JPH08309472A - 析出硬化型ステンレス鋼ボルトの製造方法 - Google Patents
析出硬化型ステンレス鋼ボルトの製造方法Info
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- JPH08309472A JPH08309472A JP13882695A JP13882695A JPH08309472A JP H08309472 A JPH08309472 A JP H08309472A JP 13882695 A JP13882695 A JP 13882695A JP 13882695 A JP13882695 A JP 13882695A JP H08309472 A JPH08309472 A JP H08309472A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】析出硬化型ステンレス鋼からなるボルトを、頭
部に内部割れを生ぜしめることなく冷間加工によって安
価に製造できる方法を提供する。 【構成】重量%でC:≦0.030%、N:≦0.03
0%、C+N:≦0.05%、Si:≦1.0%、M
n:≦2.0%、P:≦0.04%、S:≦0.03
%、Cu:3.0〜5.0%、Ni:3.0〜6.0
%、Cr:13.0〜16.5%、Mo:≦1.0%、
Nb:0.1〜0.5%、残部実質的にFeの組成を有
する析出硬化型ステンレス鋼から成る線材を素材とし、
且つ鍛造加工の際該素材におけるボルト頭部となる部分
の高さ寸法(h)/鍛造後のボルト頭部高さ(H)で表
わされる据込比が3.7以下となる条件で冷間鍛造加工
を行う。
部に内部割れを生ぜしめることなく冷間加工によって安
価に製造できる方法を提供する。 【構成】重量%でC:≦0.030%、N:≦0.03
0%、C+N:≦0.05%、Si:≦1.0%、M
n:≦2.0%、P:≦0.04%、S:≦0.03
%、Cu:3.0〜5.0%、Ni:3.0〜6.0
%、Cr:13.0〜16.5%、Mo:≦1.0%、
Nb:0.1〜0.5%、残部実質的にFeの組成を有
する析出硬化型ステンレス鋼から成る線材を素材とし、
且つ鍛造加工の際該素材におけるボルト頭部となる部分
の高さ寸法(h)/鍛造後のボルト頭部高さ(H)で表
わされる据込比が3.7以下となる条件で冷間鍛造加工
を行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は析出硬化型ステンレス
鋼ボルトの製造方法に関する。
鋼ボルトの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】耐食性,強度を有するものとして析出硬
化型ステンレス鋼SUS630からなるボルトが用いら
れている。この析出硬化型ステンレス鋼SUS630か
らなるボルトの製造工程には、線材に鍛造加工を施して
所定形状のボルト頭部を有する半製品に成形加工する工
程が含まれている。
化型ステンレス鋼SUS630からなるボルトが用いら
れている。この析出硬化型ステンレス鋼SUS630か
らなるボルトの製造工程には、線材に鍛造加工を施して
所定形状のボルト頭部を有する半製品に成形加工する工
程が含まれている。
【0003】従来、この鍛造加工方法として熱間鍛造加
工が用いられている。このように熱間鍛造加工を行った
場合、成形加工を良好に行えるものの所要コストが高く
なる問題がある。従ってボルト半製品への成形加工を冷
間加工にて行うことができれば所要コストを低減できて
望ましい。しかしながら、SUS630はST(固溶化
熱処理)状態での硬度がHRC35と高く、冷間加工性
の悪いものである。
工が用いられている。このように熱間鍛造加工を行った
場合、成形加工を良好に行えるものの所要コストが高く
なる問題がある。従ってボルト半製品への成形加工を冷
間加工にて行うことができれば所要コストを低減できて
望ましい。しかしながら、SUS630はST(固溶化
熱処理)状態での硬度がHRC35と高く、冷間加工性
の悪いものである。
【0004】そこでSUS630のC+N量を下げて冷
間加工性を高める方法が考えられている。しかしながら
低C+N化したSUS630のST状態での硬度はHR
C28(引張強度 約90kgf/mm2)とまだ高いレ
ベルにあり、従ってこの強度レベルのSUS630の線
材を用いて冷間鍛造加工すると、ボルト頭部に内部割れ
の生ずる場合のあることが明らかとなった。
間加工性を高める方法が考えられている。しかしながら
低C+N化したSUS630のST状態での硬度はHR
C28(引張強度 約90kgf/mm2)とまだ高いレ
ベルにあり、従ってこの強度レベルのSUS630の線
材を用いて冷間鍛造加工すると、ボルト頭部に内部割れ
の生ずる場合のあることが明らかとなった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願の発明はこのような
課題を解決するためになされたものである。而して本願
の発明は、重量%で、C:≦0.030%、N:≦0.
030%、C+N:≦0.05%、Si:≦1.0%、
Mn:≦2.0%、P:≦0.04%、S:≦0.03
%、Cu:3.0〜5.0%、Ni:3.0〜6.0
%、Cr:13.0〜16.5%、Mo:≦1.0%、
Nb:0.1〜0.5%、残部実質的にFeの組成を有
する析出硬化型ステンレス鋼から成る線材を素材とし、
且つ鍛造加工の際該素材におけるボルト頭部となる部分
の高さ寸法(h)/鍛造後のボルト頭部高さ(H)で表
わされる据込比が3.7以下となる条件で冷間鍛造加工
を行うことを特徴とする(請求項1)。ここで線材は熱
間圧延で形成されたままの線材又は熱間圧延後これに固
溶化熱処理をした線材を含む。
課題を解決するためになされたものである。而して本願
の発明は、重量%で、C:≦0.030%、N:≦0.
030%、C+N:≦0.05%、Si:≦1.0%、
Mn:≦2.0%、P:≦0.04%、S:≦0.03
%、Cu:3.0〜5.0%、Ni:3.0〜6.0
%、Cr:13.0〜16.5%、Mo:≦1.0%、
Nb:0.1〜0.5%、残部実質的にFeの組成を有
する析出硬化型ステンレス鋼から成る線材を素材とし、
且つ鍛造加工の際該素材におけるボルト頭部となる部分
の高さ寸法(h)/鍛造後のボルト頭部高さ(H)で表
わされる据込比が3.7以下となる条件で冷間鍛造加工
を行うことを特徴とする(請求項1)。ここで線材は熱
間圧延で形成されたままの線材又は熱間圧延後これに固
溶化熱処理をした線材を含む。
【0006】本願の別の発明は、請求項1において、前
記素材に対し先ず軸部となる部分の径を該素材径及び頭
部となる部分の径に対して小径化する予備成形を施し、
その後に前記冷間鍛造加工を施すことを特徴とする(請
求項2)。
記素材に対し先ず軸部となる部分の径を該素材径及び頭
部となる部分の径に対して小径化する予備成形を施し、
その後に前記冷間鍛造加工を施すことを特徴とする(請
求項2)。
【0007】本願の更に別の発明は、請求項1又は2に
おいて、前記冷間鍛造加工によりボルト頭部とともに円
筒部及びねじ下部を有する軸部を成形することを特徴と
する(請求項3)。
おいて、前記冷間鍛造加工によりボルト頭部とともに円
筒部及びねじ下部を有する軸部を成形することを特徴と
する(請求項3)。
【0008】
【作用】本発明者等は、析出硬化型ステンレス鋼からな
るボルトを冷間鍛造の条件のコントロールによって成形
できるか否かを調べるべく、据込比率とボルト頭部の内
部割れとの関係を求めたところ、据込比率を3.70以
下に抑制するならばボルト頭部における内部割れを回避
できるとの知見を得た。
るボルトを冷間鍛造の条件のコントロールによって成形
できるか否かを調べるべく、据込比率とボルト頭部の内
部割れとの関係を求めたところ、据込比率を3.70以
下に抑制するならばボルト頭部における内部割れを回避
できるとの知見を得た。
【0009】即ち、本発明は析出硬化型ステンレス鋼を
低C+N化して冷間加工性を高めた上、更に据込比率
3.70以下の条件でボルト半製品を冷間鍛造加工する
もので、本発明によればボルト頭部に内部割れを生ぜし
めることなく、良好に析出硬化型ステンレス鋼からなる
ボルトを製造することが可能となり、安価に且つ品質の
良いボルトを製造できることとなった。
低C+N化して冷間加工性を高めた上、更に据込比率
3.70以下の条件でボルト半製品を冷間鍛造加工する
もので、本発明によればボルト頭部に内部割れを生ぜし
めることなく、良好に析出硬化型ステンレス鋼からなる
ボルトを製造することが可能となり、安価に且つ品質の
良いボルトを製造できることとなった。
【0010】請求項2の発明は、先ずボルトの軸部とな
る部分の径を素材径及び頭部となる部分の径に対して小
径化した上で本来の冷間鍛造加工を施して、ボルト頭部
を所定形状に成形するものである。このように先ず軸部
となる部分を小径化した上で冷間鍛造を施すのは次の理
由に基づく。即ち、ボルトの頭部は一定の形状,体積を
有するものであって、径の細い素材を用いて頭部を鍛造
加工成形した場合、据込比は当然に高いものとなり、場
合によって据込比3.70以下という条件を満足できな
くなる場合が生ずる。
る部分の径を素材径及び頭部となる部分の径に対して小
径化した上で本来の冷間鍛造加工を施して、ボルト頭部
を所定形状に成形するものである。このように先ず軸部
となる部分を小径化した上で冷間鍛造を施すのは次の理
由に基づく。即ち、ボルトの頭部は一定の形状,体積を
有するものであって、径の細い素材を用いて頭部を鍛造
加工成形した場合、据込比は当然に高いものとなり、場
合によって据込比3.70以下という条件を満足できな
くなる場合が生ずる。
【0011】しかるに軸部となる部分を素材径及び頭部
となる部分の径に対して予め小径化するようにした場
合、素材として径の太いものを用いつつボルトの頭部,
軸部を所定形状に良好に成形でき、且つ頭部成形時の据
込比を小さいものとすることができる。即ち据込比3.
70以下の条件を満足しつつ所定形状のボルト頭部を鍛
造成形加工できるようになる。尚、M16よりも大きな
ボルトを製造する場合、据込比の上限を更に小さくする
ことが望ましい。
となる部分の径に対して予め小径化するようにした場
合、素材として径の太いものを用いつつボルトの頭部,
軸部を所定形状に良好に成形でき、且つ頭部成形時の据
込比を小さいものとすることができる。即ち据込比3.
70以下の条件を満足しつつ所定形状のボルト頭部を鍛
造成形加工できるようになる。尚、M16よりも大きな
ボルトを製造する場合、据込比の上限を更に小さくする
ことが望ましい。
【0012】次に請求項3の発明は、冷間鍛造加工によ
りボルト頭部とともに軸部における円筒部及びねじ下部
(ねじ加工される部分)を成形するもので、本発明によ
ればボルト製造に要するコストをより低減することがで
きる。
りボルト頭部とともに軸部における円筒部及びねじ下部
(ねじ加工される部分)を成形するもので、本発明によ
ればボルト製造に要するコストをより低減することがで
きる。
【0013】ボルトを製造する方法としては、素材を切
削加工して軸部における円筒部,ねじ下部(ねじ加工さ
れる部分)を成形し、その後ボルト頭部を据込比3.7
0以下の条件を満たしつつ鍛造成形加工する方法、或い
はボルト頭部を鍛造成形した後、円筒部及びねじ下部を
切削加工で成形するといった方法も可能であるが、この
場合加工に要するコストが高いものとなる。しかるにボ
ルトの頭部,円筒部,ねじ下部を共に鍛造加工にて成形
する場合、所要コストを安価とすることができる。
削加工して軸部における円筒部,ねじ下部(ねじ加工さ
れる部分)を成形し、その後ボルト頭部を据込比3.7
0以下の条件を満たしつつ鍛造成形加工する方法、或い
はボルト頭部を鍛造成形した後、円筒部及びねじ下部を
切削加工で成形するといった方法も可能であるが、この
場合加工に要するコストが高いものとなる。しかるにボ
ルトの頭部,円筒部,ねじ下部を共に鍛造加工にて成形
する場合、所要コストを安価とすることができる。
【0014】次に本発明における析出硬化型ステンレス
鋼の各化学成分の限定理由を詳述する。 C:≦0.030% CはST状態での硬度に最も影響し、その量は少ない方
が良く、上限を0.030%とした。
鋼の各化学成分の限定理由を詳述する。 C:≦0.030% CはST状態での硬度に最も影響し、その量は少ない方
が良く、上限を0.030%とした。
【0015】N:≦0.030% NもまたST状態での硬度に影響し、その量は少ない方
が望ましく、その上限を0.030%とした。
が望ましく、その上限を0.030%とした。
【0016】C+N:≦0.05% C+N量を低くすることによりST時の硬度を下げるこ
とができ、加工性を高めることができる。本発明におい
てはその上限を0.05%とした。
とができ、加工性を高めることができる。本発明におい
てはその上限を0.05%とした。
【0017】Si:≦1.0% Siは鋼の溶製時における脱酸剤として添加されるが、
Si含有量が多くなるとδフェライトを増加させて熱間
加工性を害するので、Si含有量の上限は1.0%とし
た。
Si含有量が多くなるとδフェライトを増加させて熱間
加工性を害するので、Si含有量の上限は1.0%とし
た。
【0018】Mn:≦2.0% Mnは脱酸剤として添加されるもので、δフェライトの
制御や、また高価なNiを低減する上でも有効である。
しかしながら多量に添加するとMs点が低下し、残留γ
(オーステナイト)が多くなり、析出硬化時の硬度が低
下するので上限を2.0%とした。
制御や、また高価なNiを低減する上でも有効である。
しかしながら多量に添加するとMs点が低下し、残留γ
(オーステナイト)が多くなり、析出硬化時の硬度が低
下するので上限を2.0%とした。
【0019】P:≦0.04% Pは結晶粒界に偏析し、強度,耐食性に悪影響を与える
ので上限を0.04%とした。
ので上限を0.04%とした。
【0020】S:≦0.03% Sは冷間加工性及び耐食性に悪影響を与えるため上限を
0.03%とした。
0.03%とした。
【0021】Cu:3.0〜5.0% Cuは析出硬化時にε相を析出させ、鋼を硬化させる重
要な元素である。その効果は3.0%以上で有効であ
る。しかしながら過剰な添加は高温で粒界脆化を発生
し、熱間加工性を害するので上限を5.0%とした。
要な元素である。その効果は3.0%以上で有効であ
る。しかしながら過剰な添加は高温で粒界脆化を発生
し、熱間加工性を害するので上限を5.0%とした。
【0022】Ni:3.0〜6.0% Niはδフェライト生成抑制,耐食性向上のために3.
0%以上必要である。しかしながらNiはγ形成元素で
もあるため、添加量が多すぎるとMs点を低下させて残
留γを多くし、析出硬化時の硬度を低下させるので上限
を6.0%とした。
0%以上必要である。しかしながらNiはγ形成元素で
もあるため、添加量が多すぎるとMs点を低下させて残
留γを多くし、析出硬化時の硬度を低下させるので上限
を6.0%とした。
【0023】Cr:13.0〜16.5% Crは耐食性を確保するために13.0%以上必要であ
る。しかしながら強力なフェライト生成元素であるた
め、過剰な添加はδフェライトを増加させ、熱間加工性
を害するので上限を16.5%とした。
る。しかしながら強力なフェライト生成元素であるた
め、過剰な添加はδフェライトを増加させ、熱間加工性
を害するので上限を16.5%とした。
【0024】Mo:≦1.0% Moもフェライト生成元素であるため、過剰な添加はδ
フェライトを増加させるため上限を1.0%とした。
フェライトを増加させるため上限を1.0%とした。
【0025】Nb:0.1〜0.5% NbはC,Nを固着し、ST状態でマトリックスに固溶
するC,Nを低減し、ST硬度を低減する。またMs点
の調整にも必要で0.1%以上の添加が必要である。し
かしながら過剰の添加はδフェライトを増加させ、熱間
加工性を阻害するので上限を0.5%とした。
するC,Nを低減し、ST硬度を低減する。またMs点
の調整にも必要で0.1%以上の添加が必要である。し
かしながら過剰の添加はδフェライトを増加させ、熱間
加工性を阻害するので上限を0.5%とした。
【0026】
【実施例】次に本発明の実施例を以下に詳しく説明す
る。表1に示す化学成分の鋼を溶製し、熱間鍛造,熱間
圧延により16mm,16.8mm,17.5mm,1
7.8mmの丸棒を製造した。その後1040℃/30
分,水冷の条件で固溶化熱処理(ST)を施し、酸洗,
しゅう酸被膜処理,線引加工を施して15.7mm,1
6.5mm,17.0mm,17.5mmのボルト製造
用素線を得た。これら素線を図1,図2,図3に示す工
程で冷間鍛造加工してM16×55ボルトを製造した。
る。表1に示す化学成分の鋼を溶製し、熱間鍛造,熱間
圧延により16mm,16.8mm,17.5mm,1
7.8mmの丸棒を製造した。その後1040℃/30
分,水冷の条件で固溶化熱処理(ST)を施し、酸洗,
しゅう酸被膜処理,線引加工を施して15.7mm,1
6.5mm,17.0mm,17.5mmのボルト製造
用素線を得た。これら素線を図1,図2,図3に示す工
程で冷間鍛造加工してM16×55ボルトを製造した。
【0027】
【表1】
【0028】そしてそれら成形したボルト頭部の内部割
れを超音波探傷により調べた結果、表2の通りであっ
た。
れを超音波探傷により調べた結果、表2の通りであっ
た。
【0029】
【表2】
【0030】尚、図1,図2,図3において10は素材
を、12はボルトの頭部を、14は軸部を、16は軸部
14における円筒部を、18は軸部14におけるねじ下
部(ねじ加工される部分)をそれぞれ示している。また
図1,図2において(I)は切断工程を、(II)は頭部
の予備成形工程を、(III)は頭部成形工程を、(IV)
はねじ下部分の絞り成形工程を、(V)はトリミング工
程をそれぞれ示している。
を、12はボルトの頭部を、14は軸部を、16は軸部
14における円筒部を、18は軸部14におけるねじ下
部(ねじ加工される部分)をそれぞれ示している。また
図1,図2において(I)は切断工程を、(II)は頭部
の予備成形工程を、(III)は頭部成形工程を、(IV)
はねじ下部分の絞り成形工程を、(V)はトリミング工
程をそれぞれ示している。
【0031】更に図3において(I)は切断工程を、
(II)は頭部予備成形工程を、(III)は頭部成形工程
を、(IV)はトリミング工程を、(V)は軸部14、即
ち円筒部16とねじ下部18の切削加工工程をそれぞれ
示している。
(II)は頭部予備成形工程を、(III)は頭部成形工程
を、(IV)はトリミング工程を、(V)は軸部14、即
ち円筒部16とねじ下部18の切削加工工程をそれぞれ
示している。
【0032】これらのうち図2の頭部予備成形工程(I
I)は、素材10の所定部分(軸部14となる部分)に
対して絞り加工を施して同部を素材及び頭部となる部分
よりも小径化するものである。この表1,表2の結果か
ら分かるように据込比3.3〜3.5で頭部を成形した
実施例1〜3の場合、超音波探傷試験の結果、ボルト頭
部での内部割れは認められなかったが、据込比を3.7
3とした比較例1においては一部頭部で内部割れを示し
ていた。更に据込比を4.1とした比較例2の場合、全
サンプル中で頭部の内部割れを起していた。この結果か
ら、据込比3.70以下の条件で鍛造加工を施すことが
内部割れ防止のために必要であることが分かる。
I)は、素材10の所定部分(軸部14となる部分)に
対して絞り加工を施して同部を素材及び頭部となる部分
よりも小径化するものである。この表1,表2の結果か
ら分かるように据込比3.3〜3.5で頭部を成形した
実施例1〜3の場合、超音波探傷試験の結果、ボルト頭
部での内部割れは認められなかったが、据込比を3.7
3とした比較例1においては一部頭部で内部割れを示し
ていた。更に据込比を4.1とした比較例2の場合、全
サンプル中で頭部の内部割れを起していた。この結果か
ら、据込比3.70以下の条件で鍛造加工を施すことが
内部割れ防止のために必要であることが分かる。
【0033】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範
囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
くまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範
囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1の発明によ
れば、ボルト頭部に内部割れを生ぜしめることなく冷間
鍛造によって良好にボルトを製造でき、ボルト製造に要
するコストを安価とすることができる。また請求項2の
発明によれば、ボルトの大小に拘らず据込比3.70以
下の条件を満足しつつ確実にボルト頭部を一定形状に成
形することができる。更に請求項3の発明によれば、ボ
ルト製造の工程数を少なくし得てボルトの製造コストを
より低減することができる。
れば、ボルト頭部に内部割れを生ぜしめることなく冷間
鍛造によって良好にボルトを製造でき、ボルト製造に要
するコストを安価とすることができる。また請求項2の
発明によれば、ボルトの大小に拘らず据込比3.70以
下の条件を満足しつつ確実にボルト頭部を一定形状に成
形することができる。更に請求項3の発明によれば、ボ
ルト製造の工程数を少なくし得てボルトの製造コストを
より低減することができる。
【図1】析出硬化型ステンレス鋼ボルトの従来の製造方
法の要部工程を示す図である。
法の要部工程を示す図である。
【図2】析出硬化型ステンレス鋼ボルトの本実施例に従
う要部製造工程を示す図である。
う要部製造工程を示す図である。
【図3】析出硬化型ステンレス鋼ボルトの図2とは異な
った要部工程を示す図である。
った要部工程を示す図である。
10 素材 12 頭部 14 軸部 16 円筒部 18 ねじ下部
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/48 C22C 38/48 F16B 35/00 F16B 35/00 J // C21D 9/00 9352−4K C21D 9/00 B
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%で C :≦0.030% N :≦0.030% C+N:≦0.05% Si:≦1.0% Mn:≦2.0% P :≦0.04% S :≦0.03% Cu:3.0〜5.0% Ni:3.0〜6.0% Cr:13.0〜16.5% Mo:≦1.0% Nb:0.1〜0.5% 残部実質的にFeの組成を有する析出硬化型ステンレス
鋼から成る線材を素材とし、且つ鍛造加工の際該素材に
おけるボルト頭部となる部分の高さ寸法(h)/鍛造後
のボルト頭部高さ(H)で表わされる据込比が3.7以
下となる条件で冷間鍛造加工を行うことを特徴とする析
出硬化型ステンレス鋼ボルトの製造方法。 - 【請求項2】 請求項1において、前記素材に対し先ず
軸部となる部分の径を該素材径及び頭部となる部分の径
に対して小径化する予備成形を施し、その後に前記冷間
鍛造加工を施すことを特徴とする析出硬化型ステンレス
鋼ボルトの製造方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、前記冷間鍛造
加工によりボルト頭部とともに円筒部及びねじ下部を有
する軸部を成形することを特徴とする析出硬化型ステン
レス鋼ボルトの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13882695A JPH08309472A (ja) | 1995-05-11 | 1995-05-11 | 析出硬化型ステンレス鋼ボルトの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13882695A JPH08309472A (ja) | 1995-05-11 | 1995-05-11 | 析出硬化型ステンレス鋼ボルトの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08309472A true JPH08309472A (ja) | 1996-11-26 |
Family
ID=15231135
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13882695A Pending JPH08309472A (ja) | 1995-05-11 | 1995-05-11 | 析出硬化型ステンレス鋼ボルトの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08309472A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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