を
省略しても、冷延鋼板と同等の深絞り性に優れた熱延鋼
板の製造が可能となり、従来の冷延鋼板の製造に比べて
大幅なコストダウンが実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、熱延鋼板の7値におよぼす鋼成分の影響を示
すグラフ、 第2図は、熱延鋼板の7値およびElにおよぼすNb量
の影響を示すグラフ、 第3図は、熱延鋼板のr値におよぼす粗圧延終了温度の
影響を示すグラフである。 第4図は熱延鋼板のr値におよぼす仕上圧延温度および
巻取り温度の影響を示すグラフである。 第1図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、C:0.008wt%以下、Si:0.5wt%以
    下、Mn:0.4wt%以下、P:0.15wt%以下
    、S:0.02wt%以下、Al:0.010〜0.1
    0wt%、N:0.008wt%以下およびNb:0.
    015〜0.04wt%、 を含有しかつC、N、Sの量とTiの添加量とが、 2×10^−^4≦Ti/48−(C/12+N/14
    +S/32)≦10×10^−^4 を満足する鋼を、950℃以下Ar_3変態点以上の温
    度域で粗圧延した後、Ar_3変態点以下600℃以上
    の温度域で潤滑しつつ、合計圧下率が80%以上の仕上
    圧延を施し、次いで熱延仕上温度(FDT)と巻取り温
    度(CT)とが、(FDT)−(CT)≦1000Cか
    つ(CT)≧600℃になる関係を満たす条件下で巻取
    ることを特徴とする、表面性状に優れた深絞り用熱延鋼
    板の製造方法。 2、C:0.008wt%以下、Si:0.5wt%以
    下、Mn:0.4wt%以下、P:0.15wt%以下
    、S:0.02wt%以下、Al:0.010〜0.1
    0wt%、N:0.008wt%以下、Nb:0.01
    5〜0.04wt%およびB:0.0001〜0.00
    10wt%を含有しかつC、N、Sの量とTiの添加量
    とが、 2×10^−^4≦Ti/48−(C/12+N/14
    +S/32)≦10×10^−^4 を満足する鋼を、950℃以下Ar_3変態点以上の温
    度域で粗圧延した後、Ar_3変態点以下600℃以上
    の温度域で潤滑しつつ、合計圧下率が80%以上の仕上
    圧延を施し、次いで熱延仕上温度(FDT)と巻取り温
    度(CT)とが (FDT)−(CT)≦100℃かつ(CT)≧600
    ℃になる関係を満たす条件下で巻取ることを特徴とする
    、表面性状に優れた深絞り用熱延鋼板の製造方法。 3、C:0.008wt%以下、Si:0.5wt%以
    下、Mn:0.4wt%以下、P:0.15wt%以下
    、S:0.02wt%以下、Al:0.010〜0.1
    0wt%、N:0.008wt%以下およびNb:0.
    015〜0.04wt% を含有しかつC、N、Sの量とTiの添加量とが、 2×10^−^4≦Ti/48−(C/12+N/14
    +S/32)≦10×10^−^4 を満足する鋼を、950℃以下Ar_3変態点以上の温
    度域で粗圧延した後、Ar_3変態点以下500℃以上
    の温度域で潤滑しつつ、合計圧下率が80%以上の仕上
    圧延を施し、次いで再結晶焼鈍を行うことを特徴とする
    、表面性状に優れた深絞り用熱延鋼板の製造方法。 4、C:0.008wt%以下、Si:0.5wt%以
    下、Mn:0.4wt%以下、P:0.15wt%以下
    、S:0.02wt%以下、Al:0.010〜0.1
    0wt%、N:0.008wt%以下、Nb:0.01
    5〜0.04wt%およびB:0.0001〜0.00
    10wt%を含有しかつC、N、Sの量とTiの添加量
    とが、 2×10^−^4≦Ti/48−(C/12+N/14
    +S/32)≦10×10^−^4 を満足する鋼を、950℃以下Ar_3変態点以上の温
    度域で粗圧延した後、Ar_3変態点以下500℃以上
    の温度域で潤滑しつつ、合計圧下率が80%以上の仕上
    げ圧延を施し、次いで再結晶焼鈍を行うことを特徴とす
    る、表面性状に優れた深絞り用熱延鋼板の製造方法。
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