JPH0199740A - 高強度ステンレス鋼ボルトの製造方法 - Google Patents

高強度ステンレス鋼ボルトの製造方法

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JPH0199740A
JPH0199740A JP25633287A JP25633287A JPH0199740A JP H0199740 A JPH0199740 A JP H0199740A JP 25633287 A JP25633287 A JP 25633287A JP 25633287 A JP25633287 A JP 25633287A JP H0199740 A JPH0199740 A JP H0199740A
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Susumu Isobe
磯部 晋
Michio Okabe
道生 岡部
Motoe Niihara
新原 基衛
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TOYO SEISEN KK
Daido Steel Co Ltd
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TOYO SEISEN KK
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、特に野外等の腐食環境下や非磁性が要求され
る条件下の何れの場合にも使用可能で、角形頭部を有す
る高強度ステンレス鋼ボルトの製造方法に関する。
(従来技術及び発明が解決しようとする問題点)従来、
建築用、自動車部品用のボルトとしては、低合金構造用
鋼よりなる高強度ボルトが使用されている。この低合金
構造用鋼は、炭素鋼に少量のCr、Mo、Niを添加す
ることより焼入性や焼き戻し軟化抵抗性を調節したもの
で、基本的には焼入処理により母相をマルテンサイト組
織とし、これを焼き戻して炭化物を析出、分散させて゛
高強度を得るようにしている。
ところが、上記低合金構造用鋼は耐食性が極めて低いた
め、腐食環境下での使用には耐えない。
従って、高強度の必要性からこの低合金構造用鋼を用い
る場合には、ボルト製造後にメツキや塗装等の表面被覆
を施すことが必要となるため、コストが上昇し、且つ、
長期間使用時の信転性に欠けるという不都合がある。更
に、低合金構造用鋼ボルトは強磁性を示すので、例えば
、VTR1各種コンピュータ等の電子機器に使用される
ボルト等、非磁性が要求される用途に適用することがで
きない。
従って、厳しい腐食環境下では、耐食性に優れたオース
テナイト系ステンレス鋼を使用しているが、オーステナ
イト系ステンレス鋼は強度が低いという問題がある。こ
のオーステナイト系ステンレス鋼に冷間加工を施すと強
度は上昇するものの、加工硬化が著しく、しかも加工誘
起マルテンサイトが生成してボルト成形が困難となり、
その上透磁率も上昇するという問題が生じる。
一方、六角ボルト等角形頭部を存するボルトは、通常、
先ず頭部となる素材部を据え込み、偏平にした後、トリ
ミングダイスで頭部を角形に打ち抜<(トリマ一方式)
ことにより製造されている。
しかしながら、この方法では、材料の歩留りが悪く、頭
部の塑性変形の流れ(メタルフロー)を切断するので強
度的に充分でないという問題がある。しかも、頭部成形
時に大きな塑性変形が加わり加工硬化するので、高強度
の材料になるほどトリンミングが困難になり、ダイスの
寿命も短くなってしまう、従って、従来のトリマ一方式
は引張強さが70 kgf/ms 2以上のボルト成形
には、経済的にみて適さない、このトリミングの問題を
避けるために、頭部を角形に予備成形し、次工程で位置
決め、型鍛造する方法が徒案されているが、しかし、位
置決めが困難であり、頭部形状を寸法精度よく成形する
ことができないという問題がある。
このように、従来は、高強度ボルトの素材として、低合
金構造用鋼は耐食性及び磁性の点で、又、オーステナイ
ト系ステンレス鋼は強度とオニステナイト相の安定性の
点で夫々問題を有しており、更に、従来のボルトの製造
方法は、高強度材に適用するには充分でないという問題
がある。
本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、高
強度及び耐食性を備え、更に、非磁性が要求される用途
にも使用可能な高強度ステンレス鋼ボルトを高い歩留り
で低順に製造する方法を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段および作用)本発明者ら
は、高強度ボルトの素材及び製造工程の両者につき検討
を重ねた結果、先ず、高強度ボルトの素材として、本発
明者らの先の出願にかかる非磁性高強度ステンレス鋼(
特開昭62−20855号)の各成分元素を更に特定の
範囲に限定すると、高強度ボルトとして必要な冷間加工
性と強度を確保できるということを見出した。即ち、変
形初期の強度が高く、伸線とボルト成形時の軽い冷間加
工により90 kgf/wm”以上の引張強さが得られ
、しかも、加工硬化が小さいので大きな塑性変形が加わ
るボルト頭部の強度は5US304より低く、充分加工
できるものである。そして、頭部強度は通常のSUSX
M7より高いので量産時のトリミング成形には困難性を
伴うが、頭部程度の変形量では、割れ等の問題はない。
そこで、型圧造で総代を精度良く成形する、所謂「イン
デント方式J(特願昭62−69953号)を採用した
ところ、90 kgf/wm”以上の引張強さと72 
kgf/+u+”以上の0.2%耐力とを兼ね備えた高
強度ステンレス鋼ボルトを製造しうることが確認された
即ち、本発明の高強度ステンレス鋼ボルトの製造方法に
よれば、重量%で、c:o、ot〜0.05%、S i
 :0.1〜1.0%、Mn : 1. 0〜3. 0
%、P:0.03%以下、S:0.03%以下、Cu:
1.0〜4.0%、Ni:8〜16%、Cr:16〜2
2%、N:0.05〜0.35%、Al :0.05%
以下、Mg:o、oot〜0,050%、Ca : 0
.001〜0.050%を含有すると共に、V:0.0
3〜0.30%、Ti:0.03〜0.30%、及びN
b+Ta : 0.03〜0.30%のうちの少なくと
も1種を含有し、残部実質的にFe及び不可避不純物か
らなり、素材製造とボルト成形時の冷間加工量との関係
が、次式:%式% であり、式■中、C,N、・・・、Nb、 Taは各元
素の重量%を示す、又、εは冷間加工歪(真否で正の値
にとる)を示す、) を満足するように成分調整されたステンレス鋼よりなる
線材又は棒材に固溶化処理を施したのち、冷間加工を施
し゛、次いで該棒材を一定寸法に切断すると同時に該切
断された材料を圧造部へ移送してパンチとダイスとによ
り鍛圧し軸部の一端に所定の頭部形状を有するボルト材
を製造する方法であって、該製造工程が、頭部となる部
分を残して軸部に前記素材製造時の冷間加工と合わせて
減面率で20%以上の絞り加工を施し当該軸部分の先端
に円筒頭部を成形する第1の工程と、該円筒頭部をダイ
ス型孔より突出するように据込んでパンチで叩打し先端
が偏平な円錐頭部とする第2の工程と、該第2の工程で
得られたボルト材を所定形状のダイス型孔に没入するよ
うにパンチで据込んで頭部の頂面に凹みを形成すると同
時に頭部の外周を所定形状に張り出すように圧造する第
3の工程と、該頭部をダイス型孔より突出するように支
持した状態で頭部の凹みを端面矯正する第4の工程とか
らなり、更に、ねじ成形を行った後、300〜600℃
で時効処理を飾すこととしたものである。
以下に、本発明の製造方法に使用されるステンレス鋼の
成分元素の組成範囲の限定理由について説明する。
c:o、o1〜0.05% Cは、母相に固溶して基地を強化する一方、炭窒化物の
形成元素としても強力に作用する。しかも、オーステナ
イトを安定化し、加工誘起マルテンサイトを抑制する作
用が大きい、そこで、このような作用を得るために0.
01%以上とした。
しかし、0.05%を超えると、冷間加工性及び耐食性
が著しく劣化するのでその上限をO8・05%とした。
N:0.05〜0.35% Nは、Cと同様に基地の強化と加工誘起マルテンサイト
の抑制、並びに、耐食性及び耐孔食性の向上に寄与する
元素である。このような効果を得るためには、0.05
%以上添加することが必要である。しかし、多過ぎると
鋼塊溶製時の気泡生成が多くなると共に分塊時の加工性
が低下するため、その上限を0.35とした。
Si1.1〜1.0% S目よ、製鋼時の脱酸剤として炭化される元素であり、
このような作用を得るためには0.1%以上必要である
。しかし、1.0%を超えて添加すると、フェライトが
生成し易くなるのみならず、冷間加工性が低下するので
その上限を1. 0%とした。
Mn : 1.0〜3.0% Mnは、製鋼時の脱酸及び脱硫剤として添加され、且つ
Nの溶解度を増加すると共に、加工誘起マルテンサイト
を抑制する効果がある。この効果を得るためには、1.
0%以上添加する必要がある。しかし、3.0%を超え
ると加工硬化が増大し、冷間加工性を低下させ、しかも
、耐食性を劣化させるためその上限を3.0%とした。
AN:0.05%p下 ANは、通常脱酸剤として使用されるが、多量に含有す
るとAnを形成し、有効なNilを減少させると共に、
酸化物系介在物として残留して熱間及び冷間加工性を阻
害するので、その上限を0.05%とした。
M:O,OO1〜0.050% Mgは、ANと共に脱酸剤として作用すると共に、有害
なSを固定して熱間加工性を向上させ、N添加による加
工性の劣化を補うのに資する元素である。しかし、0.
001%未満では充分な効果が得られず、一方、0.0
50%を超えて添加してもその効果は飽和してしまうの
で、0.001〜0.050%の範囲とした。
Ca : 0.001〜0.050% Caは、被削性及び熱間加工性の向上のために0.00
1%以上添加する必要があるが、0.050%を超える
と効果が飽和するので、その上限を0.050%とした
ヱユ0.03!覧肱下 Pは、耐食性を劣化させる元素であるため極力少量に抑
えることが好ましく、その上限を0.03%とした。
Cu : 1.0〜4.0% Cuは、耐食性を向上させ、しかも、加工硬化率を低下
させて冷間加工性を向上させるのに有効な元素である。
このような効果を充分に発揮させるためには、1.0%
以上添加する必要があるが、多過ぎると熱間加工性を阻
害するので、その上限を4.0%とした。
Ni:8〜16% Niは、オーステナイト安定化元素であり、ステンレス
鋼をオーステナイト相とするための主要な元素であると
同時に、加工誘起マルテンサイトの抑制にも必要な元素
である。そして、これを8%以上含存させればオーステ
ナイト単相の組織が得られ、含有量が多いほどオーステ
ナイト相は安定となり、冷間加工性も向上するが、Ni
は高価であるため経済性を勘案して8〜16の範囲とし
た。
Cr:16〜22% Crは、耐食性を向上させるのに寄与する元素であり、
このような効果を得るために16%以上含存させる必要
があるが、多量に添加するとフェライトを生成するので
16〜22%の範囲とした。
V:0,03〜0.30% ■は炭窒化物を形成し、結晶粒を微細化して強化に寄与
する元素である。しかし、0.03未満ではこのような
効果が得られず、0.30%を超えるとその効果が飽和
すると共に冷間加工性が低下するので、添加量を0.0
3〜0.30%の範囲とした。
Ti:0.03〜0.30% TiはVと同様に炭窒化物を形成し、結晶粒を微細化し
て基地の強化に寄与する元素である。しかし、0.03
%未満ではこのような効果を充分に発揮させることがで
きず、一方、0.30%を超えるとその効果が飽和する
と共に冷間加工性が低下するので、添加量を0.03〜
0.30%の範囲とした。
Nb十Ta : 0,03〜0.30%Nb、Taは、
■と同様に炭窒化物を形成し、結晶粒の微細化により基
地の強化に寄与する。しかし、0.03%未満ではこの
効果を充分に発揮させることができず、一方、多量に添
加すると窒化物が介在物として残留し、冷間加工性を阻
害するので、特に強度が必要な場合にNb及びTaの1
種もしくは2種を添加する。但し、その上限は冷間加工
性を害さないように0.30%とする必要がある。
本発明においては、上記の■、Ti及びNb+Taのう
ち、少なくとも1種を含有する必要がある。
更に、上記した組成のステンレス鋼は、前述の式■及び
■を満足するように成分調整される。これは前述した特
開昭62−20855号公報に詳細に記載したように、
冷間加工性及び耐遅れ破壊性にとって有害である加工誘
起マルテンサイトの生成を抑制するために必要である。
次に、本発明の製造工程を添付図面に基づき、順を追っ
て説明する。
先ず、上記した成分組成のステンレス鋼よりなる線材又
は棒材に固溶化処理を施した後、脱スケールを行い、次
いで、潤滑被膜処理を施し、更に軽い冷間加工を施した
のち、この連続した線材又は棒材を送り装置によりコイ
ルの先端口へ間欠的に移送して当該先端口を横切るよう
に移動する可動ナイフで切断することにより一定の長さ
のボルト材1を得る(第1図(a)、第2図(b))。
このボルト材lは切断と同時に圧造部に送り込まれ、第
1の工程の圧造が行われる。この工程では、ダイス21
の直前に運ばれたボルト材lをパンチ11によりダイス
型孔21aに押し込んで叩打し、これによって軸部1a
の前半が絞られ残りの部分が頭部1bとなったボルト材
l°が得られる(第1図(ロ)、第2図(ロ))0本発
明の製造方法においては、この絞り加工の減面率を素材
製造時の冷間加工の減面率と合わせて20%以上となる
ように決定することが必要である。この減面率が20%
未満である場合には、得られたボルトの引張強さが90
 kgf/as 2未満となり、強度的に充分とはなら
ない。
パンチ11が後退し、ダイス型孔21a内よりノックア
ウトピン31が突出して第1の工程のボルト材1を押し
出すと、それをトランスファチャックで掴んで第2の工
程へ移送する。
第2の工程では、第1の工程で得られたボルト材1°を
頭部1bが第2ダイス22の型孔22aから突出した状
態で軸部1aが据込まれるように圧入し、頭部1bを第
2のパンチ12で叩打すると、軸部1aはそのままで頭
部1bが押圧変形して先端が偏平な円錐頭部ICとなり
、ボルト材1”が得られる(第1図(C)、第2図(C
))。
第3の工程では、角形頭部を圧造により成形するため、
第3ダイス23は軸孔23aとその入口側に角形孔23
bとからなるダイス金型が用いられ、対応する第3パン
チ13は角形孔23bを密閉するように嵌合する突軸1
3aを先端に有するものが用いられ、且つ突軸13aの
端面に小球突起13bを有するものが用いられる。
この第3バンチ13により第2工程で得られたボルト材
1″を第3ダイス23に据込み圧入叩打すると、軸部1
aはそのままであるが頭部ICは一気に角形に圧造され
て角形頭部1dとなり、同時にその頭部1dの頂面に球
状の凹みleが形成されたボルト材10が得られる(第
1図(d)、第2図(d))。
この第3の工程における頭部頂面の凹み1eにより外周
への肉の張り出しが強くなり、且つ、それが密閉した空
間で行われるために一層角形が先鋭となる。又、この第
3工程では第2工程で得られたボルト材1′を第3ダイ
ス23へ据込む際には頭部ICは未だ円形であるため、
方向性を考慮する必要がない。
第4の工程においては、第3の工程で得られたボルト材
10をノックアウトピン33で押し出してトランスファ
チャックで第4ダイス24の直前に運び第4バンチ14
によって頭部整形を行う。
第4の工程では第3の工程で形成された角形頭部1dの
頂部凹み1eを矯正するために第4ダイス24にボルト
材10の軸部1aを首下で支持するように据込み、パン
チ側は型孔14aの底部14bを平面にしたものが用い
られる。又、この場合のパンチ型孔14aは角形頭部1
dの対角寸法を直径とする円形に形成したものが用いら
れる。
このような第4パンチ14と第4ダイス24でボルト材
10の頭部1dを押圧叩打すると外周の角形はそのまま
で頂部の凹み1eのみが平面となって正規の角形頭部1
rとなり、ボルト材完成品20が得られる(第1図(e
)、第2図(e))、尚、この工程における頭部の凹み
の端面矯正用パンチとしては、頭部の対角寸法に内接す
る円形孔パンチもしくは対角寸法に内接する円形型孔で
且つその周縁にリード角をもつパンチを使用することが
好ましい。
しかるのち、これをノックアウト34にて押し出し、別
途にその完成品20にねじ切りを行えば軸部1aの先端
に角形頭部1fをもち、且つ、軸部1aにねし1gが刻
設されたボルト製品30が得られる(第2図(f))、
更に、これに300〜600°Cの時効処理を施すと、
引張強さが90 kgf/ms+以上、0.2%耐力が
72kgf/mm2以上のボルトが得られる。
上記した製造工程において、角形頭部の圧造を最終2工
程で行い頭部頂面の凹み成形により角形の張り出しを1
回の圧造により確実に行い、しかも組織の流れに連続性
が損なわれないため強度が大幅に向上する。又、最終2
工程、特に最終工程において、ボルト材の方向性を問題
にしなくてもよいため、ボルトホーマによるボルトの圧
造を簡単にしかも高精度で行うことができる。
更に、最終工程ではトリマーパンチによるトリミングを
行わないため材料ロスが全く生じず、材料の節減を図り
コストを低減することが可能となる。
加えて、パンチ及びダイスの寿命が大幅に長くなり、生
産性並びに作業性を著しく向上させることができるとい
う利点がある。
尚、本発明の高強度ステンレス鋼ボルトの製造方法は上
記した六角形頭部を有するものに限らず、種々の形状、
例えば、四角、丸等の頭部を有するボルトに適用するこ
とが可能である。
(実施例) 第1表に示した各成分組成を有するステンレス鋼を大気
溶解、炉外精練により溶製した。しかるのち、分塊圧延
、線材圧延、線引及び固溶化処理の各工程を経て供試材
を得た。
このようにして得られた各材料の室温圧縮試験における
変形抵抗(真応力)σと圧縮塑性歪(真否)εとの関係
を第1図に示した。尚、各供試材の0.2%耐力及び引
張強さ、並びに、各供試材について、上記式■の右辺及
び左辺の値を計算した結果、その関係が上記式■を満足
するものをO1満足しないものを×として第1表中に示
した。
(以下余白) 第1表及び第1図からも明らかなように、各供試材とも
ボルト頭部の変形量に近いε=1.6まで変形したが、
すべての材料で割れは発生しなかった。尚、5LIS3
04.5US316及び5US304N2t!加工硬化
量が大きく、g=1.6で変形抵抗が200kgf/a
s”以上であり、頭部の変形には大きな加工力を要し、
またトリミングダイスへの負荷も大きいことが確認され
た。加えて、5US304と5US316は強度も低い
又、ボルトに多用されているSUSXM7は、加工硬化
量が小さ(冷間加工性に優れているものの、強度が低い
これに対して、本発明において使用するステンレス鋼A
−Eは、何れも強度が高く、しかも、加工硬化量が小さ
い、又、ε=1.6の変形抵抗も150〜170kgf
/ms+2とSUSXM7よりは高いも+7)(7)、
5US304.5IIS316及び5US304N2に
比べると大幅に低い、従って、ステンレス鋼A〜Eは高
強度ステンレス鋼ボルトの素材として極めて有用である
ことが確認された。
次に、上記した本発明の鋼種のうち、鋼Aを用いて、冷
間加工減面率と頭部成形法とを変えてM12ボルトを製
造し、時効処理を施した時の結果を第2表に示した0表
からも明らかなように、A鋼を用いて、インデント方式
で頭部の成形を行うと製造性が極めて良好となる。又、
軸部及びねじ部に、素材製造時の減面率とボルト成形時
の減面率との合計が20%以上のものは、90 kgf
/sn”以上の引張強さを有していることが確認された
一方、従来材であるSUSXM7では強度が低い。
(発明の効果) 以上説明したように本発明によれば、重量%で、C:0
.01〜0.05%、Si1.1〜1. 0%、Mn 
: 1.0〜3.0%、p:o、o3%以下、S:0.
03%以下、Cu:1.0〜4.0%、Ni:8〜16
%、Cr:16〜22%、N:0.05〜0.35%、
Al:0.05%以下、Mg:O,OO1〜0.050
%、Ca : 0.001〜0.050%を含有すると
共に、v:o、o3〜0.30%、Ti :0.03〜
0.30%、及びNb+Ta:0.03〜0.30%の
うちの少なくとも1種を含有し、残部実質的にFe及び
不可避不純物からなり、素材製造とボルト成形時の冷間
加工量との関係が、次式; %式% であり、式■中、CSN、・・・、Nb、 Taは各元
素の重量%を示す、又、εは冷間加工歪(真否で正の値
にとる)を示す、) を満足するように成分調整されたステンレス鋼よりなる
線材又は棒材に固溶化処理を施したのち、冷間加工を施
し、次いで該棒材を一定寸法に切断すると同時に該切断
された材料を圧造部へ移送してパンチとダイスとにより
鍛圧し軸部の一端に所定形状の頭部を有するボルト材を
製造する方法であって、該製造工程が、頭部となる部分
を残して軸部に前記素材製造時の冷間加工と合わせて減
面率で20%以上の絞り加工を施し当該軸部分の先端に
円筒頭部を成形する第1の工程と、該円筒頭部をダイス
型孔より突出するように据込んでパンチで叩打し先端が
偏平な円錐頭部とする第2の工程と、該第2の工程で得
られたボルト材を所定形状のダイス型孔に没入するよう
にパンチで据込んで頭部の頂面に凹みを形成すると同時
に頭部の外周を所定形状に張り出すように圧造する第3
の工程と、該頭部をダイス型孔より突出するように支持
した状態で頭部の凹みを端面矯正する第4の工程とから
なり、更に、ねじ成形を行った後、300〜600°C
で時効処理を施すこととしたので、耐食性に優れた非磁
性高強度ボルトを安価に製造することが可能となる。従
って、野外等の腐食環境下で使用される建築用高強度ボ
ルトや装置の外装用ボルトに適用した場合、信顛性が向
上し、塗装等の表面被覆が不要となり、経済性が著しく
向上するという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の各製造工程における圧造部の横断平面
図、第2図は本発明によるボルトの製造工程順を示す一
部破断側面図、第3図はオーステナイト系ステンレス鋼
の変形抵抗(真応力)と圧縮塑性歪(真否)との関係を
示すグラフである。 1・・・材料、1”、1”、10,20・・・ボルト材
、la・・・軸部、lb、lc・・・頭部、1d、1r
・・・角形頭部、11.12.13.14・・・パンチ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量%で、C:0.01〜0.05%、Si:0
    .1〜1.0%、Mn:1.0〜3.0%、P:0.0
    3%以下、S:0.03%以下、Cu:1.0〜4.0
    %、Ni:8〜16%、Cr:16〜22%、N:0.
    05〜0.35%、Al:0.05%以下、Mg:0.
    001〜0.050%、Ca:0.001〜0.050
    %を含有すると共に、V:0.03〜0.30%、Ti
    :0.03〜0.30%、及びNb+Ta:0.03〜
    0.30%のうちの少なくとも1種を含有し、残部実質
    的にFe及び不可避不純物からなり、素材製造とボルト
    成形時の冷間加工量との関係が、次式: Pα≦246exp(−0.269ε)−20・・・[
    1](但し、Pα=824−462(C+N)−9.2
    Si−8.1Mn−13.7Cr−29(Ni+Cu)
    −68(Nd+Ta)・・・[2]であり、式[2]中
    、C、N、・・・、Nb、Taは各元素の重量%を示す
    。又、εは冷間加工歪(真歪で正の値にとる)を示す。 ) を満足するように成分調整されたステンレス鋼よりなる
    線材又は棒材に固溶化処理を施したのち、冷間加工を施
    し、次いで該棒材を一定寸法に切断すると同時に該切断
    された材料を圧造部へ移送してパンチとダイスとにより
    鍛圧し軸部の一端に所定の頭部形状を有するボルト材を
    製造する方法であって、該製造工程が、頭部となる部分
    を残して軸部に前記素材製造時の冷間加工と合わせて減
    面率で20%以上の絞り加工を施し当該軸部分の先端に
    円筒頭部を成形する第1の工程と、該円筒頭部をダイス
    型孔より突出するように据込んでパンチで叩打し先端が
    偏平な円錐頭部とする第2の工程と、該第2の工程で得
    られたボルト材を所定形状のダイス型孔に没入するよう
    にパンチで据込んで頭部の頂面に凹みを形成すると同時
    に頭部の外周を所定形状に張り出すように圧造する第3
    の工程と、該頭部をダイス型孔より突出するように支持
    した状態で頭部の凹みを端面矯正する第4の工程とから
    なり、更に、ねじ成形を行った後、300〜600℃で
    時効処理を施すことを特徴とする高強度ステンレス鋼ボ
    ルトの製造方法。
  2. (2)前記第4の工程における頭部の凹みの端面矯正は
    、対角寸法に内接する円形型孔のパンチで行うことを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の高強度ステンレス
    鋼ボルトの製造方法。
  3. (3)前記第4の工程における頭部の凹みの端面矯正は
    、対角寸法に内接する円形型孔で且つその周縁部にリー
    ド角をもつパンチで行うことを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の高強度ステンレス鋼ボルトの製造方法。
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