JPH093589A - 高強度・低延性非調質鋼 - Google Patents

高強度・低延性非調質鋼

Info

Publication number
JPH093589A
JPH093589A JP15303095A JP15303095A JPH093589A JP H093589 A JPH093589 A JP H093589A JP 15303095 A JP15303095 A JP 15303095A JP 15303095 A JP15303095 A JP 15303095A JP H093589 A JPH093589 A JP H093589A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
content
connecting rod
less
steel
strength
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15303095A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuo Uno
光男 宇野
Masaki Sakamoto
雅紀 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP15303095A priority Critical patent/JPH093589A/ja
Publication of JPH093589A publication Critical patent/JPH093589A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】高い強度を有し、低延性で常温分割加工が可能
でその分割破面がフラットな脆性破面を呈する、コンロ
ッド用鋼として好適な鋼の提供。 【構成】C:0.30〜0.90%、Si≦1.00
%、Mn:0.30〜2.00%、P≦0.10%、S
≦0.10%、Cr:0.02〜2.00%、Mo:
0.01〜0.50%、Al≦0.05%、Ti≦0.
08%、Nb≦0.17%、V≦0.08%、N:0.
005%〜0.030%、B≦0.0100%を含有
し、残部はFeと不可避不純物からなり、0.5Al
(%)+0.3Ti(%)+0.15Nb(%)+0.
3V(%)+1.3B(%)+0.002−N(%)≦
0およびC(%)+Si(%)/10+Mn(%)/5
+5Cr(%)/22+1.65V−5S(%)/7−
0.8≧0である高強度・低延性非調質鋼。Cu、N
i、Pbのうちの1種以上を含有していても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高強度・低延性非調質
鋼に関し、より詳しくは、高い強度が要求されるものの
延性は必要とせず、むしろ常温での冷間分割加工が可能
でその破断面がフラットな脆性破面を呈し、自動車エン
ジンのコネクティングロッドやコネクティングロッドキ
ャップ用鋼として好適な高強度・低延性非調質鋼に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジン部品である図1に示すコ
ネクティングロッド(通称コンロッド)本体1およびコ
ネクティングロッドキャプ(通称コンロッドキャップ)
2は、従来両者を各々別の工程で熱間鍛造した後、焼入
れ焼戻しの調質処理を行い、次いで機械加工によってボ
ルト穴の加工と仕上げ整形加工を施して製作し、その後
で両者をボルト3によって形状の複雑なクランクシャフ
トに結合・組み立てる方法が採られてきた。
【0003】しかしながら、最近、厳しい経済情勢を反
映して、各種自動車部品の製造コスト低減要求の動きが
極めて活発化しており、この動きは事エンジン部品にお
いても例外ではなくなってきている。
【0004】このため、前記のコネクティングロッド本
体1およびコネクティングロッドキャプ2に関しては、
製造コスト低減対策として、両者を熱間鍛造にて一体成
形しこれに焼入れ焼戻しの熱処理を施すか、或いは熱間
鍛造後放冷し、その後でコネクティングロッド本体1お
よびコネクティングロッドキャプ2に分割し、次いでボ
ルト穴の加工を行うだけで、すなわち接合部(接合面ど
うし)に対する仕上げ整形のための機械加工は施すこと
なく、ボルト3でクランクシャフトに結合して組み立て
るという方法が検討されている。
【0005】上記の一体成形したコネクティングロッド
本体1およびコネクティングロッドキャプ2を分割する
方法としては、例えば治具を挿入することによって図1
中に矢印で示した方向に働く力を与えて分割する方法が
考えられる。この方法ではコネクティングロッド本体1
およびコネクティングロッドキャプ2に分割した分割面
をフラットにすることが極めて重要となる。
【0006】しかしながら、従来使用されてきた鋼(J
IS規格のS45CやS48C相当鋼など)をそのまま
用いて熱間鍛造で一体成形し、その後常温でコネクティ
ングロッド本体1およびコネクティングロッドキャプ2
に分割すると、分割面がアメやガムを千切ったような所
謂「延性破断面」となってフラットな「脆性破面」が得
られず、機械加工による仕上げ整形加工を行わなければ
ならないという問題がある。上記の分割を低温(例えば
液体窒素温度)で行えば脆性破壊が生じて容易にフラッ
トな脆性破面が得られるが、大量の製品が流れる実操業
ラインにおいて低温状態とすることは技術的に容易では
なく、更に設備を建設し維持する費用が嵩むため必ずし
もコスト低減には結びつかないといった問題がある。
【0007】一方、熱間鍛造で一体成形した後の熱処理
はコストが嵩むため、熱処理を省略できる新しいタイプ
の鋼に対する要望も生じている。
【0008】熱間圧延や熱間鍛造後に行う熱処理として
の調質処理を省略できる非調質鋼としては、例えば特開
平5−195140号公報に「非調質高強度鋼」が提案
されている。しかし、この公報に記載された非調質鋼
は、連続鋳造時にブルーム表面に生ずる割れを防止した
タイプの高強度非調質鋼である。そのため、上記の提案
鋼をコネクティングロッド本体1およびコネクティング
ロッドキャプ2用鋼として用いた場合、所望の強度は得
られるものの、前記した一体成形した後でコネクティン
グロッド本体1およびコネクティングロッドキャプ2に
常温で分割する方法に対しては、延性が大き過ぎて脆性
破面が得られない。従って、機械加工による仕上げ整形
加工を行う必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みなされたもので、引張強度は従来鋼と同等以上であ
って、且つ熱間鍛造した一体成形材を前記したような方
法によって常温で分割した時の破面が、フラットな脆性
破面を呈する高強度・低延性非調質鋼の提供を課題とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するため種々検討を重ねた結果、下記の知見を得
た。
【0011】Nには脆性破壊を促進する作用がある。
【0012】窒化物や炭窒化物を生成する元素を同時
に含有させると、Nの脆性破壊促進効果は低減する。
【0013】上記、から脆性破壊を促進するN
は、(炭)窒化物の形成に関与しない所謂「フリーの固
溶N」である。
【0014】フリーの固溶N量は下記fn1で整理で
き、この値が0以下の場合に脆性破壊が促進される。
【0015】fn1=0.5Al(%)+0.3Ti
(%)+0.15Nb(%)+0.3V(%)+1.3
B(%)+0.002−N(%) 上記のfn1≦0を満たし、且つ常温引張試験した時
の鋼材の伸び値が10%以下の場合に、熱間鍛造した一
体成形材の常温分割面はフラットな脆性破面となる。
【0016】鋼の化学成分が特定の条件範囲にある
時、非調質鋼の引張強度は下記fn2で整理でき、この
値が0以上の場合に800MPa以上の引張強度が得ら
れる。
【0017】fn2=C(%)+Si(%)/10+M
n(%)/5+5Cr(%)/22+1.65V−5S
(%)/7−0.8 鋼の化学成分を厳密に制御した上で、上記のfn1
≦0と常温引張試験した時の鋼材の伸び値≦10%、並
びにfn2≧0の条件を満足できれば、常温での分割
でフラットな脆性破面となり、且つ高強度が得られるの
で、前記した新しいプロセスによって所望強度である8
00MPa以上の引張強度を有するコネクティングロッ
ド本体1およびコネクティングロッドキャプ2を製造す
ることができる。
【0018】上記知見に基づく本発明は、下記(1)〜
(4)の高強度・低延性非調質鋼を要旨とする。
【0019】(1)重量%で、C:0.30〜0.90
%、Si:1.00%以下、Mn:0.30〜2.00
%、P:0.10%以下、S:0.10%以下、Cr:
0.02〜2.00%、Mo:0.01〜0.50%、
Al:0.05%以下、Ti:0.08%以下、Nb:
0.17%以下、V:0.08%以下、N:0.005
%〜0.030%、B:0.0100%以下を含有し、
残部はFeおよび不可避不純物からなり、且つ前記した
fn1≦0およびfn2≧0であることを特徴とする高
強度・低延性非調質鋼。
【0020】(2)上記(1)に記載の成分に加えて更
に、重量%で、0.01〜0.2%のCuおよび0.0
1〜0.5%のNiのうちの1種以上を含有し、且つ前
記したfn1≦0およびfn2≧0であることを特徴と
する高強度・低延性非調質鋼。
【0021】(3)上記(1)に記載の成分に加えて更
に、重量%で、0.01〜0.30%のPbを含有し、
且つ前記したfn1≦0およびfn2≧0であることを
特徴とする高強度・低延性非調質鋼。
【0022】(4)上記(1)に記載の成分に加えて更
に、重量%で、0.01〜0.2%のCuおよび0.0
1〜0.5%のNiのうちの1種以上、並びに0.01
〜0.30%のPbを含有し、且つ前記したfn1≦0
およびfn2≧0であることを特徴とする高強度・低延
性非調質鋼。
【0023】
【作用】以下に、本発明における鋼の化学組成を上記の
ように限定する理由について説明する。なお、「%」は
「重量%」を意味する。
【0024】C:Cは鋼に所望の静的強度を付与するの
に必要な元素であるが、反面熱間鍛造性を低下させる元
素でもある。最低限の静的強度(引張強度で800MP
a以上)を得るには、0.30%以上が必要である。一
方、0.90%を超えて含有させると、熱間鍛造性が低
下し、熱間での鍛造時に割れを生じ易くなる。従って、
Cの含有量は、0.30%〜0.90%とした。
【0025】Si:Siは添加しなくても良い。添加す
れば鋼の脱酸を促進するとともに、焼入れ性を向上させ
る作用も有する。これらの効果を確実に得るには、Si
は0.05%以上の含有量とすることが好ましい。しか
し、その含有量が1.0%を超えると熱間鍛造性が低下
し、熱間での鍛造時に割れを生じ易くなる。従って、S
iの含有量を1.0%以下とした。
【0026】Mn:Mnは脱酸に必要であるとともに、
焼入れ性を高めて静的強度を向上させる作用がある。し
かし、その含有量が0.30%未満では所望の効果が得
られず、2.00%を超えると熱間鍛造性が劣化するよ
うになるので、その含有量を0.30〜2.00%とし
た。
【0027】P:Pは添加しなくても良い。添加すれば
粒界脆化を引き起こし延性を低下させる作用があるの
で、前記したような常温での分割方法でフラットな脆性
破面を得るのに有効である。この効果を確実に得るに
は、Pは0.005%以上の含有量とすることが好まし
い。しかし、その含有量が0.10%を超えると熱間鍛
造性が著しく劣化する。従って、Pの含有量は0.10
%以下とした。
【0028】S:Sも添加しなくても良い。添加すれば
粒界脆化を引き起こし延性を低下させる作用があるの
で、Pと同様に前記したような常温での分割方法でフラ
ットな脆性破面を得るのに有効である。また、Sにはボ
ルト穴加工時の切削性を向上させる作用がある。これら
の効果を確実に得るには、Sは0.005%以上の含有
量とすることが好ましい。しかし、その含有量が0.1
0%を超えると熱間鍛造性が著しく劣化する。従って、
S含有量の上限を0.10%とした。
【0029】Cr:Crは焼入れ性を向上させるととも
に、静的強度を向上させる効果がある。しかし、その含
有量が0.02%未満では所望の効果が得られず、2.
00%を超えて含有してもその効果は飽和し、コストの
みが上昇し経済性を損うことになるので、その含有量を
0.02〜2.00%とした。なお、Cr含有量は0.
10%以上とすることが好ましい。
【0030】Mo:Moは焼入れ性を向上させるととも
に、強度を向上させる作用がある。しかし、その含有量
が0.01%未満では所望の効果が得られず、0.50
%を超えて含有させてもその効果は飽和し、コストのみ
が上昇し経済性を損うことになる。
【0031】従って、Moの含有量は0.01〜0.5
0%とした。なお、Mo含有量は0.05%以上とする
ことが好ましい。
【0032】Al:Alは添加しなくても良い。添加す
れば鋼の脱酸の安定化および均質化を図るとともに、窒
化物を生成して結晶粒を微細化する作用を有する。これ
らの効果を確実に得るには、Alは0.005%以上の
含有量とすることが望ましい。しかし、フリーの固溶N
を確保して脆性破壊を促進させるために、Alの含有量
をできるだけ低めに制御することも必要である。Al以
外の(炭)窒化物生成元素を実操業上可能な0.001
%程度に抑制した場合、前記のfn1≦0からAl含有
量の上限は約0.05%となる。従って、Alの含有量
を0.050%以下とした。
【0033】Ti:Tiも添加しなくても良い。添加す
れば(炭)窒化物を生成して結晶粒を微細化する効果を
有する。この効果を確実に得るには、Tiは0.005
%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、フリー
の固溶Nを確保し脆性破壊を促進させるために、Tiの
含有量をできるだけ低めに制御することも必要である。
Ti以外の(炭)窒化物生成元素を実操業上可能な0.
001%程度に抑制した場合、前記のfn1≦0からT
i含有量の上限は約0.08%となる。従って、Ti含
有量の上限を0.08%とした。
【0034】Nb:Nbは添加しなくても良い。添加す
れば(炭)窒化物を生成して結晶粒を微細化する効果を
有する。この効果を確実に得るには、Nbは0.003
%以上の含有量とすることが望ましい。しかし、フリー
の固溶Nを確保し脆性破壊を促進させるために、Nbの
含有量もできるだけ低めに制御する必要がある。Nb以
外の(炭)窒化物生成元素を実操業上可能な0.001
%程度に抑制した場合、前記のfn1≦0を満足するた
めのNb含有量の上限は約0.17%となる。従って、
Nbの含有量は0.17%以下とした。
【0035】V:Vも添加しなくても良い。添加すれば
(炭)窒化物を生成して結晶粒を微細化する効果を有す
る。この効果を確実に得るには、Vは0.005%以上
の含有量とすることが好ましい。しかし、フリーの固溶
Nを確保して脆性破壊を促進させるために、Vの含有量
をできるだけ低めに制御することも必要である。V以外
の(炭)窒化物生成元素を実操業上可能な0.001%
程度に抑制した場合、前記のfn1≦0からV含有量の
上限は約0.08%となる。従って、V含有量の上限を
0.08%とした。
【0036】B:Bは添加しなくても良い。添加すれば
焼入れ性を向上させる効果がある。この効果を確実に得
るには、Bは0.0003%以上の含有量とすることが
好ましい。しかし、Bは窒化物生成元素でもあるので、
フリーの固溶Nを確保して脆性破壊を促進させるために
は、Bの含有量をできるだけ低めに制御することも必要
である。更に、その含有量が0.0100%を超える
と、焼入れ性向上効果が飽和するばかりか、熱間鍛造性
が著しく劣化するようになる。従って、Bの含有量を
0.0100%以下とした。
【0037】N:Nは上記Al、TiおよびNbなどと
窒化物や炭窒化物を生成して結晶粒を微細化するのに有
効な元素である。また、フリーの固溶Nには脆性破壊を
促進する作用がある。熱間鍛造した一体成形材を前記し
たような方法によって常温分割した時にフラットな脆性
破面とするためには、前記の(炭)窒化物生成元素の各
々を実操業上可能な0.001%程度にまで下げたとし
ても、約0.0050%以上のN含有量が必要である。
固溶N量を確保するためにはN含有量はできるだけ多く
するほうが望ましいが、0.0300%を超えて含有さ
せることは技術的に困難であり、コストアップにつなが
る。従って、Nの含有量を0.0050〜0.030%
とした。
【0038】fn1:フリーの固溶N量は前記fn1で
整理でき、この値が0以下の場合に脆性破壊が促進され
る。そしてfn1≦0、且つ常温引張試験した時の鋼材
の伸び値が10%以下の場合に、熱間鍛造した一体成形
材の常温分割破面がフラットな脆性破面となって、前記
したような新しいプロセスによって、所望強度である8
00MPa以上の引張強度を有するコネクティングロッ
ド本体およびコネクティングロッドキャプを製造するこ
とができる。従って、fn1≦0とする。
【0039】fn2:鋼の化学成分を厳密に制御し、且
つ前記fn2の値を0以上とした場合に始めて、コネク
ティングロッド本体およびコネクティングロッドキャプ
として必要な800MPa以上の引張強度を非調質鋼に
付与できる。従って、fn2≧0とする。
【0040】本発明の高強度・低延性非調質鋼には、上
記の成分に加えて、更にCu、Niのうちの1種以上お
よび/またはPbを含んでいても良い。これらの合金元
素の作用効果と望ましい含有量は下記のとおりである。
【0041】Cu、Ni:CuおよびNiは焼入れ性を
高めて静的強度を向上させる効果を有する。従って、C
uおよびNiは必要に応じて一方または両方を添加して
も良い。しかし、Cuの場合には0.01%未満の含有
量では所望の効果が得られず、0.2%を超えて含有す
ると熱間加工性の劣化をもたらし、熱間圧延時や熱間鍛
造時に割れの発生を招く。一方、Niの場合には、0.
01%未満の含有量では所望の効果が得られず、0.5
%を超えて含有すると延性と靭性の増加をきたして、フ
ラットな脆性破面が得られなくなる。従って、これらの
合金元素を1種以上添加する場合には、Cu:0.01
〜0.2%、Ni:0.01〜0.5%の含有量とする
のが良い。
【0042】Pb:Pbはボルト穴加工時の切削性を向
上させる効果を有する。従って、Pbは必要に応じて添
加しても良い。しかし、0.01%未満の含有量では所
望の効果が得られず、0.30%を超えて含有すると熱
間加工性の劣化をもたらし熱間圧延時や熱間鍛造時に割
れの発生を招く。従って、Pbを添加する場合には、
0.01〜0.30%の含有量とするのが良い。
【0043】上記の化学組成を有する鋼は通常の方法で
溶製された後、例えば、通常の方法による熱間での圧延
および鍛造によって、コネクティングロッド本体1とコ
ネクティングロッドキャプ2がつながった一体物に成形
される。その後、コネクティングロッド本体1およびコ
ネクティングロッドキャプ2に前記したような方法によ
って常温で分割され、次いで、ボルト穴加工を施され、
ボルト3でクランクシャフトに結合されて組み立てられ
る。
【0044】
【実施例】
(実施例1)表1〜4に示す化学組成を有する鋼を通常
の方法により試験炉を用いて真空溶製した。表1、2に
おける鋼1〜15は本発明鋼であり、表3、4における
鋼16〜29は成分のいずれかが本発明で規定する含有
量の範囲から外れた比較鋼である。
【0045】次いで、これらの本発明鋼および比較鋼を
通常の方法によって鋼片となした後、1250℃に加熱
してから1200〜950℃の温度で直径30mmの丸
棒に熱間鍛造し、その後常温まで空冷した。
【0046】こうして得られた熱間鍛造ままの丸棒から
JIS4号試験片を切り出し、常温で引張試験を行っ
た。更に、常温引張試験後の破面の状態を走査型電子顕
微鏡(SEM)で観察した。
【0047】なお、30mmに熱間鍛造した丸棒の表面
は目視で観察して鍛造割れの有無を確認した。
【0048】常温引張試験結果、破面観察結果および鍛
造割れ確認結果を表5、6に示す。
【0049】本発明鋼である鋼1〜15にあっては、い
ずれも鍛造割れを生ずることもなく、所望の800MP
a以上の引張強度と10%以下の伸びとが得られてお
り、常温引張試験後の破面はすべてフラットな脆性破面
であった(表5参照)。
【0050】これに対して、成分のいずれかが本発明で
規定する含有量の範囲から外れた比較鋼のうち、C量、
Mn量とfn2がそれぞれ規定値から低目に外れた鋼1
6、19と29では引張強度が800MPaに達してい
ない。
【0051】また、C量、Si量、Mn量、P量および
B量がそれぞれ規定値に対して高目に外れた鋼17、1
8、20、21および26には熱間での鍛造割れが認め
られた。
【0052】また、(炭)窒化物生成元素であるAl、
Ti、NbおよびVがそれぞれ規定値から高目に外れた
鋼22、23、24および25では、前記fn1の値も
0を超えており、更に、常温伸びが10%を超えるた
め、常温引張試験後の破面はすべて延性破面であった。
【0053】鋼27と28においても前記fn1の値が
0を超えており、更に、常温伸びが10%を超えるた
め、常温引張試験後の破面はすべて延性破面であった。
(以上、表6参照)。
【0054】(実施例2)前記の表1および表2に記載
した本発明鋼である鋼1、5、10、および15を素材
として通常の熱間鍛造法によって、コネクティングロッ
ド本体1とコネクティングロッドキャプ2がつながった
一体物を各々20体ずつ熱間成形した。次いで、前記し
た方法によって常温でコネクティングロッド本体1およ
びコネクティングロッドキャプ2への分割テストを行っ
た。この結果、各鋼とも20体すべてにフラットな脆性
破面が得られた。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】
【表5】
【0060】
【表6】
【0061】
【発明の効果】本発明による高強度・低延性非調質鋼を
用いれば、コネクティングロッド本体およびコネクティ
ングロッドキャプをコストの低い新プロセスで製造する
ことが可能で、産業上の効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】コネクティングロッドの詳細を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、C:0.30〜0.90%、S
    i:1.00%以下、Mn:0.30〜2.00%、
    P:0.10%以下、S:0.10%以下、Cr:0.
    02〜2.00%、Mo:0.01〜0.50%、A
    l:0.05%以下、Ti:0.08%以下、Nb:
    0.17%以下、V:0.08%以下、N:0.005
    %〜0.030%、B:0.0100%以下を含有し、
    残部はFeおよび不可避不純物からなり、且つfn1≦
    0およびfn2≧0であることを特徴とする高強度・低
    延性非調質鋼。但し、 fn1=0.5Al(%)+0.3Ti(%)+0.1
    5Nb(%)+0.3V(%)+1.3B(%)+0.
    002−N(%)、 fn2=C(%)+Si(%)/10+Mn(%)/5
    +5Cr(%)/22+1.65V−5S(%)/7−
    0.8
  2. 【請求項2】請求項1に記載の成分に加えて更に、重量
    %で、0.01〜0.2%のCuおよび0.01〜0.
    5%のNiのうちの1種以上を含有し、且つfn1≦0
    およびfn2≧0であることを特徴とする高強度・低延
    性非調質鋼。但し、 fn1=0.5Al(%)+0.3Ti(%)+0.1
    5Nb(%)+0.3V(%)+1.3B(%)+0.
    002−N(%)、 fn2=C(%)+Si(%)/10+Mn(%)/5
    +5Cr(%)/22+1.65V−5S(%)/7−
    0.8
  3. 【請求項3】請求項1に記載の成分に加えて更に、重量
    %で、0.01〜0.30%のPbを含有し、且つfn
    1≦0およびfn2≧0であることを特徴とする高強度
    ・低延性非調質鋼。但し、 fn1=0.5Al(%)+0.3Ti(%)+0.1
    5Nb(%)+0.3V(%)+1.3B(%)+0.
    002−N(%)、 fn2=C(%)+Si(%)/10+Mn(%)/5
    +5Cr(%)/22+1.65V−5S(%)/7−
    0.8
  4. 【請求項4】請求項1に記載の成分に加えて更に、重量
    %で、0.01〜0.2%のCuおよび0.01〜0.
    5%のNiのうちの1種以上、並びに0.01〜0.3
    0%のPbを含有し、且つfn1≦0およびfn2≧0
    であることを特徴とする高強度・低延性非調質鋼。但
    し、 fn1=0.5Al(%)+0.3Ti(%)+0.1
    5Nb(%)+0.3V(%)+1.3B(%)+0.
    002−N(%)、 fn2=C(%)+Si(%)/10+Mn(%)/5
    +5Cr(%)/22+1.65V−5S(%)/7−
    0.8
JP15303095A 1995-06-20 1995-06-20 高強度・低延性非調質鋼 Pending JPH093589A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15303095A JPH093589A (ja) 1995-06-20 1995-06-20 高強度・低延性非調質鋼

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15303095A JPH093589A (ja) 1995-06-20 1995-06-20 高強度・低延性非調質鋼

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH093589A true JPH093589A (ja) 1997-01-07

Family

ID=15553441

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15303095A Pending JPH093589A (ja) 1995-06-20 1995-06-20 高強度・低延性非調質鋼

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH093589A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0924440A2 (de) * 1997-11-21 1999-06-23 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft, Patentabteilung AJ-3 Geschmiedetes Pleuel für Hubkolbenmaschinen aus Kohlenstoffstahl mit bruchgetrenntem Lagerdeckel
US5993571A (en) * 1997-11-18 1999-11-30 Isuzu Motors Limited And Nippon Steel Corporation Steel for machine structural use and machine parts made from such steel
US6143242A (en) * 1998-05-01 2000-11-07 Nippon Steel Corporation Steel for machine structural use excellent in fracture splitability and fatigue strength
US8152939B2 (en) 2003-03-18 2012-04-10 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Non-heat treated connecting rod and method of manufacturing the same
CN104775081A (zh) * 2015-04-21 2015-07-15 宝山钢铁股份有限公司 一种撑断连杆用高碳非调质钢及其制造方法
EP3453777A1 (en) * 2017-09-08 2019-03-13 Cemtas Celk Makina Sanayi Ve Ticaret Anonim Sirketi High strength and fracture splittable micro alloyed steel
CN111876682A (zh) * 2020-07-22 2020-11-03 中国重汽集团济南动力有限公司 一种高强度重型汽车用非调质钢连杆及其制作方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5993571A (en) * 1997-11-18 1999-11-30 Isuzu Motors Limited And Nippon Steel Corporation Steel for machine structural use and machine parts made from such steel
EP0924440A2 (de) * 1997-11-21 1999-06-23 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft, Patentabteilung AJ-3 Geschmiedetes Pleuel für Hubkolbenmaschinen aus Kohlenstoffstahl mit bruchgetrenntem Lagerdeckel
EP0924440A3 (de) * 1997-11-21 2000-04-19 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft, Patentabteilung AJ-3 Geschmiedetes Pleuel für Hubkolbenmaschinen aus Kohlenstoffstahl mit bruchgetrenntem Lagerdeckel
US6143242A (en) * 1998-05-01 2000-11-07 Nippon Steel Corporation Steel for machine structural use excellent in fracture splitability and fatigue strength
US8152939B2 (en) 2003-03-18 2012-04-10 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Non-heat treated connecting rod and method of manufacturing the same
CN104775081A (zh) * 2015-04-21 2015-07-15 宝山钢铁股份有限公司 一种撑断连杆用高碳非调质钢及其制造方法
EP3453777A1 (en) * 2017-09-08 2019-03-13 Cemtas Celk Makina Sanayi Ve Ticaret Anonim Sirketi High strength and fracture splittable micro alloyed steel
CN111876682A (zh) * 2020-07-22 2020-11-03 中国重汽集团济南动力有限公司 一种高强度重型汽车用非调质钢连杆及其制作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1605071B1 (en) Non-quenched/tempered connecting rod and method of producing the same
EP3168319B1 (en) Microalloyed steel for heat-forming high-resistance and high-yield-strength parts
JPH09111412A (ja) 高強度・高降伏比・低延性非調質鋼
JP3235442B2 (ja) 高強度・低延性非調質鋼
JP2003055714A (ja) 非調質鋼鍛造加工品及びその製法、並びにそれを用いた内燃機関用コンロッド部品
JPH09324219A (ja) 耐水素脆性に優れた高強度ばねの製造方法
JPH093589A (ja) 高強度・低延性非調質鋼
JP3416869B2 (ja) 被削性に優れた低延性非調質鋼材
JP3915710B2 (ja) 耐低サイクル衝撃疲労特性に優れた浸炭差動歯車
JPH09176786A (ja) 高強度・低延性非調質鋼
JP3368735B2 (ja) 高強度・低延性非調質鋼
JPH11199924A (ja) 高強度低延性の非調質鋼部品の製造方法
JP3456375B2 (ja) 高強度・低延性非調質鋼
JP3473500B2 (ja) 低延性非調質鋼
JP4255861B2 (ja) 非調質コネクティングロッド及びその製造方法
JPH0931594A (ja) 高強度・低延性非調質鋼
JP3887271B2 (ja) 破断分離可能な高強度非調質鋼及びその中間製品
JPH08260039A (ja) 浸炭肌焼鋼の製造方法
JP4393344B2 (ja) 冷間加工性と耐結晶粒粗大化特性に優れた肌焼き用鋼の製造方法
JP3988663B2 (ja) 非調質鋼
JPH11236643A (ja) 低延性非調質鋼
JP4420481B2 (ja) 冷温間鍛造加工性及び切削加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼
JPH09202921A (ja) 冷間鍛造用ワイヤーの製造方法
JPH11286750A (ja) 低延性非調質鋼
JP3416868B2 (ja) 被削性に優れた高強度・低延性非調質鋼材